JP2004076950A - 冷凍機 - Google Patents

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Yoshiko Yasunobu
安信 淑子
Akihiro Kino
城野 章宏
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Matsushita Refrigeration Co
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】保存後の調理済み食品における品質の低下を抑制し、保存前に近い食味を実現することが可能な冷凍機を提供する。
【解決手段】あらかじめ脂肪率を測定した調理済み食品10を冷凍機100の冷凍室1内に配置し、制御パネル20の脂肪率入力部に該脂肪率を入力する。制御装置5は、入力された該脂肪率に基づいて、該脂肪率における最適保存温度、すなわち、食品10の氷結率を55%以下に抑えることが可能な保存温度を、内部メモリ5aから読み出して取得する。そして、冷凍室1内がこの最適保存温度となるように圧縮機15、送風機7およびダンパー装置8を制御する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、調理済み食品を冷凍保存する冷凍機に関し、特に、保存前に近い品質を保存後においても保持することが可能な冷凍保存を行う冷凍機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
おでんのジャガイモ、カレーのジャガイモ等の調理済み食品の冷凍保存の際、食品を冷凍機の冷凍室内に配置すると、食品の温度が急速に下がる。そして、やがて、食品の内部に含まれる水分が液体から固体へと変化する点、すなわち凍結点(約0℃)に達する。凍結点を通過すると、食品内部に含まれる水分が凍り始めて氷結晶が生成される。このように食品内部の水分が凍結する期間、すなわち最大氷結晶生成帯では、食品の種類や大きさによって多少の温度差があるものの、食品の温度がおよそ−5〜0℃に保たれる。凍結期間(最大氷結晶生成帯)を通過すると、食品の組織中の7〜8割の水分が凍結する。凍結が食品中心部にまで達して凍結期間が終了すると、再び食品の温度が下がり、冷凍室の雰囲気温度と同じ温度まで冷却される。このように冷却された状態で食品は保存され、保存期間では、保存時間の経過に伴って食品内部で氷結晶が生成および成長する。
【0003】
冷凍保存中において生成および成長した氷結晶、特に、凍結期間で生成され保存期間で成長した氷結晶は、食品の組織構造(例えば細胞構造等)を破壊する。氷結晶による構造破壊により、食品を解凍した際に、水分および旨味等がドリップとして食品から流出し、その結果、冷凍保存後の食品の品質が、冷凍保存前に比べて著しく損なわれる。このため、冷凍保存前の食品の品質を保持するためには、冷凍保存時における氷結晶の生成および成長を抑制し、氷結晶による前記構造破壊を防止して食品の構造状態を保持する必要がある。
【0004】
一般に、冷凍保存する食品を配置する冷凍室内部の雰囲気温度が低いほど食品を速く冷却することができるため、凍結期間を短くすることができ、それにより、凍結期間における氷結晶の生成・成長を抑制して、生成される氷結晶の大きさを抑えることができると言われている。また、保存期間中においても、冷凍室内部の雰囲気温度が低いほど、氷結晶の成長が抑制されると言われている。
【0005】
このように、冷凍室内部の温度が低いほど、保存中の食品における氷結晶の生成および成長を抑制することができるため、氷結晶が冷凍保存後の食品構造に与えるダメージを小さくできると言われている。したがって、冷凍保存前の食品構造を保持して品質の低下を防ぐためには、食品の冷凍保存の際に、冷凍室内部の雰囲気温度を極力低くしてできるだけ速く食品全体を目的とする冷凍保存温度まで到達させるとともに、保存期間ではできるだけ低い雰囲気温度で保存することが重要であると推定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、種類の異なる調理済みの食品Aおよび食品Bを−20℃で冷凍保存した場合と、これらを−40℃で冷凍保存した場合とについて、保存期間終了後の品質評価を行った。その結果を図12に示す。ここでは、冷凍保存後の食品A,Bについて、構造状態、旨味濃度、官能評価、氷結率および保存期間を示して品質評価を行っている。
【0007】
ここでは、食品A,Bの構造状態の評価は、目視による観察において、冷凍保存後の構造が、冷凍保存前の構造と比較してほとんど変化していない、すなわち食品構造がほとんど破壊されていない場合を良好と定義して○で表し、食品構造の変化(破壊)が食品の表面積の1/2未満である場合を構造変化ありと定義して×で表し、1/2以上である場合を大きな構造変化ありと定義して××で表した。なお、食品構造の変化(破壊)とは、例えば、目視により観察される亀裂の発生や変形等の外観の変化である。
【0008】
また、旨味濃度の評価は、目視による観察で、食品から旨味成分、具体的にはドリップが、ほとんど流出していない場合を良好と定義して○で表し、ドリップの流出が保存前の1/2未満である場合を流出ありと定義して×で表し、1/2以上である場合を大きな流出ありと定義して××で表した。
【0009】
また、官能評価は、冷凍保存後の食品A,Bを解凍して試食した際の食味の評価であり、ここでは、冷凍保存前の食品の食味を基準として0ポイントと定義し、保存後のポイントが0に近いほど保存前の食味に近く、負の値は保存前よりも食味が悪くなったことを表している。保存後のポイントが−1では、保存前に比べて食味がやや悪くなったことを示しており、−2では、保存前に比べて食味がかなり悪くなったことを示しており、−3では、保存前に比べて食味が非常に悪くなったことを示している。官能評価のポイントは0.5ポイント毎に設定されており、1ポイント違うと、食味の差が明確に認識される。
【0010】
また、氷結率は、凍結期間内および保存期間内において生成・成長した氷結晶が、保存期間終了時点で食品中において占める割合(%)であり、以下の式(1)で示される。
【0011】
氷結率(%)=(水分の凍結量/食品全体の重量)×100・・・(1)
なお、式(1)中の水分の凍結量は、例えば、熱分析等により求める。
【0012】
また、保存期間とは、もと(冷凍前)の食品の味を保つことができる期間の最長日数と定義する。
【0013】
図12に示すように、調理済み食品Aを−20℃で冷凍保存した場合には、食品中の氷結率が85%と高く、このため、保存期間終了後に、大きな構造変化(破壊)およびドリップの流出が見られた。また、食品Bに関しては、氷結率が80%と高く、このため、食品Aよりは程度が小さいものの、構造変化(破壊)およびドリップの流出が見られた。また、官能評価では、食品Aは−3.0ポイントであり、食品Bは−2.5ポイントであり、保存前に比べてそれぞれ3.0ポイントおよび2.5ポイント差が生じて食味が保存前よりも非常に悪くなっていた。この結果から、食品A,Bを−20℃で冷凍保存した場合には、保存後の食品の品質の低下が著しいことが明らかとなった。
【0014】
そこで、食品の品質の低下を抑制するために、前述の一般論、すなわち、「保存温度が低いほど、凍結期間が短くなり氷結晶の生成・成長が抑制されるとともに、保存期間中の氷結晶の成長が抑制され、その結果、食品中における氷結晶の割合が小さくなって氷結晶による食品の構造破壊を抑制することが可能となる」という説に基づいて、保存温度を−20℃から−40℃に下げた。その結果、食品の構造状態、旨味濃度および官能評価が、食品Aでは−20℃の場合と比べて改善が認められず、食品Bでは、−20℃の場合に比べてむしろ悪くなることが明らかとなった。このように、食品A,Bを−40℃で保存した場合には、保存後の食品の品質の向上を図ることができなかった。このように、食品の冷凍保存では、保存温度を低くするだけでは、保存後における食品の品質の低下を抑制することが困難であることが明らかとなった。
