JP2004067525A - ペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体の製造方法およびペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体 - Google Patents
ペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体の製造方法およびペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体 Download PDFInfo
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
分子中の水素原子の一部または全部がフッ素化された含フッ素化合物は、フッ素樹脂、フッ素ゴム、フッ素系塗料、表面改質剤、不活性溶媒、電子材料、液晶材料等の機能性材料として、または医薬品、農薬等として有用であることは一般に知られている。
アリール基に−SF5が結合した化合物の製造方法としては、アリールジスルフィドをフッ素ガスと反応させ、アリール(サルファートリフルオリド)とした後、フッ素ガスと反応させてアリール(サルファーペンタフルオリド)を得る方法が提案されている(Tetrahedron,56(21),3399−3408,2000)。また、アリール(サルファーペンタフルオリド)のアリール基にアミノ基が置換した化合物において、該アミノ基のα、α´位をハロゲン化した化合物を農薬として評価した例が報告されている(GB2276381、WO9856767、WO9828277)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、アリール(サルファーペンタフルオリド)のアリール基にアミノ基以外の置換基を導入した例は知られていない。またアリール(サルファーペンタフルオリド)から置換反応でペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体を合成した例は知られていない。また、アミノ基が結合したアリール化合物に−SF5基を導入する反応、またアントラニル酸に−SF5基を導入する反応を効率的に行うことは困難であった。
すなわち本発明は、アミノ置換アリール(サルファートリフルオリド)を用いて生理活性物質の中間体として有用なペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体を製造する方法、および該方法で製造された新規化合物の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定のハロゲン置換アリール(サルファートリフルオリド)をアルキルリチウムと反応させ、次いでアルコキシカルボニル化またはカルボキシル化反応をさせることによりペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体を容易に製造できることを見いだした。
【0005】
すなわち本発明は、下式(1)で表されるハロゲン置換アニリン化合物をアルキルリチウムと反応させてリチオ化体を生成させる工程および該リチオ化体と、YCOOR2、C(O)(OR2)2またはCO2とを反応させる工程を含み、かつ下式(2)または下式(4)で表される化合物を得ることを特徴とするペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体の製造方法を提供する。ただし、R1はアミノ基の保護基を示し、R2は1価の有機基を示し、Xは臭素原子またはヨウ素原子を示し、Yは塩素原子または臭素原子を示す。
【化6】
【0006】
また、本発明は、下式(2´)または下式(4)で表される化合物の脱保護反応により、下式(3)で表される化合物を製造する工程を含むことを特徴とするペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体の製造方法を提供する。ただし、R1はアミノ基の保護基を示し、R2´はカルボキシル基の保護基であって1価の有機基を示す。
【化7】
【0007】
さらに、本発明は、下式(2´)で表される化合物の脱保護反応により、下式(4)で表される化合物を製造する工程を含むことを特徴とするペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体の製造方法を提供する。ただし、R1はアミノ基の保護基を示し、R2´はカルボキシル基の保護基であって1価の有機基を示す。
【化8】
【0008】
また、本発明は、下式(0)で表されるアニリン化合物を出発物質として、下式(3)で表される化合物を得ることを特徴とするペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体の製造方法を提供する。
【化9】
【0009】
さらにまた、本発明は、新規化合物である下式(2)、下式(3)または下式(4)で表されるペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体を提供する。ただし、R1はアミノ基の保護基を示し、R2は1価の有機基を示す。
【化10】
【0010】
【発明の実施の形態】
本明細書においては、式(1)で表される化合物を、化合物(1)とも記す。他の式においても同様である。
【0011】
本明細書における各式中の記号は、以下の意味を示す。
すなわち、R1は、アミノ基の保護基を示す。また−NR1 2部分は2−フタルイミド基を形成していてもよい。アミノ基の保護基としては公知の文献または成書(T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wily&Sons,1981等)に記載される基が採用できる。
【0012】
アミノ基の保護基の例としては、メトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基(Boc基)、アリロキシカルボニル基(Aoc基)、フェノキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz基)、ホルミル基、アセチル基、クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、p−メトキシベンゾイル基、アリル基、ベンジル基、およびトリフェニルメチル基が好ましい。
【0013】
R2は1価の有機基を示す。R2はカルボキシル基の保護基R2´であることが好ましく、さらに、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むアルキル基、置換されていてもよいアルアルキル基、または置換されていてもよいアリール基が好ましい。
【0014】
R2がアルキル基である場合の炭素数は1〜8が好ましく、炭素数1〜6が特に好ましい。アルキル基としては、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
【0015】
