JP2004067918A - 耐候性が改善された硬化性組成物 - Google Patents

耐候性が改善された硬化性組成物 Download PDF

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柏女 浄照
Naoki Shimada
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Abstract

【課題】物性、耐候性を悪化させることなく接着性(凝集破壊率)が向上する硬化性組成物の提供。
【解決手段】反応性ケイ素基を分子末端に少なくとも1つ有する重合体であって、末端基当たりの分子量(M)が5000以上であり、M/Mが1.5以上であり、かつ、主鎖が、活性水素原子含有化合物を開始剤として環状エーテルを開環重合させて得られるオキシアルキレン重合体であってかつ前記開始剤と前記環状エーテルに基づく構造のみからなるオキシアルキレン重合体である重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含む重合体(P)及び、硬化促進剤を含有する硬化性組成物。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シーリング材、接着剤等に有用な湿分存在下で硬化可能な硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体は室温で液状であり、かつ硬化物が比較的低温でも柔軟性を保持するため、シーリング材又は接着剤などに用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
耐候性を付与する目的で、反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体にアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル系重合体を併用する方法が知られている(特開昭59−122541号公報、特開昭63−112642号公報)。
【0004】
上記の特許の出願当時においては、反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体としては、分子量約3000のポリオキシアルキレンジオールといった入手しやすい分子量のポリオール(以下、易入手ポリオールという)を原料として、多ハロゲノ化合物を反応させて分子量を増大させ(架橋反応)、次いで分子末端に不飽和結合を導入し、不飽和結合に反応性ケイ素基を導入する方法(特開昭53−134095号公報、特開昭55−13768号公報)で得られた重合体が使用されていた。
【0005】
しかし、この方法で得られる反応性ケイ素基含有重合体は、原料である易入手ポリオールに由来する低分子量の反応性ケイ素基含有重合体を多く含むので、そのような低分子量の重合体の存在により、硬化性や硬化物の破断伸度に劣る欠点があった。硬化性や硬化物の破断伸度を向上させるため、さらに分子量を増大させると重合体の粘度が高くなりすぎ、実用上使用可能な硬化性組成物は得られない問題があった。
【0006】
また、M/Mが1.6以下で数平均分子量が6000以上の反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体及び特定の(メタ)アクリル系重合体を含有する硬化性組成物が、特開平6−172631号公報にて提案されている。M/Mが1.6以下でMが6000以上の反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体は、開始剤の存在下、複合金属シアン化物錯体を触媒として、アルキレンオキシドを反応させて得られるポリエーテルを使用することにより製造できることが知られている。
【0007】
このような重合体を用いた場合、従来知られていた重合体と比較して、低分子量の重合体含量が少ないために、同じ粘度で比較すると、より高分子量化でき、硬化性に優れ、破断伸度が大きい特徴がある。しかし、このような重合体を含有する硬化性組成物から得られる硬化物は、破断強度、破断伸度が大きいことからシーリング材や接着剤などのように被着体との接着において引張り時に界面により大きな応力がかかることになるため、シーリング材自身の破断以前に界面での剥離が起こる欠点もあった。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決し、耐候性に優れた硬化性組成物であって、かつ、硬化性を悪化させず、また引張時に被着体との界面剥離を起こしにくい硬化性組成物を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は次の発明である。
式1で表される基を分子末端に少なくとも1つ有し、かつ下記(a)〜(c)を満足する、反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体(A1)、アクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含む重合体(P)、及び硬化促進剤(S)を含有することを特徴とする硬化性組成物。
【0010】
−O−R−SiX 3−a・・・式1
式中、Rは、−CONH−、−O−、−S−、−CO−又は−NH−を有していてもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基、Rは炭素数1〜10の1価の炭化水素基、Xは水酸基又は加水分解性基、aは1、2又は3。ただし、Rが複数個存在するときはRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、またXが複数個存在するときは、Xはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
【0011】
(a)末端基当たりの分子量(M)が5000以上であること、
(b)重量平均分子量(M)と数平均分子量(M)の比(M/M)が1.5以上であること、
(c)主鎖が、活性水素原子含有化合物を開始剤として環状エーテルを開環重合させて得られるオキシアルキレン重合体であってかつ前記開始剤と前記環状エーテルに基づく構造のみからなるオキシアルキレン重合体であること。
【0012】
上記組成物は、重合体(P)が、(1)アルキル基の炭素数が1〜8であるアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位、(2)アルキル基の炭素数が10以上であるアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位、及び任意に、(3)(1)、(2)以外の単量体単位とからなる重合体であることを特徴とする組成物であることが好ましい。
【0013】
なお、本発明において、「末端基当たりの分子量(M)」とは、[数平均分子量(M)]/[1分子当たりの末端基の数(f)]、をいう。fとは1分子中の全末端基の数をいい、重合体(A1)の原料となる水酸基含有オキシアルキレン重合体を製造する際に用いる開始剤の活性水素原子の数が2以上の場合はfは開始剤の活性水素原子数に等しい。重合体(B)が線状の重合体の場合、すなわち該開始剤の活性水素原子数が1か2の場合は、fは2である。開始剤が混合物の場合はその平均値をいう。さらに、M及びM/Mはゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)によりテトラヒドロフランを溶媒として測定されるポリスチレン換算のM及びM/Mを意味する。
【0014】
【発明の実施の形態】
式1で表される基を分子末端に少なくとも1つ有する反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体を、以下「重合体(A)」という。重合体(A)のうち(a)〜(c)を満足するものが反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体(A1)である。重合体(A)の原料である水酸基末端オキシアルキレン重合体を、以下「重合体(B)」という。重合体(B)のうち(a)、(b)及び(d)を満足するものが水酸基末端オキシアルキレン重合体(B1)[以下、「重合体(B1)」ともいう]である。同様に、重合体(A)の原料である式2で表される基を分子末端に有するオキシアルキレン重合体を、以下「重合体(C)」という。重合体(C)のうち(a)〜(c)を満足するものがオキシアルキレン重合体(C1)[以下、「重合体(C1)」ともいう]である。
【0015】
