JP2004074481A - 液体噴射装置及び同装置の駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本装置は、複数の圧力発生素子に印加される吐出パルスP1、P2を生成するための駆動信号であって複数の吐出パルスP1、P2を含む駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、駆動信号から少なくともその一部を選択することによって1又は2以上の吐出パルスP1、P2を生成するパルス生成手段と、を備える。駆動信号中に含まれる複数の吐出パルスP1、P2が駆動信号の中に不均等に配置されている。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のノズル開口に連通する複数の圧力室に対応して設けられた複数の圧力発生素子に吐出パルスを印加することにより、圧力室内の液体に圧力変動を生じさせてノズル開口から液滴を吐出させる液体噴射装置、及び同装置の駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の液体噴射装置の代表例としては、画像記録用のインクジェット式記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置がある。その他の液体噴射装置としては、例えば液晶ディスプレー等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッドを備えた装置、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッドを備えた装置、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドを備えた装置、精密ピペットとしての試料噴射ヘッドを備えた装置等が挙げられる。
【0003】
インクジェット式記録装置は、多数のノズル開口を列状に並べて形成されたノズル列を複数備える記録ヘッド(液体噴射ヘッド)と、この記録ヘッドを主走査方向(記録紙幅方向)に移動させるキャリッジ機構と、記録紙を主走査方向に直交する副走査方向(紙送り方向)に移動させる紙送り機構とを備えている。
【0004】
上記の記録ヘッドは、複数のノズル開口に連通した複数の圧力室と、各圧力室内のインク圧力を変化させる各圧力発生素子とを備えている。この記録ヘッドでは、吐出パルスを圧力発生素子に供給することで圧力室内のインク圧力を変化させ、ノズル開口からインク滴を吐出させる。
【0005】
主走査方向に移動しながら記録ヘッドは、ドットパターンデータにより規定されるタイミングでインク滴を吐出させる。そして、記録ヘッドが移動範囲の終端に達したならば、紙送り機構は記録紙を副走査方向に移動させる。記録紙の移動を行ったならば、キャリッジ機構は記録ヘッドを再度主走査方向に移動させ、記録ヘッドは移動中にインク滴を吐出する。
【0006】
以上の動作を繰り返し行うことにより、ドットパターンデータに基づく画像が記録紙上に記録される。
【0007】
この種のインクジェット式記録装置は、インク滴を吐出するか否か、つまりドットの有無により画像を構成するものである。このため、1つの画素を複数のドットで表現することによって中間階調を表現する方法が採用されている。
【0008】
図6は、従来の液体噴射装置において用いられている駆動信号の一例を示している。周期Tを持つこの駆動信号は、同一形状の吐出パルスP1、P2を2つ連接して構成されており、いわゆるマルチショット印刷の際に使用されるものである。図6から分かるように、2つの吐出パルスP1、P2は均等間隔(T/2)にて配置されている。この駆動信号においては、一駆動周期T中に圧電振動子に印加する吐出パルスを、1パルス(P1のみ)とするか、2パルス(P1とP2)とするか(或いはまったく印加しないか)を選択することによって、印刷の階調を切り換えることができる。
【0009】
なお、各吐出パルスP1、P2は、圧力室の容積を膨張させて圧力室内にインクを充填する充填波形要素Pwc1と、圧力室の膨張状態を保持する膨張保持波形要素Pwh1と、圧力室を収縮させてノズル開口からインク滴を吐出させる吐出波形要素Pndと、圧力室の収縮状態を保持する収縮保持波形要素Pwh2と、収縮状態にある圧力室を膨張させてメニスカスを制振する制振波形要素Pwc2と、を備えている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図6に示した従来の駆動信号においては、上述したように2つの吐出パルスP1、P2を均等間隔(T/2)で配置しているために、次に述べるような問題があった。
【0011】
すなわち、複数の吐出パルス(この例ではP1、P2の2つ)を均等配置して駆動信号を構成した場合、駆動信号中のすべての吐出パルスを使用する印刷モードを継続的に実行すると、一定の周期、つまりT/2で連続的に液体噴射ヘッドに振動が加えられることなる。このように一定周期で連続的に液体噴射ヘッドが加振されると、その加振周期(T/2)に近い振動周期の振動モードを液体噴射ヘッドが持っている場合、印刷時間の経過と共に液体噴射ヘッドの振動が徐々に増幅されてしまう。
