JP2004075212A - 原反ロールのウエブ繰出し方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のコンベアベルト式のウエブ繰出し装置では、運転中に原反ロールの径(重量)の変化によってコンベアベルトの張力値(負荷)が変化し、その張力値変化によってウエブ繰出しスピードが変化する。
【解決手段】左右一対の支持アーム21で原反ロールRの巻軸を支持し、各支持アーム21を傾動させて原反ロール外周面をコンベアベルト53に接触させて原反ロールのウエブを繰出させるようにしたものにおいて、原反ロール外周面をコンベアベルト53に接触させたときのコンベアベルト張力値を常時検出し、そのコンベアベルト実際張力値が予め設定しているコンベアベルト設定張力値と異なるときに、支持アーム21の傾動力を実際張力値が設定張力値に近づく方向に調整しながらウエブ繰出しを行うことにより、運転中に原反ロールの径が変化してもコンベアベルトによりウエブ繰出しスピードを常時一定にできる。
【選択図】 図4
【解決手段】左右一対の支持アーム21で原反ロールRの巻軸を支持し、各支持アーム21を傾動させて原反ロール外周面をコンベアベルト53に接触させて原反ロールのウエブを繰出させるようにしたものにおいて、原反ロール外周面をコンベアベルト53に接触させたときのコンベアベルト張力値を常時検出し、そのコンベアベルト実際張力値が予め設定しているコンベアベルト設定張力値と異なるときに、支持アーム21の傾動力を実際張力値が設定張力値に近づく方向に調整しながらウエブ繰出しを行うことにより、運転中に原反ロールの径が変化してもコンベアベルトによりウエブ繰出しスピードを常時一定にできる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、左右一対の支持アームの先端部で原反ロールの巻軸の左右突出部を支持し、該各支持アームを傾動させて原反ロールの外周面を繰出しコンベアのコンベアベルトに接触させることによって原反ロールのウエブを繰出させるようにした原反ロールのウエブ繰出し方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紙や不織布のようなウエブは、製造段階(抄紙機)で大径(例えば直径が1m程度)のロール状に巻回されて原反ロールとされる。そして、その原反ロールは、目的とするウエブ加工機のウエブ繰出し部にセットし、該原反ロールから順次ウエブを繰出して各種ウエブ製品(例えば、ロールペーパー、積層ペーパー等)に加工される。
【0003】
ところで、原反ロールからウエブを繰出させるウエブ繰出し装置としては、従来から図14に示すようなコンベアベルト式のものが知られている。この図14に示すウエブ繰出し装置は、原反ロールRの巻軸Sの左右突出部を支持し得る支持アーム21(左右一対ある)と、左右の支持アーム21を揺動させる伸縮シリンダ41(左右一対ある)と、各支持アーム21の先端部23で支持した原反ロールRからウエブWを繰出させる繰出しコンベア5とを有している。
【0004】
繰出しコンベア5のコンベアベルト53は、鉛直姿勢に近い後方傾斜状態で定位置に固定されている。このコンベアベルト53はモータ54により走行せしめられる。
【0005】
そして、図14のウエブ繰出し装置では、支持アーム21(左右一対ある)の先端部23で原反ロールRの巻軸Sの左右突出部を支持した状態で、伸縮シリンダ41により支持アーム21を傾動させて、原反ロールRの外周面をコンベアベルト53に接触させることによって、該原反ロールRからウエブWを繰出させてウエブ加工部側へ供給するようになっている。このとき、支持アーム21は、伸縮シリンダ41により一定の付勢力で原反ロール外周面がコンベアベルト53に接触する側に付勢されている。そして、原反ロールRからのウエブWが順次繰出されていくと、原反ロールが順次小径になっていくが(例えば符号R′)、そのとき支持アームも鎖線図示(符号21′)するように、伸縮シリンダ41で付勢されたまま大きく傾動する。
【0006】
尚、この図14の従来例では、このウエブ繰出し装置で繰出されたウエブWと別ラインで繰出される別のウエブW′とを重ね合わせて二重ウエブW,W′の状態でウエブ加工部側へ供給するようになっている。
【0007】
ところで、図14に示すウエブ繰出し装置のように、原反ロールRからのウエブWを定位置固定の繰出しコンベア5で繰出させるようにしたものでは、伸縮シリンダ41による付勢力が一定であると、原反ロールRの重量変化や支持アーム21の傾動角度等によって、原反ロールRがコンベアベルト53に接触する接圧が変化するようになる。即ち、原反ロールは、大径であるほど(例えば符号Rで示す当初の径)自己重量が重く、そのときの原反ロールRの外周面がコンベアベルト53に接触する接圧が大きいが、例えば符号R′で示すように原反ロールの径が小さくなると、自己重量が軽くなって該原反ロールR′の外周面がコンベアベルト53に接触する接圧が小さくなる。このように、運転中にコンベアベルト53に対するロール外周面の接圧が変化すると、繰出しコンベア5のモータ54に対する負荷が変化し、コンベアベルト53の走行スピードが変化するようになる。従って、運転中において、原反ロールの径の変化に伴って、該原反ロールからのウエブ繰出しスピードが変化することになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このように、運転中にコンベアベルト53の走行スピードが変化すると、コンベアベルト53に接触している原反ロールからのウエブ繰出しスピードが変化し、上記のように繰出しコンベア5で繰出させたウエブWを別ラインから繰出される別のウエブW′に重ね合わせる場合には、両ウエブW,W′の繰出しスピードに差が生じて、二重ウエブW,W′の一方のウエブに弛みができるというトラブルが発生する。
【0009】
そこで、本願発明は、原反ロールの外周面をコンベアベルトに接触させてウエブを繰出させるようにしたウエブ繰出し装置において、運転中に原反ロールの径が変化しても、該原反ロールがコンベアベルトに接触する接圧を一定に維持し得るようにした原反ロールのウエブ繰出し方法及びその装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。
【0011】
本願請求項1の発明
本願請求項1の発明は、原反ロールのウエブ繰出し方法を対象にしている。尚、本願のウエブ繰出し方法では、原反ロールとして、その中心部の巻軸の周りに紙や不織布等のウエブを所定長さ巻回させたものを使用している。又、本願で使用する原反ロールの大きさは、特に限定するものではないが、直径が1m、ウエブ幅が2〜3m程度のかなり大きなものが使用される。
【0012】
この請求項1の発明のウエブ繰出し方法は、左右一対の支持アームの先端部で原反ロールの巻軸の左右突出部を支持し、該各支持アームを傾動させて原反ロールの外周面を繰出しコンベアのコンベアベルトに接触させることによって原反ロールのウエブを繰出させるようにしている。
【0013】
ところで、運転中に原反ロールからウエブが順次繰出されていくと、該原反ロールの重量が減少していくが、このように原反ロールの重量変化は、コンベアベルトに対する原反ロールの接圧に影響する。即ち、支持アームの傾動角度にもよるが、原反ロールの重量が減少するほど、コンベアベルトに接触する接圧が小さくなる傾向にある。尚、原反ロールによるコンベアベルトに対する接圧が変化すると、それに比例してコンベアベルトの張力が変化するようになる。又、コンベアベルトに対する原反ロールの接圧力が大きいほど、繰出しコンベアの負荷が大きくなって、コンベアベルトの走行スピードが遅くなる現象が発生する。
【0014】
そして、この請求項1のウエブ繰出し方法では、原反ロールの外周面をコンベアベルトに接触させたときのコンベアベルト張力値を常時検出し、そのコンベアベルトの実際張力値が予め設定しているコンベアベルトの設定張力値と異なるときに、支持アームの傾動力を該実際張力値が該設定張力値に近づく方向に調整しながらウエブ繰出しを行うようにしている。
【0015】
上記設定張力値は、コンベアベルトを所定のスピードで走行させるときのコンベアベルト張力値であって、例えば別ラインから繰出される別のウエブの繰出しスピードに、コンベアベルトの走行スピードを一致させるものである。尚、この設定張力値は、予めコントローラに設定しておく。又、支持アーム21の傾動力の調整は、原反ロールのコンベアベルトに対する接圧力(コンベアベルトの張力)を変化させ得るものである。
【0016】
そして、この請求項1のウエブ繰出し方法では、運転中に原反ロールがコンベアベルトに接触しているときのコンベアベルトの実際張力値がコンベアベルトの設定張力値と異なると、支持アームの傾動力を調整して、常時、コンベアベルト実際張力値をコンベアベルト設定張力値に一致させるようになっている。従って、運転中において、原反ロールのウエブが減少しても(繰出しコンベアに対する負荷の減少要因となる)、コンベアベルトによるウエブ繰出しスピードを常に所望の一定スピードに維持させることができる。
【0017】
本願請求項2の発明
本願請求項2の発明は、上記請求項1のウエブ繰出し方法を行うための装置を対象にしている。
【0018】
この請求項2のウエブ繰出し装置は、アーム先端部で原反ロールの巻軸の左右突出部を支持し得る左右一対の支持アームと、該各支持アームを揺動させる揺動駆動装置と、支持アームに支持された原反ロールの外周面を接触させて該原反ロールからウエブを繰出させる繰出しコンベアとを備えている。
【0019】
支持アームを揺動させる揺動駆動装置としては、一般に伸縮シリンダ(エアシリンダ)が採用される。尚、この伸縮シリンダには、コンプレッサーからの圧縮空気が供給される。
【0020】
繰出しコンベアには、原反ロールの外周面がコンベアベルトに接触しているときのコンベアベルトの張力値を常時検出する張力検出器を設けている。この張力検出器には、ロードセルが使用でき、該ロードセルでコンベアベルトを巻掛けている従動ロールに対する荷重変化を検出するようにしたものが使用できる。
【0021】
他方、コントローラには、コンベアベルトが所定走行スピードで走行するときのコンベアベルトの張力値を予め設定している。この設定張力値は、例えば別ラインから繰出される別のウエブの繰出しスピードに、コンベアベルトの走行スピードを一致させるものであり、該別ラインのウエブ繰出しスピードを変更したときには、そのウエブ繰出しスピードに対応した設定張力値に変更する。
【0022】
