JP2004075880A - 硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジカル重合によって硬化する硬化性組成物に関する。本発明の硬化性組成物は、例えば、金属、プラスチック、木材等の各種基材のコーティング材料として有用である。
【0002】
【従来の技術】
近年は、環境汚染、省エネルギー、作業環境汚染等が問題とされており、希釈溶剤を実質的には必要とせず、かつ塗膜を硬化させるのに要するエネルギー量も少ない、紫外線等の活性エネルギー線照射により硬化する硬化性組成物が注目を集めている。このような活性エネルギー線硬化性組成物は、例えば、プラスチック製のレンズ、光ディスク、シート、フィルム、光ファイバー等のコーティング;木工合板、床板、家具、楽器等の木工製品のコーティング;さらにはインキや接着剤等に多く利用されるようになって来ている。
【0003】
このような活性エネルギー線硬化性組成物は、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂等のオリゴマー類を主成分とする。したがって、そのままでは粘度が極めて高く、塗料として扱うことは困難である。そこで、一般には、このようなオリゴマー類と、ラジカル重合性不飽和結合を有する低粘度の反応性希釈剤を混合することにより、その塗工操作性を高めている。
【0004】
この反応性希釈剤として、例えば、トリプロピレングリコールジアクリレート等のポリオキシアルキレン鎖含有アクリレートが、特開平4−149280号公報、特開平7−330835号公報、特開平8−259644号公報に開示されている。しかしながら、これら反応性希釈剤は、組成物の硬化速度を低下させる傾向にあり、また、これらを用いて得た硬化塗膜は、鉛筆硬度等の機械的強度や、耐水性、耐湿性等の耐久性が劣る傾向にある。そのため、希釈性能および硬化性能が良好で、かつ機械的強度や耐久性に優れた硬化塗膜が得られる希釈剤が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】
本発明の目的は、組成物の粘度が低く、硬化性に優れ、機械的強度や耐久性に優れた硬化塗膜を得ることができる硬化性組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記一般式(I)
【0007】
【化2】
【0008】
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2およびR4は炭素数2〜10のアルキル基、R3は水素原子、アルキル基、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基、シクロアルキル基または芳香環を有する炭化水素基を示す。)
で表される(メタ)アクリル酸エステル類を含有する硬化性組成物である。
【0009】
なお、本発明において「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸および/またはメタクリル酸」を、「(メタ)アクリロイル基」は「アクリロイル基および/またはメタクリロイル基」を、「(メタ)アクリレート」は「アクリレートおよび/またはメタクリレート」をそれぞれ意味する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の硬化性組成物は、前記一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル類を含有するので、低粘度でありながら、硬化性に優れ、機械的強度や耐久性にも優れた硬化塗膜を形成できる。
【0011】
一般式(I)において、R1は水素原子またはメチル基を示す。特に、硬化速度の観点から、R1は水素原子であることが好ましい。R2およびR4は、炭素数2〜10のアルキル基を示す。R2およびR4の炭素数が2以上であることにより、化合物の硬化収縮率が低くなる。また、炭素数が10以下であることにより、化合物の硬化性が良好となる。R3は、水素原子、アルキル基、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基、シクロアルキル基または芳香環を有する炭化水素基を示す。得られる化合物の粘度が低いことから、R3は炭素数10以下の基が好ましく、炭素数3以下のアルキル基がよりり好ましい。
【0012】
一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル類の具体例としては、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3−(メタ)アクリロイルオキシプロパナミド、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−4−(メタ)アクリロイルオキシブタナミド、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−5−(メタ)アクリロイルオキシペンタナミド、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−6−(メタ)アクリロイルオキシヘキサナミド、N−エチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3−(メタ)アクリロイルオキシプロパナミド、N−エチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−4−(メタ)アクリロイルオキシブタナミド、N−エチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−5−(メタ)アクリロイルオキシペンタナミド、N−エチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−6−(メタ)アクリロイルオキシヘキサナミド、N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3−(メタ)アクリロイルオキシプロパナミド、N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−4−(メタ)アクリロイルオキシブタナミド、N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−5−(メタ)アクリロイルオキシペンタナミド、N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−6−(メタ)アクリロイルオキシヘキサナミド、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−3−(メタ)アクリロイルオキシプロパナミド、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−4−(メタ)アクリロイルオキシブタナミド、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−5−(メタ)アクリロイルオキシペンタナミド、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−6−(メタ)アクリロイルオキシヘキサナミド