重合体(A)〜(C)及び重合体(A1)〜(C1)はいずれもオキシアルキレン重合体の1種であり、これら重合体の主鎖とはオキシアルキレン重合体から末端基を除いた部分をいう。たとえば、重合体(A)では式1で表される基(及び場合によっては末端開始剤残基)を除いた部分を、重合体(B)では水酸基(及び場合によっては末端開始剤残基)を除いた部分を、重合体(C)では式2で表される基(及び場合によっては末端開始剤残基)を除いた部分をいう。重合体が2種以上の末端基を有する場合はそれら末端基のすべてを除いた部分をいう。
【0016】
(重合体(A)について)
重合体(A)は、活性水素原子含有化合物を開始剤として環状エーテルを開環重合させて得られる重合体(B)の末端水酸基を式1で表される基に変換することによって製造できる。
【0017】
重合体(A)は、特に、重合体(B)の末端水酸基を式2で表される基に変換して重合体(C)を製造し、次いで、重合体(C)における式2で表される基を式1に変換して製造することが好ましい。
【0018】
(反応性ケイ素基について)
式1で表される反応性ケイ素基について説明する。
−O−R−SiX 3−a・・・式1
式中、Rは、−CONH−、−O−、−S−、−CO−又は−NH−を有していてもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基、Rは炭素数1〜10の1価の炭化水素基、Xは水酸基又は加水分解性基、aは1、2又は3。ただし、Rが複数個存在するときはRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、またXが複数個存在するときは、Xはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
【0019】
が、−CONH−、−O−、−S−、−CO−又は−NH−を有する炭化水素基の場合、それらの結合基は炭化水素基の炭素原子間に存在する。また、−CONH−及び−CO−は炭化水素基の酸素原子側末端に存在してもよい。Rは、後述するように、好ましくは、炭化水素基、−CONH−を酸素原子側末端に有する炭化水素基、又は炭素原子間に−S−を有する炭化水素基、である。
【0020】
は炭素数8以下のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましく、メチル基が好ましい。Xは水酸基、ハロゲン原子、アシルオキシ基、又はアルコキシ基が好ましく、アルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。aは2又は3が好ましい。
【0021】
重合体(B)の末端水酸基を式1で表される基に変換する方法には下記の(イ)〜(ハ)の方法が挙げられる。
【0022】
(イ)重合体(B)の水酸基を式3で表される基に変換してなる重合体(C)に式4で表される水素化ケイ素化合物を反応させる方法。
−O−R・・・式3
式中、Rは不飽和結合を有する炭素数1〜10の1価の炭化水素基であり、Rは後述のCH=CR−R−であることが好ましい。
【0023】
H−SiX 3−a・・・式4
式中、R、X、aは前記に同じ。
式4で表される化合物の具体例としては、ジメトキシメチルシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、ジアセトキシメチルシラン、クロロジメチルシラン、ジクロロメチルシラン、ジクロロエチルシラン、トリクロロシランなどが挙げられる。これらの化合物は単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
【0024】
重合体(C)に式4で表される化合物を反応させる場合、白金系触媒(塩化白金酸、白金金属、塩化白金、白金オレフィン錯体など)、ロジウム系触媒、コバルト系触媒、パラジウム系触媒、ニッケル系触媒などの触媒が使用できる。該触媒の添加量は、重合体(C)に対し10〜100ppmが好ましく、30〜60ppmがより好ましい。反応温度30〜150℃、好ましくは60〜120℃で1〜数時間反応させることが好ましい。
【0025】
重合体(C)は、重合体(B)の末端水酸基を、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルコキシドに変換し、次いで式5で表される化合物と反応させる方法などにより得られる。アルコキシドに変換するには、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物を、重合体(B)の末端水酸基に対して、0.8〜1.5倍モル反応させることにより可能である。
【0026】
CH=CR−R−Y・・・式5
式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは単結合又は炭素数1〜8(Rがメチル基の場合は1〜7)の2価の炭化水素基、Yはハロゲン原子。
は水素原子が好ましい。Rはメチレン基が好ましい。Yはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、塩素原子又は臭素原子が好ましい。
【0027】
式5で表される化合物の具体例としては、アリルクロリド、アリルブロミド、メタリルクロリド、メタリルブロミドなどが挙げられる。コスト、反応性の点からアリルクロリドがより好ましい。これらは単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
【0028】
式5で表される化合物は、重合体(B)の末端水酸基1モルに対して0.8〜1.9モル使用できる。反応温度20〜160℃、好ましくは70〜150℃で1〜7時間反応させることが好ましい。
【0029】
なお、重合体(B)に、式5で表される化合物、次いで式4で表される化合物を反応させることにより、重合体(B)の水酸基が式6で表される基に変換される。式6で表される基は、−R−が−R−CHR−CH−である式1で表される基に相当する。
−O−R−CHR−CH−SiX 3−a・・・式6
式中、R、R、R、X、aは前記に同じ。
【0030】
(ロ)重合体(B)の水酸基を式3で表される基に変換してなる重合体(C)に式7で表されるメルカプト基含有ケイ素化合物を反応させる方法。
HS−R−SiX 3−a・・・式7
式中、Rは炭素数1〜10の2価の炭化水素基、R、X、aは前記に同じ。
【0031】
式7で表される化合物としては、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0032】
式7で表される化合物を反応させる場合、ラジカル発生剤、放射線又は熱によって反応を開始させることができる。ラジカル発生剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシド、アセチルペルオキシド、ジイソプロピルペルジオキシジカーボネートなど、パーオキシド系、アゾ系、又はレドックス系の化合物や金属化合物触媒が挙げられる。反応温度20〜200℃、好ましくは50〜150℃で、数時間〜数十時間反応させることが好ましい
重合体(B)に、式4で表される化合物、次いで式7で表される化合物を反応させることにより、重合体(B)の水酸基は式8で表される基に変換される。
−O−R−CHR−CH−S−R−SiX 3−a・・・式8
式中、R、R、R、R、X、aは前記に同じ。
【0033】
(ハ)重合体(B)と式9で表されるイソシアネート基含有ケイ素化合物とを反応させる方法。
OCN−R−SiX 3−a・・・式9
式中、Rは炭素数1〜10の2価の炭化水素基。R、X、aは前記と同じ。
【0034】
式9で表される化合物としては、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルジメトキシメチルシランなどが挙げられる。
【0035】
重合体(B)の末端基の、反応性ケイ素基への変換割合は、目的とする硬化物の物性との兼ね合いで、物性にあわせて任意に選ぶことができる。得られる重合体(A)における反応性ケイ素基数が少ないと、該重合体を硬化させて得られる硬化物は柔軟になる。
【0036】
(重合体(B))
水酸基末端オキシアルキレン重合体である重合体(B)の製造において開始剤として使用する活性水素原子含有化合物は次の化合物が挙げられる。開始剤における活性水素原子の数は1〜6が好ましい。
【0037】
n−ブチルアルコールなどの1価アルコール類、アリルアルコールなどの1価の不飽和結合含有アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、又はこれらにアルキレンオキシドを反応させて得られる目的物(重合体(B))より低分子量のオキシアルキレン重合体。開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0038】
