JP2004076621A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御軸の少なくとも最小リフト制御時における該制御軸と規制機構との緩衝作用と機関の再始動性の向上を図る。
【解決手段】機関運転状態に応じて制御軸32が回転して吸気弁のバルブリフト量を可変制御する可変リフト機構と、制御軸を回転制御する駆動機構6とを備えている。駆動機構は、螺子軸45と、該螺子軸に回転力を付与する電動モータ36と、螺子軸の雄ねじ部に螺合して、螺子軸の回転に伴い出力軸の軸方向へ移動する螺子ナット46と、螺子ナットと制御軸との間を連係するリンク部材48及び連係リンク47とから構成されている。前記制御軸の最小、最大回転位置を規制する第1、第2ストッパピン62,63を設け、機関停止時に制御軸が第1ストッパピンによって回転規制される直前に、ばね力で制御軸を高リフト側へ僅かに反転させる第1コイルスプリング64を設けた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機関弁である吸気弁や排気弁の少なくともバルブリフト量を機関運転状態に応じて可変にできる内燃機関の可変動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来の可変動弁装置としては、本出願人が先に出願した特開平2002−155716号公報などに記載されたものがある。
【0003】
概略を説明すれば、この可変動弁装置は、吸気弁側に適用されたもので、クランク軸の回転に同期して回転する駆動軸の外周に、軸心が駆動軸の軸心から偏心した駆動カムが設けられていると共に、駆動カムの回転力が多節リンク状の伝達手段を介して伝達されて、吸気弁の上端部に有するバルブリフターの上面をカム面が摺接して吸気弁をバルブスプリングのばね力に抗して開作動させる揺動カムを有している。
【0004】
前記伝達手段は、揺動カムの上方に配置されて制御軸に揺動自在に支持されたロッカアームと、円環状の一端部が駆動カムの外周面に嵌合しかつ他端部がロッカアームの一端部にピンを介して回転自在に連結されたリンクアームと、一端部がロッカアームの他端部にピンを介して回転自在に連結され、他端部が前記揺動カムのカムノーズ部にピンを介して回転自在に連結されたリンクロッドとから構成されている。
【0005】
また、前記制御軸は、駆動機構である例えば電動モータと該電動モータの駆動シャフトに設けられた減速機構としての螺子伝達機構とによって回転駆動されており、その外周面には、軸心が制御軸の軸心から所定量だけ偏心した制御カムが固定されている。この制御カムは、ロッカアームのほぼ中央に穿設された支持孔内に回転自在に嵌入保持されて、その回転位置に応じてロッカアームの揺動支点を変化させて、揺動カムのカム面のバルブリフター上面に対する転接位置を変化させて、吸気弁のバルブリフト量を可変制御するようになっている。
【0006】
すなわち、機関運転状態が、低回転域の場合は、前記電動モータと螺子伝達機構を介して制御軸を一方向へ回転させて、制御カムも同方向へ回転させることにより、ロッカアームの揺動支点位置を駆動軸より離れる方向へ移動させる。これにより、ロッカアームとリンクロッドとの枢支点が上方に移動して揺動カムのカムノーズ部を引き上げ、これによって揺動カムのバルブリフター上面に対する当接位置がリフト部から離れる方向に移動する。したがって、吸気弁は、そのバルブリフト量が最小となるように制御される。
【0007】
したがって、機関運転状態に応じて機関性能を十分に発揮させる、つまり燃費や出力の向上などを図ることができる。
【0008】
一方、中回転域から高回転域へ移行した場合は、電動モータにより螺子伝達機構を介して制御軸が他方向へ回転して、制御カムを同方向へ回転させるため、ロッカアームの揺動支点が駆動軸に近づく方向に移動する。これにより、揺動カムは、リンクロッドなどによって端部が押し下げられて、バルブリフター上面の当接位置がリフト部側に移動するため、吸気弁のバルブリフト量が増加するように制御される。
【0009】
また、前記従来の可変動弁装置は、前記制御軸の正逆回転方向の最大回転(最小、最大リフト制御位置)を規制するために、アクチュエータプレートの内面に、外周に円筒状のゴム材が固着された第1,第2のストッパ部材が設けられ、制御軸が正逆方向へ大きく回転すると、該制御軸の端部に固定されたアームのいずれか一方の側面が第1、第2ストッパ部材に当接してそれ以上の回転を規制し、これによって螺子伝達機構の過度な作動を防止するようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般に内燃機関の動弁装置にあっては、機関運転中に、吸気弁や排気弁を開閉作動するカムの作動やバルブスプリングのばね反力などに起因してカムシャフトに正負の回転変動トルク(交番トルク)が発生していることは知られており、かかる交番トルクは、前述の従来の可変動弁装置においても、揺動カムからロッカアームなどの伝達機構を介して制御軸に伝達されている。
【0011】
すなわち、制御軸にも交番トルクが発生し、制御軸を小リフト側に回転させようとする正のトルクと大リフト側に回転させようとする負のトルクが繰り返されており、機関運転中には、それに電動モータのトルクが打ち勝って目標リフト量に制御するようになっている。
【0012】
