JP2004067613A - 粉体状浴用剤組成物、粉体状浴用剤製品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)硫酸マグネシウムと水溶性高分子を含有することを特徴とする粉体状浴用剤組成物。
(2)水溶性高分子が多糖類、セルロース誘導体もしくはその塩である粉体状浴用剤組成物。(3)油性成分を配合する(1)または(2)に記載の粉体状浴用剤組成物。(4)水分透過性包材に充填することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の粉体状浴用剤組成物。(5)40℃、75%RH条件下での塩化カルシウム吸湿量が0.1g/month〜3.0g/monthである水分透過性包材を用いることを特徴とする(4)記載の粉体状浴用剤組成物。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体状浴用剤組成物、粉体状浴用剤製品およびその製造方法に関し、詳しくは水分透過性のある包材中で、固結することのない、安定性に優れた粉体状浴用剤組成物および粉体状浴用剤製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、無機塩類(硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等)に水溶性高分子を配合した粉体状浴用剤は、室温3年保存に相当する40℃、75%RH条件下6ヶ月保存で、水分透過性の高い包材に保存すると固結現象が認められる。この固結した物体は、無機塩類の粒子どうしが溶解して固結しただけでなく、無機塩類の粒子間に水溶性高分子が糊状に溶け込んで固まったものであるため、非常に堅固なものである。そのため、使用者が浴湯へ投入しづらく、また投入したとしても浴湯への溶解性は非常に悪いため、浴用剤としての商品価値を著しく損ねてしまう。
【0003】
よって、このような問題から、特に水分透過性の高い包材に充填する場合には、水溶性高分子を配合せずに製剤化が進められてきた。しかし水溶性高分子は、皮膚表面における被膜形成能に優れるため、皮膚の保湿効果が高く、浴用剤へ配合することにより全身スキンケアが実現できることから、有用であることが知られている。そのため、これまでは水分透過性の低い樹脂製の包材に充填して上記問題を解決しているものの、コスト高や、省資源の観点からすると、好ましいものではなかった。また、水分透過性の低い包材に充填されていても、使用者が密栓を怠ると、空気中の水分で固結する方向に働くため、この点においても問題となっていた。
【0004】
また、浴用剤を顆粒状にすると、水溶性高分子の比表面積は小さくなり、製剤の固結を回避できるため、このような手段による製剤化がすでに採られている(特開平5−17339実施例6)。しかし、打錠工程や粉砕工程が存在するため、コストアップの要因となっており、改善が求められていた。さらには、無水ケイ酸などの流動性改善剤を多量に加えることによる固結防止も考えられるが、不溶解物を多量に入れることで浴湯状態が悪化するため問題となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、浴用剤の成分として有用である水溶性高分子を、粉体状で安定に保存することができ、さらに水分透過性包材においても固結することなく、安定に保存することができる粉体状浴用剤組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、水溶性高分子を配合した粉体状浴用剤に硫酸マグネシウムを配合することで、水分透過性のある包材中でも固結が発生しない浴用剤組成物が得られ、さらに油性成分を配合することで、より固結に対し安定な浴用剤組成物を得ることが出来た。
【0007】
すなわち本発明は、
(1)硫酸マグネシウムと水溶性高分子を含有することを特徴とする粉体状浴用剤組成物。
(2)水溶性高分子が多糖類、セルロース誘導体もしくはその塩であることを特徴とする(1)記載の粉体状浴用剤組成物。
(3)油性成分を配合する(1)または(2)に記載の粉体状浴用剤組成物。
(4)水分透過性包材に充填することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の粉体状浴用剤組成物。
(5)40℃、75%RH条件下での塩化カルシウム吸湿量が0.1g/month〜3.0g/monthである水分透過性包材を用いることを特徴とする(4)記載の粉体状浴用剤組成物。
(6)(1)〜(3)のいずれかに記載の粉体状浴用剤組成物を水分透過性包材に充填することにより得られる粉体状浴用剤製品。