、N−メチル−N−4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−3−(メタ)アクリロイルオキシプロパナミド、N−メチル−N−4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−4−(メタ)アクリロイルオキシブタナミド、N−メチル−N−4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−5−(メタ)アクリロイルオキシペンタナミド、N−メチル−N−4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−6−(メタ)アクリロイルオキシヘキサナミド、N,N−ビス(2−アクリロイルオキシエチル)−4−アクリロイルオキシブタナミド、N,N−ビス(3−アクリロイルオキシプロピル)−4−アクリロイルオキシブタナミド、N,N−ビス(4−アクリロイルオキシブチル)−4−アクリロイルオキシブタナミド等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を併用して用いても良い。
【0013】
一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル類の製造方法は、特に限定されない。例えば、まず環状ヒドロキシカルボン酸エステルと第一級または第二級アミノ基を含むアミノアルコール化合物とを反応させてアミド基含有アルコールを合成し、このアミド基含有アルコールを前駆体として、一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル類を得ることができる。
【0014】
環状ヒドロキシカルボン酸エステルの具体例としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0015】
第一級または第二級アミノ基を含むアミノアルコール化合物の具体例としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、6−アミノ−1−ヘキサノール等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。中でも、エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミンが、得られる化合物の粘度が低くなる点から、特に好ましい。
【0016】
環状ヒドロキシカルボン酸エステルと、第一級または第二級アミノ基を含むアミノアルコール化合物の反応は、例えば、当量比となるように両者を混合し、90〜100℃で6時間以上加熱することにより行うことができる。
【0017】
以上のようにして合成したアミド基含有アルコールを前駆体として、一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル類を製造する方法としては、例えば、触媒の存在下、(メタ)アクリル酸と脱水エステル化する方法、あるいは、エステル交換触媒の存在下、(メタ)アクリル酸エステル類とのエステル交換反応を行う方法等がある。
【0018】
本発明においては、重合性成分として一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル類のみ使用し、これに開始剤等を添加して硬化性組成物を調製することもできる。ただし、一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル類は、反応性希釈剤としても非常に良好に機能するものである。したがって、一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル類だけでなく、それ以外の重合性成分、例えば、以下に詳述するようなオリゴマー、他の反応性モノマー等を適宜混合して、本発明の硬化性組成物とすることも好ましい。本発明の硬化性組成物中、一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル類の含有量は、5〜95質量%が好ましく、10〜90質量%がより好ましい。また、本発明の硬化性組成物の25℃における粘度(E型粘度計)は、30000mPa・s以下が好ましく、10000mPa・s以下がより好ましい。
【0019】
本発明の硬化性組成物には、一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル類と共に、目的に応じて他の反応性モノマーを併用することもできる。
【0020】
併用可能な反応性モノマーの具体例としては、例えば、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アジピン酸ジビニル等のビニルエステルモノマー類;エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類;アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エトキシレーテッド2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラシクロドデシル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラニルメチル、(メタ)アクリル酸2−メチル−2−イソプロピル−1,3−ジオキソラニルメチル、(メタ)アクリル酸サイクリックトリメチロールプロパンフォルマール、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,9−ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリテトラメチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドビスフェノールF、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸シクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドシクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドシクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸水添ビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッド水添ビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッド水添ビスフェノールA、ビスフェノキシフルオレンエタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのγ−ブチロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ブチレングリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、シクロヘキサンジメタノールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンタンジオールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、水添ビスフェノールAのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールFのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル等のジ(メタ)アクリル酸エステル類;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、トリス(2−メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリスエトキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、炭素数2〜5の脂肪族炭化水素変性トリメチロールプロパントリアクリレート、炭素数2〜5の脂肪族炭化水素変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、炭素数2〜5の脂肪族炭化水素変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリル酸エステル類;などが挙げられる。
【0021】
これらは1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0022】
本発明の硬化性組成物には、目的に応じて、オリゴマーを併用することもできる。オリゴマーの種類は、硬化性組成物の用途の要求性能等を考慮して、適宜選択すればよい。例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が使用可能である。
【0023】
ポリエステル(メタ)アクリレートの具体例としては、例えばフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、アジピン酸等の多塩基酸類と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA等の多価アルコール類と、(メタ)アクリル酸またはその誘導体との反応で得られるポリエステル(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
【0024】
ウレタン(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば1,5−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,4−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナト−3,5,5−トリメチルヘキサン、1,6−ジイソシアナト−3,3,5−トリメチルヘキサン、1,12−ジイソシアナトドデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、デカリンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等のイソシアネート化合物類と、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール等のポリオール化合物と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を持つ(メタ)アクリレート類との反応で得られるウレタン(メタ)アクリレート類;1,5−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,4−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナト−3,5,5−トリメチルヘキサン、1,6−ジイソシアナト−3,3,5−トリメチルヘキサン、1,12−ジイソシアナトドデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、デカリンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等のイソシアネート化合物の単量体または多量体に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートやそれらのカプロラクトン付加体等の水酸基を有する(メタ)アクリレートを付加して得られるウレタン(メタ)アクリレート類;などが挙げられる。
【0025】
エポキシ(メタ)アクリレートの具体例としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル化合物に、(メタ)アクリル酸またはその誘導体を反応させて得られるエポキシポリ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
【0026】
本発明の硬化性組成物には、工業的に有効な硬化スピードを得るために、熱重合開始剤や、光重合開始剤等を添加して用いてもよい。
【0027】
熱重合開始剤の具体例としては、例えばメチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物;上記過酸化物にN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン等のアミン類を組み合わせたレドックス重合開始剤;などが挙げられる。また、必要に応じて、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、オクチル酸ニッケル等の金属石鹸類も使用可能である。
【0028】
光重合開始剤の具体例としては、例えばベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノンや、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン類;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;メチルベンゾイルホルメート、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、9−フェニルアクリジン等が挙げられる。
【0029】
これら重合開始剤は、1種を単独で、または2種以上を併用して用いることが可能である。また、熱重合開始剤と光重合開始剤を併用することもできる。
【0030】
重合開始剤の配合量は特に制限されないが、組成物中の樹脂形成成分100質量部に対して、0〜10質量部が好ましく、0.001〜8質量部が特に好ましい。
【0031】
さらに、本発明の硬化性組成物には、必要に応じて、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸アミル、4−ジメチルアミノアセトフェノン等、従来より知られる各種の光増感剤を添加してもよい。さらに、レベリング剤、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、重合禁止剤、充填剤、顔料、染料、シランカップリング剤等、従来より知られる各種の添加剤を用途に応じて適宜添加できる。
【0032】
