JP2004071172A - 加熱装置およびその製造方法並びに被膜形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】極めて低コストで製造でき、クリープ変形を大幅に抑制でき、高温加熱可能なこと。
【解決手段】アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、被加熱体108を支持する支持台11と、支持台11の内部に設けられて、被加熱体108を加熱する加熱手段12と、支持台11の内部に設けられて、850℃以上の融点を有する金属材料からなる補強構造体13とを備え、補強構造体13としては、細長の板状の補強部材13aを複数枚互いに所定の間隔を存して格子状となるように配置してなる菓子折構造とする。
【選択図】 図1
【解決手段】アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、被加熱体108を支持する支持台11と、支持台11の内部に設けられて、被加熱体108を加熱する加熱手段12と、支持台11の内部に設けられて、850℃以上の融点を有する金属材料からなる補強構造体13とを備え、補強構造体13としては、細長の板状の補強部材13aを複数枚互いに所定の間隔を存して格子状となるように配置してなる菓子折構造とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱装置およびその製造方法、並びにこれを使用する被膜形成装置に係り、特に極めて低コストで製造でき、しかもクリープ変形を大幅に抑制できる高温加熱可能な加熱装置およびその製造方法並びに被膜形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、基板の表面に被膜を形成して半導体や液晶等を製造する被膜形成装置は、例えば、真空環境下で基板を加熱しながら当該基板に被膜原料のガスのプラズマを放射することにより、基板の表面に被膜を形成するようにしている(プラズマ型化学蒸着法)。
【0003】
図21(a)および(b)は、このような被膜形成装置に使用される従来の加熱装置(サセプタ)の概略構成例を示す平面図および断面図である。
【0004】
図21に示すように、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる支持台111の内部には、加熱手段である電気抵抗式のシーズヒータ112が埋設され、当該シーズヒータ112の端部が、支持台111の下部から外部へ電気的に接続できるようになっている。
【0005】
このような加熱装置110は、例えばシーズヒータ112の埋設形状に合わせた溝111aを支持台111に切削加工し、当該溝111a内にシーズヒータ112を敷設して、当該溝111aに嵌合する蓋111bで、当該溝111aを塞いで当該蓋111bを溶接接合した後、支持台111上を研磨仕上げすることにより、製造される。
【0006】
このような加熱装置110を備えたプラズマ型化学蒸着式の被膜形成装置においては、加熱装置110の支持台111上に基板を載置し、加熱装置110のシーズヒータ112に通電すると、支持台111が加熱されて(約350℃以下)も、基板が加熱され、真空環境下で当該基板へ向けて被膜原料のガスのプラズマを放射することにより、基板上に被膜を形成することができる。
【0007】
この時、加熱装置110の支持台111は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるため、軽量で熱伝導率が高く基板を効率よく加熱することができると共に、組成成分(アルミニウム)が基板に蒸着し難く、製造された半導体や液晶に対して悪影響を及ぼすことはない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような加熱装置110においては、以下のような問題がある。
【0009】
(a)被膜形成装置において、被膜形成の効率向上や形成被膜の高性能化等を図るために、基板をさらに高く加熱する(現在の運転温度は300℃であるが、近い将来には400〜500℃となることが予想されるため)ことが要求されている。
【0010】
しかしながら、前述したような従来の加熱装置110で、基板を400〜500℃にまで加熱しようとすると、アルミニウムの融点(約660℃)近くにまで加熱することから、支持台111(500〜1600mm四方)が軟化して自重により曲がってしまい(以下、クリープ変形と称する)、基板を安定して支持することができなくなってしまう。
【0011】
このため、クリープ変形が数mmに達すると加熱装置110を取り替え等のメンテナンスが必要となり、半導体性能およびコストの点で大きな問題となっている。
【0012】
(b)支持台111に溝111aを切削加工して、当該溝111a内にシーズヒータ112を敷設した後、溝111aに嵌合する蓋111bを溶接接合して製造するため、製造に非常に手間がかかってしまい、高コスト化の要因の一つとなっている。
【0013】
以上のような問題は、半導体や液晶等を製造する前述したようなプラズマ型化学蒸着式の被膜形成装置に限らず、被加熱体を保持して加熱する加熱装置と、被加熱体に対して被膜原料を放射する被膜原料放射手段とを備えて構成される被膜形成装置であれば、十分にあり得ることである。
【0014】
本発明の目的は、極めて低コストで製造でき、しかもクリープ変形を大幅に抑制できる高温加熱可能な加熱装置およびその製造方法並びに被膜形成装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、請求項1に対応する発明の加熱装置は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、被加熱体を支持する支持台と、支持台の内部に設けられて、前記被加熱体を加熱する加熱手段と、前記支持台の内部に設けられて、850℃以上の融点を有する金属材料からなる補強構造体とを備えて成り、前記補強構造体としては、細長の板状の補強部材を複数枚互いに所定の間隔を存して格子状となるように配置してなる菓子折構造としている。
【0016】
従って、請求項1に対応する発明の加熱装置においては、細長の板状の補強部材を複数枚互いに所定の間隔を存して格子状となるように配置してなる菓子折構造の補強構造体を備えることにより、加熱手段で支持台を400〜500℃にまで加熱しても、補強構造体で支持台をクリープ変形させることなく保持することができ、支持台上に載置した被加熱体を安定して保持することができる。
【0017】
また、請求項2に対応する発明の加熱装置は、前記請求項1に対応する発明の加熱装置において、前記補強構造体としては、前記加熱手段を中心にして上下方向にほぼ対称となるように一対配設し、かつ当該各補強構造体同士を機械的に結合している。
【0018】
従って、請求項2に対応する発明の加熱装置においては、補強構造体を、加熱手段を中心にして上下方向にほぼ対称となるように一対配設することにより、加熱手段による支持台の上下方向の加熱速度が等しくなり、支持台の上下方向における熱膨張差をなくすことができるため、加熱に伴なう支持台の反り返りを防止することができ、支持台上に載置した被加熱体をさらに確実に安定して保持することができる。
また、各補強構造体同士を機械的に結合することにより、各補強構造体が自由に動かないように保持することができる。
【0019】
さらに、請求項3に対応する発明の加熱装置は、前記請求項1または請求項2に記載の加熱装置において、前記各補強部材間の所定の間隔としては、25mm〜500mmの範囲となるようにしている。
【0020】
ここで、特に前記各補強部材間の所定の間隔としては、より好ましくは、例えば請求項4に記載したように、50mm〜200mmの範囲となるようにし、さらにより好ましくは、例えば請求項5に記載したように、100mmとなるようにしている。
【0021】
従って、請求項3乃至請求項5に対応する発明の加熱装置においては、各補強部材間の所定の間隔を、25mm〜500mmの範囲、より好ましくは50mm〜200mmの範囲、さらにより好ましくは100mmとなるようにすることにより、補強構造体の補強部材をできる限り稠密として、支持台と補強構造体とを一体化することができる。
【0022】
一方、請求項6に対応する発明の加熱装置は、前記請求項1乃至請求項5のいずれか1項に対応する発明の加熱装置において、前記補強部材に、凹凸を形成している。
【0023】
従って、請求項6に対応する発明の加熱装置においては、補強構造体の補強部材に凹凸を形成することにより、支持台と補強構造体とが滑らない(ずれない)ようにすることができる。
【0024】
また、請求項7に対応する発明の加熱装置は、前記請求項1乃至請求項6のいずれか1項に対応する発明の加熱装置において、前記アルミニウム合金としては、マグネシウムおよび銅の含有量の少ないものとしている。
【0025】
従って、請求項7に対応する発明の加熱装置においては、アルミニウム合金を、マグネシウムおよび銅の含有量の少ないものとすることにより、悪影響を与えることなく半導体や液晶を製造することができる。
【0026】
さらに、請求項8に対応する発明の加熱装置は、前記請求項1乃至請求項7のいずれか1項に対応する発明の加熱装置において、前記補強構造体としては、ステンレス、軟鋼、セラミックス、鉄、鉄鋼、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金のうちのいずれかからなるものとしている。
【0027】
従って、請求項8に対応する発明の加熱装置においては、補強構造体を、ステンレス、軟鋼、セラミックス、鉄、鉄鋼、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金のうちのいずれかからなるものとすることにより、ステンレスや軟鋼や鉄や鉄鋼であると、補強構造体を低コストで製造することができ、ニッケルやニッケル合金であると、補強構造体の耐熱性を向上させることができ、銅や銅合金であると、補強構造体の熱伝導率を高めることができ、セラミックスやチタンやチタン合金であると、補強構造体の軽量化を図ることができる。
