JP2004068421A - 車両用遠隔操作装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】携帯用通信機1からの無線信号を受信する車載通信機2に設けられたユニット制御手段22が携帯用通信機1からの無線信号に基づいてドアロックユニットDを制御する。ユニット制御手段22は、携帯用通信機1のスイッチ30,31操作によって携帯用通信機1から送信される無線信号に基づいてドアロックユニットDを制御するスイッチ操作制御方式と、車載通信機2から連続または断続的に送信される呼出信号に応じて携帯用通信機1から送信される無線信号に基づいてドアロックユニットDを制御するスイッチ無操作制御方式とを実行し得るように構成されている。これらのスイッチ操作制御方式とスイッチ無操作制御方式との間で制御方式を切り替える切替手段3,4を有する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転者等の乗員が携帯する携帯用通信機とこの携帯用通信機からの無線信号を受信する車載通信機とを備え、この携帯用通信機により車両に搭載された各種車載ユニットを遠隔操作する車両用遠隔操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の車両用遠隔操作装置としては、例えば自動車のドアロック機構を遠隔操作によって作動させ、ドアをロックまたはアンロックする自動車のキーレスエントリーシステムが広く知られている。
【0003】
このようなキーレスエントリーシステムとして、乗員が保持する携帯用通信機においてロック信号送信用ボタンとアンロック信号送信用ボタンとを備えたものがあり、このボタン式キーレスエントリーシステムは、携帯用通信機を所持する乗員のボタン操作に応じてドアロック機構を遠隔操作することができ、また後述するようなボタンレス形式キーレスエントリーシステムのように連続または断続的に呼出信号を送信する必要がなく、従って車載側バッテリーの節電という点で有利である。
【0004】
しかしながら、上記ボタン形式のキーレスエントリーシステムにおいては、ドアのロックまたはアンロック操作に際し、ボタンを操作しなければならず、例えば自動車に頻繁に乗降する営業マンや宅配業者にとって面倒であるばかりか、幼児等の子供のロックし忘れ等を誘発し、防犯性の点で好ましくない。
【0005】
ところで、近年、上記各ボタンを廃止したボタンレス形式のキーレスエントリーシステムが開発されるに至っている(例えば、特開平5−106376号公報参照)。
【0006】
このボタンレス形式のキーレスエントリーシステムは、呼出信号に対して応答信号を送信する携帯用通信機と、所定時間間隔で上記呼出信号を送信し続ける一方、この呼出信号に対する上記携帯用通信機による上記応答信号を受信する車載通信機とを備え、上記携帯用通信機を所持する乗員が外方から車両に近づいて所定エリア内に入ると、携帯用通信機と車載通信機との間で相互に交信され、これによって車両のドアをアンロック状態とし、逆に携帯用通信機を所持する乗員が車両から降車した後、車両から遠ざかって所定エリア外に出ると、車載通信機が発信する呼出信号に対する応答信号が車載通信機にまで到達せず、これによってボタン操作を要することなく車両のドアをロック状態とするように構成されている。すなわち、このボタンレス形式のキーレスエントリーシステムにおいては、ドアのロック、アンロックに伴ってキー操作を要しないので、その手間が省かれ、またこの携帯用通信機を所持する乗員が上記所定のエリアから外に出ると自動的にロックされることから、ロックのし忘れ防止、ひいては防犯性向上の観点から有利である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記ボタンレス形式のキーレスエントリーシステムは、携帯用通信機を所持する乗員が、上記所定のエリアの内外に出入りすると、その度にドアのロック及びアンロックがなされ、例えば荷物の積み込み等に際して、この携帯用通信機を所持する乗員が上記所定のエリアへの出入りするとドアのロック、アンロック動作が頻繁に繰り返されることがある。すなわち、携帯用通信機を所持する乗員の意思に反してドアロック機構が遠隔操作されることがある。
【0008】
また、上記ボタンレス形式のキーレスエントリーシステムは、上述したように、呼出信号を定期的にあるいは常時送信し続けなければならず、例えば長期間にわたって自動車を使用しない場合には、車両に搭載されたバッテリー上がりが懸念されるものであった。
【0009】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、携帯用通信機を所持する乗員の意思表示に基づいて、必要に応じて制御方式を節電モードと簡易操作モードとで使い分けることができる車両用遠隔操作装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明に係る車両用遠隔操作装置は、携帯用通信機と、該携帯用通信機からの無線信号を受信する車載通信機とを備え、該車載通信機に設けられたユニット制御手段が上記携帯用通信機からの無線信号に基づいて所定の車載ユニットを制御する車両用遠隔操作装置であって、上記ユニット制御手段は、上記携帯用通信機及び車載通信機の少なくとも一方に設けられたスイッチを操作することによって上記携帯用通信機から送信される無線信号に基づいて所定の車載ユニットを制御するスイッチ操作制御方式と、上記車載通信機から連続または断続的に呼出信号を送信してこの呼出信号に応じて携帯用通信機から送信された無線信号に基づいて所定の車載ユニットを制御するスイッチ無操作制御方式とを実行し得るように構成されている一方、上記スイッチ操作制御方式と、上記スイッチ無操作制御方式との間で制御方式を切り替える切替手段を有することを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、スイッチ操作制御方式において、携帯用通信機に設けられたスイッチを操作する場合には、そのスイッチ操作により携帯用通信機から車載通信機に無線信号として制御信号が送信される。そして、ユニット制御手段は、この制御信号に基づいて所定の車載ユニットを制御する。一方、車載通信機に設けられたスイッチを操作する場合には、そのスイッチ操作によりまず車載通信機から携帯用通信機に単発的に呼出信号が送信され、この呼出信号に応じて携帯用通信機から応答信号が送信される。そして、ユニット制御手段は、携帯用通信機から応答信号を受信した場合に、車載通信機のスイッチ操作に基づいて所定の車載ユニットを制御する。すなわち、これらのユニット制御手段によるスイッチ操作制御方式によれば、連続的または所定時間間隔で断続的に呼出信号を送信する必要がないのでバッテリーの消費電力を節電することができると共に、スイッチ操作により意思確認がなされるので携帯用通信機を所持する乗員の意思に基づいて所定の車両ユニットを的確に遠隔操作することができる。また、ユニット制御手段によるスイッチ無操作制御方式において、車載通信機から連続または断続的に呼出信号が送信され、この呼出信号に応じて携帯用通信機から応答信号が送信された場合に、ユニット制御手段は、この応答信号の受信の有無に基づいて所定の車両ユニットを制御する。すなわち、このユニット制御手段によるスイッチ無操作制御方式によれば、携帯用通信機を所持する乗員において何らの操作も要さず、単に車載通信機から送信される呼出信号が到達する所定のエリア内に進入するだけで車両用ユニットを遠隔操作することができるので車載ユニットの遠隔操作にあたっての手間が大幅に削減される。しかも、これらの制御方式を切り替える切替手段が設けられているので、必要に応じて、すなわち上記節電を励行する場合にはスイッチ制御方式を、簡易操作を実現する場合にはスイッチ無操作制御方式を、乗員の意思に基づいて使い分けることができる。従って、乗員の意思により、ユニット制御手段による車載ユニットの制御方式を節電モードと簡易操作モードとの間で使い分けることができる。
【0012】
この発明において、上記切替手段は、上記携帯用通信機に設けられ、この携帯用通信機にはこの切替手段による切替があった場合に上記車載通信機のユニット制御手段に切替信号を送信する携帯側送信部が設けられている。このように構成すれば、携帯用通信機を所持する乗員の手元でスイッチ操作制御方式とスイッチ無操作制御方式等とを切り替えることができ、その使い勝手が向上する。
【0013】
上記のように切替手段を携帯用通信機に設ける場合には、例えば上記携帯用通信機は、本体機と、この本体機に連結部を介して着脱可能に連結された副機とを有し、上記切替手段は、上記本体機と副機とにより構成され、上記本体機と副機とは、この本体機と副機とが一体的に連結された状態では、ユニット制御手段による上記スイッチ操作制御方式によって所定の車載ユニットを制御する一方、上記本体機と副機とが分離された状態では、副機によってユニット制御手段による上記スイッチ無操作制御方式により所定の車載ユニットを制御するように構成されるようにしても良い。
【0014】
また、このように携帯用通信機を本体機と副機とを有して構成する場合には、上記副機には、複数個のスイッチが設けられ、スイッチの組み合わせによりさらに別の複数の車載ユニットを制御し得るように構成されているのが好ましい。このように構成すれば、副機によってその他の複数の車載ユニットを遠隔制御することができ、その使い勝手がより一層向上する。
【0015】
さらに、上記のように副機によって複数の車載ユニットを制御するように構成する場合には、上記本体機と副機との間に、上記本体機から上記副機に対して指令信号を送信する指令送信手段を有する一方、上記副機は、上記指令信号の受信によってその副機に基づくユニット制御手段による上記別の複数の車載ユニットの制御がその一部または全部において制限されるように構成されているのが好ましい。このように構成すれば、状況に応じて本体機から指令送信手段を介して副機の機能に制限を加えることができ、状況に応じた最適の制限を副機に指令することができ、その使い勝手が向上する。すなわち、副機により遠隔操作制御することができる車載ユニットを制限して、この副機を預ける人によって最適な制限を副機の機能に課すことができる。