そして、機関を停止する際には、電動モータのトルク発生がなくなるが、前記交番トルクが正のトルクの瞬間に停止した場合は制御軸が最小バルブリフト側へ最大に回転して前記アームが前記第1ストッパ部材に当接した状態で機関が停止される可能性があった。
【0013】
この場合、機関を再始動する際には、第1ストッパ部材によって規制された制御軸の回転位置が最小リフト位置になっていることから、機関再始動におけるクランキング時の燃焼が悪化して、良好な始動性を得ることができず、たとえ第1ストッパ部材の外周のゴム材によって高リフト側へ僅かに戻されているとしても、良好な始動性を得るまでに戻されていない。
【0014】
特に、前記第1ストッパ部材のゴム材は、螺子伝達機構内の潤滑油などに常時晒されていることから、いわゆるゴムのへたり現象が発生して弾性反力が低下し、したがって、制御軸を高リフト側へ十分に戻すことは困難である。
【0015】
このように、制御軸は、機関停止時には、最小リフト位置あるいはこの位置付近となる一方向の最大回転位置に保持された状態になる場合があるから、フリクションの高い機関始動時に吸入混合気が不足して機関の再始動が困難になる可能性があった。
【0016】
しかも、第1、第2ストッパ部材は、外周にゴム材を設けてアームとの間の緩衝作用を得るようになっているものの、かかるゴム材は剛弾性力になっており、緩衝ストロークが短いことから、効果的な緩衝作用が得られない。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記従来の可変動弁装置の技術的課題に鑑みて案出されたもので、請求項1記載の発明にあっては、可変リフト機構を介して少なくとも最小リフト側へ制御する制御軸の一方向の最大回転位置を規制する規制機構と、通常時は前記制御軸に関連することなく、該制御軸が前記規制機構によって最大回転位置が規制される直前に緩衝作用を行う金属ばね部材とを備え、機関の停止時に前記制御軸が前記規制機構側へ回転した際に、該制御軸を前記金属ばね部材のばね反力によって機関の再始動が可能なバルブリフト領域へ回転させるようにしたことを特徴としている。
【0018】
したがって、例えば車両走行後にイグニッションキーを操作して機関を停止した際に、電動モータなどの駆動機構のトルク発生がなくなり、該停止直前の交番トルクによって制御軸が可変リフト機構を介して機関弁を最小リフト側へ制御させる一方向へ回転する場合がある。そして、制御軸は、規制機構によってそれ以上の同方向の回転が規制される直前に、金属ばね部材に当接してばね反力を受ける。このため、制御軸は、規制機構による規制を受けずに、反対に他方の回転方向へ押し戻される形になり、可変リフト機構により最小リフトから機関のクランキングの良好な燃焼性を確保し得るやや高リフト側へ制御させる状態になる。
【0019】
この結果、簡単な構造によって減速機構に対する緩衝効果が得られると共に、機関の良好な再始動性が得られる。
【0020】
請求項2に記載の発明にあっては、駆動機構は、外周に螺合部を有する出力軸と、前記螺合部に螺合して、前記出力軸の回転に伴い該出力軸の軸方向へ移動する移動部材と、該移動部材の軸方向への移動力を前記制御軸に回転力として伝達するリンク機構とを備え、前記金属ばね部材を、前記移動部材の軸方向の端部と該端部に対峙する対峙部との間に配置したことを特徴としている。
【0021】
この発明によれば、機関停止時には、その直前の交番トルクによって制御軸が可変リフト機構を介して機関弁を最小リフト側へ制御させる一方向へ回転する。これに伴って移動部材が螺子軸に沿って一方向へ直線移動し、制御軸が規制機構によってそれ以上の同方向の回転が規制される前に、移動部材は金属ばね部材の端部に当接してばね反力を受ける。このため、移動部材が反対方向に押し戻されることから、制御軸は規制機構による規制を受けずに、反対方向へ回転する形になり、可変リフト機構により最小リフトから僅かに高リフト側へ制御させる状態になる。
【0022】
この結果、簡単な構造によって減速機構に対する緩衝効果と、機関の良好な再始動性が得られる。
【0023】
請求項3に記載の発明は、前記金属ばね部材を、コイルスプリングによって形成したことを特徴としている。
【0024】
この発明では、コイルスプリングを用いることによって、該コイルスプリングの伸縮量が大きい、つまり伸び量が大きくなることから、前記機関停止時における移動部材の戻され量が大きくなる。したがって、十分な緩衝作用と機関のさらに良好な再始動性が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る可変動弁装置の実施形態を図面に基づいて詳述する。
【0026】
この実施形態では、可変動弁装置を吸気弁側に適用したものであって、1気筒当たり2つの吸気弁を備え、かつ吸気弁のバルリフト量を機関運転状態に応じて可変にするようになっている。
【0027】
すなわち、第1実施形態における可変動弁装置は、図2〜図5に示すようにシリンダヘッド1に図外のバルブガイドを介して摺動自在に設けられて、バルブスプリング3,3によって閉方向に付勢された一対の吸気弁2,2と、該各吸気弁2,2のバルブリフト量を可変制御する可変リフト機構4と、該可変リフト機構4の作動位置を制御にする制御機構5と、該制御機構5を回転駆動する駆動機構6とを備えている。
【0028】
