JP2004068614A - 水冷エンジン系統の内部並びにクーラントの洗浄・再生装置 - Google Patents

水冷エンジン系統の内部並びにクーラントの洗浄・再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】洗浄効率が向上し、装置を小型化しかつ2種類のクーラントを同時に使用でき、経済的であろ、自然環境の保護に役立つこと
【解決手段】本発明の水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの再生処理とを同時に行う装置は、エンジン側接続部Y、ラジエータ側接続部Z及びラジエータ中のクーラントの吸引用接続部Xを有し、これらに接続する循環洗浄・再生回路の一対がダイアフラムポンプ1のそれぞれのポンプの吐出口23、25と吸引口24、26にそれぞれ独立して接続されている。前記循環洗浄・再生回路に空気、酸素、オゾン又はイオンの供給装置9が接続されている。更にダイアフラムポンプム1a、1bの吐出口とエンジン側接続部を接続する管路gに、観察窓7a、7bと開閉弁6a、6bを有し、タンク3a、3bへ通ずる管路が接続されている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラント(又は冷却水ともいう)の再生処理とを同時に行う装置に関し、更に詳しくはダイアフラムポンプを有効に使用して、水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントを浄化して再生し、クーラントを廃棄することなく自然環境の保護を図る水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの再生処理とを同時に行う装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水冷エンジンの冷却に、通常、クーラントを循環させているが、このクーラントにはエチレングリコールを含む冷却液が使用され、この中に一連の金属腐食防止用添加剤が添加されている。従来、この冷却液は、長期間エンジンを作動すると、経時に冷却液は、腐食により溶解した金属腐食物、例えば多量の鉄、銅、鉛、アルミニウム、錫等の酸化物を含有するようになり、更に微量のカドミウム、砒素、水銀等の有害な金属を含むようになる。そのため冷却液は定期的に交換する必要がある。このように交換された冷却液は、現状では、回収されることなく廃棄されており、これが水質汚染等の環境汚染を引き起こしていた。
【0003】
近年、水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの再生処理が行われるようになり、しかもこれらの冷却液は、再生処理後、再びエンジン系統へ戻されるので、廃棄処理する必要がなく、自然環境の保護が図られるようになりつつある。このような水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの再生処理を行う装置には、具体的には、ラジエータの洗浄を行うもの、エンジン及びラジエータを共に洗浄するもの等、従来、いくつかの文献が知られているが、例えば特開平5−296042号公報には、第1の装置(ラジエータ部)、第2の装置(収納タンク)及び第3の装置からなり、冷却材はこれらの装置を循環する。この方法はまずエンジンを作動させて薬品を循環させて、ほこり、錆、スラッジ等を剥離させる。ついで、冷却システムから冷却材を空気圧力により収納タンクへ移送する。該タンクには、処理薬品を添加して空気圧力により冷却材を冷却システム(エンジン・ラジエータ等)に移送することが開示され、冷却材を周囲に排水する必要がない点で環境汚染を引き起こすことなく自然環境を保護することができるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水冷エンジン系統のクーラントには、通常、赤と緑の2種類に着色されて色分けされており、自動車の種類によって使い分けられている。ところが、エンジン系統の洗浄かつクーラント再生装置(以下、単に洗浄再生装置という。)では、ダイアフラムポンプが図5に示される如く液の吐出口23及び25は、合流しており一つの吐出口27を形成し、また液の吸入口24及び26も同様に合流して一つの吸入口28を形成している。このように、従来のダイアフラムポンプ20Aは、吐出口27及び吸入口28の如く吐出口及び吸入口が一体となってダイアフラムポンプの機能を果している。したがって、一種類のクーラントしか用いることができず、もし、2種類のクーラントを用いて洗浄操作を行うと、同じ洗浄再生装置を使用することになり、赤着色クーラントと緑着色クーラントとが混合されてしまう結果、クーラントは再生されるものの、クーラントの色が、黒くなってしまい問題となっていた。そのため、ガソリンスタンド等では、2台の洗浄再生機を使用し、自動車のクーラントの種類によって使い分けているのが現状であるが、洗浄再生機の専有面積や台数等を考慮すると、経済的には効率が悪いものであった。
【0005】
そこで、本発明者は、これらの種々の問題点を鋭意検討し、ダイアフラムポンプの有効利用という観点から種々考察したところ、図5に示される如く、通常のダイアフラムポンプ20Aでは、それぞれ両側にある2個のポンプ1a、1bが同時に作動し、そこから送り出される搬送液は、その後、一つのパイプに合流して搬送目的をなし遂げるように構成されており、搬送液を送り出す時の波形は、図4のCに示される形状からなるものであり、したがって、両方のポンプ1a、1bを使用することによってポンプの機能状のバランスを採っており、片方のポンプのみを使用するとポンプのバランスが崩れ、ポンプが破壊される恐れがあるので、片方のみを使用することができないものであった。これに対して、前述の如くダイアフラムポンプの吐出口又は吸引口が一体化されている2個のポンプ1a、1bをそれぞれの目的に別個に使用するという着想に鑑みて、図3に示される如く、それぞれの吐出口23、25を分離してダイアフラムポンプ20Bを構成した。このようなダイアフラムポンプ20Bのそれらから送り出される搬送液を送り出す時の波形を調査したところ、一方のポンプ1aが搬送液を送り出す時の波形は、図4のAの如くであり、また他方のポンプ1bが搬送液を送り出す時の波形は、図4のBの如くであり、したがって、一方を赤着色クーラントに使用し、他方を緑着色クーラントに使用し、同時に稼働するか又は一方のポンプを使用する際には、他方のポンプを装置内でクーラントを循環する回路に切替えて、他方のポンプが空稼働するのを防止することにうよりポンプの破壊の恐れを防ぎ、しかもそれぞれ断続的に現れる波形によりエンジン系統の洗浄効率が向上することを見出し、この知見により1台の洗浄再生機で2台分の役割を果たすことができ、装置が小型化でき、経済的であると共に洗浄効率が向上するという格別顕著な効果を奏するという発明をなすに至った。
【0006】
したがって、本発明が解決しようとする第1の課題は、水冷エンジン系統の洗浄・再生に際し、洗浄効率が向上し、装置を小型化しかつ経済的に優れた水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの再生処理とを同時に行う装置を提供することにある。また本発明が解決しようとする第2の課題は、水冷エンジン系統の洗浄・再生処理を1台の洗浄再生機で2種類のクーラントを同時に使用することができる水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの再生処理とを同時に行う装置を提供することにある。更に本発明が解決しようとする第3の課題は、クーラントを廃棄することなくクーラントの再生を短時間に効率よく行い、自然環境の保護に役立つ優れた水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの再生処理とを同時に行う装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、下記の各発明によりそれぞれ達成される。
【0008】
(1)エンジン側接続部、ラジエータ側接続部及びラジエータ中のクーラントの吸引用接続部を有し、これらに接続する循環洗浄・再生回路の一対がダイアフラムポンプのそれぞれのポンプの吐出口と吸引口にそれぞれ独立して接続されている水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの再生処理とを同時に行う装置において、前記循環洗浄・再生回路の接続は、前記のポンプの吸引口に管路を介してフィルターが接続され、ポンプの吐出口に接続された管路は、前記エンジン接続部に接続され、該管路には、圧力計、安全弁及びタンクへ通ずる開閉弁を有する管路が接続されており、また前記の吸引用接続部は管路を介して切替弁に接続し、該切替弁から出た一方の管路はフィルターに接続すると共に、他方の管路はタンクへ接続しており、更に前記ラジエータ側接続部は、タンクへ接続されていることからなることを特徴とする水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの再生処理とを同時に行う装置。