【0016】
また、上記副機に基づく車載ユニットの制御に制限を加える場合には、具体的には、例えば車載ユニットのうち、トランクリッドのロックまたはアンロックするトランクリッドロックユニットやイグニッションスイッチをロックまたはアンロックするイグニッションスイッチユニットなどがある。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の車両用遠隔操作装置に係る実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る車両用遠隔操作装置の第1実施形態を示している。この車両用遠隔操作装置は、乗員が所持する携帯用通信機1と、該携帯用通信機1からの無線信号を受信する車載通信機2とを備え、上記携帯用通信機1が本体機3とこの本体機3に連結部5を介して分離可能かつ一体的に設けられた副機4とを有する。これらの本体機3と副機4とが連結された状態では、本体機3により所定の車載ユニット(本第1実施形態ではドアをロックまたはアンロックするドアロックユニットD)を遠隔操作し得るものとなされる一方、本体機3と副機4とが分離された状態では、副機4によって図6に示す所定のエリアE内に進入するだけで上記ドアロックユニットDが制御されると共に、図6に示す所定のエリアE内で本体機3のスイッチ30,31を操作することにより上記ドアロックユニットDが制御されるものとなされている。なお、本第1実施形態により遠隔操作される車載ユニットは、ドアをロックまたはアンロックするドアロックユニットDであるが、その他の車載ユニット、例えばトランクリッドをロックまたはアンロックするトランクリッドロックユニットやイグニッションスイッチをロックまたはアンロックするイグニッションスイッチユニット、ライトを点灯、消灯するライトユニットや、ウインドウを昇降するウインドウ昇降ユニット等、車両に搭載される車載ユニットに広く適用することができる。
【0018】
携帯用通信機1は、図2に示すように、その外観構成が略扁平矩形状の箱体であり、本体機3と副機4とを備え、両者が連結部5を介して着脱可能に連結されていると共に、両者間に後述するような各種信号を送信するための信号送信手段6が設けられている。この本体機3と副機4とは、上記したように、一体的に連結された状態では、本体機3の操作によりドアロックユニットDを遠隔操作し得るものとなされている一方、本体機3と副機4とを分離した状態では、副機4を所持して図6に示す所定のエリア内に進入するだけでドアロックユニットDを遠隔操作し得るものとして構成されている。なお、本体機3は、本体機3と副機4とを分離した状態でも、本体機3の操作によりドアロックユニットDを遠隔操作し得るものとして構成されている。以下に具体的に説明する。
【0019】
本体機3は、図2に示すように、平面視略矩形状の箱体であり、その周側面のうち一側面に上記副機4の端部が嵌着される連結凹部5aが形成されている。この連結凹部5aは、本体機3側の上記連結部5を構成するものであり、その内部には本体機3と副機4とを電気的に接続して信号送信手段6の一部を構成する本体機3側の接続端子(図示せず)が設けられている。
【0020】
この本体機3には、図1に示すように、押圧操作により上記車載通信機2に対してドアロックユニットDによってドアをアンロックするように指令する本体第1スイッチ部30(以下「本体第1SW」という)と、押圧操作により上記車載通信機2に対してドアロックユニットDによってドアをロックするように指令する本体第2スイッチ部31(以下「本体第2SW」という)と、各種のデータやプログラムを記憶する本体側メモリ32と、上記本体第1SW30と本体第2SW31の押圧操作による入力により上記本体側メモリ32に記憶されたプログラムに基づいて種々の制御を実行する本体側CPU33と、この本体側CPU33から出力された制御信号を上記車載通信機2に送信する本体側送信部34とが設けられている。
【0021】
本体第1SW30及び本体第2SW31は、図2に示すように、略矩形状のボタン型スイッチとして構成され、このボタン型スイッチを押圧操作することにより、車載通信機2にドアをアンロックまたはロック制御させるための制御信号が送信されるように構成されている。なお、本第1実施形態では、本体第1SW30によりドアをアンロックさせるための制御信号、本体第2SW31によりドアをロックさせるための制御信号を送信させるものとなされているが、これらの役割を逆にするものであっても良いことは言うまでもない。
【0022】
本体側CPU33は、上記本体第1及び本体第2SW30,31のうちいずれのSWからの入力であるかを判別して、その入力に基づいて車載通信機2に上記のような制御信号を送信するように構成されている。また、この本体側CPU33は、上記信号送信手段6を介して副機4の後述する副側CPU43に対して連続的または所定時間間隔で断続的にID信号を送信するように構成されている。そして、本体側CPU33は、このID信号に対して所定時間内に副機4の副側CPU43から反応が無い場合に副機4が分離されたものと判断し、この副機4が分離されたと判断したことを車載通信機2の後述するユニット制御手段22に通知するための分離通知信号を、本体側送信部34を介して車載通信機2に送信するものとなされている。一方、副機4が連結部を介して本体機3に連結され、副機4の副側CPU43からの反応が戻った場合には、この本体側CPU33は、副機4が本体機3に連結されたと判断し、この判断結果を車載通信機2のユニット制御手段22に通知するための連結通知信号を本体側送信部34を介して車載通信機2に送信するものとなされている。すなわち、これらの分離通知信号や連結通知信号が、本願請求項にいう切替信号に相当し、これらの信号を送信する本体側送信部34が本願請求項にいう送信部に相当する。
【0023】
本体側送信部34は、図1に示すように、1本ないし複数本の送信アンテナ34aを有し、該送信アンテナから車載通信機2に対して上記制御信号を含む無線信号が送信されるものとなされている。この送信アンテナは、例えばフェライト型の小型のアンテナが用いられ、例えば315MHzの電波を送信することができるものとなされている。
【0024】
副機4は、図2に示すように、平面視略矩形状の箱体であり、その一端部に上記本体機の連結凹部5aに嵌合される連結凸部5bが設けられている。この連結凸部5bは、上記連結凹部5aと共に本体機3と副機4とを連結するための連結部として構成されており、その先端部に上記本体機3側の接続端子(図示せず)と電気的に接続される副機4側の接続端子(図示せず)が設けられている。本第1実施形態では、副機4は本体機3よりもひとまわり小さく、かつ上記連結凸部5bと面一に形成されている。
【0025】
この副機4には、図1に示すように、車載通信機2の後述する呼出信号を受信する副側受信部44と、この呼出信号に応じて応答信号を送信する副側送信部45と、各種のデータやプログラムを記憶する副側メモリ42と、上記副側メモリ42に記憶されたプログラムに基づいて種々の制御を実行する副側CPU43とが設けられている。
【0026】
副側受信部44は、図1に示すように、1本ないし複数本の受信アンテナ44aを有し、該受信アンテナ44aから受信された呼出信号は電気回路を介して副側CPU43に送信される。この受信アンテナ44aは、例えばフェライト型の小型のアンテナが用いられている。
【0027】
副側送信部45は、図1に示すように、1本ないし複数本の送信アンテナ45aを有し、該送信アンテナ45aから車載通信機2に対して上記制御信号等の無線信号が送信されるものとなされている。この送信アンテナ45aは、例えばフェライト型の小型のアンテナが用いられ、例えば315MHzの電波を送信することができるものとなされている。
【0028】
副機4の副側CPU43は、上記のように、上記副側メモリ42に記憶されたプログラムに基づいて種々の制御を実行するものであり、例えば上記副側受信部44が呼出信号を受信した場合に上記副側送信部45を介して上記車載通信機2に応答信号を送信するものとなされている。また、副側CPU43は、上記本体側CPU33から送信されたID信号を受信し、このID信号に対して上記本体側CPU33に信号受信通知信号を送信するように構成されていると共に、本体機3から送信されたID信号を受信している間は上記呼出信号に応じて応答信号を送信しないように構成されている。
【0029】
而して、上記副機4は、その連結凸部5bを上記本体機3の連結凹部5aに嵌合することにより、一体的に連結されて携帯用通信機1を構成する。本体機3と副機4とが一体的に連結されている状態では、本体機3と副機4との接続端子が電気的に接続され、本体機3と副機4の各CPUが有線であるデータ線を介して電気的に接続される。この本体機3と副機4の各CPUを繋ぐデータ線が、上記信号送信手段6に相当し、これにより本体機3から副機4へID信号が送信されるものとなされている。上記信号送信手段6は、本体機3と副機4とにそれぞれ設けられたポート間において、例えばシリアル通信やパラレル通信等の公知の通信手段で通信される。このID信号が送信されている状態では、本体機3から車載通信機2に連結通知信号が送信されていると共に、本体機3の本体第1または本体第2SW30,31の操作があった場合に車載通信機2に制御信号が送信されるものとなされている。一方、本体機3と副機4とが分離されている状態では、本体機3と副機4の接続端子が電気的に絶縁され、これにより本体機3から副機4へID信号が送信されず、従って副機4から本体機3へ信号受信通知信号も送信されないものとなされる。このID信号が送信されていない状態では、本体機3から車載通信機2に分離通知信号が送信されていると共に、車載通信機2からの呼出信号に応じて副機4から応答信号が送信するものとなされている。
【0030】
