JP2004071613A - リセット電流回路および磁気圧縮回路並びにこの磁気圧縮回路を備えたガスレーザ装置 - Google Patents

リセット電流回路および磁気圧縮回路並びにこの磁気圧縮回路を備えたガスレーザ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気スイッチやパルストランスのリセット電流回路の小型化を図るとともに、リセット電流回路の損失を小さくすること。
【解決手段】直流電源Eの+側、−側端子間には、制御回路1の出力によりON/OFF制御されるスイッチSW、インダクタンスL1、磁気スイッチSRのリセット巻線SRr、電流検知回路2が直列に接続され、上記インダクタンスL1、リセット巻線SRr、電流検知回路2からなる直列回路に並列にダイオードD1が接続されている。制御回路1のON/OFF制御回路1aは電流検知回路2の出力に基づき、スイッチSWをON/OFF制御し、リセット巻線SRrに流れる電流が略一定の値になるように制御する。上記リセット回路は、ガスレーザ装置の高電圧パルス発生回路等に用いられる磁気スイッチや、パルストランスのリセット回路として用いることができる。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気スイッチのリセット巻線および/またはパルストランスのリセット巻線にリセット電流を供給するリセット電流回路およびこのリセット電流回路を用いた磁気圧縮回路、並びに、この磁気圧縮回路を使用したガスレーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の微細化、高集積化につれて、その製造用の投影露光装置においては解像力の向上が要請されている。このため、露光用光源から放出される露光光の短波長化が進められており、半導体露光用光源として、従来の水銀ランプから波長248nmのKrFエキシマレーザ装置が用いられている。
さらに、次世代の半導体露光用光源として、疲長193nmのArFエキシマレーザ装置及び波長157nmのフッ素(F2 )レーザ装置等の紫外線を放出するガスレーザ装置が有力である。
KrFエキシマレーザ装置においては、フッ素(F2 )ガス、クリプトン(Kr)ガス及びバッファーガスとしてのネオン(Ne)等の希ガスからなる混合ガス、ArFエキシマレーザ装置においては、フッ素(F2 )ガス、アルゴン(Ar)ガス及びバッファーガスとしてのネオン(Ne)等の希ガスからなる混合ガス、フッ素(F2 )レーザ装置においては、フッ素(F2 )ガス及びバッファーガスとしてヘリウム(He)等の希ガスからなる混合ガスであるレーザガスが数百kPaで封入されたレーザチェンバの内部で放電を発生させることにより、レーザ媒質であるレーザガスが励起される。
【0003】
レーザチェンバ内部には、レーザガスを励起するための一対の主放電電極が、レーザ発振方向に垂直な方向に所定の距離だけ離間して対向配置されている。この一対の主放電電極には高電圧パルスが印加され、主放電電極間にかかる電圧がある値(ブレークダウン電圧)に到達すると、主放電電極間のレーザガスが絶縁破壊されて主放電が開始し、この主放電によりレーザ媒質が励起される。よって、このような露光用ガスレーザ装置は主放電の繰返しによるパルス発振を行い、放出するレーザ光はパルス光となる。
現状、露光に用いられているレーザ装置のレーザパルスの繰返し周波数は2kHz程度であるが、近年、スループットの増大、露光量のバラツキの減少のため、繰返し周波数4kHz以上が要請されている。
【0004】
まず、露光用ガスレーザ装置の放電回路について説明する。
上記した露光用ガスレーザ装置において、上記したようにレーザチェンバ内で放電を発生させレーザガスを励起させるための放電回路(以下、高電圧パルス発生装置とも言う)の例を図3に示す。
図3の放電回路は、可飽和リアクトルからなる3個の磁気スイッチSR1, SR2, SR3を用いた2段の磁気パルス圧縮回路からなる。磁気スイッチSR1はIGBT等の半導体スイッチング素子である固体スイッチSWでのスイッチングロスの低減用のものであり、磁気アシストとも呼ばれる。
第1の磁気スイッチSR2と第2の磁気スイッチSR3により2段の磁気パルス圧縮回路を構成している。
【0005】
図3に従って回路の構成と動作を以下に説明する。まず、高電圧電源HVの電圧が所定の値Vinに調整され、主コンデンサC0が充電される。このとき、固体スイッチSWはoffになっている。
