JP2004069668A - 物体の変形特性測定方法及びその装置 - Google Patents

物体の変形特性測定方法及びその装置 Download PDF

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Makoto Kaneko
金子 真
Yukio Hosaka
保坂 幸男
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Abstract

【課題】被測定物の形状によらず圧力を均一に付与するとともに、被測定物からの衝撃を緩和し、さらには、被測定物を衛生的に、かつ、被測定物を傷つけることなく変形特性を測定することができる物体の変形特性測定方法及びその装置を提供する。
【解決手段】被測定物に加圧空気を連続的又はパルス状に噴射して非接触で加振する空気ノズル10と、前記加圧空気の振幅,振動周波数又はデューティー比を変化させるための圧力制御弁14と、被測定物に与えた加振力によって生じる加速度,速度,変位のうち、少なくともいずれか1つを測定する振動測定センサ11とを備え、さらに、前記空気ノズルからの加振力と当該被測定物からの加速度,速度,変位の少なくともいずれか1つとの間の伝達特性から、物体の変形特性を演算する演算・表示装置16を備えた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体の変形特性を測定する方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
物体に加振力を作用させ、物体の機械インピーダンスを測定することは公知である。例えば、物体の粘性、弾性又は質量の測定には、振幅のある周期的な加振力(入力)を物体上に作用させ、その作用点あるいは同じ物体上の他の一点で、加振力によって生ずる加速度,速度,変位の周期的な応答(出力)を測定すれば、加振力と加速度,速度,変位などとの間の伝達特性が求められ、物体の変形特性を知ることができる。この物体の機械インピーダンスを測定する技術は、弾性と粘性(塑性)とを兼ね備えた粘弾性体の力学的挙動を構造論的に解明すること及び製品の性能向上に役立てるうえで重要になる。例えば、工業材料であれば、プラスチック、繊維、ゴム、パルプ、油脂、接着剤、セラミック、薬品などが対象となり、その他、果実、食肉、魚介類など生鮮食品の分野や、麺類など加工食品の分野や、胃壁などの生体内腔部等又は皮膚や筋肉などの生体表面部等の生体の分野も対象となる。
【0003】
従来、物体、特に、粘弾性体の硬さを客観的に、また、精度よく正確に測定する装置としては、「探触子」(又はアクチュエータ)により、被測定物に直接接触させて振動を与え、被測定物からの機械インピーダンスを測定するものが一般的である。例えば、特開平3−81641号公報に開示される「物質の硬さ特性測定方法及び装置」では、圧電振動子を増幅回路部と周波数測定器又は電圧測定器よりなる計測部で構成される自励発振回路に組み込み、対象物と接触していないときの固有振動数と対象物に接触しているときの固有振動数を、圧電素子により検出した振動数より求め、両者の差から対象物の硬さ柔らかさを検出する装置及び方法である。
【0004】
また、特許第3257563号公報に開示される「硬さ測定装置及び硬さ測定用プローブ」では、生体表面を振動させるための振動発生手段と、振動する表面の加速度を検出するための加速度検出手段とが備えられているが、生体表面を振動させるための振動発生手段は圧電セラミックを用いたバイブレータにより振動を与えるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平3−81641号公報に開示される「物質の硬さ特性測定方法及び装置」では、圧電振動子や圧電型加速度ピックアップが被測定物に直接接触するので、食品分野(例えば、上記公報の測定例では被測定物がゼラチンである。)であれば非衛生的であるという問題点がある。また、被測定物の形状によっては、圧電振動子や圧電型加速度ピックアップの接触角度や、接触面が均一ではなく、偏った接触となる問題点があった。さらに、被測定物が硬いものであれば、圧電振動子や圧電型加速度ピックアップが強制振動により破壊される虞(おそれ)がある。
【0006】