(2)ダイアフラムポンプムの吐出口とエンジン側接続部を接続する管路に、観察窓と開閉弁を有し、タンクへ通ずる管路が接続されていることを特徴とする前記第1項に記載の水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの再生処理とを同時に行う装置。
(3)前記循環洗浄・再生回路に空気、酸素、オゾン又はイオンの供給装置を設けたことを特徴とする前記第1項又は第2項に記載の水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの再生処理とを同時に行う装置。
【0009】
本発明の第1項に記載の水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの浄化処理とを同時に行う装置は、エンジン側接続部、ラジエータ側接続部及びラジエータ中のクーラントの吸引用接続部を有し、これらに接続する循環洗浄・再生回路の一対がダイアフラムポンプのそれぞれのポンプの吐出口と吸引口にそれぞれ独立して接続されている水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの再生処理とを同時に行う装置において、前記循環洗浄・再生回路の接続は、前記のポンプの吸引口に管路を介してフィルターが接続され、ポンプの吐出口に接続された管路は、前記エンジン接続部に接続され、該管路には、圧力計、安全弁及びタンクへ通ずる開閉弁を有する管路が接続されており、また前記の吸引用接続部は管路を介して切替弁に接続し、該切替弁から出た一方の管路はフィルターに接続すると共に、他方の管路はタンクへ接続しており、更に前記ラジエータ側接続部は、タンクへ接続されていることからなることを特徴とするもので、ここで、一方のポンプの吐出口と吸引口に循環洗浄・再生回路を接続することにより、水冷エンジン系統の洗浄・再生に際し、洗浄効率が向上し、装置を小型化しかつ経済的に優れた水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの再生処理とを同時に行うことができる。また前記装置において、ダイアフラムポンプの両方のポンプの吐出口及び吸引口にそれぞれ2個の循環洗浄・再生回路を接続したことにより、水冷エンジン系統の洗浄・再生処理を1台の洗浄再生機で2種類のクーラントを同時に使用することができ、したがって同時に2台の自動車を扱うことができ、かつそれぞれ洗浄効率が向上し、かつ経済的に優れた水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの再生処理とを同時に行うことができる。更に本発明の前記装置を用いることにより、クーラントを廃棄することなくクーラントの再生を短時間に効率よく行うことができるので、自然環境の保護に役立つ優れた水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの再生処理とを同時に行う装置を提供することにある。
【0010】
また本願第2項に記載の発明は、第1項に記載の発明において、ダイアフラムポンプムの吐出口とエンジン側接続部を接続する管路に、観察窓と開閉弁を有し、タンクへ通ずる管路が接続されていることにより、再生処理時におけるクーラントの洗浄状態を観察することができる。更に本願第3項に記載の発明は、本発明の第1項又は第2項に記載の発明において、前記循環洗浄・再生回路に空気、酸素、オゾン又はイオンの供給装置を設けたことにより、水冷エンジン系統の洗浄を効率的に行なうと共にクーラントの浄化をも同時に行い、浄化後のクーラントを廃棄することなくクーラントの再生を短時間に効率よく行い、自然環境の保護に役立つという優れた効果を奏するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの浄化処理とを同時に行う装置を詳しく説明するが、本発明は、これらの例により限定されるものではない。
【0012】
本発明の水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの浄化処理とを同時に行う装置(以下、単に洗浄再生装置ともいう。)に使用される水冷エンジン系統としては、特に限定されるものではなく、公知の水冷エンジン系統が用いられる。水冷エンジン系統において、エンジンとラジエータの間を接続するホースには、サーモスタットが接続されているが、このサーモスタットは、上部ホースと下部ホースのいずれに接続されていてもよい。
【0013】