【0012】
そして、このように液体噴射ヘッドの特定の振動モード(周期=T/2)が励振されて振動が大きくなると、ノズル開口からの液滴の吐出特性に悪影響が及ぼされ、印刷時にいわゆるドット抜け等の印刷不良が発生してしまうという問題がある。
【0013】
なお、液体噴射ヘッドが、駆動信号の周期Tに近い振動周期の振動モードを持っている場合にも前記と同様の問題が生じるが、これについては、従来から液体噴射ヘッドの構造設計に際して周期Tを外すように配慮されている。或いはまた、駆動信号の周期Tの場合には、そのタイミングをリニアエンコーダーの読み取りによっているため、リニアエンコーダーのバラツキ(およそT±5%)で偶然にも均等周期とならないため、特に配慮しなくても問題となる可能性は低い。
【0014】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたものであって、液体噴射ヘッドが過度に励振されることのない液体噴射装置及び同装置の駆動方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1の本発明は、複数のノズル開口に連通する複数の圧力室に対応して設けられた複数の圧力発生素子に吐出パルスを印加することにより、前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせて前記ノズル開口から液滴を吐出させる液体噴射装置において、前記複数の圧力発生素子に印加される前記吐出パルスを生成するための駆動信号であって複数の前記吐出パルスを含む駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、前記駆動信号から少なくともその一部を選択することによって1又は2以上の前記吐出パルスを生成するパルス生成手段と、を備え、前記駆動信号中に含まれる複数の前記吐出パルスが前記駆動信号の中に不均等に配置されていることを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するために、第2の本発明は、複数のノズル開口に連通する複数の圧力室に対応して設けられた複数の圧力発生素子に吐出パルスを印加することにより、前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせて前記ノズル開口から液滴を吐出させる液体噴射装置の駆動方法において、前記複数の圧力発生素子に印加される前記吐出パルスを生成するための駆動信号であって複数の前記吐出パルスを含む駆動信号を発生する駆動信号発生工程と、前記駆動信号から少なくともその一部を選択することによって1又は2以上の前記吐出パルスを生成するパルス生成工程と、を備え、前記駆動信号中に含まれる複数の前記吐出パルスが前記駆動信号の中に不均等に配置されていることを特徴とする。
【0017】
上記第1及び第2の本発明において、好ましくは、前記駆動信号中に含まれる複数の前記吐出パルスは互いに同一波形である。
【0018】
また、好ましくは、前記駆動信号中に含まれる前記吐出パルスの均等配置からの偏倚量は、前記圧力室の固有振動周期(Tc)の1/2周期以下の範囲である。
【0019】
また、好ましくは、前記駆動信号中に含まれる前記吐出パルスの均等配置からの偏倚量は、前記圧力室の固有振動周期(Tc)の略1/4周期である。
【0020】
また、好ましくは、前記圧力発生素子は、縦振動モード又はたわみ振動モードの圧電振動子によって構成されている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による液体噴射装置の一実施形態としてのインクジェット式記録装置及び同装置の駆動方法について、図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、本実施形態によるインクジェット式記録装置の概略構成を示した斜視図である。図1中符号1はキャリッジであり、このキャリッジ1はキャリッジモータ2により駆動されるタイミングベルト3を介して、ガイド部材4に案内されてプラテン5の軸方向に往復移動されるように構成されている。キャリッジ1、キャリッジモータ2、タイミングベルト3、及びガイド部材4は、インクジェット式記録ヘッド12をキャリッジ1と共に主走査方向に走査させるキャリッジ機構を構成している。
【0023】
インクジェット式記録ヘッド12はキャリッジ1の記録紙6に対向する側に搭載されており、またその上部には記録ヘッド12にインクを供給するインクカートリッジ7が着脱可能に装着されている。
【0024】
インクジェット式記録装置の非印刷領域であるホームポジション(図1中、右側)にはキャップ部材13が配置されており、このキャップ部材13はキャリッジ1に搭載された記録ヘッド12がホームポジションに移動した時に、記録ヘッド12のノズル形成面に押し当てられてノズル形成面との間に密閉空間を形成するように構成されている。そして、キャップ部材13の下方には、キャップ部材13により形成された密閉空間に負圧を与えるためのポンプユニット10が配置されている。
【0025】