環状エーテルとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシドなどが挙げられる。これらは、単独使用でも2種以上の併用でもよい。プロピレンオキシドが特に好ましい。
【0039】
本発明において環状エーテルを開環重合するための触媒としては、アルカリ系触媒、複合金属シアン化物錯体触媒、金属ポルフィリン触媒、ホスファゼン系触媒などが挙げられる。ただし、アルカリ系触媒は、Mが5000以上の重合体が得られにくいので、好ましくない。
【0040】
後述するように、複合金属シアン化物錯体触媒は、配位子などの触媒構造、又は重合温度などの重合条件を変えることにより、得られる重合体(B)のMやM/Mを調整することが可能なので、その使用が好ましい。
【0041】
複合金属シアン化物錯体触媒は、Zn[Fe(CN)、Zn[Co(CN)、Fe[Fe(CN)]、Fe[Co(CN)]、より好ましくはZn[Co(CN)(すなわち、亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体)を触媒骨格として、有機配位子が配位した構造を有するものが好ましい。
【0042】
このような触媒は、例えば水中でハロゲン化金属塩とアルカリ金属シアノメタレートとを反応させて得られる反応生成物に有機配位子を配位させて製造できる。
【0043】
ハロゲン化金属塩の金属としては、Zn(II)又はFe(II)が好ましく、Zn(II)が特に好ましい。ハロゲン化金属塩としては特に塩化亜鉛が好ましい。
【0044】
アルカリ金属シアノメタレートのシアノメタレートを構成する金属としては、Co(III)又はFe(III)が好ましく、Co(III)が特に好ましい。アルカリ金属シアノメタレートとしては、カリウムヘキサシアノコバルテートが好ましい。
【0045】
有機配位子としては、アルコール及び/又はエーテルが好ましい。tert−ブチルアルコール、下記式9で表される化合物、エタノ−ル、sec−ブチルアルコ−ル、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、イソペンチルアルコール及びイソプロピルアルコールなどのアルコール、並びに、エチレングリコールジメチルエーテル(以下、グライム)、ジグライム(ジエチレングリコールジメチルエーテル)、トリグライム(トリエチレングリコールジメチルエーテル)、ジオキサン、及びMが150〜5000のポリエーテルなどのエーテルから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
【0046】
なかでもtert−ブチルアルコール、下記式10で表される化合物、及びグライムから選ばれる1種又は2種以上が特に好ましい。
−C(CH(OROH・・・式10
式中、Rはメチル基又はエチル基、Rはエチレン基又は該エチレン基の水素原子がメチル基又はエチル基で置換された基、nは1、2又は3。
【0047】
式10で表される化合物としては、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ペンチルエーテル、プロピレングリコールモノ−tert−ペンチルエーテルが好ましく、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテルが特に好ましい。
【0048】
複合金属シアン化物錯体触媒は、ハロゲン化金属塩とアルカリ金属シアノメタレートとを反応させて得られる触媒骨格を、有機配位子中で加熱撹拌し(熟成工程)、ついで公知の方法により、濾別、洗浄、乾燥させることで製造できる。
【0049】
重合体(B)の水酸基の数は、使用する開始剤の活性水素原子数(開始剤が混合物の場合はその平均値)に等しい。1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、2〜3が特に好ましい。なお、重合体(B)の末端基の数は末端水酸基と末端開始剤残基の合計数に等しい。すなわち、重合体(B)の水酸基の数が1の場合は末端基の数は2である。
【0050】
(重合体(A1))
本発明における重合体(A1)は、重合体(A)のうち、下記の(a)〜(c)を満足するものをいう。
(a)末端基当たりの分子量(M)が5000以上であること、
(b)重量平均分子量(M)と数平均分子量(M)の比(M/M)が1.5以上であること、
(c)主鎖が、活性水素原子含有化合物を開始剤として環状エーテルを開環重合させて得られるオキシアルキレン重合体であってかつ前記開始剤と前記環状エーテルに基づく構造のみからなるオキシアルキレン重合体であること。
【0051】
重合体(A1)は、架橋反応により得られた重合体ではなく、従って重合体の主鎖に架橋剤の残基を有しない。例えば、開始剤及び触媒の存在下環状エーテルを開環重合させて得られる、比較的低分子量の水酸基末端オキシアルキレン重合体に、架橋剤としての多価ハロゲノ化物を反応させて架橋することにより得られる、多価ハロゲノ化物の残基を有する重合体は、重合体(A1)の原料としては適さない。また、重合体(C)に、架橋剤としての多価水素化ケイ素化合物を反応させて架橋することにより、得られる多価水素化ケイ素化合物の残基を有する重合体も重合体(A1)の原料としては適さない。
【0052】
このような架橋反応により得られた重合体は粘度が高く、また硬化物の伸びが低いことから、本発明の重合体(A1)の原料に用いるには適さない。ここで、多価ハロゲノ化物とは、2個以上の水素原子がハロゲン原子に置換された炭化水素をいい、塩化メチレン、ブロモクロロメタンなどが挙げられる。多価水素化ケイ素化合物とは、ケイ素原子に直接結合した水素原子を2個有する化合物であり、たとえば1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンなどが挙げられる。
【0053】
重合体(A1)は、M/Mが1.5以上であり、好ましくは1.6以上である。また2.0以下が好ましく、1.8以下が特に好ましい。
【0054】
また、Mは5000以上である。15000以下が好ましく、10000以下がより好ましく、7500以下が特に好ましい。Mが5000未満であると、硬化物の伸びが不充分となり好ましくない。また15000を超えると高粘度となり取り扱いが困難となる場合がある。
【0055】
さらに、Mは7500以上が好ましく、10000以上がより好ましく、15000以上が特に好ましい。また、30000以下が好ましく、22000以下がより好ましい。MはMを末端基の数fで割ったものをいう。
【0056】
重合体(A1)は、1分子当たりの末端基の数が2〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。2〜3.5が特に好ましく、2〜3が最も好ましい。重合体(A1)は、該末端基のうち少なくとも1つが式1で表される基であり、式1で表される基以外の末端基を有していてもよい。式1で表される基の数は1〜6が好ましく、1〜4が特に好ましい。1〜3が最も好ましい。なお、重合体(A1)は混合物であってもよく、その場合、平均値が前記数値範囲に入っていればよい。
重合体(A1)は、fが2〜3、Mが5000〜7500のものが特に好ましい。
【0057】
本発明における、重合体(A1)は、架橋反応を経ずに製造されたものであって、MやM/Mの異なる、反応性ケイ素基を含有するオキシアルキレン重合体(A)どうしを混合することによっても製造できるが、下記(I)〜(II)の方法により製造することが特に好ましい。
【0058】
(I)下記(a)、(b)及び(d)を満足する水酸基末端オキシアルキレン重合体(B1)の末端水酸基を、式1で表される基に変換する方法。
(II)式2で表される基を分子末端に有し、かつ下記(a)〜(c)を満足するオキシアルキレン重合体(C1)における式3で表される基を、式1で表される基に変換する方法。
【0059】
(a)末端基当たりの分子量(M)が5000以上であること、
(b)重量平均分子量(M)と数平均分子量(M)の比(M/M)が1.5以上であること、
(c)主鎖が、活性水素原子含有化合物を開始剤として環状エーテルを開環重合させて得られるオキシアルキレン重合体であってかつ前記開始剤と前記環状エーテルに基づく構造のみからなるオキシアルキレン重合体であること、
(d)活性水素原子含有化合物を開始剤として環状エーテルを開環重合させて得られる水酸基末端オキシアルキレン重合体であってかつ前記開始剤と前記環状エーテルに基づく構造のみからなる水酸基末端オキシアルキレン重合体であること。
【0060】
(水酸基末端オキシアルキレン重合体(B1))