一方、車載通信機2は、上記副機4に呼出信号を送信する車載側送信部20と、上記本体機3からの制御信号や副機4からの応答信号等の無線信号を受信する車載側受信部21と、これらの無線信号に基づいてドアロックユニットDを制御するユニット制御手段22とが設けられている。
【0031】
車載側送信部20は、1本ないし複数本の送信アンテナ20aを有し、この送信アンテナ20aから連続的または所定時間間隔で断続的に呼出信号を副側受信部44に送信する。この送信アンテナ20aは、例えばフェライト型の小型のアンテナが用いられ、例えば120kHzの電波を送信することができるものとなされている。
【0032】
車載側受信部21は、1本ないし複数本の受信アンテナ21aを有し、上記本体機3の本体側送信部34から送信された制御信号や分離通知信号、連結通知信号、副機4の副側送信部45から送信された応答信号等の無線信号を受信する。この車載側受信部21によって受信された制御信号や応答信号は、電気回路を介してユニット制御手段22に送信される。
【0033】
ユニット制御手段22は、図1に示すように、制御信号や応答信号に基づいてドアロックユニットDによるドアのロック、アンロック動作を制御する制御部220と、各種のデータやプログラムを記憶する車載メモリ221とを有する。
【0034】
制御部220は、本体機3の本体第1SW30や本体第2SW31を操作することによって、本体機3から送信される制御信号に基づいてドアロックユニットDを制御するスイッチ制御方式と、上記車載側送信部20から送信された呼出信号に応じて副機4から送信された応答信号の有無に基づいてドアロックユニットDを制御するスイッチ無操作制御方式と、を実行することができるように構成されている。またこの制御部220は、スイッチ無操作制御方式においても、本体機3の本体第1及び本体第2SW30,31の操作によって送信された制御信号に基づいてもドアロックユニットDを制御しうるように構成されている。すなわち、スイッチ操作制御方式と、このスイッチ操作制御方式とスイッチ無操作制御方式とが組み合わされた制御方式と、の間で切替可能に構成されている。これらの制御方式について、以下に具体的に説明する。
【0035】
スイッチ操作制御方式においては、副機4が一体的に連結された本体機3(携帯用通信機1)の本体第1SW30または本体第2SW31操作により送信された制御信号に基づいて、制御部220はドアロックユニットDを制御する。
【0036】
すなわち、制御部220は、本体機3から制御信号によりアンロック指示があった場合に、ロック状態にあるドアを、アンロック状態とする制御信号をドアロックユニットDに出力するように構成されている。これによって、図6に示すように、上記携帯用通信機1を所持する乗員がドアロック状態にある車両の所定のエリア内でその本体第1SW30を押圧操作することにより、ドアロックアクチュエータが作動してドアがアンロック状態に移行することとなる。
【0037】
なお、図6に示す所定のエリアは、携帯用通信機1と車載通信機2との間の無線信号の送受信の限界範囲を定めるものであり、車両を中心とする円形状のものであるが、この所定のエリアは、車両または車両の一部を含む所定のエリア内であればその形状や広狭等は問わない。使用するアンテナや遠隔操作する車載ユニット等を考慮して、最適な所定のエリアが設定される。
【0038】
また、スイッチ操作制御方式において、制御部220は、本体機3から制御信号によりロック指示があった場合に、アンロック状態にあるドアを、ロック状態とする制御信号をドアロックユニットDに出力するように構成されている。これによって、図6に示すように、上記携帯用通信機1を所持する乗員がドアアンロック状態にある車両の所定のエリア内でその本体第2SW31を押圧操作することにより、ドアロックアクチュエータD1が作動してドアがロック状態に移行することとなる。
【0039】
一方、副機4が上記本体機3から抜出され、すなわちこれらが分離されて、スイッチ無操作制御方式とスイッチ制御方式との組み合わせ制御方式(以下単に「組み合わせ制御方式」という)に切り替えられた場合には、制御部220は、本体機3からの分離通知信号を受けて連続的または所定時間間隔で断続的に呼出信号を車載送信部から送信する。そして、この呼出信号に応じて副機4から送信された応答信号に基づいて、制御部220はドアロックユニットDを制御する。また、本体機3のSW操作によるドアロックユニットDの制御は、上記スイッチ操作制御方式における制御と同様なので、その説明を省略する。
【0040】
組み合わせ制御方式において、制御部220は、車載側送信部20から送信された呼出信号に応じて応答信号があった場合に、ロック状態にあるドアを、アンロック状態とする制御信号をドアロックユニットDに出力するように構成されている。これによって、図6に示すように、上記副機4を所持する乗員がドアロック状態にある車両の所定のエリア内に進入することにより副機4から応答信号が送信され、これによりドアロックアクチュエータD1が作動してドアがアンロック状態に移行することとなる。
【0041】
また、上記組み合わせ制御方式において、制御部220は、上記呼出信号に応じて副機4から応答信号が無かった場合に、アンロック状態にあるドアを、ロック状態とする制御信号をドアロックユニットDに出力するように構成されている。これによって、図6に示すように、上記副機4を所持する乗員がドアアンロック状態にある車両の所定のエリア外に退出することにより副機4からの応答信号が途絶え、これによりドアロックアクチュエータD1が作動してドアがロック状態に移行することとなる。
【0042】
上記ユニット制御部220のスイッチ制御方式と、組み合わせ制御方式との切替について説明する。
【0043】
上記本体機3と副機4とが連結部を介して一体的に連結されている場合には、上記のように、本体機3から連結通知信号が送信され、この連結通知信号が車載側受信部21に受信されて制御部220に送信され、この状態では、制御部220はスイッチ制御方式によりドアロックユニットDを制御する。そして、上記副機4が本体機3から抜出されて本体機3と副機4とが分離された場合には、上記のように、本体機3から分離通知信号が送信され、この分離通知信号が車載側受信部21に受信されて制御部220に送信される。この分離通知信号が受信された時に、制御部220は、スイッチ制御方式から組み合わせ制御方式に切り替え、連続的または断続的に呼出信号を送信するスイッチ無操作制御方式とスイッチ制御方式によりドアロックユニットDを制御する。すなわち、携帯用通信機1を構成する本体機3と副機4とが本願請求項にいう切替手段に相当する。
【0044】
次に、この車両用遠隔操作装置の制御動作を、図3ないし図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0045】
まず、本体機3の本体側CPU33における制御動作を、図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0046】
制御動作がスタートすると、まずステップS1において、副機4が分離されたか否かを判定する。具体的には、副機4の副側CPU43に送信しているID信号に対して副機4から信号受信通知信号を受信しているか否かを判定する。このステップS1において、副機4が本体機3から分離したと判断した場合には、ステップS2において、本体側送信部34から車載側受信部21に分離通知信号が送信されて、ステップS3に移行する。なお、上記ステップS1において、副機4が本体機3から分離していないと判断した場合には、ステップS5において、本体側送信部34から車載側受信部21に連結通知信号が送信されて、ステップS3に移行する。
【0047】
次に、ステップS3において、本体第1SW30が押圧操作(ON)されたか否かを判定する。この本体第1SW30は、ドアのアンロックを指示するための入力部であり、このステップS3において、YES、すなわち本体第1SW30がONになっていると判断した場合には、ステップS4において、車載通信機2の車載側受信部21にドアをアンロックするように指示する制御信号を送信して、リターンする。
【0048】
一方、上記ステップS3において、本体第1SW30がONになっていないと判断した場合には、ステップS6において、本体第2SW31が押圧操作(ON)されたか否かを判定する。この本体第2SW31は、ドアのロックを指示するための入力部であり、このステップS6において、YES、すなわち本体第2SW31がONになっていると判断した場合には、ステップS7において、車載通信機2の車載側受信部21にドアをロックするように指示する制御信号を送信する。なお、上記ステップS6において、NOと判断された場合には、ステップS7をスキップしてそのままリターンする。
【0049】
次に、副機4における制御動作を、図4に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0050】
制御動作がスタートすると、ステップS10において、副機4が本体機3から分離されたか否かを判定する。具体的には、本体機3からID信号が受信されているか否かを判定し、このID信号を受信している場合には、連結していると判断し、このID信号を所定時間に亘って受信していない場合に、分離していると判断する。このステップS10において、YES、すなわち副機4が本体機3から分離したと判断した場合には、ステップS11において、車載側送信部20から送信された呼出信号が副側受信部44により受信されているか否かを判定する。そして、副側受信部44により上記呼出信号を受信していると判断した場合には、ステップS12において、副側送信部45から応答信号を送信して、リターンする。なお、上記ステップS10において、NOと判断した場合は、上記ステップS11及び上記ステップS12をスキップして、また上記ステップS11においてNOと判断した場合には、上記ステップS12をスキップして、そのままリターンする。
【0051】
最後に、車載通信機2における制御動作を、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0052】