又、この請求項2のウエブ繰出し装置には、張力検出器で検出しているコンベアベルトの実際張力値がコントローラに設定しているコンベアベルトの設定張力値と異なるときに、コンベアベルトに対する原反ロールの接圧力をコンベアベルトの実際張力値がコンベアベルトの設定張力値に近づく方向に調整する接圧調整装置を備えている。この接圧調整装置は、支持アームに対する揺動駆動装置の操作力を調整するものである。そして、揺動駆動装置に伸縮シリンダ(エアシリンダ)を使用する場合には、接圧調整装置として伸縮シリンダに供給する空気圧を調整する圧力調整弁を使用できる。
【0023】
この請求項2のウエブ繰出し装置では、運転中に張力検出器により原反ロールの接触によるコンベアベルトの実際張力値を常時検出して、その実際張力値を常時コントローラに入力し、該コントローラで入力された実際張力値とコントローラに設定している設定張力値とを比較して、その両張力値が異なると、支持アームの傾動力を調整して、常時、コンベアベルト実際張力値をコンベアベルト設定張力値に一致させることができる。従って、上記請求項1のウエブ繰出し方法を行うことができる。
【0024】
【発明の効果】
本願請求項1の発明(ウエブ繰出し方法)及び本願請求項2の発明(ウエブ繰出し装置)によれば、運転中において、原反ロールのウエブ繰出しによってコンベアベルトに対する張力値が変化しても(繰出しコンベアに対する負荷が変化してコンベアベルトの走行スピードが変化する要因となる)、該実際張力値を瞬時に設定張力値に一致させることができ、従ってコンベアベルトによるウエブ繰出しスピードを常に所望の一定スピードに維持させることができるという効果がある。
【0025】
尚、このように、ウエブ繰出しスピードを常に所望の一定スピードに維持させ得るようにすると、例えば別ラインからのウエブと重合させて二重ウエブの状態でウエブ加工部側に供給する場合に、両ウエブの繰出し長さが常に同じになるので、二重ウエブの一方のウエブに弛みができるというトラブルを未然に防止できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本願実施形態を説明すると、図1〜図11には本願第1実施形態のウエブ繰出し装置を示し、図12及び図13には第2実施形態(図1の変形例)のウエブ繰出し装置を示している。
【0027】
第1実施形態
第1実施形態のウエブ繰出し装置は、図1〜図4に示すように、基枠1に、2セットの原反ロール支持装置2A,2Bと、該各原反ロール支持装置2A,2Bをそれぞれ揺動させる揺動駆動装置4A,4Bと、原反ロールRの外周面を接触させてウエブWを繰出させる繰出しコンベア5と、各原反ロール支持装置2A,2Bに支持された原反ロールRの巻軸Sの各突出部Sa,Saをガイドする左右一対の円弧ガイド6,6とをそれぞれ取付けて構成されている。
【0028】
この実施形態では、原反ロールRとして、巻軸Sの周りに帯状のウエブWを所定長さ巻回したものが使用される。又、この原反ロールRは、直径が1m程度でウエブ幅が2〜3m程度のかなり大きなものが採用されている。従って、この原反ロールRはかなりの大重量となる。巻軸Sの両端は、原反ロールRの軸方向端面(ウエブ幅)の外側にそれぞれ400〜500mm程度づつ突出している(巻軸突出部Sa,Sa)。ウエブとしては、紙や不織布が一般的であるが、この実施形態では、不織布を巻回させた原反ロールRを採用している。尚、この原反ロールRのウエブ巻始め端部は、巻軸Sに対して単に(非接着状態で)巻付けているだけで、ウエブを最後まで巻解くと、ウエブ巻始め端部が巻軸Sから自然に剥がれるようになっている。
【0029】
各原反ロール支持装置2A,2Bは、それぞれ左右2つの支持アーム21,21を1セットにし、該各支持アーム21,21をそれぞれ軸(内外二重軸)20A,20Bで連結して構成されている。合計4つの支持アーム21,21・・は、図2及び図3に示すように、原反ロールRの端面より左右外側で各巻軸突出部Sa,Saを支持し得る位置に2つづつ配置している。そして、4つの支持アーム21,21・・のうち、各外側の2つの支持アーム21,21を内軸20Aで連結して外側原反ロール支持装置2Aを構成しているとともに、各内側の2つの支持アーム21,21を外軸20Bで連結して内側原反ロール支持装置2Bを構成している。
【0030】
各支持アーム21,21・・は、図1〜図3(及び図5、図6)に示すように、全長が900〜1000mm程度の長さを有する主アーム22の先端部に巻軸突出部Saを支持するための軸支持部23を取付けている。そして、各原反ロール支持装置2A,2Bのそれぞれ2つの支持アーム21,21・・は、各軸支持部23,23・・からアーム基端側に所定等距離(例えば700mm程度の距離)だけ離間した位置において、それぞれ内外二重軸2A,2Bで連結して、各原反ロール支持装置2A,2B(一対の各支持アーム21,21)が同心状態で個別に鉛直面内で揺動し得るようにしている。
【0031】
各支持アーム21の先端部に取付けた軸支持部23は、それぞれローラーアーム24,26の先端部に取付けた前後2つのローラー25,27を有している。この各ローラー25,27は、巻軸突出部Saを下方から支持し得る間隔をもって配置されている。尚、以下の説明では、前ローラー25を取付けているローラーアーム24を前ローラーアームといい、後ローラー27を取付けているローラーアーム26を後ローラーアームという。
【0032】
左右の円弧ガイド6,6は、外ガイド枠61と内ガイド枠62との間に巻軸突出部Saの外径とほぼ同間隔の円弧状ガイド溝63を設けている。この各円弧ガイド6,6には、一端側(前側)に上向きに開口する巻軸投入口64を設け、他端側(後側)に下向きに開口する巻軸排出口65を形成している。そして、この各円弧ガイド6,6は、図1及び図2に示すように、基枠1内の左右各端部寄りで各巻軸突出部Sa,Saのそれぞれ端部寄りをガイドし得る位置において、ガイド溝63の円弧中心が各原反ロール支持装置2A,2Bの揺動軸心(軸2A,2B)と同位置になる状態で、前後方向に向けて設置している。
【0033】
各円弧ガイド6,6の巻軸排出口65の下方には、該巻軸排出口65から排出される巻軸Sの各端部を受ける受台11(左右2つある)が設けられている。
【0034】
各原反ロール支持装置2A,2Bは、それぞれ揺動駆動装置4A,4Bで個別に鉛直面内で上下に揺動せしめられる。この各揺動駆動装置4A,4Bには、この実施形態ではそれぞれ2本1組の伸縮シリンダ(エアシリンダ)41,41が使用されている。この各伸縮シリンダ41は、ロッド先端部を各支持アーム21(主アーム22)の基端側端部(軸20A,20Bを越えた軸支持部23とは反対側端部)に連結している。そして、2本1組の伸縮シリンダ41,41を伸縮させることによって、1セットとなる各支持アーム21,21を鉛直方向に向く上向き姿勢位置E(伸縮シリンダの伸長時)と水平方向に向く横向き姿勢位置F(伸縮シリンダの縮小時)との間のほぼ角度90°の範囲で上下に揺動せしめ得るようになっている。
【0035】
この揺動駆動装置4A,4Bとなる各伸縮シリンダ41,41・・には、それぞれ後述する圧力調整弁(72又は73)及び切換弁(42又は43)を介してコンプレッサー40からの圧縮空気が供給される。
【0036】
繰出しコンベア5は、駆動側ロール51と従動側ロール52とにコンベアベルト53を巻掛けて構成している。この繰出しコンベア5は、図2に示すように各円弧ガイド6,6の間で、図1に示すように巻軸排出口65の近辺において、鉛直姿勢に近い後方傾斜状態で固定的に設置している。尚、この繰出しコンベア5は、モータ54で駆動される。
【0037】
そして、この繰出しコンベア5は、図7〜図9に示すように、原反ロール支持装置(2A又は2B)で支持され且つ円弧ガイド6,6でガイドされた原反ロールを、図7に示す最大径(符号R)から図8に示す中間径(符号R1)を経て図9に示す最小径(符号R2)に至るまでの全範囲においてコンベアベルト53に接触させて、ウエブWを連続して繰出させ得るようになっている。尚、このコンベアベルト53は、原反ロール接触面が上方から下方に向けて走行する。
【0038】
繰出しコンベア5の下端部の下方には、コンベアベルト53で繰出されるウエブWの皺延ばしロール12が設置されている。この皺延ばしロール12は、モータ13によって駆動される。尚、皺延ばしロール12の下方には、巻掛けロール14が設置されている。
【0039】
ところで、支持アーム21の軸支持部23が巻軸突出部Saを支持し得る状態では、該軸支持部23が円弧ガイド6(ガイド溝63)に沿って移動する原反ロールRの巻軸S(巻軸突出部Sa)の移動軌跡内にある。そして、支持アーム21が横向き姿勢位置Fから上向き姿勢位置Eに戻る際に、該軸支持部23が巻軸突出部Saを支持し得る位置のままでは別の原反ロール支持装置に支持されている原反ロールRの巻軸突出部Saに衝合するが、このウエブ繰出し装置では、該軸支持部23を、巻軸突出部Saを回避して通過せしめる回避装置3を設けている。
【0040】
尚、第1実施形態のウエブ繰出し装置に使用されている回避装置3は、例えば図5に拡大図示するように、内側原反ロール支持装置2Bの支持アーム21,21には、その各外面側に設置している(側面から見える)が、外側原反ロール支持装置2Aの各支持アーム21,21には、その各内面側に設置されている。従って、外側原反ロール支持装置2A側の回避装置3は、側面から見えないが内側原反ロール支持装置2B側の回避装置3と同じものが設けられている。
【0041】
この第1実施形態のウエブ繰出し装置における回避装置3は、次のように構成されている。この回避装置3は、図5及び図6に拡大図示するように、軸支持部23の前ローラー25を取付けている前ローラーアーム24と、軸支持部23の後ローラー27を取付けている後ローラーアーム27とを、主アーム22の先端寄り位置において共通のピン31で枢着しており、前ローラーアーム24及び後ローラーアーム26がそれぞれピン31を中心にして鉛直面内で揺動し得るようにしている。前ローラーアーム24は後ローラーアーム26よりかなり長いものを使用している。又、前ローラーアーム24は主アーム22に近接する側に取付け、後ローラーアーム26は前ローラーアーム24の外面(主アーム22とは反対側の側面)に取付けている。
【0042】
前ローラーアーム24は、巻軸突出部Saを支持し得る位置(図5の状態)において、主アーム22に設けたストッパー33に衝合して、それ以上、左回転しないようにしている。主アーム22と前ローラーアーム24間には、前ローラーアーム24を揺動させる伸縮シリンダ(エアシリンダ)32が取付けられていて、図5に示すように該伸縮シリンダ32が縮小状態では前ローラー25が巻軸突出部を支持し得る位置にあり、図6に示すように該伸縮シリンダ32が伸長すると前ローラーアーム24を角度60°程度右回転させるようになっている。そして、図6に示すように、前ローラーアーム24が右回転した状態では、前ローラー25が円弧ガイド6にガイドされた巻軸突出部Saの移動軌跡部分より内側(巻軸突出部Saに衝合しない位置)に位置する一方、後ローラー27が該巻軸突出部Saの移動軌跡部分に位置している。又、前ローラーアーム24は、軸支持部23が巻軸突出部Saを支持し得る位置において主アーム22に対してロックピン38で揺動不能にロックされる。このロックピン38は、主アーム22の側面に取付けた伸縮シリンダ(エアシリンダ)37でロック位置とロック解除位置との間で進退作動せしめられる。
