JP2004067463A - 抗菌性ポリマーセメント硬化物の施工方法 - Google Patents

抗菌性ポリマーセメント硬化物の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】抗菌性に優れるポリマーセメント硬化物の施工方法を提供すること。
【解決手段】下地、下地表面に設けられた下塗り層、及び下塗り層表面に設けられた上塗り層から構成される積層構造体において、(A)ポリオール、(B)水、(C)ポリイソシアネート化合物及び(D)セメント成分、さらに必要に応じて(E)抗菌剤及び/又は(F)骨材を含有する組成物を下地に塗布して硬化させて下塗り層を設けた後、(A)ポリオール、(B)水、(C)ポリイソシアネート化合物、(D)セメント成分及び(E)抗菌剤、さらに必要に応じて(F)骨材を含有する組成物を該下塗り層の表面に塗布して硬化させて上塗り層を設けることを特徴とする抗菌性ポリマーセメント硬化物の施工方法。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗菌性ポリマーセメント硬化物の施工方法に関し、さらに詳しくは、特に硬質の床材に好適に使用できる抗菌性ポリマーセメント硬化物の施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
硬質の床仕上材として使用されているウレタン樹脂は、フレキシビリティーに富み、かつ低温時の硬化性も優れているが、抗菌性が不十分であるという問題があった。
【0003】
例えば、台所、浴室、洗面台等の多湿の場所、あるいは布団やベッド等の湿度が高まりやすい場所では、容易に細菌や黴が繁殖して不衛生となりやすい。特に近年は建造物の気密性が高く、冷暖房が普及しているため、細菌や黴にとっても好適な増殖環境となっており、年間を通じて微生物の発育が可能となっている。通常多湿な場所だけでなく、居室においても微生物が繁殖しており、食中毒、アトピー性皮膚疾患やその他のアレルギー症状を引き起こす等、衛生面においても大きな問題となっている。
【0004】
特に、医療関連施設、食品製造工場、調理場、保育園、幼稚園、老人ホーム等においては、より一層衛生に関する要求が高まってきている。
【0005】
こうした状況から、床用の塗料又は床材の原料として使用される組成物においても抗菌性に優れたものが求められている。
【0006】
特開平2000−72512号公報には、下塗り層が骨材を含有しないポリマーセメントからなり、上塗り層が骨材を含有するポリマーセメントからなる積層構造体が開示されている。該積層構造体は、耐酸性、耐アルカリ性、耐熱性、耐衝撃性等に優れているものの、特に食品工場や病院等の床に使用した際、抗菌性能に問題があった。
【0007】
従って、本発明の目的は、抗菌性に優れるポリマーセメント硬化物の施工方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下地、下地表面に設けられた下塗り層、及び下塗り層表面に設けられた上塗り層から構成される積層構造体において、(A)ポリオール、(B)水、(C)ポリイソシアネート化合物及び(D)セメント成分、さらに必要に応じて(E)抗菌剤及び/又は(F)骨材を含有する組成物を下地に塗布して硬化させて下塗り層を設けた後、(A)ポリオール、(B)水、(C)ポリイソシアネート化合物、(D)セメント成分及び(E)抗菌剤、さらに必要に応じて(F)骨材を含有する組成物を該下塗り層の表面に塗布して硬化させて上塗り層を設けることを特徴とする抗菌性ポリマーセメント硬化物の施工方法により上記目的を達成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の施工方法について詳細に説明する。
【0010】
本発明の抗菌性ポリマーセメント硬化物の施工方法においては、先ず、(A)ポリオール、(B)水、(C)ポリイソシアネート化合物及び(D)セメント成分を含有し、必要に応じてさらに(E)抗菌剤及び/又は(F)骨材を含有する組成物(以下下塗り材という)を、下地に塗布して硬化させて下塗り層を設ける。該下塗り層は下地目止め剤として作用するものであり、該下塗り層の厚さを、好ましくは0.5mm以上、さらに好ましくは0.5〜2mm、最も好ましくは0.8〜1.5mmとすることにより、下地水分の突き上げを遮蔽し、表層のピンホール、膨れを解消できるようになる。
上記下塗り層を設けた後、十分に養生をし、硬化したことを確認してから、(A)ポリオール、(B)水、(C)ポリイソシアネート化合物、(D)セメント成分及び(E)抗菌剤を含有し、必要に応じてさらに(F)骨材を含有する組成物(以下上塗り材という)を、該下塗り層の表面に塗布して硬化させて上塗り層を設ける。上塗り層の厚さは、2.0〜20mmが好ましく、2.5〜10mmが特に好ましい。上塗り層の厚さが2.0mmに満たないと耐衝撃性が不十分であり、塗膜表面に骨材が突出して平滑な表面外観が得られなくなり、コテ筋や塗りむらが発生するので好ましくない。
【0011】
本発明の施工方法に係る抗菌性ポリマーセメント硬化物において、下塗り層及び上塗り層で使用される(A)ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA等の多価フェノール、さらに前記多価アルコール、前記多価フェノール、水、その他低分子量アミン化合物のアルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等)の重付加物又はエチレンオキサイド/プロピレンオキシド共重付加物等が挙げられる。