前記可変リフト機構4は、シリンダヘッド1上部の軸受14に回転自在に支持された中空状の駆動軸13と、該駆動軸13に圧入等により固設された偏心回転カムである駆動カム15と、駆動軸13の外周面に揺動自在に支持されて、各吸気弁2,2の上端部に配設されたバルブリフター16,16に摺接して各吸気弁2,2を開作動させる2つの揺動カム17,17と、駆動カム15と揺動カム17,17との間に連係されて、駆動カム15の回転力を揺動カム17,17の揺動力として伝達する伝達手段とを備えている。
【0029】
前記駆動軸13は、図2にも示すように、機関前後方向に沿って配置されていると共に、一端部に設けられた図外の従動スプロケットや、該従動スプロケットに巻装されたタイミングチェーン等を介して機関のクランク軸から回転力が伝達されており、この回転方向は図1中、時計方向(矢印方向)に設定されている。
【0030】
前記軸受14は、図3Aに示すように、シリンダヘッド1の上端部に設けられて駆動軸13の上部を支持するメインブラケット14aと、該メインブラケット14aの上端部に設けられて後述する制御軸32を回転自在に支持するサブブラケット14bとを有し、両ブラケット14a,14bが一対のボルト14c,14cによって上方から共締め固定されている。
【0031】
前記駆動カム15は、ほぼリング状を呈し、円環状のカム本体と、該カム本体の外端面に一体に設けられた筒状部とからなり、内部軸方向に駆動軸挿通孔が貫通形成されていると共に、カム本体の軸心Yが駆動軸13の軸心Xから径方向へ所定量βだけオフセットしている。また、この駆動カム15は、駆動軸13に対し前記両バルブリフター16,16に干渉しない一方の外側に駆動軸挿通孔を介して圧入固定されていると共に、カム本体の外周面が偏心円のカムプロフィールに形成されている。
【0032】
前記バルブリフター16,16は、有蓋円筒状に形成され、シリンダヘッド1の保持孔内に摺動自在に保持されていると共に、揺動カム17,17が摺接する上面が平坦状に形成されている。
【0033】
前記両揺動カム17は、図2及び図3に示すように、同一形状のほぼ雨滴状を呈し、円環状のカムシャフト20の両端部に一体的に設けられていると共に、該カムシャフト20が内周面を介して駆動軸13に回転自在に支持されている。また、一端部のカムノーズ部21側にピン孔が貫通形成されていると共に、下面には、カム面22が形成され、カムシャフト20側の基円面と、該基円面からカムノーズ部21側に円弧状に延びるランプ面と、該ランプ面からカムノーズ部21の先端側に有する最大リフトの頂面に連なるリフト面が形成されており、該基円面とランプ面及びリフト面が、揺動カム17の揺動位置に応じて各バルブリフター16の上面の所定位置に当接するようになっている。
【0034】
前記伝達手段は、図2〜図5に示すように、駆動軸13の上方に配置されたロッカアーム23と、該ロッカアーム23の一端部23aと駆動カム15とを連係するリンクアーム24と、ロッカアーム23の他端部23bと揺動カム17とを連係するリンクロッド25とを備えている。
【0035】
前記ロッカアーム23は、中央に有する筒状の基部が支持孔を介して後述する制御カム33に回転自在に支持されている。また、筒状基部の外端部に突設された前記一端部23aには、ピン26が嵌入するピン孔が貫通形成されている一方、基部の内端部に夫々突設された前記他端部23bには、リンクロッド25の一端部25aと連結するピン27が嵌入するピン孔が形成されている。
【0036】
前記リンクアーム24は、比較的大径な円環状の基部24aと、該基部24aの外周面所定位置に突設された突出端24bとを備え、基部24aの中央位置には、前記駆動カム15のカム本体が回転自在に嵌合する嵌合孔24cが形成されている一方、突出端24bには、前記ピン26が回転自在に挿通するピン孔が貫通形成されている。
【0037】
前記リンクロッド25は、ロッカアーム23側が凹状のほぼく字形状に形成され、両端部25a,25bには前記ロッカアーム23の他端部23bと揺動カム17のカムノーズ部21の各ピン孔に挿入した各ピン27,28の端部が回転自在に挿通するピン挿通孔が貫通形成されている。
【0038】
なお、各ピン26,27,28の一端部には、リンクアーム24やリンクロッド25の軸方向の移動を規制するスナップリングがそれぞれが設けられている。
【0039】
前記制御機構19は、駆動軸13の上方位置に同じ軸受14に回転自在に支持された制御軸32と、該制御軸32の外周に固定されてロッカアーム23の支持孔に摺動自在に嵌入されて、ロッカアーム23の揺動支点となる制御カム33とを備えている。
【0040】
前記制御軸32は、図2に示すように、駆動軸13と並行に機関前後方向に配設されていると共に、所定位置のジャーナル部32bが前記軸受14のメインブラケット14aとサブブラケット14bとの間に回転自在に軸受されている。
【0041】
前記制御カム33は、図2〜図5に示すように円筒状を呈し、軸心P2位置が肉厚部の分だけ制御軸32の軸心P1からα分だけ偏倚している。
【0042】
前記駆動機構6は、図1、図2及び図6、図7に示すように、シリンダヘッド1の後端部に固定されたハウジング35と、該ハウジング35の一端部に固定された回転力付与機構である電動モータ36と、ハウジング35の内部に設けられて電動モータ36の回転駆動力を前記制御軸32に伝達する螺子伝達手段37とから構成されている。
【0043】
前記ハウジング35は、前記制御軸32の軸方向とほぼ直角方向に沿って配置された円筒部35aと、該円筒部35aの上端部中央に上方へ突出して、内部に前記制御軸32の一端部32aが臨む膨出部35bと、円筒部35aと膨出部35bとの一側部を閉塞する側壁35cとから構成されている。