R2が置換されたアルキル基である場合、上記アルキル基の水素原子の1個以上が1価の置換基で置換された基が好ましい。1価の置換基としては、置換されていてもよいアリール基以外の基から選択され、ハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよいカルボキシル基、保護されていてもよいヒドロキシル基、保護されていてもよいアミノ基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキル基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいベンジルオキシ基等が挙げられる。1価の置換基としては、ハロゲン原子、アリールオキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、またはアルコキシ基が好ましい。置換されたアルキル基の例としては、2−フルオロエチル基、4−フルオロブチル基、2−(2−フルオロエチル)ブチル基、フェノキシメチル基、p−フルオロフェノキシメチル基、p−ニトロフェノキシメチル基、メトキシメチル基、(1−エトキシ)エトキシメチル基、4−ベンジルオキシメチル基、6−ベンジルオキシヘキシル基、4−ベンジルオキシ−2−フルオロブチル基、4−ベンジルオキシ−3−フルオロブチル基が好ましい。
【0016】
ヘテロ原子を含むアルキル基とは、アルキル基の結合末端またはアルキル基の炭素−炭素原子間に、酸素原子、窒素原子またはイオウ原子等のヘテロ原子が結合したアルキル基である。
R2が、ヘテロ原子を含むアルキル基である場合には、上記アルキル基の結合末端に2価ヘテロ原子(たとえばエーテル性酸素原子、チオエーテル性イオウ原子等)が結合した基が好ましく、特にアルコキシ基が好ましい。アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、およびエイコシルオキシ基等が挙げられる。
【0017】
R2がアルアルキル基である場合の例としては、ベンジル基、フェネチル基、およびトリチル基等が挙げられる。R2が置換されたアルアルキル基の場合、上記アルアルキル基の水素原子の1個以上が1価の置換基で置換された基が好ましい。該1価の置換基としては、置換されたアルキル基における1価の置換基と同様の基が挙げられる。好ましい置換されたアルアルキル基としては、ハロゲン化アルアルキル基が挙げられる。置換されていてもよいアルアルキル基としては、ベンジル基、p−フルオロベンジル基、o−フルオロベンジル基が特に好ましい。
【0018】
R2がアリール基である場合、アリール基とは芳香族炭化水素から水素原子1個を除いた基であり、たとえばフェニル基およびナフチル基(たとえば、2−ナフチル基、3−ナフチル基等。)が例示される。R2が置換されたアリール基である場合は、アリール基の水素原子1個以上が1価の置換基で置換された基が好ましい。該1価の置換基の例としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子が好ましい。置換されたアリール基の例としては、p−フルオロフェニル基、o−フルオロフェニル基、p−トリルフェニル基、4−ビフェニル基等が挙げられる。
Xは臭素原子またはヨウ素原子を示し、Yは塩素原子または臭素原子を示す。
【0019】
本発明において、下記反応式(A)で概略を示すように、化合物(0)を出発物質として、化合物(3)を製造することができる。以下、該反応式(A)に則して説明する。ただし、本発明は反応式(A)に限定されない。
【化11】
上記の反応式(A)中のF5S−基は、各式中のベンゼン環を形成する炭素原子に1つ結合していることを意味し、該基の結合する位置は特に限定されない。
【0020】
本発明においては、上式(0)で表されるペンタフルオロサルファー置換アニリン化合物のアミノ基のo位をハロゲン化し、かつ、アミノ基を保護基R1で保護して化合物(1)とすることができる。化合物(1)をアルキルリチウムと反応させ(以下、リチオ化という。)てリチオ化体を生成させる。該リチオ化体とYCOOR2またはC(O)(OR2)2とを反応させて上記化合物(2)を得ることができ、CO2と反応させた場合には活性水素を有する化合物をさらに反応させることによって、上記化合物(4)を得ることができる。
【0021】
化合物(0)のアミノ基のo位のハロゲン化反応工程は、たとえば、臭素、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、N−ブロモスクシンイミド、ヨウ素、N−ヨードスクシンイミド等のハロゲン化剤と、化合物(0)とを、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、トルエン等の非プロトン性反応溶媒(a)中で反応させて行うことができる。アニリン化合物(0)に対するハロゲン化剤の量は0.2〜1000倍容量が好ましく、特に0.5〜50倍容量が好ましい。該反応溶媒(a)の量は、アニリン化合物(0)に対して、1〜1000倍容量が好ましく、特に5〜100倍容量が好ましい。ハロゲン化反応の反応温度は−10℃〜溶媒還流温度が好ましく、特に0〜100℃が好ましい。ハロゲン化反応の反応時間は0.05〜48時間が好ましく、反応圧力は大気圧が好ましい。化合物(0)のハロゲン化反応により下式(5)で表されるペンタフルオロサルファー置換ハロゲン化アニリン化合物を得ることができる。ただし、Xは臭素原子またはヨウ素原子を示す。
【化12】
【0022】
化合物(5)のアミノ基をアミノ基の保護基R1で保護して化合物(1)を得ることができる。この方法としては、成書(たとえばT.W.Greene著、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wily&Sons、1981等)に記載される方法および反応条件により実施できる。たとえば、化合物(5)と、臭化ベンジル、塩化ベンジル等のR1を有する保護化剤とを、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の反応溶媒(b)中で反応させて得られる。化合物(5)に対する保護化剤の量は1〜100倍容量が好ましく、特に2〜10倍容量が好ましい。該反応溶媒(b)の量は、化合物(5)に対して、0.5〜1000倍容量が好ましく、特に1〜10倍容量が好ましい。保護化反応の反応温度は−20℃〜+100℃が好ましく、特に0℃〜50℃が好ましい。反応時間は0.1〜72時間が好ましく、反応圧力は大気圧が好ましい。
【0023】
化合物(1)のリチオ化反応工程に用いられるアルキルリチウムとしては、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、メチルリチウム等が挙げられる。アルキルリチウムの量は、化合物(1)に対して当モル以上が好ましく、特に1〜10モルが好ましい。リチオ化反応工程は、反応溶媒(c)の存在下に実施するのが好ましい。リチオ化反応における反応溶媒として用いる場合の例としては、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、tert−ブチルメチルエーテル等の非プロトン性溶媒が挙げられる。該反応溶媒(c)の量は、化合物(1)に対して、1〜1000倍容量が好ましく、特に5〜100倍容量が好ましい。リチオ化反応の反応温度は−95℃〜0℃が好ましく、特に−78℃〜−10℃が好ましい。リチオ化反応の反応時間は0.05〜24時間が好ましく、反応圧力は大気圧が好ましい。