【0015】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、冷凍保存後の調理済み食品における品質の低下を抑制し、保存前に近い食味を実現することが可能な冷凍機を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、発明者らは、冷凍保存温度と、食品の氷結率と、氷結晶成長速度との間には、図13に示す関係が存在することを見いだした。
【0017】
すなわち、図13に示すように、冷凍保存温度が低いほど、食品中における氷結晶の成長速度は遅くなるが、氷結率は、逆に高くなる。このように、氷結晶の成長速度と氷結率とは、トレード・オフの関係にある。氷結晶の成長速度が速いほど、氷結晶が食品の構造に与えるダメージは大きくなる。また、氷結率が高くなるほど、氷結晶が食品の構造に与えるダメージは大きくなる。このように、氷結晶による食品の構造破壊(構造変化)は、氷結晶成長速度と氷結率との両方の影響を大きく受け、特に、氷結率による影響を大きく受ける。
【0018】
図13に示す冷凍保存温度と氷結率との関係を考慮して、前述の図12に示す調理済み食品A,Bの品質評価の結果を考察すると、食品A,Bでは、−20℃で保存した場合の氷結率が高く、氷結晶により食品構造が大きなダメージを受けているため、冷凍保存後の食品の品質が低下すると推察できる。保存後の食品A,Bにおける品質低下を抑制するためには、氷結晶の生成・成長を抑制して食品構造に与えるダメージを小さくする必要がある。しかしながら、図13に示すように、保存温度を−20℃から−40℃に下げると、逆に氷結率がより上昇し、食品構造に与えるダメージが−20℃の場合よりも大きくなる。それゆえ、冷凍保存温度を−20℃から−40℃に下げても、食品A,Bでは品質の改善が図られない。
【0019】
そこで、次に、冷凍保存温度を−20℃から−5℃および5℃にそれぞれ上昇させた場合における食品A,Bの品質評価を行い、その結果を図14に示す。ここでは、品質の評価は、前述の図12の場合と同様の評価方法で行った。
【0020】
図14に示すように、−5℃で冷凍保存した場合の食品Aの氷結率は70%であり、食品Bの氷結率は30%である。このように、−5℃で冷凍保存した場合には、−20℃で冷凍保存した場合よりも、食品A,Bにおいて氷結率を小さくすることが可能となり、特に、食品Bにおいては、大幅に氷結率を減少させることが可能となる。このように氷結率を減少させることにより、氷結晶による食品構造の破壊を抑制することが可能となる。それゆえ、−5℃で冷凍保存した場合には、−20℃で冷凍保存した場合に比べて、食品A,Bにおいて、構造状態、旨味濃度および官能評価において改善を図ることができ、品質の向上が図られる。
【0021】
特に、食品Bでは、構造状態および旨味濃度が冷凍保存前とほとんど変わらず、官能評価でも、冷凍保存前と比較して食味の差は明確には感じられなかった。一方、食品Aでは、−20℃で冷凍保存した場合に比べて改善が図られるものの、冷凍保存前と比較すると構造状態の劣化および旨味濃度の低下が見られ、官能評価でも保存前と2ポイントの差があり、まだかなり食味が悪かった。このように、同じ冷凍保存温度であっても、食品A,Bにおける品質改善効果の程度はそれぞれ異なる。これは、同じ保存温度であっても、食品の種類によってその保存温度における氷結率がそれぞれ異なるので、各氷結率に応じて、品質改善効果の程度が異なるためであると推察される。なお、−5℃で保存する場合には、−20℃で保存する場合よりも保存温度が高くなるため、保存期間が2週間ほど短くなる。
【0022】
一方、5℃で保存する場合には、食品A,Bともに、保存温度が凍結点(0℃)より高いため、食品A,Bでは氷結晶が生成されない。このため、氷結晶による食品の構造破壊が生じず、よって、保存後の食品A,Bでは、構造状態および旨味濃度が保存前と比べてほとんど変化せず、官能評価でも、保存前と比較してポイント差は0.5であり、食味の差は明確には感じられなかった。
【0023】
しかしながら、保存温度を5℃とすると、食品A,Bともに保存期間が2日となり、0℃以下で冷凍保存する場合よりも著しく保存期間が短くなった。種々の検討の結果、0℃より高い温度で食品A,Bを保存する場合には、0℃以下で保存する場合と比較して、保存期間が1/14〜1/7程度に短くなることがわかった。
【0024】
以上のように、食品の保存では、保存後の食品の品質低下の一要因となる食品の構造破壊が氷結率の影響を受けており、その氷結率は、保存温度によって決まる。したがって、食品の構造破壊にほぼ影響を及ぼさないか、または、影響が小さく品質低下が許容範囲内である氷結率となるように保存温度を設定することにより、保存前の品質を維持することが可能となる。
【0025】
そこで、各種調理済み食品について、食品の構造破壊にほぼ影響を及ぼさない、または、影響が小さい氷結率を特定すべく、氷結率と保存後の食品の品質との関係を検討した。その結果を図15に示す。
【0026】
図15は、種々の調理済み食品における氷結率と官能評価との関係を示す図である。図15に示すように、氷結率が高くなるほど、保存後の食品の官能評価が低くなり、食品の品質が低下している。ここで、官能評価が−1ポイント以上であれば、保存前と保存後の食味の差が明確に感じられないことから、官能評価が−1ポイント以上である氷結率の範囲を、食品の構造破壊にほぼ影響を及ぼさない、または、影響が小さく品質低下が許容範囲内である氷結率と定義することができ、このような氷結率の範囲は、種々の調理済み食品において、0%以上55%以下の範囲であることが分かった。このことから、調理済み食品を保存する際には、氷結率が0%以上55%以下となるように保存温度を設定すれば、保存後の食品において、保存前に近い品質を維持できることがわかった。
【0027】
前述のように、種類の異なる調理済み食品では、同じ保存温度であっても、食品の種類によってその保存温度における氷結率がそれぞれ異なる。したがって、食品の種類が異なれば氷結率を0%以上55%以下とすることが可能な保存温度もそれぞれ異なる。それゆえ、各食品について、保存温度と氷結率との関係を検討し、0%以上55%以下の氷結率を実現可能とする保存温度をそれぞれ調べた。そして、発明者らは、以下の発明に至った。
【0028】
本発明に係る冷凍機は、冷凍室と、前記冷凍室を冷却するための冷却装置と、前記冷凍室内の温度が前記調理済み食品の保存温度に関する情報に対応した温度となるように前記冷却装置を制御する制御装置とを備えたものである(請求項1)。
【0029】
かかる構成によれば、冷凍室内の温度が、調理済み食品の保存温度に関する情報に対応した温度となるように制御されるため、適切な温度で保存を行うことが可能となる。したがって、保存による品質の低下を抑制することが可能となり、保存後においても良好な品質を維持することが可能となる。
【0030】
前記冷凍室内の温度が、前記調理済み食品の氷結率に対応した温度となるように、前記制御装置が前記冷却装置を制御することが好ましい(請求項2)。
【0031】
かかる構成によれば、冷凍室内の温度が、調理済み食品の氷結率に対応した温度となるように制御されるため、氷結率の低減化を図ることが可能となる。それにより、氷結晶が原因となって生じる食品の組織構造の破壊を抑制することが可能となり、食品の構造破壊により生じる保存後の食品の品質低下を抑制することができる。