本発明の硬化性組成物は、例えば、所望の基材に塗工し、硬化させることによって被膜を形成する用途に好適である。基材は特に限定されず、例えば、金属、プラスチック、ガラス、木材、紙、繊維、複合材料等が挙げられる。塗工方法としては、例えば、スプレーコート法、バーコーター法、カーテンフローコーター法、ロールコーター法、スピンコーター法、ディッピング法等、従来より知られる各種の方法を適用できる。ただし、本発明の硬化性組成物の用途は、被覆用途に限定されない。例えば、注型重合用組成物、ポッティング用組成物として用いることも可能である。
【0033】
本発明の硬化性組成物を熱硬化する際に使用する熱源は、特に限定されない。例えば、熱風オーブン、赤外線ヒーター、電磁誘導加熱炉等が使用可能である。また、光硬化する際に使用する光としては、電子線、紫外線、可視光線等の活性エネルギー線が使用可能である。特に、装置コストや生産性の観点から、紫外線を使用することが好ましい。光源としては、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、高周波誘導水銀ランプ等が適している。また、硬化時の雰囲気は、空気、窒素、アルゴン等の不活性ガス中のいずれでもよい。
【0034】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明を具体的に示す。以下の記載において、「部」は質量部を意味する。
【0035】
<合成例1>
(1)アミド基含有アルコールの合成:
N−メチルエタノールアミンを1モル、γ−ブチロラクトンを1モルの比率で混合し、90℃で12時間加熱攪拌することにより、N−メチル−N−2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシブタナミドを得た。
【0036】
(2)アクリレートの合成:
N−メチル−N−2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシブタナミド1モルに対し、メチルアクリレートを10モル、n−ジオクチルスズオキサイドを0.01モルの比率で混合し、還流下に9時間加熱攪拌しながら副生メタノールを留出した。次いで、メチルアクリレートを減圧留去することにより、N−メチル−N−2−アクリロイルオキシエチル−4−アクリロイルオキシブタナミド(以下、MAEABと略記)を得た。
【0037】
<合成例2>
(1)アミド基含有アルコールの合成:
N−メチルエタノールアミンを1モル、ε−カプロラクトンを1モルの比率で混合し、90℃で12時間加熱攪拌することにより、N−メチル−N−2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシヘキサナミドを得た。
【0038】
(2)アクリレートの合成:
N−メチル−N−2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシヘキサナミド1モルに対し、メチルアクリレートを10モル、n−ジオクチルスズオキサイドを0.01モルの比率で混合し、還流下に9時間加熱攪拌しながら副生メタノールを留出させた。次いで、メチルアクリレートを減圧留去することにより、N−メチル−N−2−アクリロイルオキシエチル−6−アクリロイルオキシヘキサナミド(以下、MAEAHと略記)を得た。
【0039】
<合成例3>
(1)アミド基含有アルコールの合成:
ジエタノールアミンを1モル、γ−ブチロラクトンを1モルの比率で混合し、90℃で12時間加熱攪拌することにより、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシブタナミドを得た。
【0040】
(2)アクリレートの合成:
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシブタナミド1モルに対し、メチルアクリレートを10モル、n−ジオクチルスズオキサイドを0.01モルの比率で混合し、還流下に9時間加熱攪拌しながら副生メタノールを留出させ、次いで、メチルアクリレートを減圧留去することにより、N,N−ビス(2−アクリロイルオキシエチル)−4−アクリロイルオキシブタナミド(以下、BAEABと略記)を得た。
【0041】
<実施例1>
合成例1で得たMAEAB40部、ウレタンアクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名UK−6091)60部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(以下、HCPKと略記)3部を混合し、硬化性組成物を得た。
【0042】
(1)粘度:
硬化性組成物の25℃における粘度をE型粘度計で測定したところ、1100mPa・sであった。
【0043】
(2)硬化性:
硬化性組成物を、ガラス板上にバーコータを用いて膜厚20μmとなるように塗装し、コンベア式の紫外線硬化装置(出力80W/cm、ランプ高さ20cmの高圧水銀灯)を用いて、指触により、塗膜表面がタックフリーとなるための必要最低積算光量を測定機(オーク(株)製、商品名UV351)を用いて測定したところ、その積算光量は200mJ/cmであった。
【0044】
(3)機械的強度(破断強度・破断伸度・引張弾性率):
硬化性組成物を、ガラス板上にバーコータを用いて膜厚100μmとなるように塗装し、前記紫外線硬化装置を用いて1パス1000mJ/cmの積算光量で塗膜を硬化させた。硬化膜をガラス板上から剥離し、幅1cm、長さ5cmの試験片に切断した。この試験片を、強度試験機(オリエンテック社製、商品名テンシロン)を用い、20mm/分の引張速度で長手方向に引っ張り試験を行ったところ、破断強度30MPa、破断伸度20%、引張弾性率630MPaであった。
【0045】
(4)耐久密着性:
硬化性組成物を、ポリカーボネート板上にバーコータを用いて膜厚20μmとなるように塗装し、前期紫外線硬化装置を用いて1パス1000mJ/cmの積算光量で塗膜を硬化させた。この塗膜を、60℃90%RH240時間の環境で保持し、その後JIS K5400に準拠して碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、試験結果は100/100であり、耐久密着性は良好であった。
【0046】
以上の評価結果を、組成と共に表1に示す。
【0047】
<実施例2〜4>
表1に記載の組成を採用したこと以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を調製し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0048】
<比較例1>
表1に示すように、MAEABの代わりにトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を調製し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の硬化性組成物は、低粘度でありながら硬化性に優れ、機械的強度や耐久性に優れた硬化塗膜を形成できる。
【0051】