主コンデンサC0の充電が完了し、固体スイッチSWがonとなったとき、固体スイッチSW両端にかかる電圧は主に磁気スイッチSR1の両端にかかる。
磁気スイッチSR1の両端にかかる主コンデンサC0の充電電圧V0の時間積分値が磁気スイッチSR1の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR1が飽和して磁気スイッチが入り、主コンデンサC0、磁気スイッチSR1、インダクタンスLL 、昇圧トランスTr1の1次側、固体スイッチSWのループに電流が流れる。
同時に、昇圧トランスTr1の2次側、コンデンサC1のループに電流が流れ、主コンデンサC0に蓄えられた電荷が移行してコンデンサC1に充電される。
【0006】
なお、ここでは、回路ループのインダクタンスと主コンデンサC0の寄生インダクタンスを合成したものをインダクタンスLL として表している。
また、主コンデンサC0、磁気スイッチSR1、インダクタンスLL 、昇圧トランスTr1の1次側、固体スイッチSWがなすループをパルス発生回路、昇圧トランスTr1の2次側、コンデンサC1のループを昇圧回路と呼ぶことにする。
この後、コンデンサC1における電圧V1の時間積分値が磁気スイッチSR2の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR2が飽和して磁気スイッチが入り、コンデンサC1、コンデンサC2、磁気スイッチSR3のループに電流が流れ、コンデンサC1に蓄えられた電荷が移行してコンデンサC2に充電される。
【0007】
さらにこの後、コンデンサC2における電圧V2の時間積分値が磁気スイッチSR3の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチSR3が飽和して磁気スイッチが入り、コンデンサC2、ピーキングコンデンサCp、磁気スイッチSR3のループに電流が流れ、コンデンサC2に蓄えられた電荷が移行してピーキングコンデンサCpが充電される。
予備電離のためのコロナ放電は、第1電極11が挿入されている誘電体チューブ12と第2電極13とが接触している個所を基点として誘電体チュープ12の外周面に発生するが、ピーキングコンデンサCpの充電が進むにつれてその電圧Vpが上昇し、Vpが所定の電圧になるとコロナ予備電離部の誘電体チューブ12表面にコロナ放電が発生する。このコロナ放電によって誘電体チューブ12の表面に紫外線6が発生し、主放電電極E,E間のレーザ媒質であるレーザガス2が予備電離される。
【0008】
ピーキングコンデンサCpの充電がさらに進むにつれて、ピーキングコンデンサCpの電圧Vpが上昇し、この電圧Vpがある値(ブレークダウン電圧)Vbに達すると、主放電電極E,E間のレーザガスが絶縁破壊されて主放電が開始し、この主放電によりレーザ媒質が励起され、レーザ光が発生する。
このような放電動作が固体スイッチSWのスイッチング動作、高電圧電源動作によって繰り返し行なわれることにより、所定の繰り返し周波数でのパルスレーザ発振が行われる。
ここで、磁気スイッチSR2,SR3及びコンデンサC1,C2で構成される各段の容量移行型回路のインダクタンスを後段に行くにつれて小さくなるように設定することにより、各段を流れる電流パルスのパルス幅が順次狭くなるようなパルス圧縮動作が行われ、主放電電極E,E間に短パルスの強い放電が実現される。
【0009】
ここで磁気スイッチの動作について、もう少し詳しく説明する。
(1)図4に磁気スイッチを構成する可飽和リアクトルの構成、図5に磁気スイッチを構成する可飽和リアクトルのコアの磁化曲線を示す。
(2)まず、コアに巻かれたリセット巻線SRrに流れるリセット電流により、コアの動作点が0点から(5) 点に移動する。
(3)可飽和リアクトルの前段のコンデンサ(SR2の場合C1,SR3の場合C2)からコアの主巻線に電流(励磁電流)が流れると、磁界強度Hが増加し、可飽和リアクトルのコアの動作点は図3の(5) 点から(4) 点を通り(1) 点に向かって移動する。
(4)励磁電流により動作点が(1) に達すると、可飽和リアクトルのコア内の磁束密度が飽和磁束密度以上となり、可飽和リアクトルは飽和する、このとき可飽和リアクトルのインダクタンスが急激に低下するため、前段のコンデンサ(SR2の場合C1、SR3の場合C2)から飽和状態にある可飽和リアクトルを介して、電流が後段のコンデンサ(SR2の場合C2,SR3の場合Cp)に流れこみ、これを充電する。
(5)可飽和リアクトルが飽和しているときのコアの動作点は、(1) よりもはるかに磁界の力Hが大きいところにあるが、電流の減少とともにHが小さい方に移動して(2) に至る。