【0043】
後ローラーアーム26は、巻軸突出部Saを支持し得る位置(図5の状態)において、前ローラーアーム24に設けたストッパー34に衝合して、それ以上、左回転しないようにしている。又、後ローラーアーム26は、バネ35によって左回転方向に付勢されている。そして、後ローラーアーム26の自然状態では該後ローラーアーム26がストッパー34に衝合した姿勢に維持される一方、後ローラー27に対して右回転方向に付勢力がかかると(例えば図6に鎖線図示するように巻軸突出部Sa′に衝合したとき)、バネ35の引っ張り力に抗して後ローラーアーム26が図6の符号26′のように右回転するようになっている。
【0044】
そして、この第1実施形態のウエブ繰出し装置に使用されている回避装置3は、図5において支持アーム21が横向き姿勢位置Fにある状態から、伸縮シリンダ37を縮小させてロックピン38を前ローラーアーム24から抜き(ロック解除)、図6に示すように伸縮シリンダ32を伸長させて前ローラーアーム24を右回転させ、その状態で支持アーム21が上向き姿勢位置側に戻るときに(例えば鎖線図示する符号21′の位置において)、他方の原反ロール支持装置(図6の状態では外側原反ロール支持装置2A)で支持している巻軸の突出部(符号Sa′の位置)に後ローラー27が衝合し、そのとき後ローラーアーム26がバネ35の引っ張り力に抗して鎖線図示(符号26′)するように右回転方向に回転せしめられ、後ローラー(符号27′)が巻軸突出部(符号Sa′)を左側に乗り越えるように機能する。尚、後ローラー27′が巻軸突出部Sa′を左側に乗り越えると、バネ35の引っ張り力により後ローラーアーム26′が左回転せしめられて、元の姿勢(後ローラーアーム26がストッパー34に衝合した姿勢)に戻される。
【0045】
この実施形態のウエブ繰出し装置では、原反ロールRから繰出されるウエブ(不織布)Wと別のウエブ(不織布)W′とを2枚重ねにしてウエブ加工部へ供給するようになっている。即ち、繰出しコンベア5の下方位置には、該別のウエブW′が図示しない別の繰出し装置で連続して供給されており、該別のウエブW′の上面に繰出しコンベア5で繰出されるウエブWを重ね合わせ、その2枚重ねのウエブW,W′をウエブ加工部へ供給する。
【0046】
ところで、原反ロールRからのウエブWを定位置固定の繰出しコンベア5で繰出させるようにしたものでは、原反ロールRの重量変化や支持アーム21の傾動角度等によって、原反ロールRがコンベアベルト53に接触する接圧が変化するようになる。このように、コンベアベルト53に対するロール外周面の接圧が変化すると、繰出しコンベア5のモータ54に対する負荷が変化し、コンベアベルト53の走行スピード(ウエブ繰出しスピード)が変化するようになる。そして、本願実施形態のように、繰出しコンベア5で繰出させたウエブWを別ラインから繰出される別のウエブW′に重ね合わせる場合には、両ウエブW,W′の繰出しスピードに差があると、二重ウエブW,W′の一方のウエブに弛みができるというトラブルが発生する。
【0047】
そこで、本願実施形態のウエブ繰出し装置では、コンベアベルト53に対する原反ロールRの接圧を一定に調整するための接圧調整装置7を設けている。この接圧調整装置7は、図1及び図4に示すように、コンベアベルト53の張力を検出する張力検出器71と、揺動駆動装置4A,4Bの各伸縮シリンダ41,41・・に供給するエアー圧を調整する圧力調整弁72,73と、張力検出器71からの信号に基いて各圧力調整弁72,73に制御信号を出力するコントローラ8とを有して構成している。尚、コントローラ8は、原反ロールの接圧調整機能のほかに、各種作動機器の制御も行う。
【0048】
張力検出器71には、圧力を検出するロードセルが使用されている。この張力検出器(ロードセル)71は、コンベアベルト53の後側走行部に設けた従動ロール55の各軸端部をそれぞれ支持する状態でコンベアベルト内側に設置している。そして、上記のように、コンベアベルト53に対する原反ロールRの接圧が変化すると、コンベアベルト53の張力が変化し、その張力変化による荷重が従動ロール55に作用し、その従動ロール55の荷重変化を各張力検出器71,71で検出するようになっている。尚、各張力検出器71,71で検出した検出値(荷重値)は、電気信号として(電圧換算して)コントローラ8に常時出力されている。
【0049】
圧力調整弁72,73は、図4に示すように、外側原反ロール支持装置2A側の各伸縮シリンダ41,41用のもの(符号72,72)と、内側原反ロール支持装置2B側の各伸縮シリンダ41,41用のもの(符号73,73)とを有している。この各圧力調整弁72,73は、常態時に「開」状態で、コントローラ8からの電気信号(電圧)の強さに比例して絞り量が変化するものが使用されている。尚、この実施形態では、圧力調整弁72,73は、合計4つの伸縮シリンダ41,41・・にそれぞれ1つづ設けているが、外側原反ロール支持装置2Aと内側原反ロール支持装置2Bの各1組の伸縮シリンダ41,41をそれぞれ1つ(合計2つ)の圧力調整弁で共用してもよい。
【0050】
この接圧調整装置7は、繰出しコンベア5によるウエブWの繰出しスピードを別ラインのウエブ繰出し装置から繰出されるウエブW′の繰出しスピードを一致させるためのものであり、運転中に変動するコンベアベルト53への原反ロールRの接圧力を予め設定した所定値に近づけるように調整するものである。尚、この接圧調整装置7の作動方法及び機能は、この第1実施形態のウエブ繰出し装置の作動方法とともに説明する。
【0051】
この第1実施形態のウエブ繰出し装置を運転する前に、まず図1に示すように、別ラインからのウエブW′を繰出しコンベア5の下方に通紙しておく一方、未使用の原反ロールRを円弧ガイド6,6の巻軸投入口64,64から投入して、上向き姿勢位置Eで待機している1つの原反ロール支持装置(図1の状態では外側原反ロール支持装置2A)の各軸支持部23,23上に各巻軸突出部Sa,Saを載せる。尚、このとき他方の原反ロール支持装置(内側原反ロール支持装置2B)の支持アーム21は、原反ロールRを受取る上向き姿勢位置E以外の場所(例えば図1に示す横向き姿勢位置F)で待機している。そして、図7に示すように、外側原反ロール支持装置2A側の伸縮シリンダ41,41を縮小させて、支持アーム21で支持している原反ロールRの外周面をコンベアベルト53に接触させる。尚、原反ロールRがコンベアベルト53に接触した後は、該伸縮シリンダ41,41の切換弁42,42をニュートラル側に切換える。又、原反ロールRのウエブ始端側は、コンベアベルト53、皺延ばしロール12、巻掛けロール14を介して別ラインのウエブW′上に重ねておく。
【0052】
ところで、原反ロールRの径が大きいほど該原反ロールRの重量が重くなり、伸縮シリンダ41,41の付勢力を「0」にした状態では、支持アーム21の傾動角度にもよるが、コンベアベルト53に凭れ掛けた原反ロールRの径が大きいほど、コンベアベルト53に対する原反ロールRの接圧力が大きくなる傾向がある。そして、このウエブ繰出し装置の接圧調整装置7では、運転前でも電源をONにすると、コンベアベルト53に対する現状での原反ロール接圧値(コンベアベルトの張力値)を各張力検出器71,71で検出して、その検出値を電気信号(電圧)としてコントローラ8に常時出力する。他方、コントローラ8には、別ラインのウエブ繰出しスピードと一致させるコンベアベルト53の張力値を予め設定している。そして、コントローラ8で、その設定張力値と張力検出器71,71から出力される実際のコンベアベルト張力値とを比較し、その両張力値に差があるときには、コントローラ8からの信号で当該原反ロールRを支持している原反ロール支持装置の伸縮シリンダ41,41による付勢力を、原反ロール接圧値(コンベアベルト張力値)が設定張力値に近づく側に調整するようになっている。
【0053】
具体的には、コンベアベルト53に接触する原反ロールRの径が大きい(重量が重い)と、コンベアベルト53の張力値が設定張力値より大きくなるが(このとき、そのままでは繰出しコンベア5に大きな負荷がかかってウエブ繰出しスピードが遅くなる)、その場合、コントローラ8からの信号で、当該原反ロールRを支持している原反ロール支持装置(図7では外側原反ロール支持装置2A)の伸縮シリンダ41,41の圧力調整弁72,72を両張力値の差に応じた所定の絞り量に調整するとともに、各切換弁42,42を伸縮シリンダ伸長側に切換える(切換弁42が図8の状態になる)。すると、原反ロールRがコンベアベルト53に対して接圧力軽減側に付勢されて、該原反ロールRによる実際のコンベアベルト張力値を設定張力値に近づけるように作動する。尚、各切換弁42,42が伸縮シリンダ伸長側に切換えられても、圧力調整弁72,72が絞られているので各伸縮シリンダ41,41の伸長作用力より、原反ロールR(及び原反ロール支持装置)の自重による凭れ掛け作用力が大きくなっており、該原反ロールRは、所望の接圧力でコンベアベルト53に接触している。
【0054】
この状態で、図7に示すように、別ラインのウエブ繰出し装置とともに、このウエブ繰出し装置の運転を開始すると、別ラインのウエブW′が所定のスピードで繰出される一方、コンベアベルト53の走行によって原反ロールRからのウエブWが別ラインのウエブW′と同スピードで繰出され、二重ウエブW,W′状態でウエブ加工部側に供給される。このとき、各ウエブW,W′の繰出しスピードは同スピードであるので、両ウエブW,W′が同長さづつ繰出されて両ウエブとも弛みのない状態で重合するようになる。
【0055】
他方、別の原反ロール支持装置(内側原反ロール支持装置2B)は、横向き姿勢位置Fから上向き姿勢位置Eに戻す準備をとして、図6及び図7に示すように回避装置3の伸縮シリンダ32を伸長させて、ピン31を中心にして前ローラーアーム24を角度60°程度右回転させる。尚、この状態では、前ローラー25は、図6及び図7に示すようにウエブ繰出し中の原反ロールRの巻軸突出部Saに衝合しない位置まで退避しているが、後ローラー27は、該巻軸突出部Saに衝合する位置にある。そして、その状態で、内側原反ロール支持装置2B側の揺動駆動装置4Bの各伸縮シリンダ41,41を伸長させて、該内側原反ロール支持装置2Bの各支持アーム21,21を上向き姿勢位置Eまで立ち起こす。その際、図6に鎖線図示するように、巻軸突出部Saに衝合する位置にあった後ローラー27が該巻軸突出部Saに衝合すると、後ローラー27及び後ローラーアーム26が図6に鎖線図示(符号27′,26′)するように、内方側に押し倒されて、該巻軸突出部Saを乗り越えて通過する(通過後は後ローラーアーム26がバネ35により元の位置まで戻される)。そして、内側原反ロール支持装置2Bの各支持アーム21,21が上向き姿勢位置Eまで戻った後、回避装置3の伸縮シリンダ32が縮小して、前ローラーアーム24を元の位置まで戻し(図8の状態)、ロック用の伸縮シリンダ37を伸長させてロックピン38を前ローラーアーム24の穴29に挿入する。この状態では、軸支持部23が上向き姿勢位置Eにおいて、新しい原反ロールRの巻軸Sを支持し得る姿勢で待機している。