【0028】
一方、請求項9に対応する発明は、前記請求項1乃至請求項8のいずれか1項に対応する発明の加熱装置の製造方法であって、下部側が金型からなると共に側面側が砂型からなる鋳型の内部に、前記加熱手段および前記補強構造体を配設し、前記鋳型内にアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を鋳込むと共に、当該溶湯の湯面上を発熱性保温材で覆うことにより、当該溶湯を下方側から上方側へ向かって指向性凝固させて鋳造するようにしている。
【0029】
従って、請求項9に対応する発明の加熱装置の製造方法においては、下部側が金型からなると共に側面側が砂型からなる鋳型の内部に加熱手段および補強構造体を配設し、当該鋳型内にアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を鋳込むと共に、当該溶湯の湯面上を発熱性保温材で覆うことによって、当該溶湯を下方側から上方側へ向かって指向性凝固させて鋳造することにより、前述した従来のように、支持台に溝を切削加工して加熱手段等を当該溝内に敷設した後に蓋を嵌合して溶接接合する場合よりも、連続して製造することが簡単にでき、製造コストを大幅に低減することができる。
【0030】
また、請求項10に対応する発明は、前記請求項9に対応する発明の加熱装置の製造方法において、前記補強構造体を構成する一部の補強部材の端部を、前記鋳型に固定するようにしている。
【0031】
従って、請求項10に対応する発明の加熱装置の製造方法においては、加熱装置を製造する際に、補強構造体を構成する一部の補強部材の端部を、鋳型に固定することにより、作業性を良好とすることができる。
【0032】
さらに、請求項11に対応する発明の被膜形成装置は、被加熱体を保持して加熱する前記請求項1乃至請求項8のいずれか1項に対応する発明の加熱装置と、前記被加熱体に対して被膜原料を放射する被膜原料放射手段とを備えている。
【0033】
従って、請求項11に対応する発明の被膜形成装置においては、被加熱体を保持して加熱する加熱装置と、当該被加熱体に対して被膜原料を放射する被膜原料放射手段とを備えることにより、被加熱体を400〜500℃の温度に加熱しながら被加熱体に被膜を形成することが何ら問題なくできるため、例えば、半導体や液晶の製造に適用すれば、高性能な半導体や液晶を効率よく製造することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による加熱装置およびその製造方法、並びにこれを使用する被膜形成装置の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
本発明による加熱装置およびその製造方法並びにこれを使用する被膜形成装置の本実施の形態を図1乃至図3を用いて説明する。
【0036】
図1は本実施の形態による被膜形成装置の概略構成図、図2は本実施の形態による加熱装置の概略構成図、図3は本実施の形態による加熱装置の製造方法の説明図である。
【0037】
図1に示すように、チャンバ101の内部下方には、被加熱体である基板108を保持して加熱する加熱装置(サセプタ)10を配設している。
【0038】
また、チャンバ101の内部の加熱装置10の上方には、基板108に対して被膜原料のガス106のプラズマ107を放射することにより、基板108上に被膜109を形成する被膜原料放射手段であるプラズマ発生装置102を配設している。
【0039】
さらに、プラズマ発生装置102には、被膜原料のガス106を送給するガス供給源103および電源104を接続している。
【0040】
さらにまた、チャンバ101には、減圧手段である減圧ポンプ105を連結している。
【0041】
以上により、被膜形成装置100を構成している。
【0042】
次に、本実施の形態による加熱装置10の構成例について、図2を用いて説明する。
【0043】
一方、前記加熱装置10は、図2に示すように、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、被加熱体である基板108を支持する支持台11の内部に、加熱手段である電気抵抗式のシーズヒータ(ニクロム線をステンレスやニッケル合金等の管の内部に配設したもの)12を埋設すると共に、850℃以上(好ましくは1000℃以上)の融点を有する金属材料からなる一対の補強構造体13を、当該シーズヒータ12を上下で挟んで包囲する、すなわち当該シーズヒータ12を中心にして上下方向にほぼ対称となるようにして埋設し、かつ当該各補強構造体13同士を機械的に結合(例えば、菓子折構造等の結合手段により)している。
【0044】
ここで、支持台11を、例えばアルミニウム合金で構成する場合には、当該アルミニウム合金としては、マグネシウムおよび銅の含有量の少ないものとすることが好ましい。
【0045】
一方、前記補強構造体13としては、例えば、図4に概略平面図を、図5に概略斜視図をそれぞれ示すように、細長の板状の補強部材13aを複数枚、互いに縦,横所定の間隔bを存して格子状となるように配置してなる菓子折構造としている。
【0046】
図6(a)は前記補強部材13aの菓子折構造の一部分を示す概略平面図、図6(b)は同図6(a)の“A”部分の結合状態を示す分解斜視図である。
【0047】
図6に示すように、補強構造体13を構成する上側の補強部材13aおよび下側の補強部材13aのそれぞれ対応する箇所に切欠き13bを設けて、これらを互いに嵌め込み、かつ当該嵌め込みを、例えば溶接等により互いに接続するようにしている。
【0048】
図7は、以上のような構成の一対の補強構造体13で、前記シーズヒータ12を上下で挟んで組み込んだ状態の一例を示す外観斜視図である。
【0049】
ここで、前記各補強部材13a間の所定の間隔bとしては、補強構造体13の縦,横のサイズ、補強部材13aの材質、厚さ、幅等に基づいて、例えば、25mm〜500mmの範囲、より好ましくは、50mm〜200mmの範囲、さらにより好ましくは、100mmとなるように、適切に選定することができる。
【0050】
また、前記補強構造体13としては、例えば、ステンレス(SUS304、SUS316等)、軟鋼(SS400、SS420等)、セラミックス、鉄、鉄鋼、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金のうちのいずれかからなるものとしている。
【0051】
次に、以上のような本実施の形態による加熱装置10の製造方法について、図3を用いて説明する。
【0052】
まず、溶解炉(重油燃焼炉、ガス燃焼炉、電気炉等)でアルミニウムまたはアルミニウム合金を溶融して溶湯を取鍋に移し、溶湯中に窒素ガスを吹き込んで110〜15分程度)・溶湯を脱ガス(脱水素ガス)処理する。
【0053】
他方、対をなす補強構造体13でシーズヒータ12を上下方向に挟み、互いにずれないように補強構造体13とシーズヒータ12との間をスポット溶接等で仮止めし、図3に示すように、中央部分に穴1aを開けられた平板状の金型1(冷し金)の当該穴1a内に、シーズヒータ12の端部側を通過させ、当該シーズヒータ12および補強構造体13が金型1の表面から所定の高さに位置するように、シーズヒータ12の端部側を支承する。
【0054】
続いて、前記シーズヒータ12およびサポートプレート13を包囲するように、金型1の上面に口字状の砂型2を配設すると共に、金型1の前記穴1aの下端側とシーズヒータ12の端部側との間に、セラミックス製のシール材3を充填して当該間を塞ぎ、金型1および砂型2を予熱する(約50〜80℃)。
【0055】
次に、前記金型1および前記砂型2からなる鋳型内に前記溶湯5を鋳込むと共に、金属酸化物(例えば酸化鉄等)粉末とアルミニウム粉末とを混合した発熱性保温材4で、前記溶湯5の表面を覆う。
【0056】
ここで、溶湯5の温度は、アルミニウムの場合には680〜750℃、アルミニウム合金の場合には650〜700℃とすることが好ましい。
【0057】
これにより、溶湯5は、発熱性保温材4の発熱反応により湯面側が保温されると共に、砂型2により側面側が保温される一方、金型(冷し金)1により下方側が冷却されるため、下方側から上方側へ向かう一方向で冷却凝固していく(指向性凝固)。
【0058】
このようにして鋳造凝固することにより、気泡巣や引け巣等の欠陥を生じさせることなく、溶湯5を凝固させることができる。
【0059】
次に、溶湯5が全体にわたって凝固したら、鋳型(金型1および砂型2)から取り出し、研磨等の仕上げ処理を行なうことにより、加熱装置10を製造することができる。
【0060】
なお、このようにして加熱装置10を製造する際に、補強構造体13を構成する一部の補強部材13aの端部を、鋳型に固定するようにすることにより、作業性を良好とすることができる。
【0061】
以上のようにして製造される加熱装置10を使用したプラズマ型化学蒸着式の被膜形成装置100においては、図1に示すように、加熱装置10の支持台11上に基板(例えば、シリコン材料製)108を載置し、加熱装置10のシーズヒータ12に通電する一方、減圧ポンプ105を作動してチャンバ101内を減圧すると共に、ガス供給源103からプラズマ発生装置102にガス106(例えば、水素化シリコンガスと水素ガスとの混合ガス)を供給しながら電源104を作動させると、支持台111が加熱されて(400〜500℃)、基板108が加熱される一方、プラズマ発生装置102でガス106がプラズマ化されて、プラズマ発生装置102から基板108へ向けてプラズマ107が放射されることにより、基板108上に高性能な被膜(例えば、多結晶シリコン膜)109を効率よく形成して、半導体を製造することができる。
【0062】
従って、本実施の形態によれば、次のような種々の作用効果を得ることが可能となる。
【0063】
