JP2004068777A - 発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水深の浅い河川等の流水のエネルギーを用いて発電できる発電装置を提供する。
【解決手段】河川等の流水の両岸に跨って取付台22を流水の水面上に配設し、この取付台22に回転軸26を軸受24により回転自在に配設する。回転軸26の一端部に、幅方向断面形状が翼形の羽根34を回転軸26に対して放射状に複数枚配設して羽根車28を形成する。回転軸26の他端部に流水の水面上で発電機30を連結する。羽根車28をその回転外径よりも水深の浅い流水に水没させるとともに、羽根車28の回転面を流水面に対して流水方向Uに僅かな角度Kだけ傾斜させて配設する。
【選択図】 図1
【解決手段】河川等の流水の両岸に跨って取付台22を流水の水面上に配設し、この取付台22に回転軸26を軸受24により回転自在に配設する。回転軸26の一端部に、幅方向断面形状が翼形の羽根34を回転軸26に対して放射状に複数枚配設して羽根車28を形成する。回転軸26の他端部に流水の水面上で発電機30を連結する。羽根車28をその回転外径よりも水深の浅い流水に水没させるとともに、羽根車28の回転面を流水面に対して流水方向Uに僅かな角度Kだけ傾斜させて配設する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水深の浅い河川や水路等の流水のエネルギーを利用して発電を行うことのできるようにした発電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の水力発電の大規模な発電装置としては、河川の流れを堰き止め、堰き止められた流水を導水路を介して水車に導き、その流水のエネルギーにより水車を回転させて発電を行う方式や、高低差を利用して、導水管により水を高い所から低い所へ一気に流下させ、流下する水のエネルギーにより水車を回転させて発電を行う方式等がある。これらの大規模な発電装置は、流れを堰き止める施設と導水路および導水管等の設置のために大掛かりな土木工事が必要であり、建設費が嵩むという問題がある。また、これらの土木工事にともない、周囲の自然の動植物体系に著しいダメージを与える蓋然性が高いという問題がある。
【0003】
そこで、これらの大掛かりな土木工事を伴わずに、河川等の流水のエネルギーによって発電を行う方式として、軸流羽根車の回転面が流水と直交するようにして、軸流羽根車を流水に水没させて配設し、この軸流羽根車の回転軸に発電機を連結した発電装置が提案されている。
【0004】
図7は、軸流羽根車を用いた従来の発電装置の一例を示す図である。図7において、発電機10がその回転軸12を突出させて筐体14内に水密構造に収納される。この回転軸12の突出端部に軸流羽根車16が固定される。そして、軸流羽根車16の回転面が流水の流水方向Uに対して直交するように、筐体14が河川の底部18等に架台20により配設固定される。なお、軸流羽根車16の全体が流水に水没するように、軸流羽根車16の回転外径が設定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示す従来の軸流羽根車16を用いた発電装置にあっては、河川等の流水の水深が深ければ、軸流羽根車16の回転外径を適宜に大きく設定でき、発電装置としてそれなりに有効である。しかるに、流水の水深が浅くなると、これにともない軸流羽根車16の回転外径も小さく設定しなければならず、流水のエネルギーを有効に活用し難い。そして、流水の水深が極めて浅くなると、軸流羽根車16の回転外径が非現実的な小ささとなり、もはや発電は不可能となる。
【0006】
また、図7の発電装置は、発電機10が水面下にあり、筐体14による水密構造が必要であり、それだけ装置が高価なものとなる。そこで、軸流羽根車16の回転軸12の回転を、流水の水面上に配設した発電機10の回転軸に、チェーン等により駆動連結することで、発電機10を水密構造としなくても良い構造も考えられるが、駆動連結するためのチェーン等の破損や効率の劣化、さらには潤滑油の漏れ等の問題が生ずると考えられる。
【0007】
