JP2004076331A - 構造物の施工方法及び構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境への影響を最小限度にして、山間部の斜面に低コストで短期間に道路や落石防護天井等の構造物を構築する。
【解決手段】複数の梁材40を並べた状態で地盤の傾斜面1にほぼ水平に圧入する。そして、地盤の傾斜面1に並んだ状態に圧入された梁材40の露出部分40aを道路10や、落石防護天井20として用いる。なお、並べた状態の梁材40は、隣り合う梁材40同士が互いに接触するものとする。そして、並んだ梁材40上にコンクリート層やアスファルト層を形成したり、側溝を設けたり、ガイドレール11を設けたりして道路10としても良い。また、隣り合う梁材40同士を離れて配置し、これら梁材40間に桁材を掛け渡して、道路10や落石防護天井20としても良い。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、斜面に形成される構造物の施工方法及び構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】
山間部等の傾斜した地盤に新たに道路を作成したり、既設の道路を拡幅したりする場合には、例えば以下のような工法がある。
a、図7(A)に示すように、地盤の傾斜した面(傾斜面1)を掘削(切土)して、元の傾斜面1の内側にほぼ水平な道路用の面2を形成し、道路3を構築する。
b、図7(B)に示すように、前記傾斜面1を掘削(切土)して、元の傾斜面1の内側にほぼ水平な道路用の面2aを形成し、かつ、掘削により生じた残土を新たに構築された道路用の面2aより外側に盛土することにより、元の傾斜面1の外側にもほぼ水平で、かつ、道路用の面2aと同じ高さレベルの道路用の面2bを形成し、これらを合わせたほぼ水平な道路用の面2に道路3を構築する。
c、図7(C)に示すように、傾斜面1に形成された既設の道路3aより外側に、道路3aとほぼ同じ高さの土留め壁4を道路3aに沿って形成し、道路3と土留め壁4との間に土砂を盛土して、既設の道路3aを拡幅して新たな道路3bを構築する。なお、近年、盛土部分の軽量化や作業性の向上のために発泡樹脂製の材料を中詰め材等として用いる場合がある。
d、図7(D)に示すように、既設の道路3aに隣接する傾斜面1を掘削するとともに補強して、道路に隣接する傾斜面を垂直もしくはそれに近い急角度に形成することにより道路3aを拡幅して新たな道路3bを構築するとともに洞門5を設置する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような山間部における道路の構築、既設道路の拡幅、洞門の設置等においては、切土や盛土を行うために、大量の土砂の移動を伴い、工事にコストと時間がかかる。また、工事現場に、土砂の掘削や埋戻しに使用する重機(土木機械)や土砂を搬送するトラック等の通路や設置場所がない可能性があり、このような場合には、重機等の搬入用の仮設通路や仮設の設置場所(ステージ)を形成する必要があり、さらに、コストと時間がかかる。
【0004】
また、従来の工法では、大量の土砂の移動により地形を大きく変形させてしまうことや、道路となる部分の舗装や、道路脇の斜面の補強などにより、地面が覆われてしまうことなどにより、環境に大きな影響を与えることになり、道路の構築が環境破壊に繋がる可能性が高い。
【0005】
本発明の課題は、山間部等の傾斜した地盤に、短時間で、低コストで、かつ、環境に与える影響を最小限度のものとして、道路や落石防護天井などの構造物を構築することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、例えば、図1に示すように、地盤の傾斜した面(傾斜面1)に道路10、落石防護天井20等の構造物30を構築するための構造物の施工方法であって、前記地盤の傾斜した面に長尺な複数の梁材40を、前記梁材の一部が前記地盤の傾斜した面から露出するようにほぼ水平もしくは斜めに並んだ状態に打設し、
並んだ状態に打設された複数の前記梁材を構造物の少なくとも一部とすることを特徴とする。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、傾斜面に打設された梁材の露出する部分が、例えば、道路や落石防護天井として機能する構造物となり、地盤の傾斜面に加えられる加工は、梁材が打設されることである。従って、土砂が掘削されたり盛られたりすることはなく、切土や盛土を行って構造物を構築する場合に比較して環境に与える影響が少ない。また、切土や盛土に伴う掘削作業や掘削土砂の移動がないので、低コストで短時間に施工が可能である。また、切土や盛土に伴う土砂の搬送がないので、土砂の搬送用の通路等を仮設する必要がなく、さらに工期の短縮とコストの低減を図ることができる。