重合体(B1)は、重合体(B)のうち、(a)、(b)及び(d)を満足するものをいう。重合体(B1)は活性水素原子含有化合物を開始剤として触媒の存在下環状エーテルを開環重合させて得られる水酸基末端オキシアルキレン重合体の1種単独又は2種以上の混合物であることが好ましい。
【0061】
上記環状エーテルの開環重合用触媒としては複合金属シアン化物錯体触媒が特に好ましい。特に、前記開始剤及び複合金属シアン化物錯体触媒の存在下、環状エーテルを必要量数回に分けて供給するか、連続的に供給して重合する方法が挙げられる。M/Mの値の調整のため、さらに下記(ニ)〜(ト)の重合条件を採用することが特に好ましい。
(ニ)重合温度を100℃以下とする方法、
(ホ)触媒の有機配位子の少なくとも1種として、tert−ブチルアルコールを使用する方法、
(ヘ)開始剤、触媒、環状エーテルを連続的に供給し、一定時間、一定の反応条件で滞留させながら連続して生成物を抜き出す方法(連続法)、
(ト)開始剤及び触媒の存在下、一定量の環状エーテルを供給し、一定のMのオキシアルキレン重合体を得た後、(p)更に開始剤と、一定量の環状エーテルを供給し、環状エーテルが消費されるまで重合を継続する。その後(p)の操作を数回繰り返す方法。
【0062】
また、重合体(B1)を得る他の方法としては、Mが5000以上であって、M/Mが1.5未満の水酸基末端オキシアルキレン重合体の数種類を混合することによっても得られる。
【0063】
さらに、重合体(B)のうち、前記(ニ)〜(ト)の方法によって得られる比較的M/Mの大きいものどうしの混合、又は比較的M/Mの大きいものとM/Mが1.5未満のものとの混合など、MやM/Mの異なる重合体(B)どうしを混合することによっても得ることできる。
重合体(B1)は、M/Mが1.5以上であり、好ましくは1.6以上である。また2.0以下が好ましく、1.8以下が特に好ましい。
【0064】
また、Mは5000以上である。15000以下が好ましく、10000以下がより好ましく、7500以下が特に好ましい。さらに、Mは7500以上が好ましく、10000以上がより好ましく、15000以上が特に好ましい。また、30000以下が好ましく、22000以下がより好ましい。MはMを末端基の数f(1分子当たりの末端水酸基及び末端開始剤残基の合計数に等しい)で割ったものをいう。
【0065】
重合体(B1)の末端水酸基を、上述の方法で、式1で表される基に変換することにより、重合体(A1)が得られる。重合体(A1)のM/Mは、末端基を変換する前の重合体(B1)のM/Mとほぼ同等の値を有する。Mは、末端基を変換した分わずかに増加する。
【0066】
(オキシアルキレン重合体(C1))
オキシアルキレン重合体(C1)は、活性水素原子含有化合物を開始剤として触媒の存在下環状エーテルを開環重合させて得られる水酸基末端オキシアルキレン重合体の末端水酸基を、式3に変換して得られる重合体1種単独又は2種以上の混合物であることが好ましい。
【0067】
オキシアルキレン重合体(C1)は、オキシアルキレン重合体(B1)の末端水酸基を式3で表される基に変換することによって製造できる。
また、重合体(C)のうち、M/Mが1.5未満のものどうしの混合、又はM/Mが1.5未満のものと1.5以上のものの混合など、MやM/Mの異なる重合体(C)どうしの混合によっても製造できる。
【0068】
重合体(C1)における式3で表される基を、上述の方法で、式1で表される基に変換することにより、重合体(A1)が得られる。重合体(A1)のM/Mは末端基を変換する前の重合体(C1)のM/Mとほぼ同等の値を有する。Mは末端基を変換した分わずかに増加する。
【0069】
(重合体(P))
次に、本発明の組成物における、アクリル酸アルキルエステル単量体及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体(以下、アクリル酸アルキルエステル単量体とメタクリル酸アルキルエステル単量体をあわせて(メタ)アクリル酸エステル単量体という。)単位を含む重合体(P)に関して説明する。
【0070】
本発明における(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含む重合体とは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる繰り返し単位を含む重合体を意味し、当該重合体は、通常、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を必須成分とする不飽和基含有単量体を重合することにより得ることができる。なお、本発明において、不飽和基含有単量体とは、不飽和結合(好ましくは、炭素−炭素二重結合)を有する化合物であって重合体を形成しうる化合物をいう。
【0071】
本発明における(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体は、下記式11で表すことができる。
【0072】
CH=CRCOOR・・・式11
式中、Rは水素原子又はメチル基、Rはアルキル基を示す。
【0073】
式11におけるRはアルキル基であるが、本発明においてはアラルキル基、シクロアルキル基等のように、アルキル基の水素原子の少なくとも一つが環状炭化水素基等の炭化水素基で置換されたような置換アルキル基もアルキル基に含むものとする。また、アルキル基の炭素数は1〜30が好ましい。
【0074】
本発明における重合体(P)は、上記式11で表されるような(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体1種又は2種以上からなる繰り返し単位を有するものであっても、上記式11で表されるような(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体1種又は2種以上と当該単量体以外の不飽和基含有単量体1種又は2種以上とからなる繰り返し単位を有するものであってもよく、(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる繰り返し単位を含む限りにおいては、重合体(P)中の繰り返し単位の種類や数は制限されない。また、全単量体中の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体の割合は50質量%を超えることが好ましく、70質量%以上が特に好ましい。
【0075】
本発明においては、重合体(P)が、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位として、アルキル基の炭素数が1〜8である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位と、アルキル基の炭素数が10以上である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とを含む共重合体であることが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としてこのような組み合わせを用いることにより、重合体(P)のオキシアルキレン重合体(A1)に対する相溶性が向上し、そのために得られる硬化性組成物の硬化後の強度等の特性が向上する傾向にある。
【0076】
アルキル基の炭素数が10以上である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、アルキル基の炭素数が10〜30である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体が好ましく、アルキル基の炭素数が10〜22である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体がより好ましい。
【0077】
アルキル基の炭素数が1〜8である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。
【0078】
アルキル基の炭素数が10以上である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸エイコサニル、(メタ)アクリル酸ドコサニル、(メタ)アクリル酸ヘキサコサニル等が挙げられる。
【0079】
アルキル基の炭素数が1〜8である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とアルキル基の炭素数が10以上である(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とを併用する場合において、その比は特に制限されないが、前者/後者は質量比で95/5〜40/60であることが好ましく、90/10〜60/40であることがさらに好ましい。