このサーモスタットは、通常、エンジンが暖まり所定の温度(80°〜85°)となったとき、サーモスタットが開き、クーラントが循環する機構となっている。本発明の洗浄再生装置は、エンジンを始動させることなく、直ちに、水冷エンジン系統に洗浄・浄化システムを連結し、エアダイヤフラムポンプを稼動させて得られた0.5Kg/cm2 〜1.2Kg/cm2 の水圧でサーモスタットを強制的に開口し、この状態で水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの浄化処理とを同時に行うことができるものである。この際、エアダイヤフラムポンプを用いることにより送液時にキャビテーション(真空現象)で起こした超音波を発生するので、この超音波により管壁等に付着している付着物を除去する作用がある点で好ましい。クーラントの流量は6.5リットル/分前後が好ましい。またエアダイヤフラムポンプに代えて電動ダイアフラムポンプを用いる場合には、100V電源が使用でき、小容量化されるので使用し易い。更に前記エアダイヤフラムポンプに代えて電気モーターポンプやトリコロールポンプを用いることもでき、これにより、洗浄・浄化システムが小型化される、更に該電気モーターポンプと空気、酸素、オゾン又はイオンを併用すると、洗浄・浄化システムが小型化されると共に小電力化で該システムを稼動させることができる。これに対してエアダイヤフラムポンプは、毎分3リットルの小容量から毎分50リットルの大容量のものまで得られる。
【0014】
以下、図面を参照して本発明を詳しく説明する。ポンプとしては、エアダイヤフラムポンプを挙げて説明する。図1は、本発明の洗浄再生装置の正面図であり、図2は、本発明の洗浄再生装置の系統図である。本発明では、洗浄再生装置を系統図として説明するが、これは、その一例であって、これに限定されるものではない。図1及び図2において、本発明の洗浄再生装置は、エンジン側接続部Y、ラジエータ側接続部Z及びラジエータ中のクーラントの吸引用接続部Xを有し、更にそれぞれ独立した吐出口23、25の2個とそれぞれ独立した吸引口24、26の2個を有するダイアフラムポンプ1a及びフィルター2aを有している。これらは、管路によって接続されており、具体的には、ダイアフラムポンプ1aの吐出口23は管路gによりエンジン側接続部Yに接続されている。またダイアフラムポンプ1aの吸引口24は、管路fでフィルター2aに接続され、更にフィルター2aは、管路dで切替弁V1 に接続されている。この切替弁V1 は、管路cにより吸引用接続部Xに接続され、また切替弁V1 から出た管路eは、クーラントタンク3aに導入され、管路eの先端は、タンクの底付近までくるように配置される。また前記のフィルター2aは、25μと5μの二種類が直列に配置される。
【0015】
またラジエータ側接続部Zは、管路nに接続され、該管路nの先端はクーラントタンク3aに導入され、該タンク中の下部付近に配置される。更に管路gには、圧力計5aが管路mにより接続されており、洗浄再生時のクーラントの送入圧力が調整される。管路kには観察窓7aと開閉弁6aが直列に接続されており、管路kの先端は、クーラントタンク3aに導入されている。更に管路i及び管路jは、管路gと接続されているが、分岐管pにより分岐されて、一方の管路iは、安全弁又は圧力調整弁11aに接続され、そこから出た管路iの先端は、タンク3aに導入されている。また他方の管路jは、切替弁V3 に接続され、そこからタンク3aへ導入されている。更に本発明では、ダイアフラムポンプ20B(1a,1b)へ通じる管路b,b′に管路aが接続され、該管路aには、ポンプ用スイッチ8と空気、酸素、オゾン又はイオン等の供給装置9が接続されている。10はドレーンである。また本発明の洗浄再生装置には、管路bに、前記のような循環洗浄・再生回路を接続して緑色クーラント用に供し、また管路b′にも、緑色クーラント用と同様の循環洗浄・再生回路を接続して赤色クーラント用に供するものである。なお、本発明の例では、管路e,n,i,j及びkの先端は、タンク3a中の底付近にまとめて束ねて配置した。
【0016】
更に本発明の洗浄再生装置は、緑色クーラント用にのみの使用を目的とする場合には、赤色クーラント用の循環洗浄・再生回路において、エンジン側接続部Y′とラジエータ側接続部Z′とを外部用ホースで接続して短絡することにより閉鎖回路を形成し、この閉鎖回路で赤色クーラントの循環を行うようにする。これは、一方のみのポンプを使用すると、ダイアフラムポンプが破壊される恐れがあるばかりかその寿命が極めて短いものとなり使用に耐えないからである。また本発明の洗浄再生装置は、2台の自動車の洗浄再生をすることができ、この際、緑色クーラントと赤色クーラントとの2種類の自動車の水冷エンジン系統の洗浄再生を同時に行うことができる。勿論、赤色クーラント用のみに供することもでき、この際は、緑色クーラント用の循環洗浄・再生回路において、エンジン側接続部Yとラジエータ側接続部Zとを外部用ホースで接続して短絡することによりを閉鎖回路を形成し、この閉鎖回路で緑色クーラントの循環を行うようにする。