本発明は、上述のごとき従来技術の不具合に鑑みてなされたもので、水深の浅い流水のエネルギーを用いて発電できる発電装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明の発電装置は、回転軸の一端部に、幅方向断面形状が翼形の羽根を前記回転軸に対して放射状に複数枚配設して羽根車を形成し、前記回転軸の他端部に発電機を連結し、前記羽根車をその回転外径よりも水深の浅い流水に浸すとともに前記羽根車の回転面を流水面に対して流水方向に傾斜させて配設して構成されている。
【0009】
そして、前記羽根車を前記流水に水没するように配設して構成しても良い。
【0010】
また、前記発電機を前記流水の水面上に配設して構成することもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施例を図1ないし図5を参照して説明する。図1は、本発明の発電装置の第1実施例の側面図である。図2は、図1のA矢視図である。図3は、図1の羽根車の外観斜視図である。図4は、羽根車が回転する原理を説明するための図である。図5は、羽根の幅方向断面形状の一例を示す図である。
【0012】
まず、開水路等の両岸に跨って取付台22が流水の水面上に配設され、この取付台22に軸受24,24で回転軸26が軸回りに回転自在に配設される。この回転軸26の一端部には、羽根車28が配設固定される。また、回転軸26の他端部は、取付台22に固定された発電機30の入力軸に、軸継手32を介して駆動連結される。羽根車28は、図3に示すごとく、幅方向断面形状が翼形の羽根34,34…が、一例として回転軸26に対して略放射状で4枚が均等に配設固定される。
【0013】
そして、羽根車28の回転外径は、流水の水深より大きく、回転軸26の発電機30側が垂直方向から流水方向Uの下流側に小さな角度Kだけ傾斜するように配設して、羽根車28の回転面Sが流水面に対して流水方向Uに対して角度Kだけ傾斜して配設される。
【0014】
かかる構成の本発明の発電装置の動作原理を、図4を参照して説明する。なお、図4にあっては、説明を簡単とするために2枚の羽根34a,34bにて羽根車28が形成されている。また、図4にあっては、回転軸26と直交する面上に、幅方向断面形状が翼形の2枚の羽根34a,34bが軸対称位置に配設される。そこで、回転軸26が角度Kだけ傾いて配設されることにより、流水方向Uに翼形の先端を向けた前向きの羽根34aは、流水面に対して角度Kの仰角を備え、流水方向Uに翼形の終端を向けた後ろ向きの羽根34bは、流水面に対して角度Kの俯角を備える。そこで、流水により、一方の羽根34aに、上向きの大きな揚力Laと流水方向Uの小さな抗力Daが作用し、他方の羽根34bに、上向きの小さな揚力Lbと流水方向Uの大きな抗力Dbが作用する。すると、一方の羽根34aに作用する揚力Laと抗力Daの合成力Raは、回転軸26の傾きKよりも垂直方向からの傾きが小さく、羽根車28の回転面Sの方向で略流水方向Uと反対方向の力Faが生ずる。また、他方の羽根34bに作用する揚力Lbと抗力Dbの合成力Rbは、回転軸26の傾きKよりも更に傾いていて、回転面Sの方向で略流水方向Uと同方向の力Fbが生ずる。したがって、これらの回転面Sの方向の力Fa、Fbにより羽根車28が回転し、この回転により発電機30が回転されて発電がなされる。そして、羽根の進む速度が流水の速度を超えると、羽根34bの抗力Dbが減少して揚力Lbが大きくなり、羽根34aと同様な作用で回転力を生じるようになる。
【0015】
この羽根車28を回転させるトルクは、羽根車28の回転外径が大きいほど、また羽根34,34…の枚数がある程度多いほど大きくなる。また、図5に示すごとく、翼形の形状と、回転軸26と直交する回転面Sに対して翼形の先端と終端が交叉する取付角β、および回転軸26の傾斜角度Kにより、回転トルクが変化する。羽根34の取付角βが小さいと流れに対して後ろ向きの羽根34bの抗力Dbが大きいので起動性が良好となるが、高速回転領域で強力な回転トルクが望めない。そして、回転軸26の傾斜角度Kにより、流水の水深に対して用いることのできる羽根車28の回転外径が定まる。そこで、これらの回転トルクに関する要因を適宜に選択することで、効率良い発電装置を得ることができる。
【0016】