【0032】
前記調理済み食品の氷結率に対応した温度は、前記調理済み食品の脂肪率に対応した温度であってもよい(請求項3)。
【0033】
調理済み食品の脂肪率と含水率との間には関連性があり、含水率はさらに氷結率と関連する。したがって、かかる構成によれば、調理済み食品の脂肪率に対応した温度となるように制御することにより、調理済み食品の氷結率に対応した温度制御を行うことが可能となる。
【0034】
前記調理済み食品の氷結率に対応した温度は、前記調理済み食品の塩分率に対応した温度であってもよい(請求項4)。
【0035】
調理済み食品の塩分率と凍結温度との間には関連性があり、凍結温度はさらに氷結率と関連する。したがって、かかる構成によれば、調理済み食品の塩分率に対応した温度となるように制御することにより、調理済み食品の氷結率に対応した温度制御を行うことが可能となる。
【0036】
前記冷凍室内の温度が、前記調理済み食品の氷結率が0%以上55%以下となる温度となるように、前記制御装置が前記冷却装置を制御することが好ましい(請求項5)。
【0037】
かかる構成によれば、調理済み食品を好ましい氷結率の範囲内で保存することができるため、氷結晶が原因となって生じる食品の組織構造の破壊を効果的に抑制することが可能となる。それにより、食品の構造破壊により生じる保存後の食品の品質低下を効果的に抑制することができ、保存後においても、保存前とほとんど変わらない品質を維持することが可能となる。
【0038】
さらに、前記調理済み食品の保存温度に関する情報を入力する入力手段を備え、前記冷凍室内の温度が、入力された前記情報に対応した温度となるように、前記制御装置が前記冷却装置を制御してもよい(請求項6)。
【0039】
かかる構成によれば、入力手段により入力された保存温度に関する情報に基づいて、この情報に対応した温度となるように温度制御を行うことにより、適切な保存温度で保存を行うことが可能となる。
【0040】
測定により前記調理済み食品の保存温度に関する情報を取得する測定手段を備え、前記冷凍室内の温度が、取得された前記情報に対応した温度となるように、前記制御装置が前記冷却装置を制御してもよい(請求項7)。
【0041】
かかる構成によれば、測定手段により取得された保存温度に関する情報に基づいて、この情報に対応した温度となるように温度制御を行うことにより、適切な保存温度で保存を行うことが可能となる。特に、この場合、保存温度に関する情報を入力しなくても、測定手段により自動的に情報を取得することができる。したがって、操作の簡便化が図られる。
【0042】
前記制御装置は、前記情報を温度に換算する換算手段を備え、前記冷凍室内の温度が、前記換算手段により換算された温度となるように、前記制御装置が前記冷却装置を制御してもよい(請求項8)。
【0043】
かかる構成によれば、調理済み食品の保存温度に関する情報に対応した温度に調整する構成を具体的に実現できる。
【0044】
前記情報が、前記調理済み食品の脂肪率であってもよく(請求項9)、あるいは、前記調理済み食品の塩分率であってもよい(請求項10)。
【0045】
かかる構成によれば、調理済み食品の脂肪率または塩分率に対応した温度で保存を行うことができる。ここで、前述のように、調理済み食品の脂肪率および塩分率は氷結率と関連性を有するため、脂肪率または塩分率に対応した温度とすることにより、氷結率に対応した温度で保存を行うことが可能となる。したがって、
氷結率の低減化を図ることが可能となる。それにより、氷結晶が原因となって生じる食品の組織構造の破壊を抑制することが可能となり、食品の構造破壊により生じる保存後の食品の品質低下を抑制することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0047】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る冷凍機の構成を示す模式図である。
【0048】
図1に示すように、冷凍機100は、内部において調理済み食品10を冷却して貯蔵する冷凍室1と、冷凍室1を冷却するための冷気を発生させる冷却装置2と、冷凍室1内に連通し、冷却装置2で発生した冷気を冷凍室1に導くための冷気吐出ダクト3と、冷凍室1内の冷気を冷却装置2に戻すための冷気吸い込みダクト4と、冷凍室1内の温度を制御する制御装置5とを有する。
【0049】
冷凍室1は、発泡断熱材からなる壁で構成され、前面が開口されている。前面開口部には、断熱性のドアが取り付けられて閉塞されるが、ここでは、冷凍機100の内部構造を示すためにドアの図示を省略する。冷凍室1の外壁の所定部分には、制御パネル20Aが配設される。また、制御パネル20Aに対向する内壁の部分に、冷凍室1内の温度を検出する温度検出器6が配設される。温度検出器6としては、熱電対やサーミスタ等の接触式の測温素子、あるいは、赤外線センサを用いた非接触型の測温素子等が用いられる。後述するように、温度検出器6により検出された冷凍室1内の温度情報は、制御装置5に伝達される。
【0050】
図2は、図1の制御パネル20Aの構成を示す正面図である。図2に示すように、制御パネル20Aは、脂肪率入力部21と、冷凍室内温度表示部23と、温度制御運転操作ボタン26とを有する。脂肪率入力部21は、入力表示パネル22と、脂肪率設定キー24と、脂肪率決定ボタン25とから構成される。脂肪率設定キー24は、プラスキー24aとマイナスキー24bとから構成され、これらのキー24a,24bを用いて、0〜100の任意(例えば小数点第1位までの値)を入力できる。ここでは、脂肪率設定キー24による入力操作情報が制御装置5に伝達され、制御装置5は、前記入力操作により設定される数値を、入力表示パネル22に表示させる。また、前述のように制御装置5に伝達された温度検出器6からの冷凍室1内部温度の情報が、冷凍室内温度表示部23に表示される。
【0051】
冷却装置2は、圧縮機15と、凝縮器(図示せず)と、キャピラリーチューブ(図示せず)とを含んで構成され、従来の冷凍機における冷却機構と同様の冷却機構を備える。
【0052】
冷凍室1の天井壁を貫通して冷凍室1の内部から外部に突出する冷気吐出ダクト3および冷気吸い込みダクト4は、冷却装置2に接続される。冷気吸い込みダクト4は、一定の配管径を有しており、冷却装置2と冷凍室1とを連結する。冷気吐出ダクト3は、冷却装置2と冷凍室1とを連結する配管径の小さな冷気導入部3aと、冷気導入部3aを通じて冷却装置2から送られた冷気を冷凍室1内に吐き出すため、冷凍室1内において徐々に径が大きくなるように形成された吹き出し口3bとから構成される。
【0053】
冷気吐出ダクト3の冷気導入部3a内部には、冷却装置2からの冷気を冷凍室1に向けて強制送風するための送風機7が配設される。また、この送風機7の下流側には、ダンパー装置8が配設されている。ダンパー装置8は、冷気導入部3aを通して冷凍室1に送られる冷気の量を調整するために開閉自在に設けられたバッフル(図示せず)を有する。このバッフルは、ダンパー装置8に接続されたモータ9が駆動することにより開閉する。
【0054】
制御装置5は、マイコンで構成されている。前述の制御パネル20Aは、制御装置5の入力手段に相当し、制御パネル20Aで入力された数値が制御装置5に伝達される。また、温度検出器6で検出された冷凍室1内の温度も制御装置5に伝達される。また、制御装置5は、後述の図4に示すように、調理済み食品の脂肪率と、該脂肪率における最適保存温度と、該保存温度における保存期間とを記憶したデータを格納した内部メモリ5aを有する。ここで、最適保存温度とは、保存対象たる食品を保存前の食味にほぼ近い状態で、かつ、できるだけ長く保存できる温度のことであり、具体的には、図15において前述したように、食品の氷結率を0%以上55%以下とすることが可能で、かつ、該氷結率を満たす温度範囲の中で食品を最も長く保存することが可能な温度と定義する。