このとき可飽和リアクトルのインダクタンスが急激に増加するので、可飽和リアクトルに流れる電流は急激に減少する。電流が0となったときの動作点は(2) となり、ここで停止して磁束が残る(残留磁束)。
(6)ここで、(2) にコアの動作点がある状態で再び図3のスイッチSWを投入すると、コアの動作点は(2) から(1) の方向に移動するが、この場合の磁束密度変化量は小さいため非飽和時の可飽和リアクトルのインダクタンスが十分大きくならず、磁気パルス圧縮はほとんど行えなくなる。
(7)よって、磁気パルス圧縮を行った後はコアの動作点を図3の(3) を介して(5) に戻すように磁気リセットを行う。
(8)磁気リセットには様々な方法があるが、最も簡単なものの一つとして、図4に示すようにコアにリセット巻線SRrを設け、主巻線とは逆方向に直流電流を流すリセット回路RCを設け、このリセット回路RCにより電流(リセット電流)を流しておき、コアの動作点を(5) となるようにしておくものがある。
【0010】
次に上記リセット回路について説明する。
(1)図6にリセット回路を設けた例を示す。
リセツト回路は直流電源E、抵抗Rからなる定電流回路からなり、リセット電流Irは、直流電源E, 抵抗Rにより調整される。
(2)ここでダイオードDはリセット電流Irには阻止状態であるが、磁気スイッチ動作時に発生する誘導電流には順方向状態である。このダイオードDとリアクトルLにより、上記誘導電流は直流電源Eに流れこむことがなく、磁気スイッチのリセット巻線SRr、ダイオードD, リアクトルLを循環する。すなわち、ダイオードD, リアクトルLにより、直流電源Eは磁気スイッチ動作時に発生する誘導電流から保護される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
磁気パルス圧縮回路の磁気スイッチに必要とされるリセット電流の値は、通常5〜15Aと比較的大きい。
このため、図6に示すように直流電源E、抵抗Rからなる定電流回路を用いた場合、直流電源E、抵抗Rもそれに対応して大型化し、また高価になってしまう。また、抵抗Rによる損失が大きく抵抗が発熱するため、場合によっては冷却機構等を設ける必要もあり、一層大型化する。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、本発明の目的は、リセット電流回路の小型化を図るとともに、リセット電流回路の損失を小さくすることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記課題を次のようにして解決する。
(1)可飽和リアクトルからなる磁気スイッチのリセット巻線および/またはパルストランスのリセット巻線にリセット電流を供給するリセット電流回路において、リセット電流回路を、直流電源(E)と、該直流電源(E)の出力端に接続されたスイッチ(SW)と、このスイッチ(SW)に直列に接続されたインダクタンス(L1)と、上記リセット巻線に流れる電流を検出する電流検知手段と、上記インダクタンス(L1)、リセット巻線、電流検知手設からなる直列回路に並列に接続され、順方向が上記インダクタンスに流れる電流の方向であるダイオード(D1)と、上記電流検知手段からの電流データに基づき上記スイッチのオン/オフを制御することによりリセット電流の値を略一定に維持する制御回路から構成する。
(2)上記インダクタンス(L)をリセット巻線に発生する誘導電圧以上の耐圧を有するように選定し、上記ダイオード(D1)を上記誘導電圧とインダクタンス(L1)とから決まる電流値以上の定格を有するよう選定する。
(3)磁気圧縮回路の磁気スイッチ、またはパルストランスに、上記(1)または(2)のリセット電流回路を設ける。
(4)ガスレーザ装置の磁気圧縮回路として、上記(3)の磁気圧縮回路を用いる。
本発明においては、上記のように、リセット電流回路を、直流電源(E)と、該直流電源(E)の出力端に接続されたスイッチ(SW)と、このスイッチ(SW)に直列に接続されたインダクタンス(L1)と、上記リセット巻線に流れる電流を検出する電流検知手段と、上記インダクタンス(L1)、リセット巻線、電流検知手設からなる直列回路に並列に接続され順方向が上記インダクタンスに流れる電流の方向であるダイオード(D1)と、制御回路から構成し、上記電流検知手段からの電流データに基づき上記スイッチのオン/オフを制御するようにしたので、リセット電流回路の小型化を図るとともに、リセット電流回路の損失を小さくすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