また、梁材の打設深さ等を調整することにより、充分な強度を得ることができる。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の構造物の施工方法において、前記梁材を地盤に打設するに際し、既に打設された前記梁材から反力を取って、前記梁材を地盤に圧入することを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、既に打設された梁材、すなわち、先に打設(圧入)した梁材の引抜き抵抗力を利用して先に圧入した梁材から反力を取って次ぎの梁材を圧入していくことを順次繰り返すことで、複数の梁材を並べた状態に圧入することができる。なお、反力を取るための既設の梁材は、基本的に圧入しようとしている梁材より先に圧入された梁材であるが、圧入以外の方法で打設された梁材でも良い。
そして、先に圧入した梁材から反力を取って次ぎに梁材を圧入することから、例えば、先に圧入した杭から反力を取って次ぎの杭を圧入する周知の杭圧入引抜き機と同様の装置を用いて梁材を圧入することができる。
【0010】
そして、周知の杭圧入引抜き機と同様の装置(梁圧入機)を用いるものとした場合に、周知の杭圧入引抜き機が圧入した杭上を杭に支持された状態で自走可能なことから同様の機構により梁圧入機も梁材に支持された状態で自走可能となる。また、梁圧入機に対して梁材を供給する場合も、既に圧入された梁材を利用することが可能であり、土木機械用の仮設のステージや、仮設のステージに至る仮設道路等が全くなくても、施工が可能となり、さらなる工期の短縮とコストの削減が可能となる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の構造物の施工方法により構築される構造物であって、前記地盤の傾斜した面に複数並んで打設された前記梁材を躯体とすることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明と同様の作用効果を奏することができる。なお、前記梁材が構造物の躯体となるとともに、そのまま構造物となっても良い。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態の構造物の施工方法及び構造物を詳細に説明する。
図1に示すように、この例の構造物の施工方法は、傾斜した地盤、例えば、山や谷(崖も含む)の傾斜面1に構造物30としての道路10や、道路10上もしくはそれ以外の構築物上を覆う構造物30としての落石防護天井20等を構築するためのものである。以下に、構造物の施工方法を説明しながら構造物30を説明する。
そして、この例においては、例えば、複数の梁材40を構築すべき道路の経路に沿って並べて打設していく。そして、道路10の場合には、梁材40の斜面から延出した露出部分40aを道路10もしくは道路10の躯体として用いる。
【0014】
また、落石防護天井20の場合も同様に、傾斜面1に並んだ状態で打設された梁材40の傾斜面1から延出した露出部分40aを落石防護天井20もしくは落石防護天井20の躯体として用いる。すなわち、梁材40の露出部分40aが構造物本体もしくは構造物本体の躯体の少なくとも一部となり、梁材40の地盤内に打設された埋設部分40bが構造物30の基礎として構造物本体を支持する構造となる。なお、図1に示す例において、梁材40は、梁材40の長さ方向に沿ってほぼ水平となるように地盤に打設されている。なお、梁材40の並び方向においては、構築すべき道路10や落石防護天井20に対応した傾斜を有する。
また、打設深さは、地盤の特性や、構造物30に必要な強度等によって決められるものであり、道路10に使用する際には、梁材40を用いた道路10の静荷重と、道路10上を通過する自動車等によってかかる動荷重に充分耐えられるように、打設深さを決める必要がある。
【0015】
なお、打設とは、梁材40の露出部分40aを除く埋設部分40bを地盤中に埋設した状態とすることであり、例えば、梁材40を力(ほぼ一定の油圧等の圧力)により地盤に押し込んで圧入することが挙げられるが、その他に打撃力を用いて梁材を地盤に押し込む方法や、力で押し込む方法に振動を併用する方法や、予め地盤の梁材40を埋設する部分を穿孔し、穿孔された部分に梁材を挿入する方法などが挙げられる。本発明においては、梁材40の埋設部分40bの地盤への埋設方法、すなわち、梁材40の打設方法は特に限定されるものではないが、この例では、後述するように梁材40を地盤に圧入する。