【0017】
ここで、本発明の洗浄再生装置の操作の仕方を更に詳しく説明する。まず、緑色クーラント用に使用する場合について説明する。図1及び図2において、緑・赤の切替部4のレバーを4a側に移動させる。これにより4aは緑色に表示され、緑クーラント用となる。ついで、切替弁V1 の再生を吸引のV3 に移動する。その後、赤色クーラント用の循環洗浄・再生回路を閉鎖回路にするために、エンジン側接続部Y′とラジエータ側接続部Z′とを外部用ホースの両端で接続する。この状態で以下の操作をする。
【0018】
(1)吸引作業 洗浄再生装置の開閉弁6aを開けた状態で、YとZを外部用ホースで接続して両者間を短絡した後、自動車のラジエータの開口部の蓋を開ける。ついで、洗浄再生装置の吸引用接続部Xに外部用ホースを接続し、このホースの先に吸引用ホースを接続し、その吸引用ホースの先端をを前記開口部へ挿入した後、スイッチ8を入れてクーラントを吸引し、タンク3aへ回収する。クーラントのレベルがアッパーホースより下方に下がったところで、スイッチ8を切る。これによりラジエータの上部ホースを外したとき、ラジエータ中のクーラントが漏洩するのを防止する。
【0019】
(2)再生作業 次に切替弁V1 を切替えて、タンク3aへ通じる管路eとフィルター2aへ通じる管路dを開放すると、切替弁V3 は自動的に閉じた状態となる。更に開閉弁6aを閉じる。ついで、エンジン側接続部Yに接続した外部用ホースの他端をエンジン側のアッパーホースに接続する。再度、スイッチ8を入れると、タンク3aのクーラントGは、管路eを通ってフィルター2aで濾過され、更に管路fを通ってダイアフラムポンプ1aにより吸引されて吐出口23からエンジン回路へ供給される。クーラントはラジエータを洗浄した後、ラジエータ側接続部Zからタンク3aへ供給される。フィルター2aには、25μのフィルターと5μのフィルターが内蔵されており、まず25μのフィルターで大きい粒子の浮遊物を除去し、更に5μのフィルターで更に細かい浮遊物が除去される。このフィルター2aはダイアフラムポンプ1aの前に設置しても後に設置してもよいが、好ましくは、ダイアフラムポンプ1aの浮遊物による障害を考慮してダイアフラムポンプ1aの吸引口側に配置するのがよい。更に再生作業中、圧力計5aによりクーラントの搬送圧力を確認することができる。また再生作業中、クーラントの状態を観察窓7aを通して目視で観察することができる。また再生作業中、搬送圧力が2kg/cm2 (0.2MPs)を越えた際、安全弁11aが開放し、クーラントは、タンクへ流れる。再生作業が終わったことを確認して、スイッチ8を切る。
【0020】
(3)吸引作業 タンク3a中のクーラントを使用して洗浄・再生を行うが、エンジンのアッパーホースとラジエータの双方に取り付けた両アタッチネントをそのまま取り外すと、クーラントが漏れるので、アタッチメントは、双方ともエンジン側及びラジエータ側の接続部に残したまま、これらのアタッチメントから外部用ホースをそれぞれ取り外し、更にエンジン側接続部Yに接続されている外部用ホースを外し、ラジエータ側接続部Zに接続されているもう一方の外部用ホースの先をエンジン側接続部Yに接続してYとZ間を短絡する。ついで、吸引用接続部Xに再び外部用ホースを接続した後、該ホースの先端に吸引用接続ホースを接続し、その吸引用接続ホースの先をラジエータの開口部へ挿入し、切替弁V1 を吸引に切り替えてから、スイッチ8を入れて吸引作業を行い、クーラントのレベルを下げる。所定のレベルになったところでスイッチ8を切る。
【0021】
(4)補充作業 この補充作業は、前記(3)の吸引作業で、クーラントを抜いた量だけ元に戻すために補充するもので、切替弁V1 を再生側に切り替えてから、エンジン側接続部Yとラジエータを接続している外部用ホースをそれぞれ、エンジン側接続部Y及びラジエータ側接続部Zを外し、このうち、エンジン側接続部Yに接続されている外部用ホースの先端に補充用接続ホースを取付け、該ホースの先端をラジエータの開口部へ挿入する。スイッチ8を入れてラジエータへクーラントを補充する。補充が終わったところで、外部用ホースに取り付けた補充用接続ホースをラジエータの開口部から取り出し、ラジエータの蓋をして作業を完了する。本発明では、本発明の洗浄再生装置と自動車間を接続して洗浄再生操作を行うために、これら間の接続には、外部用ホース、補充用接続ホース及び吸引用接続ホースを使用することが好ましいが、他の接続手段を用いてそれら間を接続してもよいことは言うまでもない。