以下では、リセット回路の構成および動作について説明するが、本実施例のリセット電流回路は、前記図3に示したガスレーザ装置の放電回路(高電圧パルス発生回路)に設けられた磁気スイッチのリセット巻線および/または昇圧トランス(パルストランス)のリセット巻線にリセット電流を供給するためのリセット電流回路に適用することができる。なお、前記図3では、昇圧トランスを有する放電回路について説明したが、上記昇圧トランスを有しない放電回路の磁気スイッチのリセットにも同様に適用することができる。
【0014】
図1は本発明の実施例のリセット電流回路の構成を示す図であり、本実施例は磁気スイッチのリセットに適用した場合を示している。
本実施例においては、従来のように抵抗Rを有する定電流源を用いてリセツト回路を構成するのではなく、図1に示すようにチョッパ回路を用いてリセット電流回路を構成する。
図1において、Eは直流電源であり、直流電源Eの+側、−側端子間には、制御回路1の出力によりON/OFF制御されるスイッチSW、インダクタンスL1、磁気スイッチSRのリセット巻線SRr、電流検知手段2が直列に接続され、上記インダクタンスL1、リセット巻線SRr、電流検知手段2からなる直列回路に並列にダイオードD1が接続されている。
ダイオードD1は、その順方向が上記インダクタンスL1に流れる電流方向になるように、そのアノードが直流電源Eの−側に接続され、上記スイッチSWがOFFのとき、インダクタンスL1、リセット巻線SRr、電流検知手段2およびダイオードD1を介して循環電流が流れる。
上記のように、ダイオードD1はリセット電流IL1には阻止状態であるが、磁気スイッチ動作時に発生する誘導電流には順方向状態である。このため、前記図6に示したものと同様、このダイオードD1とリアクトルL1により、上記誘導電流は直流電源Eに流れこむことがなく、直流電源Eは磁気スイッチ動作時に発生する誘導電流から保護される。
【0015】
上記インダクタンスL1は、磁気スイッチ動作時にリセット巻線SRrに発生する誘導電圧以上の耐圧を有するように選定され、また、上記ダイオードD1は、上記誘導電圧とインダクタンスL1とから決まる電流値以上の定格を有するよう選定されている。
チョッパ回路は上記直流電源E、スイッチSW、インダクタンスL1、電流検知手段2から構成され、電流検知手段2の出力は制御回路1のON/OFF制御部1aに入力され、このON/OFF制御回路1aは上記電流検知手段2の出力に基づき、スイッチSWのON/OFF比(デューティ)を制御し、リセット巻線SRrに流れる電流が略一定の値になるように制御する。
また、上記制御回路1は、スイッチSWの最大ON時間を制限する最大ON時間制限部1bと、スイッチSWの最大OFF時間を制限する最大デューティ制限部1cを備えている。
【0016】
以下、図2を用いて本実施例の動作を説明する。
図2において、時点AにおいてスイッチSWがONとなる。電流は、スイッチSW、リアクトルL1、リセツト巻線SRr、電流検知手段2の経路で流れる。スイッチSWを流れる電流ISW、リアクトルL1を流れる電流IL1の値が徐々に大きくなる。
電流検知手段2は、スイッチSW、リアクトルL1、リセット巻線SRr、電流検知手段2の経路に流れる電流IL1の値を検知する。
制御回路1は、電流IL1の値と所定値を比較し、電流検知手段2が検知したリアクトルL1 を流れる電流IL1の値が所定値ILUとなったとき(時点B)、電流検知手段2からの信号を受信する制御回路1のON/OFF制御部1aは、スイッチSWがOFFとなるように制御する。
スイッチSWがOFFになると、電流は、リアクトルL1、リセット巻線SRr、電流検知手段2、ダイオードD1の経路で流れる。すなわち、スイッチSWを流れる電流ISWは0となり、ダイオードD1に電流ID1が流れる。
【0017】
リアクトルL1、リセット巻線SRr、電流検知手段2、ダイオードD1の経路においては、直流電源Eからの電力供給がないので、回路の内部インピーダンス等による電力消費により、この経路を流れる電流の値は徐々に小さくなる。すなわち、リアクトルL1を流れる電流IL1、ダイオードD1に電流ID1の値が徐々に小さくなる。
電流検知手段2は、リアクトルL1、リセット巻線SRr、電流検知手段2、ダイオードD1の経路に流れる電流ID1の値を検知する。
電流検知手段2が検知したリアクトルL1を流れる電流ILD、の値が所定値ILDとなったとき(時点C)、電流検知手段2からの信号を受信する制御回路1のON/OFF制御部1aはスイッチSWがONとなるように制御する。