【0055】
さらに、制御装置5は、冷凍室1内の温度が、設定された上記の最適保存温度となるように、後述のように冷却装置2の圧縮機15、冷気吐出ダクト3の送風機7およびダンパー装置8のバッフルをそれぞれ制御する。
【0056】
次に、制御装置5に格納された制御プログラムに基づいて、冷凍機100を用いて調理済み食品10を冷凍保存する場合について説明する。ここでは、調理済み食品10として、おでんのジャガイモ(以下、単にジャガイモと呼ぶ)を冷凍保存する場合を示す。
【0057】
冷凍機100による冷凍保存では、制御装置5により各種制御が行われる。図3は、図1の制御装置5に格納された制御プログラムの内容を示すフローチャートである。図3に示すように、ジャガイモ10を冷凍保存する際には、まず、あらかじめ保存前のジャガイモ10の脂肪率を別途測定する(ステップS1A)。ここで、食品の脂肪率は、以下の式(2)で求められ、脂肪率の測定は、電極センサ等を備えた通常の脂肪率検出器を用いて行う。
【0058】
脂肪率(%)=(食品の脂肪量/食品全体の重量)×100・・・(2)
このようにして得られたジャガイモ10の脂肪率は、0.5%であった。
【0059】
脂肪率測定後、冷凍室1内の底部にジャガイモ10を配置して冷凍室1のドア(図示せず)を閉める(ステップS1)。冷凍室1内に配置するジャガイモ10は、1個であってもよく、複数であってもよい。また、冷凍室1内は、冷凍機100の主電源(図示せず)をオンにすると同時に冷却が行われる構成となっており、図2の冷凍室内温度表示パネル23が示すように、あらかじめ冷凍室1内が0℃に設定されている。
【0060】
次に、前述のジャガイモ10の脂肪率0.5%を制御パネル20の脂肪率入力部21に入力する。すると、制御装置5が、入力されたジャガイモ10の脂肪率の情報を受け取る(ステップS2)。脂肪率の入力の際には、入力表示パネル22で数値を確認しながら、脂肪率設定キー24のプラスキー24aを押して入力値を増加、または、マイナスキー24bを押して入力値を減少させて調整を行い、0.5の値を入力する。その後、脂肪率決定ボタン25を押して入力値を決定する。決定された脂肪率入力値は、制御装置5に伝達される。
【0061】
続いて、制御装置5は、温度制御運転の開始指令が入力されたか否かを判定する(ステップS3)。この場合、制御パネル20の温度制御運転操作ボタン26をオンにすることにより、温度制御運転開始指令が制御装置5に伝達される。該開始指令が入力されると、制御装置5は、以下のステップに従って、温度制御運転を行う。一方、該開始指令が入力されない場合は、例えばステップS2に戻って脂肪率が再度入力されて再びステップS3で判定が行われる。
【0062】
温度制御運転開始指令が出されると、制御装置5は、入力された脂肪率の値(0.5%)に基づいて、内部メモリ5aから、該脂肪率に対応する最適保存温度を読み出して取得する(ステップS4)。このように、制御装置5では、換算手段たる内部メモリ5aにより、脂肪率が最適保存温度に換算される。
【0063】
図4は、制御装置5の内部メモリ5aに格納されたデータを示す図である。図4に示すように、制御装置5の内部メモリ5aには、保存対象たる調理済み食品の脂肪率が0%以上6%未満である場合の最適保存温度は−5℃であり、その保存期間が14日であること、また、脂肪率が6%以上100%以下である場合の最適保存温度は−10℃であり、その保存期間が21日であることを記憶したデータが格納されている。
【0064】
上記のデータに関し、一般に、脂肪部分には水分がほとんど含まれていないため、脂肪率に応じて含水率が変化し、食品の脂肪率と含水率とは相反する関係にある。このことから、脂肪率が0%以上6%未満、すなわち脂肪率が低い場合には、食品の含水率が高く、一方、脂肪率が6%以上100%以下、すなわち脂肪率が高い場合には、食品の含水率が低いことを示している。このため、脂肪率が0%以上6%未満の場合には、含水率が高いので凍結量自体が多くなる傾向にあり、よって、氷結率を55%以下に抑えるためには、保存温度を高めに設定する必要があると考えられる。また、脂肪率が6%以上100%以下の場合には、水分率が低いため、保存温度が低くても氷結率を55%以下に抑えることができる。このため、脂肪率が6%以上100%以下の場合には、脂肪率0%以上6%未満の場合に比べて、保存期間が1週間ほど長くなる。
【0065】
本実施の形態では、ジャガイモ10の脂肪率が0.5%であるため、内部メモリ5aから読み出しが行われて最適保存温度−5℃が取得される。この結果に従って、制御装置5は、冷凍室1内の温度を−5℃に設定する(ステップS5)とともに、冷凍室1内の温度が該設定温度−5℃となるように、冷凍室1内部に配置された室温検出器6で冷凍室1内の温度を検出しながら温度制御運転を行って冷凍室1内の冷却を行う(ステップS6)。前述のように、温度制御運転開始前の冷凍室1内の温度はあらかじめ0℃に保たれているため、ここでは、0℃から−5℃まで冷凍室1内の温度を下げるように以下のようにして冷却が行われる。
【0066】
冷却の際には、まず、冷却装置2の圧縮機15、凝縮器(図示せず)およびキャピラリーチューブ(図示せず)によって、従来の冷却装置と同様の方法により冷気を発生させる。この時、制御装置5は、冷却装置2の圧縮機15に投入される電力を調整することによって圧縮機15の能力を制御し、冷却装置2により生じる冷気の温度を調整する。冷却装置2で発生した冷気は、送風機7により強制送風されて冷凍室1内に向かって冷気吐出ダクト3の冷気導入部3aに送られ、ダンパー装置8を経て吐き出し口3bから冷凍室1内に放出される。ここで、制御装置5は、送風機7の回転数を調整することによって送風機7を制御し、冷却装置2から冷気吐出ダクト3へ送風される冷気の量を調整する。また、制御装置5は、ダンパー装置8のバッフル(図示せず)の開閉状態を調整することによってダンパー装置8を制御し、冷凍室1内部に送られる冷気の量を調整する。
【0067】
このように、制御装置5は、圧縮機15、送風機7およびダンパー装置8を制御することにより、冷却装置2から冷凍室1内に送られる冷気の温度および風量(風速)を調整して冷凍室1内の温度制御を行う。冷却装置2から冷凍室1内に送られた冷気は、冷凍室1内を対流して冷凍室1内を冷却した後、冷気吸い込みダクト4を通じて冷却装置2に戻される。このように、冷気は循環する。
【0068】
上記の冷凍室1の冷却過程において、制御装置5は、室温検出器6からの情報に基づいて、冷凍室1内の温度が設定温度(−5℃)であるか否かを判定する(ステップS7)。冷凍室1内の温度が設定温度に達していない場合には、引き続き冷却が行われる。一方、冷凍室1内の温度が設定温度に達すると、冷凍室1内の温度を維持するように制御装置5が圧縮機15、送風機7およびダンパー装置8を制御して冷却を行う。冷凍室1内の温度を−5℃とすることにより、冷凍室1内に配置されたジャガイモ10の温度も−5℃となり、この温度で冷凍保存される。
【0069】
このように、−5℃で所定期間、ここでは14日間冷凍保存を行った後、制御パネル20Aの温度制御運転操作ボタン26をオフにして、温度制御運転停止指令を制御装置5に入力する(ステップS9)。それにより、温度制御運転が停止する(ステップS10)。温度制御運転が停止した冷凍機では、再び冷凍室1内の温度が0℃となるように制御が行われる。なお、該停止指令が入力されていない場合には、引き続き温度制御運転が継続される。