キャップ部材13における印刷領域側の近傍には、ゴムなどの弾性板を備えたワイピング手段11が記録ヘッド12の移動軌跡に対して例えば水平方向に進退できるように配置されていて、キャリッジ1がキャップ部材13側に往復移動するに際して、必要に応じて記録ヘッド12のノズル形成面を払拭することができるように構成されている。
【0026】
このインクジェット式記録装置は、さらに、記録ヘッド12により記録が行われる記録紙6を主走査方向に対して直交する副走査方向に間欠的に搬送する送り機構を備えている。
【0027】
図2は、本実施形態によるインクジェット式記録装置の機能ブロック図である。図2に示したようにこの記録装置はプリンタコントローラ61と、プリントエンジン62とを備えている。プリンタコントローラ61は、ホストコンピュータ(図示せず)等から印刷データ等を受信するインターフェース63と、各種データの記憶等を行うRAM64と、各種データ処理のための制御ルーチン等を記憶したROM65と、CPU等から成る制御部82と、発振回路66と、駆動信号を発生する駆動信号発生回路(駆動信号発生手段)83と、ドットパターンデータ(ビットマップデータ)に展開された印刷データや駆動信号等をプリントエンジン62に送信するためのインターフェース67とを備えている。
【0028】
この他に、プリンタコントローラ61は、記録媒体の一種であるメモリカード76を着脱可能に保持し、記録媒体保持部として機能するカードスロット77と、メモリカード76に記録された情報を制御部82に送信するカードインターフェース78とを備えている。上記のメモリカード76には、駆動信号の波形に関するデータが記録されている。なお、メモリカード76以外の記録媒体としては、例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、光磁気ディスク等も使用することができる。
【0029】
そして、制御部82はコンピュータの一種であり、メモリカード76に記録された駆動信号の波形データやROM65に記録された制御ルーチン等を参照してインク滴の吐出制御を行う。
【0030】
インターフェース63は、例えばキャラクタコード、グラフィック関数、イメージデータのいずれか1つのデータ又は複数のデータからなる印刷データをホストコンピュータから受信する。また、インターフェース63は、ホストコンピュータに対してビジー(BUSY)信号やアクノレッジ(ACK)信号等を出力することができる。
【0031】
RAM64は、受信バッファ、中間バッファ、出力バッファ及びワークメモリ(図示せず)等として利用されるものである。受信バッファにはホストコンピュータからの印刷データが一時的に記憶され、中間バッファには中間コードデータが記憶され、出力バッファにはドットパターンデータが展開される。
【0032】
ROM65は、制御部82によって実行される各種制御ルーチン、フォントデータ、及びグラフィック関数等を記憶している。
【0033】
なお、このROM65には、変更されずに継続的に使用される制御ルーチン(制御プログラム)が記憶されている。そして、駆動信号の波形に関するデータ等、バージョンアップや変更が予定されるものは、上記のメモリカード76に記録される。
【0034】
また、制御部82は、メモリカード76から読み取った駆動信号の波形に関するデータに基づいて駆動信号発生回路83を制御して、印刷モードに応じて所定の駆動信号を生成させる。
【0035】
プリントエンジン62は、記録ヘッド12を主走査方向に駆動するステッピングモータ80、記録紙を移送する紙送りモータ81、及び記録ヘッド12の電気駆動系71とから構成されている。記録ヘッド12の電気駆動系71は、シフトレジスタ72、ラッチ回路73、レベルシフタ74、スイッチ75、及び圧電振動子161等を備えている。なお、シフトレジスタ72、ラッチ回路73、レベルシフタ74、及びスイッチ75はパルス生成手段として機能する。
【0036】
なお、制御部82としては、例えば単体で直接的に記録装置に接続されたホストコンピュータや、また、ネットワークを介して接続された多数のコンピュータのうちの1つのコンピュータを使用することもできる。
【0037】
図3は、図1に示したインクジェット式記録装置の記録ヘッドの構造を示した断面図である。
【0038】
この記録ヘッド12は、合成樹脂製の基台163と、この基台163の前面(図の左側に相当する)に貼着された流路ユニット164とを備えている。そして、この流路ユニット164は、ノズル開口165が穿設されたノズルプレート166と、振動板167と、流路形成板168と、シート176とから構成されている。
【0039】
基台163は、前面と背面に開放された収容空間169が設けられたブロック状部材である。この収容空間169には、固定基板170に固定された圧電振動子161が収容されている。
【0040】
ノズルプレート166は、副走査方向に沿って多数のノズル開口165が穿設された薄い板状部材である。各ノズル開口165は、ドット形成密度に対応した所定ピッチで開設されている。振動板167及びシート176によって、圧電振動子161が当接する厚肉部としてのアイランド部171と、このアイランド部171の周囲を囲うように設けられ、弾性を有する薄肉部172とが形成されている。