(a)アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる支持台11内に、850℃以上の融点を有する金属材料からなる細長の板状の補強部材を複数枚互いに所定の間隔を存して格子状となるように配置してなる菓子折構造の補強構造体13を備えて、加熱装置10を構成するようにしているので、シーズヒータ12で支持台11を400〜500℃にまで加熱しても、補強構造体13で支持台11をクリープ変形させることなく保持することができ、支持台11上に載置した被加熱体である基板108を安定して保持することができる。
【0064】
(b)各補強部材13a間の所定の間隔を、25mm〜500mmの範囲、より好ましくは50mm〜200mmの範囲、さらにより好ましくは100mmとなるようにするようにしているので、補強構造体13の補強部材13aをできる限り稠密として、支持台11と補強構造体13とを一体化することができる。
【0065】
(c)シーズヒータ12および補強構造体13を支持台11の内部に鋳込むようにして、加熱装置10を鋳造法により製造するようにしているので、前述した従来のように、支持台111に溝111aを切削加工してシーズヒータ112等を敷設した後に、当該溝111aに蓋111bを嵌合して溶接接合するようにした加熱装置110に比較べて、連続して製造することが簡単にでき、製造コストを大幅に低減することができる。
【0066】
(d)溶湯5を下方側から上方側へ向かう一方向で冷却凝固(指向性凝固)していくようにしているので、気泡巣や引け巣等の欠陥を生じさせることなく、溶湯5を凝固させることができる。
【0067】
(e)一対の補強構造体13でシーズヒータ12を上下方向に挟んで包囲する、すなわち当該シーズヒータ12を中心にして上下方向にほぼ対称となるように支持台11の内部に設けるようにしているので、シーズヒータ12による支持台11の上下方向の加熱速度が等しくなり、支持台11の上下方向における熱膨張差をなくすことができる。
このため、加熱に伴なう支持台11の反り返りを防止することができ、支持台11上に載置した被加熱体である基板108をさらに確実に安定して保持することができる。
また、各補強構造体13同士を機械的に結合するようにしているので、各補強構造体13が自由に動かないように保持することができる。
【0068】
(f)加熱装置10を製造する際に、補強構造体13を構成する一部の補強部材13aの端部を、鋳型に固定するようにしているので、作業性を良好とすることができる。
【0069】
(g)被加熱体である基板108を保持して加熱する加熱手段であるシーズヒータ12と、当該基板108に対して被膜原料を放射する被膜原料放射手段であるプラズマ発生装置102とから、被膜形成装置100を構成するようにしているので、基板108を400〜500℃の温度に加熱しながら基板108に被膜109を形成することが何ら問題なくできるため、例えば、半導体や液晶の製造に適用すれば、高性能な半導体や液晶を効率よく製造することができる。
【0070】
なお、前記加熱装置10の支持台11の材料としては、軽量で熱伝導率が高く基板108を効率よく加熱することができると共に、鋳造性が良好であり、組成成分が基板に蒸着し難く、製造された半導体や液晶に対して悪影響を及ぼすことのないアルミニウムやアルミニウム合金が望ましい。
【0071】
このアルミニウム合金においては、蒸発し易いマグネシウムを基板に蒸着すると、製造された半導体や液晶に対して悪影響を及ぼす可能性のあるマグネシウムや銅の含有量の少ないものが好ましく、例えば、日本工業規格(JIS)で規定された「AC3A」,「AC4C」,「AC4CH」等が好ましい。
【0072】
また、補強構造体13の材料としては、融点が850℃以上(好ましくは1000℃以上)の金属材料であればよい。
【0073】
なぜなら、融点が850℃未満であると、製造時に溶湯105の熱により変形してしまう虞があると共に、支持台11を400〜500℃にまで加熱した時に、当該支持台11を十分な剛性をもって保持することが困難になってしまうからである。
【0074】
特に、融点が1000℃以上であれば、前記問題を生じることが全くなくなるので、非常に好ましい。
【0075】
さらに、前記金属材料が、ステンレス、軟鋼、セラミックス、鉄、鉄鋼、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金のうちのいずれかであると、特に好ましい。
【0076】
なぜなら、ステンレス、軟鋼、鉄や鉄鋼(ステンレス等)であると、補強構造体13を低コストで製造することができ、ニッケルやニッケル合金であると、補強構造体13の耐熱性を向上させることができ、銅や銅合金であると、補強構造体13の熱伝導率を高めることができ、セラミックス、チタンやチタン合金であると、補強構造体13の軽量化を図ることができるからである。
【0077】
ちなみに、セラミックス(融点:850℃以上)からなる補強構造体13を用いると、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる支持台11と補強構造体13との熱膨張率に大きな差を生じてしまい、補強構造体13に割れやヒビ等を生じてしまう虞があるため、適用することが困難である。
【0078】
【実施例】
以下、本発明による加熱装置およびその製造方法、並びにこれを使用する被膜形成装置の一実施例について、図面を参照して具体的に説明する。
【0079】
(各補強部材間の最適な間隔の選定方法)
まず、前述した各補強部材13a間の最適な間隔bの選定方法について、図8乃至図13を用いて定量的に説明する。
【0080】
板厚5mmの各補強部材(SUS)13aを、100mmの間隔bを存して格子状となるように配置することが最も好ましい理由は、高い温度になってアルミニウムの剛性が低下しても、各補強部材13aの剛性で補なうためである。
【0081】
図8は、各補強部材13a間の間隔bと、各補強部材13aの剛性(EI)SUS/アルミニウムの剛性(EI)ALとの関係を示す特性図である。
【0082】
各補強部材13a間の間隔b=100mmで、SUS補強部材13aの剛性(EI)SUSは約0.5になり、アルミニウムの剛性(EI)ALの1/2となることがわかる。
【0083】
各補強部材13a間の間隔b=100mmは、アルミニウムが剛性を無くしても(クリープで)、各補強部材13aで剛性を50%補償することが期待できる。
【0084】
各補強部材13a間の間隔b=300mmでは、補強部材の剛性が17%になり不十分である。
【0085】
従って、各補強部材13a間の所定の間隔bを、50mm〜200mmの範囲とすることが好ましい。
【0086】
次に、各補強部材13a間の間隔bを100mmにした場合(ケース1)、各補強部材13a間の間隔bを200mmにした場合(ケース2)のそれぞれにおける補強部材13aの剛性(EI)1、(EI)2について、図9を用いて比較して説明する。
【0087】
図10に示すように、上下面の温度差△tによる弾性変位δeは、
(T=300℃の場合)
図11に示すように、
【数1】
△t=2×24×365=1.752×104 Hr
K=k/{B・2n/(2n+1)・(H/2)2+1/n}n
M0=BH2Eα・△T/(12(1−ν))
L=375mm
B=100mm
H=60mm
k=1.31597×10−11
n=4.3055
E=3×105MPa
α=23×10−6/℃
ν=0.355
図12は、以上説明した△Tと変位との関係について整理して示した図である。
【0088】
図12から、補強は有効であることがわかる。
【0089】
(T=500℃の場合)
図13に示すように、
【数2】
K=k/{B・2n/(2n+1)・(H/2)2+1/n}n
M0=BH2Eα・△T/12(1−ν)
L=375mm
B=100mm
H=60mm
k=1.0424×10− 5
n=4.3055
E=3×105MPa
α=23×10−6/℃
ν=0.355
図14は、以上説明した△Tと変位との関係について整理して示した図である。
【0090】
500℃では、補強が特に有効であることがわかる。
【0091】
(加熱装置のクリープ試験結果)
次に、本発明による加熱装置のクリープ試験結果について、図15乃至図20を用いて具体的に説明する。
【0092】
我々は、供試体として、400×200×60mmの加熱装置(ホットプレート 材質:主にアルミニウム)の高温クリープ試験を行ない、加熱装置内部に井げた状の補強を行なった結果を確認するために、試験温度300℃および500℃にて、100時間(H)のクリープ試験を実施した。
【0093】
なお、比較材として、補強を行なわないものについても実施した。
【0094】
(a)供試体
供試体として、補強材なし(300℃および500℃クリープ試験)のものを供試体No.1およびNo.2とし、補強材あり(300℃および500℃クリープ試験)のものを供試体No.3およびNo.4とした。
【0095】
(b)試験条件
図15に、試験条件を一覧表として示している。
【0096】
なお、負荷荷重の値は、供試体と同一寸法の加熱装置単純支持条件での中央部集中荷重におけるクリープ変形予測値から算出したものである。
【0097】
(c)試験結果
(c−1)500℃、100Hクリープ(供試体No.1、No.2)
図16に試験結果一覧表、図17に変異履歴をそれぞれ示している。
【0098】
補強なしの100Hクリープ変位は、3.55mm、補強ありの100Hクリープ変位は、0.05mmであった。
【0099】
この試験結果から、補強ありのクリープ変位は、補強なしのクリープ変位の1.4%程度であり、補強の効果が出ていることがわかる。
【0100】
(c−2)300℃、100Hクリープ(供試体No.3、No.4)
図18に試験結果一覧表、図19に変異履歴をそれぞれ示している。
【0101】
補強なしの100Hクリープ変位は、2.89mm、補強ありの100Hクリープ変位は、0.34mmであった。
