JP3726794B2 - 応力に対する表面特性の評価方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚等の生体組織を始めとする粘弾性を有する種々の物質の応力に対する弾力性、柔軟性、弛み度等の表面特性の評価方法及び評価装置に関し、より詳しくは、圧縮ガスを被測定部に噴射したときの、被測定部の表面変位の時間変化等に基づいて、非侵襲で被測定部の弾力性、柔軟性、弛み度等の表面特性を評価する方法と、この方法を実施する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、皮膚等の生体組織の弾力性の評価方法としては、皮膚等を減圧で吸引したときのその変形を計測することにより弾性率を求める吸引法(特許文献1参照)が知られている。この他、皮膚の応力に対する表面特性の評価方法としては、皮膚を機械的に持ち上げたり押し込んだりしたときの皮膚の変形を計測する牽引又は圧搾法、皮膚表面に垂直に重りを落としたときの皮膚の振動の減衰を計測するバリスト法、超音波振動子を利用して皮膚に垂直に振動を与え、その振動の帰りを測定する超音波振動法、皮膚に金属接触子を密着させながら皮膚を伸縮させてその応力を測定する伸展法、円盤状のディスクを皮膚に当てて回転トルクをかけ、その応力や位置のずれを計測する捻れ法、ある周波数の波動を皮膚に水平に伝搬させ、その振動の速さや振動の位相のズレを測定する波動伝搬法がある。
【特許文献1】
特開2001−13049号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、皮膚等の生体組織の弾力性を評価する従来の方法は、いずれも生体組織の被測定部に機械的応力や波動を与える手段を接触させなくてはならないため、オペレータによる測定ぶれが生じる。また、被測定部に化粧が施されている場合には、化粧を落とすことが必要とされ、さらに、被験者に不快感を与えたり、被測定部を傷つける場合もある。
【0003】
これに対し、本発明は、皮膚等の生体組織をはじめとする粘弾性を有する種々の測定対象物の応力に対する弾力性、柔軟性、硬さ、弛み度等の表面特性を、被測定部に非接触で評価できるようにする新たな方法とその方法の実施に用いる評価装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、被測定部に圧縮ガスを瞬時に噴射し、その噴射による被測定部の表面変位を計測すると、その表面変位の時間変化に基づいて、被測定部の応力に対する弾力性、柔軟性、弛み度等の表面特性を該被測定部に非接触で評価できることを見出した。
【0005】
即ち、本発明は、噴射ノズルから圧縮ガスを皮膚の被測定部に向けて斜めに噴射し、それによる被測定部の表面変位を計測し、噴射からの時間と表面変位との関係に基づいて、被測定部の応力に対する表面特性を美容目的で評価する方法であって、圧縮ガスの噴射による被測定部の凹みの回復過程に関するパラメータを使用する表面特性の評価方法を提供する。
【0006】
また、本発明は、皮膚の被測定部に圧縮ガスを斜めに噴射する噴射ノズル、圧縮ガスの噴射による被測定部の表面変位を計測する変位計、圧縮ガスの噴射により変位が始まったときからの時間と表面変位との関係を演算し出力する演算装置からなり、演算装置が、圧縮ガスの噴射による被測定部の凹みの回復過程に関するパラメータを算出する表面特性評価装置を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。
【0008】
図1は、本発明の一実施例の表面特性評価装置100の概念図である。この評価装置100は、測定対象物の被測定部Sの表面に圧縮空気、圧縮窒素、圧縮炭酸ガス等の圧縮ガスを噴射する噴射ノズル1、圧縮ガスの噴射による被測定部の表面変位を計測する変位計2、噴射からの時間と表面変位との関係を演算し出力する演算装置20からなり、噴射ノズル1と変位計2は計測部ユニット10に組み込まれ、計測部ユニット10と演算装置20との間にはコネクションボックス30が設けられている。また、計測部ユニット10の前方には、必要に応じて、被測定部Sを固定する固定手段50が設けられる。