電流は再度、スイッチSW、リアクトルL1、リセット巻線SRr、電流検知手段2の経路で流れる。
リアクトルL1を流れる電流IL1の値が徐々に大きくなり、電流検知手段が検知したリアクトルL1を流れる電流IL1の値が所定値ILuとなる時点Dにおいて、再度スイッチSWがOFFとなるように制御される。以下、上記の動作が繰り返される。
また、上記繰り返し動作において、制御回路1の最大ON時間制限部1bと最大デューティ制限部1cは、上記スイッチSWのON時間が所定値を越えないように制限する。
【0018】
以上説明したように、本実施例によればリアクトルL1を流れる電流IL1、すなわち、磁気スイッチのリセット巻線SRrに流れる電流は、所定範囲内ILU〜ILDに維持される。
このため、磁気スイッチに必要とされるリセット電流の許容範囲内にこの所定範囲内が含まれるよう調整される。
一方、スイッチSWを流れる電流Iswは、最大値はほぼ所定値ILu、すなわちほぼリセット電流値に等しいが、期間A〜B、C〜D、D〜Fの間だけ電流が流れるので、スイッチSWを流れる平均電流は、リセット電流値より小さくなる。また、前記図6に示した従来の定電流源のように、抵抗Rを用いていないので、抵抗Rによる損失がなく、直流電源Eの容量は、従来の定電流に用いるものよりも小さくてよく、電源の小型化が可能となる。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、チョッパ回路を用いてリセット電流回路を構成したので、リセット電流回路の小型化を図るとともに、リセット電流回路の損失を小さくすることができ、さらにリセット電流を供給する電源の電源容量を小さくすることが可能となる。
このため、磁気圧縮回路およびこれを使用した高電圧パルス発生回路の小型化を図ることができ、これにより、この高電圧パルス発生回路を用いたレーザ装置の小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のリセット電流回路の構成を示す図である。
【図2】本実施例のリセット電流回路の動作を説明する図である。
【図3】露光用ガスレーザ装置における放電回路(高電圧パルス発生装置)の構成例を示す図である。
【図4】磁気スイッチを構成する可飽和リアクトルの構成を示す図である。
【図5】磁気スイッチを構成する可飽和リアクトルのコアの磁化曲線を示す図である。
【図6】磁気スイッチにリセット回路を設けた例を示す図である。
【符号の説明】
1    制御回路
1a  ON/OFF制御部
1b  最大ON時間制限部
1c  最大デューティ制限部
2    電流検知手段
E   直流電源
SW  スイッチ
SRr リセット巻線
L1  インダクタンス
D1  ダイオード

Claims (4)

  1. 可飽和リアクトルからなる磁気スイッチのリセット巻線および/またはパルストランスのリセット巻線にリセット電流を供給するリセット電流回路であって、
    このリセット電流回路は、直流電源(E)と、
    上記の直流電源(E)の出力端に接続されたスイッチ(SW)と、このスイッチ(SW)に直列に接続されたインダクタンス(L1)と、
    上記リセット巻線に流れる電流を検出する電流検知手段と、
    上記インダクタンス(L1)と上記電流検知手段と上記リセット巻線は、直列に接続され、このインダクタンス(L1)、リセット巻線、電流検知手設からなる直列回路に並列に接続され、順方向が上記インダクタンスに流れる電流の方向であるダイオード(D1)と、
    制御回路を有し、
    上記制御回路は上記電流検知手段からの電流データに基づき上記スイッチのオン/オフを制御することによりリセット電流の値を略一定に維持する
    ことを特徴とするリセット電流回路。
  2. 上記インダクタンス(L)がリセット巻線に発生する誘導電圧以上の耐圧を有するように選定され、
    上記ダイオード(D1)が上記誘導電圧とインダクタンス(L1)とから決まる電流値以上の定格を有するよう選定された
    ことを特徴とするリセット電流回路。
  3. 請求項1,2のいずれか一項に記載されたリセット電流回路を有する磁気スイッチ、または、パルストランスが用いられている
    ことを特徴とする磁気パルス圧縮回路。
  4. 請求項3の磁気パルス圧縮回路を有するガスレーザ装置。
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