【0080】
本発明における重合体(P)は、上述したように、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位の他に、当該単量体単位以外の不飽和基含有単量体単位を含んでいてもよい。(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位以外の不飽和基含有単量体としては、以下の式12で表される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0081】
CH=CRCOOR10・・・式12
式中、R10はアルキル基を除く1価の有機基又は水素原子を示す。Rは前記に同じ。
【0082】
式12におけるアルキル基を除く1価の有機基とは、式11において定義されるアルキル基を除く1価の有機基をいう。このような1価の有機基としては、炭化水素基以外の置換基(例えば、ハロゲン原子、水酸基、イソシアネート基、フェノキシ基、フルフリル基、反応性ケイ素基等)を有するアルキル基、グリシジル基、ポリアルキレングリコールを含む1価の基等が挙げられる。式12で表される化合物としては、(メタ)アクリル酸;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネートアルキル(メタ)アクリレート;2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のフェノキシアルキル(メタ)アクリレート;フルフリル(メタ)アクリレートやテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の(水添)フルフリル基を有する(メタ)アクリレート;γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシアルキルアルコキシシラン;グリシジル(メタ)アクリレート;メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレンオキシドモノオールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
【0083】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と併用可能な不飽和基含有単量体としては、上記式12で表されるもの以外にも、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と共重合可能であればよく、以下に例示したような化合物を用いることができる。すなわち、N,N−ジメチルアクリルアミド等のN−置換又はN,N−置換(メタ)アクリルアミド;ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテル等の不飽和グリシジルエーテル;クロトン酸グリシジル、桂皮酸グリシジル、ビニル安息香酸グリシジル等の不飽和モノカルボン酸のグリシジルエステル;不飽和ジカルボン酸のモノアルキルモノグリシジルエステルもしくはジグリシジルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン系単量体;アクリロニトリル、2,4−ジシアノブテン−1等のシアノ基含有単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系単量体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系単量体;オレフィン;ハロゲン化オレフィン;不飽和エステル;ビニルエーテル等を用いることができる。
【0084】
本発明における重合体(P)の製造方法は特に制限されない。(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を必須成分とする上述の不飽和基含有単量体を用い、例えば、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等により重合が可能である。本発明において重合体(P)、ラジカル重合で製造することが好ましく、その形態は、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、バルク重合のいずれであってもよい。
【0085】
ラジカル重合を実施する場合、通常、上記不飽和基含有単量体にラジカル発生源としてラジカル重合開始剤を添加する。本発明において用いることのできるラジカル重合開始剤としては、パーオキシド系、アゾ系、又はレドックス系の重合開始剤や金属化合物触媒が挙げられる。ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシド、アセチルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等を例示することができる。なお、放射線や熱により活性化を行う場合は、ラジカル重合開始剤は必ずしも必要ではない。また、上記反応は20〜200℃(好ましくは、50〜150℃)で数時間〜数十時間行うことが好ましい。
【0086】
本発明において重合体(P)をラジカル重合で製造する場合は、分子量制御等の目的で、連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤としては、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類や、α−メチルスチレンダイマー等を用いることができる。
【0087】
重合体(P)は、オキシアルキレン重合体(A1)の存在下で重合することが好ましい。重合体(P)をオキシアルキレン重合体(A1)の存在下で重合することにより、混合の手間を省くことができ、また、オキシアルキレン重合体(A1)中における重合体(P)の分散性を向上させることもできる。また、重合途中に重合体(P)用の不飽和基含有単量体の一部がオキシアルキレン重合体(A1)にグラフト重合することも考えられ、このような場合は、グラフト重合物が相溶化剤として機能して重合体(P)の分散性がより向上する。
【0088】
本発明においては、重合体(P)が、上述した(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を含む重合体であってかつ、下記式2で表される反応性ケイ素基を分子中に少なくとも1つ有する重合体であることが好ましい。
【0089】
−SiX 3−a・・・式2
式中、R、X、aは前記に同じ。
【0090】
重合体(P)が上記式2で表される反応性ケイ素基を分子中に有する場合において、重合体(P)の分子中の反応性ケイ素基の個数及び存在部位は特に制限されない。反応性ケイ素基の個数は少なくとも1以上であればよく、存在部位は重合体(P)の末端でも側鎖でもよく、又は末端及び側鎖の両方であってもよい。特に、反応性ケイ素基が分子末端に存在する場合は、最終的に形成される硬化物に含まれる重合体(P)成分の有効網目鎖量が多くなり、高強度で高伸びの硬化物が得られ易くなる等の点より好ましい。
【0091】
重合体(P)に上記式2で表される反応性ケイ素基を導入する方法としては、以下の(i)〜(iv)の方法が挙げられる。なお、下記(i)〜(iv)の方法は組み合わせて行ってもよい。
(i)不飽和基含有単量体を重合するにあたり、式2で表される反応性ケイ素基を有する不飽和基含有単量体を併用する方法。
(ii)不飽和基含有単量体を重合するにあたり、式2で表される反応性ケイ素基を有する連鎖移動剤を用いる方法。
(iii)不飽和基含有単量体を重合するにあたり、式2で表される反応性ケイ素基を有する開始剤を用いる方法。
(iv)不飽和基含有単量体を重合するにあたり、特定の官能基を有する不飽和基含有単量体を併用し、当該特定の官能基との反応性を有する基と式2で表される反応性ケイ素基とを有する化合物を反応させる方法。
【0092】
上記(i)の方法において用いられる、式2で表される反応性ケイ素基を有する不飽和基含有単量体としては、下記式13で表される化合物が好ましい。
【0093】
11−SiX 3−a・・・式13
式中、R11は不飽和基を有する1価の有機基を示す。R1、X、aは前記に同じ。
【0094】
上記式13で表される化合物としては、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、トリス(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン等のビニルシラン;3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリロイルオキシシラン等が挙げられる。上記化合物の中では、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。上記化合物は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0095】