【0009】
計測部ユニット10には、噴射ノズル1と変位計2の他に、圧縮ガスを蓄える貯気室3、貯気室3内の気圧を所定の圧力に調整するリミッタ4、貯気室3と噴射ノズル1の間に設けられた電磁弁5、電磁弁5を動作可能状態におくか否かをON−OFFする操作スイッチ6が設けられており、電磁弁5の動作で圧縮ガスが噴射ノズル1から噴出され、その噴出による被測定部Sの表面変位を変位計2が計測するようにしている。また、貯気室3には、シリンダー部40が接続され、圧縮ガスの圧力を調整している。
【0010】
ここで、電磁弁5は、市販のソレノイドコイル等を用いて貯気室3内の圧縮ガスを一気に排出する機構である。そのため、電磁弁5の開放面積は噴射ノズル1の開口面積よりも広くなっている。電磁弁5は、操作スイッチ6がONの状態において、噴射ノズル1と被測定部Sとの距離を変位計2で計測しながら、噴射ノズル1を被測定部Sに徐々に近づけた場合に、噴射ノズル1と被測定部Sとの距離が第1の設定値(例えば0.5〜100mm)になったときに、自動的に開放されるように演算装置20で制御される。
【0011】
噴射ノズル1は、被測定部Sに圧縮ガスをできる限り拡散させることなく噴射させるため、先端が絞り構造となっている。噴射ノズル1の設置角θは、図2に矢印で示すように、被測定部Sに対して斜め(例えば、5〜85°)に圧縮ガスを噴射することが、被測定部Sに向けて噴射された後、被測定部Sで反射された圧縮ガスが噴射ノズル1方向に戻らず、被測定部Sに安定した圧力をかけられるので好ましい。
【0012】
貯気室3における圧縮ガスの圧力や噴射ノズル1の開口面積は、測定対象物によって適宜変えることが好ましく、例えば、人の顔の頬を被測定部とする場合、貯気室3のガス圧は0.01〜0.5MPaとし、噴射ノズル1の開口径は0.5〜10mmとすることが好ましい。
【0013】
変位計2としては、レーザー変位計、超音波を利用した変位計、赤外線を利用した変位計等を使用することができ、特に肌に傷害がなく、測定精度の高い点から赤色LED変位計が好ましい。赤色LED変位計は市販品を使用することができる。
【0014】
変位計2の設置角度は、変位の検出精度を高めるため、変位計2を被測定部Sの変位面に正対させることが好ましい。
【0015】
変位計2による被測定部Sの表面変位の計測は、噴射開始時から所定間隔(例えば、0.1〜50msec間隔)で所定時間(例えば、10〜1000msec)行われるように演算装置20で制御される。
【0016】
なお、本発明の評価方法において、被測定部Sの表面変位の計測は、上述の変位計による他、被測定部Sを所定の方向から撮像し、その画像における被測定部Sの位置の変化から求めてもよい。
【0017】
計測部ユニット10は、計測時の手ぶれ防止のため、必要に応じて固定手段50で固定される被測定部Sに向かって延びたレール11上に載置されており、計測部ユニット10には、該計測部ユニット10をレール11に沿って被測定部Sに徐々に近接させる駆動機構(図示せず)が設けられている。
【0018】
固定手段50は、測定対象物の被測定部を安定的に固定できるものであれば特に制限はなく、例えば、ヒトの頬を被測定部とする場合、額と顎を固定する頭部固定台とすることができる。
【0019】
演算装置20は、電磁弁5の開閉の制御、変位計2の計測タイミングの制御、変位の計測値の記憶とデータ処理等を行うソフトを搭載したパーソナルコンピュータ等を使用することができる。演算装置20には、計測結果等を表示するディスプレイ21やプリンタなどが接続される。
【0020】
コネクションボックス30は、変位計2に電力を供給する電源、変位計2からの電流出力を電圧出力に変換するI/V変換ドライバ、電磁弁5の制御用ドライバ等を搭載している。
【0021】
被測定部Sの応力に対する表面特性の評価は、上述の評価装置100を用いて次のように行う。
【0022】