【0024】
リチオ化反応により得られるリチオ化体を、YCOOR2またはC(O)(OR2)2と反応させて化合物(2)を得ることができ、またCO2と反応させ、さらに活性水素を有する化合物を反応させて化合物(4)を得ることができる。好ましいYCOOR2またはC(O)(OR2)2としては、クロロギ酸エチル、クロロギ酸メチル、クロロギ酸ベンジル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等であり、当該反応剤の量は化合物(1)に対して当モル以上が好ましく、特に1〜10モルが好ましい。当該反応は、反応溶媒の存在下に実施するのが好ましく、通常は上記リチオ化反応に引き続いて行われるため、反応溶媒、反応溶媒の量、反応温度、反応時間、反応圧力は、上記リチオ化反応の場合と同様であることが好ましい。
【0025】
リチオ化反応に続いてリチオ化体をCO2と反応させ、さらに活性水素を有する化合物を反応させる場合は、化合物(4)が得られる。この反応において、CO2は固体のまま反応系中に直接導入しても、またガスとして反応系中に導入してもよい。当該CO2の量は、化合物(1)に対して当モル以上が好ましく、特に1〜100モルが好ましい。このときの反応温度は−95℃〜0℃が好ましく、特に−78℃〜−10℃が好ましい。反応時間は0.05〜24時間が好ましく、反応圧力は大気圧が好ましい。活性水素を有する化合物をさらに反応させる場合、該活性水素を有する化合物としては水、メタノール、エタノール等が挙げられる。当該反応の反応温度、反応時間等の条件は、上記CO2の反応における条件と同様である。
【0026】
本発明においては、R1がアミノ基の保護基であり、R2がカルボキシル基の保護基R2´である場合(すなわち化合物(R2)が化合物(R2´)である場合)、化合物(2)または化合物(4)の脱保護反応により、化合物(3)を製造できる。
【0027】
上記反応式(A)中、化合物(2)から化合物(4)への反応、化合物(4)から化合物(3)への反応、および化合物(2)から化合物(3)への反応は、官能基の脱保護反応工程である。脱保護反応工程は、成書(たとえばT.W.Greene著、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wily&Sons、1981等)に記載される方法および反応条件により実施できる。
【0028】
たとえば、化合物(2)を1,4−ジオキサン、エタノール−水等の反応溶媒(d)中で、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の脱保護化剤と反応させて、化合物(4)を得ることができる。
化合物(2)に対する脱保護化剤の量は0.1〜100倍容量が好ましく、特に0.5〜10倍容量が好ましい。該反応溶媒(d)の量は、化合物(2)に対して、0.1〜1000倍容量が好ましく、特に0.5〜50倍容量が好ましい。脱保護反応の反応温度は10〜200℃が好ましく、特に20〜150℃が好ましい。反応時間は0.1〜72時間が好ましく、反応圧力は大気圧が好ましい。
【0029】
また、たとえば、化合物(4)をエタノール、酢酸エチル等の反応溶媒(e)中で、20%水酸化パラジウム/炭素粉末、5%パラジウム−炭素等と、水素雰囲気下で反応させて化合物(3)を得ることができる。
化合物(4)に対する脱保護化剤の量は、0.0001〜10倍容量が好ましく、特に0.01〜1倍容量が好ましい。該反応溶媒(e)の量は、化合物(4)に対して、0.1〜1000倍容量が好ましく、特に0.5〜100倍容量が好ましい。脱保護反応の反応温度は0〜100℃が好ましく、特に10〜50℃が好ましい。反応時間は0.1〜72時間が好ましく、反応圧力は大気圧が好ましい。
【0030】
本発明の製造方法で得られる各反応生成物は、反応粗液を酸(塩酸、硫酸等)、塩基(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、トリエチルアミンのような有機塩基等)、飽和食塩水、水等による洗浄、またはこれらの組み合わせによる洗浄を行った後、必要に応じて反応溶媒を留去して反応生成物を得るのが好ましい。反応溶媒は、減圧下で留去するのが好ましい。また、溶媒を留去する際には、あらかじめ無水硫酸ナトリウム、無水炭酸カリウム、無水硫酸マグネシウム等の乾燥剤を必要に応じて加えるのが好ましい。また、反応生成物はシリカゲル等を用いたクロマトグラフィーにより精製してもよい。
【0031】
各反応生成物が結晶化しうる化合物である場合には、適当な溶媒から再結晶する方法で精製してもよい。再結晶に使用する溶媒としては、水や通常の有機溶媒が使用でき、たとえばヘキサン、シクロヘキサン、酢酸エチル、ジオキサン、酢酸プロピル、酢酸ブチル、tert−ブチルジメチルエーテル、トルエン、2−ブタノン、メチルイソプロピルケトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0032】
化合物(0)を出発物質として、化合物(3)を製造する方法は、上記に限定されるものではなく、たとえば以下のような製造方法が挙げられる。
下記反応式(B)のように、化合物(0)から化合物(5)を製造し、化合物(5)のアミノ基をジアゾニウム塩に変換し、シアン化銅等を用いてシアノ化する。このシアノ基を加水分解してカルボン酸に変換しておいてから、o位のハロゲン原子を酸化銅のような触媒の存在下、フェニルアミンのようなアミノ基で置換して化合物(3)または下記反応式(B)中の式(2−1)で表されるペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体を得ることができる。ただし、Rは1価の有機基を示す。
【化13】
【0033】
下記反応式(C)のように、化合物(0)から化合物(5)を製造し、化合物(5)のハロゲン原子をシアン化銅等でシアノ基に置換する。シアノ基を加水分解して化合物(3)に導くことができる。
【化14】
【0034】
下記反応式(D)のように、化合物(0)を用い、酸性条件下、ヒドロキシルアミンと抱水クロラールによって、イソニトロソアセトアニリドに変換する。これに硫酸を作用させ、イサチンへ導く。このイサチンを加水分解することで化合物(3)へ変換することができる。
【化15】
【0035】
本発明の式(2)、(3)および(4)で表されるペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体は、生理活性物質として、またその合成中間体として有用であり、医薬品や農薬等の原料として用いることができる。本発明のペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体は、その薬理学的に有効な塩と共に、医薬品として、または医薬品の原体として有用な化合物である。
【0036】