【0056】
図7の状態で、コンベアベルト53に接触している原反ロールRからウエブWが連続して繰出され、該原反ロールRが順次小径になっていくとともに、各支持アーム21,21が後側に傾倒していくが、そのとき、原反ロールRの重量減少(コンベアベルト53に対する接圧力減少機能が生じる)及び各支持アーム21,21の傾倒量増加(コンベアベルト53に対する接圧力増加機能が生じる)によって、コンベアベルト53に対する原反ロールの接圧力が変化していく。すると、その接圧力変化に伴ってコンベアベルト53の張力が変化し、その張力値を張力検出器71,71で検出して電気信号としてコントローラ8に入力し、該コントローラ8でその入力された実際の張力値と予め設定している設定張力値とを比較する。そして、両張力値に差があると、コントローラ8からの信号で圧力調整弁72,72の絞り量を調整して、各伸縮シリンダ41,41による各支持アーム21,21の付勢力を実際張力値が設定張力値に近づく側に修正するようになっている。この圧力調整弁72,72への絞り量調整作業は、運転中は連続して行われ、原反ロールの接触によるコンベアベルト53への接圧力(コンベアベルト53の張力)は、コントローラ8に記憶している設定張力値と常に同じ(あるいは近似)になる。又、ウエブWが繰出されて原反ロールRの径が順次小さくなっていくと原反ロール重量が軽くなっていき、伸縮シリンダ41,41による支持アーム21,21の付勢力が「0」になっても、原反ロールの接触によるコンベアベルト53への接圧力(コンベアベルトに対する張力値)が上記設定張力値より小さくなる場合があるが、その場合は、伸縮シリンダ41,41の切換弁42,42(又は43,43)を縮小側(原反ロールの接圧増加側)に切換えるとともに、圧力調整弁72,72(又は73,73)の絞り量を調整して、コンベアベルト53の実際張力値と上記設定張力値とを一致させるように制御する。従って、原反ロールの径(重量)が順次減少しながらコンベアベルト53に接触するウエブ繰出し装置であっても、コンベアベルト53の走行スピードは常に一定となり、その繰出しウエブWを別ラインから繰出されるウエブW′に重合させる場合であっても、両ウエブW,W′の繰出し長さは常に同じになる。
【0057】
次に、上向き姿勢位置Eで待機している内側原反ロール支持装置2Bには、例えば図8に示すように、ウエブ繰出し中の原反ロールR1が所定小径になったとき(即ち、次の原反ロールRが鎖線図示するように上向き姿勢位置Eの軸支持部23に支持されても繰出し中の原反ロールに衝合しない程度まで小径になった以降)に、新しい原反ロールRを各円弧ガイド6,6の巻軸投入口64,64から投入する。
【0058】
そして、図8の状態の原反ロールR1からさらにウエブWを繰出して、その原反ロールの残ウエブがほとんどなくなる直前に(図9の符号R2の状態)、その状態を検出器(図示しない)で検出し、その検出信号を受けてコントローラ8から内側原反ロール支持装置2Bの揺動駆動装置4B(各伸縮シリンダ41,41)の切換弁43,43(図4)を伸縮シリンダ縮小側に操作する。すると、図9に示すように、先の原反ロールR2と後の原反ロールRとが同時にコンベアベルト53に接触し、図10に拡大図示するように、先の原反ロールR2側のウエブ終端側Waと後の原反ロールRのウエブ始端側Wbとがコンベアベルト53の終端部付近で重合し、先・後の各ウエブ端付近Wa,Wbがノンストップで重ね継がれ、両ウエブ端付近Wa,Wbが重ね継がれた状態で、下方の別ラインのウエブW′上に導かれる。そして、その直後に先の原反ロール側のウエブがなくなり、後の原反ロールRのウエブWが別ラインのウエブW′上に重合した状態でウエブ加工部側に供給される。尚、後の原反ロールRがコンベアベルト53に接触時点では、一瞬ではあるがコンベアベルト53の張力値が設定張力値を越えることがあるが、その超過分は接圧調整装置7により瞬時に修正される。
【0059】
円弧ガイド6の巻軸排出口65部分で空になった巻軸Sは、横向き姿勢位置Fにおいて外側原反ロール支持装置2Aの各軸支持部23で支持されたまま残っているが、ウエブ終端が巻軸Sから離れた後に、図11に示すように、内側原反ロール支持装置2Bの各回避装置3の伸縮シリンダ32が伸長して、前ローラーアーム24を右回転させ、軸支持部23で支持していた空の巻軸Sを下方の受台11上に落下させる。この図11の状態は、図7における外側原反ロール支持装置2Aと内側原反ロール支持装置2Bとが相互に逆位置にある状態と同じであり、以下、図7〜図11の動作を繰返して、ノンストップで運転される。
【0060】
尚、別ラインのウエブW′の繰出し装置も、この実施形態のウエブ繰出し装置と同様に、ウエブ繰出しスピードが一定で且つ先・後の原反ロールのウエブ端をノンストップで継足し得る構造のものを使用するとよい。
【0061】
この第1実施形態のウエブ繰出し装置では、2セットの原反ロール支持装置2A,2Bがそれぞれ原反ロールRを受取る上向き姿勢位置Eと空の巻軸Sを排出する横向き姿勢位置Fの角度約90°の範囲でのみ揺動するので、各原反ロール支持装置2A,2Bに支持される原反ロールRの移動範囲が小さくなる。従って、ウエブ繰出し装置をコンパクトに構成できるとともに、原反ロールRを交換する際の原反ロール移動範囲が小さくなって、ウエブ繰出し装置の設置スペースを小さくできる。又、支持アーム21,21が横向き姿勢位置から上向き姿勢位置まで戻されるときに、戻り側の原反ロール支持装置の各軸支持部23が、他方の原反ロール支持装置に支持されている巻軸Sを回避して通過せしめるようにしているので、戻り時に両原反ロール支持装置2A,2Bの支持アーム21が交差するようにしたものであっても、支障なく運転できる。
【0062】
第2実施形態
図12及び図13に示す第2実施形態のウエブ繰出し装置は、上記第1実施形態における回避装置3の変形例を示している。
【0063】
この第2実施形態のウエブ繰出し装置では、各原反ロール支持装置2A,2Bの軸支持部23として、図13に拡大図示するように前ローラー25と後ローラー27とを台座28に不動状態で固定したものを使用している。この台座28は、支持アーム21の主アーム22に対して2本のガイド棒29,29で出没自在に取付けている。
【0064】
回避装置3は、該台座28を支持アーム21の主アーム22に対して出没方向に進退させ得る伸縮シリンダ30を使用している。
【0065】
そして、該伸縮シリンダ30の伸長状態では、軸支持部23が円弧ガイド6にガイドされた原反ロールRの巻軸突出部Saを支持し得る位置まで突出し、該伸縮シリンダ30の縮小状態では、軸支持部23が鎖線図示(符号23′)するように円弧ガイド6でガイドされた巻軸突出部Saに衝合しない位置まで内方側に後退するようになっている。
【0066】
そして、この第2実施形態では、原反ロール支持装置(2A又は2B)が横向き姿勢位置まで移動し、軸支持部23で支持していた原反ロールRのウエブがなくなると、回避装置3(伸縮シリンダ30)が縮小して、軸支持部23を鎖線図示(符号23′)する位置まで後退させ(このとき空の巻軸Sは下方に落下する)、その状態で当該原反ロール支持装置(2A又は2B)の支持アーム21を上向き姿勢位置まで戻すようにしている。尚、支持アーム21が上向き姿勢位置まで戻った後、伸縮シリンダ30を伸長させて、軸支持部23を巻軸支持位置まで突出させる。
【0067】
尚、この第2実施形態のウエブ繰出し装置におけるその他の構成は、第1実施形態のものと同様(同符号のものは同じもの)であり、回避装置3以外の基本的動作及び機能は、第1実施形態のものと同じである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願第1実施形態の原反ロールのウエブ繰出し装置の側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1のIII−III拡大矢視図である。
【図4】図1のウエブ繰出し装置における繰出しコンベア及び接圧調整装置の構成図である。
【図5】図1のウエブ繰出し装置における原反ロール支持装置の拡大図である。
【図6】図5の原反ロール支持装置における回避装置の作動変化図である。
【図7】図1からの作動変化図である。
【図8】図7からの作動変化図である。
【図9】図8からの作動変化図である。
【図10】図9の一部拡大図である。
【図11】図9からの作動変化図である。
【図12】本願第2実施形態の原反ロールのウエブ繰出し装置の側面図である。
【図13】図12のウエブ繰出し装置における原反ロール支持装置の拡大図である。
【図14】従来のウエブ繰出し装置の説明図である。
【符号の説明】
2A,2Bは原反ロール支持装置、3は回避装置、4A,4Bは揺動駆動装置、5は繰出しコンベア、6は円弧ガイド、7は接圧調整装置、8はコントローラ、20A,20Bは軸、21は支持アーム、23は軸支持部、25は前ローラー、27は後ローラー、30は伸縮シリンダ、32は伸縮シリンダ、35はバネ、40はコンプレッサー、41は伸縮シリンダ、42,43は切換弁、53はコンベアベルト、54はモータ、71は張力検出器、72,73は圧力調整弁、Eは上向き姿勢位置、Fは横向き姿勢位置、Rは原反ロール、Sは巻軸、Saは巻軸突出部である。
【発明の属する技術分野】
本願発明は、左右一対の支持アームの先端部で原反ロールの巻軸の左右突出部を支持し、該各支持アームを傾動させて原反ロールの外周面を繰出しコンベアのコンベアベルトに接触させることによって原反ロールのウエブを繰出させるようにした原反ロールのウエブ繰出し方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紙や不織布のようなウエブは、製造段階(抄紙機)で大径(例えば直径が1m程度)のロール状に巻回されて原反ロールとされる。そして、その原反ロールは、目的とするウエブ加工機のウエブ繰出し部にセットし、該原反ロールから順次ウエブを繰出して各種ウエブ製品(例えば、ロールペーパー、積層ペーパー等)に加工される。
【0003】