このような優れた性能を有する本発明の硬化性組成物は、例えば、金属、プラスチック、木材等の各種基材に塗工し、紫外線、電子線等の活性エネルギー線照射によりラジカル重合して硬化させて硬化被膜を形成する、いわゆるコーティング材料として非常に有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジカル重合によって硬化する硬化性組成物に関する。本発明の硬化性組成物は、例えば、金属、プラスチック、木材等の各種基材のコーティング材料として有用である。
【0002】
【従来の技術】
近年は、環境汚染、省エネルギー、作業環境汚染等が問題とされており、希釈溶剤を実質的には必要とせず、かつ塗膜を硬化させるのに要するエネルギー量も少ない、紫外線等の活性エネルギー線照射により硬化する硬化性組成物が注目を集めている。このような活性エネルギー線硬化性組成物は、例えば、プラスチック製のレンズ、光ディスク、シート、フィルム、光ファイバー等のコーティング;木工合板、床板、家具、楽器等の木工製品のコーティング;さらにはインキや接着剤等に多く利用されるようになって来ている。
【0003】
このような活性エネルギー線硬化性組成物は、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂等のオリゴマー類を主成分とする。したがって、そのままでは粘度が極めて高く、塗料として扱うことは困難である。そこで、一般には、このようなオリゴマー類と、ラジカル重合性不飽和結合を有する低粘度の反応性希釈剤を混合することにより、その塗工操作性を高めている。
【0004】
この反応性希釈剤として、例えば、トリプロピレングリコールジアクリレート等のポリオキシアルキレン鎖含有アクリレートが、特開平4−149280号公報、特開平7−330835号公報、特開平8−259644号公報に開示されている。しかしながら、これら反応性希釈剤は、組成物の硬化速度を低下させる傾向にあり、また、これらを用いて得た硬化塗膜は、鉛筆硬度等の機械的強度や、耐水性、耐湿性等の耐久性が劣る傾向にある。そのため、希釈性能および硬化性能が良好で、かつ機械的強度や耐久性に優れた硬化塗膜が得られる希釈剤が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】
本発明の目的は、組成物の粘度が低く、硬化性に優れ、機械的強度や耐久性に優れた硬化塗膜を得ることができる硬化性組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記一般式(I)
【0007】
【化2】
【0008】
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2およびR4は炭素数2〜10のアルキル基、R3は水素原子、アルキル基、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基、シクロアルキル基または芳香環を有する炭化水素基を示す。)
で表される(メタ)アクリル酸エステル類を含有する硬化性組成物である。
【0009】
なお、本発明において「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸および/またはメタクリル酸」を、「(メタ)アクリロイル基」は「アクリロイル基および/またはメタクリロイル基」を、「(メタ)アクリレート」は「アクリレートおよび/またはメタクリレート」をそれぞれ意味する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の硬化性組成物は、前記一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル類を含有するので、低粘度でありながら、硬化性に優れ、機械的強度や耐久性にも優れた硬化塗膜を形成できる。
【0011】
一般式(I)において、R1は水素原子またはメチル基を示す。特に、硬化速度の観点から、R1は水素原子であることが好ましい。R2およびR4は、炭素数2〜10のアルキル基を示す。R2およびR4の炭素数が2以上であることにより、化合物の硬化収縮率が低くなる。また、炭素数が10以下であることにより、化合物の硬化性が良好となる。R3は、水素原子、アルキル基、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基、シクロアルキル基または芳香環を有する炭化水素基を示す。得られる化合物の粘度が低いことから、R3は炭素数10以下の基が好ましく、炭素数3以下のアルキル基がよりり好ましい。
【0012】
一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル類の具体例としては、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3−(メタ)アクリロイルオキシプロパナミド、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−4−(メタ)アクリロイルオキシブタナミド、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−5−(メタ)アクリロイルオキシペンタナミド、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−6−(メタ)アクリロイルオキシヘキサナミド、N−エチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3−(メタ)アクリロイルオキシプロパナミド、N−エチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−4−(メタ)アクリロイルオキシブタナミド、N−エチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−5−(メタ)アクリロイルオキシペンタナミド、N−エチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−6−(メタ)アクリロイルオキシヘキサナミド、N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3−(メタ)アクリロイルオキシプロパナミド、N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−4−(メタ)アクリロイルオキシブタナミド、N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−5−(メタ)アクリロイルオキシペンタナミド、N−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−6−(メタ)アクリロイルオキシヘキサナミド、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−3−(メタ)アクリロイルオキシプロパナミド、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−4−(メタ)アクリロイルオキシブタナミド、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−5−(メタ)アクリロイルオキシペンタナミド、N−メチル−N−2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−6−(メタ)アクリロイルオキシヘキサナミド、N−