JP2004074850A - キーレスエントリーシステム - Google Patents

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Takeharu Yamashita
山下 丈晴
Hisashi Adachi
安達 寿史
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Abstract

【課題】パッシブ・キーレスエントリーシステムにおいて、複数種類のアンテナを設ける必要なしに、認証確認によるドアアンロック後に他人が車室内に侵入しても、エンジンが始動できないようにする。
【解決手段】パッシブ・キーレスエントリーシステムにおいて、車載無線装置のユーザ認証用アンテナ3は、認証カード1との交信エリアを車室の外部と内部の両方に形成し得るように、車室の内部と外部とを仕切る仕切り壁部に設けられ、運転席における人の存在を検知するためにペダルスイッチPS1,PS2が設けられており、制御ユニット10の認証判定部12での認証確認の成立とペダルスイッチONの両方が満たされることを条件に、イグニッション・スイッチ機構7に運転許可信号を出力する運転許可判定部15が設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、キーレスエントリーシステム、特に、無線通信機能を有する携帯機での発信操作など特別な操作を行う必要なしに開閉体をロック・アンロックし得る、所謂、パッシブ・キーレスエントリーシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば自動車等の車両において、車体の一部を開閉可能に覆うドア等の開閉体の開閉制御を行うシステムとして、無線通信機能を有する携帯機から送信されたロック・アンロック信号を車載の無線装置で受信して開閉体のロック・アンロック機構を駆動することにより、当該開閉体のロック・アンロック状態を遠隔操作できるようにした、所謂、キーレスエントリーシステムは、一般に良く知られている。
【0003】
また、近年では、車載の無線装置と携帯機との交信データに基づいて、該携帯機に設定された固有の認証コードと、車載無線装置に連携した制御装置のメモリに予め登録された認証コードとを対比し、この対比結果に基づいて開閉体のロック・アンロック状態が自動制御されるようにした、所謂、パッシブ・キーレスエントリーシステムも知られており(例えば、特開平5−106376号公報参照)、一部では既に実用に供されている。
【0004】
かかるパッシブ・キーレスエントリーシステムによれば、携帯機の認証コードが予め登録されたものと一致する場合には、携帯機を保持した保持者(例えば、当該車両の乗員)が、車載無線装置との交信範囲内に入るだけで、つまり車両に近づくだけで、或いは、ドアノブ等の車両の特定箇所に手を触れるだけで、携帯機での発信操作など特別な操作をわざわざ行う必要なしに、ドアをアンロックすることができ、より一層利便性が高められる。
【0005】
上記パッシブ・キーレスエントリーシステムを装備した車両では、携帯機を保持した車外の乗員が車両に近付いて携帯機と車載無線装置との間で交信が行われ、携帯機の認証コードが予め登録された認証コードと一致することが確認(認証確認)された場合には、当該車両のドアがアンロックされる。
【0006】
ところが、このようにしてドアがアンロックされた後に、例えば急用が生じた場合など、乗員が実際には当該車両に搭乗せず車両から離れてしまうような事態も生じ得る。このような場合、携帯機と車載無線装置との間の交信が途絶えて認証確認ができなくなるまで(つまり、その結果、ドアがロックされるまで)は、当該車両のドアはアンロック状態に維持されるので、この間に携帯機を保持していない他人が当該車両に侵入することが可能で、車両盗難の惧れも生じる。
【0007】
そこで、携帯機を保持した乗員が車内にいることが確認されない限り、イグニッションキーの操作を不能としエンジンの始動ができないようにすることが、一部に行われている。この場合、携帯機が車室内にある場合でも、当該携帯機と車載無線機との間で交信を行わせ、その携帯機について認証コードの確認(認証確認)が成立して初めて、イグニッションキーの操作が可能になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、パッシブ・キーレスエントリーシステムの車載無線機では、車両外部の携帯機と交信するアンテナ機構は、通常、車外との交信専用のものとして、車両外部との交信状態を良好に維持すべく、車両のドアハンドル部分など、車体の外面もしくはその近傍に設けられているので、このアンテナで車室内との交信を行うことは困難である。