上記式2で表される反応性ケイ素基を有する不飽和基含有単量体は、重合体(P)の製造に用いられる全単量体100質量部中、0.01〜20質量部とすることが好ましい。
【0096】
上記(ii)の方法において用いられる、上記式2で表される反応性ケイ素基を有する連鎖移動剤としては、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプロペニルオキシシラン等の反応性ケイ素基を有するメルカプタン化物や、(CHO)Si−S−S−Si(OCH、(CHO)Si−(CH−S−S−(CH−Si(OCH等のジスルフィド含有化合物等が挙げられる。
【0097】
上記(iii)の方法においては、例えば、上記式2で表される反応性ケイ素基を有するアゾ化合物を開始剤として用いることができ、上記(iv)の方法においては、例えば、イソシアネート基を有する重合体(P)と下記式14で表される化合物とを反応させることができる。
W−R−SiX 3−a・・・式14
式中、Wは水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、第1級アミノ基、第2級アミノ基からなる群より選ばれる活性水素含有基を示す。R、R、X、aは前記に同じ。
【0098】
重合体(P)が式2で表される反応性ケイ素基を分子中に有する場合、オキシアルキレン重合体(A1)における反応性ケイ素基との間に硬化時に結合が生じることから、硬化後の硬化性組成物の強度や耐候性等を向上させることが可能であり、特に、本発明の目的である長期耐候性をより効果的に向上させることができる。また、反応性ケイ素基を有する連鎖移動剤を用いる(ii)の方法や、反応性ケイ素基を有する開始剤を用いる(iii)の方法により、反応性ケイ素基を分子末端に有する重合体(P)を得ることができるため、硬化後の硬化性組成物の伸び特性を向上させることが可能になる。
【0099】
以上説明した重合体(P)の分子量は特に制限されないが、Mとして、500〜100000であることが好ましく、2000〜13000であることがより好ましい。重合体(P)のMが100000を超える場合は、作業性が悪くなる傾向にあり、Mが500未満である場合は、耐候性が不充分となる傾向にある。
【0100】
重合体(B1)の使用量は特に制限されないが、本発明においては、オキシアルキレン重合体(A1)100質量部に対し、重合体(P)は1〜300質量部であることが好ましい。重合体(P)は1〜100質量部であることがより好ましく、1〜50質量部であることが特に好ましい。重合体(P)が300質量部を超える場合は、作業性が悪くなる傾向にあり、1質量部未満である場合は、添加効果が発現しない傾向にある。
【0101】
(添加剤)
本発明は、オキシアルキレン重合体(A1)、共重合体(B1)、及び硬化促進剤を含有する硬化性組成物である。該硬化性組成物には、さらに添加剤を配合できる。以下に、硬化促進剤(S)及びその他の添加剤について説明する。
【0102】
(硬化促進剤(S))
本発明において、硬化促進剤(S)を使用する。具体的には下記の化合物が挙げられる。
2−エチルヘキサン酸スズ、ナフテン酸スズ、ステアリン酸スズなどの2価スズ化合物。ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズモノアセテート、ジブチルスズマレエート等のジアルキルスズジカルボキシレートやジアルコキシスズモノカルボキシレートのような有機スズカルボン酸塩、ジブチルスズビスアセチルアセトナート、ジブチルスズビスエチルアセトアセテート、ジブチルスズモノアセチルアセトナートモノアルコキシドなどのスズキレート化合物、ジアルキルスズオキシドとエステル化合物の反応物及び該反応物にさらにアルコキシシラン化合物を反応させて得られる反応物、ジアルキルスズオキシドとアルコキシシラン化合物の反応物、ジアルキルスズジアルキルスルフィドなどの4価スズ化合物。
【0103】
上記エステル化合物としては、フタル酸ビス−2−エチルヘキシルやフタル酸ジイソノニルなどのフタル酸エステルやその他脂肪族、芳香族カルボン酸のエステル、テトラエチルシリケートやその部分加水分解縮合物などが挙げられる。
【0104】
有機カルボン酸ビスマス塩など2価ビスマス化合物。ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、N,N−ジメチルオクチルアミンなどの脂肪族モノアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどの脂肪族ポリアミン化合物。芳香族アミン化合物、アルカノールアミン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランや3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシランカップリング剤等のアミン化合物、又はこれらアミン化合物のカルボン酸などとの塩。
【0105】
酢酸、プロピオン酸、2−エチルヘキサン酸、ステアリン酸、アジピン酸、シュウ酸、クエン酸、アクリル酸、メタクリル酸、安息香酸等の炭素数1〜20の有機カルボン酸、リン酸などの酸。
【0106】
硬化促進剤(S)は1種又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。例えば2価スズ化合物や2価ビスマス化合物は、アミン及び/又は酸との併用により、硬化促進効果が向上するので、併用が好ましい。なかでも1級アミンとの併用が好ましい。また、2価スズ化合物や2価ビスマス化合物と4価スズ化合物の併用は応力緩和性と低温硬化性のバランスの取れた組成物を得られる点から好ましい。
硬化促進剤(S)の使用量は、重合体(A1)100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましい。
【0107】
(その他の添加剤)
本発明の硬化性組成物は、さらに、公知の各種添加剤を任意に添加、配合することができる。例えば下記の公知の添加剤が例示できる。炭酸カルシウム、樹脂バルーン、ガラスバルーンなどの充填材。フタル酸エステル類、ポリエーテル類などの可塑剤。エポキシ樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤、シランカップリング剤などの接着性付与剤。溶剤。ビニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシランなどの脱水剤。水添ひまし油、脂肪酸アミドなどのチキソ性付与剤。ヒンダードフェノール系化合物などの酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系化合物などの紫外線吸収剤。ヒンダードアミン系化合物などの光安定剤。フェノキシトリメチルシランなど加水分解によりトリメチルシラノールを発生する化合物などのモジュラス調整剤。桐油などの空気によって硬化する化合物、トリメチロールプロパントリアクリレートなどの光によって硬化する化合物、等の表面改質剤。
【0108】
(その他)
また、さらに本発明における硬化性組成物は、主鎖がポリエステル又はポリカーボネートであって、分子内に1個以上の不飽和結合又は反応性ケイ素基を含有する重合体をさらに含有してもよい。主鎖がポリエステル又はポリカーボネートである重合体を含有する場合、基材との接着性が改善する。
【0109】
本発明における硬化性組成物は、湿気により硬化可能である。硬化温度は、0〜35℃の範囲が好ましく、20〜25℃がより好ましい。本発明における硬化性組成物は、シーリング材、防水材、弾性接着剤などの接着剤、コーティング材などに好適に使用できる。特に、屋外において風雨や太陽光線等に長期間晒されるような用途に好適に使用できる。
【0110】
【実施例】
以下に、本発明を実施例及び比較例に基づき説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、水酸基末端オキシアルキレン重合体のM及びM/Mは前述のとおりGPCにより求めた。重合体の粘度は、JIS K1557記載の方法により25℃で測定した。
【0111】
(オキシアルキレン重合体の製造例)
(製造例1)