(7)40℃、75%RH条件下での塩化カルシウム吸湿量が0.1g/month〜3.0g/monthである水分透過性包材を用いることを特徴とする(6)記載の粉体状浴用剤製品。
(8)(1)〜(3)のいずれかに記載の粉体状浴用剤組成物を水分透過性包材に充填することを特徴とする粉体状浴用剤製品の製造方法。
(9)40℃、75%RH条件下での塩化カルシウム吸湿量が0.1g/month〜3.0g/monthである水分透過性包材を用いることを特徴とする(8)記載の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成の詳細について説明する。
【0009】
硫酸マグネシウムは一般的には三水塩と七水塩が存在するが、七水塩は48℃付近で風解し、製剤に水分を供給して固結を誘発させてしまうため好ましくない。三水塩はそのような現象が生じないため、製剤安定性の面で、三水塩を使用することが好ましい。
【0010】
本発明に用いられる硫酸マグネシウムの配合量は、1.0〜50.0%が好ましく、さらに1.0〜25.0%が好ましい。この範囲を下回ると固結防止効果が得られないため好ましくなく、この範囲を超えて配合すると、流動性が良好になりすぎるため充填時に粉の舞い上がりがひどく充填不良の原因となる。
【0011】
水溶性高分子としては、アクリル樹脂及びその塩、セルロース誘導体及びその塩、カルボキシポリマー、多糖類等であり、本発明では多糖類、セルロース誘導体及びその塩が水に溶けやすいという面で好ましく、さらにその中でもデキストリン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カチオン化セルロースが特に好ましい。
【0012】
本発明に用いられる水溶性高分子の配合量は、0.1〜10.0%が好ましく、さらに1.0〜10.0%が好ましい。この範囲を下回ると皮膚保湿効果が得られなくなるので好ましくなく、この範囲を超えて配合すると、溶解性の面で好ましくない。
【0013】
硫酸マグネシウムと水溶性高分子の相対比は、1:10〜500:1が好ましく、1:10〜100:1がさらに好ましい。この範囲外において、高分子量に対し硫酸マグネシウムが少ない場合は固結の防止ができず好ましくない。また高分子量に対し硫酸マグネシウムが多い場合においても、配合量に見合う効果が得られず、好ましくない。
【0014】
また、本発明に使用する包材は、水分透過量が少ないものであることが好ましいが、40℃、75%RH条件下において、塩化カルシウムの吸湿量が、1ヶ月あたり0.1g〜3.0gの場合でも本発明の効果を発揮し、コスト的及び省資源化にも有利である。このような包材とは、例えば、特開2001−58627などに示されるように、紙製、樹脂製などのものが挙げられる。なお、本発明における「40℃、75%RH条件下」とは、温度40℃、湿度75%に調整された試験室における、継続的な保存を意味する。さらに水分透過量の測定は、包材中に吸水性の極めて高い塩化カルシウムを充填し、1ヶ月間に増加する重量を測定したものである。
【0015】
油性成分としては、常温で液状のものが製造時、製剤に容易に分散することができるため、有利に使用される。このようなものとしては、例えばゴマ油、オリーブ油、ブドウ種子油、菜種油、大豆油、アボガド油、ローズヒップ油、ヤシ油、メドゥフォーム油などの動植物油、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、オレイン酸オレイル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリルなどのエステル油、スクワランなどの炭化水素などが挙げられ、さらにその中でもブドウ種子油、大豆油、ホホバ油が特に好ましい。
【0016】
本発明に用いられる油性成分の配合量は、0.1〜5.0%が好ましく、さらに0.3〜2.0%が好ましい。この範囲を下回ると油性成分による製剤の撥水性が少なくなるため好ましくなく、この範囲を超えて配合すると、製造上、製剤がべたついたり、使用時に入浴者が不快感を感じるため好ましくない。
【0017】
さらに、本発明の粉体状浴用剤組成物には、上記成分の他に、必要に応じて、硫酸マグネシウムを除く無機塩類、無機酸類、有機酸類、多価アルコール類、植物成分、界面活性剤、殺菌剤、ビタミン類、抗炎症剤、香料、色素、顔料等の、通常浴用剤組成物に使用されているものを、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜選択できる。
【0018】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を詳細に説明する。