メチル−N−4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−3−(メタ)アクリロイルオキシプロパナミド、N−メチル−N−4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−4−(メタ)アクリロイルオキシブタナミド、N−メチル−N−4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−5−(メタ)アクリロイルオキシペンタナミド、N−メチル−N−4−(メタ)アクリロイルオキシブチル−6−(メタ)アクリロイルオキシヘキサナミド、N,N−ビス(2−アクリロイルオキシエチル)−4−アクリロイルオキシブタナミド、N,N−ビス(3−アクリロイルオキシプロピル)−4−アクリロイルオキシブタナミド、N,N−ビス(4−アクリロイルオキシブチル)−4−アクリロイルオキシブタナミド等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を併用して用いても良い。
【0013】
一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル類の製造方法は、特に限定されない。例えば、まず環状ヒドロキシカルボン酸エステルと第一級または第二級アミノ基を含むアミノアルコール化合物とを反応させてアミド基含有アルコールを合成し、このアミド基含有アルコールを前駆体として、一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル類を得ることができる。
【0014】
環状ヒドロキシカルボン酸エステルの具体例としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0015】
第一級または第二級アミノ基を含むアミノアルコール化合物の具体例としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、6−アミノ−1−ヘキサノール等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。中でも、エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミンが、得られる化合物の粘度が低くなる点から、特に好ましい。
【0016】
環状ヒドロキシカルボン酸エステルと、第一級または第二級アミノ基を含むアミノアルコール化合物の反応は、例えば、当量比となるように両者を混合し、90〜100℃で6時間以上加熱することにより行うことができる。
【0017】
以上のようにして合成したアミド基含有アルコールを前駆体として、一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル類を製造する方法としては、例えば、触媒の存在下、(メタ)アクリル酸と脱水エステル化する方法、あるいは、エステル交換触媒の存在下、(メタ)アクリル酸エステル類とのエステル交換反応を行う方法等がある。
【0018】
本発明においては、重合性成分として一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル類のみ使用し、これに開始剤等を添加して硬化性組成物を調製することもできる。ただし、一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル類は、反応性希釈剤としても非常に良好に機能するものである。したがって、一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル類だけでなく、それ以外の重合性成分、例えば、以下に詳述するようなオリゴマー、他の反応性モノマー等を適宜混合して、本発明の硬化性組成物とすることも好ましい。本発明の硬化性組成物中、一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル類の含有量は、5〜95質量%が好ましく、10〜90質量%がより好ましい。また、本発明の硬化性組成物の25℃における粘度(E型粘度計)は、30000mPa・s以下が好ましく、10000mPa・s以下がより好ましい。
【0019】
本発明の硬化性組成物には、一般式(I)で表される(メタ)アクリル酸エステル類と共に、目的に応じて他の反応性モノマーを併用することもできる。
【0020】
併用可能な反応性モノマーの具体例としては、例えば、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アジピン酸ジビニル等のビニルエステルモノマー類;エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類;アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エトキシレーテッド2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェネチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラシクロドデシル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラニルメチル、(メタ)アクリル酸2−メチル−2−イソプロピル−1,3−ジオキソラニルメチル、(メタ)アクリル酸サイクリックトリメチロールプロパンフォルマール、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,9−ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリテトラメチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドビスフェノールF、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸シクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドシクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドシクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸水添ビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッド水添ビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッド水添ビスフェノールA、ビスフェノキシフルオレンエタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのγ−ブチロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ブチレングリコールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、シクロヘキサンジメタノールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンタンジオールのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールAのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、水添ビスフェノールAのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェノールFのカプロラクトン付加物(n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリル酸エステル等のジ(メタ)アクリル酸エステル類;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、トリス(2−メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリスエトキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、炭素数2〜5の脂肪族炭化水素変性トリメチロールプロパントリアクリレート、炭素数2〜5の脂肪族炭化水素変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、炭素数2〜5の脂肪族炭化水素変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリル酸エステル類;などが挙げられる。
【0021】
これらは1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0022】
本発明の硬化性組成物には、目的に応じて、オリゴマーを併用することもできる。オリゴマーの種類は、硬化性組成物の用途の要求性能等を考慮して、適宜選択すればよい。例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が使用可能である。
【0023】
ポリエステル(メタ)アクリレートの具体例としては、例えばフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、アジピン酸等の多塩基酸類と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA等の多価アルコール類と、(メタ)アクリル酸またはその誘導体との反応で得られるポリエステル(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
【0024】
ウレタン(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば1,5−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,4−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナト−3,5,5−トリメチルヘキサン、1,6−ジイソシアナト−3,3,5−トリメチルヘキサン、1,12−ジイソシアナトドデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、デカリンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等のイソシアネート化合物類と、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール等のポリオール化合物と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基を持つ(メタ)アクリレート類との反応で得られるウレタン(メタ)アクリレート類;1,5−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,4−ジイソシアナトペンタン、1,6−ジイソシアナト−3,5,5−トリメチルヘキサン、1,6−ジイソシアナト−3,3,5−トリメチルヘキサン、1,12−ジイソシアナトドデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、デカリンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等のイソシアネート化合物の単量体または多量体に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートやそれらのカプロラクトン付加体等の水酸基を有する(メタ)アクリレートを付加して得られるウレタン(メタ)アクリレート類;などが挙げられる。
【0025】
エポキシ(メタ)アクリレートの具体例としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル化合物に、(メタ)アクリル酸またはその誘導体を反応させて得られるエポキシポリ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
【0026】
本発明の硬化性組成物には、工業的に有効な硬化スピードを得るために、熱重合開始剤や、光重合開始剤等を添加して用いてもよい。
【0027】
熱重合開始剤の具体例としては、例えばメチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物;上記過酸化物にN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン等のアミン類を組み合わせたレドックス重合開始剤;などが挙げられる。また、必要に応じて、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、オクチル酸ニッケル等の金属石鹸類も使用可能である。
【0028】
光重合開始剤の具体例としては、例えばベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノンや、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン類;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;メチルベンゾイルホルメート、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、9−フェニルアクリジン等が挙げられる。
【0029】
これら重合開始剤は、1種を単独で、または2種以上を併用して用いることが可能である。また、熱重合開始剤と光重合開始剤を併用することもできる。
【0030】
重合開始剤の配合量は特に制限されないが、組成物中の樹脂形成成分100質量部に対して、0〜10質量部が好ましく、0.001〜8質量部が特に好ましい。
【0031】
さらに、本発明の硬化性組成物には、必要に応じて、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸アミル、4−ジメチルアミノアセトフェノン等、従来より知られる各種の光増感剤を添加してもよい。さらに、レベリング剤、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、重合禁止剤、充填剤、顔料、染料、シランカップリング剤等、従来より知られる各種の添加剤を用途に応じて適宜添加できる。