【0041】
アイランド部171は、一つのノズル開口165に一つのアイランド部171が対応するように、所定ピッチで多数設けられている。
【0042】
流路形成板168は、圧力室173、共通インク室174、及び、これらの圧力室173と共通インク室174とを連通するインク供給口175を形成するための開口部が設けられている。
【0043】
そして、ノズルプレート166を流路形成板168の前面に配設するとともに、振動板167及びシート176を背面側に配設し、ノズルプレート166と振動板167及びシート176とにより流路形成板168を挟んだ状態で、接着等により一体化されて流路ユニット164が形成されている。
【0044】
この流路ユニット164では、ノズル開口165の背面側に圧力室173が形成され、この圧力室173の背面側に振動板167のアイランド部171が位置している。また、圧力室173と共通インク室174とがインク供給口175によって連通している。
【0045】
圧電振動子161の先端は、アイランド部171に背面側から当接され、この当接状態で圧電振動子161が基台163に固定されている。また、この圧電振動子161には、フレキシブルケーブルを介して駆動信号(COM)や印刷データ(SI)等が供給される。
【0046】
縦振動モードの圧電振動子161は、充電されると電界と直交する方向に収縮し、放電すると電界と直交する方向に伸長する特性を有する。したがって、この記録ヘッド12では、充電されることにより圧電振動子161は後方に収縮し、この収縮に伴ってアイランド部171が後方に引き戻され、収縮していた圧力室173が膨張する。この膨張に伴って共通インク室174のインクがインク供給口175を通って圧力室173内に流入する。一方、放電することにより圧電振動子161は前方に向けて伸長し、弾性板のアイランド部171が前方に押されて圧力室173が収縮する。この収縮に伴って圧力室173内のインク圧力が高くなる。
【0047】
図4は、駆動信号発生回路83にて生成される駆動信号を示しており、この駆動信号は、同一波形から成る第1及び第2の吐出パルスP1、P2を含んでいる。この駆動信号は、いわゆる2ショットのマルチショット印刷に用いられる駆動信号である。
【0048】
そして、1画素に大ドットを形成する際には、第1及び第2の吐出パルスP1、P2の両方を圧電振動子161に印加して、1画素に対して2つのインク滴を吐出する。一方、中間階調にて印刷する際には、一方の吐出パルスP1のみを圧電振動子161に印加して、1画素に対して1つのインク滴を吐出する。このように本実施形態においては、1画素に吐出するインク滴数を変えることによって印刷の階調を制御することができる。
【0049】
各吐出パルスP1、P2は、圧力室173の容積を膨張させて圧力室173内にインクを充填する充填波形要素Pwc1と、圧力室173の膨張状態を保持する膨張保持波形要素Pwh1と、圧力室173を収縮させてノズル開口165からインク滴を吐出させる吐出波形要素Pndと、圧力室173の収縮状態を保持する収縮保持波形要素Pwh2と、収縮状態にある圧力室173を膨張させてメニスカスを制振する制振波形要素Pwc2と、を備えている。
【0050】
そして、本実施形態においては、駆動信号中に含まれる2つの吐出パルスP1、P2が不均等に配置されている。つまり、図6に示した従来の駆動信号においては2つの吐出パルスP1、P2が間隔T/2にて均等配置されているが、本実施形態においては、第2の吐出パルスP2が、均等配置からαだけ時間的に遅れた位置に配置されている。これにより、駆動信号の始点から第2の吐出パルスP2の始点までの時間間隔がT/2+αとなり、第2の吐出パルスP2の始点から駆動信号の終点までの時間間隔がT/2−αとなっている。
【0051】
好ましくは、吐出パルスP2の均等配置からの偏倚量αは、圧力室173の固有振動周期(Tc)の1/2周期(Tc/2)以下の範囲であり、より好ましくは、圧力室173の固有振動周期(Tc)の略1/4周期(Tc/4)である。
【0052】
以上述べたように本実施形態においては、駆動信号中に含まれる2つの吐出パルスP1、P2が不均等に配置されているので、第1及び第2の吐出パルスP1、P2の両方を使用する印刷モードを継続的に実行した場合でも、インクジェット式記録ヘッド12が過度に励振されることがなく、記録ヘッド12の振動によるドット抜け等の印刷不良の発生を防止することができる。
【0053】
図5は、上述した実施形態の一変形例における駆動信号を示しており、この駆動信号は、第1、第2、及び第3の吐出パルスP1、P2、P3を含んでいる。この駆動信号は、いわゆる3ショットのマルチショット印刷に用いられるものである。
【0054】
そして、この変形例においても、3つの吐出パルスP1、P2、P3が不均等に配置されている。具体的には、駆動信号の始点から第2の吐出パルスP2の始点までの時間間隔がT/3であり、第2の吐出パルスP2の始点から第3の吐出パルスP3の始点までの時間間隔がT/3+βであり、第3の吐出パルスP3の始点から駆動信号の終点までの時間間隔がT/3−βである。
【0055】