【0009】
このため、従来では、この車外専用のアンテナとは別に、車室内との交信を行う専用のアンテナを車室内の適所(例えば、インストルメントパネルなど)に設けて、車室内の交信エリアでの認証確認を行うようにしている。
したがって、従来では、車外専用と車内専用の2種類のアンテナを備える必要があり、構成が複雑でコスト高になるという難点があった。
【0010】
そこで、この発明は、携帯機と車載無線装置との交信データに基づいて当該携帯機の認証コードの認証確認を行い開閉体のロック・アンロックを制御するパッシブ・キーレスエントリーシステムについて、複数種類のアンテナを設ける必要なしに、上記認証確認がされてドアがアンロックされた後に携帯機を保持してない他人が車室内に侵入しても、エンジンが始動されることを防止できるようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このため、本願の第1の発明に係るキーレスエントリーシステムは、固有の認証コードが設定され無線通信機能を備えた携帯機と、車両に搭載され上記携帯機と交信し得る車載無線装置と、該車載無線装置の交信データに基づいて上記携帯機の認証コードと予め登録された認証コードとを対比し、この対比結果に基づいて車両の開閉体のロック・アンロック状態を制御する制御手段と、を備えたキーレスエントリーシステムを前提とし、上記車載無線装置のアンテナ機構は、携帯機との交信エリアを車室外部と車室内部の両方に形成し得るように、上記車両の車室内部と外部とを仕切る仕切り壁部に設けられており、上記車両には、運転席における人の存在を検知する検知手段が設けられ、上記制御手段により携帯機の認証コードと予め登録された認証コードとが一致する旨が認証され、且つ、上記検知手段により運転席における人の存在が検知されていることを条件に、当該車両のエンジンの始動を許可する運転許可手段が設けられている、ことを特徴としたものである。
【0012】
この場合において、上記検知手段としては、ペダル操作を検出することにより運転席における人の存在を検知するものを用いるようにしても良い。
【0013】
以上の場合において、上記検知手段として、運転席用エアバッグ装置の乗員検知センサを用いることができる。
【0014】
また、以上の場合において、上記検知手段として、バーグラーアラーム・センサを用いることもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るキーレスエントリーシステムを装備した自動車を模式的に示す平面説明図である。この図に示されるように、本実施の形態に係る自動車Mは、例えば、左右一対のフロントドアDf及びリヤドアDrを備えた4ドアタイプのもので、フロント及びリヤのドアDf及びDrと両ドア間に位置するセンタピラーBとで、車室Cの内部と外部とを仕切る仕切り壁部の側面部分を構成している。そして、この仕切り壁部の側面部分のうちの例えばセンタピラーB部分に、後述するユーザ認証用アンテナ3が設けられている。
【0016】
尚、このユーザ認証用アンテナ3は、図1では車両Mの右側部分のみに図示されているが、実際には車両Mの左側部分にも同様のものが設置されている。また、上記各ドアDf,Drには、具体的には図示していないが、
ドアをロック(施錠)・アンロック(解錠)するために、従来周知のロック・アンロック機構が付設されている。
【0017】
図2は、上記自動車Mの右側フロントドアDf及びセンタピラーBを車室内から見て示した説明図で、上記ユーザ認証用アンテナ3の取付位置を概略的に示している。この図2に示されるように、ユーザ認証用アンテナ3は、センタピラーBの上下方向における略中間部もしくはそれよりも上方に取り付けられている。このセンタピラーBは、その断面構造は具体的に示していないが、従来周知のものと同様に、アウタパネルとインナパネルとで閉断面が構成されている。
【0018】
本実施の形態では、ユーザ認証用アンテナ3は、センタピラーBの閉断面空間内に設置されている。従って、該アンテナ3の車室C側および車外側は、それぞれ1枚のパネル材(インナパネル又はアウタパネル)で覆われているだけであるので、車室Cの内部と外部の両方について、電磁波を良好に送受信可能で、外側交信エリアS1と内側交信エリアS2とで成る交信エリアSを形成することができる。
