JP2004072982A - 電気接続箱のキャビティ構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】キャビティ10は、ヒューズ差込口15を有するハウジング収容部11内にタブ端子13,14を突設し、該接続端子13,14に接続されるタブ受け端子24,25を備えて絶縁ハウジング27内に収容保持されたヒューズ本体28をハウジング収容部11内に嵌合装着する。ハウジング収納部11の上端面16が、絶縁ハウジング27の嵌合方向側面に突設されたフランジ部21aに当接することにより、ヒューズ本体28のタブ受け端子24,25に対するタブ端子13,14の差込量を調節可能とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車用ヒューズを装着する電気接続箱のキャビティ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車用ヒューズを装着するための電気接続箱のキャビティ構造としては、例えば図3に示すものが知られている。
このキャビティ40は、断面矩形の角筒状の周壁により四方を囲まれたハウジング収納部41内に、底板42から突出した接続端子である一対のタブ端子(雄)43,44が配されており、ハウジング収納部41の上端部がヒューズ差込口45となっている。一対のタブ端子43,44は、車体に搭載された電装部品の回路内に直列に接続されている。
【0003】
このようなキャビティ40に装着される自動車用ヒューズとしては、図4及び図5に示すようなものがある。
図4に示した自動車用ヒューズ50は、長寸タイプの差込式ヒューズであって、四角筒状をなすハウジング胴部51の上部にカバー部52が配されると共に下端部に嵌合開口部53が配された絶縁ハウジング57と、前記タブ端子43,44にそれぞれ接続される相手側端子である一対のタブ受け端子(雌)54,55の上方に可溶部56が一体的に接続されて前記絶縁ハウジング57内に収容保持されたヒューズ本体58とから成る。尚、前記カバー部52は、図示しない一対の可撓ロック片によりハウジング胴部51に係止されている。
【0004】
図5に示した自動車用ヒューズ60は、短寸タイプの差込式ヒューズであって、四角筒状をなすハウジング胴部61の上部にカバー部62が配されると共に下端部に嵌合開口部63が配された絶縁ハウジング67と、前記タブ端子43,44にそれぞれ接続される相手側端子である一対のタブ受け端子(雌)64,65の上方に可溶部66が一体的に接続されて前記絶縁ハウジング67内に収容保持されたヒューズ本体68とから成る。
尚、カバー部62の対向する側端部には、ハウジング胴部61の対応する位置に設けられた一対の係止用突起61a,61aに係止される一対の可撓ロック片62a,62aが設けられている。
【0005】
このような自動車用ヒューズ50,60は、嵌合開口部53,63がキャビティ40のヒューズ差込口45に合わされて、嵌合開口部53,63が底板42に当接するまで、ハウジング胴部51,61がハウジング収納部41内に挿入されることによって、タブ端子43,44にタブ受け端子54,55(64,65)が電気的に接続される。
【0006】
そして、これら自動車用ヒューズ50,60は、例えば、モータ等の電装部品に短絡が起こり、回路内に大電流が流れたときに、可溶部56,66が溶断して回路を遮断し、回路内に許容値以上の大電流を流さないようにして回路を保護している。
上述したような自動車用ヒューズ50,60は、例えば特開2000−325875号公報等に開示されている。
【0007】
ところで、一般にヒューズ用キャビティは、リレー等のスイッチング機器とともにジャンクションボックス(J/B)に配設されるか、専用のヒューズボックスに配設されるため、多種の形状が好まれず、統一された単一の形状に成形される。
そのため、上述したキャビティ40においては、長寸タイプの自動車用ヒューズ50にも、短寸タイプの自動車用ヒューズ60にも、共通して使用できる構成のハウジング収納部41が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したキャビティ40において、長寸タイプの自動車用ヒューズ50を装着した場合は、図4に示したように、ハウジング胴部51がハウジング収納部41内に挿入された装着状態で、タブ端子43,44の先端部が可溶部56から離れて配置されるが、短寸タイプの自動車用ヒューズ60を装着した場合は、図5に示したように、ハウジング胴部61がハウジング収納部41内に挿入された装着状態で、タブ端子43,44の先端部が可溶部66に接近して配置されるので、タブ端子43,44と可溶部66が干渉し易い。