まず、任意の測定対象物の被測定部Sを、被測定部Sに応じた所定の固定手段50に固定する。例えば、頬、口元等の顔を被測定部Sとする場合、頭部固定台で頭部を固定する。次いで、操作スイッチ6をONとし、計測部ユニット10を、レール11をスライドさせることにより被測定部Sに徐々に近づける。それにより噴射ノズル1が被測定部Sに対して所定の距離になると、自動的に電磁弁5が作動し、噴射ノズル1から圧縮ガスが瞬間的(100msec以下)に被測定部Sに向けて噴射される。また、この噴射開始時から変位計2が被測定部Sの表面変位を所定間隔(例えば、0.1〜50msec間隔)で所定時間(例えば、10〜1000msec)計測する。演算装置20は、この変位計2からの計測信号を記憶し、図3(a)に示すような表面変位の時間変化をディスプレイに出力する。
【0023】
この表面変位の時間変化は、一般に、次のような経過をとる。まず、噴射開始直後(a)から被測定部Sが凹み初め、その凹み量がある時点(c)で最大になり、次いで変位方向が反転して凹みが戻り始め、噴射前よりも回復隆起した状態となり、ある時点でその隆起量が最大になり、その後その隆起が戻り始め、再度噴射前よりも凹んだ状態となり、この凹みが再び戻り始める。これを繰り返して被測定部Sは当初の位置に落ち着く。
【0024】
本発明では、この表面変位の時間変化から、例えば次の13種のパラメータを算出し、それに基づいて、被測定部Sの弾力性、柔軟性、硬さ、弛み度等の応力に対する表面特性を評価する(図3(a)〜(c)参照)。
・最大変位L1 :圧縮ガスの噴射後の変位量の最大値。なお、ヒト皮膚を被測定部とする場合、必ずしもこの値単独で皮膚の弾力性やたるみの直接的な評価指標とはならないが、測定条件、測定部位によっては、弾力性やたるみの評価指標になる。
・最大回復変位L2 :圧縮ガスの噴射により一旦凹んだ被測定部が回復隆起したときの最大変位L1 からの隆起量の最大値。この値が大きいほど弾力性が高く、あるいは皮膚のたるみが小さい。
・最大通過変位L3 :圧縮ガスの噴射により凹み、さらにその凹みが反転して回復隆起し、再度凹み始めるときの当初の位置からの隆起量の最大値。この値が大きいほど弾力性が高く、あるいは皮膚のたるみが小さい。
・変位所要時間T1 :圧縮ガスの噴射により表面変位が始まったときから、最大変位L1 をとるまでに要した時間。この値が大きいほど弾力性が低く、あるいは皮膚のたるみが大きい。
・回復所要時間T2 :最大変位L1 から最大回復変位L2 をとるまでの時間。この値が大きいほど弾力性が低く、あるいは皮膚のたるみが大きい。
・変位回復全所要時間T1+T2 :変位所要時間T1 と回復所要時間T2 との和。この値が大きいほど弾力性が低く、あるいは皮膚のたるみが大きい。
・平均変位速度L1/T1 :最大変位L1 を変位所要時間T1 で除した値。この値が大きいほど弾力性が高く、あるいは皮膚のたるみが小さい。
・平均回復速度L2/T2 :最大回復変位L2 を回復所要時間T2 で除した値。この値が大きいほど弾力性が高く、あるいは皮膚のたるみが小さい。
・最大変位速度δI :圧縮ガスの噴射により変位が始まったときから最大変位L1 をとるまでの間における変化率(単位時間当たりの変位)の最大値。この値が大きいほど弾力性が高く、あるいは皮膚のたるみが小さい。
・最大回復速度δD :最大変位L1 から最大回復変位L2 をとるまでの間における変化率(単位時間当たりの変位)の最大値。この値が大きいほど弾力性が高く、あるいは皮膚のたるみが小さい。
・圧縮ガスの噴射により変位が始まったときから最大変位速度δI をとるまでの時間c−a。この値が大きいほど弾力性が低く、あるいは皮膚のたるみが大きい。
・圧縮ガスの噴射により変位が始まったときから最大回復速度δD をとるまでの時間g−a。この値が大きいほど弾力性が低く、あるいは皮膚のたるみが大きい。
・変位量の和S:圧縮ガスの噴射により一旦凹んだ被測定部が回復隆起して噴射前の位置に戻るまでの変位量の時間に対する積分値(図3(c)で斜線で塗りつぶした面積)。この値が大きいほど弾力性が低く、あるいは皮膚のたるみが大きい。
【0025】