したがって、車室Cの内部と外部の両方について交信を行うに際して、従来のように、車外専用と車内専用の2種類のアンテナを備える必要はなく、構成を簡素化してコスト低減にも貢献することができる。
【0019】
尚、ユーザ認証用アンテナ3は、上記のようにセンタピラーBの閉断面空間内に設ける代わりに、車室Cの内部と外部とを仕切る仕切り壁部の他の部分に設置することもできる。例えば、図3に示すように、フロントドアDfのドア本体部D1のインナパネル(不図示)とその車室側を覆う樹脂製のドアトリムD2との間に形成されるトリム空間(不図示)内に、ユーザ認証用アンテナ3’を設置するようにしても良い。
【0020】
この場合には、車室内部については樹脂製のパネル材(ドアトリム)1枚であるので、電磁波の送受信状態はより良好になる。一方、車外側については、ドア本体部D1のインナ及びアウタの2枚のパネル材(通常、鋼鈑パネル:不図示)が位置するので、電磁波の送受信特性はそれだけ低くなる惧れがある。これを補うために、アンテナ3’は、できるだけドア本体D1の上部でドアウインドウガラス用開口D3に近い側に設置することが好ましい。
【0021】
また、上記自動車Mの車室C内には、運転席Aの前方下部に、アクセルペダルP1及びブレーキペダルP2が配置されている。更に、運転席シートAには、運転席用エアバッグ装置(不図示)に連繋する乗員検知センサEが配設されている。更に、車室Cの略中央の天井部には、バーグラーアラーム・センサFが設置されている。
【0022】
上記乗員検知センサEは、従来公知のものと同様のもので、例えば運転席シートAのシートクッション内に埋設されており、運転席シートAに人が着座した際に、その人物の体重を計測するもので、その計測値からその人物の体格を推定し、運転席用エアバッグ装置(不図示)におけるエアバッグの展開の仕方を定めるのに用いられる。
【0023】
また、上記バーグラーアラーム・センサFも、従来公知のもので、例えば車室天井部の略中央のルームランプ内に設置されており、例えば、ドアロック状態において、照射波のはね返りを検出して車室C内への人の侵入を検知し、盗難被害の発生防止を図るものである。このバーグラーアラーム・センサFにより、運転席Aにおける人の存在を検知することができる。
【0024】
更に、本実施の形態では、上記アクセルペダルP1,ブレーキペダルP2についても、これらにスイッチ(ペダルスイッチ)が付設されており、このスイッチがONすることにより当該ペダルP1,P2に人が足を載せたことを検知し、車室C内に(運転席A)に人がいることを検知することができるようになっている。
【0025】
図4は、上記自動車Mに装備されたキーレスエントリーシステムのシステム構成を概略的に示すブロック構成図である。
この図に示されるように、本実施の形態に係るキーレスエントリーシステムは、当該自動車Mの乗員など特定の者が保持し携帯する通信機能を備えたキーレスID(認証)カード1(以下、適宜、認証カードと称する。)と、車両に搭載され該IDカードと交信するためのユーザ認証用アンテナ3と、当該自動車MのドアDf,Drの施解錠機構を駆動するドアロック・アクチュエータ5と、当該キーレスエントリーシステム全体の制御を統括する制御ユニット10とを備えている。
【0026】
上記認証カード1には、当該カード1に固有の認証コードが予め設定されている。上記ユーザ認証用アンテナ3は、上記認証カード1からのLF波(電磁波)を受信し該カード1と交信するためもので、その受信感度に応じて最大交信範囲が定まる。
本実施の形態では、上述のように、ユーザ認証用アンテナ3は、車室Cの内部と外部とを仕切る仕切り壁部の側面部分を構成するセンタピラーBの閉断面空間内に設置されているので、認証カード1が車外にある場合だけでなく車室C内にある場合でも、それが交信エリアS内にある限り、当該認証カード1と交信し認証確認ができるようになっている。
【0027】
このユーザ認証用アンテナ3は、例えば、車両Mが停車してイグニッション・スイッチがOFFされると、車載のバッテリ(不図示)から所要の微弱電流が供給され、上記交信エリアS(外側交信エリアS1+内側交信エリアS2)を形成して車両外部の認証カード1との交信が可能となる。
また、上記ドアロック・アクチュエータ5は、当該自動車のドアDf,Drの施解錠機構を駆動して各ドアをロック(施錠)・アンロック(解錠)するもので、従来公知のものと同様に、例えば電動モータをその駆動源として構成されている。