また、梁材40とは、長尺な部材であり、例えば、各種鋼材製のもの(H型鋼、I型鋼、C型鋼、L型鋼、V型鋼、U型鋼等)や、プレキャストコンクリート製のものや、鋼材と鉄筋コンクリートとのように複数の異なる材質の部材を組み合わせた複合材を使用できる。また、梁材40としては、基本的に杭や矢板としても用いられる部材を用いることができるが、曲げ強度の高い部材が好ましい。
【0016】
また、隣り合う梁材40同士は、互いに接触しているものとしても良いし、図3(B)に示すよう隣り合う梁材40同士が互いに離れているものとしても良い。また、梁材40同士が互いに接触している場合には、矢板と同様に隣接する梁材40同士に継手部(セクション)を設け、互いに係合した状態となって圧入されるものとしても良い。
そして、梁材40が、鋼材からなる場合に、その露出部分40aの少なくとも上面側が道路用のコンクリートやアスファルト等のように、自動車等のタイヤに対して必要充分な摩擦力を有するようになっていることが好ましい。
【0017】
すなわち、予め、梁材40の露出部分40aの上面に、コンクリートやアスファルト等の路面を構成する部材からなる路面部を形成しておくとともに、隣り合う梁材40同士が接触した状態となっていれば、圧入されて並んだ状態の梁材40をそのまま道路として使用することも可能である。なお、必要に応じて、ガイドレール11等の道路用付帯設備を梁材40からなる道路10に設置することが好ましい。
【0018】
なお、図1において、向かって左下の部分は、地盤の傾斜面1に梁材40を用いて、道路10を新たに構築した状態を示している。また、図1において、向かって右下の部分は、梁材40を用いて地盤の傾斜面1の既設の道路を拡幅して道路10を構築するとともに、道路10上に落石防護天井20を構築した状態を示している。そして、既設の道路を拡幅する際には、既設の道路より下側に梁材40を圧入し、梁材40上に、例えば、後述するように路面を形成することで、既設の道路とほぼ同じ高さに路面を形成している。
【0019】
また、図4に示すように、梁材40上に路面を形成する場合には、圧入されて並んだ状態の複数の梁材40上に渡って、コンクリートを打設して、構築すべき道路に沿ってコンクリート層13を形成し、コンクリート層13の左右の側縁部に沿って側溝14を形成する。また、コンクリート層13上にコンクリート層13に沿ってアスファルト層15を形成する。このようにすれば、圧入されて並んだ状態の複数の梁材40上に道路として使用可能な路面を形成することができる。
【0020】
また、隣り合う梁材40同士が互いに間隔を開けている場合には、例えば、図3(B)に示すように、梁材40同士の間に板状の桁材50を掛け渡すように配置することで、道路10や落石防護天井20等の構造物30を構築することができる。なお、桁材50上に上述のようにコンクリート層13、アスファルト層15、側溝14、ガイドレール11等を設けるものとしても良いし、桁材50の上面が路面として使用可能な特性(タイヤに対する摩擦力)を持っていれば、桁材50をそのまま道路10として用いるものとしても良い。以上のような場合に、梁材40は、道路10や落石防護天井20の躯体として機能するとともに、桁材50を支持する支持部材として機能する。
【0021】
また、落石防護天井20として用いる場合には、特に、路面を構成するような加工を必要としないが、隣接する梁材40同士の間や、梁材40と桁材50との間が止水されていることが好ましい。
また、この例の構造物30は、傾斜面1に圧入された梁材40を支持材として用いており、基本的に片持ち構造となるが、図5に示すように梁材40の圧入された埋設部分40bの反対側の開放端側に補強部材60を設けても良い。補強部材60としては、例えば、傾斜面1側に一端部を支持され、他端部が梁材40に接合されたものを用いることができる。なお、補強部材60が接合されるのは、梁材40の開放端部に限られるものではなく、梁材40の露出した部分の中央やその近傍を支持するものとしても良い。補強部材60を設けることにより、完全な片持ち構造とならず、より安定した構造とすることができるとともに、梁材40の荷重による変位等を防止することができる。なお、梁材40が互いに接触して連続して並んでいるものとしても、補強部材60は、梁材40に対応して連続して形成されている必要はなく、補強部材60は、間隔を開けて配置されていても良い。