上記第1実施例の発電装置にあっては、水深の浅い河川や水路等の流水のエネルギーを有効に活用して発電を行うことができる。しかも、水深の浅い河川等の流水の幅方向のほぼ全体を利用することができる。そして、羽根車28が常に流水に完全に水没するように配設することで、全ての羽根34,34…に常に流水のエネルギーが作用し、羽根車28が円滑に回転でき、しかも羽根車28の回転により水の飛散や騒音がない。また、羽根34,34…に常に流水のエネルギーが作用し、羽根34,34…に作用する力の変動が少なく、それだけ金属疲労も少ない。さらに、大掛かりな土木工事を必要とせず、周囲の自然の動植物体系を何ら破損することがなく、環境に調和している。さらにまた、発電機30および軸受24,24が流水の水面上に配設されるので、これらの回転部分を潤滑するための潤滑油で流水を汚す虞がない。そしてさらに、発電機30が水没しないので、発電機30を筐体内に水密構造で収納したり、発電機30自体を水密構造とする必要がなく、それだけ構造が簡単である。
【0017】
なお、第1実施例にあっては、羽根車28が完全に流水に水没するように配設されるが、これに限られず、羽根車28の回転面Sの一部分が水面から突出するするように流水に浸して配設しても、羽根車28は回転し、発電は可能である。
【0018】
次に、本発明の第2実施例を図6を参照して説明する。図6は、本発明の発電装置の第2実施例の側面図である。図6において、図1ないし図3に示す部材と同じまたは均等な部材には、同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0019】
図6に示す第2実施例が、図1に示す第1実施例と相違するところは、回転軸26の発電機30側が垂直方向から流水方向Uの上流側に小さな角度Kだけ傾斜して配設されることにある。かかる構成では、羽根34,34…に作用する揚力は下向きに作用するが、第1実施例と同様に、翼形が流水方向Uに前向きの羽根34には略流水方向Uと反対方向の力が作用し、流水方向Uに後ろ向きの羽根34には流水方向Uと同方向の力が作用し、羽根車28が回転される。
【0020】
なお、本発明の発電装置において、羽根車28は、上記した実施例に限られるものでなく、翼形や取付角βは適宜設定できることは勿論であり、また、羽根34,34…の枚数は3枚以上であれば自己起動性を含めて実用化し得る。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の発電装置は構成されているので、以下のごとき格別な作用効果を奏する。
【0022】
請求項1記載の発電装置にあっては、水深の浅い流水のエネルギーで羽根車を回転させて発電機を回転させることができる。もって、水深の浅い河川や水路等の流水のエネルギーを有効に活用した発電が可能である。しかも、周囲の自然の動植物体系を破損することがなく、環境に調和した発電装置である。
【0023】
請求項2記載の発電装置にあっては、羽根車が流水に完全に水没するので、全ての羽根に常に流水のエネルギーが作用し、羽根車が円滑に回転でき、しかも羽根車の回転により水の飛散や騒音がない。
【0024】
請求項3記載の発電装置にあっては、発電機が水面上に配設するので、発電機を水密構造で収納する必要がなく、また発電機自体を水密構造とする必要がなく、それだけ構造が簡単となり、保守点検が容易となる。また、発電機等の回転部分を潤滑するための潤滑油で、流水を汚す虞がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発電装置の第1実施例の側面図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】図1の羽根車の外観斜視図である。
【図4】羽根車が回転する原理を説明するための図である。
【図5】羽根の幅方向断面形状の一例を示す図である。
【図6】本発明の発電装置の第2実施例の側面図である。
【図7】軸流羽根車を用いた従来の発電装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
10,30 発電機
12,26 回転軸
22 取付台
24 軸受
28 羽根車
32 軸継手
34 羽根
【発明の属する技術分野】