【0028】
上記制御ユニット10は、例えばマイクロコンピュータを主要部として構成され、上記ユーザ認証用アンテナ3に接続された通信部11と、上記認証カード1の認証コードについての認証確認を行う認証判定部12と、該認証判定部12に付設されたメモリ部13と、上記ドアロック・アクチュエータ5を制御して各ドアのロック(施錠)・アンロック(解錠)状態を制御する施解錠制御部14と、を備えている。
【0029】
上記通信部11は、上記ユーザ認証用アンテナ3を介して認証カード1と交信し得るもので、その交信データは上記認証判定部12に入力される。上記メモリ部13には、当該自動車Mの上記認証カード1に設定された固有の認証コードが予め登録され記憶・格納されている。上記認証判定部12は、通信部11から車両外部の認証カード1との交信データが入力されると、当該データで得られた認証コードと上記メモリ部13に予め登録されている認証コードとを対比(認証確認)し、両者が一致する場合には、施解錠制御部14に対して認証確認信号を出力する。そして、この信号を受けた施解錠制御部14は、ドアロック・アクチュエータ5に制御信号を出力し、ドアDf,Drをアンロックさせるようになっている。
【0030】
一方、認証カード1を保持した乗員が降車し、ドアDf,Drがアンロック状態のままで自車Mから離れて行く場合などにおいて、乗員が(従って、認証カード1が)ユーザ認証用アンテナ3の交信エリアS外に至り交信データが得られなくなると、上記認証判定部12は施解錠制御部14に対して認証不能信号を出力する。そして、この信号を受けた施解錠制御部14は、ドアロック・アクチュエータ5に制御信号を出力し、ドアDf,Drをロックさせる。
【0031】
本実施の形態では、車両Mが盗難被害に遭うことを有効に防止できるようにするために、認証カード1の認証コードと予め登録された認証コードとが一致する旨の認証確認がされ、且つ、運転席における人の存在が検知されていることを条件に、当該車両のエンジンの始動を許可する運転許可判定部15が上記制御ユニット10内に設けられている。
【0032】
この運転許可判定部15は、アクセルペダルP1及びブレーキペダルP2(具体的には、これらのペダルスイッチPS1、PS2),イグニッション・スイッチ機構7並びに上述の認証判定部12に対して信号授受可能に接続されている。上記イグニッション・スイッチ機構7は、従来公知のものと同様のもので、イグニッションキーのキー操作の可否を設定する機構を備えており、運転許可判定部15からの許可信号が入力されない限り、イグニッションキーを操作不能状態に維持するようになっている。
【0033】
そして、認証判定部12からの入力信号に基づいて、認証カード1の認証コードとメモリ部13に予め登録された認証コードとが一致する旨の認証が確認され、且つ、アクセルペダルP1又はブレーキペダルP2の各ペダルスイッチPS1,PS2からの入力信号に基づいて、運転席Aにおける人の存在が検知されていることが確認されることにより、この両方が確認されることを条件に、当該車両Mのイグニッション・スイッチ機構7に許可信号を出力する。これにより、当該イグニッションキーの操作が可能となり、エンジンを始動できるようになる。
【0034】
上記両条件の少なくとも何れか一方が成立しない場合には、イグニッション・スイッチ機構7に許可信号が出力されることはなく、従って、当該イグニッションキーの操作は不能で、エンジンを始動することができないようになっている。
【0035】
従って、認証カード1の認証コードの認証確認がされてドアがアンロックされた後に、認証カード1を保持した乗員が実際には当該車両Mに搭乗せずに車両Mから離れてしまい、ドアのアンロック中に認証カード1を保持していない他人が当該車両Mの車室C内に侵入したような場合でも、認証カード1を保持した乗員がユーザ認証アンテナ3との外側交信エリアS1外まで離れた時点で、イグニッションキーの操作ができなくなりエンジンの始動が禁止される。つまり、侵入した他人は当該車両Mを発進することができなくなり、車両Mが盗難被害に遭うことが有効に防止されるのである。
【0036】
一方、上記認証カード1の認証コードの認証確認がされてドアがアンロックされ、認証カード1を保持した乗員が当該車両Mに搭乗すると、当該認証カード1はユーザ認証用アンテナ3の外側交信エリアS1から内側交信エリアS2内に入ることになり、制御ユニット10の認証判定部12による認証確認が引き続き成立する。