【0102】
この試験結果から、補強ありのクリープ変位は、補強なしのクリープ変位の11.7%程度であり、補強の効果が出ていることがわかる。
【0103】
以上から、図20に示すように、500℃、300℃の条件下では、加熱装置内部に補強を行なうことにより、クリープ変形を大幅に低減できることが確認できた。
【0104】
(その他の実施の形態)
尚、本発明は、前記各実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形して実施することが可能である。
例えば、前述した実施の形態において、前記補強部材13aに、凹凸を形成するようにしてもよい。
【0105】
すなわち、補強構造体13の補強部材13aに凹凸を形成するようにすることにより、支持台11と補強構造体13とが滑らない(ずれない)ようにすることが可能となる。
【0106】
また、前述した実施の形態では、金型1を介して溶湯5を自然冷却するようにしたが、金型1を水冷して溶湯5を強制冷却するようにしてもよい。
【0107】
さらに、前述した実施の形態では、加熱装置10,20,30で基板108を保持して加熱し、プラズマ発生装置102から基板108へ向けて被膜原料のガス106のプラズマ107を放射することにより、基板108に被膜109を形成して半導体や液晶等を製造するプラズマ型化学蒸着式被膜形成装置100の場合について説明したが、これに限らず、被加熱体を保持して加熱する加熱装置と、被加熱体に対して被膜原料を放射する被膜原料放射手段とを備えて成る被膜形成装置であれば、前述した実施の形態の場合と同様に本発明を適用することができる。
【0108】
一方、各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合には組合わせた作用効果を得ることができる。
さらに、前記各実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより、種々の発明を抽出することができる。
例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも一つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも一つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構成を発明として抽出することができる。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の加熱装置によれば、細長の板状の補強部材を複数枚互いに所定の間隔を存して格子状となるように配置してなる菓子折構造の補強構造体を備えるようにしているので、加熱手段で支持台を400〜500℃にまで加熱しても、補強構造体で支持台をクリープ変形させることなく保持することができ、支持台上に載置した被加熱体を安定して保持することが可能となる。
【0110】
また、本発明の加熱装置によれば、補強構造体を、加熱手段を中心にして上下方向にほぼ対称となるように一対配設するようにしているので、加熱手段による支持台の上下方向の加熱速度が等しくなり、支持台の上下方向における熱膨張差をなくすことができるため、加熱に伴なう支持台の反り返りを防止することができ、支持台上に載置した被加熱体をさらに確実に安定して保持することが可能となる。
【0111】
また、各補強構造体同士を機械的に結合するようにしているので、各補強構造体が自由に動かないように保持することが可能となる。
【0112】
さらに、本発明の加熱装置によれば、各補強部材間の所定の間隔を、25mm〜500mmの範囲、より好ましくは50mm〜200mmの範囲、さらにより好ましくは100mmとなるようにしているので、補強構造体の補強部材をできる限り稠密として、支持台と補強構造体とを一体化することが可能となる。
【0113】
一方、本発明の加熱装置によれば、補強構造体の補強部材に凹凸を形成するようにしているので、支持台と補強構造体とが滑らない(ずれない)ようにすることが可能となる。
【0114】
また、本発明の加熱装置によれば、アルミニウム合金を、マグネシウムおよび銅の含有量の少ないものとするようにしているので、悪影響を与えることなく半導体や液晶を製造することが可能となる。
【0115】
さらに、本発明の加熱装置によれば、補強構造体を、ステンレス、軟鋼、セラミックス、鉄、鉄鋼、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金のうちのいずれかからなるものとするようにしているので、ステンレスや軟鋼や鉄や鉄鋼であると、補強構造体を低コストで製造することができ、ニッケルやニッケル合金であると、補強構造体の耐熱性を向上させることができ、銅や銅合金であると、補強構造体の熱伝導率を高めることができ、セラミックスやチタンやチタン合金であると、補強構造体の軽量化を図ることが可能となる。
【0116】
一方、本発明の加熱装置の製造方法によれば、下部側が金型からなると共に側面側が砂型からなる鋳型の内部に加熱手段および補強構造体を配設し、当該鋳型内にアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を鋳込むと共に、当該溶湯の湯面上を発熱性保温材で覆うことによって、当該溶湯を下方側から上方側へ向かって指向性凝固させて鋳造するようにしているので、前述した従来のように、支持台に溝を切削加工して加熱手段等を当該溝内に敷設した後に蓋を嵌合して溶接接合する場合よりも、連続して製造することが簡単にでき、製造コストを大幅に低減することが可能となる。
【0117】
また、本発明の加熱装置の製造方法によれば、加熱装置を製造する際に、補強構造体を構成する一部の補強部材の端部を、鋳型に固定するようにしているので、作業性を良好とすることが可能となる。
【0118】
さらに、本発明の被膜形成装置によれば、被加熱体を保持して加熱する加熱装置と、当該被加熱体に対して被膜原料を放射する被膜原料放射手段とを備えるようにしているので、被加熱体を400〜500℃の温度に加熱しながら被加熱体に被膜を形成することが何ら問題なくできるため、例えば、半導体や液晶の製造に適用すれば、高性能な半導体や液晶を効率よく製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による被膜形成装置の一実施の形態を示す概略構成図。
【図2】本発明による加熱装置の一実施の形態を示す概略構成図。
【図3】本発明による加熱装置の製造方法を説明するための断面図。
【図4】本発明による加熱装置における補強構造体の一構成例を示す概略平面図。
【図5】本発明による加熱装置における補強構造体の一構成例を示す概略斜視図。
【図6】本発明による加熱装置における補強構造体の補強部材の菓子折構造の一部分を示す概略平面図および分解斜視図。
【図7】本発明による加熱装置における補強構造体で、シーズヒータを上下で挟んで組み込んだ状態の一例を示す外観斜視図。
【図8】本発明による加熱装置の実施例に基づく、各補強部材間の間隔と、各補強部材の剛性(EI)SUS/アルミニウムの剛性(EI)ALとの関係を示す特性図。
【図9】本発明による加熱装置の実施例に基づく、補強部材の剛性(EI)1、(EI)2について説明するための図。
【図10】本発明による加熱装置の実施例に基づく、上下面の温度差△tによる弾性変位δeの状態を示す図。
【図11】本発明による加熱装置の実施例に基づく、クリープ変位について説明するための図(T=300℃の場合)。
【図12】本発明による加熱装置の実施例に基づく、△Tと変位との関係について整理して示す図。
【図13】本発明による加熱装置の実施例に基づく、クリープ変位について説明するための図(T=500℃の場合)。
【図14】本発明による加熱装置の実施例に基づく、△Tと変位との関係について整理して示す図。
【図15】本発明による加熱装置の試験条件の一覧を示す図。
【図16】本発明による加熱装置の試験結果の一覧を示す図。
【図17】本発明による加熱装置の変異履歴を示す図。
【図18】本発明による加熱装置の試験結果の一覧を示す図。
【図19】本発明による加熱装置の変異履歴を示す図。
【図20】本発明による加熱装置内部に補強を行なうことにより、クリープ変形を大幅に低減できることを説明するための図。
【図21】従来の加熱装置の一例を示す概略構成図。
【符号の説明】
1…金型
1a…穴
2…砂型
3…シール材
4…発熱性保温材
5…溶湯
10…加熱装置
11…支持台
12…シーズヒータ
13…補強構造体
13a…補強部材
13b…切欠き
100…被膜形成装置
101…チャンバ
102…プラズマ発生装置
103…ガス供給源
104…電源
105…減圧ポンプ
106…ガス
107…プラズマ
108…基板
109…被膜。
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱装置およびその製造方法、並びにこれを使用する被膜形成装置に係り、特に極めて低コストで製造でき、しかもクリープ変形を大幅に抑制できる高温加熱可能な加熱装置およびその製造方法並びに被膜形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、基板の表面に被膜を形成して半導体や液晶等を製造する被膜形成装置は、例えば、真空環境下で基板を加熱しながら当該基板に被膜原料のガスのプラズマを放射することにより、基板の表面に被膜を形成するようにしている(プラズマ型化学蒸着法)。
【0003】
図21(a)および(b)は、このような被膜形成装置に使用される従来の加熱装置(サセプタ)の概略構成例を示す平面図および断面図である。
【0004】
図21に示すように、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる支持台111の内部には、加熱手段である電気抵抗式のシーズヒータ112が埋設され、当該シーズヒータ112の端部が、支持台111の下部から外部へ電気的に接続できるようになっている。