本発明は、水深の浅い河川や水路等の流水のエネルギーを利用して発電を行うことのできるようにした発電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の水力発電の大規模な発電装置としては、河川の流れを堰き止め、堰き止められた流水を導水路を介して水車に導き、その流水のエネルギーにより水車を回転させて発電を行う方式や、高低差を利用して、導水管により水を高い所から低い所へ一気に流下させ、流下する水のエネルギーにより水車を回転させて発電を行う方式等がある。これらの大規模な発電装置は、流れを堰き止める施設と導水路および導水管等の設置のために大掛かりな土木工事が必要であり、建設費が嵩むという問題がある。また、これらの土木工事にともない、周囲の自然の動植物体系に著しいダメージを与える蓋然性が高いという問題がある。
【0003】
そこで、これらの大掛かりな土木工事を伴わずに、河川等の流水のエネルギーによって発電を行う方式として、軸流羽根車の回転面が流水と直交するようにして、軸流羽根車を流水に水没させて配設し、この軸流羽根車の回転軸に発電機を連結した発電装置が提案されている。
【0004】
図7は、軸流羽根車を用いた従来の発電装置の一例を示す図である。図7において、発電機10がその回転軸12を突出させて筐体14内に水密構造に収納される。この回転軸12の突出端部に軸流羽根車16が固定される。そして、軸流羽根車16の回転面が流水の流水方向Uに対して直交するように、筐体14が河川の底部18等に架台20により配設固定される。なお、軸流羽根車16の全体が流水に水没するように、軸流羽根車16の回転外径が設定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示す従来の軸流羽根車16を用いた発電装置にあっては、河川等の流水の水深が深ければ、軸流羽根車16の回転外径を適宜に大きく設定でき、発電装置としてそれなりに有効である。しかるに、流水の水深が浅くなると、これにともない軸流羽根車16の回転外径も小さく設定しなければならず、流水のエネルギーを有効に活用し難い。そして、流水の水深が極めて浅くなると、軸流羽根車16の回転外径が非現実的な小ささとなり、もはや発電は不可能となる。
【0006】
また、図7の発電装置は、発電機10が水面下にあり、筐体14による水密構造が必要であり、それだけ装置が高価なものとなる。そこで、軸流羽根車16の回転軸12の回転を、流水の水面上に配設した発電機10の回転軸に、チェーン等により駆動連結することで、発電機10を水密構造としなくても良い構造も考えられるが、駆動連結するためのチェーン等の破損や効率の劣化、さらには潤滑油の漏れ等の問題が生ずると考えられる。
【0007】
本発明は、上述のごとき従来技術の不具合に鑑みてなされたもので、水深の浅い流水のエネルギーを用いて発電できる発電装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明の発電装置は、回転軸の一端部に、幅方向断面形状が翼形の羽根を前記回転軸に対して放射状に複数枚配設して羽根車を形成し、前記回転軸の他端部に発電機を連結し、前記羽根車をその回転外径よりも水深の浅い流水に浸すとともに前記羽根車の回転面を流水面に対して流水方向に傾斜させて配設して構成されている。
【0009】
そして、前記羽根車を前記流水に水没するように配設して構成しても良い。
【0010】
また、前記発電機を前記流水の水面上に配設して構成することもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施例を図1ないし図5を参照して説明する。図1は、本発明の発電装置の第1実施例の側面図である。図2は、図1のA矢視図である。図3は、図1の羽根車の外観斜視図である。図4は、羽根車が回転する原理を説明するための図である。図5は、羽根の幅方向断面形状の一例を示す図である。
【0012】
まず、開水路等の両岸に跨って取付台22が流水の水面上に配設され、この取付台22に軸受24,24で回転軸26が軸回りに回転自在に配設される。この回転軸26の一端部には、羽根車28が配設固定される。また、回転軸26の他端部は、取付台22に固定された発電機30の入力軸に、軸継手32を介して駆動連結される。羽根車28は、図3に示すごとく、幅方向断面形状が翼形の羽根34,34…が、一例として回転軸26に対して略放射状で4枚が均等に配設固定される。
【0013】
そして、羽根車28の回転外径は、流水の水深より大きく、回転軸26の発電機30側が垂直方向から流水方向Uの下流側に小さな角度Kだけ傾斜するように配設して、羽根車28の回転面Sが流水面に対して流水方向Uに対して角度Kだけ傾斜して配設される。