制御動作がスタートすると、ステップS21において、上記本体機3の本体側送信部34から車載側受信部21が分離通知信号を受信したか否かを判定する。このステップS21において、NO、すなわち分離通知信号を受信していないと判断した場合には、ステップS22において、連結通知信号を受信しているか否かを判定する。このステップS22において、連結通知信号を受信していると判断した場合には、ユニット制御手段22は、上記本体機3と副機4とが連結部5を介して一体的に連結されていると判断して、制御方式としてスイッチ操作制御方式を採用する。すなわち、ステップS22において、YESと判断した場合には、ステップS23において、呼出信号を送信しているか否かを判定し、呼出信号を送信していると判断した場合には、ステップS24において、車載側送信部20からの呼出信号の送信を停止して、バッテリーの節電を図り、ステップS25に移行する。なお、上記ステップS22において、NOと判断した場合には、各ステップをスキップしてそのままリターンし、また上記ステップS23において車載側送信部20から呼出信号を送信していないと判断した場合は、ステップS24をスキップして、ステップS25に移行する。
【0053】
次に、ステップSS1、すなわちステップS25〜ステップS30について説明する。このステップSS1は、本体機3の本体第1及び第2SW30,31操作によって送信された制御信号に基づく制御動作を示すものである。
【0054】
すなわちステップS25において、本体機3の本体側送信部34から送信されたアンロック指示信号、すなわち本体第1SW30の押圧操作により送信された制御信号を受信したか否かを判定する。このステップ25で、YES、すなわちドアのアンロックを指示する制御信号を受信したと判断した場合には、ステップS26において、ドアがロックされているか否かを判定し、ドアがロックしていると判断した場合には、ユニット制御手段22からドアロックユニットDに対してドアアンロック指示の制御信号を出力し、ドアロックユニットDがドアロックアクチュエータD1を作動させてドアをアンロックする。なお、上記ステップS26において、ドアがロックされていない、すなわちドアがアンロック状態にあると判断した場合には、ステップS27に移行することなく、そのままリターンする。
【0055】
一方、上記ステップS25において、NO、すなわち本体側送信部34から送信された制御信号がアンロック指示信号でないと判断した場合には、ステップS28において、車載側受信部21が本体側送信部34からロック指示の制御信号を受信したか否かを判定する。このステップS28で、YES、すなわちドアのロックを指示する制御信号を受信したと判定した場合には、ステップS29において、ドアがアンロック状態にあるか否かを判定する。ドアがアンロック状態にあると判断した場合には、ステップS30において、ユニット制御手段22からドアロックユニットDに対してドアロック指示の制御信号を出力し、ドアロックユニットDがドアロックアクチュエータD1を作動させてドアをロックする。なお、上記ステップS28において、ドアがアンロックされていない、すなわちドアがロック状態にあると判断した場合には、ステップS29に移行することなく、そのままリターンする。
【0056】
上記ステップS21において、YES、すなわち分離通知信号を受信したと判断した場合には、ステップS31において、車載側送信部20から連続または断続的に呼出信号を送信する。上記ステップS21において、分離通知信号を受信していると判断した場合には、ユニット制御手段22は、上記本体機3と副機4とが分離されたと判断して、制御方式として組み合わせ制御方式を採用する。すなわち、上記ステップS21において、YESと判断した場合には、ステップS31において連続的または断続的に呼出信号を送信して、この呼出信号に応じて副機4による応答信号があった場合には、スイッチ操作をすることなく、すなわち遠隔操作にあたって手間を要することなく、ドアロックユニットが遠隔操作することができてドアロックユニットの簡易な遠隔操作が実現される。より具体的に説明する。
【0057】
ステップS32において副機4から応答信号を受信したか否かを判定する。このステップS32において、副機4からの応答信号を車載側受信部21が受信したと判断した場合には、ドアがロック状態にあるか否かを判定して(ステップS33)、ロック状態にある場合にアンロックを指示する制御信号をドアロックユニットに出力する(ステップS34)一方、アンロック状態にある場合にはステップS34をスキップしてステップSS2に移行する。また、上記ステップS32において、NOと判断した場合には、ドアがアンロック状態にあるか否かを判定して(ステップS35)、アンロック状態にある場合にロックを指示する制御信号をドアロックユニットに出力する(ステップS36)一方、ロック状態にある場合にはステップS36をスキップしてステップSS2に移行する。
【0058】
ステップSS2は、上記ステップSS1と同様の制御動作がなされるのでその説明を省略する。ステップSS2の制御動作をなした後は、リターンする。
【0059】
上記のように、本第1実施形態に係る車両用遠隔操作装置によれば、本体機3と副機4とを分離あるいは連結することにより、ユニット制御手段22による制御方式をスイッチ操作制御方式と組み合わせ制御方式とを、乗員の意思に基づいて自由に変更することができる。従って、携帯用通信機1を所持する乗員は、各制御方式の後述する利点を考慮しながら最適の制御方式を設定することができる。
【0060】
ユニット制御手段22がスイッチ操作制御方式で制御されている場合には、本体機3の本体第1及び第2SW30,31の操作により、本体機3の本体側送信部34から車載通信機2の車載側受信部21に制御信号が送信され、この制御信号に基づいてユニット制御手段22によりドアロックユニットDが制御される。従って、車載側送信部20から連続的または断続的に呼出信号を送信する必要がなく、車両に搭載されたバッテリーの消費電力を節電することができると共に、スイッチ操作により意思確認がなされるので携帯用通信機1を所持する乗員の意思に基づいてドアロックユニットDを的確に遠隔操作することができる。
【0061】
一方、ユニット制御手段22が組み合わせ制御方式で制御されている場合には、車載通信機2の車載側送信部20から連続または断続的に呼出信号が送信され、この呼出信号に応じて副機4の副側送信部45から送信された応答信号基づいて、ユニット制御手段22によりドアロックユニットDが制御されると共に、上記と同様、本体機3のスイッチ操作によってもユニット制御手段22によりドアロックユニットDが制御される。従って、副機4を所持する乗員において何らの操作も要さず、単に図6に示す所定のエリア内外に出入りするだけでドアロックユニットDを遠隔操作することができるのでドアロックユニットDの遠隔操作にあたっての手間が大幅に削減される。しかも、本体機3のスイッチ操作によってもドアロックユニットDを制御することができるので、本体機3を所持する乗員の意思に基づいて的確にドアロックユニットDを遠隔操作することができる。
【0062】
また、携帯用通信機1の本体機3と副機4とを分離、連結することによりユニット制御手段22における制御方式を切り替えることができるので、携帯用通信機1を所持する乗員の手元でスイッチ操作制御方式と組み合わせ制御方式とを切り替えることができ、その使い勝手が向上する。
【0063】
上記第1実施形態では、本体機3の本体送信部から分離通知信号が送信されるものとなされているが、これに限定されるものではなく、副機4の副側送信部45から分離通知信号が送信されるものであっても良い。
(第2実施形態)
図7は、本発明にかかる車両用遠隔操作装置の第2実施形態を示している。この車両用遠隔操作装置は、スイッチ操作制御方式において、本体機3のスイッチ操作によりドアロックユニットDを制御する第1実施形態と異なり、車載通信機2の一部を構成する車両のドアに設けられたスイッチ125,126の操作によりドアロックユニットDを制御するものである。
【0064】
すなわち、第2実施形態に係る車両用遠隔操作装置は、携帯用通信機1と、該携帯用通信機1からの無線信号を受信する車載通信機2とを備え、該車載通信機2に設けられたユニット制御手段122は、その制御方式としてスイッチ制御方式とスイッチ無操作制御方式との間で切替可能に構成されている。そして、ユニット制御手段122は、スイッチ制御方式が選択されている場合に、車載通信機2に設けられたドア第1スイッチ125(以下「ドア第1SW」という)及びドア第2スイッチ126(以下「ドア第2SW」という)を操作することによって携帯用通信機1から送信される無線信号に基づいてドアロックユニットDを制御するように構成されている。また、携帯用通信機1は、本体機3とこの本体機3に連結部5を介して分離可能かつ一体的に連結された副機4とから構成され、ユニット制御手段122による制御方式がスイッチ制御方式である場合に、副機4が連結された本体機3(携帯用通信機1)によりドアロックユニットDを遠隔操作するように構成されている一方、その制御方式がスイッチ無操作制御方式に切り替えられた場合に、本体機3及び本体機3から分離された副機4によりドアロックユニットDを遠隔操作するように構成されている。以下、具体的に説明する。
【0065】
なお、上記第1実施形態と同一の構成を有するものには、図7において同一符号を付してその説明を省略する。
【0066】
本体機3には、図7に示すように、車載通信機2から送信された呼出信号を受信する本体側受信部135と、この呼出信号に応じた応答信号を送信する本体側送信部34と、各種のデータやプログラムを記憶する本体側メモリ32と、上記本体側メモリ32に記憶されたプログラムに基づいて種々の制御を実行する本体側CPU133とが設けられている。
【0067】
本体機3に設けられた本体側受信部135は、図7に示すように、1本ないし複数本の受信アンテナ135aを有し、該受信アンテナ135aから受信された呼出信号は電気回路を介して本体側CPU133に送信される。この受信アンテナ135aは、例えばフェライト型の小型のアンテナが用いられている。