この変形例においても、好ましくは、吐出パルスP3の均等配置からの偏倚量βは、圧力室173の固有振動周期(Tc)の1/2周期(Tc/2)以下の範囲であり、より好ましくは、圧力室173の固有振動周期(Tc)の略1/4周期(Tc/4)である。
【0056】
本変形例においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0057】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、駆動信号中に含まれる複数の吐出パルスが不均等に配置されているので、複数の吐出パルスのすべてを使用する印刷モードを継続的に実行した場合でも、液体噴射ヘッドが過度に励振されることがなく、液体噴射ヘッドの振動によるドット抜け等の印刷不良の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液体噴射装置の一実施形態によるインクジェット式記録装置の概略構成を示した斜視図。
【図2】図1に示したインクジェット式記録装置の機能ブロック図。
【図3】図1に示したインクジェット式記録装置の記録ヘッドの構造を示す断面図。
【図4】図1に示したインクジェット式記録装置における駆動信号を示した図。
【図5】図1に示したインクジェット式記録装置における駆動信号の他の例を示した図。
【図6】従来のインクジェット式記録装置における駆動信号の一例を示した図。
【符号の説明】
72 シフトレジスタ
73 ラッチ回路
74 レベルシフタ
75 スイッチ
82 制御部
83 駆動信号発生回路(駆動信号発生手段)
12 記録ヘッド
161 圧電振動子
165 ノズル開口
166 ノズルプレート
173 圧力室
T 駆動信号の周期
Tc 圧力室の固有振動周期(ヘルムホルツ振動の周期)
P1、P2、P3 第1、第2、第3吐出パルス
α、β 吐出パルスの均等配置からの偏倚量
Claims (9)
- 複数のノズル開口に連通する複数の圧力室に対応して設けられた複数の圧力発生素子に吐出パルスを印加することにより、前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせて前記ノズル開口から液滴を吐出させる液体噴射装置において、
前記複数の圧力発生素子に印加される前記吐出パルスを生成するための駆動信号であって複数の前記吐出パルスを含む駆動信号を発生する駆動信号発生手段と、
前記駆動信号から少なくともその一部を選択することによって1又は2以上の前記吐出パルスを生成するパルス生成手段と、を備え、
前記駆動信号中に含まれる複数の前記吐出パルスが前記駆動信号の中に不均等に配置されていることを特徴とする液体噴射装置。 - 前記駆動信号中に含まれる複数の前記吐出パルスは互いに同一波形であることを特徴とする請求項1記載の液体噴射装置。
- 前記駆動信号中に含まれる前記吐出パルスの均等配置からの偏倚量は、前記圧力室の固有振動周期(Tc)の1/2周期以下の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体噴射装置。
- 前記駆動信号中に含まれる前記吐出パルスの均等配置からの偏倚量は、前記圧力室の固有振動周期(Tc)の略1/4周期であることを特徴とする請求項3記載の液体噴射装置。
- 前記圧力発生素子は、縦振動モード又はたわみ振動モードの圧電振動子によって構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
- 複数のノズル開口に連通する複数の圧力室に対応して設けられた複数の圧力発生素子に吐出パルスを印加することにより、前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせて前記ノズル開口から液滴を吐出させる液体噴射装置の駆動方法において、
前記複数の圧力発生素子に印加される前記吐出パルスを生成するための駆動信号であって複数の前記吐出パルスを含む駆動信号を発生する駆動信号発生工程と、
前記駆動信号から少なくともその一部を選択することによって1又は2以上の前記吐出パルスを生成するパルス生成工程と、を備え、
前記駆動信号中に含まれる複数の前記吐出パルスが前記駆動信号の中に不均等に配置されていることを特徴とする液体噴射装置の駆動方法。 - 前記駆動信号中に含まれる複数の前記吐出パルスは互いに同一波形であることを特徴とする請求項6記載の液体噴射装置の駆動方法。
- 前記駆動信号中に含まれる前記吐出パルスの均等配置からの偏倚量は、前記圧力室の固有振動周期(Tc)の1/2周期以下の範囲であることを特徴とする請求項6又は7に記載の液体噴射装置の駆動方法。
- 前記駆動信号中に含まれる前記吐出パルスの均等配置からの偏倚量は、前記圧力室の固有振動周期(Tc)の略1/4周期であることを特徴とする請求項8記載の液体噴射装置の駆動方法。
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JP2019089370A (ja) * | 2017-11-10 | 2019-06-13 | 株式会社ブリヂストン | タイヤ付き懸架装置 |
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