ところで、原反ロールからウエブを繰出させるウエブ繰出し装置としては、従来から図14に示すようなコンベアベルト式のものが知られている。この図14に示すウエブ繰出し装置は、原反ロールRの巻軸Sの左右突出部を支持し得る支持アーム21(左右一対ある)と、左右の支持アーム21を揺動させる伸縮シリンダ41(左右一対ある)と、各支持アーム21の先端部23で支持した原反ロールRからウエブWを繰出させる繰出しコンベア5とを有している。
【0004】
繰出しコンベア5のコンベアベルト53は、鉛直姿勢に近い後方傾斜状態で定位置に固定されている。このコンベアベルト53はモータ54により走行せしめられる。
【0005】
そして、図14のウエブ繰出し装置では、支持アーム21(左右一対ある)の先端部23で原反ロールRの巻軸Sの左右突出部を支持した状態で、伸縮シリンダ41により支持アーム21を傾動させて、原反ロールRの外周面をコンベアベルト53に接触させることによって、該原反ロールRからウエブWを繰出させてウエブ加工部側へ供給するようになっている。このとき、支持アーム21は、伸縮シリンダ41により一定の付勢力で原反ロール外周面がコンベアベルト53に接触する側に付勢されている。そして、原反ロールRからのウエブWが順次繰出されていくと、原反ロールが順次小径になっていくが(例えば符号R′)、そのとき支持アームも鎖線図示(符号21′)するように、伸縮シリンダ41で付勢されたまま大きく傾動する。
【0006】
尚、この図14の従来例では、このウエブ繰出し装置で繰出されたウエブWと別ラインで繰出される別のウエブW′とを重ね合わせて二重ウエブW,W′の状態でウエブ加工部側へ供給するようになっている。
【0007】
ところで、図14に示すウエブ繰出し装置のように、原反ロールRからのウエブWを定位置固定の繰出しコンベア5で繰出させるようにしたものでは、伸縮シリンダ41による付勢力が一定であると、原反ロールRの重量変化や支持アーム21の傾動角度等によって、原反ロールRがコンベアベルト53に接触する接圧が変化するようになる。即ち、原反ロールは、大径であるほど(例えば符号Rで示す当初の径)自己重量が重く、そのときの原反ロールRの外周面がコンベアベルト53に接触する接圧が大きいが、例えば符号R′で示すように原反ロールの径が小さくなると、自己重量が軽くなって該原反ロールR′の外周面がコンベアベルト53に接触する接圧が小さくなる。このように、運転中にコンベアベルト53に対するロール外周面の接圧が変化すると、繰出しコンベア5のモータ54に対する負荷が変化し、コンベアベルト53の走行スピードが変化するようになる。従って、運転中において、原反ロールの径の変化に伴って、該原反ロールからのウエブ繰出しスピードが変化することになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このように、運転中にコンベアベルト53の走行スピードが変化すると、コンベアベルト53に接触している原反ロールからのウエブ繰出しスピードが変化し、上記のように繰出しコンベア5で繰出させたウエブWを別ラインから繰出される別のウエブW′に重ね合わせる場合には、両ウエブW,W′の繰出しスピードに差が生じて、二重ウエブW,W′の一方のウエブに弛みができるというトラブルが発生する。
【0009】
そこで、本願発明は、原反ロールの外周面をコンベアベルトに接触させてウエブを繰出させるようにしたウエブ繰出し装置において、運転中に原反ロールの径が変化しても、該原反ロールがコンベアベルトに接触する接圧を一定に維持し得るようにした原反ロールのウエブ繰出し方法及びその装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。
【0011】
本願請求項1の発明
本願請求項1の発明は、原反ロールのウエブ繰出し方法を対象にしている。尚、本願のウエブ繰出し方法では、原反ロールとして、その中心部の巻軸の周りに紙や不織布等のウエブを所定長さ巻回させたものを使用している。又、本願で使用する原反ロールの大きさは、特に限定するものではないが、直径が1m、ウエブ幅が2〜3m程度のかなり大きなものが使用される。
【0012】
この請求項1の発明のウエブ繰出し方法は、左右一対の支持アームの先端部で原反ロールの巻軸の左右突出部を支持し、該各支持アームを傾動させて原反ロールの外周面を繰出しコンベアのコンベアベルトに接触させることによって原反ロールのウエブを繰出させるようにしている。
【0013】
ところで、運転中に原反ロールからウエブが順次繰出されていくと、該原反ロールの重量が減少していくが、このように原反ロールの重量変化は、コンベアベルトに対する原反ロールの接圧に影響する。即ち、支持アームの傾動角度にもよるが、原反ロールの重量が減少するほど、コンベアベルトに接触する接圧が小さくなる傾向にある。尚、原反ロールによるコンベアベルトに対する接圧が変化すると、それに比例してコンベアベルトの張力が変化するようになる。又、コンベアベルトに対する原反ロールの接圧力が大きいほど、繰出しコンベアの負荷が大きくなって、コンベアベルトの走行スピードが遅くなる現象が発生する。
【0014】
そして、この請求項1のウエブ繰出し方法では、原反ロールの外周面をコンベアベルトに接触させたときのコンベアベルト張力値を常時検出し、そのコンベアベルトの実際張力値が予め設定しているコンベアベルトの設定張力値と異なるときに、支持アームの傾動力を該実際張力値が該設定張力値に近づく方向に調整しながらウエブ繰出しを行うようにしている。
【0015】
上記設定張力値は、コンベアベルトを所定のスピードで走行させるときのコンベアベルト張力値であって、例えば別ラインから繰出される別のウエブの繰出しスピードに、コンベアベルトの走行スピードを一致させるものである。尚、この設定張力値は、予めコントローラに設定しておく。又、支持アーム21の傾動力の調整は、原反ロールのコンベアベルトに対する接圧力(コンベアベルトの張力)を変化させ得るものである。
【0016】
そして、この請求項1のウエブ繰出し方法では、運転中に原反ロールがコンベアベルトに接触しているときのコンベアベルトの実際張力値がコンベアベルトの設定張力値と異なると、支持アームの傾動力を調整して、常時、コンベアベルト実際張力値をコンベアベルト設定張力値に一致させるようになっている。従って、運転中において、原反ロールのウエブが減少しても(繰出しコンベアに対する負荷の減少要因となる)、コンベアベルトによるウエブ繰出しスピードを常に所望の一定スピードに維持させることができる。
【0017】
本願請求項2の発明
本願請求項2の発明は、上記請求項1のウエブ繰出し方法を行うための装置を対象にしている。
【0018】
この請求項2のウエブ繰出し装置は、アーム先端部で原反ロールの巻軸の左右突出部を支持し得る左右一対の支持アームと、該各支持アームを揺動させる揺動駆動装置と、支持アームに支持された原反ロールの外周面を接触させて該原反ロールからウエブを繰出させる繰出しコンベアとを備えている。
【0019】
支持アームを揺動させる揺動駆動装置としては、一般に伸縮シリンダ(エアシリンダ)が採用される。尚、この伸縮シリンダには、コンプレッサーからの圧縮空気が供給される。
【0020】
繰出しコンベアには、原反ロールの外周面がコンベアベルトに接触しているときのコンベアベルトの張力値を常時検出する張力検出器を設けている。この張力検出器には、ロードセルが使用でき、該ロードセルでコンベアベルトを巻掛けている従動ロールに対する荷重変化を検出するようにしたものが使用できる。
【0021】
他方、コントローラには、コンベアベルトが所定走行スピードで走行するときのコンベアベルトの張力値を予め設定している。この設定張力値は、例えば別ラインから繰出される別のウエブの繰出しスピードに、コンベアベルトの走行スピードを一致させるものであり、該別ラインのウエブ繰出しスピードを変更したときには、そのウエブ繰出しスピードに対応した設定張力値に変更する。
【0022】
又、この請求項2のウエブ繰出し装置には、張力検出器で検出しているコンベアベルトの実際張力値がコントローラに設定しているコンベアベルトの設定張力値と異なるときに、コンベアベルトに対する原反ロールの接圧力をコンベアベルトの実際張力値がコンベアベルトの設定張力値に近づく方向に調整する接圧調整装置を備えている。この接圧調整装置は、支持アームに対する揺動駆動装置の操作力を調整するものである。そして、揺動駆動装置に伸縮シリンダ(エアシリンダ)を使用する場合には、接圧調整装置として伸縮シリンダに供給する空気圧を調整する圧力調整弁を使用できる。
【0023】
この請求項2のウエブ繰出し装置では、運転中に張力検出器により原反ロールの接触によるコンベアベルトの実際張力値を常時検出して、その実際張力値を常時コントローラに入力し、該コントローラで入力された実際張力値とコントローラに設定している設定張力値とを比較して、その両張力値が異なると、支持アームの傾動力を調整して、常時、コンベアベルト実際張力値をコンベアベルト設定張力値に一致させることができる。従って、上記請求項1のウエブ繰出し方法を行うことができる。
【0024】
【発明の効果】
本願請求項1の発明(ウエブ繰出し方法)及び本願請求項2の発明(ウエブ繰出し装置)によれば、運転中において、原反ロールのウエブ繰出しによってコンベアベルトに対する張力値が変化しても(繰出しコンベアに対する負荷が変化してコンベアベルトの走行スピードが変化する要因となる)、該実際張力値を瞬時に設定張力値に一致させることができ、従ってコンベアベルトによるウエブ繰出しスピードを常に所望の一定スピードに維持させることができるという効果がある。
【0025】
尚、このように、ウエブ繰出しスピードを常に所望の一定スピードに維持させ得るようにすると、例えば別ラインからのウエブと重合させて二重ウエブの状態でウエブ加工部側に供給する場合に、両ウエブの繰出し長さが常に同じになるので、二重ウエブの一方のウエブに弛みができるというトラブルを未然に防止できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本願実施形態を説明すると、図1〜図11には本願第1実施形態のウエブ繰出し装置を示し、図12及び図13には第2実施形態(図1の変形例)のウエブ繰出し装置を示している。
【0027】
第1実施形態
第1実施形態のウエブ繰出し装置は、図1〜図4に示すように、基枠1に、2セットの原反ロール支持装置2A,2Bと、該各原反ロール支持装置2A,2Bをそれぞれ揺動させる揺動駆動装置4A,4Bと、原反ロールRの外周面を接触させてウエブWを繰出させる繰出しコンベア5と、各原反ロール支持装置2A,2Bに支持された原反ロールRの巻軸Sの各突出部Sa,Saをガイドする左右一対の円弧ガイド6,6とをそれぞれ取付けて構成されている。
【0028】