【0070】
以上のように、本実施の形態では、ジャガイモ10を、その脂肪率に応じた最適保存温度−5℃で保存するため、冷凍保存の間のジャガイモ10の氷結率を55%以下に保つことができる。このため、氷結晶によるジャガイモ10の組織構造の破壊を抑制することが可能となる。それゆえ、食品内部からの水分や旨味の流出(トリップの流出)を抑制することができ、保存終了後においても、保存前とほぼ変わらない旨味濃度を実現することができる。そして、前述の図15に示すように、冷凍保存後のジャガイモ10を解凍して試食した際の官能評価が0〜−1ポイントであり、保存前と比較して、その差を1ポイント以下に抑えることができる。したがって、保存前と保存後とでは、食味の差は明確には認識されず、保存後においても、保存前と変わらない良好な食味を実現することが可能となる。このように、本実施の形態の冷凍機によれば、冷凍保存による食品の品質の低下を抑制することが可能となる。
【0071】
ところで、上記においては、脂肪率が0.5%であるおでんのジャガイモを保存する場合について説明したが、同一の食材であっても、調理法が異なれば、調理済み食品に含有される脂肪率はそれぞれ異なる。例えば、食材が共通なジャガイモであっても、カレーのジャガイモは、おでんのジャガイモよりも脂肪率が高く、カレーのジャガイモの脂肪率は7%である。
【0072】
そこで、カレーのジャガイモを保存する場合には、脂肪率の入力時に、7%と入力する。図4に示すように、脂肪率が7%では、内部メモリ5a中に記憶された脂肪率6%以上100%以下の場合に該当するので、ステップS4の読み出しにより、最適保存温度−10℃が取得される。したがって、制御装置5は、ステップS5において冷凍室1内の温度を−10℃に設定するとともに、ステップS6において、冷凍室1内部の温度が−10℃となるように、圧縮機15、送風機7およびダンパー装置8の制御を行う。それにより、おでんのジャガイモの場合と同様に、カレーのジャガイモにおいても、氷結率を55%以下に抑えることが可能となり、おでんのジャガイモの場合と同様の効果が得られる。さらに、この場合には、おでんのジャガイモと比較して保存温度が低いため、おでんのジャガイモよりも保存期間が1週間ほど長くなり21日となる。
【0073】
本実施の形態では、保存前に調理済み食品の脂肪率を別途測定し、その測定値を制御パネル20Aに入力しているが、本実施の形態の変形例として、種々の調理済み食品の脂肪率が一覧となった脂肪率表をあらかじめ作製し、保存対象たる調味済み食品の脂肪率をこの脂肪率表から検索し、表から得られた脂肪率をステップS2において入力する構成も可能である。
【0074】
また、本実施の形態の他の変形例として、調理済み食品の脂肪率と、その脂肪率において氷結率55%以下を実現することが可能な最適保存温度とをあらかじめ調べて脂肪率・最適保存温度一覧表を作製し、ステップS1Aにて測定した脂肪率、あるいは、上記のように脂肪率表から得られた脂肪率をもとにして、この脂肪率・最適保存温度一覧表から最適保存温度を求め、得られた最適保存温度を直接入力する構成も可能である。この場合には、脂肪率入力ステップの代わりに最適保存温度入力ステップが設けられ、また、最適保存温度の読み出しステップS4が不要になるとともに、図4に示す内部メモリ5aも不要となる。また、制御パネル20Aは、該脂肪率・最適保存温度一覧表から得られた最適保存温度を設定温度として直接入力する構成となる。
【0075】
あるいは、本実施の形態のさらに他の変形例として、あらかじめ種々の調理済み食品に、個々の調理済み食品を識別するための識別コードを付与するとともに、個々の調理済み食品について、脂肪率および該脂肪率での最適保存温度を調べる。そして、識別コード、脂肪率および最適保存温度を1組のデータとし、様々な種類の調理済み食品についてのデータを格納した内部メモリを制御装置5に配置する。また、個々の調理済み食品と、その食品に付与された識別コードとの対応表を作製する。冷凍保存の際には、保存対象となる調理済み食品の識別コードを対応表で調べ、ここで得られた識別コードを入力する構成であってもよい。この場合、制御装置5が、入力された識別コードに基づいて、内部メモリから最適保存温度の読み出しを行い、該食品の最適保存温度を取得する。
【0076】
なお、本実施の形態においては、前述のように、温度制御運転を行わない際の冷凍室1内の温度を0℃に設定しているが、これ以外の温度に設定されていてもよい。温度制御運転開始前の冷凍室1内の温度から最適保存温度への変化が速やかに行われるので、設定温度に達するまでの期間が氷結率や保存期間に与える影響はほとんど考えなくてもよい。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る冷凍機は、保存対象たる食品の脂肪率を冷凍機内において自動的に測定し、該脂肪率に対応する最適保存温度を検索・設定して冷凍保存を行うものである。このような本実施の形態の冷凍機は、図1の実施の形態1の冷凍機と同様の構造を有するが、以下の点が実施の形態1と異なっている。
【0077】
すなわち、図5に示すように、本実施の形態の冷凍機101は、冷凍室1内の底部に、脂肪量検出部31と重量検出部32とを備えたトレー30が配置されている。このトレー30の上に調理済み食品10が配置されると、脂肪量検出部31により食品の脂肪量が検出されるとともに、重量検出部32により食品の全体重量が検出される。ここでは、例えば、脂肪量検出部31は電極センサを備え、重量検出部32は圧力センサを備える。また、本実施の形態の制御パネル20Bは、実施の形態1の制御パネル20A(図2)のような脂肪率入力部21が設けられておらず、温度制御運転操作ボタン26と、冷凍室内温度表示パネル23とが設けられただけの構成となっている。
【0078】
図6は、図5の制御装置5に格納された制御プログラムの内容を示すフローチャートである。図6に示すように、本実施の形態の冷凍機101によりカレーのジャガイモ(以下、単にジャガイモと呼ぶ)10を保存する場合、まず、冷凍室1内のトレー30上にジャガイモ10を配置して冷凍室1のドア(図示せず)を閉じる(ステップS11)。なお、ここでは、冷凍室1内の温度が、実施の形態1の場合と同様、あらかじめ0℃に設定されている。
【0079】
続いて、制御装置5は、温度制御運転の開始指令が入力されたか否かを判定する(ステップS12)。この場合、制御パネル20Bの温度制御運転操作ボタン26をオンすることにより、温度制御運転開始指令が制御装置5に伝達される。該開始指令が入力されると、制御装置5は、以下のステップに従って、温度制御運転を行う。一方、該開始指令が入力されない場合は、再びステップS12に戻って判定が行われる。
【0080】
温度制御運転開始指令が出されると、トレー30の脂肪量検出部31でジャガイモ10の脂肪量が検出され、重量検出部32でジャガイモ10の重量が検出される(ステップS13a)。検出された脂肪量および重量の情報は、制御装置5に伝達される。ここで、本実施の形態の制御装置5の内部メモリ5aには、脂肪率演算式として前述の(2)式が入力されており、この演算式(2)に従って、前記脂肪量の値と重量の値とを用いてジャガイモ10の脂肪率を算出し、得られた値を記憶する(ステップS13b)。この場合、ジャガイモの脂肪率は約7%と算出される。
【0081】