【0005】
このような加熱装置110は、例えばシーズヒータ112の埋設形状に合わせた溝111aを支持台111に切削加工し、当該溝111a内にシーズヒータ112を敷設して、当該溝111aに嵌合する蓋111bで、当該溝111aを塞いで当該蓋111bを溶接接合した後、支持台111上を研磨仕上げすることにより、製造される。
【0006】
このような加熱装置110を備えたプラズマ型化学蒸着式の被膜形成装置においては、加熱装置110の支持台111上に基板を載置し、加熱装置110のシーズヒータ112に通電すると、支持台111が加熱されて(約350℃以下)も、基板が加熱され、真空環境下で当該基板へ向けて被膜原料のガスのプラズマを放射することにより、基板上に被膜を形成することができる。
【0007】
この時、加熱装置110の支持台111は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるため、軽量で熱伝導率が高く基板を効率よく加熱することができると共に、組成成分(アルミニウム)が基板に蒸着し難く、製造された半導体や液晶に対して悪影響を及ぼすことはない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような加熱装置110においては、以下のような問題がある。
【0009】
(a)被膜形成装置において、被膜形成の効率向上や形成被膜の高性能化等を図るために、基板をさらに高く加熱する(現在の運転温度は300℃であるが、近い将来には400〜500℃となることが予想されるため)ことが要求されている。
【0010】
しかしながら、前述したような従来の加熱装置110で、基板を400〜500℃にまで加熱しようとすると、アルミニウムの融点(約660℃)近くにまで加熱することから、支持台111(500〜1600mm四方)が軟化して自重により曲がってしまい(以下、クリープ変形と称する)、基板を安定して支持することができなくなってしまう。
【0011】
このため、クリープ変形が数mmに達すると加熱装置110を取り替え等のメンテナンスが必要となり、半導体性能およびコストの点で大きな問題となっている。
【0012】
(b)支持台111に溝111aを切削加工して、当該溝111a内にシーズヒータ112を敷設した後、溝111aに嵌合する蓋111bを溶接接合して製造するため、製造に非常に手間がかかってしまい、高コスト化の要因の一つとなっている。
【0013】
以上のような問題は、半導体や液晶等を製造する前述したようなプラズマ型化学蒸着式の被膜形成装置に限らず、被加熱体を保持して加熱する加熱装置と、被加熱体に対して被膜原料を放射する被膜原料放射手段とを備えて構成される被膜形成装置であれば、十分にあり得ることである。
【0014】
本発明の目的は、極めて低コストで製造でき、しかもクリープ変形を大幅に抑制できる高温加熱可能な加熱装置およびその製造方法並びに被膜形成装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、請求項1に対応する発明の加熱装置は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、被加熱体を支持する支持台と、支持台の内部に設けられて、前記被加熱体を加熱する加熱手段と、前記支持台の内部に設けられて、850℃以上の融点を有する金属材料からなる補強構造体とを備えて成り、前記補強構造体としては、細長の板状の補強部材を複数枚互いに所定の間隔を存して格子状となるように配置してなる菓子折構造としている。
【0016】
従って、請求項1に対応する発明の加熱装置においては、細長の板状の補強部材を複数枚互いに所定の間隔を存して格子状となるように配置してなる菓子折構造の補強構造体を備えることにより、加熱手段で支持台を400〜500℃にまで加熱しても、補強構造体で支持台をクリープ変形させることなく保持することができ、支持台上に載置した被加熱体を安定して保持することができる。
【0017】
また、請求項2に対応する発明の加熱装置は、前記請求項1に対応する発明の加熱装置において、前記補強構造体としては、前記加熱手段を中心にして上下方向にほぼ対称となるように一対配設し、かつ当該各補強構造体同士を機械的に結合している。
【0018】
従って、請求項2に対応する発明の加熱装置においては、補強構造体を、加熱手段を中心にして上下方向にほぼ対称となるように一対配設することにより、加熱手段による支持台の上下方向の加熱速度が等しくなり、支持台の上下方向における熱膨張差をなくすことができるため、加熱に伴なう支持台の反り返りを防止することができ、支持台上に載置した被加熱体をさらに確実に安定して保持することができる。
また、各補強構造体同士を機械的に結合することにより、各補強構造体が自由に動かないように保持することができる。
【0019】
さらに、請求項3に対応する発明の加熱装置は、前記請求項1または請求項2に記載の加熱装置において、前記各補強部材間の所定の間隔としては、25mm〜500mmの範囲となるようにしている。
【0020】
ここで、特に前記各補強部材間の所定の間隔としては、より好ましくは、例えば請求項4に記載したように、50mm〜200mmの範囲となるようにし、さらにより好ましくは、例えば請求項5に記載したように、100mmとなるようにしている。
【0021】
従って、請求項3乃至請求項5に対応する発明の加熱装置においては、各補強部材間の所定の間隔を、25mm〜500mmの範囲、より好ましくは50mm〜200mmの範囲、さらにより好ましくは100mmとなるようにすることにより、補強構造体の補強部材をできる限り稠密として、支持台と補強構造体とを一体化することができる。
【0022】
一方、請求項6に対応する発明の加熱装置は、前記請求項1乃至請求項5のいずれか1項に対応する発明の加熱装置において、前記補強部材に、凹凸を形成している。
【0023】
従って、請求項6に対応する発明の加熱装置においては、補強構造体の補強部材に凹凸を形成することにより、支持台と補強構造体とが滑らない(ずれない)ようにすることができる。
【0024】
また、請求項7に対応する発明の加熱装置は、前記請求項1乃至請求項6のいずれか1項に対応する発明の加熱装置において、前記アルミニウム合金としては、マグネシウムおよび銅の含有量の少ないものとしている。
【0025】
従って、請求項7に対応する発明の加熱装置においては、アルミニウム合金を、マグネシウムおよび銅の含有量の少ないものとすることにより、悪影響を与えることなく半導体や液晶を製造することができる。
【0026】
さらに、請求項8に対応する発明の加熱装置は、前記請求項1乃至請求項7のいずれか1項に対応する発明の加熱装置において、前記補強構造体としては、ステンレス、軟鋼、セラミックス、鉄、鉄鋼、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金のうちのいずれかからなるものとしている。
【0027】
従って、請求項8に対応する発明の加熱装置においては、補強構造体を、ステンレス、軟鋼、セラミックス、鉄、鉄鋼、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金のうちのいずれかからなるものとすることにより、ステンレスや軟鋼や鉄や鉄鋼であると、補強構造体を低コストで製造することができ、ニッケルやニッケル合金であると、補強構造体の耐熱性を向上させることができ、銅や銅合金であると、補強構造体の熱伝導率を高めることができ、セラミックスやチタンやチタン合金であると、補強構造体の軽量化を図ることができる。
【0028】
一方、請求項9に対応する発明は、前記請求項1乃至請求項8のいずれか1項に対応する発明の加熱装置の製造方法であって、下部側が金型からなると共に側面側が砂型からなる鋳型の内部に、前記加熱手段および前記補強構造体を配設し、前記鋳型内にアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を鋳込むと共に、当該溶湯の湯面上を発熱性保温材で覆うことにより、当該溶湯を下方側から上方側へ向かって指向性凝固させて鋳造するようにしている。
【0029】
従って、請求項9に対応する発明の加熱装置の製造方法においては、下部側が金型からなると共に側面側が砂型からなる鋳型の内部に加熱手段および補強構造体を配設し、当該鋳型内にアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を鋳込むと共に、当該溶湯の湯面上を発熱性保温材で覆うことによって、当該溶湯を下方側から上方側へ向かって指向性凝固させて鋳造することにより、前述した従来のように、支持台に溝を切削加工して加熱手段等を当該溝内に敷設した後に蓋を嵌合して溶接接合する場合よりも、連続して製造することが簡単にでき、製造コストを大幅に低減することができる。
【0030】
また、請求項10に対応する発明は、前記請求項9に対応する発明の加熱装置の製造方法において、前記補強構造体を構成する一部の補強部材の端部を、前記鋳型に固定するようにしている。
【0031】
従って、請求項10に対応する発明の加熱装置の製造方法においては、加熱装置を製造する際に、補強構造体を構成する一部の補強部材の端部を、鋳型に固定することにより、作業性を良好とすることができる。
【0032】
さらに、請求項11に対応する発明の被膜形成装置は、被加熱体を保持して加熱する前記請求項1乃至請求項8のいずれか1項に対応する発明の加熱装置と、前記被加熱体に対して被膜原料を放射する被膜原料放射手段とを備えている。
【0033】