この実施形態では、原反ロールRとして、巻軸Sの周りに帯状のウエブWを所定長さ巻回したものが使用される。又、この原反ロールRは、直径が1m程度でウエブ幅が2〜3m程度のかなり大きなものが採用されている。従って、この原反ロールRはかなりの大重量となる。巻軸Sの両端は、原反ロールRの軸方向端面(ウエブ幅)の外側にそれぞれ400〜500mm程度づつ突出している(巻軸突出部Sa,Sa)。ウエブとしては、紙や不織布が一般的であるが、この実施形態では、不織布を巻回させた原反ロールRを採用している。尚、この原反ロールRのウエブ巻始め端部は、巻軸Sに対して単に(非接着状態で)巻付けているだけで、ウエブを最後まで巻解くと、ウエブ巻始め端部が巻軸Sから自然に剥がれるようになっている。
【0029】
各原反ロール支持装置2A,2Bは、それぞれ左右2つの支持アーム21,21を1セットにし、該各支持アーム21,21をそれぞれ軸(内外二重軸)20A,20Bで連結して構成されている。合計4つの支持アーム21,21・・は、図2及び図3に示すように、原反ロールRの端面より左右外側で各巻軸突出部Sa,Saを支持し得る位置に2つづつ配置している。そして、4つの支持アーム21,21・・のうち、各外側の2つの支持アーム21,21を内軸20Aで連結して外側原反ロール支持装置2Aを構成しているとともに、各内側の2つの支持アーム21,21を外軸20Bで連結して内側原反ロール支持装置2Bを構成している。
【0030】
各支持アーム21,21・・は、図1〜図3(及び図5、図6)に示すように、全長が900〜1000mm程度の長さを有する主アーム22の先端部に巻軸突出部Saを支持するための軸支持部23を取付けている。そして、各原反ロール支持装置2A,2Bのそれぞれ2つの支持アーム21,21・・は、各軸支持部23,23・・からアーム基端側に所定等距離(例えば700mm程度の距離)だけ離間した位置において、それぞれ内外二重軸2A,2Bで連結して、各原反ロール支持装置2A,2B(一対の各支持アーム21,21)が同心状態で個別に鉛直面内で揺動し得るようにしている。
【0031】
各支持アーム21の先端部に取付けた軸支持部23は、それぞれローラーアーム24,26の先端部に取付けた前後2つのローラー25,27を有している。この各ローラー25,27は、巻軸突出部Saを下方から支持し得る間隔をもって配置されている。尚、以下の説明では、前ローラー25を取付けているローラーアーム24を前ローラーアームといい、後ローラー27を取付けているローラーアーム26を後ローラーアームという。
【0032】
左右の円弧ガイド6,6は、外ガイド枠61と内ガイド枠62との間に巻軸突出部Saの外径とほぼ同間隔の円弧状ガイド溝63を設けている。この各円弧ガイド6,6には、一端側(前側)に上向きに開口する巻軸投入口64を設け、他端側(後側)に下向きに開口する巻軸排出口65を形成している。そして、この各円弧ガイド6,6は、図1及び図2に示すように、基枠1内の左右各端部寄りで各巻軸突出部Sa,Saのそれぞれ端部寄りをガイドし得る位置において、ガイド溝63の円弧中心が各原反ロール支持装置2A,2Bの揺動軸心(軸2A,2B)と同位置になる状態で、前後方向に向けて設置している。
【0033】
各円弧ガイド6,6の巻軸排出口65の下方には、該巻軸排出口65から排出される巻軸Sの各端部を受ける受台11(左右2つある)が設けられている。
【0034】
各原反ロール支持装置2A,2Bは、それぞれ揺動駆動装置4A,4Bで個別に鉛直面内で上下に揺動せしめられる。この各揺動駆動装置4A,4Bには、この実施形態ではそれぞれ2本1組の伸縮シリンダ(エアシリンダ)41,41が使用されている。この各伸縮シリンダ41は、ロッド先端部を各支持アーム21(主アーム22)の基端側端部(軸20A,20Bを越えた軸支持部23とは反対側端部)に連結している。そして、2本1組の伸縮シリンダ41,41を伸縮させることによって、1セットとなる各支持アーム21,21を鉛直方向に向く上向き姿勢位置E(伸縮シリンダの伸長時)と水平方向に向く横向き姿勢位置F(伸縮シリンダの縮小時)との間のほぼ角度90°の範囲で上下に揺動せしめ得るようになっている。
【0035】
この揺動駆動装置4A,4Bとなる各伸縮シリンダ41,41・・には、それぞれ後述する圧力調整弁(72又は73)及び切換弁(42又は43)を介してコンプレッサー40からの圧縮空気が供給される。
【0036】
繰出しコンベア5は、駆動側ロール51と従動側ロール52とにコンベアベルト53を巻掛けて構成している。この繰出しコンベア5は、図2に示すように各円弧ガイド6,6の間で、図1に示すように巻軸排出口65の近辺において、鉛直姿勢に近い後方傾斜状態で固定的に設置している。尚、この繰出しコンベア5は、モータ54で駆動される。
【0037】
そして、この繰出しコンベア5は、図7〜図9に示すように、原反ロール支持装置(2A又は2B)で支持され且つ円弧ガイド6,6でガイドされた原反ロールを、図7に示す最大径(符号R)から図8に示す中間径(符号R1)を経て図9に示す最小径(符号R2)に至るまでの全範囲においてコンベアベルト53に接触させて、ウエブWを連続して繰出させ得るようになっている。尚、このコンベアベルト53は、原反ロール接触面が上方から下方に向けて走行する。
【0038】
繰出しコンベア5の下端部の下方には、コンベアベルト53で繰出されるウエブWの皺延ばしロール12が設置されている。この皺延ばしロール12は、モータ13によって駆動される。尚、皺延ばしロール12の下方には、巻掛けロール14が設置されている。
【0039】
ところで、支持アーム21の軸支持部23が巻軸突出部Saを支持し得る状態では、該軸支持部23が円弧ガイド6(ガイド溝63)に沿って移動する原反ロールRの巻軸S(巻軸突出部Sa)の移動軌跡内にある。そして、支持アーム21が横向き姿勢位置Fから上向き姿勢位置Eに戻る際に、該軸支持部23が巻軸突出部Saを支持し得る位置のままでは別の原反ロール支持装置に支持されている原反ロールRの巻軸突出部Saに衝合するが、このウエブ繰出し装置では、該軸支持部23を、巻軸突出部Saを回避して通過せしめる回避装置3を設けている。
【0040】
尚、第1実施形態のウエブ繰出し装置に使用されている回避装置3は、例えば図5に拡大図示するように、内側原反ロール支持装置2Bの支持アーム21,21には、その各外面側に設置している(側面から見える)が、外側原反ロール支持装置2Aの各支持アーム21,21には、その各内面側に設置されている。従って、外側原反ロール支持装置2A側の回避装置3は、側面から見えないが内側原反ロール支持装置2B側の回避装置3と同じものが設けられている。
【0041】
この第1実施形態のウエブ繰出し装置における回避装置3は、次のように構成されている。この回避装置3は、図5及び図6に拡大図示するように、軸支持部23の前ローラー25を取付けている前ローラーアーム24と、軸支持部23の後ローラー27を取付けている後ローラーアーム27とを、主アーム22の先端寄り位置において共通のピン31で枢着しており、前ローラーアーム24及び後ローラーアーム26がそれぞれピン31を中心にして鉛直面内で揺動し得るようにしている。前ローラーアーム24は後ローラーアーム26よりかなり長いものを使用している。又、前ローラーアーム24は主アーム22に近接する側に取付け、後ローラーアーム26は前ローラーアーム24の外面(主アーム22とは反対側の側面)に取付けている。
【0042】
前ローラーアーム24は、巻軸突出部Saを支持し得る位置(図5の状態)において、主アーム22に設けたストッパー33に衝合して、それ以上、左回転しないようにしている。主アーム22と前ローラーアーム24間には、前ローラーアーム24を揺動させる伸縮シリンダ(エアシリンダ)32が取付けられていて、図5に示すように該伸縮シリンダ32が縮小状態では前ローラー25が巻軸突出部を支持し得る位置にあり、図6に示すように該伸縮シリンダ32が伸長すると前ローラーアーム24を角度60°程度右回転させるようになっている。そして、図6に示すように、前ローラーアーム24が右回転した状態では、前ローラー25が円弧ガイド6にガイドされた巻軸突出部Saの移動軌跡部分より内側(巻軸突出部Saに衝合しない位置)に位置する一方、後ローラー27が該巻軸突出部Saの移動軌跡部分に位置している。又、前ローラーアーム24は、軸支持部23が巻軸突出部Saを支持し得る位置において主アーム22に対してロックピン38で揺動不能にロックされる。このロックピン38は、主アーム22の側面に取付けた伸縮シリンダ(エアシリンダ)37でロック位置とロック解除位置との間で進退作動せしめられる。
【0043】
後ローラーアーム26は、巻軸突出部Saを支持し得る位置(図5の状態)において、前ローラーアーム24に設けたストッパー34に衝合して、それ以上、左回転しないようにしている。又、後ローラーアーム26は、バネ35によって左回転方向に付勢されている。そして、後ローラーアーム26の自然状態では該後ローラーアーム26がストッパー34に衝合した姿勢に維持される一方、後ローラー27に対して右回転方向に付勢力がかかると(例えば図6に鎖線図示するように巻軸突出部Sa′に衝合したとき)、バネ35の引っ張り力に抗して後ローラーアーム26が図6の符号26′のように右回転するようになっている。
【0044】
そして、この第1実施形態のウエブ繰出し装置に使用されている回避装置3は、図5において支持アーム21が横向き姿勢位置Fにある状態から、伸縮シリンダ37を縮小させてロックピン38を前ローラーアーム24から抜き(ロック解除)、図6に示すように伸縮シリンダ32を伸長させて前ローラーアーム24を右回転させ、その状態で支持アーム21が上向き姿勢位置側に戻るときに(例えば鎖線図示する符号21′の位置において)、他方の原反ロール支持装置(図6の状態では外側原反ロール支持装置2A)で支持している巻軸の突出部(符号Sa′の位置)に後ローラー27が衝合し、そのとき後ローラーアーム26がバネ35の引っ張り力に抗して鎖線図示(符号26′)するように右回転方向に回転せしめられ、後ローラー(符号27′)が巻軸突出部(符号Sa′)を左側に乗り越えるように機能する。尚、後ローラー27′が巻軸突出部Sa′を左側に乗り越えると、バネ35の引っ張り力により後ローラーアーム26′が左回転せしめられて、元の姿勢(後ローラーアーム26がストッパー34に衝合した姿勢)に戻される。
【0045】
この実施形態のウエブ繰出し装置では、原反ロールRから繰出されるウエブ(不織布)Wと別のウエブ(不織布)W′とを2枚重ねにしてウエブ加工部へ供給するようになっている。即ち、繰出しコンベア5の下方位置には、該別のウエブW′が図示しない別の繰出し装置で連続して供給されており、該別のウエブW′の上面に繰出しコンベア5で繰出されるウエブWを重ね合わせ、その2枚重ねのウエブW,W′をウエブ加工部へ供給する。
【0046】