一方、特許第3257563号公報に開示される「硬さ測定装置及び硬さ測定用プローブ」では、生体表面を振動させるための振動発生手段が圧電セラミックを用いたバイブレータにより振動を与えるものであるから、皮膚などの生体表面を傷つける虞がある。
【0007】
本発明は上記問題点にかんがみ、被測定物の形状によらず圧力を均一に付与するとともに、被測定物からの衝撃を緩和し、さらには、被測定物を衛生的に、かつ、被測定物を傷つけることなく変形特性を測定することができる物体の変形特性測定方法及びその装置を提供することを技術的課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、連続的又は周期的な加振力を被測定物に作用させ、該加振力によって生ずる加速度,速度,変位の周期的な応答のうちの少なくとも1つを測定し、前記加振力と当該被測定物からの加速度,速度,変位の少なくともいずれか1つとの間の伝達特性から物体の変形特性を測定する方法であって、前記加振力は、被測定物に加圧空気を連続的又はパルス状に噴射して非接触で加振する、という技術的手段を講じた。
【0009】
これにより、被測定物に加圧空気を連続的又はパルス状に噴射して非接触で加振するので、被測定物となる物体の形状によらず圧力を均一に付与することが可能で、いかなる形状の被測定物であっても変形特性を測定することができる。また、加振力が圧縮性のある加圧空気であるから被測定物からの衝撃を緩和することができる。さらには、非接触であるから被測定物を衛生的に、かつ、傷つけることなく変形特性を測定することができる。
【0010】
また、被測定物の変形特性と、予め記憶した物体の変形特性とを比較照合して、当該被測定物の物体の硬さを推定するから、例えば、被測定物の硬さと物体の真の硬さとを比較して、被測定物の品質を推定したり、また、被測定物となる物体の硬さを推定して、物体の特定を行なうことが可能となる。
【0011】
そして、前記被測定物の物体により加振力の振幅や、加振力の振動周波数を変更して、被測定物となる物体に応じて最適な振幅や、振動周波数を選択し、高精度に物体の変形特性を測定することが可能となる。
【0012】
また、前記振動周波数を変化させるために噴風周期を変更して振動を加えたり、前記噴風時間を変化させるためにデュティー比を変更して振動を加えることもできる。
【0013】
さらに、前記加振力によって生じる加速度,速度,変位のうち、少なくともいずれか1つを測定する手段として、被測定物に照射されたレーザー光が被測定物の振動によってドップラー効果を受けることを利用して測定するものである場合、被測定物表面の反射率の影響を受けにくく、かつ、非接触で高精度に被測定物の内部の振動状態を把握することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は物体の変形特性を測定する装置の機器構成を示す概略図である。図1において、符号1は被測定物となる粘弾性体であり、テーブル2上の試料台3にステンレス製の皿状容器4を載置し、該皿状容器4の上面に5mm厚のスポンジ状の膜5を張設したものである。該粘弾性体1はスポンジ状膜5内部に空気6が充満した空気枕形状であり、柔軟性が保持されている。
【0015】
粘弾性体1の側部には、脚部7及び腕部8からなる組み立て式の鉄製スタンド9が立設してあり、腕部8先端には、粘弾性体1に向けて加圧空気を噴射するノズル10と、レーザー変位計のセンサーヘッド11とが挟持されている。ノズル10と粘弾性体1との距離は、粘弾性体1になるべく空気圧がかかる距離に設定すればよく、例えば、ノズル10先端と粘弾性体1表面との距離を5mmに設定して配置している。また、センサーヘッド11は、レーザー変位計の仕様に従い、粘弾性体1との距離を常時3cmに設定し、その点を零点として測定を行った。
【0016】