【0022】
また、既存の道路を拡幅するような場合には、図6に示すように、既存の道路の路盤が構成される地盤の平らにされた部分を壊さないように(舗装は壊しても良い)既存の道路の路盤より下側に梁材40を圧入するとともに、梁材40の圧入された端部の反対側の開放端が少なくとも、拡幅された道路10の路面とほぼ同じ高さとなるように、梁材40を斜めに圧入するものとしても良い。そして、梁材40上に既存の道路と繋がるように路面を形成する。なお、ここで斜めとは、梁材40の長さ方向が水平方向とずれた状態である。なお、上述の各例において、梁材40が完全に水平になっている必要はなく、例えば、水勾配を付けるために水平より僅かにずれていても良いし、荷重による変形を見込んで梁材40の開放端側が少し高くなるように梁材40を斜めに圧入しても良い。
【0023】
次ぎに、梁材40を圧入する装置について説明する。
ここで、梁材40の圧入方法としては、例えば、既に地盤に打ち込まれた梁材40の引抜き抵抗力を反力にして順次、新たに梁財40を圧入する方法を用いる。この方法には、周知の杭圧入引抜き機と同様の装置を用いることができる。ここでは、梁材用に用いられる杭圧入引抜き機と同様の装置を梁圧入機70と称する。
梁圧入機70は、図2、図3(A)等に示すように、先に圧入された梁材40(既設の梁材40)を掴むクランプ71を複数備えたサドル72と、サドル72のクランプ71と反対側の部分に前後(梁材の並び方向)に沿って移動自在に設けられたスライド部73と、スライド部73のクランプ71と反対側の部分に旋回自在に設けられたマスト部74と、マスト部74の前面側で梁材の圧入方向に沿って移動自在なチャック部75と、チャック部75を上下に駆動するメインシリンダ76とを備える。
【0024】
クランプ71は、図示しないシリンダ装置により、梁材40を上下から挟み込んで梁圧入機70を既設の梁材40に支持させるものであり、シリンダ装置の作動により梁材40を着脱可能に掴むようになっている。また、チャック部75は、図示しないシリンダ装置により圧入すべき梁材40を挟んで掴むチャック75aを備えるとともに、メインシリンダ76により梁材40の圧入方向に移動自在となっている。また、チャック75aは、チャック部75に対して圧入される梁材40の圧入方向に沿った回転軸回りに回転可能とされている。なお、マスト部74も梁材40の圧入方向に沿った回転軸回りに旋回するようになっている。そして、クランプ71が既設の梁材40を掴み、チャック75aに新たに圧入する梁材40を掴ませて、チャック部75をメインシリンダ76により圧入方向に移動することで、梁材40を地盤に圧入できるようになっている。
【0025】
そして、以上のような梁圧入機70を用いた構造物の施工方法(梁材の圧入方法)をより具体的に説明する。
図2に示すように、互いに隣接(接触)して並んだ状態に先に圧入された梁材40を各クランプ71がそれぞれ掴むようにして、梁圧入機70を先に圧入された梁材40に支持させる。この状態で、チャック部75に新たに圧入すべき梁材40を掴ませて、チャック部75を梁材40の圧入方向に移動し、梁材40の端部を地盤の傾斜面1に圧入させる。そして、チャック部75が梁材40を離した後に、チャック部75を圧入方向の反対側に移動させ、再び、梁材40を掴ませて、チャック部75を圧入方向に移動する。このような動作を繰り返すことにより、一本の梁材40を予め設定した長さだけ露出した状態となるまで圧入する。次ぎに、チャック部75に新たな梁材40を掴ませるとともに、クランプ71をそのままの状態として、スライド部73を前進させることにより、最後に圧入された梁材40の隣で、上述の動作を繰り返し行い、再び梁材40を圧入する。
【0026】
そして、梁材40が有る程度圧入されたら、チャック部75に圧入途中の梁材40を掴ませ、チャック部75が梁材40を掴むことにより梁圧入機70を支持した状態で、クランプ71が梁材40を離すようにし、クランプ71をフリーとする。この状態で、スライド部73を後退させるように作動させることで、相対的にクランプ71(サドル72)を前進させて、各クランプ71が前より一つ先の梁材40を掴むようにする。なお、クランプ71の前進に既設の梁材40が邪魔になるときは、クランプ71を前進させる前にチャック部75を圧入方向に移動させることで、クランプ71を相対的に梁材40から離れるように移動させた後に、スライド部73を作動させても良い。
【0027】