ステップS13bで得られた脂肪率に基づいて、制御装置5が、内部メモリ5aから読み出しを行って該脂肪率に対応した最適保存温度を取得する(ステップS14)。ここで、内部メモリ5aには、実施の形態1の場合と同様に、前述の図4に示すように、脂肪率と、該脂肪率における最適保存温度と、該最適保存温度における保存期間を記憶したデータが格納されている。この場合、ジャガイモ10の脂肪率が約7%であるため、最適保存温度として−10℃が取得される。
【0082】
この結果に従って、制御装置5は、冷凍室1内の温度を−10℃に設定する(ステップS15)。その後、ステップS16〜ステップS20に従って、制御装置5が冷凍室1内の室温を−10℃に制御してジャガイモ10の冷凍保存が行われる。ステップS16〜ステップS20は、実施の形態1のステップS6〜ステップS10にそれぞれ対応しており、冷凍室1内の温度が−5℃ではなく−10℃に設定された点を除いて、ステップS6〜ステップS10において前述した処理と同様の処理が行われる。
【0083】
本実施の形態では、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、以下の効果が得られる。すなわち、本実施の形態では、脂肪量検出部31および重量検出部32により冷凍機101内で自動的にジャガイモ10の脂肪量および重量を測定できるとともに、この測定で得られた脂肪量および重量の情報に基づいて、制御装置5がジャガイモ10の脂肪率を自動的に算出する。このため、実施の形態1のようにあらかじめジャガイモ10の脂肪率を測定するステップS1A(図3)が不要となる。よって、保存作業の効率が向上する。また、算出された脂肪率は自動的に制御装置5に記憶されるため、実施の形態1のように脂肪率を入力する必要がなく、制御パネルの脂肪率入力部も不要となる。
【0084】
上記においては、カレーのジャガイモを保存する場合について説明したが、例えば、おでんのジャガイモを保存する場合には、脂肪量および重量の情報に基づいてジャガイモの脂肪率が約1.5%であると算出され、この得られた脂肪率に基づいて、制御装置5が内部メモリ5aから最適保存温度の読み出しを行う。図4に示すように、脂肪率が約1.5%である場合には、最適保存温度として−5℃が取得される。したがって、冷凍室1内の温度が−5℃となるように、制御装置5により温度制御が行われて冷凍保存が行われる。
【0085】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る冷凍機は、食品の脂肪率の代わりに塩分率を入力し、該塩分率に対応する最適な保存温度を検索・設定して冷凍保存を行うものである。このような本実施の形態の冷凍機は、実施の形態1の冷凍機100と同様の構造、すなわち、図1に示す構造を有するが、以下の点が実施の形態1と異なっている。以下、図1を参照して説明する。
【0086】
本実施の形態の冷凍機では、実施の形態1に配設される制御パネル20Aの代わりに、図7に示す制御パネル20Cが配設されている。図7に示すように、制御パネル20Cは、実施の形態1の制御パネル20Aと同様の構成を有するが、脂肪率入力部の代わりに、塩分率入力部40を備える点が制御パネル20Aと異なっている。また、本実施の形態の制御装置5は、食品の脂肪率と、該脂肪率における最適保存温度とを記憶したデータを格納する実施の形態1の内部メモリ5aの代わりに、後述の図9に示すように、食品の塩分率と、該塩分率における最適保存温度とを記憶したデータを格納した内部メモリ(以下、これを内部メモリ5bと呼ぶ)を備える。
【0087】
塩分率入力部40は、入力表示パネル41と、塩分率設定キー42と、塩分率決定ボタン43とから構成される。塩分率設定キー42は、プラスキー42aとマイナスキー42bとから構成される。ここでは、塩分率設定キー42による入力操作情報が制御装置5に伝達され、制御装置5は、前記入力操作により設定される数値を、入力表示パネル41に表示させる。
【0088】
次に、この冷凍機を用いて調理済み食品を冷凍保存する場合について説明する。ここでは、調理済み食品10として、肉じゃがのジャガイモ(以下、単にジャガイモと呼ぶ)を冷凍保存する場合を示す。
【0089】
冷凍機による冷凍保存では、制御装置5により、以下のように各種の制御が行われる。図8は、制御装置5に格納された制御プログラムの内容を示すフローチャートである。図8に示すように、まず、あらかじめ保存前のジャガイモ10(図1)の塩分率を別途測定する(ステップS21A)。ここでは、例えば、電気伝導度センサ等の塩分率検出器を用いてジャガイモ10の塩分率測定を行う。なお、塩分率は、以下の式(3)で求められる。
【0090】
塩分率(%)=(食品の塩分量/食品全体の重量)×100・・・(3)
ここでは、測定により得られたジャガイモ10の塩分率は、1.5%であった。
【0091】
塩分率測定後、あらかじめ冷却しておいた冷凍室1内の底部にジャガイモ10を配置する(ステップ21)。ここでは、図7の制御パネル20Cの冷凍室内温度表示パネル23が示すように、あらかじめ冷凍室1内が0℃に冷却されている。また、冷凍室1内に配置するジャガイモ10は、1個であってもよく、あるいは複数であってもよい。
【0092】
次に、制御パネル20Cの塩分率設定キー42のプラスキー42aおよびマイナスキー42bを用いて、入力表示パネル41で確認しながら数値を増減させて調整し、前述のジャガイモ10の塩分率1.5%を入力するとともに、塩分率決定ボタン25を押して入力値を決定する。この決定された塩分率入力値を制御装置5が受け取る(ステップS22)
続いて、制御装置5は、温度制御運転の開始指令が入力されたか否かを判定する(ステップS23)。この場合、制御パネル20Cの温度制御運転操作ボタン26をオンすることにより、温度制御運転開始指令が制御装置5に伝達される。該開始指令が入力されると、制御装置5は、以下のステップに従って、温度制御運転を行う。一方、該開始指令が入力されない場合は、例えばステップS22に戻って塩分率が再度入力されて再びステップS23で判定が行われる。
【0093】
温度制御運転開始指令が出されると、制御装置5は、入力された塩分率(1.5%)に基づいて、内部メモリ5bから最適保存温度の読み出しを行う(ステップS24)。
【0094】
図9は、制御装置5の内部メモリ5bに格納されたデータを示す図である。図9に示すように、制御装置5の内部メモリ5bには、保存対象たる調理済み食品の塩分率が0%以上1.5%未満である場合の最適保存温度は−5℃であり、その保存期間が14日であること、また、塩分率が1.5%以上100%以下である場合の最適保存温度は−7℃であり、その保存期間が21日であることを記憶したデータが格納されている。なお、各塩分率における最適保存温度とは、実施の形態1の脂肪率の場合と同様、各塩分率の食品において、氷結率を0%以上55%以下とすることが可能であり、かつ、この条件を満たす温度範囲の中で最も保存期間が長いものと定義する。
【0095】
一般に、塩分率が高いほど、凝固点降下の影響により凍結温度が低下する傾向にある。このため、調理済み食品の冷凍では、食品の塩分率が凍結温度に影響し、よって、塩分率の異なる調理済み食品を同じ保存温度で保存しても、塩分率が異なれば凍結温度がそれぞれ異なるので、該保存温度における各食品の氷結率がそれぞれ異なる値となる。
【0096】
食品の塩分率が0%以上1.5%未満である場合は、塩分率が1.5%以上100%以下の場合に比べて塩分率が低いので、凝固点降下の割合が小さくなる。よって、塩分率が1.5%以上100%以下の場合に比べて、食品の凍結温度が高くなり氷結晶が生成されやすくなる。したがって、食品の氷結率を55%以下に抑えるためには、食品の保存温度を−5℃と高めに設定する必要がある。一方、塩分率が1.5%以上100%以下である場合には、塩分率が0%以上1.5%未満の場合に比べて塩分率が高いため、凝固点降下の割合が大きくなる。よって、塩分率が0%以上1.5%未満の場合に比べて、食品の凍結温度が低くなり氷結晶が生成されにくくなる。したがって、食品の保存温度を−7℃と低くしても、氷結率を55%以下に抑えることが可能である。この場合、塩分率0%以上1.5%未満の場合よりも保存温度が低いため、1週間ほど保存期間が長くなる。