加圧空気を噴射するノズル10には、空気を送る装置が接続されている。すなわち、エアーを送り出すコンプレッサー12と、該コンプレッサー12から送り出すエアーの圧力を制御するためのエアーレギュレータ13(圧力調整弁又は減圧弁)と、メインバルブとなる電磁弁14とをチューブ15を介して接続している。そして、エアレギュレータ13は、エアーが該エアレギュレータ13の入口から出口へと流れるときに、出口の圧力を制御する構造になっている。エアレギュレータ13内でエアーが出口側で流れないで圧力が高まってきたときには、入ってくるエアーを大気に開放して逃がす動作(リリーフ動作)が行われる。また、メインバルブとなる電磁弁14は、コンプレッサー12からのエアーが加圧されて保持されており、エアーの噴出を可能とするべく、パーソナルコンピュータ16からRS−232Cケーブル17を介して接続されたコントロールボックス18から電磁弁14への開閉信号が出力される。つまり、パーソナルコンピュータ16から任意パルスのデューティー比信号が送信されると、RS−232Cケーブル17を介してコントロールボックス18に信号が送られ、コントロールボックス18からは信号に応じて電磁弁14を開閉駆動させ、加圧空気が噴射されることになる。電磁弁14からは、接続管19と連絡チューブ20を介してノズル10に連絡している。また、ノズル10先端には圧力センサ21を取り付けて、該圧力センサ21からは信号線22を介してパーソナルコンピュータ16に接続するとともに、レーザー変位計のセンサーヘッド11からは信号線23を介してパーソナルコンピュータ16内に接続する。
【0017】
図2はパーソナルコンピュータ16などの演算・表示装置の内部構成を示す概略ブロック図である。パーソナルコンピュータ16には、レーザー変位計のセンサーヘッド11が信号線23を介して接続されるとともに、圧力センサ21から得られた情報を信号線22により接続する。パーソナルコンピュータ16内には、ある一定時間間隔で信号をサンプリングするサンプリング部24と、該サンプリング部24からの信号をアナログ・デジタル変換するA/D変換部25とA/D変換部25からの時系列信号を相対的に比較するか、又は予め記憶したデータと比較して、該比較値から当該粘弾性体の変形特性を取得し、該変形特性から粘弾性体の材料を特定する比較・演算部26と、ROM及びRAMから構成される記憶部27とを備えている。さらに、パーソナルコンピュータ16には、比較・演算部26から得られた情報を表示する表示部28が接続されている。以上の構成によると、生波形解析では困難な粘弾性体の変形特性が、パーソナルコンピュータ16による各種演算手法により容易に実現可能となるのである。
【0018】
次に、上記構成における作用を説明する。
【0019】
被測定物に対して、電磁弁14を開閉駆動させると、パルス状の空気がノズル10から噴射される。この時の被測定物の振動状態をレーザー変位計のセンサーヘッド11にて測定するのである。パルス状に加圧空気を噴射させるためには、電磁弁14を連続的にオン・オフ制御すればよく、タイマなどを変更すればパルスの周期を変更することが可能である。また、加圧空気の圧力を変更させるため、振幅を変えることも可能である。さらには、図3のように、電磁弁14のオン・オフタイムの1周期をT1とし、電磁弁14のオンタイムをT2としてその比をとれば、デューティー比が算出される。
【数1】
Figure 2004069668
【0020】
このデューティー比が大きいということは、電磁弁14のオンタイムが長い(噴風時間が長い)ということであり、平均的に加圧空気の噴風に大きな力を発生することになる。また、T1とT2が同じ値にすれば、加圧空気を連続的に噴射することができる。このデューティー比はパーソナルコンピュータ16により自由に制御することができる。
【0021】
物体の変形特性を測定する際、被測定物1を粘弾性体として質量m、ばねk、ダンパcによる機械振動系のモデルとして表すことができる(図4参照)。そして、このモデルに対し、上方から加圧空気による加振力を作用させると、自由振動と強制振動とを合成した振動が生じ、共振点が生じる。このとき、測定箇所を変えたり、被測定物を変更したときの固有振動数を比較すれば、等価剛性(硬さ)、等価粘性、等価質量などの物体の変形特性が測定できるのである。そして、被測定物に加圧空気を連続的又はパルス状に噴射して非接触で加振するから、被測定物となる物体の形状によらず圧力を均一に付与することが可能で、いかなる形状の被測定物であっても変形特性を測定することができる。また、加振力が圧縮性のある加圧空気であるから被測定物からの衝撃を緩和することができる。さらには、非接触であるから被測定物を衛生的に、かつ、傷つけることなく変形特性を測定することができる。
【0022】