そして、クランプ71がそれぞれ一つ先の梁材40を掴んだ状態で、上述のようにチャック部75を動作させることで、圧入途中の梁材40を圧入し、次いで、スライド部73を前進させて、最後に圧入された梁材40の隣に次ぎの梁材40を圧入させるとともに、クランプ71(サドル72)を前進させる上述の動作を繰り返し行う。これにより、梁材40の並び方向に沿って梁圧入機70を自走させならが、複数の梁材40を並んだ状態に打設することができる。
【0028】
また、マスト部74を旋回して梁材40を圧入することにより、梁材40の並び方向を斜めにすることができ、山間部の斜面に作られる道路10を上り坂や下り坂にすることができる。
また、構築すべき道路10を上り坂や下り坂にするときに、チャック部75のチャック75aを回転して梁材40の軸回りの角度を変更して地盤の傾斜面1に梁材40を圧入することにより、梁材40の上面を構築すべき道路10の傾斜に対応させることができる。
【0029】
なお、図3(A)に示す梁圧入機70は、図3(B)に示すように、隣り合う梁材40同士の間に間隔をあけて、並んだ状態に複数の梁材40を地盤の傾斜面1に圧入する場合に用いるものであり、クランプ71間の間隔が梁材40同士の間隔に対応して広くなっているとともに、スライド部73の移動距離が長くなったものである。そして、この梁圧入機70による梁材40の圧入は、梁材40同士の間隔を広くして並べて圧入できる以外は、上述の場合と同様にして行われる。
また、梁材40が圧入される地盤の傾斜面1は、その傾斜角度が略水平(傾斜角0度)に近いものでなければ、どのような角度でも良く、傾斜角が90度の場合を含むとともに、地盤の傾斜した面が90度を超えてオーバーハング状態となっていても良い。
また、最初に梁材40を圧入する際には、例えば、反力用の錘となる部材をクランプ71に掴ませたり、別の方法で圧入された梁材40をクランプ71に掴ませたりした状態で、上述のように梁材40を圧入する。また、梁材40の圧入に際して、アースオーガ等による先堀やジェット噴流水等を補助的に用いるものとしても良い。
【0030】
そして、以上のように梁材40を順次並んだ状態に圧入することで、道路10、落石防護天井20等の構造物30を構築することができる。また、梁材40を基盤(床)として用いる場合には、さらに梁材40上に上述のように路面を形成する。また、梁材40同士が離れている場合には、梁材40同士の間に桁材50を設置する。
【0031】
以上のような構造物及び構造物の施工方法によれば、上述の梁材40を用いた道路10及び落石防護天井20等の構造物30を構築する際に、梁材40を圧入する梁圧入機70が、先に圧入した梁材40をクランプ71で掴んで、梁材40に支持されるとともに、クランプ71が掴んだ梁材40の引抜き抵抗力から反力を取って、新たに梁材40を圧入できるので、梁材40を圧入する際に、梁圧入機70用に仮設ステージを設ける必要がない。また、梁圧入機70は、上述のように梁材40に支持された状態で梁材40を圧入しながら前進可能なので、梁圧入機70用の通路を仮設する必要もない。
【0032】
従って、この実施の形態における構造物の構築方法及び構造物によれば、地盤の傾斜した面に道路10や落石防護天井20等の構造物30を構築する際に、切土や盛土を行わないので、掘削用の重機や盛土の締め固め用の重機等を使用する必要がないとともに、切土により発生した土砂や盛土用の土砂の搬送を行う必要がない。従って、重機(土木機械)やトラック等のために仮設構築物を構築する必要がなく、山間部における道路10や落石防護天井20の構築において、工期の短縮とコストの削減を図ることができる。
【0033】
また、山間部の山や谷の斜面において、切土や盛土を行わないことから、自然環境に対する影響(負荷)が従来の道路等の構築に比較して極めて小さなものとすることができ、道路の構築による環境破壊を防止することができる。
なお、梁材40を順次並べて圧入していくためには、例えば、上述の梁圧入機70に梁材40を供給する必要があるが、梁圧入機70が梁材40を順次圧入した後には、梁材40により道路もしくは少なくとも仮設状態に近い通路が形成されているので、該通路を使って、梁材40を梁圧入機70に供給することが可能である。また、梁材40を梁圧入機70に供給するには、クレーン等の梁材40を梁圧入機70のチャック部75に掴ませる重機が必要となるが、やはり先に圧入された梁材40が、仮設ステージとして使用可能である。また、梁材40を間隔を開けて圧入した場合には、圧入された梁材40同士の間に桁材50を取り付けていくことにより、桁材50と梁材40とが仮設の通路及びステージとして使用可能となる。