【0097】
本実施の形態では、ジャガイモ10の塩分率が1.5%であるため、最適保存温度として−7℃が取得される。この結果に従って、制御装置5は、冷凍室1内の温度を−7℃に設定する(ステップS25)とともに、冷凍室1内の温度が設定温度(−7℃)となるように温度制御を行う(ステップS26)。制御装置5による冷凍室1内の温度調整は、実施の形態1において前述したように、圧縮機15、送風機7およびダンパー装置8の制御により行われる。
【0098】
ステップS27〜ステップS30における処理は、冷凍室1内の温度を−5℃ではなく−7℃とする点を除いて、実施の形態1のステップS7〜ステップS10における処理と同様である。
【0099】
以上のように、食品の塩分率に応じて保存温度を設定する本実施の形態においては、ジャガイモ10の氷結率を55%以下とすることができるため、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0100】
上記においては、保存対象たる調理済み食品として、脂肪率が1.5%である肉じゃがのジャガイモを保存する場合について説明したが、同一の食材であっても、調理法が異なれば、食品中に含まれる塩分率はそれぞれ異なる値となる。例えば、食材がジャガイモで共通であっても、カレーのジャガイモは塩分率が約0.5%であり、おでんのジャガイモは塩分率が約0.8%である。したがって、カレーのジャガイモを冷凍保存する場合には、塩分率を0.5%と入力し、また、おでんのジャガイモを冷凍保存する場合には、塩分率を0.8%と入力する。それにより、ステップS24において、制御装置5がこの入力された塩分率をもとに内部メモリ5bから最適保存温度の読み出しを行い、各塩分率における最適保存温度が取得される。図9に示すように、塩分率が0.5%の場合は、内部メモリ5b中の塩分率0%以上1.5%未満の場合に該当するので、この場合には最適保存温度−5℃が取得される。また、塩分率が0.8%の場合は、内部メモリ5b中の塩分率0%以上1.5%未満の場合に該当するので、この場合には最適保存温度−5℃が取得される。したがって、これらの場合には、制御装置5は、冷凍室1内部の温度が−5℃となるように温度制御を行う。その結果、前述の肉じゃがのジャガイモの場合と同様に、カレーのジャガイモおよびおでんのジャガイモを、良好な状態で冷凍保存することができる。また、カレーのジャガイモの場合には、肉じゃがのジャガイモと比較して保存温度が低いため、肉じゃがのジャガイモよりも保存期間が1週間ほど長くなる。
【0101】
本実施の形態では、保存前に、調理済み食品の塩分率を別途測定し、その測定値を制御パネル20Cに入力しているが、本実施の形態の変形例として、種々の調理済み食品の塩分率が一覧となった塩分率表をあらかじめ作製し、保存対象となる調理済み食品の塩分率をこの塩分率表から求め、得られた塩分率の数値を入力する構成も可能である。
【0102】
また、本実施の形態の他の変形例として、調理済み食品の塩分率と、該塩分率における最適保存温度とをあらかじめ調べて塩分率・最適保存温度一覧表を作製し、保存対象たる調理済み食品の塩分率に基づいて、この塩分率・最適保存温度一覧表から最適保存温度を求め、ここで得られた最適保存温度を直接入力する構成も可能である。この場合には、塩分率入力ステップに代わって最適保存温度入力ステップが必要となり、また、制御装置5による最適保存温度の読み出しステップS24が不要になるとともに、塩分率と最適保存温度とを記憶した内部メモリ5bも不要となる。また、制御パネルは、冷凍室1内の設定温度を直接入力する構成となる。
【0103】
あるいは、本実施の形態のさらに他の変形例として、あらかじめ種々の調理済み食品に、個々の調理済み食品を識別するための識別コードを付与するとともに、個々の調理済み食品について、塩分率および該塩分率での最適保存温度を調べる。そして、識別コード、塩分率および最適保存温度を1組のデータとし、様々な種類の調理済み食品についてのデータを格納した内部メモリを制御装置に配置するとともに、個々の調理済み食品と、その食品に付与された識別コードとの対応表を作製する。そして、冷凍保存の際には、保存対象となる調理済み食品の識別コードを対応表で調べ、ここで得られた識別コードを入力する構成とすることも可能である。この場合、制御装置が、入力された識別コードに基づいて、内部メモリから最適保存温度の読み出しを行い、該食品の最適保存温度を取得する。
【0104】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る冷凍機は、保存対象たる食品の塩分率を冷凍機内において自動的に測定し、該塩分率に対応する最適保存温度を検索・設定して冷凍保存を行うものである。このような本実施の形態の冷凍機は、実施の形態3の冷凍機と同様の構造を有するが、以下の点が実施の形態3と異なっている。
【0105】
すなわち、図10に示すように、本実施の形態の冷凍機102は、冷凍室1内の底部に、塩分率検出部33を備えたトレー34が配置されている。このトレー34の上に調理済み食品10が配置されると、塩分率検出部33により、食品10の塩分率が検出される。ここでは、例えば、塩分率検出部33は電気伝導センサを備える。また、本実施の形態の制御パネル20Dは、実施の形態3の制御パネル20C(図7)のような塩分率入力部40が設けられておらず、温度制御運転操作ボタン26と、冷凍室内温度表示パネル23とが設けられただけの構成となっている。
【0106】
図11は、制御装置5に格納された制御プログラムの内容を示すフローチャートである。図11に示すように、本実施の形態の冷凍機によりカレーのジャガイモ(以下、単にジャガイモと呼ぶ)10を保存する場合、まず、冷凍室1内のトレー34上にジャガイモ10を配置して冷凍室1のドア(図示せず)を閉じる(ステップS31)。なお、ここでは、冷凍室1内の温度が、実施の形態1の場合と同様、あらかじめ0℃に設定されている。
【0107】
続いて、制御装置5は、温度制御運転の開始指令が入力されたか否かを判定する(ステップS32)。この場合、制御パネル20Dの温度制御運転操作ボタン26をオンすることにより、温度制御運転開始指令が制御装置5に伝達される。該開始指令が入力されると、制御装置5は、以下のステップに従って、温度制御運転を行う。一方、該開始指令が入力されない場合は、再びステップS32に戻って判定が行われる。
【0108】
温度制御運転開始指令が出されると、トレー34の塩分率検出部33でジャガイモ10の塩分率が0.5%であると検出される。検出された塩分率の情報は、制御装置5に伝達され、この情報を制御装置5が受け取る(ステップS33)。そして、この塩分率に基づいて、制御装置5が該塩分率に対応した最適保存温度を、内部メモリ5bから読み出しす(ステップS34)。内部メモリ5bには、実施の形態3と同様に、前述の図9に示すように、塩分率と、該塩分率における最適保存温度と、該最適保存温度での保存期間に関するデータが格納されている。この場合、ジャガイモ10の脂肪率が0.5%であるため、内部メモリ5bからの読み出しにより、最適温度−5℃が取得される。
【0109】