【0022】
次に、この洗浄再生装置で2台の自動車の洗浄再生を行う場合には、赤色クーラント用の循環洗浄・再生回路を閉鎖回路を解除し、緑色クーラント用の(1)吸引作業乃至(4)補充作業を赤色クーラント用に行い、かつこれは緑色クーラント用と平行して行うことができる。即ち、以下の如く行う。
【0023】
(1)吸引作業 洗浄再生装置の開閉弁6bを開けた状態で、Y′とZ′を外部用ホースで接続して両者間を短絡した後、自動車のラジエータの開口部の蓋を開ける。ついで、洗浄再生装置の吸引用接続部X′に外部用ホースを接続し、このホースの先に吸引用接続ホースを接続し、該ホースの先端を前記開口部へ挿入した後、スイッチ8を入れてクーラントを吸引し、タンク3bへ回収する。クーラントのレベルがアッパーホースより下方に下がったところで、スイッチ8を切る。これによりラジエータの上部ホースを外したとき、ラジエータ中のクーラントが漏洩するのを防止する。
【0024】
(2)再生作業 次に切替弁V2 を切替えて、タンク3bへ通じる管路e′とフィルター2bへ通じる管路d′を開放すると、切替弁V4 は自動的に閉じた状態となる。更に開閉弁6bを閉じる。ついで、エンジン側接続部Y′に接続した外部用ホースの他端をエンジン側のアッパーホースに接続する。再度、スイッチ8を入れると、タンク3bのクーラントRは、管路e′を通ってフィルター2bで濾過され、更に管路f′を通ってダイアフラムポンプ1bにより吸引されて吐出口25からエンジン回路へ供給される。クーラントはラジエータを洗浄した後、ラジエータ側接続部Z′からタンク3bへ供給される。フィルター2bには、25μのフィルターと5μのフィルターが内蔵されており、まず25μのフィルターで大きい粒子の浮遊物を除去し、更に5μのフィルターで更に細かい浮遊物が除去される。このフィルター2bはダイアフラムポンプ1bの前に設置しても後に設置してもよいが、好ましくは、ダイアフラムポンプ1bの浮遊物による障害を考慮してダイアフラムポンプ1bの吸引口側に配置するのがよい。更に再生作業中、圧力計5bによりクーラントの搬送圧力を確認することができる。また再生作業中、クーラントの状態を観察窓7bを通して目視で観察することができる。また再生作業中、搬送圧力が2kg/cm2 (0.2MPs)を越えた際、安全弁11bが開放し、クーラントは、タンクへ流れる。再生作業が終わったことを確認して、スイッチ8を切る。
【0025】
(3)吸引作業 タンク3b中のクーラントを使用して洗浄・再生を行うので、エンジンのアッパーホースとラジエータの双方に取り付けた両アタッチネントをそのまま取り外すと、クーラントが漏れるので、アタッチメントは、双方ともエンジン側及びラジエータ側の接続部に残したまま、これらのアタッチメントから外部用ホースをそれぞれ取り外し、更にエンジン側接続部Y′に接続されている外部用ホースを外し、ラジエータ側接続部Z′に接続されているもう一方の外部用ホースの先をエンジン側接続部Y′に接続してY′とZ′間を短絡する。ついで、吸引用接続部X′に再び外部用ホースを接続した後、該ホースの先端に吸引用接続ホースを接続し、その吸引用接続ホースの先をラジエータの開口部へ挿入し、切替弁V2 を吸引に切り替えてから、スイッチ8を入れて吸引作業を行い、クーラントのレベルを下げる。所定のレベルになったところでスイッチ8を切る。
【0026】
(4)補充作業 この補充作業は、前記(3)の吸引作業で、クーラントを抜いた量だけ元に戻すために補充するもので、切替弁V2 を再生側に切り替えてから、エンジン側接続部Y′とラジエータを接続している外部用ホースをそれぞれ、エンジン側接続部Y′及びラジエータ側接続部Z′を外し、このうち、エンジン側接続部Y′に接続されている外部用ホースの先端に補充用接続ホースを取付け、該ホースの先端をラジエータの開口部へ挿入する。スイッチ8を入れてラジエータへクーラントを補充する。補充が終わったところで、外部用ホースに取り付けた補充用接続ホースをラジエータの開口部から取り出し、ラジエータの蓋をして作業を完了する。なお、赤色クーラント用のみを使用する場合には、緑色クーラント用の循環洗浄・再生回路を閉鎖回路とした後、この赤色クーラント用の循環洗浄・再生回路の操作を行う。