ところで、原反ロールRからのウエブWを定位置固定の繰出しコンベア5で繰出させるようにしたものでは、原反ロールRの重量変化や支持アーム21の傾動角度等によって、原反ロールRがコンベアベルト53に接触する接圧が変化するようになる。このように、コンベアベルト53に対するロール外周面の接圧が変化すると、繰出しコンベア5のモータ54に対する負荷が変化し、コンベアベルト53の走行スピード(ウエブ繰出しスピード)が変化するようになる。そして、本願実施形態のように、繰出しコンベア5で繰出させたウエブWを別ラインから繰出される別のウエブW′に重ね合わせる場合には、両ウエブW,W′の繰出しスピードに差があると、二重ウエブW,W′の一方のウエブに弛みができるというトラブルが発生する。
【0047】
そこで、本願実施形態のウエブ繰出し装置では、コンベアベルト53に対する原反ロールRの接圧を一定に調整するための接圧調整装置7を設けている。この接圧調整装置7は、図1及び図4に示すように、コンベアベルト53の張力を検出する張力検出器71と、揺動駆動装置4A,4Bの各伸縮シリンダ41,41・・に供給するエアー圧を調整する圧力調整弁72,73と、張力検出器71からの信号に基いて各圧力調整弁72,73に制御信号を出力するコントローラ8とを有して構成している。尚、コントローラ8は、原反ロールの接圧調整機能のほかに、各種作動機器の制御も行う。
【0048】
張力検出器71には、圧力を検出するロードセルが使用されている。この張力検出器(ロードセル)71は、コンベアベルト53の後側走行部に設けた従動ロール55の各軸端部をそれぞれ支持する状態でコンベアベルト内側に設置している。そして、上記のように、コンベアベルト53に対する原反ロールRの接圧が変化すると、コンベアベルト53の張力が変化し、その張力変化による荷重が従動ロール55に作用し、その従動ロール55の荷重変化を各張力検出器71,71で検出するようになっている。尚、各張力検出器71,71で検出した検出値(荷重値)は、電気信号として(電圧換算して)コントローラ8に常時出力されている。
【0049】
圧力調整弁72,73は、図4に示すように、外側原反ロール支持装置2A側の各伸縮シリンダ41,41用のもの(符号72,72)と、内側原反ロール支持装置2B側の各伸縮シリンダ41,41用のもの(符号73,73)とを有している。この各圧力調整弁72,73は、常態時に「開」状態で、コントローラ8からの電気信号(電圧)の強さに比例して絞り量が変化するものが使用されている。尚、この実施形態では、圧力調整弁72,73は、合計4つの伸縮シリンダ41,41・・にそれぞれ1つづ設けているが、外側原反ロール支持装置2Aと内側原反ロール支持装置2Bの各1組の伸縮シリンダ41,41をそれぞれ1つ(合計2つ)の圧力調整弁で共用してもよい。
【0050】
この接圧調整装置7は、繰出しコンベア5によるウエブWの繰出しスピードを別ラインのウエブ繰出し装置から繰出されるウエブW′の繰出しスピードを一致させるためのものであり、運転中に変動するコンベアベルト53への原反ロールRの接圧力を予め設定した所定値に近づけるように調整するものである。尚、この接圧調整装置7の作動方法及び機能は、この第1実施形態のウエブ繰出し装置の作動方法とともに説明する。
【0051】
この第1実施形態のウエブ繰出し装置を運転する前に、まず図1に示すように、別ラインからのウエブW′を繰出しコンベア5の下方に通紙しておく一方、未使用の原反ロールRを円弧ガイド6,6の巻軸投入口64,64から投入して、上向き姿勢位置Eで待機している1つの原反ロール支持装置(図1の状態では外側原反ロール支持装置2A)の各軸支持部23,23上に各巻軸突出部Sa,Saを載せる。尚、このとき他方の原反ロール支持装置(内側原反ロール支持装置2B)の支持アーム21は、原反ロールRを受取る上向き姿勢位置E以外の場所(例えば図1に示す横向き姿勢位置F)で待機している。そして、図7に示すように、外側原反ロール支持装置2A側の伸縮シリンダ41,41を縮小させて、支持アーム21で支持している原反ロールRの外周面をコンベアベルト53に接触させる。尚、原反ロールRがコンベアベルト53に接触した後は、該伸縮シリンダ41,41の切換弁42,42をニュートラル側に切換える。又、原反ロールRのウエブ始端側は、コンベアベルト53、皺延ばしロール12、巻掛けロール14を介して別ラインのウエブW′上に重ねておく。
【0052】
ところで、原反ロールRの径が大きいほど該原反ロールRの重量が重くなり、伸縮シリンダ41,41の付勢力を「0」にした状態では、支持アーム21の傾動角度にもよるが、コンベアベルト53に凭れ掛けた原反ロールRの径が大きいほど、コンベアベルト53に対する原反ロールRの接圧力が大きくなる傾向がある。そして、このウエブ繰出し装置の接圧調整装置7では、運転前でも電源をONにすると、コンベアベルト53に対する現状での原反ロール接圧値(コンベアベルトの張力値)を各張力検出器71,71で検出して、その検出値を電気信号(電圧)としてコントローラ8に常時出力する。他方、コントローラ8には、別ラインのウエブ繰出しスピードと一致させるコンベアベルト53の張力値を予め設定している。そして、コントローラ8で、その設定張力値と張力検出器71,71から出力される実際のコンベアベルト張力値とを比較し、その両張力値に差があるときには、コントローラ8からの信号で当該原反ロールRを支持している原反ロール支持装置の伸縮シリンダ41,41による付勢力を、原反ロール接圧値(コンベアベルト張力値)が設定張力値に近づく側に調整するようになっている。
【0053】
具体的には、コンベアベルト53に接触する原反ロールRの径が大きい(重量が重い)と、コンベアベルト53の張力値が設定張力値より大きくなるが(このとき、そのままでは繰出しコンベア5に大きな負荷がかかってウエブ繰出しスピードが遅くなる)、その場合、コントローラ8からの信号で、当該原反ロールRを支持している原反ロール支持装置(図7では外側原反ロール支持装置2A)の伸縮シリンダ41,41の圧力調整弁72,72を両張力値の差に応じた所定の絞り量に調整するとともに、各切換弁42,42を伸縮シリンダ伸長側に切換える(切換弁42が図8の状態になる)。すると、原反ロールRがコンベアベルト53に対して接圧力軽減側に付勢されて、該原反ロールRによる実際のコンベアベルト張力値を設定張力値に近づけるように作動する。尚、各切換弁42,42が伸縮シリンダ伸長側に切換えられても、圧力調整弁72,72が絞られているので各伸縮シリンダ41,41の伸長作用力より、原反ロールR(及び原反ロール支持装置)の自重による凭れ掛け作用力が大きくなっており、該原反ロールRは、所望の接圧力でコンベアベルト53に接触している。
【0054】
この状態で、図7に示すように、別ラインのウエブ繰出し装置とともに、このウエブ繰出し装置の運転を開始すると、別ラインのウエブW′が所定のスピードで繰出される一方、コンベアベルト53の走行によって原反ロールRからのウエブWが別ラインのウエブW′と同スピードで繰出され、二重ウエブW,W′状態でウエブ加工部側に供給される。このとき、各ウエブW,W′の繰出しスピードは同スピードであるので、両ウエブW,W′が同長さづつ繰出されて両ウエブとも弛みのない状態で重合するようになる。
【0055】
他方、別の原反ロール支持装置(内側原反ロール支持装置2B)は、横向き姿勢位置Fから上向き姿勢位置Eに戻す準備をとして、図6及び図7に示すように回避装置3の伸縮シリンダ32を伸長させて、ピン31を中心にして前ローラーアーム24を角度60°程度右回転させる。尚、この状態では、前ローラー25は、図6及び図7に示すようにウエブ繰出し中の原反ロールRの巻軸突出部Saに衝合しない位置まで退避しているが、後ローラー27は、該巻軸突出部Saに衝合する位置にある。そして、その状態で、内側原反ロール支持装置2B側の揺動駆動装置4Bの各伸縮シリンダ41,41を伸長させて、該内側原反ロール支持装置2Bの各支持アーム21,21を上向き姿勢位置Eまで立ち起こす。その際、図6に鎖線図示するように、巻軸突出部Saに衝合する位置にあった後ローラー27が該巻軸突出部Saに衝合すると、後ローラー27及び後ローラーアーム26が図6に鎖線図示(符号27′,26′)するように、内方側に押し倒されて、該巻軸突出部Saを乗り越えて通過する(通過後は後ローラーアーム26がバネ35により元の位置まで戻される)。そして、内側原反ロール支持装置2Bの各支持アーム21,21が上向き姿勢位置Eまで戻った後、回避装置3の伸縮シリンダ32が縮小して、前ローラーアーム24を元の位置まで戻し(図8の状態)、ロック用の伸縮シリンダ37を伸長させてロックピン38を前ローラーアーム24の穴29に挿入する。この状態では、軸支持部23が上向き姿勢位置Eにおいて、新しい原反ロールRの巻軸Sを支持し得る姿勢で待機している。
【0056】
図7の状態で、コンベアベルト53に接触している原反ロールRからウエブWが連続して繰出され、該原反ロールRが順次小径になっていくとともに、各支持アーム21,21が後側に傾倒していくが、そのとき、原反ロールRの重量減少(コンベアベルト53に対する接圧力減少機能が生じる)及び各支持アーム21,21の傾倒量増加(コンベアベルト53に対する接圧力増加機能が生じる)によって、コンベアベルト53に対する原反ロールの接圧力が変化していく。すると、その接圧力変化に伴ってコンベアベルト53の張力が変化し、その張力値を張力検出器71,71で検出して電気信号としてコントローラ8に入力し、該コントローラ8でその入力された実際の張力値と予め設定している設定張力値とを比較する。そして、両張力値に差があると、コントローラ8からの信号で圧力調整弁72,72の絞り量を調整して、各伸縮シリンダ41,41による各支持アーム21,21の付勢力を実際張力値が設定張力値に近づく側に修正するようになっている。この圧力調整弁72,72への絞り量調整作業は、運転中は連続して行われ、原反ロールの接触によるコンベアベルト53への接圧力(コンベアベルト53の張力)は、コントローラ8に記憶している設定張力値と常に同じ(あるいは近似)になる。又、ウエブWが繰出されて原反ロールRの径が順次小さくなっていくと原反ロール重量が軽くなっていき、伸縮シリンダ41,41による支持アーム21,21の付勢力が「0」になっても、原反ロールの接触によるコンベアベルト53への接圧力(コンベアベルトに対する張力値)が上記設定張力値より小さくなる場合があるが、その場合は、伸縮シリンダ41,41の切換弁42,42(又は43,43)を縮小側(原反ロールの接圧増加側)に切換えるとともに、圧力調整弁72,72(又は73,73)の絞り量を調整して、コンベアベルト53の実際張力値と上記設定張力値とを一致させるように制御する。従って、原反ロールの径(重量)が順次減少しながらコンベアベルト53に接触するウエブ繰出し装置であっても、コンベアベルト53の走行スピードは常に一定となり、その繰出しウエブWを別ラインから繰出されるウエブW′に重合させる場合であっても、両ウエブW,W′の繰出し長さは常に同じになる。