さらに、図4のモデルを詳述する。被測定物に加圧空気を連続的又はパルス状に噴射して加振すると、例えば、周期的な外力が作用する強制振動の運動と考えられ、運動方程式は(1)式のようになる。
【数2】
Figure 2004069668
ここで、加振力Fを与えたときの未知数が質量m、粘性率k、弾性率cとなるから、複数個の連立方程式をたてると(2)式のようになる。
【数3】
Figure 2004069668
以上の複数の式を行列でまとめると、(3)式のようになる。
【数4】
Figure 2004069668
そして、行列の各項をおきかえて、
【数5】
Figure 2004069668
【数6】
Figure 2004069668
となる。そして、このときの最小二乗近似解は(5)式のようになる。
【数7】
Figure 2004069668
【0023】
以上のように機械インピーダンスの形で加振力に対する応答が求められるならば、質量m、粘性率c、弾性率kの各特性を求めることが可能となる。
【0024】
【実施例1】
供試材料としては、(a)5mm厚のスポンジ状の膜5をステンレス製の皿状容器4の上面に張設したものに、50Hzの空気パルスを2秒間印加したもの、(b)スポンジ状の膜5の代わりにステンレス製の皿状容器4の上面に厚紙を張設したもの、(c)スポンジ状の膜5の代わりにステンレス製の皿状容器4の上面に薄い鉄板を張設したもの、を使用した。そして、供試材料(a)の振動状態の測定結果を図5に、供試材料(b)の振動状態の測定結果を図6に、供試材料(c)の振動状態の測定結果を図7にそれぞれ示す。
【0025】
以上の測定結果より、(a)のスポンジについては、パルス印加直後に特徴的な過渡応答が見出され、スポンジの柔軟特性が顕れていると考えられる。(b)の厚紙については、時間が経過するにつれて、徐々に一定の変位に落ち着いていった。(c)の鉄板については、変位は全く検出できなかった。以上のことから、被測定物にある周波数のパルス状空気噴流を照射すると、被測定物の硬さに応じて定常状態の変位振幅の大きさに違いがみられ、また、過渡応答にも違いがみられることから、非接触で被測定物となる粘弾性体の振動状態から硬さを知ることできる。
【0026】
そして、例えば、被測定物の変形特性と、予め記憶した物体の変形特性とを比較照合して、当該被測定物の物体の硬さを推定すると、被測定物の硬さと物体の真の硬さとを比較して、被測定物の品質を推定したり、また、被測定物となる物体の硬さから物体の特定を行なうことが可能となる。
【0027】
なお、本発明の物体の変形特性測定方法及びその装置は、本出願人らが提案した特願2002−125923に開示される内視鏡に適用することもでき、これにより、胃壁などの生体内腔部の硬さを測定する分野にも応用することができる。この他、皮膚や筋肉などの生体表面部等の硬さを測定する分野や、工業材料であれば、プラスチック、繊維、ゴム、パルプ、油脂、接着剤、セラミック、薬品などの変形特性を特定する分野、果実、食肉、魚介類など生鮮食品の変形特性を特定する分野や、麺類など加工食品の変形特性を特定する分野、つまり、粘弾性体となる材料の全ての分野において、その変形特性を測定することができる。
【0028】
上記実施形態においては、加圧空気を噴射するノズル10先端に、圧力センサ21を取り付け、出口の空気圧力を制御する構成になっている(図1参照)。これは、本来、非接触測定では、印加圧力の測定が困難であるということに起因している。しかし、超高速の噴射弁を使用すれば、シャープな力を付与することが可能で、目標となる理想の加圧力に近づけることができる。すなわち、圧力センサ21を取り除き、事前にキャリブレーションを行って、圧力調節をしておけば圧力センサ21を必要としない力センサレスでの粘弾性測定が可能となる。これにより、圧力空気を噴射するノズルが内視鏡であった場合、ノズル先端に圧力センサ21がないので、圧力センサ21のスペース確保の問題が解消でき、圧力センサ21が脱落して生体内に残留するなどの医療事故に繋がることはなく、また、圧力センサ21自体がないため、コストダウンになる。
【0029】
【実施例2】
[印加力のキャリブレーション]