【0034】
従って、この実施の形態によれば、仮設構造物をほとんど必要とせず、確実に従来の工法に比較して、工期の短縮とコストの削減を図るとともに、仮設構造物の設置による環境破壊も防止できる。
また、互いに間隔を開けて梁材40を圧入するものとした場合には、梁材40が地盤の上側と下側を完全に遮断しない構造となるとともに、例えば、梁材40間に桁材50を配置する際に、斜面の間に僅かに隙間を開けるような構造とすれば、小動物が斜面に形成された構造物30の上側と下側を行き来可能となり、さらに環境に与える影響を少なくすることができる。なお、梁材40同士を接触させて圧入させる場合にも、一部で間隔を開けたり、強度上問題の無い範囲で、梁材40に開口部や切欠部を設けたりすることで、梁材40同士を間隔を開けて圧入した場合と同様の効果を得ることができる。
【0035】
なお、梁材40により構築する構造物30は、道路10、落石防護天井20に限られるものではなく、展望台(見晴台)、駐車場、各種設備等の敷地であっても良い。すなわち、本発明は、山や谷等の斜面に切土や盛土を行うことなく、ほぼ水平な面を有する構造物30を構築することが可能であり、ほぼ水平な面を道路10、駐車場、各種設備を設けるための基盤として利用することができる。
【0036】
さらに、構造物30は斜面から延出した状態に設けられるので、上述のように落石防護天井20として用いることができるとともに、雨、雪、日差し等をよけるための屋根として機能させることができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、山間部等の地盤の傾斜した面に、道路や落石防護天井等の構造物を構築する際に、土砂の掘削や搬送の必要がないので、従来の工法に比較して工期の短縮と、コストの削減とを図ることができる。さらに、切土や盛土による地盤の形状の変更がなく、環境に対する影響を極めて僅かなものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の構造物としての道路と、落石防護天井とを地盤の傾斜した面に構築する構造物の施工方法を説明するための断面図である。
【図2】構造物の施工方法において、梁材を地盤に圧入するのに使用される梁圧入機を示す側面図である。
【図3】構造物の施工方法において、並んだ状態に圧入される梁材同士の間に間隔を開けて施工する場合に用いられる梁圧入機を説明するための図面である。
【図4】梁材を用いて形成された本発明の構造物の一つである道路を示す断面図である。
【図5】梁材を用いて形成された構造物を補強した構造を示す断面図である。
【図6】斜めに圧入された梁材を用いて道路を拡幅した構造を示す断面図である。
【図7】従来の山間部における道路の構築もしくは拡幅方法を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1   傾斜面(地盤の傾斜した面)
10  道路(構造物)
20  落石防護天井(構造物)
30  構造物
40  梁材

Claims (3)

  1. 地盤の傾斜した面に道路、落石防護天井等の構造物を構築するための構造物の施工方法であって、
    前記地盤の傾斜した面に長尺な複数の梁材を、前記梁材の一部が前記地盤の傾斜した面から露出するようにほぼ水平もしくは斜めに並んだ状態に打設し、
    並んだ状態に打設された複数の前記梁材を前記構造物の少なくとも一部とすることを特徴とする構造物の施工方法。
  2. 前記梁材を地盤に打設するに際し、既に打設された前記梁材から反力を取って、前記梁材を地盤に圧入することを特徴とする請求項1記載の構造物の施工方法。
  3. 請求項1又は2記載の構造物の施工方法により構築される構造物であって、
    前記地盤の傾斜した面に複数並んで打設された前記梁材を躯体とすることを特徴とする構造物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011085007A (ja) * 2009-10-19 2011-04-28 Takayuki Abe 法面上の斜面雪圧と小段幅等の雪圧抵抗を算出し小段幅等を設定する算定方法
JP2012184580A (ja) * 2011-03-04 2012-09-27 Hayashi Bussan Hatsumei Kenkyusho:Kk 道路構造

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