【0057】
次に、上向き姿勢位置Eで待機している内側原反ロール支持装置2Bには、例えば図8に示すように、ウエブ繰出し中の原反ロールR1が所定小径になったとき(即ち、次の原反ロールRが鎖線図示するように上向き姿勢位置Eの軸支持部23に支持されても繰出し中の原反ロールに衝合しない程度まで小径になった以降)に、新しい原反ロールRを各円弧ガイド6,6の巻軸投入口64,64から投入する。
【0058】
そして、図8の状態の原反ロールR1からさらにウエブWを繰出して、その原反ロールの残ウエブがほとんどなくなる直前に(図9の符号R2の状態)、その状態を検出器(図示しない)で検出し、その検出信号を受けてコントローラ8から内側原反ロール支持装置2Bの揺動駆動装置4B(各伸縮シリンダ41,41)の切換弁43,43(図4)を伸縮シリンダ縮小側に操作する。すると、図9に示すように、先の原反ロールR2と後の原反ロールRとが同時にコンベアベルト53に接触し、図10に拡大図示するように、先の原反ロールR2側のウエブ終端側Waと後の原反ロールRのウエブ始端側Wbとがコンベアベルト53の終端部付近で重合し、先・後の各ウエブ端付近Wa,Wbがノンストップで重ね継がれ、両ウエブ端付近Wa,Wbが重ね継がれた状態で、下方の別ラインのウエブW′上に導かれる。そして、その直後に先の原反ロール側のウエブがなくなり、後の原反ロールRのウエブWが別ラインのウエブW′上に重合した状態でウエブ加工部側に供給される。尚、後の原反ロールRがコンベアベルト53に接触時点では、一瞬ではあるがコンベアベルト53の張力値が設定張力値を越えることがあるが、その超過分は接圧調整装置7により瞬時に修正される。
【0059】
円弧ガイド6の巻軸排出口65部分で空になった巻軸Sは、横向き姿勢位置Fにおいて外側原反ロール支持装置2Aの各軸支持部23で支持されたまま残っているが、ウエブ終端が巻軸Sから離れた後に、図11に示すように、内側原反ロール支持装置2Bの各回避装置3の伸縮シリンダ32が伸長して、前ローラーアーム24を右回転させ、軸支持部23で支持していた空の巻軸Sを下方の受台11上に落下させる。この図11の状態は、図7における外側原反ロール支持装置2Aと内側原反ロール支持装置2Bとが相互に逆位置にある状態と同じであり、以下、図7〜図11の動作を繰返して、ノンストップで運転される。
【0060】
尚、別ラインのウエブW′の繰出し装置も、この実施形態のウエブ繰出し装置と同様に、ウエブ繰出しスピードが一定で且つ先・後の原反ロールのウエブ端をノンストップで継足し得る構造のものを使用するとよい。
【0061】
この第1実施形態のウエブ繰出し装置では、2セットの原反ロール支持装置2A,2Bがそれぞれ原反ロールRを受取る上向き姿勢位置Eと空の巻軸Sを排出する横向き姿勢位置Fの角度約90°の範囲でのみ揺動するので、各原反ロール支持装置2A,2Bに支持される原反ロールRの移動範囲が小さくなる。従って、ウエブ繰出し装置をコンパクトに構成できるとともに、原反ロールRを交換する際の原反ロール移動範囲が小さくなって、ウエブ繰出し装置の設置スペースを小さくできる。又、支持アーム21,21が横向き姿勢位置から上向き姿勢位置まで戻されるときに、戻り側の原反ロール支持装置の各軸支持部23が、他方の原反ロール支持装置に支持されている巻軸Sを回避して通過せしめるようにしているので、戻り時に両原反ロール支持装置2A,2Bの支持アーム21が交差するようにしたものであっても、支障なく運転できる。
【0062】
第2実施形態
図12及び図13に示す第2実施形態のウエブ繰出し装置は、上記第1実施形態における回避装置3の変形例を示している。
【0063】
この第2実施形態のウエブ繰出し装置では、各原反ロール支持装置2A,2Bの軸支持部23として、図13に拡大図示するように前ローラー25と後ローラー27とを台座28に不動状態で固定したものを使用している。この台座28は、支持アーム21の主アーム22に対して2本のガイド棒29,29で出没自在に取付けている。
【0064】
回避装置3は、該台座28を支持アーム21の主アーム22に対して出没方向に進退させ得る伸縮シリンダ30を使用している。
【0065】
そして、該伸縮シリンダ30の伸長状態では、軸支持部23が円弧ガイド6にガイドされた原反ロールRの巻軸突出部Saを支持し得る位置まで突出し、該伸縮シリンダ30の縮小状態では、軸支持部23が鎖線図示(符号23′)するように円弧ガイド6でガイドされた巻軸突出部Saに衝合しない位置まで内方側に後退するようになっている。
【0066】
そして、この第2実施形態では、原反ロール支持装置(2A又は2B)が横向き姿勢位置まで移動し、軸支持部23で支持していた原反ロールRのウエブがなくなると、回避装置3(伸縮シリンダ30)が縮小して、軸支持部23を鎖線図示(符号23′)する位置まで後退させ(このとき空の巻軸Sは下方に落下する)、その状態で当該原反ロール支持装置(2A又は2B)の支持アーム21を上向き姿勢位置まで戻すようにしている。尚、支持アーム21が上向き姿勢位置まで戻った後、伸縮シリンダ30を伸長させて、軸支持部23を巻軸支持位置まで突出させる。
【0067】
尚、この第2実施形態のウエブ繰出し装置におけるその他の構成は、第1実施形態のものと同様(同符号のものは同じもの)であり、回避装置3以外の基本的動作及び機能は、第1実施形態のものと同じである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願第1実施形態の原反ロールのウエブ繰出し装置の側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1のIII−III拡大矢視図である。
【図4】図1のウエブ繰出し装置における繰出しコンベア及び接圧調整装置の構成図である。
【図5】図1のウエブ繰出し装置における原反ロール支持装置の拡大図である。
【図6】図5の原反ロール支持装置における回避装置の作動変化図である。
【図7】図1からの作動変化図である。
【図8】図7からの作動変化図である。
【図9】図8からの作動変化図である。
【図10】図9の一部拡大図である。
【図11】図9からの作動変化図である。
【図12】本願第2実施形態の原反ロールのウエブ繰出し装置の側面図である。
【図13】図12のウエブ繰出し装置における原反ロール支持装置の拡大図である。
【図14】従来のウエブ繰出し装置の説明図である。
【符号の説明】
2A,2Bは原反ロール支持装置、3は回避装置、4A,4Bは揺動駆動装置、5は繰出しコンベア、6は円弧ガイド、7は接圧調整装置、8はコントローラ、20A,20Bは軸、21は支持アーム、23は軸支持部、25は前ローラー、27は後ローラー、30は伸縮シリンダ、32は伸縮シリンダ、35はバネ、40はコンプレッサー、41は伸縮シリンダ、42,43は切換弁、53はコンベアベルト、54はモータ、71は張力検出器、72,73は圧力調整弁、Eは上向き姿勢位置、Fは横向き姿勢位置、Rは原反ロール、Sは巻軸、Saは巻軸突出部である。
Claims (2)
- 左右一対の支持アーム(21,21)の先端部で原反ロール(R)の巻軸(S)の左右突出部を支持し、該各支持アーム(21,21)を傾動させて原反ロール(R)の外周面を繰出しコンベア(5)のコンベアベルト(53)に接触させることによって原反ロール(R)のウエブ(W)を繰出させるようにした原反ロールのウエブ繰出し方法において、
原反ロール(R)の外周面をコンベアベルト(53)に接触させたときのコンベアベルト張力値を常時検出し、
そのコンベアベルト(53)の実際張力値が予め設定しているコンベアベルト(53)の設定張力値と異なるときに、前記支持アーム(21,21)の傾動力を前記実際張力値が前記設定張力値に近づく方向に調整しながらウエブ繰出しを行う、
ことを特徴とする原反ロールのウエブ連続繰出し方法。 - アーム先端部で原反ロール(R)の巻軸(S)の左右突出部を支持し得る左右一対の支持アーム(21,21)と、該各支持アーム(21,21)を揺動させる揺動駆動装置(4A,4B)と、支持アーム(21,21)に支持された原反ロール(R)の外周面を接触させて該原反ロール(R)からウエブ(W)を繰出させる繰出しコンベア(5)とを備えた原反ロールのウエブ繰出し装置において、
繰出しコンベア(5)に、原反ロール(R)の外周面がコンベアベルト(53)に接触しているときのコンベアベルト(53)の張力値を常時検出する張力検出器(71,71)を設ける一方、
コンベアベルト(53)が所定走行スピードで走行するときのコンベアベルトの張力値をコントローラ(8)に設定しているとともに、
前記張力検出器(71,71)で検出しているコンベアベルトの実際張力値がコントローラ(8)に設定しているコンベアベルトの設定張力値と異なるときに、コンベアベルト(53)に対する原反ロール(R)の接圧力を前記実際張力値が前記設定張力値に近づく方向に調整する接圧調整装置(7)を備えた、
ことを特徴とする原反ロールのウエブ繰出し装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002233856A JP2004075212A (ja) | 2002-08-09 | 2002-08-09 | 原反ロールのウエブ繰出し方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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ID=32018879
Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8377249B2 (en) | 2009-04-03 | 2013-02-19 | The Procter & Gamble Company | Appraratus and method for providing a localized speed variance of an advancing substrate |
US9144624B2 (en) | 2013-07-19 | 2015-09-29 | The Procter & Gamble Company | Method for providing a localized dwell in an advancing web |
-
2002
- 2002-08-09 JP JP2002233856A patent/JP2004075212A/ja active Pending
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