薬理学的に有効な塩としては、アミンと塩を形成するような塩であり、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩等が挙げられる。また、カルボン酸と塩を形成するような塩であり、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、またはアンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン等の塩等が挙げられる。また、これらの塩は水和物となっていてもよい。
【0037】
【実施例】
以下に本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されない。
(合成例1)(4−アミノ−3−ブロモフェニル)サルファーペンタフルオリド(5a)の合成例
【化16】
上式(0)で表される4−アミノフェニルサルファーペンタフルオリド(331mg,1.51mmol)を無水クロロホルム(10mL)に溶解した後、0℃で撹拌しながら1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(225mg、0.787mmol)を加えた。10分間撹拌した後、トリエチルアミン(0.21mL,1.5mmol)を加え中和し、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(BW−820MH,9.0g、ヘキサン−酢酸エチル=3:1(体積比))にて精製し、上式(5a)で表される化合物(419mg、収率93%)を無色固体として得た。
【0038】
計算式:C6H5F5BrNS
FAB−MS(m/z):297[M]+、299[M]+
Rf値:0.36(ヘキサン−酢酸エチル=3:1)
1H−NMR(400MHz,アセトン−d6)δ(ppm):5.75(2H,br s),6.95(1H,d,J=9.0Hz),7.57(1H,dd,J=2.5、9.0Hz),7.84(1H,d,J=2.5Hz)。
【0039】
(合成例2)[4−(N,N−ジベンジル)アミノ−3−ブロモフェニル]サルファーペンタフルオリド(1a)の合成例
【化17】
合成例1で合成した化合物(5a)(120mg、0.403mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(2.4mL)に溶解した後、0℃で攪拌しながら水素化ナトリウム(65.0mg、1.63mmol、60%ミネラル油分散)を加えた。ここに臭化ベンジル(0.12mL,1.01mmol)を滴加し、5分間攪拌した後、硫酸ナトリウム10水和物(325mg、1.01mmol)を加えて反応を停止した。綿を用いてろ過した後、ろ液に蒸留水(4.0mL)を加え、トルエン(8mLで2回)で抽出した。有機相を減圧下濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(BW−820MH,3.9g、ヘキサン−トルエン=7:1(体積比))にて精製し、上式(1a)で表される化合物(192mg、収率100%)を無色油状物として得た。
【0040】
計算式:C20H17F5BrNS
FAB−MS(m/z):477[M]+、479[M]+
Rf値:0.31(ヘキサン−トルエン=7:1)
1H−NMR(400MHz,アセトン−d6)δ(ppm):4.36(4H, s)、7.21−7.42(1H,m),7.70(1H,dd,J=2.5、9.0Hz),8.09(1H,d,J=2.5Hz)。
【0041】
(実施例1)[4−(N,N−ジベンジル)アミノ−3−エトキシカルボニルフェニル]サルファーペンタフルオリド(2a)の合成例
【化18】
合成例2で合成した化合物(1a)(44.0mg,0.092mmol)を無水テトラヒドロフラン(1.3mL)に溶解した後、−78℃で攪拌しながら、1.4M tert−ブチルリチウム(n−ペンタン溶液、0.130mL,0.182mmol)を滴加した。5分間攪拌した後、クロロギ酸エチル(0.018mL,0.189mmol)を滴加した。さらに5分間攪拌した後、酢酸(0.016mL,0.280mmol)を加えて中和し、溶媒を減圧下留去した。蒸留水(1.0mL)を加え、酢酸エチル(2mLで1回、1mLで1回)で抽出した。有機相を減圧下濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(BW−820MH,2.2g、ヘキサン−トルエン=1:1(体積比))にて精製し、上式(2a)で表される化合物(17.2mg、収率40%)を無色油状物として得た。
【0042】
計算式:C23H22F5NO2S
FAB−MS(m/z):472[M+1]+
Rf値:0.31(ヘキサン−トルエン=1:1)
1H−NMR(400MHz,アセトン−d6)δ(ppm):1.39(3H,t、J=7.0Hz)、4.40(2H,q、J=7.0Hz)、4.45(4H,s)、7.18(1H,d、J=9.0Hz),7.34(10H,m),7.74(1H,dd、J=3.0、9.0Hz)、8.05(1H,d,J=3.0Hz)。
【0043】
(実施例2)[4−(N,N−ジベンジル)アミノ−3−ヒドロキシカルボニルフェニル]サルファーペンタフルオリド(4a)の合成例
【化19】
実施例1で合成した化合物(2a)(16.7mg,0.033mmol)を1,4−ジオキサン(0.2mL)に溶解した後、水酸化ナトリウム水溶液(0.100mL,0.0655mmol)を加えた。100℃で3時間加熱攪拌した後、溶媒を減圧下留去した。3M塩酸(0.2mL)を加え、酢酸エチル(0.4mLで1回、0.2mLで1回)で抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮乾固し、上式(4a)で表される化合物(15.1mg、収率96%)を無色油状物として得た。
【0044】
計算式:C21H18F5NO2S・HCl
FAB−MS(m/z):444[M+1]+
Rf値:0.48(クロロホルム−メタノール=10:1)
1H−NMR(400MHz,アセトン−d6)δ(ppm):4.45(4H,s)、7.22−7.33(10H,m),7.84(1H,d、J=9.0Hz)、8.03(1H,dd,J=3.0、9.0Hz)、8.28(1H、d、J=3.0Hz)。
【0045】
(実施例3)(4−アミノ−3−ヒドロキシカルボニルフェニル)サルファーペンタフルオリド(3)の合成例
【化20】
実施例2で合成した化合物(4a)(10.0mg,0.0208mmol)をエタノール(0.5mL)に溶解した後、20%水酸化パラジウム/炭素粉末(5mg)を加えた。常圧の水素雰囲気下、室温で30分間激しく攪拌した。セライトでろ過し、触媒を取り除いた後、溶媒を減圧下留去し、上式(3)で表される化合物(5.4mg、収率87%)を無色固体として得た。
【0046】
計算式:C7H6F5NO2S・HCl
FAB−MS(m/z):263[M]+
Rf値:0.33(クロロホルム−メタノール=5:1)
1H−NMR(400MHz,アセトン−d6)δ(ppm):6.94(1H,d、J=9.0Hz)),7.12(2H,br s)、7.69(1H,dd,J=3.0、9.0Hz)、8.28(1H、d、J=3.0Hz)。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、ペンタフルオロサルファー置換アニリン化合物から、ペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体を効率良く製造することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