これら13種のパラメータのうち、いずれを使用して評価するかは、当該被測定部Sの種類、弾力性あるいは弛み度といった評価項目等に応じて適宜定めるが、一般に、頬、口元等の皮膚の弾力性を評価する場合には、最大通過変位L3 、変位所要時間T1 、回復所要時間T2 、変位回復全所要時間T1+T2 、平均変位速度L1/T1 、平均回復速度L2/T2 、最大変位速度δI 、最大回復速度δD 、圧縮ガスの噴射により変位が始まったときから最大変位速度δI をとるまでの時間c−a、圧縮ガスの噴射により変位が始まったときから最大回復速度δD をとるまでの時間g−a、変位量の和Sのいずれかを用いることが好ましい。これらのパラメータは、年齢相関を有するので、予め、所定の幅の年代にわたる複数人を被験者として、これらのパラメータと年齢との関係を求めておくと、当該被験者のパラメータから、当該被験者の皮膚の弾力性がどの年代の弾力性に対応するものかを容易に判断することができる。
【0026】
また、上述のパラメータは、被測定部が凹む変位過程に関するものと、凹んだ被測定部が回復隆起する回復過程に関するものと、その他との3種に分けられるが、一般に、回復過程に関するパラメータ(例えば、最大通過変位L3 、回復所要時間T2 、平均回復速度L2/T2 等)を使用すると、圧縮ガスの噴射の直接的な影響を排除した、被測定部自体の変位の戻り特性を見ることができるので好ましい。
【0027】
本発明の表面特性評価装置は、上述の装置100の他に、種々の態様をとることができる。
【0028】
例えば、上述の評価装置100は、計測部ユニット10をレール11上でスライドさせる据え置きタイプであるが、測定者が計測部ユニット10を握って使用するハンディタイプにしてもよい。
【0029】
また、計測時に計測部ユニット10が被測定部Sに所定の距離に近づいたときに、ブザーを鳴らすことにより、圧縮ガスの噴射をとっさに避ける被験者の動作傾向を抑制してもよい。
【0030】
本発明の表面特性評価方法あるいは評価装置は、液体から固体の種々の測定対象物の弾力性、柔軟性、弛み度等の評価に用いることができるが、被測定部に非接触で評価できることから、被測定部を傷つけるおそれがなく、また、被測定部が皮膚等の生体組織であるときに、評価前に予め毛剃り等をする必要がなく、被測定部に化粧が施されているか否かも問わない。したがって、皮膚等の生体組織の弾力性等の評価に特に有用となる。特に皮膚については、美容目的で肌の弾力性、柔軟性、弛み度を知り、スキンケアの手法を検討する際に有用となる。
【0031】
【実施例】
実施例1:応力に対する頬の表面特性と加齢との相関性
東京近郊在住の10歳代から70歳代までの女性で、各年代14名、計98名の被験者の頬の弾力性を、図1に示した装置を用いて、評価した。この場合、
噴射ノズルの直径2.6mm
貯気室における圧縮ガスの圧力2.1気圧(0.21MPa)
圧縮ガスの噴射方向と変位計(赤色LED)の計測方向との角45度
とし、被測定者の頭部は頭部固定台(竹井理化社)で固定し、計測部ユニットは直線状のレール(Canfield Scientific社、接写写真撮影用架台及びレール)上をスムーズに動くように取り付け、噴射ノズルの先端がレール上を被測定部に向けてゆっくり移動し、被測定部まで約24mmの位置で自動的に電磁弁が作動し、圧縮ガスが噴射されるようにし、噴射開始時の時間を0msecとして、1msec間隔で変位計が被測定部の表面変位を計測するようにした。
【0032】
また、被測定部は、図4に斜線で塗りつぶした頬領域とし、同領域で3〜4箇所測定した。
【0033】
なお、圧縮ガスの噴射時は被験者によってはかなりの驚きを示すため、まず額を空測定し、慣らしてから本来の被測定部を測定した。
【0034】
測定時間毎に全計測値を平均して得られた頬の表面変位量の時間変化を図5に示す。同図から、圧縮ガスの噴射開始(グラフ上約5msecの点)から10〜15msecで最大変位L1 が2.5〜4.0mmに達し、その後、回復過程に入り、変位回復全所要時間T1+T2が40〜50msecでほぼもとの状態まで回復したことがわかる。最大変位速度δI は0.5m/sec、最大回復速度δD は0.25m/sec程度であった。
【0035】
図6に、年代別に集計した、頬の表面変位量の時間変化を示す。同図から、年代により、最大変位L1 、平均回復速度L2/T2 、最大通過変位L3 に差のあることがわかる。
【0036】
実施例2:パラメータの検討