そして、タブ端子43,44が可溶部66に干渉すると、ハウジング胴部61をハウジング収納部41内に確実に挿入することができなくなるという問題がある。
【0009】
また、ハウジング収納部41内でのタブ端子43,44の突出寸法を短くすると、短寸タイプの自動車用ヒューズ60での上記問題は解決するが、タブ端子43,44の突出寸法が短くなることで、長寸タイプの自動車用ヒューズ50のタブ受け端子54,55とタブ端子43,44との接触面積が小さくなり、両者の電気的な接続が不安定になるという問題があった。
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、複数種のヒューズに対して高い汎用性を有する電気接続箱のキャビティ構造を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、ヒューズ差込口を有するハウジング収容部内に接続端子を突設し、該接続端子に接続される相手側端子を備えて絶縁ハウジング内に収容保持されたヒューズ本体を前記ハウジング収容部内に嵌合装着する為の電気接続箱のキャビティ構造において、
前記ハウジング収納部の上端面が、前記絶縁ハウジングの嵌合方向側面に突設されたストッパ部に当接することにより、前記ヒューズ本体の相手側端子に対する前記接続端子の差込量を調節可能とすることを特徴とする電気接続箱のキャビティ構造により達成される。
【0011】
上記構成の電気接続箱のキャビティ構造によれば、絶縁ハウジング内に収容保持されたヒューズ本体をハウジング収容部内に嵌合装着する際、前記ハウジング収納部の上端面が、絶縁ハウジングの嵌合方向側面に突設されたストッパ部に当接することにより、ヒューズ本体の相手側端子に対する接続端子の差込量を調節できる。
【0012】
即ち、高さ寸法の異なるヒューズ本体間における各々の相手側端子と可溶部との間隔の違いに関わらず、それぞれのヒューズ本体の相手側端子とハウジング収容部内に突設した接続端子との位置関係を一定に保持して、十分な接触面積を確保して適正な電気的接続を行うことができる。
そこで、長寸タイプのヒューズ本体がヒューズ差込口から挿入された際には、ハウジング収容部の底面が絶縁ハウジングの下端部に当接することにより、ヒューズ本体の相手側端子と接続端子との位置関係を適正に保持して、十分な接触面積を確保する。また、短寸タイプのヒューズ本体がヒューズ差込口から挿入された際には、ハウジング収容部の上端面が絶縁ハウジングのストッパ部に当接することにより、ヒューズ本体の可溶部と接続端子との位置関係を適正に保持して、接続端子が可溶部に干渉するのを防止する。
【0013】
従って、高さ寸法の異なるヒューズ本体を備えた各ヒューズを同一構成のハウジング収容部内に確実に装着することができ、複数種のヒューズに対する汎用性の高い電気接続箱を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態に係る電気接続箱のキャビティ構造を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る電気接続箱のキャビティに短寸タイプのヒューズを装着した状態を示す断面図であり、図2は図1に示したキャビティに長寸タイプのヒューズを装着した状態を示す断面図である。
【0015】
図1に示す本実施形態の電気接続箱のキャビティ構造に係るキャビティ10は、図3に示したキャビティ40と同形の断面矩形の角筒状の周壁により四方を囲まれたハウジング収納部11内に、底板12から突出した接続端子である一対のタブ端子(雄)13,14が配されており、ハウジング収納部11の上端部がヒューズ差込口15となっている。一対のタブ端子13,14は、車体に搭載された電装部品の回路内に直列に接続されている。
なお、前記タブ端子13,14の先端と前記ハウジング収納部11の上端面16の間隔Dは、後述するようにタブ端子13,14の高さMとの関係により適宜設定される。
【0016】
図1に示す自動車用ヒューズ20は、図5に示した自動車用ヒューズ60と同様に、短寸タイプの差込式ヒューズであって、四角筒状をなすハウジング胴部21の上部にカバー部22が配されると共に下端部に嵌合開口部23が配された絶縁ハウジング27と、前記タブ端子13,14にそれぞれ接続される相手側端子である一対のタブ受け端子(雌)24,25の上方に可溶部26が一体的に接続されて前記絶縁ハウジング27内に収容保持されたヒューズ本体28とから成る。
【0017】
更に、前記絶縁ハウジング27の嵌合方向側面である上部外周面には、前記ハウジング収納部11の上端面16が当接するストッパ部としてのフランジ部21aが突設されている。