【0068】
本体側CPU133は、上記車載通信機2の上記本体側メモリ32に記憶されたプログラムに基づいて種々の制御を実行するものであり、例えば上記車載通信機2から送信された呼出信号を本体側受信部135が受信した場合に上記本体側送信部34を介して上記車載通信機2に応答信号を送信するものとなされている。また、その他の点、例えば本体側CPU33からID信号を送信して、分離通知信号や連結通知信号を本体側送信部34を介して送信する点等は、上記第1実施形態と同様であり、その説明を省略する。
【0069】
一方、車載通信機2は、上記副機4だけでなく、本体機3にも呼出信号を送信する車載側送信部20と、上記本体機3や副機4からの応答信号を受信する車載側受信部21と、これらの応答信号に基づいてドアロックユニットDを制御するユニット制御手段122と、押圧操作によりユニット制御手段122によるドアのアンロックを指令入力するドア第1SW125と、押圧操作により上記ユニット制御手段122によるドアのロックを指令入力するドア第2SW126と、が設けられている。
【0070】
ドア第1及びドア第2SW125,126は、図6に2点鎖線で示すように、車両のドア外面におけるノブに設けられ、ユニット制御手段122による制御方式がスイッチ制御方式である場合に、乗員の意思に基づく押圧操作により上記ユニット制御手段122に対して単発的な呼出信号を送信することを指令するものである。そして、この呼出信号に対して本体機3から応答信号が送信された場合に、いずれのドアSW125,126が押圧操作されたかによってユニット制御手段122によるドアのロックまたはアンロック制御がなされるか決定されるものである。
【0071】
ユニット制御手段122は、図7に示すように、応答信号に基づいてドアロックユニットDのロック、アンロック動作を制御する制御部220と、各種のデータやプログラムを記憶する車載メモリとを有する。
【0072】
制御部220は、車載通信機2のドア第1SW125やドア第2SW126を操作することによって、本体機3から送信される応答信号に基づいてドアロックユニットDを制御するスイッチ制御方式と、上記車載側送信部20から送信された呼出信号に応じて本体機3または副機4から送信された応答信号に基づいてドアロックユニットDを制御するスイッチ無操作制御方式とを切り替えて実行することができるように構成されている。言い換えると、本体機3と副機4とが一体的に連結された携帯用通信機1によっては、スイッチ制御方式によりドアロックユニットDを制御する一方、本体機3と副機4とが分離されると、本体機3と副機4とは同様の機能を発揮してスイッチ無操作制御方式によりドアロックユニットDを制御する。
【0073】
スイッチ操作制御方式においては、副機4が一体的に連結された本体機3(携帯用通信機1)が図6に示す所定のエリア内に位置する場合に、ドア第1及びドア第2SW125,126が操作されることにより車載側送信部20から送信された呼出信号に応じて本体機3の本体側送信部34から応答信号が送信され、この応答信号に基づいて、制御部220はドアロックユニットDを制御する。
【0074】
すなわち、制御部220は、ドア第1SW125が押圧操作されて送信された呼出信号に対して本体機3から応答信号の送信があった場合に、ロック状態にあるドアをアンロック状態とする制御信号をドアロックユニットDに出力するように構成され、これにより、ドアロックアクチュエータD1が作動してドアがアンロック状態に移行することとなる。
【0075】
また、上記スイッチ操作制御方式において、制御部220は、ドア第2SW126が押圧操作されて送信された呼出信号に対して本体機3から応答信号の送信があった場合に、アンロック状態にあるドアをロック状態とする制御信号をドアロックユニットDに出力するように構成され、これにより、ドアロックアクチュエータD1が作動してドアがロック状態に移行することとなる。
【0076】
一方、副機4が上記本体機3から抜出され、すなわちこれらが分離されて、スイッチ無操作制御方式に切り替えられた場合には、制御部220は、本体機3からの分離通知信号を受けて連続的または所定時間間隔で断続的に呼出信号を車載側送信部20から送信する。そして、この呼出信号に応じて本体機3または副機4から送信された応答信号に基づいて、制御部220はドアロックユニットDを制御する。このスイッチ無操作制御方式におけるユニット制御手段122の制御は、上記第1実施形態における制御における副機4の働きと同様であるので、その具体的説明は省略する。なお、このスイッチ無操作制御方式における本体機3の働きも、上記第1実施形態における副機4の働きと同様であるので、その説明を省略する。
【0077】
次に、この第2実施形態に係る車両用遠隔操作装置の制御動作を、図8ないし図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0078】
まず、本体機3の本体側CPU133における制御動作を、図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0079】
制御動作がスタートすると、まずステップS41において、副機4が分離されたか否かを判定する。具体的には、副機4の副側CPU43に送信しているID信号に対して副機4から信号受信通知信号を受信しているか否かを判定する。このステップS41において、副機4が本体機3から分離したと判断した場合には、ステップS42において、本体側送信部34から車載側受信部21に分離通知信号が送信されて、ステップS44に移行する。なお、上記ステップS41において、NO、すなわち副機4が分離されていないと判断した場合には、本体側送信部34から車載側受信部21に連結通知信号が送信されて(ステップS43)、ステップS44に移行する。
【0080】
次に、ステップ44において車載側送信部20から呼出信号を受信したか否かを判定する。このステップS44において、YES、すなわち本体側受信部135により上記呼出信号を受信したと判断した場合には、本体側送信部34から応答信号を送信する。なお、上記ステップS44において、NOと判断した場合には、ステップS45をスキップしてリターンする。
【0081】
副機4における制御動作は、上記第1実施形態における図4と同様であり、その説明を省略する。
【0082】
次に、車載通信機2における制御動作を、図9及び図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0083】
制御動作がスタートすると、ステップS51において、上記本体機3の本体側送信部34から車載側受信部21が分離通知信号を受信したか否かを判定する。このステップS51において、YES、すなわち分離通知信号を受信したと判断した場合には、ステップS52において、車載側送信部20から連続または断続的に呼出信号を送信する。上記ステップS51において、分離通知信号を受信していると判断した場合には、ユニット制御手段122は、上記本体機3と副機4とが分離されたと判断して、制御方式としてスイッチ無操作制御方式を採用する。すなわち、上記ステップS51において、YESと判断した場合には、ステップS52において連続的または断続的に呼出信号を送信して、この呼出信号に応じて本体機3あるいは副機4による応答信号の送信があった(ステップS53)場合には、スイッチ操作をすることなく、すなわち遠隔操作にあたって手間を要することなく、ドアロックユニットDを遠隔操作することができてドアロックユニットDの簡易な遠隔操作が実現される。このステップS53からステップS57に至るまでの制御動作は、上記第1実施形態におけるステップS32からステップS36に至るまでと同様であり、その説明を省略する。なお、ステップS53において、受信される応答信号は、本体機3の本体側送信部34から送信された応答信号だけでなく、副機4の副側送信部45から送信された応答信号をも含むものであり、この点、上記ステップS32からステップS36に至るまでの制御動作と異なる。
【0084】
一方、ステップS51において、NO、すなわち分離通知信号を受信していないと判断した場合には、図10に示すように、ステップS58において、連結通知信号を受信しているか否かを判定する。このステップS58において、連結通知信号を受信していると判断した場合には、ユニット制御手段122は、上記本体機3と副機4とが連結部を介して一体的に連結されていると判断して、制御方式としてスイッチ操作制御方式を採用する。すなわち、ステップS58において、YESと判断した場合には、ステップS59において、呼出信号を送信しているか否かを判定し、呼出信号を送信していると判断した場合には、車載側送信部20からの呼出信号の送信を停止して、バッテリーの節電を図り、ステップS61に移行する。なお、上記ステップS58において、NOと判断した場合には、各ステップをスキップしてそのままリターンし、また上記ステップS59において車載側送信部20から呼出信号を送信していないと判断した場合は、ステップS60をスキップして、ステップS61に移行する。
【0085】
次に、ステップS61において、ドア第1またはドア第2SW125,126が操作されたか否かを判定する。このステップS61で、いずれかのドアSW125,126が操作されたと判断した場合には、ステップS62において、所定時間単発的に呼出信号を送信する。そして、ステップS63において、この呼出信号に応じて本体機3の本体側送信部34から送信された応答信号を車載側受信部21において受信したか否かを判定する。このステップS63において、YES、すなわち本体機3から応答信号を受信したと判断した場合には、ステップS64において、ドア第1SW125が押圧操作されたか否かを判定する。そして、ドア第1SW125が押圧操作された(ON)と判断した場合には、ステップS65においてドアアンロック動作がなされる。このドアアンロック動作とは、図9に示すステップS54とステップS55における制御動作がなされることである。なお、ステップS64においてドア第1SW125が操作されていないと判断した場合には、ステップS66においてドア第2SW126が操作されたか否かを判定して、操作されたと判断した場合にはドアロック動作がなされる(ステップS67)。このドアロック動作とは、図9に示すステップS56とステップS57における制御動作がなされることである。