【0012】
さらに、(A)ポリオールとしては、ひまし油系ポリオール、ポリエンポリオール、水添ポリブタジエン系ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリシリコンポリオール、ポリカプロラクトン等の高分子量ポリオールを用いることもできる。
【0013】
上記ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサメチレングリコール、3−メチルペンタンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、水添ビスフェノールA等又はこれらの活性水素を2個以上有する低分子量ポリオールとアルキレンオキサイドの付加物からなるポリオールとコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバチン酸、ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、テトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等の多塩基酸あるいは炭酸との縮合物であるポリエステルポリオールが挙げられる。
【0014】
上記ポリエーテルポリオールとしては、水、低分子ポリオール又はアンモニア、メチルアミン、エチルアミン、アニリン、フェニレンジアミン、イソホロンジアミン等の活性水素を2個以上有する化合物の炭素原子数2〜4のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)付加物が挙げられ、さらに具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン/ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレングリコール等のポリエーテルポリオールが挙げられる。
【0015】
上記ひまし油系ポリオールとしては、ひまし油及びその誘導体、例えば、ひまし油脂肪酸のジグリセライド、モノグリセライド及びそれらの混合物が挙げられる。また、上記ポリエンポリオールとしては、ポリブタジエンポリオール及びポリクロロプレンポリオール等が挙げられる。
【0016】
また、(A)ポリオールとしては、エポキシ化合物と活性水素とを反応させて得られるエポキシ開環ポリオールも挙げられる。
【0017】
上記エポキシ化合物としては、エポキシ基を1個有するモノエポキシタイプのエポキシ化合物とエポキシ基を2個以上有するポリエポキシタイプのエポキシ化合物が挙げられる。
モノエポキシタイプのエポキシ化合物としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、1,4−ブチレンオキサイド等のα−オレフィンオキサイド;シクロヘキセンオキサイド;エピクロルヒドリン;グリシドール;アリルグリシジルエーテル、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチレルヘキシルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、フェノキシプロピルグリシジルエーテル等の1価の脂肪族アルコールのグリシジルエーテル化合物;フェノール、4−メチルフェノール、4−第三ブチルフェノール、2,4−ジ第三ブチルフェノール等の1価のフェノール化合物のグリシジルエーテル化合物;脂肪族カルボン酸又は芳香族のカルボン酸のグリシジルエステル化合物等が挙げられ、市販品としては、例えば、アデカグリシドールED−501、ED−502、ED−509、ED−518、ED−529(商品名、いずれも旭電化工業(株)製)、さらに、エピオールA、エピオールB、エピオールOH、エピオールP、エピオールM、エピオールEH、ブレンマーG(商品名、いずれも日本油脂(株)製)、カージュラE10(シェル化学(株)製)等が挙げられる。
【0018】
ポリエポキシタイプのエポキシ化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルクシノール等の単核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、テルペンジフェノール等の多核多価フェノール化合物のポリグリジルエーテル化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物等の多価アルコール類のポリグリシジルエーテル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族又は脂環族多塩基酸のグリシジルエステル類及びグリシジルメタクリレートの単独重合体又は共重合体;N,N−ジグリシジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシジルアミノ)フェニル)メタン等のグリシジルアミノ基を有するエポキシ化合物、ビニルシクロヘキセンジオキサイド等が挙げられる。市販品としては、例えば、アデカグリシロールED−503、ED−506、ED−513、ED−523、ED−612、ED−505、ED−507、アデカレジンEP−4000、EP−4005、EP−4085、EP−4000S、EP−4080S、EP−4085S(商品名、いずれも旭電化工業(株)製)等が挙げられる。
