JP2004071724A - 導電性スペーサ用金属球の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明者は、導電性スペーサ用金属球をプラズマプロセスで成形することにより上記問題を解決するに至った。
すなわち本発明は、所定の寸法に切断してなる金属片を、プラズマ炎中に導入する導電性スペーサ用金属球の製造方法である。
金属片はCu、Ag、Auの何れかの金属または合金であることが好ましい。
また、金属片は、金属片の平均体積Vave及び、金属片の体積分布の標準偏差σVから下記の式で算出される体積のCV値が5%以下であることが好ましい。
式: CV値=σV/Vave×100 (%)
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温強度に優れ、且つ表面が清浄であって、電子部品における導電性スペーサの用途に適する導電性スペーサ用金属球の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器においては機器の小型・軽量化、高性能化が求められている。小型・軽量化に適する製造方法として、BGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Size Package)と呼ばれる形態の接合方法が広く行われるようになっている。BGA、CSPは何れもパッケージの裏面に入出力用のパッドを並べたICパッケージであり、金属球を予め搭載しているパッケージを、実装基板上に設置し、一括リフローによりパッケージと実装基板とを接合を行う技術である。
これら接合においては、従来から広く用いられているSn基のはんだが主流となっており、このはんだを球状化した金属球が用いられている。
【0003】
はんだの球状化は、油中冷却法等により行われている。この油中冷却法は、定尺に切断された金属細片を、上部がこの金属細片の融点より高く、下部が融点以下の油中に上部から投入し、表面張力を利用して球状化させる方法である。その他、縦配列された炉芯管内に、金属細片を自由落下させて金属細片に用いられている金属の融点以上に加熱させ、球状化させる方法などの提案もされている。この方法は例えば特開平4−066601号公報に開示されている。
【0004】
一方、BGAやCSP等のような金属球を用いない別の接合方法として、導電性樹脂による接合も行われている。例えば特開平9−167934号公報では、水晶振動子と保持電極との接合に導電性樹脂を用いることで、電気的に導通した水晶振動子の保持構造を提供している。このような導電性樹脂としてはエポキシ系のAg接着剤等が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
電子機器の高性能化に伴い、電子機器を構成する各部品を接合する際には、高精度な接合寸法が要求されている。従来、要求される接合寸法は、縦、横の平面方向についてであったが、一部の電子機器に用いられる電子部品では、平面方向に加え、高さ方向、すなわち部品を接合する基板と部品との間隔についても高精度な接合寸法が要求されるようになっている。言いかえると、このような電子機器では、接合部は単に電気的な導通部としての機能のみならず、導電性としての機能も要求されるようになっている。
【0006】
しかしながら、従来のSn基合金の金属球を用いた接合部では、高さ方向の接合寸法における高精度化の達成が困難な場合を生じている。これは以下の理由によるものである。
電子機器の高性能化に伴い製造工程は複雑化されており、電子機器によっては、複数の熱処理工程を経て完成される。この場合、製造工程の初期に接合された接合部は、後の工程で再度加熱されることになる。Sn基合金の金属球を用いたBGA等の接合部は、加熱工程の度に軟化を生じるが、この接合部の軟化が高さ方向の寸法精度の低下原因となる。また、導電性樹脂を用いた場合では、そもそも必要な高さを正確に制御することが困難である。
【0007】
上記の高さ方向の寸法精度を向上する為には、はんだと比べて高融点であるCuやCu合金等の金属球を接合部に用いることが有効である。しかしながら、従来の製造方法では、Cu等の高融点の金属を短時間で溶融し得るまで加熱温度を高くすることは困難である為、高融点の金属の効率的な球状化には適さない方法であった。
【0008】