図8は、加圧空気を噴射するノズル10の先端に圧力センサ21を取り除いた測定装置を示す概略図であり、事前にキャリブレーションを行って加圧力を調節する。キャリブレーションの方法としては、試料台3上にデジタルはかり29を設置し、鉄製スタンド9の腕部8を上下させて、その時々の空気圧(等価印加力)を測定するとよい。その測定結果は図9のようになる(粘弾性測定では被測定物から上方に10mm離れた距離から空気を印加するので、10mmの時の力を目標値の定常値として用いている)。
【0030】
[電磁弁の動作特性]
電磁弁の切り替えによる空気の出力特性を確認するための予備実験を行った。測定方法としては、実験システムのエアホースの真下に圧力センサを設置し、パーソナルコンピュータにより目標値をステップ状に指令した時の圧力を測定した。その結果を図10に示す。また、図10の立ち上がり部分の拡大図(図11)より、多少のオーバーシュートはあるものの、1ms以内で目標値への立ち上がりを達成していることが分かる。したがって、硬さ測定に際して実際の印加力を印加力目標値で置き換えても差し支えない。
【0031】
[粘弾性測定例]
プラスチック板の粘弾性について、図12に示すようなステップ状の目標値に対して変位応答を測定した結果を図13,図14に実線で示す。図13及び図14に付記したm、c、kはそれぞれ、図10の事前に測定した値を用いた場合と、図12に示すような目標値を用いた場合のパラメータ推定結果を示すものである。なお、図13及び図14の破線は推定したパラメータから変位応答を再現したものである。その結果、いずれの場合においても再現変位データと計測変位データとの良好な一致が見える。これより、パラメータ推定が精度よく行われていることが分かる。以上より、力センサレス方式の有効性が確認できる。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、連続的又は周期的な加振力を被測定物に作用させ、該加振力によって生ずる加速度,速度,変位の周期的な応答のうちの少なくとも1つを測定し、前記加振力と当該被測定物からの加速度,速度,変位の少なくともいずれか1つとの間の伝達特性から物体の変形特性を測定する方法であって、前記加振力は、被測定物に加圧空気を連続的又はパルス状に噴射して非接触で加振する、という技術的手段を講じた。
【0033】
これにより、被測定物に加圧空気を連続的又はパルス状に噴射して非接触で加振するので、被測定物となる物体の形状によらず圧力を均一に付与することが可能で、いかなる形状の被測定物であっても変形特性を測定することができる。また、加振力が圧縮性のある加圧空気であるから被測定物からの衝撃を緩和することができる。さらには、非接触であるから被測定物を衛生的に、かつ、傷つけることなく変形特性を測定することができる。
【0034】
また、被測定物の変形特性と、予め記憶した物体の変形特性とを比較照合して、当該被測定物の物体の硬さを推定するから、例えば、被測定物の硬さと物体の真の硬さとを比較して、被測定物の品質を推定したり、また、被測定物の物体の硬さを推定して、物体の特定を行なうことが可能となる。
【0035】
そして、前記被測定物の物体により加振力の振幅や、加振力の振動周波数を変更して、被測定物となる物体に応じて最適な振幅や、振動周波数を選択し、高精度に物体の変形特性を測定することが可能となる。
【0036】
また、前記振動周波数を変化させるために噴風周期を変更して振動を加えたり、前記噴風時間を変化させるためにデューティー比を変更して振動を加えることもできる。
【0037】
さらに、前記加振力によって生じる加速度,速度,変位のうち、少なくともいずれか1つを測定する手段として、被測定物に照射されたレーザー光が被測定物の振動によってドップラー効果を受けることを利用して測定するものである場合、被測定物表面の反射率の影響を受けにくく、かつ、非接触で高精度に被測定物の内部の振動状態を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】物体の変形特性を測定する装置の機器構成を示す概略図である。
【図2】パーソナルコンピュータなどの演算・表示装置の内部構成を示す概略ブロック図である。
【図3】電磁弁の周期とオンタイムとを示すチャートである。
【図4】被測定物を粘弾性体として機械振動系で表したモデルである。
【図5】供試材料(a)の振動状態の測定結果である。