分子中の水素原子の一部または全部がフッ素化された含フッ素化合物は、フッ素樹脂、フッ素ゴム、フッ素系塗料、表面改質剤、不活性溶媒、電子材料、液晶材料等の機能性材料として、または医薬品、農薬等として有用であることは一般に知られている。
アリール基に−SF5が結合した化合物の製造方法としては、アリールジスルフィドをフッ素ガスと反応させ、アリール(サルファートリフルオリド)とした後、フッ素ガスと反応させてアリール(サルファーペンタフルオリド)を得る方法が提案されている(Tetrahedron,56(21),3399−3408,2000)。また、アリール(サルファーペンタフルオリド)のアリール基にアミノ基が置換した化合物において、該アミノ基のα、α´位をハロゲン化した化合物を農薬として評価した例が報告されている(GB2276381、WO9856767、WO9828277)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、アリール(サルファーペンタフルオリド)のアリール基にアミノ基以外の置換基を導入した例は知られていない。またアリール(サルファーペンタフルオリド)から置換反応でペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体を合成した例は知られていない。また、アミノ基が結合したアリール化合物に−SF5基を導入する反応、またアントラニル酸に−SF5基を導入する反応を効率的に行うことは困難であった。
すなわち本発明は、アミノ置換アリール(サルファートリフルオリド)を用いて生理活性物質の中間体として有用なペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体を製造する方法、および該方法で製造された新規化合物の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定のハロゲン置換アリール(サルファートリフルオリド)をアルキルリチウムと反応させ、次いでアルコキシカルボニル化またはカルボキシル化反応をさせることによりペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体を容易に製造できることを見いだした。
【0005】
すなわち本発明は、下式(1)で表されるハロゲン置換アニリン化合物をアルキルリチウムと反応させてリチオ化体を生成させる工程および該リチオ化体と、YCOOR2、C(O)(OR2)2またはCO2とを反応させる工程を含み、かつ下式(2)または下式(4)で表される化合物を得ることを特徴とするペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体の製造方法を提供する。ただし、R1はアミノ基の保護基を示し、R2は1価の有機基を示し、Xは臭素原子またはヨウ素原子を示し、Yは塩素原子または臭素原子を示す。
【化6】
【0006】
また、本発明は、下式(2´)または下式(4)で表される化合物の脱保護反応により、下式(3)で表される化合物を製造する工程を含むことを特徴とするペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体の製造方法を提供する。ただし、R1はアミノ基の保護基を示し、R2´はカルボキシル基の保護基であって1価の有機基を示す。
【化7】
【0007】
さらに、本発明は、下式(2´)で表される化合物の脱保護反応により、下式(4)で表される化合物を製造する工程を含むことを特徴とするペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体の製造方法を提供する。ただし、R1はアミノ基の保護基を示し、R2´はカルボキシル基の保護基であって1価の有機基を示す。
【化8】
【0008】
また、本発明は、下式(0)で表されるアニリン化合物を出発物質として、下式(3)で表される化合物を得ることを特徴とするペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体の製造方法を提供する。
【化9】
【0009】
さらにまた、本発明は、新規化合物である下式(2)、下式(3)または下式(4)で表されるペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体を提供する。ただし、R1はアミノ基の保護基を示し、R2は1価の有機基を示す。
【化10】
【0010】
【発明の実施の形態】
本明細書においては、式(1)で表される化合物を、化合物(1)とも記す。他の式においても同様である。
【0011】
本明細書における各式中の記号は、以下の意味を示す。
すなわち、R1は、アミノ基の保護基を示す。また−NR1 2部分は2−フタルイミド基を形成していてもよい。アミノ基の保護基としては公知の文献または成書(T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wily&Sons,1981等)に記載される基が採用できる。
【0012】
アミノ基の保護基の例としては、メトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基(Boc基)、アリロキシカルボニル基(Aoc基)、フェノキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz基)、ホルミル基、アセチル基、クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、p−メトキシベンゾイル基、アリル基、ベンジル基、およびトリフェニルメチル基が好ましい。
【0013】
R2は1価の有機基を示す。R2はカルボキシル基の保護基R2´であることが好ましく、さらに、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいヘテロ原子を含むアルキル基、置換されていてもよいアルアルキル基、または置換されていてもよいアリール基が好ましい。
【0014】
R2がアルキル基である場合の炭素数は1〜8が好ましく、炭素数1〜6が特に好ましい。アルキル基としては、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
【0015】
R2が置換されたアルキル基である場合、上記アルキル基の水素原子の1個以上が1価の置換基で置換された基が好ましい。1価の置換基としては、置換されていてもよいアリール基以外の基から選択され、ハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよいカルボキシル基、保護されていてもよいヒドロキシル基、保護されていてもよいアミノ基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキル基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいベンジルオキシ基等が挙げられる。1価の置換基としては、ハロゲン原子、アリールオキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、またはアルコキシ基が好ましい。置換されたアルキル基の例としては、2−フルオロエチル基、4−フルオロブチル基、2−(2−フルオロエチル)ブチル基、フェノキシメチル基、p−フルオロフェノキシメチル基、p−ニトロフェノキシメチル基、メトキシメチル基、(1−エトキシ)エトキシメチル基、4−ベンジルオキシメチル基、6−ベンジルオキシヘキシル基、4−ベンジルオキシ−2−フルオロブチル基、4−ベンジルオキシ−3−フルオロブチル基が好ましい。