グリセリンにプロピレンオキシド(以下、POという)を反応させて得られたM=5000のポリオキシプロピレントリオール(以下、トリオールAという)1170g及びジプロピレングリコールにPOを反応させて得られたM=3000のポリオキシプロピレンジオール(以下、ジオールBという)700gを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒1.0gの存在下、POの6130gを90℃で反応させて、M=16000、M/M=1.67、粘度21.6Pa・sのポリオキシプロピレンポリオールを得た。
【0112】
このポリオキシプロピレントリオール1000gを耐圧容器に入れ、さらにナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液を、ナトリウムが水酸基1モルに対して1.05倍モルとなるよう添加し、120℃で30分撹拌した。撹拌後、減圧下で脱メタノール反応を行った後、アリルクロリド13gを添加して1時間反応させた。減圧下で未反応の揮発成分を留去し、副生した無機塩などを除去精製してアリル末端オキシプロピレン重合体を得た。不飽和結合の定量から、水酸基の95%がアリルオキシ基に変換されていたことを確認した。
【0113】
得られた重合体500gに対し、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金錯体のキシレン溶液(白金3質量%含有)を50μL添加し、均一に撹拌した後、ジメトキシメチルシランを7.3gを添加し、70℃で5時間反応させ、淡黄色で粘度が22.3Pa・sのジメトキシメチルシリル基末端オキシプロピレン重合体(P−1)を得た。
【0114】
(製造例2)
ジオールBの120gとトリオールAの200gを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒1.2gの存在下、POの2480gを120℃で圧力が下がらなくなるまで反応させた。引き続き、ジオールBの120gとトリオールAの200gを添加し、更にPOの1680gを圧力が下がらなくなるまで反応させた。次にジオールBの120gとトリオールAの200gを添加し、更にPOの1280gを圧力が下がらなくなるまで反応させた。次にジオールBの80gとトリオールAの130gを添加し、POの590gを圧力が下がらなくなるまで反応させた。次にジオールBの60gとトリオールAの100gを添加し、POの240gを圧力が下がらなくなるまで反応させた。最後にジオールBの75gとトリオールAの125gを添加し、POの200gを反応させた。M=16000、M/M=1.79、粘度が23.6Pa・sのポリオキシプロピレンポリオールを得た。
【0115】
このポリオキシプロピレンポリオール1000gを用い、アリルクロリドを13g用い、製造例1と同様にして、水酸基の95%がアリルオキシ基に変換されたアリル末端オキシプロピレン重合体を得た。得られた重合体500gに対し、ジメトキシメチルシランを7.3g用い、製造例1と同様にして、淡黄色で粘度が24.2Pa・sのジメトキシメチルシリル基末端オキシプロピレン重合体(P−2)を得た。
【0116】
(製造例3)
トリオールAを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート−グライム錯体触媒の存在下、POを120℃で反応させて、Mが異なる下記のポリオキシプロピレントリオールQ−1〜Q−5を得た。
Q−1:M=24000、M/M=1.41、粘度44.8Pa・s。
Q−2:M=20000、M/M=1.37、粘度22.4Pa・s。
Q−3:M=16000、M/M=1.25、粘度11.3Pa・s。
Q−4:M=12000、M/M=1.21、粘度4.2Pa・s。
Q−5:M=8000、M/M=1.13、粘度1.6Pa・s。
【0117】
上記Q−1〜Q−5を、質量比でQ−1/Q−2/Q−3/Q−4/Q−5=1880/730/520/310/60となる割合で混合し、M=17000、M/M=1.74、粘度23.5Pa・sのポリオキシアルキレントリオールを得た。
【0118】
このポリオキシプロピレントリオール1000gを用い、アリルクロリドを15g用い、製造例1と同様にして反応させ、水酸基の95%がアリルオキシ基に変換されたアリル末端オキシプロピレン重合体を得た。得られた重合体500gに対し、ジメトキシメチルシランを8.3gを用い、製造例1と同様にして、淡黄色で粘度が24.0Pa・sのジメトキシメチルシリル基末端オキシプロピレン重合体(P−3)を得た。
【0119】
(製造例4)
製造例3で得られたポリオキシアルキレントリオールQ−3を用い、製造例1と同様にして、水酸基の95%がアリルオキシ基に変換されたオキシプロピレン重合体を得、さらに製造例1と同様にジメトキシメチルシランを反応させて、淡黄色で粘度が12.5Pa・sのジメトキシメチルシリル基末端オキシプロピレン重合体(S−1)を得た。
【0120】
(製造例5)
ジプロピレングリコールを開始剤とし、水酸化カリウム触媒を用いて得られたM=3000のポリオキシプロピレンジオール、及びグリセリンを開始剤とし、水酸化カリウム触媒を用いて得られたM=3000のポリオキシプロピレントリオールを質量比で84/16の割合で混合して得られた混合ポリオキシプロピレンポリオールに、水酸化ナトリウムを添加して加熱撹拌下に反応させた後、ブロモクロロメタンと反応させた。M=18000、M/M=2.10、粘度が36.0Pa・sのポリオキシプロピレンポリオールを得た。
【0121】
このポリオキシプロピレンポリオールを用い、製造例1と同様にして、水酸基の95%がアリルオキシ基に変換されたオキシプロピレン重合体を得、さらに製造例1と同様にジメトキシメチルシランを反応させて、淡黄色で粘度が38.0Pa・sのジメトキシメチルシリル基末端オキシプロピレン重合体(S−2)を得た。
【0122】
(アクリル共重合体の製造例)
(製造例6)
オキシプロピレン重合体(P−1)20gを撹拌機付きの反応器に入れ、トルエン40gを加えて希釈し、100℃に加熱しながら均一に混合した。これに、メタクリル酸メチル(以下、MMAという)3.3g、アクリル酸n−ブチル(以下、nBuAという)16.7g、メタクリル酸ステアリル(以下、SMAという)11.0g、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(以下、シラン化合物1という)1.6g、スチレン6.8g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(以下、シラン化合物2という)0.64g、及び、V−59(和光純薬社製、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、以下同じ)0.4gの混合液を、窒素雰囲気下で撹拌しながら3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらにV−59を0.3g溶解したトルエン溶液を30分かけて滴下した後、同温度で3時間加熱撹拌し反応させた。得られた共重合体のトルエン溶液にオキシプロピレン重合体(P−1)120gを加え、30分間撹拌混合した後、100℃減圧下でトルエンを留去して、重合体(Pa)を得た。
【0123】
(製造例7)
撹拌機付きの反応器にキシレン40gを入れた。110℃に保ちながら、これに、MMAの1.5g、nBuAの28.7g、SMAの7.7g、トリメチロールプロパントリスメタクリレート1.2g、シラン化合物1の0.19g、シラン化合物2の0.76g、及び、V−59の0.4gの混合液を、窒素雰囲気下で撹拌しながら3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらにV−59を0.3g溶解したキシレン溶液を30分かけて滴下した後、同温度で3時間加熱撹拌し反応させた。得られた共重合体のキシレン溶液にオキシプロピレン重合体(P−2)120gを加え、30分間撹拌混合した後、100℃減圧下でキシレンを留去して、重合体(Pb)を得た。
【0124】
(製造例8)
撹拌機付きの反応器にキシレン40gを入れた。110℃に保ちながら、これに、MMAの29.2g、nBuAの0.48g、SMAの7.6g、シラン化合物1の1.9g、シラン化合物2の0.78g、及び、V−59の0.4gの混合液を、窒素雰囲気下で撹拌しながら3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらにV−59を0.3g溶解したキシレン溶液を30分かけて滴下した後、同温度で3時間加熱撹拌し反応させた。得られた共重合体のキシレン溶液にオキシプロピレン重合体(P−3)120gを加え、30分間撹拌混合した後、100℃減圧下でキシレンを留去して、重合体(Pc)を得た。
【0125】
(製造例9)