実施例1で得た頬の表面変位量の測定値を元に、前述の13種のパラメータを各被験者について算出し、年齢に対して各パラメータの値をプロットし、その相関係数を求めた。結果を図7〜図9、表1に示す。
【0037】
これらの結果から、最大通過変位L3 、変位所要時間T1 、回復所要時間T2 、変位回復全所要時間T1+T2、平均変位速度L1/T1、平均回復速度L2/T2、最大変位速度δI 、最大回復速度δD 、c−a、g−a及び変位量の和Sに、年齢との有意な相関関係が認められた。
【0038】
一方、皮膚が凹む変位過程に関するパラメータには年齢との相関が認められなかった。
【0039】
実施例3:パラメータの検討
口元あるいは上腕内側を被測定部とする以外は実施例1と同様に被測定部の表面変位を測定し、前述の13種のパラメータを算出し、年齢に対して各パラメータの値をプロットし、その相関係数を求めた。表1に示す。
【0040】
この場合、口元は、図4に示すように、口の真横から1cm程度下、口の横2〜3cm付近、鼻唇溝の外側の3〜4箇所を計測し、その平均を求めた。上腕内側は、ひじ部位より数cm肩寄り、中央付近の3〜4箇所を計測し、その平均値を使用した。
【0041】
この結果、口元は頬とほぼ同様の表面特性を示した。即ち、最大変位L1 は2〜5mmに達し、その後回復過程に入り、変位回復全所要時間T1+T2が40〜50msecでほぼもとの状態まで回復した。最大変位速度δ1 は0.5m/sec、最大回復速度δD は0.25m/sec程度であった。
【0042】
各種パラメータの内、被測定部が凹む変位過程ではあまり年齢相関が認められなかったが、凹んだ被測定部が隆起する回復過程のパラメーター、例えば、最大通過変位L3 、平均回復速度L2/T2 、回復所要時間T2 、最大回復速度δD 等については、相関係数(絶対値)0.25〜0.6程度の有意な相関関係の認められることがわかる。また、変位量の和Sにも高い年齢相関が認められた。
【0043】
これに対し、上腕内側は、最大変位L1 、最大変位速度δ1、最大回復速度δD については頬や口元と同様の値であるが、最大通過変位L3 に正の相関が認められ、平均回復速度L2/T2 には年齢相関が認められないなど、頬や口元と異なる結果が得られた。
【0044】
【表1】
【0045】
実施例4:弾力性物質の表面特性の測定例
硬さの異なるシリコーンゴム3種(市販品)を測定対象とし、実施例1に準じて測定した。一方、従来から皮膚の弾力性の評価に使用されている吸引型のCutometer SEM575(クレージュ・カザカ社)でもこれらのシリコーンゴムを測定し、評価結果を対比した。この場合、Cutometer SEM575は、吸引プローブ径2mm、吸引圧300mbar、吸引時間1秒で測定し、Ue値(mm)を求めた。
【0046】
また、本実施例の評価装置でシリコーンゴムの表面変位を計測する場合には、予めシリコーンゴムを硬い容器に入れ、シリコーンゴムが不要な外部振動や空気圧で動揺しないように固定した。
【0047】
結果を図10、図11に示す。図11から、Cutometer SEM575において物質の弾力性を表す指標であるUe値は、シリコーンゴムの硬さの上昇に伴い低下することが確認された。
【0048】
一方、本実施例の装置を用いた場合にも、図10に示すように、最大変位L1 、変位所要時間T1 、回復所要時間T2 、変位回復全所要時間T1+T2がシリコーンゴムの硬さの上昇に伴い低下した。これにより、本実施例の測定装置は、シリコーンゴムのような高弾性体も測定可能であり、弾力性評価機器としての妥当性を有していることがわかる。
【0049】
【発明の効果】
本発明によれば、皮膚等の生体組織をはじめとする種々の測定対象物の、弾力性、柔軟性、硬さ、弛み度等の応力に対する表面特性を、被測定部に非接触で評価することができる。
【0050】
この方法あるいは装置により得られる皮膚の表面変位のパラメータは、年齢相関を有し、標準試料の表面変位のパラメータも従来の弾力性の評価装置による評価結果と整合する。
【0051】