従って、請求項11に対応する発明の被膜形成装置においては、被加熱体を保持して加熱する加熱装置と、当該被加熱体に対して被膜原料を放射する被膜原料放射手段とを備えることにより、被加熱体を400〜500℃の温度に加熱しながら被加熱体に被膜を形成することが何ら問題なくできるため、例えば、半導体や液晶の製造に適用すれば、高性能な半導体や液晶を効率よく製造することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による加熱装置およびその製造方法、並びにこれを使用する被膜形成装置の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
本発明による加熱装置およびその製造方法並びにこれを使用する被膜形成装置の本実施の形態を図1乃至図3を用いて説明する。
【0036】
図1は本実施の形態による被膜形成装置の概略構成図、図2は本実施の形態による加熱装置の概略構成図、図3は本実施の形態による加熱装置の製造方法の説明図である。
【0037】
図1に示すように、チャンバ101の内部下方には、被加熱体である基板108を保持して加熱する加熱装置(サセプタ)10を配設している。
【0038】
また、チャンバ101の内部の加熱装置10の上方には、基板108に対して被膜原料のガス106のプラズマ107を放射することにより、基板108上に被膜109を形成する被膜原料放射手段であるプラズマ発生装置102を配設している。
【0039】
さらに、プラズマ発生装置102には、被膜原料のガス106を送給するガス供給源103および電源104を接続している。
【0040】
さらにまた、チャンバ101には、減圧手段である減圧ポンプ105を連結している。
【0041】
以上により、被膜形成装置100を構成している。
【0042】
次に、本実施の形態による加熱装置10の構成例について、図2を用いて説明する。
【0043】
一方、前記加熱装置10は、図2に示すように、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、被加熱体である基板108を支持する支持台11の内部に、加熱手段である電気抵抗式のシーズヒータ(ニクロム線をステンレスやニッケル合金等の管の内部に配設したもの)12を埋設すると共に、850℃以上(好ましくは1000℃以上)の融点を有する金属材料からなる一対の補強構造体13を、当該シーズヒータ12を上下で挟んで包囲する、すなわち当該シーズヒータ12を中心にして上下方向にほぼ対称となるようにして埋設し、かつ当該各補強構造体13同士を機械的に結合(例えば、菓子折構造等の結合手段により)している。
【0044】
ここで、支持台11を、例えばアルミニウム合金で構成する場合には、当該アルミニウム合金としては、マグネシウムおよび銅の含有量の少ないものとすることが好ましい。
【0045】
一方、前記補強構造体13としては、例えば、図4に概略平面図を、図5に概略斜視図をそれぞれ示すように、細長の板状の補強部材13aを複数枚、互いに縦,横所定の間隔bを存して格子状となるように配置してなる菓子折構造としている。
【0046】
図6(a)は前記補強部材13aの菓子折構造の一部分を示す概略平面図、図6(b)は同図6(a)の“A”部分の結合状態を示す分解斜視図である。
【0047】
図6に示すように、補強構造体13を構成する上側の補強部材13aおよび下側の補強部材13aのそれぞれ対応する箇所に切欠き13bを設けて、これらを互いに嵌め込み、かつ当該嵌め込みを、例えば溶接等により互いに接続するようにしている。
【0048】
図7は、以上のような構成の一対の補強構造体13で、前記シーズヒータ12を上下で挟んで組み込んだ状態の一例を示す外観斜視図である。
【0049】
ここで、前記各補強部材13a間の所定の間隔bとしては、補強構造体13の縦,横のサイズ、補強部材13aの材質、厚さ、幅等に基づいて、例えば、25mm〜500mmの範囲、より好ましくは、50mm〜200mmの範囲、さらにより好ましくは、100mmとなるように、適切に選定することができる。
【0050】
また、前記補強構造体13としては、例えば、ステンレス(SUS304、SUS316等)、軟鋼(SS400、SS420等)、セラミックス、鉄、鉄鋼、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金のうちのいずれかからなるものとしている。
【0051】
次に、以上のような本実施の形態による加熱装置10の製造方法について、図3を用いて説明する。
【0052】
まず、溶解炉(重油燃焼炉、ガス燃焼炉、電気炉等)でアルミニウムまたはアルミニウム合金を溶融して溶湯を取鍋に移し、溶湯中に窒素ガスを吹き込んで110〜15分程度)・溶湯を脱ガス(脱水素ガス)処理する。
【0053】
他方、対をなす補強構造体13でシーズヒータ12を上下方向に挟み、互いにずれないように補強構造体13とシーズヒータ12との間をスポット溶接等で仮止めし、図3に示すように、中央部分に穴1aを開けられた平板状の金型1(冷し金)の当該穴1a内に、シーズヒータ12の端部側を通過させ、当該シーズヒータ12および補強構造体13が金型1の表面から所定の高さに位置するように、シーズヒータ12の端部側を支承する。
【0054】
続いて、前記シーズヒータ12およびサポートプレート13を包囲するように、金型1の上面に口字状の砂型2を配設すると共に、金型1の前記穴1aの下端側とシーズヒータ12の端部側との間に、セラミックス製のシール材3を充填して当該間を塞ぎ、金型1および砂型2を予熱する(約50〜80℃)。
【0055】
次に、前記金型1および前記砂型2からなる鋳型内に前記溶湯5を鋳込むと共に、金属酸化物(例えば酸化鉄等)粉末とアルミニウム粉末とを混合した発熱性保温材4で、前記溶湯5の表面を覆う。
【0056】
ここで、溶湯5の温度は、アルミニウムの場合には680〜750℃、アルミニウム合金の場合には650〜700℃とすることが好ましい。
【0057】
これにより、溶湯5は、発熱性保温材4の発熱反応により湯面側が保温されると共に、砂型2により側面側が保温される一方、金型(冷し金)1により下方側が冷却されるため、下方側から上方側へ向かう一方向で冷却凝固していく(指向性凝固)。
【0058】
このようにして鋳造凝固することにより、気泡巣や引け巣等の欠陥を生じさせることなく、溶湯5を凝固させることができる。
【0059】
次に、溶湯5が全体にわたって凝固したら、鋳型(金型1および砂型2)から取り出し、研磨等の仕上げ処理を行なうことにより、加熱装置10を製造することができる。
【0060】
なお、このようにして加熱装置10を製造する際に、補強構造体13を構成する一部の補強部材13aの端部を、鋳型に固定するようにすることにより、作業性を良好とすることができる。
【0061】
以上のようにして製造される加熱装置10を使用したプラズマ型化学蒸着式の被膜形成装置100においては、図1に示すように、加熱装置10の支持台11上に基板(例えば、シリコン材料製)108を載置し、加熱装置10のシーズヒータ12に通電する一方、減圧ポンプ105を作動してチャンバ101内を減圧すると共に、ガス供給源103からプラズマ発生装置102にガス106(例えば、水素化シリコンガスと水素ガスとの混合ガス)を供給しながら電源104を作動させると、支持台111が加熱されて(400〜500℃)、基板108が加熱される一方、プラズマ発生装置102でガス106がプラズマ化されて、プラズマ発生装置102から基板108へ向けてプラズマ107が放射されることにより、基板108上に高性能な被膜(例えば、多結晶シリコン膜)109を効率よく形成して、半導体を製造することができる。
【0062】
従って、本実施の形態によれば、次のような種々の作用効果を得ることが可能となる。
【0063】
(a)アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる支持台11内に、850℃以上の融点を有する金属材料からなる細長の板状の補強部材を複数枚互いに所定の間隔を存して格子状となるように配置してなる菓子折構造の補強構造体13を備えて、加熱装置10を構成するようにしているので、シーズヒータ12で支持台11を400〜500℃にまで加熱しても、補強構造体13で支持台11をクリープ変形させることなく保持することができ、支持台11上に載置した被加熱体である基板108を安定して保持することができる。
【0064】
(b)各補強部材13a間の所定の間隔を、25mm〜500mmの範囲、より好ましくは50mm〜200mmの範囲、さらにより好ましくは100mmとなるようにするようにしているので、補強構造体13の補強部材13aをできる限り稠密として、支持台11と補強構造体13とを一体化することができる。
【0065】
(c)シーズヒータ12および補強構造体13を支持台11の内部に鋳込むようにして、加熱装置10を鋳造法により製造するようにしているので、前述した従来のように、支持台111に溝111aを切削加工してシーズヒータ112等を敷設した後に、当該溝111aに蓋111bを嵌合して溶接接合するようにした加熱装置110に比較べて、連続して製造することが簡単にでき、製造コストを大幅に低減することができる。
【0066】
(d)溶湯5を下方側から上方側へ向かう一方向で冷却凝固(指向性凝固)していくようにしているので、気泡巣や引け巣等の欠陥を生じさせることなく、溶湯5を凝固させることができる。
【0067】
(e)一対の補強構造体13でシーズヒータ12を上下方向に挟んで包囲する、すなわち当該シーズヒータ12を中心にして上下方向にほぼ対称となるように支持台11の内部に設けるようにしているので、シーズヒータ12による支持台11の上下方向の加熱速度が等しくなり、支持台11の上下方向における熱膨張差をなくすことができる。
このため、加熱に伴なう支持台11の反り返りを防止することができ、支持台11上に載置した被加熱体である基板108をさらに確実に安定して保持することができる。
また、各補強構造体13同士を機械的に結合するようにしているので、各補強構造体13が自由に動かないように保持することができる。
【0068】
(f)加熱装置10を製造する際に、補強構造体13を構成する一部の補強部材13aの端部を、鋳型に固定するようにしているので、作業性を良好とすることができる。