【0044】
前記電動モ−タ36は、比例型のDCモータによって構成され、ほぼ円筒状のモータケーシング38の先端小径部38aが前記円筒部35aの一端開口部35cに圧入固定されている。また、電動モ−タ36の駆動シャフト36aは、モータケーシング38の先端小径部38a内に設けられたボールベアリング39によって軸受されている。
【0045】
また、電動モータ36は、機関の運転状態を検出するコントローラ40からの制御信号によって駆動するようになっている。このコントローラ40は、機関回転数を検出するクランク角センサ41や吸入空気量を検出するエアーフローメータ42、機関の水温を検出する水温センサ43及び制御軸32の回転位置を検出するポテンショメータ44等の各種のセンサからの検出信号をフィードバックして現在の機関運転状態を演算などにより検出して、前記電動モータ36に制御信号を出力している。
【0046】
前記螺子伝達手段37は、図1、図6,図7に示すように、前記ハウジング35の円筒部35a内に電動モータ36の駆動シャフト36aとほぼ同軸上に配置された螺子軸45と、該螺子軸45の外周に螺合する移動部材である螺子ナット46と、ハウジング35内で前記制御軸32の一端部の外周に固定された連係部である連係アーム47と、該連係アーム47と前記螺子ナット46とを連係するリンク部材48とから主として構成されている。
【0047】
前記螺子軸45は、両端部を除く外周面全体に螺合部である雄ねじ部49が連続して形成されていると共に、円筒部35aの一端開口部35cと他端開口部35dにそれぞれ臨んだ両端部45a、45bがボールベアリング50、51によって回転自在に軸受けされている。
【0048】
また、螺子軸45の他端部45bの先端部には、螺子軸45を円筒部35a内に保持するナット52が螺着されており、このナット52は、一端側の突起部52aが一方側ボールベアリング51の内輪51aを螺子軸45の他端部45b側に有する段差部に押し付けて固定すると共に、螺子軸45と一体的に回転するようになっている。また、前記円筒部35aの他端開口部35dは、碗状のキャップ53が螺着されており、このキャップ53の円筒状前端部によって前記一方側ボールベアリング51の外輪51bを他端開口部35dの段差部35hに押し付け固定している。
【0049】
なお、螺子軸45の他端部45b側には、前記ナット52をスパナなどの所定の治具で締めつける際に、螺子軸45が回転しないように押さえ治具が係合する2面幅の係合面45d、45dが形成されている。
【0050】
さらに、螺子軸45は、一端部45aの先端小径軸45cと電動モータ36の駆動シャフト36aの先端小径部36bが円筒状の連結部材54によって同軸上で軸方向移動可能にセレーション結合されている。
【0051】
すなわち、前記先端小径軸45cと先端小径部36bの外周面にセレーション凹凸部が軸方向に沿って形成されている一方、前記連結部材54の内周面に前記セレーション凹凸部に遊嵌状態で嵌合するセレーション部が軸方向に沿って形成され、かかるセレーション結合によって電動モータ36の回転駆動力を前記螺子軸45に伝達すると共に、螺子軸45の軸方向の僅かな移動を許容している。
【0052】
前記螺子ナット46は、ほぼ円筒状に形成され、内周面全体に前記雄ねじ部49に螺合して螺子軸45の回転力を軸方向への移動力に変換する雌ねじ部55が形成されていると共に、図7に示すように軸方向のほぼ中央位置の両端部にピン穴56,56が直径方向に沿って形成されている。
【0053】
前記連係アーム47は、図1及び図2に示すように、ほぼ雨滴状に形成され、大径基部に貫通形成された固定用孔47a内に制御軸32の一端部32aが挿通されていると共に、図外のボルトによって前記一端部32aに固定されていると共に、先細り状の先端部47bの幅方向の中央位置にスリット57が形成されており、また、先端部47bには、制御軸32方向に沿って連続して貫通した2つのピン孔47c、47cが形成されている。したがって、このピン孔47c、47の軸心Zが、制御軸32の軸心P1より偏倚している。
【0054】
前記リンク部材48は、ほぼY字形状に形成され、平板状の一端部58と二股状の他端部59、59とからなり、前記一端部58は、前記連係アーム47のスリット57内に挿通配置されて、前記ピン孔47c、47cと自身のピン孔58aに貫通したピン60によって連係アーム47の先端部47bに回転自在に連結されている。一方、二股状の他端部59,59は、螺子ナット46の両側に配置されて、それぞれ対向して貫通形成されたピン孔59a、59aと螺子ナット46のピン穴56,56にそれぞれ挿通された2つのピン軸61、61によって螺子ナット46に対して回転自在に連結されている。なお、前記ピン60は、両端部が連係アーム47の両ピン孔47c、47cに固定されて、中央部がリンク部材48のピン孔58aに摺動可能になっている。一方、前記各ピン軸61,61は、各外端部が各リンク部材48のピン孔59a、59aに圧入固定され、各内端部が螺子ナット46のピン穴56,56に摺動可能になっている。
【0055】
また、前記ハウジング35の側壁35eの内側には、図1及び図6に示すように、前記連係アーム47を介して制御軸32の左右の最大回転位置を規制する規制機構である2つの第1、第2ストッパピン62,63が設けられている。
【0056】