本発明は、電子機器の製造における加熱工程等での接合寸法の変動を抑制できる導電性スペーサ用金属球の製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、導電性スペーサ用金属球をプラズマプロセスで成形することにより上記問題を解決するに至った。
すなわち本発明は、所定の寸法に切断してなる金属片を、プラズマ炎中に導入する導電性スペーサ用金属球の製造方法である。
金属片はCu、Ag、Auの何れかの金属または合金であることが好ましい。
【0010】
また、金属片は、金属片の平均体積Vave及び、金属片の体積分布の標準偏差σVから下記の式で算出される体積のCV値が5%以下であることが好ましい。
式: CV値=σV/Vave×100 (%)
また、金属片はワイヤ材を切断してなり、該ワイヤ材の直径φ、および切断後の長さLの比が0.5≦L/φ≦3.0であることが好ましい。
また、金属片は平均体積が0.0005mm3以上であることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
上述したように、本発明の重要な特徴は、所定の寸法に切断してなる金属片をプラズマ炎中に導入する構成を採用したことにある。
本発明において金属片には、従来用いられている、はんだと比べて高融点の金属、または合金を用いる。具体的には比抵抗が小さいCu、その同属元素であるAg、Auの金属または合金を用いることが好ましい。これらの金属片を不活性雰囲気中においてプラズマ炎中に導入して、溶解、球状化を行う。
【0012】
プラズマ炎とは気体にエネルギを加える事で気体中の分子を原子の状態に解離し、原子をさらにイオンと電子に電離させた電離気体であるが、はじめに述べた従来の製造方法と比べて非常に高い温度に加熱することが可能であり、高温部では温度が5000℃以上となる。プラズマ炎の高温部に金属片が導入さると、金属片は瞬時に溶解し、自身の表面張力により球状化するので高融点の金属を効率的に球状化することが可能である。溶解、球状化した金属片は、プラズマ炎から排出されると凝固して金属球を形成する。
【0013】
このようなプラズマ炎中での溶解から凝固の過程では、溶解から凝固が単一の金属片で行われたものは殆ど体積の変動を生じない。溶解から凝固の過程が単一の金属片で行われず、溶解中に他の金属片と接触して体積が変動するものもあるが、これらの金属球では、単一の金属片が凝固したものと比べて体積や形状が大きく異なる為、分級により容易に取り除くことが可能である。従って、所定の寸法に切断され同一体積となった金属片を用いることにより、直径の揃った導電性スペーサ用金属球を効率的に得ることが可能となる。
以上に述べた製造方法により、高融点で軟化を生じ難い導電性スペーサ用金属球を効率的に製造することができる。
【0014】
加えて本発明の製造方法では、金属片に形成している酸化物を、溶融、球状化中に低減することが可能である。この為、本発明の製造方法は、従来の導電性スペーサ用金属球が包含していた以下に述べる問題に対しても有効である。
【0015】
従来のはんだを用いた導電性スペーサ用金属球や導電性樹脂を用いた接合では、接合部からのアウトガスも問題となっている。これは、主に部材が真空封入されている電子部品、例えば水晶振動子を用いた電子部品等で問題となる。水晶振動子を用いた電子部品とは、水晶振動子を導電性スペーサ用金属球や導電性樹脂を用いて筐体内の基板に接合し、この後筐体内を脱気して真空封入したものである。
【0016】
水晶振動子等の部材が真空封入されている電子部品において、接合部が真空封入後に加熱されると、導電性樹脂により接合されている場合には、樹脂中の揮発性の溶剤がアウトガスとして発生する。また、導電性スペーサ用金属球により接合されている場合には、Sn基のはんだの球状化の過程において表面の酸化が避けられず、特に油中冷却法で球状化を行ったものは、導電性スペーサ用金属球表面での酸化膜の生成に加え、汚染物質の付着が避けられない。導電性スペーサ用金属球による接合部では、これらの酸化膜や汚染物質が加熱時のアウトガス発生の原因となる。部材が真空封入された電子部品では、真空封入された筐体内部においてアウトガスが発生すると、電子部品の精度・信頼性を損なう為大きな問題となる。
【0017】
本発明の製造方法では、既に述べたようにプラズマ炎の高温部では温度が5000℃以上に達する。プラズマ炎中において金属片が5000℃のような高温に加熱されると、金属片表面で酸化物を形成している酸素は解離し、雰囲気中に飛散する。この結果、表面での酸化を抑制した導電性スペーサ用金属球を得ることが出来る。