実施例1〜7及び比較例1〜2
表1、表2の組成から成る浴用剤組成物は通常の製法に準じて製造した。組成の量は重量%で示した。また、製造した浴用剤組成物は、水分透過量の異なる3種の包材に充填し、それぞれを40℃、75%RH条件下で保存し、6ヶ月経過後に各包材中の粉末状態(固結状況)を実施例1〜7と比較例1〜2とを比べ評価した。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
包材1:水分増加量が0.001g/monthである包材(スチール缶)
包材1(非密封):一度開封したスチール缶に蓋をして保存したもの
包材2:水分増加量が0.1g/monthである包材(PEボトル)
包材3:水分増加量が2.0g/monthである包材(紙缶)
表中、「*」はバランスを表す。
【0022】
<評価基準>
◎:非常に良好な粉末状態
○:ややボタツキがあるが使用に問題なし
△:粒状固結が認められる
×:固結が認められる
表1より、比較例1及び2は水分増加量が0.001g/monthであるスチール缶については良好な粉末状態を保つが、それが非密封であったり、水分増加量が0.1g/monthであるPEボトル及び2.0g/monthである紙缶については、粉末状態が悪化し、粒状固結もしくは固結が認められた。それに対し、実施例1、2、3、4、6、7はPEボトル及び紙缶についても粉末状態を保ち、さらに実施例5のように大豆油を加えることで、さらに良好な粉末状態が保たれることが認められた。
【0023】
その他の処方例を以下に示す。(実施例8〜13)
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
実施例8〜13に基づき製造した粉体状浴用剤組成物は、40℃、75%RH条件下での水分増加量が0.1g/month〜3.0g/monthの包材においても、40℃、75%RH条件下6ヶ月保存で固結を生じず、良好な粉末状態を保つことが認められた。
【0031】
【発明の効果】
本発明により、水分透過性のある包材により充填された、水溶性高分子を配合した粉体状浴用剤組成物においても、40℃、75%RH条件下6ヶ月保存で固結することなく良好な粉末状態を保つことが可能であった。
Claims (9)
- 硫酸マグネシウムと水溶性高分子を含有することを特徴とする粉体状浴用剤組成物。
- 水溶性高分子が多糖類、セルロース誘導体もしくはその塩であることを特徴とする請求項1記載の粉体状浴用剤組成物。
- 油性成分を配合する請求項1または2に記載の粉体状浴用剤組成物。
- 水分透過性包材に充填することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粉体状浴用剤組成物。
- 40℃、75%RH条件下での塩化カルシウム吸湿量が0.1g/month〜3.0g/monthである水分透過性包材を用いることを特徴とする請求項4記載の粉体状浴用剤組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の粉体状浴用剤組成物を水分透過性包材に充填することにより得られる粉体状浴用剤製品。
- 40℃、75%RH条件下での塩化カルシウム吸湿量が0.1g/month〜3.0g/monthである水分透過性包材を用いることを特徴とする請求項6記載の粉体状浴用剤製品。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の粉体状浴用剤組成物を水分透過性包材に充填することを特徴とする粉体状浴用剤製品の製造方法。
- 40℃、75%RH条件下での塩化カルシウムの吸湿量が0.1g/month〜3.0g/monthである水分透過性包材を用いることを特徴とする請求項8記載の製造方法。
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JP2006213676A (ja) * | 2005-02-07 | 2006-08-17 | Gyunyu Sekken Kyoshinsha Kk | 入浴剤組成物 |
JP2016102094A (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | 関西酵素株式会社 | 入浴剤 |
JP2017154981A (ja) * | 2016-02-29 | 2017-09-07 | 花王株式会社 | 炭酸ガス発泡性浴用剤組成物 |
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