【0019】
(A)ポリオールとして用いることができるエポキシ開環ポリオールを得るために上記エポキシ化合物に反応させる活性水素化合物としては、アミン化合物、カルボキシル基をもつ化合物、ポリカルボン酸、ポリオール化合物等が挙げられる。
【0020】
上記アミン化合物としては、ジブチルアミン、ジオクチルアミン等のジアルキルアミン化合物;メチルエタノールアミン、ブチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジメチルアミノプロピルエタノールアミン等のアルカノールアミン化合物;モルホリン、ピペリジン、4−メチルピペラジン等の複素環式アミン化合物が挙げられ、特に、ジアルカノールアミン化合物を用いた場合に特性の優れたポリオールが得られるので好ましい。
【0021】
上記のカルボキシル基を有する化合物としては、酢酸、プロピオン酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、乳酸、酪酸、オクチル酸、リシノール酸、ラウリン酸、安息香酸、トルイル酸、桂皮酸、フェニル酢酸、シクロヘキサンカルボン酸等の脂肪族、芳香族又は脂環式モノカルボン酸が挙げられ、特に、2,2−ジメチロールプロピオン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、乳酸等のアルコール性水酸基を有するカルボン酸又はひまし油脂肪酸等のアルコール性水酸基を含有する脂肪酸混合物を用いた場合に特性の優れたポリオールが得られるので好ましい。
【0022】
上記ポリカルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロ酸、さらにヒドロキシポリカルボン酸等が挙げられる。
【0023】
上記ポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオールが挙げられる。
【0024】
エポキシ開環ポリオールを得る際の、上記エポキシ化合物と上記活性水素化合物との反応比率は、エポキシ基に対して活性水素の数が、好ましくは0.7〜1.1個、更に好ましくは0.9〜1.0個となる比率とする。
【0025】
エポキシ基に対する活性水素の数が0.7個未満の場合は、エポキシ開環ポリオール中に未反応のエポキシ基が多量に残存することになり、また、1.1個を超える場合は、未反応の活性水素化合物が残存することになり、無駄であるばかりでなく、硬化皮膜を形成させた場合に皮膜の特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0026】
上記エポキシ化合物に上記活性水素化合物を付加させる方法としては、通常の方法を採用することができ、例えば、三級アミン化合物、ホスホニウム塩等の周知の触媒の存在下に、両者を60〜200℃に加熱し、3〜10時間反応させる方法を用いることができる。
【0027】
本発明の施工方法において用いられる(A)ポリオールとしては、ひまし油脂肪酸にエポキシ化合物を反応させて得られるエポキシ開環ポリオール及び/又はひまし油系ポリオールを用いるのが好ましい。
【0028】
本発明の施工方法における下塗り層及び上塗り層に使用される(C)ポリイソシアネート化合物としては、脂肪族、脂環式及び芳香族ポリイソシアネート、三官能以上のポリイソシアネート、その他変性ポリイソシアネート等が挙げられる。
【0029】
上記脂肪族ポリイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4(2,2,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート等が挙げられる。
【0030】
上記脂環式ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トランス−1,4−シクロヘキシルジイソシアネート(水添MDI)、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートエスエル、ノルボルネンジイソシアネートが挙げられる。
【0031】
芳香族ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4−MDI)、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2’−MDI)、p−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、3、3’−ジメチルジフェニル−4、4’−ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が挙げられる。
【0032】
さらに三官能以上のポリイソシアネートとしては、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート(クルード−MDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネート等が挙げられる。
【0033】
上記に挙げたポリイソシアネート化合物は、カルボジイミド変性、イソシアヌレート変成、ビウレット変性等の変性物の形で用いてもよく、各種ブロッキング剤によってブロックされたブロックイソシアネートの形で用いてもよい。