【0037】
また、乗員が運転席Aに着座し、アクセルペダルP1及び/又はブレーキペダルP2上に足を載せた際には、これにより運転席Aにおける人の存在が検知される。
従って、この場合には、運転許可判定部15からイグニッション・スイッチ機構7に許可信号が出力され、乗員は支障なくイグニッションキーの操作を行い、エンジンを始動することができる。
【0038】
以上のように構成されたキーレスエントリーシステムにおける運転許可判定の概略について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。尚、本実施の形態では、車両Mが停車してイグニッションキーがOFFされることによりシステムが作動開始するようになっている。
【0039】
図5に示されるように、システムの作動が開始されると、まず、ステップ#1で、ユーザ認証用アンテナ3に車載のバッテリ(不図示)から所要の微弱電流が供給され、交信エリアS(外側交信エリアS1+内側交信エリアS2)が形成され、車両Mの外側および内側Cにある認証カード1との交信が可能となる。
次に、ステップ#2で、認証カード1との認証確認が成立したか否か、つまり、認証カード1を保持したユーザ(乗員)がユーザ認証用アンテナ3の交信エリアS内にいるか否かの判定が継続的に行われる。
【0040】
このステップ#2での判定結果がYESになると、ステップ#3で、アクセル又はブレーキのペダルスイッチPS1又はPS2がONしたか否か、つまり、運転席Aに人が居るか否か、が判定される。この判定結果がYESの場合には、認証カード1を保持したユーザ(乗員)が運転席Aに居るものと判断できるので、運転許可判定部15からイグニッション・スイッチ機構7に運転許可信号が出力され(ステップ#7)、イグニッションキーの操作が可能となる。
【0041】
一方、ステップ#3での判定結果がNOの場合、つまり、認証確認が成立しているが(ステップ#2:YES)運転席Aには人が居ない場合には、認証カード1を保持したユーザ(乗員)が車外、すなわち車室Cの外側の交信エリア(外側交信エリアS1)内にいるものと判断できるので、ドアがアンロックされる(ステップ#4)。
【0042】
このようにステップ#4でドアがアンロックされると、ステップ#5で、アクセル又はブレーキのペダルスイッチPS1又はPS2がONしたか否か、つまり、運転席Aに人が居るか否か、が判定される。この判定結果がYESになると、ステップ#6で、認証カード1との認証確認が成立したか否か、つまり、認証カード1を保持したユーザ(乗員)がユーザ認証用アンテナ3の交信エリアS内にいるか否かの判定が行われる。
【0043】
このステップ#6での判定結果がYESの場合には、認証カード1を保持したユーザ(乗員)が運転席Aに居るものと判断できるので、ステップ#7で、運転許可判定部15からイグニッション・スイッチ機構7に運転許可信号が出力され(ステップ#7)、イグニッションキーの操作が可能となる。
【0044】
一方、ステップ#6での判定結果がNOの場合、つまり、運転席Aに人が居るが認証確認が成立していない場合には、運転席Aに居るのはユーザ(乗員)ではないと判断できるので、運転許可信号は出力されることはなく(ステップ#8)、イグニッションキーは操作不能でエンジンの始動は行えないようになっている。
【0045】
尚、以上の説明では、運転席Aにおける人の存在を検知する検知手段としてアクセルペダルP1,ブレーキペダルP2の各ペダルスイッチPS1,PS2が用いられていたが、この代わりに、或いはこれに加えて、運転席用エアバッグ装置の序運検知センサE若しくはバーグラーアラーム・センサFを用いることにより、運転席Aにおける人の存在を検知することができる。いずれの場合についても、新たな検知手段をわざわざ設ける必要はなく、既存の構成を利用して簡単かつ確実に運転席Aにおける人の存在を検知することができる。
【0046】
このように、本発明は、以上の実施態様に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良あるいは設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】