【0086】
一方、ステップS61においてNO、ステップS63においてNO、ステップS66においてNOと判断した場合には、対応する各ステップをスキップしてリターンする。
【0087】
この第2実施形態に係る車両用遠隔操作装置によっても、上記第1実施形態における車両用遠隔操作装置と同様の効果を奏する。しかも、スイッチ制御方式によってドアロックユニットDを制御する場合にも、携帯用通信機1を所持する乗員以外の者の操作であっても、携帯用通信機1を所持する乗員が図6に示す所定のエリア内に進入していれば、ドアロックユニットをロックまたはアンロックすることができ、その使い勝手が向上する。
【0088】
また、ユニット制御手段122がスイッチ無操作制御方式によって制御している場合には、本体機3と副機4とについて共に、スイッチを操作することなく、ドアのロックまたはアンロックを遠隔操作することができ、例えば一方を同乗者に渡すことができてその使い勝手が向上する。
【0089】
なお、上記第2実施形態において、本体機3に上記第1実施形態と同様、本体第1SW30及び本体第2SW31を設け、これらのSW操作の組み合わせによってドアのロックまたはアンロックを含む複数の車載ユニットの制御を実行しうるように構成しても良い。例えば、本体メモリにこれらのSW操作の組み合わせに対応する制御内容を記憶させ、本体第1SW30及び本体第2SW31のスイッチ操作(ボタンの押圧操作)に基づいて種々の制御を実行するための制御信号を、本体側送信部34から車載通信機2に送信するものであっても良い。このように構成すれば、スイッチ無操作制御方式においても、本体機3を使用して種々の車載ユニットを遠隔操作することができ、一層便利になる。
(第3実施形態)
図11は、本発明にかかる車両用遠隔操作装置の第3実施形態を示している。この車両用遠隔操作装置は、本体機3や副機4のスイッチ30,31,40,41操作によって複数の車載ユニットD,Iを制御し得るようになされていると共に、本体機3のスイッチ30,31操作によって副機4により制御する車載ユニットD,I,D1,D2の一部または全部を制限しうるものとなされている。
【0090】
すなわち、第3実施形態に係る車両用遠隔操作装置は、携帯用通信機1と、該携帯用通信機1からの無線信号を受信する車載通信機2とを備え、携帯用通信機1は本体機3とこの本体機3に連結部5を介して着脱可能に連結された副機4を有し、この本体機3と副機4とは、共に車載通信機2に制御信号を送信することにより、複数の車載ユニットD,Iを遠隔操作し得るように構成されている一方、本体機3の所定の操作に応じて副機4により遠隔操作することができる車載ユニットD,Iを制限またはその制限の解除をし得るものとなされている。ここで、本第3実施形態では、本体機3及び副機4により、ドアロックユニットDによってドアロックアクチュエータD1を作動してドアのロックまたはアンロックを操作する以外に、ドアロックユニットDによってトランクリッドアクチュエータD2を作動してトランクリッドのロックまたはアンロックを操作し、及びイグニッションスイッチロックユニットIによってイグニッションスイッチロックアクチュエータI1を作動してイグニッションスイッチのロックまたはアンロックを操作する。
【0091】
なお、上記第1実施形態と同一の構成を有するものには、図7において同一符号を付してその説明を省略する。
【0092】
本第3実施形態では、その車載通信機2に設けられたユニット制御手段22は、その制御方式としてスイッチ制御方式と組み合わせ制御方式との間で切替可能に構成され、この点の構造は上記第1実施形態と同様である。従って、以下に本体機3と副機4によって複数の車載ユニットD,Iを遠隔操作する点、及び本体機3によって副機4に基づく車載ユニットD,Iの制御を制限またはその制限の解除をする点について説明する。
【0093】
この本体機3には、図11に示すように、上記車載通信機2や副機4に対して制御対象等の種々の指令を入力する入力手段である本体第1スイッチ部30(以下「本体第1SW」という)及び本体第2スイッチ部31(以下「本体第2SW」という)と、各種のデータやプログラムを記憶する本体側メモリ32と、上記本体第1SW30と本体第2SW31からの入力により上記メモリ32に記憶されたプログラムに基づいて種々の制御を実行する本体側CPU33と、この本体側CPU33から出力された制御信号等の各種信号を上記車載通信機2に送信する本体側送信部34とが設けられている。なお、上記第1実施形態では、本体第1SW30と本体第2SW31との押圧操作によって、ドアがロックまたはアンロックするように遠隔操作することができるものとなされていたが、本第3実施形態では、このドアをロックまたはアンロックするためには、本体第1及び本体第2SWの所定の組み合わせ操作を要するものとなされている。
【0094】
本体第1SW30及び本体第2SW31は、これらのスイッチ操作(ボタンの押圧操作)の組み合わせにより種々の制御を実行するための制御信号を、本体側送信部34から車載通信機2に、あるいは本体機3の本体側CPU33から副機4の後述する副側CPU43に送信するように構成されている。
【0095】
本体側CPU33は、上記本体第1SW30と本体第2SW31とからの入力に基づいて、上記各SW30,31の組み合わせが上記本体側メモリ32に記憶されている所定の組み合わせと一致しているか否かを判断し、一致している場合には上記本体側メモリ32に記憶されている所定のSW操作の組み合わせに対応する制御内容や制限解除等の指示を車載通信機2や副機4に送信するものである。具体的には、この本体側CPU33は、上記入力との対比結果に基づいて、本体側送信部34を介して車載通信機2に対して所定の制御信号等、例えば車載通信機2の後述するユニット制御手段22が制御する制御対象を指令するための信号を送信し、あるいは上記信号送信手段6を介して副機4の後述する副側CPU43に対して所定の指令信号等、例えば副機4により制御する車載ユニットD,Iを制限するための信号を送信するように構成されている。
【0096】
一方、副機4には、図11に示すように、上記車載通信機2に対して制御対象等の種々の指示を入力する入力手段である副第1スイッチ部40(以下「副第1SW」という)及び副第2スイッチ部41(以下「副第2SW」という)と、各種のデータやプログラムを記憶する副側メモリ42と、上記副第1SW40と副第2SW41からの入力等により上記副側メモリ42に記憶されたプログラムに基づいて種々の制御を実行する副側CPU43と、この副側CPU43から出力された指示信号や車載通信機2からの呼出信号に応じて副側CPU43から出力される応答信号等の無線信号を上記車載通信機2に送信する副側送信部45と、車載通信機からの呼出信号を受信する副側受信部44が設けられている。
【0097】
副第1SW40及び副第2SW41は、これらのスイッチ操作(ボタンの押圧操作)の組み合わせにより種々の制御を実行するための制御信号を副機側送信部44から車載通信機2に送信するように構成されている。
【0098】
副機4の副側CPU43は、上述するように、上記メモリ42に記憶されたプログラムに基づいて種々の制御を実行するものであり、上記副第1SW40と副第2SW41とからの入力に基づいて、上記各SW40,41の操作の組み合わせが上記メモリ32に記憶されている所定の組み合わせと一致しているか否かを判断し、一致している場合には上記メモリ42に記憶されている所定のSW40,41の操作の組み合わせに対応する制御内容等の指示を車載通信機2に送信し、あるいは上記本体機3の本体側CPU33から送信された指令信号に基づいて、副機4により遠隔操作し得る車載ユニットD,Iを制限またはその制限を解除するように制御するものである。この副機4に基づく車載ユニットD,Iの遠隔操作を制限するように制御することについて、具体的には、副側CPU43は、上記本体機3の本体側CPU33から送信された後述する制限指令信号に基づいて、この制限指令信号により特定される車載ユニットに対する制御信号の送信を制限するように構成されている。一方、本体機3の本体側CPU33から送信された後述する制限解除指令信号に基づいて、この制限解除指令信号により特定される車載ユニットD,Iに対する上記制限が解除されるものとなされている。
【0099】
而して、本体機3と副機4とが一体的に連結されている状態では、本体機3と副機4の各CPU33,43が有線であるデータ線を介して電気的に接続される。この本体機3と副機4の各CPU33,43を繋ぐデータ線が、上記信号送信手段6に相当し、これが本願請求項にいう指令送信手段に相当する。この信号送信手段6は、本体機3と副機4にそれぞれ設けられたポート間でシリアル通信やパラレル通信等の公知の通信手段により通信されるものとなされている。
【0100】
ここで、上記本体機3から信号送信手段6を介して副機4に対して、この副機4により制御する車載ユニットD,Iを制限またはこの制限を解除するための指令信号(以下、前者を「制限指令信号」、後者を「制限解除指令信号」という)を送信する方法について具体的に説明する。
【0101】
まず、本体機3と副機4とを上記連結部5を介して一体的に連結した状態で、上記本体機3の本体第1SW30と本体第2SW31の制限指令操作により、本体機3の本体側CPU33から上記信号送信手段6を介して副機4の副側CPU43に対して、制限指令信号が送信される。この制限指令信号としては、例えば副機4による全ての車載ユニットの遠隔操作が禁止されるとするものや、副機4による一部の車載ユニットD,Iの遠隔操作が禁止されるとするものなどがあり、これらが本体第1SW30と本体第2SW31のSW操作の組み合わせにより区別される。