すなわち、前記第1ストッパピン62は、前記制御軸32が図1中反時計方向へ回転して前記可変リフト機構4によって吸気弁2,2のバルブリフト量を最小リフトとする側壁35e位置に固定されている。一方、第2ストッパピン63は、制御軸32が図示のように時計方向へ回転して前記バルブリフト量を最大リフトとする側壁35e位置に固定されており、これら第1,第2ストッパピン62,63によって制御軸32の左右の最小、最大回転位置が規制されるようになっている。
【0057】
また、前記ハウジング円筒部35aの各開口部35c、35dの各内側に、段差部35f、35gがそれぞれ形成されていると共に、該各段差部35f、35gに金属ばね部材であるコイルスプリング64、65がそれぞれ設けられている。
【0058】
この各コイルスプリング64,65は、ほぼ截頭円錐状に形成され、大径部64a、65a側が前記各段差部35f、35gの隅部に当接していると共に、該各大径部64a、65aの外周面を介してそれぞれが軸方向へ摺動可能になっている。また、各コイルスプリング64,65は、図1及び図6に示すように、前記連係アーム47が左右方向へ最大に回転して第1、第2ストッパピン62、63に当接する直前に先端側の小径部64b、65bが螺子ナット46の各前後端面に当接して該螺子ナット46にばね力を付与するようになっている。したがって、この各コイルスプリング64,65は、螺子ナット46の左右方向側の最大移動付近位置以外の通常の移動位置では、該螺子ナット46とは離間してなんらばね付勢力を付与しないようになっている。また、この各コイルスプリング64,65は、ハウジング35の円筒部35b内に満たされた潤滑油に浸された状態になっている。
【0059】
さらに、前記各段差部35f、35gの内方側の位置には、前記各コイルスプリング64,65の内方への最大移動を規制して抜け出しを防止する抜けだし防止機構であるストッパリング66,67が円筒部35aの内周にそれぞれ嵌着固定されている。
【0060】
以下、本実施形態の作用を説明すれば、まず、例えば、機関のアイドリング運転時を含む低回転運転領域には、コントローラ40からの制御信号によって電動モータ36に伝達された回転トルクは、螺子軸45に伝達されて回転すると、この回転に伴って螺子ナット46が図6に示すように、最大右方向位置に移動し、これによって制御軸32はリンク部材48と連係アーム47とによって反時計方向に回転駆動され、連係アーム47の先端部47bの側面が第1ストッパピン62に当接してそれ以上の回転が規制される。このとき、螺子ナット46の一端面が第1コイルスプリング64の小径部64bに押圧して圧縮変形する。
【0061】
したがって、制御カム33は、軸心P2が図3A、Bに示すように制御軸32の軸心P1の回りを同一半径で回転して、肉厚部が駆動軸13から上方向に離間移動する。これにより、ロッカアーム23の他端部23bとリンクロッド25の枢支点は、駆動軸13に対して上方向へ移動し、このため、各揺動カム17は、リンクロッド25を介してカムノーズ部21側が強制的に引き上げられて全体が時計方向へ回動する。
【0062】
よって、駆動カム15が回転してリンクアーム24を介してロッカアーム23の一端部23aを押し上げると、そのバルブリフト量がリンクロッド25を介して揺動カム17及びバルブリフター16に伝達されるが、そのリフト量L1は充分小さくなる。
【0063】
したがって、かかる機関の低回転領域では、バルブリフト量が最も小さくなることにより、各吸気弁2の開時期が遅くなり、排気弁とのバルブオーバラップが小さくなる。このため、燃費の向上と機関の安定した回転が得られる。
【0064】
また、この時点における制御軸32に作用する正負(+、−)の交番トルクは、図8のT1’で示すように十分小さく、したがって連係アーム47やリンク部材48を介して螺子ナット46に伝達されるトルク荷重も小さいことから、螺子軸45に対する大きな集中荷重の発生はない。
【0065】
そして、前記連係アーム47が第1ストッパピン62に当接される直前には、第1コイルスプリング64の小径部64bが図6の一点鎖線で示すように、螺子ナット46の一端面に当接してばね反力を付与する。このため、第1ストッパピン62に対する連係アーム47の十分な緩衝作用が得られ、両者の衝突を確実に回避することができる。
【0066】
また、機関低回転領域から車両の急加速などにおいて、低回転域から高回転域に移行した場合は、コントローラ40からの制御信号によって電動モータ36が逆回転して螺子軸45が同方向へさらに回転すると、この回転に伴って螺子ナット46が図1に示すように、左方向へ大きく移動する。このとき、連係アーム48が第2ストッパピン63に突き当たった位置でそれ以上の移動が規制され、螺子ナット46が第2コイルスプリング65を圧縮変形させながらそれ以上の移動も規制される。したがって、制御軸32は、制御カム33を図4に示す位置を経てさらに時計方向へ回転させて、図5A、Bに示すように軸心P2が下方向へ移動する。このため、ロッカアーム23は、今度は全体が駆動軸13方向に移動して他端部23bによって揺動カム17のカムノーズ部21をリンクロッド25を介して下方へ押圧して該揺動カム17全体を所定量だけ反時計方向へ回動させる。
【0067】
したがって、揺動カム17のバルブリフター16の上面に対するカム面22の当接位置が、右方向位置(リフト部側)に移動する。このため、吸気弁12の開作動時に駆動カム15が回転してロッカアーム23の一端部23aをリンクアーム24を介して押し上げると、バルブリフター16に対するそのリフト量L3は図4に示す中バルブリフト量L2よりさらに大きくなる。