【0014】
かかる構成の本発明の発電装置の動作原理を、図4を参照して説明する。なお、図4にあっては、説明を簡単とするために2枚の羽根34a,34bにて羽根車28が形成されている。また、図4にあっては、回転軸26と直交する面上に、幅方向断面形状が翼形の2枚の羽根34a,34bが軸対称位置に配設される。そこで、回転軸26が角度Kだけ傾いて配設されることにより、流水方向Uに翼形の先端を向けた前向きの羽根34aは、流水面に対して角度Kの仰角を備え、流水方向Uに翼形の終端を向けた後ろ向きの羽根34bは、流水面に対して角度Kの俯角を備える。そこで、流水により、一方の羽根34aに、上向きの大きな揚力Laと流水方向Uの小さな抗力Daが作用し、他方の羽根34bに、上向きの小さな揚力Lbと流水方向Uの大きな抗力Dbが作用する。すると、一方の羽根34aに作用する揚力Laと抗力Daの合成力Raは、回転軸26の傾きKよりも垂直方向からの傾きが小さく、羽根車28の回転面Sの方向で略流水方向Uと反対方向の力Faが生ずる。また、他方の羽根34bに作用する揚力Lbと抗力Dbの合成力Rbは、回転軸26の傾きKよりも更に傾いていて、回転面Sの方向で略流水方向Uと同方向の力Fbが生ずる。したがって、これらの回転面Sの方向の力Fa、Fbにより羽根車28が回転し、この回転により発電機30が回転されて発電がなされる。そして、羽根の進む速度が流水の速度を超えると、羽根34bの抗力Dbが減少して揚力Lbが大きくなり、羽根34aと同様な作用で回転力を生じるようになる。
【0015】
この羽根車28を回転させるトルクは、羽根車28の回転外径が大きいほど、また羽根34,34…の枚数がある程度多いほど大きくなる。また、図5に示すごとく、翼形の形状と、回転軸26と直交する回転面Sに対して翼形の先端と終端が交叉する取付角β、および回転軸26の傾斜角度Kにより、回転トルクが変化する。羽根34の取付角βが小さいと流れに対して後ろ向きの羽根34bの抗力Dbが大きいので起動性が良好となるが、高速回転領域で強力な回転トルクが望めない。そして、回転軸26の傾斜角度Kにより、流水の水深に対して用いることのできる羽根車28の回転外径が定まる。そこで、これらの回転トルクに関する要因を適宜に選択することで、効率良い発電装置を得ることができる。
【0016】
上記第1実施例の発電装置にあっては、水深の浅い河川や水路等の流水のエネルギーを有効に活用して発電を行うことができる。しかも、水深の浅い河川等の流水の幅方向のほぼ全体を利用することができる。そして、羽根車28が常に流水に完全に水没するように配設することで、全ての羽根34,34…に常に流水のエネルギーが作用し、羽根車28が円滑に回転でき、しかも羽根車28の回転により水の飛散や騒音がない。また、羽根34,34…に常に流水のエネルギーが作用し、羽根34,34…に作用する力の変動が少なく、それだけ金属疲労も少ない。さらに、大掛かりな土木工事を必要とせず、周囲の自然の動植物体系を何ら破損することがなく、環境に調和している。さらにまた、発電機30および軸受24,24が流水の水面上に配設されるので、これらの回転部分を潤滑するための潤滑油で流水を汚す虞がない。そしてさらに、発電機30が水没しないので、発電機30を筐体内に水密構造で収納したり、発電機30自体を水密構造とする必要がなく、それだけ構造が簡単である。
【0017】
なお、第1実施例にあっては、羽根車28が完全に流水に水没するように配設されるが、これに限られず、羽根車28の回転面Sの一部分が水面から突出するするように流水に浸して配設しても、羽根車28は回転し、発電は可能である。
【0018】
次に、本発明の第2実施例を図6を参照して説明する。図6は、本発明の発電装置の第2実施例の側面図である。図6において、図1ないし図3に示す部材と同じまたは均等な部材には、同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0019】
図6に示す第2実施例が、図1に示す第1実施例と相違するところは、回転軸26の発電機30側が垂直方向から流水方向Uの上流側に小さな角度Kだけ傾斜して配設されることにある。かかる構成では、羽根34,34…に作用する揚力は下向きに作用するが、第1実施例と同様に、翼形が流水方向Uに前向きの羽根34には略流水方向Uと反対方向の力が作用し、流水方向Uに後ろ向きの羽根34には流水方向Uと同方向の力が作用し、羽根車28が回転される。