【0027】
本発明の洗浄再生装置を用いることにより、自動車の洗浄再生操作を緑色クーラント用として、また赤色クーラント用として使用して種類の違った自動車をそれぞれ洗浄再生することができ、また緑色クーラント用及び赤色クーラント用をそれぞれ使用している自動車を同時に洗浄再生することができる。本発明の洗浄再生装置は、空気、酸素、オゾン又はイオン等の供給装置を接続して行った例を示したが、これに限らず、該供給装置を使用しないでもよい。しかし、該供給装置を併用することによりいっそう優れた洗浄再生効果を得ることができる。本発明の洗浄再生装置は、底部には、前方に一つのゴム車輪を設け、後方に二つのゴム車輪を設けるとともに、前方の両側の角には二つのキャスターが設けられている。このように構成することにより、例えば、スタンド等の洗浄水を流す溝にはまり込むのを防止することができる。
【0028】
本発明において、クーラントとしては、冷却液が用いられ、これにはエチレングリコールが含まれ、更に金属腐食防止剤が含まれている。この腐食防止剤には、亜硝酸塩(例えば、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等)、珪酸塩(例えば、珪酸ナトリウム等)、硼酸塩(例えば、硼酸ナトリウム等)、モリブデン酸塩、シリコーン類、燐酸塩を含み、更には分散剤やアルカリ性維持剤等を含んでいる。
【0029】
本発明に用いられる洗浄・浄化システムのうち、フィルターを用いるろ過工程では、廃クーラント中に含有されている酸化鉄、鉛、錫、亜鉛、銀、マグネシウム、カルシウム、銅、アルミニウム等の酸化物等がスラッジ・スケール(浮遊・付着)で存在しているので、ダイヤフロムポンプの如く空気圧を用いて発生させた高圧の空気気泡でエンジン内壁等に付着した腐食物質を強制的に除去する。この時分散除去されて得られた浮遊・付着物質は、ろ過工程で第2フィルター及び第1フィルターの順に通過してろ過され除去される。第1フィルターでは、2〜10μのフィルターが使用され、また第2フィルターでは10〜50μのフィルターが使用されて98%の浮遊物質が除去される。更に第3フィルターを付加してもよく、この場合には、50〜120μを用いるのがよい。好ましくは、第1フィルターでは、5μのフィルターが使用され、また第2フィルターでは25μのフィルターが使用され、更に第3フィルターでは100μがよい。
【0030】
本発明では、エアダイアフラムポンプの前方の管路に酸素、オゾン又はイオンの発生装置を接続して空気、酸素、オゾン又はイオンを供給しながら洗浄・浄化を行っており、好ましい例であるが、特にこれを設けなくてもよい。酸化工程では、クーラントに溶解されている金属物質を除去するもので、キャビテーションで作られた酸素を利用した1次酸化と酸化剤を使用する2次酸化により沈澱物が形成され、ろ過により除去される。更に沈澱工程では、前記の酸化工程で化学反応を起こして沈澱したマグネシウム、カルシウム、シリケイト、燐酸塩等がろ過される。
【0031】
【発明の効果】本発明におけるように、エンジン側接続部、ラジエータ側接続部及びラジエータ中のクーラントの吸引用接続部を有し、これらに接続する循環洗浄・再生回路の一対がダイアフラムポンプのそれぞれのポンプの吐出口と吸引口にそれぞれ独立して接続されている水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの再生処理とを同時に行う装置において、前記循環洗浄・再生回路の接続は、前記のポンプの吸引口に管路を介してフィルターが接続され、ポンプの吐出口に接続された管路は、前記エンジン接続部に接続され、該管路には、圧力計、安全弁及びタンクへ通ずる開閉弁を有する管路が接続されており、また前記の吸引用接続部は管路を介して切替弁に接続し、該切替弁から出た一方の管路はフィルターに接続すると共に、他方の管路はタンクへ接続しており、更に前記ラジエータ側接続部は、タンクへ接続されていることからなり、ここで、一方のポンプの吐出口と吸引口に循環洗浄・再生回路を接続することにより、水冷エンジン系統の洗浄・再生に際し、洗浄効率が向上し、かつ経済的に優れた水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの再生処理とを同時に行うことができる。また前記装置において、ダイアフラムポンプの両方のポンプの吐出口及び吸引口にそれぞれ2個の循環洗浄・再生回路を接続したことにより、水冷エンジン系統の洗浄・再生処理を1台の洗浄再生機で2種類のクーラントを同時に使用することができ、したがって同時に2台の自動車を扱うことができ、かつそれぞれ洗浄効率が向上し、装置を小型化し、経済的に優れた水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの再生処理とを同時に行うことができる。更に本発明の前記装置を用いることにより、クーラントを廃棄することなくクーラントの再生を短時間に効率よく行うことができるので、自然環境の保護に役立つ優れた水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの再生処理とを同時に行う装置を提供することにある。