【0068】
よって、かかる高回転領域では、バルブリフト量が最大に大きくなり、各吸気弁2の開時期が早くなると共に、閉時期が遅くなる。この結果、吸気充填効率が向上し、十分な出力が確保できる。
【0069】
そして、この時点における正負(+、−)の交番トルクは、図8のT3’に示すように小バルブリフト時の場合のT1’や中バルブリフト時の場合のT2’よりも大きくなる。
【0070】
また、前記連係アーム47が第2ストッパピン63に当接される直前には、第2コイルスプリング65の小径部65bが図1の一点鎖線で示すように、螺子ナット46の他端面に当接してばね反力を付与する。このため、第2ストッパピン63に対する連係アーム47の十分な緩衝作用が得られ、両者の衝突を確実に回避することができる。
【0071】
さらに、車両のイグニッションキーをオフにして機関を停止させる際には、電動モータによるトルク発生がなくなり、その停止直前の交番トルクT1’によって制御軸32が可変リフト機構4を介して吸気弁2,2を最小リフト側へ制御させる一方向へ回転する可能性がある。その場合、これに伴って螺子ナット46が、前記最小リフト制御と同じく、図6に示すように螺子軸45に沿って右方向へ直線移動し、これによって連係アーム47が第1ストッパピン62に当接してそれ以上の同方向の回転が規制される直前に、螺子ナット46は第1コイルスプリング64の小径部64bに当接してばね反力を受ける。このため、前記螺子ナット46が、反対方向(図中左方向)に押し戻されることから、連係アーム47は第1ストッパピン62による規制を受けずに、時計方向へ回転する形になる。この結果、可変リフト機構4により小リフトから僅かに高リフト側へ制御される状態になる。
【0072】
したがって、第1コイルスプリング64と第2コイルスプリング65などの簡単な構造によって連係アーム47と第1、第2ストッパピン62、63との緩衝効果が得られる。しかも、機関停止時には、第1コイルスプリング64のばね力によって僅かに高いリフト側へ制御されることから、フリクションが高く必要混合気量の多い冷機時においても機関の再始動性が良好になる。
【0073】
特に、コイルスプリング64,65を用いることによって、該コイルスプリング64,65の伸縮量が大きい、つまり伸び量が大きくなることから、前記機関停止時における螺子ナット46の戻され量が大きくなる。したがって、十分な緩衝作用と機関のさらに良好な再始動性が得られる。
【0074】
また、螺子ナット46は、リンク部材48の二股状の他端部59,59と各ピン軸61,61によって自由な回転が規制されていることから、螺子軸45の回転力を効率よく伝達することができる。
【0075】
さらに、この実施形態では、前述のように制御軸32の過回転を防止するために、第1、第2ストッパピン62,63を設けていることから、螺子ナット46の最大左右移動位置において各ストッパピン62,63により前記交番トルクの一方向の荷重入力を抑制できると共に、該螺子ナット46の過度な移動も防止でき、もって螺子ナット46と螺子軸45の間のねじ部の耐久性を高めることもできる。
【0076】
また、螺子軸45の他端部45bにナット52に締結して、ボールベアリング51の内輪51aをナット52と螺子軸45の段差部間に挟持するようにしたため、螺子軸45の安定かつ円滑な回転を維持しつつ軸方向の不用意な移動を規制できる。
【0077】
さらに、螺子ナット46は、ピン穴56,56を介してピン軸により軸方向のほぼ中央位置で支持されることから、前記径方向からの入力荷重が作用しても螺子ナット46に偏荷重が作用しないので、ねじ部の耐久性の低下を防止できる。
【0078】
図9は本発明の第2の実施形態を示し、駆動機構6の螺子伝達手段37を、いわゆるボール螺子によって構成したものである。
【0079】
すなわち、出力軸であるボール螺子軸70は、外周面に複数のボール71を転動自在に保持する螺旋状のボール溝72が連続的に形成されている。
【0080】
一方、移動部材であるボールナット73の内周面には、前記ボール溝72と共同して前記複数のボール71を円周方向に転動案内する螺旋状のガイド溝74が形成されていると共に、複数のボール71の循環列を軸方向の2個所に設定する2つのディフレクタ75が取り付けられている。つまり、このディフレクタ75は、前記ボール溝72とガイド溝74との間を転動する複数のボール71を同一溝内に循環させるために、同循環列内に再び戻すようにボール71を案内するものであり、この循環列を軸方向の2個所に設けたものである。
【0081】
また、前記ボールナット73の前記循環列を避けた軸方向のほぼ中央位置に前記ピン孔56、56が直径方向に沿って貫通形成され、該ピン孔56,56内にリンク部材48の二股状他端部59、59に連結する2つのピン軸61、61がボールナット73の内周面まで挿通配置されている。
【0082】
また、第1、第2ストッパピン62,63や第1、第2コイルスプリング64,65などの他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0083】
したがって、この実施形態によれば、電動モータ36によってボール螺子軸70が回転駆動すると、2条の循環列の各ボール71がボール溝72内を転動しながらガイド溝74を介してボールナット73に直線方向の運動力を付与するため、該ボールナット73を各ボール71の転動作用によって左右へ円滑に移動させることができる。したがって、対称的に配置された2条の循環列により、ボールナット73の姿勢が安定し、該ボールナット73の移動応答性が良好になり、制御軸32によるバルブリフトの変換応答性も向上する。