【0020】
なお、本発明の発電装置において、羽根車28は、上記した実施例に限られるものでなく、翼形や取付角βは適宜設定できることは勿論であり、また、羽根34,34…の枚数は3枚以上であれば自己起動性を含めて実用化し得る。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の発電装置は構成されているので、以下のごとき格別な作用効果を奏する。
【0022】
請求項1記載の発電装置にあっては、水深の浅い流水のエネルギーで羽根車を回転させて発電機を回転させることができる。もって、水深の浅い河川や水路等の流水のエネルギーを有効に活用した発電が可能である。しかも、周囲の自然の動植物体系を破損することがなく、環境に調和した発電装置である。
【0023】
請求項2記載の発電装置にあっては、羽根車が流水に完全に水没するので、全ての羽根に常に流水のエネルギーが作用し、羽根車が円滑に回転でき、しかも羽根車の回転により水の飛散や騒音がない。
【0024】
請求項3記載の発電装置にあっては、発電機が水面上に配設するので、発電機を水密構造で収納する必要がなく、また発電機自体を水密構造とする必要がなく、それだけ構造が簡単となり、保守点検が容易となる。また、発電機等の回転部分を潤滑するための潤滑油で、流水を汚す虞がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発電装置の第1実施例の側面図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】図1の羽根車の外観斜視図である。
【図4】羽根車が回転する原理を説明するための図である。
【図5】羽根の幅方向断面形状の一例を示す図である。
【図6】本発明の発電装置の第2実施例の側面図である。
【図7】軸流羽根車を用いた従来の発電装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
10,30 発電機
12,26 回転軸
22 取付台
24 軸受
28 羽根車
32 軸継手
34 羽根
Claims (3)
- 回転軸の一端部に、幅方向断面形状が翼形の羽根を前記回転軸に対して放射状に複数枚配設して羽根車を形成し、前記回転軸の他端部に発電機を連結し、前記羽根車をその回転外径よりも水深の浅い流水に浸すとともに前記羽根車の回転面を流水面に対して流水方向に傾斜させて配設して構成したことを特徴とする発電装置。
- 請求項1記載の発電装置において、前記羽根車を前記流水に水没するように配設して構成したことを特徴とする発電装置。
- 請求項1記載の発電装置において、前記発電機を前記流水の水面上に配設して構成したことを特徴する発電装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002232559A JP2004068777A (ja) | 2002-08-09 | 2002-08-09 | 発電装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002232559A JP2004068777A (ja) | 2002-08-09 | 2002-08-09 | 発電装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004068777A true JP2004068777A (ja) | 2004-03-04 |
Family
ID=32017925
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002232559A Pending JP2004068777A (ja) | 2002-08-09 | 2002-08-09 | 発電装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004068777A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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