オキシプロピレン重合体(P−3)の代わりに、オキシプロピレン重合体(S−1)を使用する以外は、製造例8と同様にして、(Sa)を得た。
【0126】
(製造例10)
オキシプロピレン重合体(P−3)の代わりに、オキシプロピレン重合体(S−2)を使用する以外は、製造例8と同様にして、(Sb)を得た。
【0127】
(耐候性評価試験)
(例1〜10)
表1(1液型)に示すように、製造例で得られた重合体100質量部、充填材、添加剤、及び硬化促進剤を室温で混合して、硬化性組成物を作成した。これを厚さ0.2mmとなるように1mm厚のアルミニウム板上に塗布し、その後20℃で65%の湿度下に7日間養生して当該アルミニウム板上に厚さ0.2mmの硬化物を形成させ、これを試験体とした。
【0128】
この試験体を用いて、スガ試験機(株)製サンシャインスーパーロングライフウェザーメーターにて暴露試験を行い、500時間後、1000時間後、及び2000時間後の試験体の表面状態を目視観察し、下記の評価基準に従い評価した。評価基準は、○:白化(色あせ)やクラックが全く認められない、△:僅かに白化(色あせ)やクラックが認められる、×:白化(色あせ)やクラックが明らかに認められる、とした。結果を表1に示す。
【0129】
また、表2(2液型)に示すように、製造例で得られた重合体100質量部、充填材、及び添加剤を混合したA液、ならびに、及び硬化促進剤等からなるB液を室温で混合して、硬化性組成物を作成し、上記と同様に試験を行った。結果を表3に示した。
【0130】
次に、これらの硬化性組成物について、被着体としてアルミニウム板を用いて、JIS A 1439の建築用シーリング材の試験方法に準拠して、H型試験体による引張り試験を行い、物性及び破壊状況を測定した。破壊状況は、引張り試験後、凝集破壊した部分の面積の割合(凝集破壊率)で表した。また、例6〜10の試験体作成にあたっては、被着体に市販のシラン系プライマーを塗付、乾燥してから行った。結果を表1、表3に示した。
【0131】
表1において、例1〜3が実施例、例4〜5が比較例である。また、表2〜3において、例6〜8が実施例、例9〜10が比較例である。
【0132】
また、表1、2中の1)〜14)の化合物の詳細は次のとおりである。
1)竹原化学工業社製、ネオライトSP−T。
2)白石カルシウム工業社製、ホワイトンSB。
3)チバスペシャルティケミカルズ社製、チヌビン327。
4)チバスペシャルティケミカルズ社製、イルガノックス1010。
5)旭電化工業社製、アデカスタブLA62。
6)N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン。
7)3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン。
8)楠本化成社製、脂肪酸アミド。
9)三共有機合成社製、ジブチルスズオキシドとDOPの反応物。
10)3,4−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ビス−2−エチルヘキシル。
11)2−エチルヘキシルオキシトリメチルシラン。
12)東亞合成社製、トリメチロールプロパントリアクリレート。
13)楠本化成社製、水添ひまし油。
14)油化シェルエポキシ社製、エピコート828。
【0133】
【表1】
Figure 2004067918
【0134】
【表2】
Figure 2004067918
【0135】
【表3】
Figure 2004067918
【0136】
【発明の効果】
本発明の硬化性組成物は、従来公知の硬化性組成物に比べて、物性、耐候性を悪化させることなく接着性(凝集破壊率)が向上するという特徴を有する。本発明の硬化性組成物は、シーリング材、接着剤などに好適である。

Claims (10)

  1. 式1で表される基を分子末端に少なくとも1つ有し、かつ下記(a)〜(c)を満足する、反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体(A1)、アクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位を含む重合体(P)、及び硬化促進剤(S)を含有することを特徴とする硬化性組成物。
    −O−R−SiX 3−a・・・式1
    式中、Rは、−CONH−、−O−、−S−、−CO−又は−NH−を有していてもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基、Rは炭素数1〜10の1価の炭化水素基、Xは水酸基又は加水分解性基、aは1、2又は3。ただし、Rが複数個存在するときはRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、またXが複数個存在するときは、Xはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
    (a)末端基当たりの分子量(M)が5000以上であること、
    (b)重量平均分子量(M)と数平均分子量(M)の比(M/M)が1.5以上であること、
    (c)主鎖が、活性水素原子含有化合物を開始剤として環状エーテルを開環重合させて得られるオキシアルキレン重合体であってかつ前記開始剤と前記環状エーテルに基づく構造のみからなるオキシアルキレン重合体であること。
  2. 重合体(P)が、(1)アルキル基の炭素数が1〜8であるアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位、(2)アルキル基の炭素数が10以上であるアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位、及び任意に、(3)(1)、(2)以外の単量体単位とからなる重合体であることを特徴とする、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 重合体(P)が、式2で表される基を分子中に少なくとも1つ有する重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
    −SiX 3−a・・・式2
    式中、R、X、aは式1に同じ。
  4. 反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体(A1)が、下記(a)、(b)及び(d)を満足する水酸基末端オキシアルキレン重合体(B1)の末端水酸基を、式1で表される基に変換して得られる重合体である、請求項1に記載の硬化性組成物。
    (a)末端基当たりの分子量(M)が5000以上であること、
    (b)重量平均分子量(M)と数平均分子量(M)の比(M/M)が1.5以上であること、
    (d)活性水素原子含有化合物を開始剤として環状エーテルを開環重合させて得られる水酸基末端オキシアルキレン重合体であってかつ前記開始剤と前記環状エーテルに基づく構造のみからなる水酸基末端オキシアルキレン重合体であること。
  5. 水酸基末端オキシアルキレン重合体(B1)が、活性水素原子含有化合物を開始剤として触媒の存在下環状エーテルを開環重合させて得られる水酸基末端オキシアルキレン重合体の1種単独又は2種以上の混合物である、請求項4に記載の硬化性組成物。
  6. 触媒が複合金属シアン化物錯体触媒である、請求項5に記載の硬化性組成物。
  7. 反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体(A1)が、式3で表される基を分子末端に有し、かつ(a)〜(c)を満足するオキシアルキレン重合体(C1)における式3で表される基を、式1で表される基に変換して得られる重合体である、請求項1に記載の硬化性組成物。
    −O−R・・・式3
    式中、Rは不飽和結合を有する炭素数1〜10の1価の炭化水素基。
  8. オキシアルキレン重合体(C1)が、活性水素原子含有化合物を開始剤として触媒の存在下環状エーテルを開環重合させて得られる水酸基末端オキシアルキレン重合体の末端水酸基を、式2で表される基に変換して得られる重合体の1種単独又は2種以上の混合物である、請求項7に記載の硬化性組成物。
  9. 触媒が複合金属シアン化物錯体触媒である、請求項8に記載の硬化性組成物。
  10. 反応性ケイ素基含有オキシアルキレン重合体(A1)100質量部に対し、重合体(B1)を1〜300質量部、硬化促進剤(S)を0.01〜10質量部含有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
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