【0084】
しかも、前述のように第1、第2コイルスプリング64,65のばね作用によって前記ボール螺子機構の特有の作動中におけるいわゆるしぶり現象を抑制することができる。
【0085】
すなわち、例えば高回転時などにおいて、ボール螺子軸70が図9中反時計方向へ回転すると、ボールナット73は左方向へ押し出され、最大移動位置で連係アーム47の側面が前記第2ストッパピン63に直接当接すると、リンク部材48の動きが急激に止まってボールナット73の左方向の移動も急激に停止させられる。ここで、ボール螺子軸70は慣性力をもって勢い良く回転していることから、各ボール71をボール溝72の一側面であるA1面とA2面によって衝撃的に左に押し出す。この結果、各ボール71は、ボールナット73のガイド溝74から該ガイド溝74の溝縁74aに乗り上げようとする。したがって、各ボール71はボール溝72の溝縁72aとガイド溝74の溝縁74aとの間で、強く押さえ付けられて、いわゆるしぶり現象が発生し易くなる。特に、リード角が小さい場合は、くさび効果も働いて、より強いしぶり現象が発生する。
【0086】
しかし、この実施形態では、各コイルスプリング64,65によって前記各ストッパピン62,63での規制前に、前述のような緩衝作用が働くため、前記しぶり現象を効果的に防止することができる。
【0087】
また、前記ピン孔56,56を直径方向へ貫通形成することができるので、孔開け作業が容易になると共に、各ピン軸61,61をボールナット73の内周面まで挿通できることから、この結合強度が高くなる。この結果、ボールナット73の外径を大きくせずに可及的に小さくすることができる。逆に、ボールナット73の外径が一定であれば、その内径を大きくしてボール螺子軸70の外径を大きくできるので、該ボール螺子軸70の強度や剛性を高くすることが可能になる。
図10は本発明の第3の実施形態を示し、この実施形態では、金属ばね部材として、第1コイルスプリング64に代えて金属製のウエーブスプリング80によって構成すると共に、さらに制御軸32を高リフト側へ回転付勢する付勢機構81を設けたものである。
【0088】
具体的に説明すれば、前記ウエーブスプリング80は、円環状に形成され、螺子ナット46の電動モータ36側の端部に軸方向に沿って取り付けられたほぼ円筒状のリテーナ82に支持されている。このリテーナ82は、一端部82aが螺子ナット46の一端部内周面に形成された環状溝46a内に係合しつつ軸方向へ摺動自在に取り付けられていると共に、フランジ状に形成された他端部82bと螺子ナット46の一端面との間にウエーブスプリング80を保持するようになっている。したがって、このウエーブスプリング80は、リテーナ82を介して螺子ナット46と一緒に軸方向へ移動可能になっていると共に、リテーナ82の他端部82bと螺子ナット46との間で軸方向へ伸縮変形可能になっている。
【0089】
前記付勢機構81は、前記ハウジング35の内部に設けられたケーシング83の内部の摺動用孔83a内に摺動自在に設けられたプランジャ84と、該プランジャ84と摺動用孔83aの底面との間に弾装されて、プランジャ84を前方へ付勢するコイルばね85とから構成されている。前記プランジャ84は、先端部84aが制御軸32の端部32a外周面に突設された突起部86の外面に弾接して制御軸32を常時図中時計方向、つまり高リフト側へ制御する方向へ押し付けるようになっている。一方、前記コイルばね85は、そのばね力がウエーブスプリング80よりも十分に小さく設定されている。なお、他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0090】
したがって、この実施形態によれば、前述のように機関停止時において、制御軸32が交番トルクによって最小リフト側、つまり図中反時計方向へ回転した場合、連係アーム48が第1ストッパピン62に衝突する直前(ΔLの隙間)に、プランジャ84を介してコイルばね85のばね力によって制御軸32の急激な反時計方向の回転が阻止されると共に、螺子ナット46が右方向へ移動すると、リテーナ82の他端部82bがボールベアリング50の端面に当接してウエーブスプリング80を圧縮変形させ、このばね反力によって連係アーム48と第1ストッパピン62との緩衝作用を得ることができる。
【0091】
しかも、特に前記ウエーブスプリング80のばね反力によって螺子ナット46を左方向へ僅かに押し戻して連係アーム48を介して制御軸32を高リフト側へ回転させることから、機関の再始動性が良好になる。このように、金属スプリングを2つ併用することで、効果を高めることができる。
【0092】
本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば電動モータ36の配置はエンジンルームのレイアウトによって自由に変更でき、図2に示す右側ではなく反対の左側にしてもよい。また、前記ボール71の循環列を2条以上に形成することも可能である。さらに、回転付与機構としては電動モータの他に、油圧モータなどであってもよい。また、本発明は、吸気弁側の他に排気弁側あるいは両方の弁側に適用することが可能である。
【0093】
前記各実施形態から把握できる請求項以外の技術的思想について、以下に記載する。
【0094】