【0032】
また本願請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、ダイアフラムポンプムの吐出口とエンジン側接続部を接続する管路に、観察窓と開閉弁を有し、タンクへ通ずる管路が接続されていることにより、再生処理時におけるクーラントの洗浄状態を観察することができる。更に本願請求項3に記載の発明は、本発明の請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記循環洗浄・再生回路に空気、酸素、オゾン又はイオンの供給装置を設けたことにより、水冷エンジン系統の洗浄を効率的に行なうと共にクーラントの浄化をも同時に行い、浄化後のクーラントを廃棄することなくクーラントの再生を短時間に効率よく行い、自然環境の保護に役立つという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗浄再生装置を示す正面図である。
【図2】本発明の洗浄再生装置の系統図である。
【図3】本発明に用いられるダイアフロムポンプを示す略図である。
【図4】ダイアフロムポンプから発生する波形を示すグラフである。A及びBは、本発明に用いられるものの波形である。
【図5】従来のダイアフロムポンプを示す略図である。
【符号の説明】
1 ダイアフロムポンプ
1a 一方のポンプ
1b 他方のポンプ
2a、2b フィルター
3a 緑色クーラント用タンク
3b 赤色クーラント用タンク
4 切替部
4a 緑色クーラント切替レバー
4b 赤色クーラント切替レバー
5a、5b 圧力計
6a、6b 弁
7a、7b 観察用窓
8 ポンプ用スイッチ
9 エア等の発生装置
10 ドレーン
11a、11b 安全弁
12 タイマー
13 ゴム車輪
14 キャスター
1 、V2 、V3 、V4  切替弁
a,b,c,d,e,f,g,i,j,k,m,n 管路
a′,b′,c′,d′,e′,f′,g′,i′,j′ 管路
k′,m′,n′ 管路
P 分岐管
X、X′ 吸引用接続部
Y、Y′ エンジン側接続部
Z、Z′ ラジエータ側接続部

Claims (3)

  1. エンジン側接続部、ラジエータ側接続部及びラジエータ中のクーラントの吸引用接続部を有し、これらに接続する循環洗浄・再生回路の一対がダイアフラムポンプのそれぞれのポンプの吐出口と吸引口にそれぞれ独立して接続されている水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの再生処理とを同時に行う装置において、前記循環洗浄・再生回路の接続は、前記のポンプの吸引口に管路を介してフィルターが接続され、ポンプの吐出口に接続された管路は、前記エンジン接続部に接続され、該管路には、圧力計、安全弁及びタンクへ通ずる開閉弁を有する管路が接続されており、また前記の吸引用接続部は管路を介して切替弁に接続し、該切替弁から出た一方の管路はフィルターに接続すると共に、他方の管路はタンクへ接続しており、更に前記ラジエータ側接続部は、タンクへ接続されていることからなることを特徴とする水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの再生処理とを同時に行う装置。
  2. ダイアフラムポンプムの吐出口とエンジン側接続部を接続する管路に、観察窓と開閉弁を有し、タンクへ通ずる管路が接続されていることを特徴とする請求項1に記載の水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの再生処理とを同時に行う装置。
  3. 前記循環洗浄・再生回路に空気、酸素、オゾン又はイオンの供給装置を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水冷エンジン系統の内部洗浄とクーラントの再生処理とを同時に行う装置。
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