【0102】
そして、これらの制限信号は、例えば本体第1SW30と本体第2SW31との押圧操作の組み合わせに関連付けられてメモリ32に記憶されており、所定のSW操作により所定の制限指令信号が送信されるものとなされている。
【0103】
一方、本体機3に上記制限を課した後、この制限を解除する場合には、本体機3と副機4とを連結した状態で、上記本体第1SW30と本体第2SW31の制限解除指示操作(上記制限指令信号を送信する場合の特定SW操作と異なる特定SWの組み合わせ操作)により、本体機3の本体側CPU33から上記信号送信手段6を介して副機4の副側CPU43に対して、制限解除指令信号が送信される。この制限解除指令信号は、副機4によって遠隔操作が制限されている車載ユニットD,Iの一部の制限を解除するものであっても良いし、その全てを解除するものであっても良く、また本体第1及び本体第2SW30,31の特定SW操作によってこれらを使い分けるものであっても良い。
【0104】
一方、車載通信機2は、上記副機4に呼出信号を送信する車載側送信部20と、上記本体機3や副機4からの制御信号や副機からの応答信号等の無線信号を受信する車載側受信部21と、これらの制御信号や応答信号の無線信号に基づいて所定の車載ユニットD,Iを制御するユニット制御手段22とが設けられている。
【0105】
ユニット制御手段22は、図11に示すように、制御信号や応答信号に基づいて各種車載ユニットを制御する制御部220と、各種のデータやプログラムを記憶する車載メモリ221とを有する。
【0106】
制御部220は、上記本体機3または副機4から送信された制御信号や応答信号に基づいて、各種車載ユニットD,Iを制御するものである。
【0107】
具体的には、制御部220は、本体機3または副機4からの制御信号を受信した場合には、その制御信号に基づく所定の車載ユニットに対して所定の動作をするように制御を実行する一方、副機4からの応答信号を受信した場合には、ドアロックユニットDに対してアンロックを指示する制御信号を出力し、副機4からの応答信号が途絶えた場合には、ドアロックユニットDに対してロックを指示する制御信号を出力する。
【0108】
次に、この第3実施形態に係る車両用遠隔操作装置の制御動作を、図12ないし図14に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0109】
まず、本体機3の本体側CPU33における制御動作を、図12に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0110】
制御動作がスタートすると、まずステップS71において、副機4が分離されたか否かを判定する。このステップS71において、副機4が本体機3から分離したと判断した場合には、ステップS72において、本体側送信部34から車載側受信部21に分離通知信号が送信される。
【0111】
次に、ステップS73において、本体第1または本体第2SW操作を検出したか否かを判定する。このステップS73においてSW操作を検出した場合には、このSW操作が、本体側メモリ32に記憶されている所定の制御用SW操作の組み合わせであるか否かを判定する(ステップS74)。本体SW操作が、所定の制御用SW操作の組み合わせである場合には、その組み合わせに対応して本体側メモリ32に記憶されている所定の車載ユニットD、Iに対する所定の動作をするように指示する制御信号を車載通信機2に送信する(ステップS75)。なお、上記ステップS73やステップS74において、NOと判断した場合には、対応する各ステップをスキップしてそのままリターンする。
【0112】
一方、上記ステップS71において、NO、すなわち副機4が分離されていないと判断した場合には、本体側送信部34から車載側受信部21に連結通知信号が送信されて(ステップS76)、ステップS77において、本体第1または本体第2SW操作を検出したか否かを判定する。このステップS77においてSW操作を検出した場合には、このSW操作が、本体側メモリ32に記憶されている所定の制御用SW操作の組み合わせであるか否かを判定する(ステップS78)。本体SW操作が、所定の制御用SW操作の組み合わせである場合には、その組み合わせに対応して本体側メモリ32に記憶されている所定の車載ユニットD、Iに対する所定の動作をするように指示する制御信号を車載通信機2に送信する(ステップS79)。なお、上記ステップS77において、NOと判断した場合には、対応する各ステップをスキップしてそのままリターンする。
【0113】
一方、上記ステップS78において、NO、すなわち、本体SW操作が、所定の制御用SW操作の組み合わせでない場合には、ステップS80において、上記本体SW操作が、本体側メモリ32に記憶されている所定の副機制限用SW操作の組み合わせであるか否かを判定する。そして、本体SW操作が所定の副機制限用SW操作の組み合わせであると判断した場合には、その副機制限用SW操作の組み合わせに対応して本体側メモリ32に記憶されている所定の車載ユニットD,Iに対する副機に基づく遠隔操作の制限を指令する制限指令信号を副機に送信する。
【0114】
また、上記ステップS80において、本体SW操作が、副機制限用SW操作の組み合わせでもないと判断した場合には、ステップS82において、この本体SW操作が、本体側メモリ32に記憶されている所定の副機制限解除用SW操作の組み合わせであるか否かを判定する。本体SW操作が所定の副機制限解除用SW操作の組み合わせであると判断した場合には、その副機制限用SW操作に対応して副機に課されている遠隔操作の制限の解除を指令する制限解除指令信号を副機に送信する。なお、上記ステップS82において、NOと判断した場合には、ステップS83に移行することなく、そのままリターンする。
【0115】
次に、副機4における制御動作を、図13に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0116】
制御動作がスタートすると、ステップS90において、副機4が本体機3から分離されたか否かを判定する。このステップS90において、YES、すなわち副機4が本体機3から分離したと判断した場合には、ステップS92において、副第1または副第2SW操作が検出されたか否かを判定する。このステップS92において副機のSW操作を検出した場合には、このSW操作が、副側メモリ42に記憶されている所定の制御用SW操作の組み合わせであるか否かを判定する(ステップS92)。副機のSW操作の組み合わせが、所定の制御用SW操作の組み合わせである場合には、そのSW操作の組み合わせが、本体機の制限指令信号により特定された制限が課されている制御か否かを判定する(ステップS93)。そして、このステップS93において、制限が課されていない制御であると判断した場合には、副機のSW操作その組み合わせに対応して副側メモリ42に記憶されている所定の車載ユニットD、Iに所定の動作をするように指示する制御信号を車載通信機2に送信する(ステップS94)。なお、上記ステップS93で、YES、すなわちSW操作により特定された制御が本体機より制限が課されているものであると判断した場合には、車載通信機2に制御信号を送信することなく、次のステップS95に移行する。また、ステップS91、S92においてNOと判断した場合には、対応する各ステップをスキップしてステップS95に移行する。
【0117】
次に、ステップS95やステップS96は、第1実施形態におけるステップS11及びステップS12と同様であるので、その説明を省略する。
【0118】
なお、上記ステップS90において、NO、すなわち分離していないと判断した場合には、上記各ステップをスキップして、そのままリターンし、副機が分離されるまで待機する。
【0119】
最後に、車載通信機2における制御動作を、図14に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0120】
制御動作がスタートすると、ステップS100において、上記本体機3の本体側送信部34から車載側受信部21が分離通知信号を受信したか否かを判定する。このステップS101において、YES、すなわち分離通知信号を受信したと判断した場合には、ステップS52において、車載側送信部20から連続または断続的に呼出信号を送信する。
【0121】
次に、ステップS102において、車載側受信部21が本体機3の本体側送信部34から制御信号を受信しているか否かを判定する。このステップS102で本体機3から制御信号を受信していると判断した場合には、その制御信号に基づいて所定の車載ユニットD,Iの制御を実行して(ステップS103)、ステップ106に移行する。
【0122】
一方、ステップS102において、NOと判断した場合には、ステップS104において、車載側受信部21が副機4の副側送信部45から制御信号を受信しているか否かを判定する。このステップS102で副機4から制御信号を受信していると判断した場合には、その制御信号に基づいて所定の車載ユニットD,Iの制御を実行して(ステップS105)、ステップ106に移行する。なお、上記ステップ104において、NOと判断した場合には、本体機3からも副機4からも制御信号を受信しておらず、従って制御信号に基づく制御は実行されることなく、そのままステップS106に移行する。
【0123】
次のステップS106からステップS110については、第1実施形態におけるステップS32からステップS36と同様であり、その説明を省略する。
【0124】
一方、上記ステップS100において、NO、すなわち分離通知信号を受信していないと判断した場合には、ステップS111に移行する。このステップS11からステップS113についても、上記第1実施形態におけるステップS22からステップS24と同様であり、その説明を省略する。
【0125】