金属片の溶融、球状化、凝固を不活性雰囲気中で行うことで、より酸素含有量の低い導電性スペーサ用金属球を得ることができる。本発明において不活性ガス雰囲気としては、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気等を用いることができる。
【0018】
以上に述べたように、本発明の製造方法によれば、融点が高い為、従来、球状化が困難であった高融点の金属片を、表面の酸化や汚染を抑制した状態で効率的に球状化することが可能となる。従って、本発明の製造方法によれば、アウトガスを生じ難い導電性スペーサ用金属球を得ることができる。
【0019】
本発明では、金属片は体積のCV値が5%以下であることが好ましい。
本発明で用いるCV値とは、金属片の体積の均一さを表す値であり、金属片の平均体積Vave及び、金属片の体積分布の標準偏差σVから下記の式で算出される値である。
CV値=σV/Vave×100 (%)
【0020】
先に述べたように、本発明の導電性スペーサ用金属球の製造方法では、溶解から凝固の過程では、溶解から凝固が単一の金属片で行われたものでは、殆ど体積の変動を生じない。言いかえると、溶解から凝固の過程が単一の金属片で行われず、体積や形状が大きく異なる金属球を分級により取り除いた後の金属球のばらつきは、プラズマ炎中に導入する前の金属片のばらつきに依存する。よって、本発明において直径の揃った導電性スペーサ用金属球を得るには、体積の揃った金属片を用いることが好ましい。
【0021】
加えて、体積が著しく小さい金属片が存在すると、これらの金属片はプラズマ炎中で蒸発する。蒸発した金属は微粉末として凝固する為、金属球に微粉末が混入することになる。混入した微粉末は金属球の表面に付着し、金属球では表面清浄性が失われる。導電性スペーサ用金属球は、電子部品等に用いられることから、表面が清浄なことが要求されるが、一旦、金属球に付着した微粉末は取り除くのは困難であり、その結果、金属球は導電性スペーサ用途には適さないものとなってしまう。
【0022】
金属片の体積の均一さを表す値であるCV値が5%以下の金属片を用いることで、より直径の揃った導電性スペーサ用金属球を得ることができ、加えて金属球の表面における微粉末の付着を低減し、表面の清浄化を達成することができる。CV値が1%以下の金属片を用いることがより好ましい。さらに好ましくは0.5%以下である。
【0023】
体積の揃った所定の寸法の金属片を得る簡便な方法の一つとして、ワイヤ材をカッタ等で切断する方法が挙げられる。この場合、切断後の金属片は直径φ、長さLの比が0.5≦L/φ≦3.0であることが好ましい。
直径φに対する長さLの割合が小さいと、切断が困難であるのみならず、金属片の表面積における切断部面積の割合が大きくなる。切断は塑性変形によるため、切断部及びその周辺は形状が不均一であり、切断部が占める面積割合が大きいと、金属片の体積が不均一となる。よって、切断後の金属片における体積のばらつきを小さくする為には、0.5≦L/φとすることが好ましい。
一方、直径φに対する長さLの割合が大きすぎると、プラズマ炎中での球状化において、溶解時に金属片が長手方向に2以上に分断しやすくなり、均一な大きさの導電性スペーサ用金属球を得ることが困難となる。よってL/φ≦3.0とすることが好ましい。より好ましくは1.0≦L/φ≦2.0である。
【0024】
さらに本発明では金属片の平均体積を0.0005mm3以上とすることにより、平均直径が0.1mm以上の導電性スペーサ用金属球を製造することが出来る。
導電性スペーサを電子部品に用いた場合に、接合部の高さ方向の寸法を確保する為には、接合前の導電性スペーサ用金属球は所定の直径が必要となるが、特開平4−066601号公報に記載されるような従来の球状化の方法では、加熱時の熱量が不足するため、はんだと比べて高融点の金属片では直径が0.1mm以上の導電性スペーサ用金属球の製造が特に困難であった。
本発明によれば、金属片を5000℃以上の高温に加熱できることから、平均体積が0.0005mm3以上の金属片を用いることで、スペーサの用途に適した平均直径が0.1mm以上の導電性スペーサ用金属球を製造することが可能である。
【0025】
本発明の導電性スペーサ用金属球の製造方法は例えば図1に一例を示す装置により実施することができる。
図1において、水冷管10により冷却されているRFプラズマトーチ8は、プラズマ動作ガス供給装置11によりプラズマ動作ガス供給位置6から供給されるプラズマ動作ガスと、コイル7から発生する高周波エネルギによりプラズマ炎3を発生する。