この結果に従って、制御装置5は、冷凍室1内の温度を−5℃に設定する(ステップS35)。その後、ステップS36〜ステップS40に従って、制御装置5が冷凍室1内の室温を−5℃に制御して冷凍保存が行われる。ステップS36〜ステップS40は、実施の形態1のステップS6〜ステップS10にそれぞれ対応しており、ステップS6〜ステップS10において前述した処理と同様の処理が行われる。
【0110】
本実施の形態では、実施の形態3と同様の効果が得られるとともに、さらに、以下の効果が得られる。すなわち、本実施の形態では、冷凍機102内の塩分率検出部33でジャガイモ10の塩分率を自動的に検出することができるので、実施の形態3のようにあらかじめジャガイモ10の塩分率を測定するステップS21A(図8)が不要となる。よって、保存作業の効率が向上する。また、塩分率検出部33で検出された塩分率は自動的に制御装置5に記憶されるため、実施の形態3のように塩分率を入力する必要がなくなるとともに、制御パネルの塩分率入力部が不要となる。
【0111】
上記の実施の形態1〜4においては、冷凍室内の保存温度を制御する方法として、制御装置5により、圧縮機15、送風機7およびダンパー装置8の3つを同時に制御する方法について説明したが、いずれか1つまたは2つを制御することにより温度制御を行ってもよい。
【0112】
また、直冷式蒸発器を含んで構成される冷却装置を備えた冷凍機の場合は、冷却装置で発生する冷気の温度を、蒸発器の冷媒の蒸発温度で制御する方法、圧縮機の能力で制御する方法等がある。また、強制対流式蒸発器を含んで構成される冷却装置を備えた冷凍機の場合は、冷却装置で発生する冷気の温度を蒸発器や圧縮機の能力で制御する方法や、冷凍室に送風される冷気の量をダンパー装置や送風機により制御する方法等がある。また、ブラインを用いて冷却を行う冷却装置を備えた冷凍機の場合は、食品を直接冷却するブラインの温度、および流速を制御する方法等がある。
【0113】
上記の実施の形態1〜4においては、食材としてジャガイモを用いた場合について説明したが、本発明に係る冷凍機に適用される食材は、ジャガイモに限定されるものではない。また、調理方法も、おでん、カレーおよび肉じゃがに限定されるものではない。また、本発明に係る冷凍機は、単一の食材から構成される調理済み食品を冷凍保存する場合(例えば、肉じゃがからジャガイモだけを取り出して保存する場合等)以外にも、保存対象たる食品の適切な脂肪率または塩分率を求めてそれに対応して最適保存温度を設定することが可能であれば、複数の食材から構成される調理済み食品、例えば、ニンジン、タマネギ、ジャガイモ、肉等を含む肉じゃが料理の冷凍保存に本発明を適用することも可能である。この場合、例えば、最も劣化程度の大きい食材(例えばジャガイモ)の脂肪率または塩分率に合わせて制御する。
【0114】
【発明の効果】
本発明は、以上に説明したような形態で実施され、以下のような効果を奏する。
【0115】
すなわち、本発明は、調理済み食品の脂肪率または塩分率に対応して、保存前の食品の品質を維持するための条件となる氷結率55%以下を実現可能な最適保存温度で食品を冷凍保存するため、保存後においても、保存前の食品の構造状態を保持することが可能となる。それにより、旨味の流出が少なく、解凍したときの官能評価が保存前に近く品質の低下を抑制可能であるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る冷凍機の構成を示す模式図である。
【図2】図1の冷凍機の制御パネルの構成を示す正面図である。
【図3】図1の冷凍機の制御装置に格納された制御プログラムを示すフローチャートである。
【図4】図1の冷凍機の制御装置に格納されたデータベースに記憶された脂肪率と最適保存温度との関係を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る冷凍機の構成を示す模式図である。
【図6】図5の冷凍機の制御装置に格納された制御プログラムを示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態3に係る冷凍機の制御パネルの構成を示す正面図である。
【図8】実施の形態3に係る冷凍機の制御装置に格納された制御プログラムを示すフローチャートである。
【図9】実施の形態3に係る冷凍機の制御装置に格納されたデータベースに記憶された塩分率と最適保存温度との関係を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態4に係る冷凍機の構成を示す模式図である。
【図11】図10の冷凍機の制御装置に格納された制御プログラムを示すフローチャートである。
【図12】従来の保存方法で−20℃および−40℃で保存した食品Aおよび食品Bの、保存後の品質評価を示す図である。
【図13】保存温度と、該保存温度で保存した場合の氷結率および氷結晶成長速度どの関係を示す図である。
【図14】−5℃および5℃で保存した食品Aおよび食品Bの、保存後の品質評価を示す図である。
【図15】氷結率と官能評価との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 冷凍室
2 冷却装置
3 冷気吐出ダクト
4 冷気吸い込みダクト
5 制御装置
5’データベース
6 冷凍室内温度検出器
7 送風機
8 ダンパー装置
9 モータ
10 調理済み食品
15 圧縮機
20A,20B,20C,20D 制御パネル
21 脂肪率入力部
22,40 入力表示パネル
23 冷凍室内温度表示パネル
24 脂肪率設定キー
25,43 入力決定キー
26 温度制御運転操作ボタン
30,34 トレー
31 脂肪率検出部
32 重量検出部
33 塩分率検出部
40 塩分率入力部
42 塩分率設定キー
100,101,102 冷凍機

Claims (10)

  1. 冷凍室と、前記冷凍室を冷却するための冷却装置と、前記冷凍室内の温度が調理済み食品の保存温度に関する情報に対応した温度となるように前記冷却装置を制御する制御装置とを備えた冷凍機。
  2. 前記冷凍室内の温度が、前記調理済み食品の氷結率に対応した温度となるように、前記制御装置が前記冷却装置を制御する請求項1記載の冷凍機。
  3. 前記調理済み食品の氷結率に対応した温度は、前記調理済み食品の脂肪率に対応した温度である請求項2記載の冷凍機。
  4. 前記調理済み食品の氷結率に対応した温度は、前記調理済み食品の塩分率に対応した温度である請求項2記載の冷凍機。
  5. 前記冷凍室内の温度が、前記調理済み食品の氷結率が0%以上55%以下となる温度となるように、前記制御装置が前記冷却装置を制御する請求項2記載の冷凍機。
  6. さらに、前記調理済み食品の保存温度に関する情報を入力する入力手段を備え、前記冷凍室内の温度が、入力された前記情報に対応した温度となるように、前記制御装置が前記冷却装置を制御する請求項1記載の冷凍機。
  7. 測定により前記調理済み食品の保存温度に関する情報を取得する測定手段を備え、
    前記冷凍室内の温度が、取得された前記情報に対応した温度となるように、前記制御装置が前記冷却装置を制御する請求項1記載の冷凍機。
  8. 前記制御装置は、前記情報を温度に換算する換算手段を備え、
    前記冷凍室内の温度が、前記換算手段により換算された温度となるように、前記制御装置が前記冷却装置を制御する請求項6または7記載の冷凍機。
  9. 前記情報が、前記調理済み食品の脂肪率である請求項6,7,8のいずれかに記載の冷凍機。
  10. 前記情報が、前記調理済み食品の塩分率である請求項6,7,8のいずれかに記載の冷凍機。
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