【0016】
ヘテロ原子を含むアルキル基とは、アルキル基の結合末端またはアルキル基の炭素−炭素原子間に、酸素原子、窒素原子またはイオウ原子等のヘテロ原子が結合したアルキル基である。
R2が、ヘテロ原子を含むアルキル基である場合には、上記アルキル基の結合末端に2価ヘテロ原子(たとえばエーテル性酸素原子、チオエーテル性イオウ原子等)が結合した基が好ましく、特にアルコキシ基が好ましい。アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、およびエイコシルオキシ基等が挙げられる。
【0017】
R2がアルアルキル基である場合の例としては、ベンジル基、フェネチル基、およびトリチル基等が挙げられる。R2が置換されたアルアルキル基の場合、上記アルアルキル基の水素原子の1個以上が1価の置換基で置換された基が好ましい。該1価の置換基としては、置換されたアルキル基における1価の置換基と同様の基が挙げられる。好ましい置換されたアルアルキル基としては、ハロゲン化アルアルキル基が挙げられる。置換されていてもよいアルアルキル基としては、ベンジル基、p−フルオロベンジル基、o−フルオロベンジル基が特に好ましい。
【0018】
R2がアリール基である場合、アリール基とは芳香族炭化水素から水素原子1個を除いた基であり、たとえばフェニル基およびナフチル基(たとえば、2−ナフチル基、3−ナフチル基等。)が例示される。R2が置換されたアリール基である場合は、アリール基の水素原子1個以上が1価の置換基で置換された基が好ましい。該1価の置換基の例としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子が好ましい。置換されたアリール基の例としては、p−フルオロフェニル基、o−フルオロフェニル基、p−トリルフェニル基、4−ビフェニル基等が挙げられる。
Xは臭素原子またはヨウ素原子を示し、Yは塩素原子または臭素原子を示す。
【0019】
本発明において、下記反応式(A)で概略を示すように、化合物(0)を出発物質として、化合物(3)を製造することができる。以下、該反応式(A)に則して説明する。ただし、本発明は反応式(A)に限定されない。
【化11】
上記の反応式(A)中のF5S−基は、各式中のベンゼン環を形成する炭素原子に1つ結合していることを意味し、該基の結合する位置は特に限定されない。
【0020】
本発明においては、上式(0)で表されるペンタフルオロサルファー置換アニリン化合物のアミノ基のo位をハロゲン化し、かつ、アミノ基を保護基R1で保護して化合物(1)とすることができる。化合物(1)をアルキルリチウムと反応させ(以下、リチオ化という。)てリチオ化体を生成させる。該リチオ化体とYCOOR2またはC(O)(OR2)2とを反応させて上記化合物(2)を得ることができ、CO2と反応させた場合には活性水素を有する化合物をさらに反応させることによって、上記化合物(4)を得ることができる。
【0021】
化合物(0)のアミノ基のo位のハロゲン化反応工程は、たとえば、臭素、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、N−ブロモスクシンイミド、ヨウ素、N−ヨードスクシンイミド等のハロゲン化剤と、化合物(0)とを、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、トルエン等の非プロトン性反応溶媒(a)中で反応させて行うことができる。アニリン化合物(0)に対するハロゲン化剤の量は0.2〜1000倍容量が好ましく、特に0.5〜50倍容量が好ましい。該反応溶媒(a)の量は、アニリン化合物(0)に対して、1〜1000倍容量が好ましく、特に5〜100倍容量が好ましい。ハロゲン化反応の反応温度は−10℃〜溶媒還流温度が好ましく、特に0〜100℃が好ましい。ハロゲン化反応の反応時間は0.05〜48時間が好ましく、反応圧力は大気圧が好ましい。化合物(0)のハロゲン化反応により下式(5)で表されるペンタフルオロサルファー置換ハロゲン化アニリン化合物を得ることができる。ただし、Xは臭素原子またはヨウ素原子を示す。
【化12】
【0022】
化合物(5)のアミノ基をアミノ基の保護基R1で保護して化合物(1)を得ることができる。この方法としては、成書(たとえばT.W.Greene著、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wily&Sons、1981等)に記載される方法および反応条件により実施できる。たとえば、化合物(5)と、臭化ベンジル、塩化ベンジル等のR1を有する保護化剤とを、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の反応溶媒(b)中で反応させて得られる。化合物(5)に対する保護化剤の量は1〜100倍容量が好ましく、特に2〜10倍容量が好ましい。該反応溶媒(b)の量は、化合物(5)に対して、0.5〜1000倍容量が好ましく、特に1〜10倍容量が好ましい。保護化反応の反応温度は−20℃〜+100℃が好ましく、特に0℃〜50℃が好ましい。反応時間は0.1〜72時間が好ましく、反応圧力は大気圧が好ましい。
【0023】
化合物(1)のリチオ化反応工程に用いられるアルキルリチウムとしては、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、メチルリチウム等が挙げられる。アルキルリチウムの量は、化合物(1)に対して当モル以上が好ましく、特に1〜10モルが好ましい。リチオ化反応工程は、反応溶媒(c)の存在下に実施するのが好ましい。リチオ化反応における反応溶媒として用いる場合の例としては、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、tert−ブチルメチルエーテル等の非プロトン性溶媒が挙げられる。該反応溶媒(c)の量は、化合物(1)に対して、1〜1000倍容量が好ましく、特に5〜100倍容量が好ましい。リチオ化反応の反応温度は−95℃〜0℃が好ましく、特に−78℃〜−10℃が好ましい。リチオ化反応の反応時間は0.05〜24時間が好ましく、反応圧力は大気圧が好ましい。
【0024】