(イ) 前記可変リフト機構は、機関のクランク軸に同期して回転し、外周に駆動カムが設けられた駆動軸と、支軸に揺動自在に支持されて、カム面がバルブリフター上面を摺接して機関弁を開閉作動させる揺動カムと、一端部が前記駆動カムに機械的に連係し、他端部がリンクロッドを介して揺動カムに連係したロッカアームとを備え、
機関運転状態に応じて前記ロッカアームの揺動支点を変化させることにより、揺動カムのカム面のバルブリフター上面に対する当接位置を変化させて機関弁のバルブリフトを可変にするように構成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
(ロ)前記出力軸をボール螺子軸によって形成して、外周面の螺合部を螺旋状のボール溝に形成すると共に、前記移動部材をボール螺子ナットに形成して、内周面に前記ボール溝と共同して複数のボールを転動自在に保持するガイド溝に形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
【0095】
この発明によれば、ボール螺子ナットの駆動手段としてボールを用いていることから、単なる雌雄螺子による駆動手段の場合に比較して、移動応答性が向上すると共に、バックラッシの影響が少なくなる。
(ハ)前記コイルスプリングは、ハウジング内に潤滑油に浸たされた状態に配置したことを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の可変動弁装置。
【0096】
この発明によれば、コイルスプリングを潤滑油に浸した状態に配置したことから、潤滑油の作用によって該コイルスプリングの伸縮変形する際に発生する線間打音、つまりコイル間での摩擦による異音の発生を防止することができる。
(ニ)ハウジング内に、金属ばね部材の軸方向の移動を規制する抜けだし防止機構を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
【0097】
この発明によれば、金属ばね部材をハウジング内からの不用意な脱落を確実に防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に供される駆動機構を示す縦断面図である。
【図2】本実施形態の可変動弁装置の斜視図ある。
【図3】Aは本実施形態における最小リフト制御時の閉弁作用を示す図2のA矢視図、Bは同最小リフト制御時の開弁作用を示す図2のA矢視図である。
【図4】Aは本実施形態における中リフト制御時の閉弁作用を示す図2のA矢視図、Bは同中リフト制御時の開弁作用を示す図2のA矢視図である。
【図5】Aは本実施形態における最大リフト制御時の閉弁作用を示す図2のA矢視図、Bは同最大リフト制御時の開弁作用を示す図2のA矢視図である。
【図6】本実施形態における最小リフト制御時の駆動機構の作動説明図である。
【図7】本駆動機構の平面展開図である。
【図8】バルブリフト量と交番トルクとの関係を示す特性図である。
【図9】本発明の第2の実施形態を示す駆動機構の要部縦断面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態を示す駆動機構の要部縦断面である。
【符号の説明】
1…シリンダヘッド
2…吸気弁(機関弁)
4…可変リフト機構
6…駆動機構
13…駆動軸
15…駆動カム
17…揺動カム
32…制御軸
33…制御カム
36…電動モータ(回転力付与機構)
37…螺子伝達手段
45…螺子軸(出力軸)
46…螺子ナット(移動部材)
47…連係リンク(連係部)
48…リンク部材
49…雄ねじ部(螺合部)
55…雌ねじ部
61…第1ストッパピン(規制機構)
62…第2ストッパピン(規制機構)
63…第1コイルスプリング(金属ばね部材)
64…第2コイルスプリング(金属ばね部材)
80…ウエーブスプリング(金属ばね部材)

Claims (3)

  1. 機関弁のバルブリフト量を制御軸の回転により可変制御する可変リフト機構と、機関運転状態に応じて前記制御軸を回転制御する駆動機構とを備えた内燃機関の可変動弁装置において、
    前記可変リフト機構を介して少なくとも最小リフト側へ制御する前記制御軸の一方向の最大回転位置を規制する規制機構と、
    通常時は前記制御軸に関連することなく、該制御軸が前記規制機構によって最大回転位置が規制される直前に緩衝作用を行う金属ばね部材とを備え、
    機関の停止時に前記制御軸が前記規制機構側へ回転した際に、該制御軸を前記金属ばね部材のばね反力によって機関の再始動が可能なバルブリフト領域へ回転させるようにしたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記駆動機構は、外周に螺合部を有する出力軸と、
    前記螺合部に螺合して、前記出力軸の回転に伴い該出力軸の軸方向へ移動する移動部材と、
    該移動部材の軸方向への移動力を前記制御軸に回転力として伝達するリンク機構とを備え、
    前記金属ばね部材を、前記移動部材の軸方向の端部と該端部に対峙する対峙部との間に配置したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記金属ばね部材を、コイルスプリングによって形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
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