次に、ステップS113において、呼出信号が送信された後、または、ステップS112においてNOと判断された後、ステップS114において、車載側受信部21が本体機3からの制御信号を受信したか否かを判定する。そして、制御信号を受信していると判断した場合には、この制御信号により特定されている制御を実行する。一方、上記ステップS114において、NOと判断した場合には、ステップS115に移行することなく、そのままリターンする。
【0126】
この第3実施形態に係る車両用遠隔操作装置によれば、本体機3または副機4によってその他の車載ユニットIを遠隔制御することができ、その使い勝手がより一層向上する。
【0127】
さらに、上記のように副機4によって複数の車載ユニットを制御するように構成する場合には、上記本体機3と副機4との間に、上記本体機3から上記副機4に対して指令信号を送信する信号送信手段6を有し、上記副機4は、指令信号の受信によってその副機4に基づくユニット制御手段22による車載ユニットD,Iの制御がその一部または全部において制限されるように構成されているので、状況に応じて本体機3から信号送信手段6を介して副機4の機能に制限を加えることができ、状況に応じた最適の制限を副機4に指令することができ、その使い勝手が向上する。すなわち、副機4により遠隔操作制御することができる車載ユニット22を制限して、この副機4を預ける人によって最適な制限を副機4の機能に課すことができる。例えば副機4をホテルマンや駐車場の管理人に預ける場合には、副機4によるトランクリッドのロックまたはアンロックを遠隔操作することができないように設定しておき、トランクリッド内に貴重品を収納することにより、その防犯性を高めることができ、ま副機4を子供に預けるような場合に、副機4ではイグニッションスタートを遠隔操作することができないように設定しておくことにより、子供が無断でイグニッションスタートを操作する危険性を確実に防止してその安全性を高めることができる。
【0128】
上記第3実施形態では、本体機3から制限指令信号や制限解除指令信号があった場合は、副機4の副側CPU43によってそれらの指令信号によって特定された車載ユニットD,Iに対する制御信号の送信を制限することにより、副機4に基づく車載ユニットD,Iの遠隔操作を制限するものとして構成したが、この副機4に基づく車載ユニットの制御を制限する制御としては、上記送信を制限するものだけでない。この副機4に基づく車載ユニットD,Iの制限制御は、その他の方法、例えば指令信号により特定された車載ユニットD,Iに関する情報を無線信号として車載通信機2に送信し、この車載通信機2のユニット制御手段22によって該特定された車載ユニットD,Iの制御を制限するものであっても良く、あるいは本体機3から直接車載ユニット2に制御が制限された車載ユニットに関する情報を無線信号で送信し、ユニット制御手段22により無線信号で特定された車載ユニットの副機4に基づく制御を制限するようにしても良い。後者の場合は、例えばエリア外で副機4を紛失した場合に、副機4に基づく自動車への自由なアクセスを禁止することができ、防犯性が向上するという利点がある。
【0129】
なお、以上にこの発明に係る車両用遠隔操作装置の実施形態について説明したが、この発明に係る車両用遠隔操作装置は、上記第1ないし第3実施形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨に反しない範囲で種々の変更が可能である。
【0130】
例えば上記実施形態では、いずれも、携帯用通信機は、2つの筐体、すなわち本体機3と副機と4とから構成され、これらを分離、連結することによりユニット制御手段による制御方式を切り替えるものとなされているが、例えば単一の筐体から構成され、該筐体に切替スイッチを設け、この切替スイッチを操作することによりユニット制御手段の制御方式を切り替えるものであっても良い。要は、携帯用通信機を所持する乗員等の自由な意思に基づいて、ユニット制御手段による制御方式を変更することができるものであれば、切替手段の構成は特に限定するものではない。
【0131】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、携帯用通信機と、該携帯用通信機からの無線信号を受信する車載通信機とを備え、該車載通信機に設けられたユニット制御手段が上記携帯用通信機からの無線信号に基づいて所定の車載ユニットを制御する車両用遠隔操作装置であって、上記ユニット制御手段は、上記携帯用通信機及び車載通信機の少なくともいずれか一方に設けられたスイッチを操作することによって上記携帯用通信機から送信される無線信号に基づいて所定の車載ユニットを制御するスイッチ操作制御方式と、上記車載通信機から連続または断続的に呼出信号を送信してこの呼出信号に応じて携帯用通信機から送信された無線信号に基づいて所定の車載ユニットを制御するスイッチ無操作制御方式とを実行し得るように構成されている一方、上記スイッチ操作制御方式と、上記スイッチ無操作制御方式との間で制御方式を切り替える切替手段を有するので、必要に応じて、すなわち上記節電を励行する場合にはスイッチ制御方式を、簡易操作を実現する場合にはスイッチ無操作制御方式を、乗員の意思に基づいて使い分けることができ、乗員の意思により、ユニット制御手段による車載ユニットの制御方式を節電モードと簡易操作モードとの間で使い分けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用遠隔操作装置の第1実施形態を示すブロック図である。
【図2】携帯用通信機の構成を示す概要図である。
【図3】本体機の制御動作を示すフローチャートである。
【図4】副機の制御動作を示すフローチャートである。
【図5】車載通信機の制御動作を示すフローチャートである。
【図6】携帯用通信機(本体機または副機)を操作するための所定のエリアを示す説明図である。
【図7】本発明に係る車両用遠隔操作装置の第2実施形態を示すブロック図である。
【図8】第2実施形態における本体機の制御動作を示すフローチャートである。
【図9】第2実施形態における車載通信機の制御動作の一部を示すフローチャートである。
【図10】第2実施形態における車載通信機の制御動作の図9の残りの一部を示すフローチャートである。
【図11】本発明に係る車両用遠隔操作装置の第3実施形態を示すブロック図である。
【図12】第3実施形態における本体機の制御動作を示すフローチャートである。
【図13】第3実施形態における副機の制御動作を示すフローチャートである。
【図14】第3実施形態における車載通信機の制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 携帯用通信機
2 車載通信機
3 本体機
4 副機
5 連結部
6 信号送信手段
22 ユニット制御手段
30 本体第1SW
31 本体第2SW
D ドアロックユニット
I イグニッションスイッチロックユニット
Claims (7)
- 携帯用通信機と、該携帯用通信機からの無線信号を受信する車載通信機とを備え、該車載通信機に設けられたユニット制御手段が上記携帯用通信機からの無線信号に基づいて所定の車載ユニットを制御する車両用遠隔操作装置であって、
上記ユニット制御手段は、
上記携帯用通信機及び車載通信機の少なくとも一方に設けられたスイッチを操作することによって上記携帯用通信機から送信される無線信号に基づいて所定の車載ユニットを制御するスイッチ操作制御方式と、
上記車載通信機から連続または断続的に呼出信号を送信してこの呼出信号に応じて携帯用通信機から送信された無線信号に基づいて所定の車載ユニットを制御するスイッチ無操作制御方式とを実行し得るように構成されている一方、
上記スイッチ操作制御方式と、上記スイッチ無操作制御方式との間で制御方式を切り替える切替手段を有することを特徴とする車両用遠隔操作装置。 - 請求項1記載の車両用遠隔操作装置において、
上記切替手段は、上記携帯用通信機に設けられ、この携帯用通信機にはこの切替手段による切替があった場合に上記車載通信機のユニット制御手段に切替信号を送信する送信部が設けられていることを特徴とする車両用遠隔操作装置。 - 請求項2記載の車両用遠隔操作装置において、
上記携帯用通信機は、本体機と、この本体機に連結部を介して着脱可能に連結された副機とを有し、
上記切替手段は、上記本体機と副機とにより構成され、
上記本体機と副機とは、
この本体機と副機とが一体的に連結された状態では、ユニット制御手段による上記スイッチ操作制御方式によって所定の車載ユニットを制御する一方、
上記本体機と副機とが分離された状態では、副機によってユニット制御手段による上記スイッチ無操作制御方式により所定の車載ユニットを制御するように構成されていることを特徴とする車両用遠隔操作装置。 - 請求項3記載の車両用遠隔操作装置において、
上記副機には、複数個のスイッチが設けられ、これらのスイッチ操作の組み合わせによりさらに別の複数の車載ユニットを制御し得るように構成されていることを特徴とする車両用遠隔操作装置。 - 請求項4記載の車両用遠隔操作装置において、
上記本体機と副機との間に、上記本体機から上記副機に対して指令信号を送信する指令送信手段を有する一方、
上記副機は、上記指令信号の受信によってその副機に基づくユニット制御手段による上記別の複数の車載ユニットの制御がその一部または全部において制限されるように構成されていることを特徴とする車両用遠隔操作装置。 - 請求項5記載の車両用遠隔操作装置において、上記ユニット制御手段により制御が制限される上記車載ユニットとして、トランクリッドをロックまたはアンロックするトランクリッドロックユニットを少なくとも有し、上記副機によるトランクリッドロックユニットの制御が制限可能に構成されていることを特徴とする車両用遠隔操作装置。
- 請求項5記載の車両用遠隔操作装置において、上記ユニット制御手段により制御が制限される上記車載ユニットとして、イグニッションスイッチをロックまたはアンロックするイグニッションスイッチユニットを少なくとも有し、上記副機によるイグニッションスイッチユニットの制御が制限可能に構成されていることを特徴とする車両用遠隔操作装置。
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