リチオ化反応により得られるリチオ化体を、YCOOR2またはC(O)(OR2)2と反応させて化合物(2)を得ることができ、またCO2と反応させ、さらに活性水素を有する化合物を反応させて化合物(4)を得ることができる。好ましいYCOOR2またはC(O)(OR2)2としては、クロロギ酸エチル、クロロギ酸メチル、クロロギ酸ベンジル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等であり、当該反応剤の量は化合物(1)に対して当モル以上が好ましく、特に1〜10モルが好ましい。当該反応は、反応溶媒の存在下に実施するのが好ましく、通常は上記リチオ化反応に引き続いて行われるため、反応溶媒、反応溶媒の量、反応温度、反応時間、反応圧力は、上記リチオ化反応の場合と同様であることが好ましい。
【0025】
リチオ化反応に続いてリチオ化体をCO2と反応させ、さらに活性水素を有する化合物を反応させる場合は、化合物(4)が得られる。この反応において、CO2は固体のまま反応系中に直接導入しても、またガスとして反応系中に導入してもよい。当該CO2の量は、化合物(1)に対して当モル以上が好ましく、特に1〜100モルが好ましい。このときの反応温度は−95℃〜0℃が好ましく、特に−78℃〜−10℃が好ましい。反応時間は0.05〜24時間が好ましく、反応圧力は大気圧が好ましい。活性水素を有する化合物をさらに反応させる場合、該活性水素を有する化合物としては水、メタノール、エタノール等が挙げられる。当該反応の反応温度、反応時間等の条件は、上記CO2の反応における条件と同様である。
【0026】
本発明においては、R1がアミノ基の保護基であり、R2がカルボキシル基の保護基R2´である場合(すなわち化合物(R2)が化合物(R2´)である場合)、化合物(2)または化合物(4)の脱保護反応により、化合物(3)を製造できる。
【0027】
上記反応式(A)中、化合物(2)から化合物(4)への反応、化合物(4)から化合物(3)への反応、および化合物(2)から化合物(3)への反応は、官能基の脱保護反応工程である。脱保護反応工程は、成書(たとえばT.W.Greene著、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wily&Sons、1981等)に記載される方法および反応条件により実施できる。
【0028】
たとえば、化合物(2)を1,4−ジオキサン、エタノール−水等の反応溶媒(d)中で、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の脱保護化剤と反応させて、化合物(4)を得ることができる。
化合物(2)に対する脱保護化剤の量は0.1〜100倍容量が好ましく、特に0.5〜10倍容量が好ましい。該反応溶媒(d)の量は、化合物(2)に対して、0.1〜1000倍容量が好ましく、特に0.5〜50倍容量が好ましい。脱保護反応の反応温度は10〜200℃が好ましく、特に20〜150℃が好ましい。反応時間は0.1〜72時間が好ましく、反応圧力は大気圧が好ましい。
【0029】
また、たとえば、化合物(4)をエタノール、酢酸エチル等の反応溶媒(e)中で、20%水酸化パラジウム/炭素粉末、5%パラジウム−炭素等と、水素雰囲気下で反応させて化合物(3)を得ることができる。
化合物(4)に対する脱保護化剤の量は、0.0001〜10倍容量が好ましく、特に0.01〜1倍容量が好ましい。該反応溶媒(e)の量は、化合物(4)に対して、0.1〜1000倍容量が好ましく、特に0.5〜100倍容量が好ましい。脱保護反応の反応温度は0〜100℃が好ましく、特に10〜50℃が好ましい。反応時間は0.1〜72時間が好ましく、反応圧力は大気圧が好ましい。
【0030】
本発明の製造方法で得られる各反応生成物は、反応粗液を酸(塩酸、硫酸等)、塩基(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、トリエチルアミンのような有機塩基等)、飽和食塩水、水等による洗浄、またはこれらの組み合わせによる洗浄を行った後、必要に応じて反応溶媒を留去して反応生成物を得るのが好ましい。反応溶媒は、減圧下で留去するのが好ましい。また、溶媒を留去する際には、あらかじめ無水硫酸ナトリウム、無水炭酸カリウム、無水硫酸マグネシウム等の乾燥剤を必要に応じて加えるのが好ましい。また、反応生成物はシリカゲル等を用いたクロマトグラフィーにより精製してもよい。
【0031】
各反応生成物が結晶化しうる化合物である場合には、適当な溶媒から再結晶する方法で精製してもよい。再結晶に使用する溶媒としては、水や通常の有機溶媒が使用でき、たとえばヘキサン、シクロヘキサン、酢酸エチル、ジオキサン、酢酸プロピル、酢酸ブチル、tert−ブチルジメチルエーテル、トルエン、2−ブタノン、メチルイソプロピルケトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
【0032】
化合物(0)を出発物質として、化合物(3)を製造する方法は、上記に限定されるものではなく、たとえば以下のような製造方法が挙げられる。
下記反応式(B)のように、化合物(0)から化合物(5)を製造し、化合物(5)のアミノ基をジアゾニウム塩に変換し、シアン化銅等を用いてシアノ化する。このシアノ基を加水分解してカルボン酸に変換しておいてから、o位のハロゲン原子を酸化銅のような触媒の存在下、フェニルアミンのようなアミノ基で置換して化合物(3)または下記反応式(B)中の式(2−1)で表されるペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体を得ることができる。ただし、Rは1価の有機基を示す。
【化13】
【0033】
下記反応式(C)のように、化合物(0)から化合物(5)を製造し、化合物(5)のハロゲン原子をシアン化銅等でシアノ基に置換する。シアノ基を加水分解して化合物(3)に導くことができる。
【化14】
【0034】
下記反応式(D)のように、化合物(0)を用い、酸性条件下、ヒドロキシルアミンと抱水クロラールによって、イソニトロソアセトアニリドに変換する。これに硫酸を作用させ、イサチンへ導く。このイサチンを加水分解することで化合物(3)へ変換することができる。
【化15】
【0035】
本発明の式(2)、(3)および(4)で表されるペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体は、生理活性物質として、またその合成中間体として有用であり、医薬品や農薬等の原料として用いることができる。本発明のペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体は、その薬理学的に有効な塩と共に、医薬品として、または医薬品の原体として有用な化合物である。
【0036】
薬理学的に有効な塩としては、アミンと塩を形成するような塩であり、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩等が挙げられる。また、カルボン酸と塩を形成するような塩であり、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、またはアンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン等の塩等が挙げられる。また、これらの塩は水和物となっていてもよい。
【0037】
【実施例】
以下に本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されない。
(合成例1)(4−アミノ−3−ブロモフェニル)サルファーペンタフルオリド(5a)の合成例