本願の第1の発明に係るキーレスエントリーシステムによれば、携帯機の認証コードと予め登録された認証コードとが一致する旨が認証され、且つ、運転席における人の存在が検知されていることを条件に、当該車両のエンジンの始動を許可する運転許可手段が設けられているので、携帯機の認証コードの認証確認がされてドアがアンロックされた後に、携帯機を保持した乗員が実際には当該車両に搭乗せずに車両から離れてしまい、ドアのアンロック中に携帯機を保持していない他人が当該車両の車室内に侵入したような場合でも、携帯機を保持した乗員が車載無線機との交信範囲外まで離れた時点で、エンジンの始動が禁止され、侵入した他人は当該車両を発進することができなくなり、車両が盗難被害に遭うことを有効に防止できる。
しかも、この場合において、車載無線装置のアンテナ機構は、携帯機との交信エリアを車室外部と車室内部の両方に形成し得るように、当該車両の車室内部と外部とを仕切る仕切り壁部に設けられているので、従来のように、車外専用と車内専用の2種類のアンテナを備える必要はなく、構成を簡素化してコスト低減にも貢献することができる。
【0048】
上記の場合において、ペダル操作を検出して、又は、運転席用エアバッグ装置の乗員検知センサ若しくはバーグラーアラーム・センサを利用して、運転席における人の存在を検知することにより、特別な検知手段を新たに設ける必要なしに、既存の構成を利用して簡単かつ確実に運転席における人の存在を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るキーレスエントリーシステムを装備した自動車を模式的に示す平面説明図である。
【図2】上記キーレスエントリーシステムのユーザ認証アンテナの配設位置を概略的に示す図で、上記自動車のフロントドア及びセンタピラーの車室内側からの説明図である。
【図3】上記実施の形態の変形例に係るユーザ認証アンテナの配設位置を概略的に示す図で、自動車のフロントドアの車室内側からの説明図である。
【図4】上記キーレスエントリーシステムの構成を概略的に示すブロック図である。
【図5】上記キーレスエントリーシステムにおける運転許可判定の概略を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…認証カード
3,3’…ユーザ認証用アンテナ
5…ドアロック・アクチュエータ
7…イグニッション・スイッチ機構
10…制御ユニット
11…通信部
12…認証判定部
13…メモリ部
14…施解錠制御部
15…運転許可判定部
A…運転席
B…センタピラー
C…車室
Df,Dr…自動車のドア
E…(運転席用エアバッグ装置の)乗員検知センサ
F…バーグラーアラーム・センサ
M…自動車
P1…アクセルペダル
P2…ブレーキペダル
PS1…アクセルペダルのペダルスイッチ
PS2…ブレーキペダルのペダルスイッチ
S…交信エリア
S1…外側交信エリア
S2…内側交信エリア

Claims (4)

  1. 固有の認証コードが設定され無線通信機能を備えた携帯機と、
    車両に搭載され上記携帯機と交信し得る車載無線装置と、
    該車載無線装置の交信データに基づいて上記携帯機の認証コードと予め登録された認証コードとを対比し、この対比結果に基づいて車両の開閉体のロック・アンロック状態を制御する制御手段と、
    を備えたキーレスエントリーシステムにおいて、
    上記車載無線装置のアンテナ機構は、上記携帯機との交信エリアを車室外部と車室内部の両方に形成し得るように、上記車両の車室内部と外部とを仕切る仕切り壁部に設けられており、
    上記車両には、運転席における人の存在を検知する検知手段が設けられ、
    上記制御手段により上記携帯機の認証コードと予め登録された認証コードとが一致する旨が認証され、且つ、上記検知手段により運転席における人の存在が検知されていることを条件に、当該車両のエンジンの始動を許可する運転許可手段が設けられている、
    ことを特徴とするキーレスエントリーシステム。
  2. 上記検知手段は、ペダル操作を検出することにより、乗員が運転席にいることを検知する、ことを特徴とする請求項1記載のキーレスエントリーシステム。
  3. 上記検知手段は、運転席用エアバッグ装置の乗員検知センサで構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のキーレスエントリーシステム。
  4. 上記検知手段は、バーグラーアラーム・センサで構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一に記載のキーレスエントリーシステム。
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