【0032】
本発明の硬化性組成物は、例えば、所望の基材に塗工し、硬化させることによって被膜を形成する用途に好適である。基材は特に限定されず、例えば、金属、プラスチック、ガラス、木材、紙、繊維、複合材料等が挙げられる。塗工方法としては、例えば、スプレーコート法、バーコーター法、カーテンフローコーター法、ロールコーター法、スピンコーター法、ディッピング法等、従来より知られる各種の方法を適用できる。ただし、本発明の硬化性組成物の用途は、被覆用途に限定されない。例えば、注型重合用組成物、ポッティング用組成物として用いることも可能である。
【0033】
本発明の硬化性組成物を熱硬化する際に使用する熱源は、特に限定されない。例えば、熱風オーブン、赤外線ヒーター、電磁誘導加熱炉等が使用可能である。また、光硬化する際に使用する光としては、電子線、紫外線、可視光線等の活性エネルギー線が使用可能である。特に、装置コストや生産性の観点から、紫外線を使用することが好ましい。光源としては、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、高周波誘導水銀ランプ等が適している。また、硬化時の雰囲気は、空気、窒素、アルゴン等の不活性ガス中のいずれでもよい。
【0034】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明を具体的に示す。以下の記載において、「部」は質量部を意味する。
【0035】
<合成例1>
(1)アミド基含有アルコールの合成:
N−メチルエタノールアミンを1モル、γ−ブチロラクトンを1モルの比率で混合し、90℃で12時間加熱攪拌することにより、N−メチル−N−2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシブタナミドを得た。
【0036】
(2)アクリレートの合成:
N−メチル−N−2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシブタナミド1モルに対し、メチルアクリレートを10モル、n−ジオクチルスズオキサイドを0.01モルの比率で混合し、還流下に9時間加熱攪拌しながら副生メタノールを留出した。次いで、メチルアクリレートを減圧留去することにより、N−メチル−N−2−アクリロイルオキシエチル−4−アクリロイルオキシブタナミド(以下、MAEABと略記)を得た。
【0037】
<合成例2>
(1)アミド基含有アルコールの合成:
N−メチルエタノールアミンを1モル、ε−カプロラクトンを1モルの比率で混合し、90℃で12時間加熱攪拌することにより、N−メチル−N−2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシヘキサナミドを得た。
【0038】
(2)アクリレートの合成:
N−メチル−N−2−ヒドロキシエチル−4−ヒドロキシヘキサナミド1モルに対し、メチルアクリレートを10モル、n−ジオクチルスズオキサイドを0.01モルの比率で混合し、還流下に9時間加熱攪拌しながら副生メタノールを留出させた。次いで、メチルアクリレートを減圧留去することにより、N−メチル−N−2−アクリロイルオキシエチル−6−アクリロイルオキシヘキサナミド(以下、MAEAHと略記)を得た。
【0039】
<合成例3>
(1)アミド基含有アルコールの合成:
ジエタノールアミンを1モル、γ−ブチロラクトンを1モルの比率で混合し、90℃で12時間加熱攪拌することにより、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシブタナミドを得た。
【0040】
(2)アクリレートの合成:
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシブタナミド1モルに対し、メチルアクリレートを10モル、n−ジオクチルスズオキサイドを0.01モルの比率で混合し、還流下に9時間加熱攪拌しながら副生メタノールを留出させ、次いで、メチルアクリレートを減圧留去することにより、N,N−ビス(2−アクリロイルオキシエチル)−4−アクリロイルオキシブタナミド(以下、BAEABと略記)を得た。
【0041】
<実施例1>
合成例1で得たMAEAB40部、ウレタンアクリレート(三菱レイヨン(株)製、商品名UK−6091)60部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(以下、HCPKと略記)3部を混合し、硬化性組成物を得た。
【0042】
(1)粘度:
硬化性組成物の25℃における粘度をE型粘度計で測定したところ、1100mPa・sであった。
【0043】
(2)硬化性:
硬化性組成物を、ガラス板上にバーコータを用いて膜厚20μmとなるように塗装し、コンベア式の紫外線硬化装置(出力80W/cm、ランプ高さ20cmの高圧水銀灯)を用いて、指触により、塗膜表面がタックフリーとなるための必要最低積算光量を測定機(オーク(株)製、商品名UV351)を用いて測定したところ、その積算光量は200mJ/cmであった。
【0044】
(3)機械的強度(破断強度・破断伸度・引張弾性率):
硬化性組成物を、ガラス板上にバーコータを用いて膜厚100μmとなるように塗装し、前記紫外線硬化装置を用いて1パス1000mJ/cmの積算光量で塗膜を硬化させた。硬化膜をガラス板上から剥離し、幅1cm、長さ5cmの試験片に切断した。この試験片を、強度試験機(オリエンテック社製、商品名テンシロン)を用い、20mm/分の引張速度で長手方向に引っ張り試験を行ったところ、破断強度30MPa、破断伸度20%、引張弾性率630MPaであった。
【0045】
(4)耐久密着性:
硬化性組成物を、ポリカーボネート板上にバーコータを用いて膜厚20μmとなるように塗装し、前期紫外線硬化装置を用いて1パス1000mJ/cmの積算光量で塗膜を硬化させた。この塗膜を、60℃90%RH240時間の環境で保持し、その後JIS K5400に準拠して碁盤目テープ剥離試験を行ったところ、試験結果は100/100であり、耐久密着性は良好であった。
【0046】
以上の評価結果を、組成と共に表1に示す。
【0047】
<実施例2〜4>
表1に記載の組成を採用したこと以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を調製し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0048】
<比較例1>
表1に示すように、MAEABの代わりにトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を調製し、同様に評価した。結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の硬化性組成物は、低粘度でありながら硬化性に優れ、機械的強度や耐久性に優れた硬化塗膜を形成できる。
【0051】
このような優れた性能を有する本発明の硬化性組成物は、例えば、金属、プラスチック、木材等の各種基材に塗工し、紫外線、電子線等の活性エネルギー線照射によりラジカル重合して硬化させて硬化被膜を形成する、いわゆるコーティング材料として非常に有用である。
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