一方、図2に示す自動車用ヒューズ50は、図4に示した自動車用ヒューズ50と同じ短寸タイプの差込式ヒューズであるので、同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0018】
そして、前記自動車用ヒューズ50の嵌合開口部53が底板12に当接するまで、ハウジング胴部51がハウジング収納部11内に挿入された際に、該自動車用ヒューズ50のタブ受け端子54,55と前記タブ端子13,14との位置関係を適正に保持して、十分な接触面積を確保することができるように、前記タブ端子13,14の高さMが設定されている。尚、前記自動車用ヒューズ50に対しては、前記ハウジング収納部11の周壁の高さはとくに関係ない。
【0019】
又、前記自動車用ヒューズ20のフランジ部21aがハウジング収納部11の上端面16に当接するまで、ハウジング胴部21がハウジング収納部11内に挿入された際に、該自動車用ヒューズ20の可溶部26に対してタブ端子14,15の先端が干渉することのない十分な間隔dを有するように、前記タブ端子13,14の先端とハウジング収納部11の上端面16の間隔Dが設定されている。
【0020】
次に、本実施形態に係るキャビティ10に、短寸タイプの自動車用ヒューズ20、又は長寸タイプの自動車用ヒューズ50を装着する場合の作用を説明する。先ず、前記自動車用ヒューズ20の場合は、図1に示したように、嵌合開口部23がキャビティ10のヒューズ差込口15に合わされて、ハウジング胴部21がハウジング収納部11内に挿入されると、前記フランジ部21aが前記ハウジング収納部11の上端面16に当接することにより、前記ヒューズ本体28のタブ受け端子24,25に対する前記接続端子タブ端子13,14の差込量を調節し、嵌合開口部23が底板12に当接するまで深く挿入されることなく、タブ受け端子24,25にタブ端子13,14が電気的に接続される。
【0021】
即ち、前記タブ端子13,14の先端とハウジング収納部11の上端面16の間隔Dは、自動車用ヒューズ20の可溶部26に対してタブ受け端子14,15の先端が干渉することのない十分な間隔dを有するように設定されているので、タブ端子13,14が可溶部26に干渉してハウジング胴部21がハウジング収納部11内に確実に挿入することができなくなることは無い。
そこで、ヒューズ本体28のタブ受け端子24,25と前記タブ端子13,14との位置関係を適正に保持して、十分な接触面積を確保することができる。
【0022】
一方、前記自動車用ヒューズ50の場合は、図2に示したように、嵌合開口部53がキャビティ10のヒューズ差込口15に合わされて、ハウジング胴部51がハウジング収納部11内に挿入されると、前記嵌合開口部53が前記ハウジング収納部11の底板12に当接するまで深く挿入されて、タブ受け端子54,55にタブ端子13,14が電気的に接続される。
【0023】
即ち、前記タブ端子13,14の高さMは、前記タブ受け端子54,55と前記タブ端子13,14との位置関係を適正に保持して、十分な接触面積を確保することができるように設定されているので、自動車用ヒューズ50のタブ受け端子54,55とタブ端子13,14との接触面積が小さくなって両者の電気的な接続が不安定になることは無い。
なお、両タブ受け端子54,55の間に設けられている可溶部56の位置は、タブ端子13,14の先端より十分に高い位置にあるので、両者が干渉することはない。
【0024】
従って、本実施形態に係る電気接続箱のキャビティ構造によれば、例えば絶縁ハウジング27内に収容保持されたヒューズ本体28をハウジング収容部11内に嵌合装着する際、前記ハウジング収納部11の上端面16が、絶縁ハウジング27のフランジ部21aに当接することにより、ヒューズ本体28のタブ受け端子24,25に対するタブ端子13,14の差込量を調節できる。
【0025】
即ち、高さ寸法の異なるヒューズ本体28,58間における各々のタブ受け端子24,25(54,55)と可溶部26(56)との間隔の違いに関わらず、それぞれのヒューズ本体28,58のタブ受け端子24,25(54,55)とハウジング収容部11内に突設したタブ端子13,14との位置関係を一定に保持して、十分な接触面積を確保して適正な電気的接続を行うことができる。
【0026】
そこで、長寸タイプの自動車用ヒューズ50がヒューズ差込口15から挿入された際には、ハウジング収容部11の底面12が絶縁ハウジング57の下端部である嵌合開口部53に当接することにより、ヒューズ本体58のタブ受け端子(54,55とタブ端子13,14との位置関係を適正に保持して、十分な接触面積を確保できる。
【0027】
また、短寸タイプの自動車用ヒューズ20がヒューズ差込口15から挿入された際には、ハウジング収容部11の上端面16が絶縁ハウジング27のストッパ部であるフランジ部21aに当接することにより、ヒューズ本体28の可溶部26とタブ端子13,14との位置関係を適正に保持して、タブ端子13,14が可溶部26に干渉するのを防止できる。