原料供給装置1(例えば電磁振動原料供給装置)に投入された所定の寸法に切断された金属片は、キャリアガスと共に原料供給位置2よりプラズマ炎3内部の高温部(5000〜10000℃)に投入される。プラズマ炎中に投入された原料は瞬時に溶融し、表面張力により球状となる。
【0026】
プラズマ炎の上流側に位置する原料供給位置2から供給された原料は、十分に加熱、溶融された状態で水素ガスを含有する精錬効果の高いプラズマ部分を通過し、酸化物などの不純物が低減される。
プラズマ炎内で処理された金属片はチャンバ4中を落下しながら不活性ガス雰囲気中で凝固し、導電性スペーサ用金属球9として下部の金属球回収部5に集められ、回収される。
以上のようにして、表面酸化、汚染が少なく、直径の揃った導電性スペーサ用金属球を効率的に製造することができる。
【0027】
本発明に適用することができる、プラズマ炎には代表的なものとしてDCプラズマ、RFプラズマがあるが、本発明にはRFプラズマを用いることが好ましい。RFプラズマは、DCプラズマと異なり、電極が不要で、電極材料等に起因する不純物の混入の少ない為である。加えて、RFプラズマでは、DCプラズマと比べて、プラズマ動作ガスのガス流速を低く出来る為、プラズマ炎中での金属片の滞留時間を長くすることで、十分に金属片を加熱することが可能である。
【0028】
また、プラズマ炎を発生する為のプラズマ動作ガスには、一般にプラズマ動作ガスとして用いられているアルゴンガス、窒素ガス等を用いることができるが、これに水素ガスを含有させることが好ましい。
本発明では金属片をプラズマ炎中に導入することで導電性スペーサ用金属球表面での酸素濃度を低減することができるが、さらに、プラズマ動作ガス中に水素を導入すれば、水素イオン、励起原子などの還元反応により酸素濃度を一層低下することが可能となる。プラズマ動作ガス中に水素ガスを含有させる場合、十分な効果を得る為にはプラズマ動作ガス中の水素ガスの濃度を1vol%以上とすることが好ましい。より好ましくは3vol%以上である。なお、水素ガスの濃度が高くすることで、より酸素濃度を低減することが出来るが、一方、水素ガスを過度に含有させるとプラズマ炎が不安定となり、金属片の球状化を達成できなくなる場合がある。よって水素ガスは20vol%以下で含有することが好ましい。
【0029】
本発明の導電性スペーサ用金属球の用途としては、例えばプリント基板同士のスペーサと基板同士の電気的接続に用いることができる。
BGA接続においても通常のはんだボールによる接続よりも融点が高いため、BGA基板の周辺部に本発明の導電性スペーサ金属球を設置し、これらをEB等であらかじめ溶融して接着しておけば、はんだボールを溶融するBGA基板のリフロー時に本発明の金属球は融点が高いため溶融せず、結果として、潰れてしまうのを防ぐ機能を付加することができる。したがって、リフローによるBGA接続の信頼性の向上が得られる。
また、本発明の導電性スペーサ用金属球は必要に応じ、表面にはんだなどの低融点の金属を被覆したり、Auめっきを施すなどして用いることもできる。
【0030】
【実施例】
(実施例1)
図1に記載のRFプラズマ装置を用いて、質量%でAgを71%含有し、残部実質的にCuである金属片を用い、目標直径が300.0μmの導電性スペーサ用金属球を以下に示す製造条件で作製した。プラズマ炎に導入するAg−Cu合金(金属片)は直径0.2mmのワイヤを回転刃により、一定寸法に切断して作製した。またCV値の算出は、約60pcsの金属片を用い、各金属片の側面(軸に水平な面)を写した画像から金属片の長さ、及び直径を測定し、その測定値より算出する値である。
【0031】
(製造条件)
金属片寸法:φ0.2mm×L0.450mm(体積0.0141mm3、L/φ=2.25)
金属片のCV値:0.47
プラズマ動作ガス:Ar 30L/min、H2 1L/min、混合ガス
プラズマトーチ:水冷式石英管φ50mm、高周波誘導コイルφ70mm
チャンバ:最大内径φ800mm、最大内高1500
チャンバ内雰囲気:Arガス雰囲気
原料供給装置:電磁フィーダー
高周波誘導コイル入力条件:4MHz、10kW
【0032】