【図6】供試材料(b)の振動状態の測定結果である。
【図7】供試材料(c)の振動状態の測定結果である。
【図8】加圧空気を噴射するノズルの先端に圧力センサを取り除いた測定装置を示す概略図である。
【図9】加圧空気の印加力のキャリブレーションを示す図である。
【図10】空気噴流の立ち上がり特性を示す図である。
【図11】印加力データ(実験値)を示す図である。
【図12】印加力データ(目標値)を示す図である。
【図13】計測変位データ(実線)、再現データ(破線)、及び推定値(印加力が実験値)を示す図である。
【図14】計測変位データ(実線)、再現データ(破線)、及び推定値(印加力が目標値)を示す図である。
【符号の説明】
1 粘弾性体
2 テーブル
3 試料台
4 皿状容器
5 膜
6 空気
7 脚部
8 腕部
9 鉄製スタンド
10 ノズル
11 センサーヘッド
12 コンプレッサー
13 エアーレギュレータ
14 電磁弁
15 チューブ
16 パーソナルコンピュータ
17 RS−232Cケーブル
18 コントロールボックス
19 接続管
20 連絡チューブ
21 圧力センサ
22 信号線
23 信号線
24 サンプリング部
25 AD変換部
26 比較・演算部
27 記憶部
28 表示部
29 デジタルはかり

Claims (12)

  1. 連続的又は周期的な加振力を被測定物に作用させ、該加振力によって生ずる加速度,速度,変位の周期的な応答のうちの少なくとも1つを測定し、前記加振力と当該被測定物からの加速度,速度,変位の少なくともいずれか1つとの間の伝達特性から物体の変形特性を測定する方法であって、
    前記加振力は、被測定物に加圧空気を連続的又はパルス状に噴射して非接触で加振することを特徴とする物体の変形特性測定方法。
  2. 被測定物の変形特性と、予め記憶した物体の変形特性とを比較照合して、当該被測定物の物体の硬さを推定してなる請求項1記載の物体の変形特性測定方法。
  3. 前記被測定物の物体により加振力の振幅を変更してなる請求項1又は2記載の物体の変形特性測定方法。
  4. 前記被測定物の物体により加振力の振動周波数を変更してなる請求項1乃至3記載の物体の変形特性測定方法。
  5. 前記振動周波数を変化させるために噴風周期を変更してなる請求項4記載の物体の変形特性測定方法。
  6. 前記噴風時間を変化させるためにデューティー比を変更してなる請求項4記載の物体の変形特性測定方法。
  7. 前記加振力によって生じる加速度,速度,変位のうち、少なくともいずれか1つを測定する手段として、被測定物に照射されたレーザー光が被測定物の振動によってドップラー効果を受けることを利用して測定してなる請求項1から請求項6のいずれかに記載の物体の変形特性測定方法。
  8. 被測定物に加圧空気を連続的又はパルス状に噴射して非接触で加振する空気ノズルと、前記加圧空気の振幅,振動周波数又はデューティー比を変化させるための圧力制御弁と、被測定物に与えた加振力によって生じる加速度,速度,変位のうち、少なくともいずれか1つを測定する振動測定センサとを備え、さらに、前記空気ノズルからの加振力と当該被測定物からの加速度,速度,変位の少なくともいずれか1つとの間の伝達特性から、物体の変形特性を演算する演算・表示装置を備えたことを特徴とする物体の変形特性測定装置。
  9. 前記演算・表示装置は、被測定物の変形特性と、予め記憶した物体の変形特性とを比較照合して、当該被測定物の物体の硬さを推定してなる請求項8記載の物体の変形特性測定装置。
  10. 前記演算・表示手段により前記圧力制御弁を制御して、加圧空気の噴風周期を変更するとともに、振動周波数を変更してなる請求項8又は9記載の物体の変形特性測定装置。
  11. 前記演算・表示手段により前記圧力制御弁の周期と、該圧力制御弁のオンタイムとの比をとってデューティー比を算出するとともに、該デューティー比を変更して噴風時間を変更してなる請求項8又は9記載の物体の変形特性測定装置。
  12. 前記振動測定センサは、被測定物に照射されたレーザー光が被測定物の振動によってドップラー効果を受けることを利用したものを使用する請求項8から11のいずれかに記載の物体の変形特性測定装置。
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