【0069】
(g)被加熱体である基板108を保持して加熱する加熱手段であるシーズヒータ12と、当該基板108に対して被膜原料を放射する被膜原料放射手段であるプラズマ発生装置102とから、被膜形成装置100を構成するようにしているので、基板108を400〜500℃の温度に加熱しながら基板108に被膜109を形成することが何ら問題なくできるため、例えば、半導体や液晶の製造に適用すれば、高性能な半導体や液晶を効率よく製造することができる。
【0070】
なお、前記加熱装置10の支持台11の材料としては、軽量で熱伝導率が高く基板108を効率よく加熱することができると共に、鋳造性が良好であり、組成成分が基板に蒸着し難く、製造された半導体や液晶に対して悪影響を及ぼすことのないアルミニウムやアルミニウム合金が望ましい。
【0071】
このアルミニウム合金においては、蒸発し易いマグネシウムを基板に蒸着すると、製造された半導体や液晶に対して悪影響を及ぼす可能性のあるマグネシウムや銅の含有量の少ないものが好ましく、例えば、日本工業規格(JIS)で規定された「AC3A」,「AC4C」,「AC4CH」等が好ましい。
【0072】
また、補強構造体13の材料としては、融点が850℃以上(好ましくは1000℃以上)の金属材料であればよい。
【0073】
なぜなら、融点が850℃未満であると、製造時に溶湯105の熱により変形してしまう虞があると共に、支持台11を400〜500℃にまで加熱した時に、当該支持台11を十分な剛性をもって保持することが困難になってしまうからである。
【0074】
特に、融点が1000℃以上であれば、前記問題を生じることが全くなくなるので、非常に好ましい。
【0075】
さらに、前記金属材料が、ステンレス、軟鋼、セラミックス、鉄、鉄鋼、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金のうちのいずれかであると、特に好ましい。
【0076】
なぜなら、ステンレス、軟鋼、鉄や鉄鋼(ステンレス等)であると、補強構造体13を低コストで製造することができ、ニッケルやニッケル合金であると、補強構造体13の耐熱性を向上させることができ、銅や銅合金であると、補強構造体13の熱伝導率を高めることができ、セラミックス、チタンやチタン合金であると、補強構造体13の軽量化を図ることができるからである。
【0077】
ちなみに、セラミックス(融点:850℃以上)からなる補強構造体13を用いると、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる支持台11と補強構造体13との熱膨張率に大きな差を生じてしまい、補強構造体13に割れやヒビ等を生じてしまう虞があるため、適用することが困難である。
【0078】
【実施例】
以下、本発明による加熱装置およびその製造方法、並びにこれを使用する被膜形成装置の一実施例について、図面を参照して具体的に説明する。
【0079】
(各補強部材間の最適な間隔の選定方法)
まず、前述した各補強部材13a間の最適な間隔bの選定方法について、図8乃至図13を用いて定量的に説明する。
【0080】
板厚5mmの各補強部材(SUS)13aを、100mmの間隔bを存して格子状となるように配置することが最も好ましい理由は、高い温度になってアルミニウムの剛性が低下しても、各補強部材13aの剛性で補なうためである。
【0081】
図8は、各補強部材13a間の間隔bと、各補強部材13aの剛性(EI)SUS/アルミニウムの剛性(EI)ALとの関係を示す特性図である。
【0082】
各補強部材13a間の間隔b=100mmで、SUS補強部材13aの剛性(EI)SUSは約0.5になり、アルミニウムの剛性(EI)ALの1/2となることがわかる。
【0083】
各補強部材13a間の間隔b=100mmは、アルミニウムが剛性を無くしても(クリープで)、各補強部材13aで剛性を50%補償することが期待できる。
【0084】
各補強部材13a間の間隔b=300mmでは、補強部材の剛性が17%になり不十分である。
【0085】
従って、各補強部材13a間の所定の間隔bを、50mm〜200mmの範囲とすることが好ましい。
【0086】
次に、各補強部材13a間の間隔bを100mmにした場合(ケース1)、各補強部材13a間の間隔bを200mmにした場合(ケース2)のそれぞれにおける補強部材13aの剛性(EI)1、(EI)2について、図9を用いて比較して説明する。
【0087】
図10に示すように、上下面の温度差△tによる弾性変位δeは、
(T=300℃の場合)
図11に示すように、
【数1】
△t=2×24×365=1.752×104 Hr
K=k/{B・2n/(2n+1)・(H/2)2+1/n}n
M0=BH2Eα・△T/(12(1−ν))
L=375mm
B=100mm
H=60mm
k=1.31597×10−11
n=4.3055
E=3×105MPa
α=23×10−6/℃
ν=0.355
図12は、以上説明した△Tと変位との関係について整理して示した図である。
【0088】
図12から、補強は有効であることがわかる。
【0089】
(T=500℃の場合)
図13に示すように、
【数2】
K=k/{B・2n/(2n+1)・(H/2)2+1/n}n
M0=BH2Eα・△T/12(1−ν)
L=375mm
B=100mm
H=60mm
k=1.0424×10− 5
n=4.3055
E=3×105MPa
α=23×10−6/℃
ν=0.355
図14は、以上説明した△Tと変位との関係について整理して示した図である。
【0090】
500℃では、補強が特に有効であることがわかる。
【0091】
(加熱装置のクリープ試験結果)
次に、本発明による加熱装置のクリープ試験結果について、図15乃至図20を用いて具体的に説明する。
【0092】
我々は、供試体として、400×200×60mmの加熱装置(ホットプレート 材質:主にアルミニウム)の高温クリープ試験を行ない、加熱装置内部に井げた状の補強を行なった結果を確認するために、試験温度300℃および500℃にて、100時間(H)のクリープ試験を実施した。
【0093】
なお、比較材として、補強を行なわないものについても実施した。
【0094】
(a)供試体
供試体として、補強材なし(300℃および500℃クリープ試験)のものを供試体No.1およびNo.2とし、補強材あり(300℃および500℃クリープ試験)のものを供試体No.3およびNo.4とした。
【0095】
(b)試験条件
図15に、試験条件を一覧表として示している。
【0096】
なお、負荷荷重の値は、供試体と同一寸法の加熱装置単純支持条件での中央部集中荷重におけるクリープ変形予測値から算出したものである。
【0097】
(c)試験結果
(c−1)500℃、100Hクリープ(供試体No.1、No.2)
図16に試験結果一覧表、図17に変異履歴をそれぞれ示している。
【0098】
補強なしの100Hクリープ変位は、3.55mm、補強ありの100Hクリープ変位は、0.05mmであった。
【0099】
この試験結果から、補強ありのクリープ変位は、補強なしのクリープ変位の1.4%程度であり、補強の効果が出ていることがわかる。
【0100】
(c−2)300℃、100Hクリープ(供試体No.3、No.4)
図18に試験結果一覧表、図19に変異履歴をそれぞれ示している。
【0101】
補強なしの100Hクリープ変位は、2.89mm、補強ありの100Hクリープ変位は、0.34mmであった。
【0102】
この試験結果から、補強ありのクリープ変位は、補強なしのクリープ変位の11.7%程度であり、補強の効果が出ていることがわかる。
【0103】
以上から、図20に示すように、500℃、300℃の条件下では、加熱装置内部に補強を行なうことにより、クリープ変形を大幅に低減できることが確認できた。
【0104】
(その他の実施の形態)
尚、本発明は、前記各実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形して実施することが可能である。
例えば、前述した実施の形態において、前記補強部材13aに、凹凸を形成するようにしてもよい。
【0105】
すなわち、補強構造体13の補強部材13aに凹凸を形成するようにすることにより、支持台11と補強構造体13とが滑らない(ずれない)ようにすることが可能となる。
【0106】
また、前述した実施の形態では、金型1を介して溶湯5を自然冷却するようにしたが、金型1を水冷して溶湯5を強制冷却するようにしてもよい。
【0107】
さらに、前述した実施の形態では、加熱装置10,20,30で基板108を保持して加熱し、プラズマ発生装置102から基板108へ向けて被膜原料のガス106のプラズマ107を放射することにより、基板108に被膜109を形成して半導体や液晶等を製造するプラズマ型化学蒸着式被膜形成装置100の場合について説明したが、これに限らず、被加熱体を保持して加熱する加熱装置と、被加熱体に対して被膜原料を放射する被膜原料放射手段とを備えて成る被膜形成装置であれば、前述した実施の形態の場合と同様に本発明を適用することができる。
【0108】
一方、各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合には組合わせた作用効果を得ることができる。
さらに、前記各実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより、種々の発明を抽出することができる。
例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも一つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果(の少なくとも一つ)が得られる場合には、この構成要件が削除された構成を発明として抽出することができる。