【化16】
上式(0)で表される4−アミノフェニルサルファーペンタフルオリド(331mg,1.51mmol)を無水クロロホルム(10mL)に溶解した後、0℃で撹拌しながら1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(225mg、0.787mmol)を加えた。10分間撹拌した後、トリエチルアミン(0.21mL,1.5mmol)を加え中和し、溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(BW−820MH,9.0g、ヘキサン−酢酸エチル=3:1(体積比))にて精製し、上式(5a)で表される化合物(419mg、収率93%)を無色固体として得た。
【0038】
計算式:C6H5F5BrNS
FAB−MS(m/z):297[M]+、299[M]+
Rf値:0.36(ヘキサン−酢酸エチル=3:1)
1H−NMR(400MHz,アセトン−d6)δ(ppm):5.75(2H,br s),6.95(1H,d,J=9.0Hz),7.57(1H,dd,J=2.5、9.0Hz),7.84(1H,d,J=2.5Hz)。
【0039】
(合成例2)[4−(N,N−ジベンジル)アミノ−3−ブロモフェニル]サルファーペンタフルオリド(1a)の合成例
【化17】
合成例1で合成した化合物(5a)(120mg、0.403mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(2.4mL)に溶解した後、0℃で攪拌しながら水素化ナトリウム(65.0mg、1.63mmol、60%ミネラル油分散)を加えた。ここに臭化ベンジル(0.12mL,1.01mmol)を滴加し、5分間攪拌した後、硫酸ナトリウム10水和物(325mg、1.01mmol)を加えて反応を停止した。綿を用いてろ過した後、ろ液に蒸留水(4.0mL)を加え、トルエン(8mLで2回)で抽出した。有機相を減圧下濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(BW−820MH,3.9g、ヘキサン−トルエン=7:1(体積比))にて精製し、上式(1a)で表される化合物(192mg、収率100%)を無色油状物として得た。
【0040】
計算式:C20H17F5BrNS
FAB−MS(m/z):477[M]+、479[M]+
Rf値:0.31(ヘキサン−トルエン=7:1)
1H−NMR(400MHz,アセトン−d6)δ(ppm):4.36(4H, s)、7.21−7.42(1H,m),7.70(1H,dd,J=2.5、9.0Hz),8.09(1H,d,J=2.5Hz)。
【0041】
(実施例1)[4−(N,N−ジベンジル)アミノ−3−エトキシカルボニルフェニル]サルファーペンタフルオリド(2a)の合成例
【化18】
合成例2で合成した化合物(1a)(44.0mg,0.092mmol)を無水テトラヒドロフラン(1.3mL)に溶解した後、−78℃で攪拌しながら、1.4M tert−ブチルリチウム(n−ペンタン溶液、0.130mL,0.182mmol)を滴加した。5分間攪拌した後、クロロギ酸エチル(0.018mL,0.189mmol)を滴加した。さらに5分間攪拌した後、酢酸(0.016mL,0.280mmol)を加えて中和し、溶媒を減圧下留去した。蒸留水(1.0mL)を加え、酢酸エチル(2mLで1回、1mLで1回)で抽出した。有機相を減圧下濃縮乾固し、シリカゲルクロマトグラフィー(BW−820MH,2.2g、ヘキサン−トルエン=1:1(体積比))にて精製し、上式(2a)で表される化合物(17.2mg、収率40%)を無色油状物として得た。
【0042】
計算式:C23H22F5NO2S
FAB−MS(m/z):472[M+1]+
Rf値:0.31(ヘキサン−トルエン=1:1)
1H−NMR(400MHz,アセトン−d6)δ(ppm):1.39(3H,t、J=7.0Hz)、4.40(2H,q、J=7.0Hz)、4.45(4H,s)、7.18(1H,d、J=9.0Hz),7.34(10H,m),7.74(1H,dd、J=3.0、9.0Hz)、8.05(1H,d,J=3.0Hz)。
【0043】
(実施例2)[4−(N,N−ジベンジル)アミノ−3−ヒドロキシカルボニルフェニル]サルファーペンタフルオリド(4a)の合成例
【化19】
実施例1で合成した化合物(2a)(16.7mg,0.033mmol)を1,4−ジオキサン(0.2mL)に溶解した後、水酸化ナトリウム水溶液(0.100mL,0.0655mmol)を加えた。100℃で3時間加熱攪拌した後、溶媒を減圧下留去した。3M塩酸(0.2mL)を加え、酢酸エチル(0.4mLで1回、0.2mLで1回)で抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮乾固し、上式(4a)で表される化合物(15.1mg、収率96%)を無色油状物として得た。
【0044】
計算式:C21H18F5NO2S・HCl
FAB−MS(m/z):444[M+1]+
Rf値:0.48(クロロホルム−メタノール=10:1)
1H−NMR(400MHz,アセトン−d6)δ(ppm):4.45(4H,s)、7.22−7.33(10H,m),7.84(1H,d、J=9.0Hz)、8.03(1H,dd,J=3.0、9.0Hz)、8.28(1H、d、J=3.0Hz)。
【0045】
(実施例3)(4−アミノ−3−ヒドロキシカルボニルフェニル)サルファーペンタフルオリド(3)の合成例
【化20】
実施例2で合成した化合物(4a)(10.0mg,0.0208mmol)をエタノール(0.5mL)に溶解した後、20%水酸化パラジウム/炭素粉末(5mg)を加えた。常圧の水素雰囲気下、室温で30分間激しく攪拌した。セライトでろ過し、触媒を取り除いた後、溶媒を減圧下留去し、上式(3)で表される化合物(5.4mg、収率87%)を無色固体として得た。
【0046】
計算式:C7H6F5NO2S・HCl
FAB−MS(m/z):263[M]+
Rf値:0.33(クロロホルム−メタノール=5:1)
1H−NMR(400MHz,アセトン−d6)δ(ppm):6.94(1H,d、J=9.0Hz)),7.12(2H,br s)、7.69(1H,dd,J=3.0、9.0Hz)、8.28(1H、d、J=3.0Hz)。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、ペンタフルオロサルファー置換アニリン化合物から、ペンタフルオロサルファー置換アントラニル酸誘導体を効率良く製造することができる。
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JP2007512246A (ja) * | 2003-11-13 | 2007-05-17 | サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング | オルト−置換ペンタフルオリドスルファニル−ベンゼン、その製造法及び有用な合成中間体段階の形態でのその使用 |
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