【0028】
この結果、高さ寸法の異なるヒューズ本体28,58を備えた各自動車用ヒューズ20,50を同一構成のハウジング収容部11内に確実に装着することができ、複数種のヒューズに対する汎用性の高い電気接続箱を得ることができる。
【0029】
なお、本発明に係る電気接続箱のキャビティ構造は、上述した実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の構成を採りうることは言うまでもない。
例えば、絶縁ハウジングの嵌合方向側面に突設されるストッパ部の突設位置とハウジング収納部の周壁の高さを適宜組み合わせて設定することにより、3種類以上の異なる高さ寸法のヒューズ本体を備えたヒューズを同一構成のキャビティで対応することもできる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電気接続箱のキャビティ構造によれば、絶縁ハウジング内に収容保持されたヒューズ本体をハウジング収容部内に嵌合装着する際、前記ハウジング収納部の上端面が、絶縁ハウジングの嵌合方向側面に突設されたストッパ部に当接することにより、ヒューズ本体の相手側端子に対する接続端子の差込量を調節できる。
【0031】
即ち、高さ寸法の異なるヒューズ本体間における各々の相手側端子と可溶部との間隔の違いに関わらず、それぞれのヒューズ本体の相手側端子とハウジング収容部内に突設した接続端子との位置関係を一定に保持して、十分な接触面積を確保して適正な電気的接続を行うことができる。
【0032】
そこで、長寸タイプのヒューズ本体がヒューズ差込口から挿入された際には、ハウジング収容部の底面が絶縁ハウジングの下端部に当接することにより、ヒューズ本体の相手側端子と接続端子との位置関係を適正に保持して、十分な接触面積を確保することができ、短寸タイプのヒューズ本体がヒューズ差込口から挿入された際には、ハウジング収容部の上端面が絶縁ハウジングのストッパ部に当接することにより、ヒューズ本体の可溶部と接続端子との位置関係を適正に保持して、接続端子が可溶部に干渉するのを防止することができる。
【0033】
従って、高さ寸法の異なるヒューズ本体を備えた各ヒューズを同一構成のハウジング収容部内に確実に装着することができ、複数種のヒューズに対する汎用性の高い電気接続箱を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電気接続箱のキャビティに短寸タイプのヒューズを装着した状態を示す断面図である。
【図2】図1に示したキャビティに長寸タイプのヒューズを装着した状態を示す断面図である。
【図3】従来の電気接続箱のキャビティ構造を示す部分破断斜視図である。
【図4】図3に示したキャビティに長寸タイプのヒューズを装着した状態を示す断面図である。
【図5】図3に示したキャビティに短寸タイプのヒューズを装着した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10 キャビティ
16 上端面
15 ヒューズ差込口
11 ハウジング収納部
12 底板
13,14 タブ端子(接続端子)
27,57 絶縁ハウジング
28,58 ヒューズ本体
34 タブ受け端子(相手側端子)
26,56 可溶部
21a フランジ部(ストッパ部)
Claims (1)
- ヒューズ差込口を有するハウジング収容部内に接続端子を突設し、該接続端子に接続される相手側端子を備えて絶縁ハウジング内に収容保持されたヒューズ本体を前記ハウジング収容部内に嵌合装着する為の電気接続箱のキャビティ構造において、
前記ハウジング収納部の上端面が、前記絶縁ハウジングの嵌合方向側面に突設されたストッパ部に当接することにより、前記ヒューズ本体の相手側端子に対する前記接続端子の差込量を調節可能とすることを特徴とする電気接続箱のキャビティ構造。
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JP2002233142A JP3995556B2 (ja) | 2002-08-09 | 2002-08-09 | 電気接続箱のキャビティ構造 |
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2002
- 2002-08-09 JP JP2002233142A patent/JP3995556B2/ja not_active Expired - Fee Related
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