【0109】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の加熱装置によれば、細長の板状の補強部材を複数枚互いに所定の間隔を存して格子状となるように配置してなる菓子折構造の補強構造体を備えるようにしているので、加熱手段で支持台を400〜500℃にまで加熱しても、補強構造体で支持台をクリープ変形させることなく保持することができ、支持台上に載置した被加熱体を安定して保持することが可能となる。
【0110】
また、本発明の加熱装置によれば、補強構造体を、加熱手段を中心にして上下方向にほぼ対称となるように一対配設するようにしているので、加熱手段による支持台の上下方向の加熱速度が等しくなり、支持台の上下方向における熱膨張差をなくすことができるため、加熱に伴なう支持台の反り返りを防止することができ、支持台上に載置した被加熱体をさらに確実に安定して保持することが可能となる。
【0111】
また、各補強構造体同士を機械的に結合するようにしているので、各補強構造体が自由に動かないように保持することが可能となる。
【0112】
さらに、本発明の加熱装置によれば、各補強部材間の所定の間隔を、25mm〜500mmの範囲、より好ましくは50mm〜200mmの範囲、さらにより好ましくは100mmとなるようにしているので、補強構造体の補強部材をできる限り稠密として、支持台と補強構造体とを一体化することが可能となる。
【0113】
一方、本発明の加熱装置によれば、補強構造体の補強部材に凹凸を形成するようにしているので、支持台と補強構造体とが滑らない(ずれない)ようにすることが可能となる。
【0114】
また、本発明の加熱装置によれば、アルミニウム合金を、マグネシウムおよび銅の含有量の少ないものとするようにしているので、悪影響を与えることなく半導体や液晶を製造することが可能となる。
【0115】
さらに、本発明の加熱装置によれば、補強構造体を、ステンレス、軟鋼、セラミックス、鉄、鉄鋼、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金のうちのいずれかからなるものとするようにしているので、ステンレスや軟鋼や鉄や鉄鋼であると、補強構造体を低コストで製造することができ、ニッケルやニッケル合金であると、補強構造体の耐熱性を向上させることができ、銅や銅合金であると、補強構造体の熱伝導率を高めることができ、セラミックスやチタンやチタン合金であると、補強構造体の軽量化を図ることが可能となる。
【0116】
一方、本発明の加熱装置の製造方法によれば、下部側が金型からなると共に側面側が砂型からなる鋳型の内部に加熱手段および補強構造体を配設し、当該鋳型内にアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を鋳込むと共に、当該溶湯の湯面上を発熱性保温材で覆うことによって、当該溶湯を下方側から上方側へ向かって指向性凝固させて鋳造するようにしているので、前述した従来のように、支持台に溝を切削加工して加熱手段等を当該溝内に敷設した後に蓋を嵌合して溶接接合する場合よりも、連続して製造することが簡単にでき、製造コストを大幅に低減することが可能となる。
【0117】
また、本発明の加熱装置の製造方法によれば、加熱装置を製造する際に、補強構造体を構成する一部の補強部材の端部を、鋳型に固定するようにしているので、作業性を良好とすることが可能となる。
【0118】
さらに、本発明の被膜形成装置によれば、被加熱体を保持して加熱する加熱装置と、当該被加熱体に対して被膜原料を放射する被膜原料放射手段とを備えるようにしているので、被加熱体を400〜500℃の温度に加熱しながら被加熱体に被膜を形成することが何ら問題なくできるため、例えば、半導体や液晶の製造に適用すれば、高性能な半導体や液晶を効率よく製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による被膜形成装置の一実施の形態を示す概略構成図。
【図2】本発明による加熱装置の一実施の形態を示す概略構成図。
【図3】本発明による加熱装置の製造方法を説明するための断面図。
【図4】本発明による加熱装置における補強構造体の一構成例を示す概略平面図。
【図5】本発明による加熱装置における補強構造体の一構成例を示す概略斜視図。
【図6】本発明による加熱装置における補強構造体の補強部材の菓子折構造の一部分を示す概略平面図および分解斜視図。
【図7】本発明による加熱装置における補強構造体で、シーズヒータを上下で挟んで組み込んだ状態の一例を示す外観斜視図。
【図8】本発明による加熱装置の実施例に基づく、各補強部材間の間隔と、各補強部材の剛性(EI)SUS/アルミニウムの剛性(EI)ALとの関係を示す特性図。
【図9】本発明による加熱装置の実施例に基づく、補強部材の剛性(EI)1、(EI)2について説明するための図。
【図10】本発明による加熱装置の実施例に基づく、上下面の温度差△tによる弾性変位δeの状態を示す図。
【図11】本発明による加熱装置の実施例に基づく、クリープ変位について説明するための図(T=300℃の場合)。
【図12】本発明による加熱装置の実施例に基づく、△Tと変位との関係について整理して示す図。
【図13】本発明による加熱装置の実施例に基づく、クリープ変位について説明するための図(T=500℃の場合)。
【図14】本発明による加熱装置の実施例に基づく、△Tと変位との関係について整理して示す図。
【図15】本発明による加熱装置の試験条件の一覧を示す図。
【図16】本発明による加熱装置の試験結果の一覧を示す図。
【図17】本発明による加熱装置の変異履歴を示す図。
【図18】本発明による加熱装置の試験結果の一覧を示す図。
【図19】本発明による加熱装置の変異履歴を示す図。
【図20】本発明による加熱装置内部に補強を行なうことにより、クリープ変形を大幅に低減できることを説明するための図。
【図21】従来の加熱装置の一例を示す概略構成図。
【符号の説明】
1…金型
1a…穴
2…砂型
3…シール材
4…発熱性保温材
5…溶湯
10…加熱装置
11…支持台
12…シーズヒータ
13…補強構造体
13a…補強部材
13b…切欠き
100…被膜形成装置
101…チャンバ
102…プラズマ発生装置
103…ガス供給源
104…電源
105…減圧ポンプ
106…ガス
107…プラズマ
108…基板
109…被膜。
Claims (11)
- アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、被加熱体を支持する支持台と、
前記支持台の内部に設けられて、前記被加熱体を加熱する加熱手段と、
前記支持台の内部に設けられて、850℃以上の融点を有する金属材料からなる補強構造体とを備えて成り、
前記補強構造体としては、細長の板状の補強部材を複数枚互いに所定の間隔を存して格子状となるように配置してなる菓子折構造としたことを特徴とする加熱装置。 - 前記請求項1に記載の加熱装置において、
前記補強構造体としては、前記加熱手段を中心にして上下方向にほぼ対称となるように一対配設し、かつ当該各補強構造体同士を機械的に結合したことを特徴とする加熱装置。 - 前記請求項1または請求項2に記載の加熱装置において、
前記各補強部材間の所定の間隔としては、25mm〜500mmの範囲となるようにしたことを特徴とする加熱装置。 - 前記請求項3に記載の加熱装置において、
前記各補強部材間の所定の間隔としては、50mm〜200mmの範囲となるようにしたことを特徴とする加熱装置。 - 前記請求項4に記載の加熱装置において、
前記各補強部材間の所定の間隔としては、100mmとなるようにしたことを特徴とする加熱装置。 - 前記請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の加熱装置において、
前記補強部材に、凹凸を形成したことを特徴とする加熱装置。 - 前記請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の加熱装置において、
前記アルミニウム合金としては、マグネシウムおよび銅の含有量の少ないものとしたことを特徴とする加熱装置。 - 前記請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の加熱装置において、
前記補強構造体としては、ステンレス、軟鋼、セラミックス、鉄、鉄鋼、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金のうちのいずれかからなるものとしたことを特徴とする加熱装置。 - 前記請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の加熱装置の製造方法であって、
下部側が金型からなると共に側面側が砂型からなる鋳型の内部に、前記加熱手段および前記補強構造体を配設し、
前記鋳型内にアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を鋳込むと共に、当該溶湯の湯面上を発熱性保温材で覆うことにより、当該溶湯を下方側から上方側へ向かって指向性凝固させて鋳造するようにしたことを特徴とする加熱装置の製造方法。 - 前記請求項9に記載の加熱装置の製造方法において、
前記補強構造体を構成する一部の補強部材の端部を、前記鋳型に固定するようにしたことを特徴とする加熱装置の製造方法。 - 被加熱体を保持して加熱する前記請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の加熱装置と、
前記被加熱体に対して被膜原料を放射する被膜原料放射手段と、
を備えて成ることを特徴とする被膜形成装置。
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2002
- 2002-08-01 JP JP2002224625A patent/JP2004071172A/ja not_active Withdrawn
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