上述の製造条件により得られた導電性スペーサ用金属球について、ふるいによる分級、及び転がし分級(傾斜させた平板上で金属球を転がし、直進しないものを取り除く分級方法)を行ない、プラズマ炎に導入した金属片の重量に対して、約30%の重量の導電性スペーサ用金属球を回収した。分級後の導電性スペーサ用金属球から無作為に100球を抽出し、平均直径、平均真円度を測定した。これらは抽出した導電性スペーサ用金属球のSEM像について画像分析を行ない、投影面積を円と仮定した場合の直径(円相当径)から平均直径を、真球度=円相当径/最大径から平均真円度を算出して求めた。また円相当径から、導電性スペーサ用金属球の体積を算出して、導電性スペーサ用金属球について体積のCV値を求めた。加えてICP法により導電性スペーサ用金属球中の酸素含有量の分析を行った。結果を表1に示す。
【0033】
表1に示すように、目標とする直径で、真球度の高い導電性スペーサ用金属球を製造することができている。また、分級後の導電性スペーサ用金属球のCV値は0.47となり、プラズマ炎中に導入した金属片のCV値と同じ値となっている。加えて、酸素含有量も装置の検出限界である1ppm以下と非常に低い値を達成することが出来ている。
【0034】
【表1】
【0035】
(実施例2)
図1に記載のRFプラズマ装置を用いて、実質的にCu(不可避的不純物含む)からなる金属片を用い、目標直径が300.0μmの導電性スペーサ用金属球を以下に示す製造条件で作製した。この際、金属片のCV値が異なる2条件で製造を行った。なお、金属片の作製、及びCV値の測定は実施例1と同様にして行った。
【0036】
(製造条件)
金属片寸法:φ0.2mm×L0.450mm(体積0.0141mm3、L/φ=2.25)
プラズマ動作ガス:Ar 30L/min
プラズマトーチ:水冷式石英管φ50mm、高周波誘導コイルφ70mm
チャンバ:最大内径φ800mm、最大内高1500
チャンバ内雰囲気:Arガス雰囲気
原料供給装置:電磁フィーダー
高周波誘導コイル入力条件:4MHz、12kW
【0037】
上述の製造条件により得られた導電性スペーサ用金属球について実施例1と同様の分級を行ない、プラズマ炎に導入した金属片の重量に対して、約40%の重量の金属球を回収した。分級後の金属球から無作為に約60球を抽出し、実施例1と同様の方法により金属球の平均粒径、金属球のCV値、酸素含有量の測定を行った。結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】
表2に示すように、プラズマ炎中に導入した金属片のCV値と、分級後の金属球のCV値は一致している。よって、金属片のばらつきを小さくすることにより、分級後の金属球における直径のばらつきを小さくすることが可能である。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば電子機器の製造における加熱工程等での接合寸法の変動が小さく、またアウトガスの発生を抑制することが可能な導電性スペーサ用金属球の製造方法を提供することができ、電子部品の製造において欠くことのできない技術となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を実施する製造装置の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1.原料供給装置、2.原料供給位置、3.プラズマ炎、4.チャンバ、5.金属球回収部、6.プラズマ動作ガス供給位置、7.コイル、8.RFプラズマトーチ、9.導電性スペーサ用金属球、10.水冷管、11.プラズマ動作ガス供給装置
Claims (5)
- 所定の寸法に切断してなる金属片を、プラズマ炎中に導入することを特徴とする導電性スペーサ用金属球の製造方法。
- 金属片はCu、Ag、Auの何れかの金属または合金であることを特徴とする請求項1に記載の導電性スペーサ用金属球の製造方法。
- 金属片は、金属片の平均体積Vave及び、金属片の体積分布の標準偏差σVから下記の式で算出される体積のCV値が5%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性スペーサ用金属球の製造方法。
式: CV値=σV/Vave×100 (%) - 金属片はワイヤ材を切断してなり、該ワイヤ材の直径φ、および切断後の長さLの比が0.5≦L/φ≦3.0であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の導電性スペーサ用金属球の製造方法。
- 金属片は平均体積が0.0005mm3以上であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の導電性スペーサ用金属球の製造方法。
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