したがって、本発明は、測定対象物の弾力性、柔軟性、硬さ、弛み度等の評価方法あるいは評価装置として有用となり、特に、皮膚については、美容目的で肌の弾力性、柔軟性、弛み度を知り、スキンケアの手法を検討する際に有用となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の表面特性評価装置の概念図である。
【図2】 変位計と噴射ノズルと設置角の説明図である。
【図3】 変位の時間変化と、表面特性を評価するパラメータの説明図である。
【図4】 実施例における被測定部の説明図である。
【図5】 頬の表面変位の時間変化を示すグラフである。
【図6】 年代別に集計した頬の表面変位の時間変化を示すグラフである。
【図7】 頬の表面変位のパラメータと年齢との関係図である。
【図8】 頬の表面変位のパラメータと年齢との関係図である。
【図9】 頬の表面変位のパラメータと年齢との関係図である。
【図10】 本実施例の装置による、シリコーンゴムの表面変位の評価グラフである。
【図11】 従来の吸引型装置による、シリコーンゴムの表面変位の評価グラフである。
【符号の説明】
1 噴射ノズル
2 変位計
3 貯気室
4 リミッタ
5 電磁弁
6 操作スイッチ
10 計測部ユニット
11 レール
20 演算装置
21 ディスプレイ
30 コネクションボックス
40 シリンダー部
50 固定手段
100 表面特性評価装置
S 被測定部
Claims (7)
- 噴射ノズルから圧縮ガスを皮膚の被測定部に向けて斜めに噴射し、それによる被測定部の表面変位を計測し、噴射からの時間と表面変位との関係に基づいて、被測定部の応力に対する表面特性を美容目的で評価する方法であって、圧縮ガスの噴射による被測定部の凹みの回復過程に関するパラメータを使用する表面特性の評価方法。
- 噴射ノズルと被測定部との距離を計測しながら、噴射ノズルを、該噴射ノズルから圧縮ガスを被測定部に向けて噴射すべき位置より遠方から被測定部に接近させ、噴射ノズルと被測定部とが所定の距離になったときに自動的に噴射ノズルから圧縮ガスを噴射させる請求項1記載の表面特性の評価方法。
- 噴射からの時間と変位から、次のパラメータ
(1)最大通過変位L3 :圧縮ガスの噴射により被測定部が凹み、さらにその凹みが反転して回復隆起し、再度凹み始めるときの当初の位置からの隆起量の最大値
(2)回復所要時間T2 :圧縮ガスの噴射後に被測定部の変位量が最大となったときから、圧縮ガスの噴射により一旦凹んだ被測定部が回復隆起し、その隆起量が最大となったときまでの時間、
(3)変位回復全所要時間T1+T2 :変位所要時間T1 と回復所要時間T2 との和、
(4)平均回復速度L2/T2 :圧縮ガスの噴射により一旦凹んだ被測定部が回復隆起したときの、最大変位L1 から最大隆起までの変位(最大回復変位L2 )を回復所要時間T2 で除した値、
(5)最大回復速度δD :最大変位L1 から最大回復変位L2 をとるまでの間の変化率(単位時間当たりの変位量)の最大値、
(6)圧縮ガスの噴射により変位が始まったときから最大回復速度δD をとるまでの時間、
の少なくとも1つを用いて被測定部の応力に対する表面特性を評価する請求項1又は2記載の表面特性の評価方法。 - 表面変位を赤色LED変位計により計測する請求項1〜3のいずれかに記載の表面特性の評価方法。
- 皮膚の被測定部に圧縮ガスを斜めに噴射する噴射ノズル、圧縮ガスの噴射による被測定部の表面変位を計測する変位計、圧縮ガスの噴射により変位が始まったときからの時間と表面変位との関係を演算し出力する演算装置からなり、演算装置が、圧縮ガスの噴射による被測定部の凹みの回復過程に関するパラメータを算出する表面特性評価装置。
- 噴射ノズルと変位計が収容された計測部ユニット、被測定部を所定の位置に固定する固定手段、固定手段で固定された被測定部に向かって延びたレール、レール上に載置された計測部ユニットを該レールに沿って被測定部に近接させる駆動手段、計測部ユニットの噴射ノズルと固定手段により固定された被測定部とが所定の距離になったときに噴射ノズルから圧縮ガスを自動的に噴射させる制御手段を有する請求項5記載の表面特性評価装置。
- 変位計が赤色LED変位計である請求項5又は6記載の表面特性評価装置。
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