【0034】
上記に挙げた(C)ポリイソシアネート化合物は、単独で又は数種類を併用して用いることができる。
【0035】
上記(C)ポリイソシアネート化合物は、(A)ポリオールの水酸基1個あたり、(C)ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基が、好ましくは0.4〜15個、更に好ましくは0.7〜6個となるように使用される。
【0036】
本発明の施工方法における抗菌性ポリマーセメント硬化物の下塗り層及び上塗り層に用いられる(D)セメント成分としては、水と混和して使用され、その後、存在する水を消費して起こる物理的又は化学的変化の結果として硬化あるいは凝結する無機構造材料を指す。(D)セメント成分としては、例えば、ホワイトセメント(白セメント)、ポルトランドセメント(普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント)フライアッシュセメント、高炉セメント、高いアルミナ含量を特徴とする迅速硬化型セメント、珪酸二カルシウムとアルミノ亜鉄酸四カルシウムの含有率が高く、珪酸三カルシウムとアルミン酸三カルシウムの含有率が低いことを特徴とする低熱セメント、珪酸三カルシウムと珪酸二カルシウムの含有率が非常に高く、アルミン酸三カルシウムとアルミノ亜鉄酸四カルシウムの含有率が非常に低いことを特徴とする耐硫酸塩セメント、ポルトランドセメントクリンカーと顆粒状鉱滓との混合物であることを特徴とするポルトランドブラストファーネースセメント、ポルトランドセメントと、水和石灰、顆粒状鉱滓、粉砕石灰石、コロイド状粘土、珪藻土、その他のシリカ、ステアリン酸カルシウム及びパラフィンの微粉状物の中から選ばれた一種又は二種以上との混合物であることを特徴とするメーソンリーセメント、天然セメント、純粋な、もしくは不純な形のカルシウムの酸化物であり、若干の粘土質材料を含んでいる、もしくは含んでいないことを特徴とする石灰セメント、石灰に5〜10%の焼石膏を添加したことを特徴とするセレナイトセメント、火山灰、火山性珪藻土、軽石、石灰華、サントリン土もしくは顆粒状鉱滓と石灰モルタルとの混合物であることを特徴とする火山灰混合セメント、硫酸カルシウムの水和による物で、焼石膏、キーンスセメント及び石膏プラスターを含有していることを特徴とする硫酸カルシウムセメントが挙げられる。これらのセメントの中でも、特に色目を重要視する用途には、白さが際立ち色鮮やかな着色が可能であるホワイトセメント(白セメント)が好ましく使用される。
【0037】
本発明の施工方法に係る抗菌性ポリマーセメント硬化物において、上記(D)セメント成分及び(B)水は、特に制限を受けることなく任意の量を用いることができるが、(A)ポリオール100質量部に対して、(D)セメント成分50〜5000質量部、(B)水10〜1000質量部が好ましく、(D)セメント成分100〜2500質量部、(B)水20〜500質量部がより好ましい。
【0038】
本発明の施工方法における抗菌性ポリマーセメント硬化物の下塗り層及び/又は上塗り層に用いられる(F)骨材としては、パーライトや発泡ポリスチレン等の軽量骨材も使用できるが、コンクリートやモルタルに使用される砕石や珪砂又はタルク等の充填剤が適当であり、これらは単独で使用してもよく、もしくは併用してもよい。
【0039】
(F)骨材の具体例としては、公知の無機系骨材、及びプラスチックの粉砕物等の有機系骨材が挙げられる。無機系骨材としては、川砂、珪砂等の天然珪酸質やガラス、セラミックス、電融アルミナ、炭化珪素等の無機材料を粉砕したものが使用される。また、ガラスバルーンやシラスバルーンのような中空材料も使用できる。さらに、ポリスチレンフォーム及びポリウレタンフォーム等の発泡プラスチック充填材;ナイロンポリマー、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマー、尿素/ホルムアルデヒドポリマー、フェノール/ホルムアルデヒドポリマー、メラミン/ホルムアルデヒドポリマー、アセタールポリマー及びコポリマー、アクリル酸ポリマー及びコポリマー、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレンターポリマー、酢酸セルローズ、セルローズ酢酸酪酸エステル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン並びにポリプロピレン等の熱可塑性又は熱硬化性のポリマー並びにコポリマー等を射出成型やその他の方法で成形された物品をトリミングする際に出る粉砕物チップ、旋削屑、テープ、顆粒等の廃物樹脂充填材;硝子繊維、綿、羊毛、カーボン繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリアクリロニトリル繊維等の繊維性材料;鋸屑、木屑、軽石、ひる石、発電所のフライアッシュ、膨張粘土、発泡鉱滓、雲母、チョーク、滑石、カオリン粘土、バリタ、シリカ等も挙げられる。
【0040】
本発明の施工方法における抗菌性ポリマーセメント硬化物において、(F)骨材は、特に制限を受けることなく任意の量を用いることができるが、(A)ポリオール100質量部に対して、100〜3000質量部が好ましく、300〜1000質量部がより好ましい。
【0041】
本発明の施工方法における抗菌性ポリマーセメント硬化物の上塗り層で用いられる(E)抗菌剤としては、特に限定されるものではなく、一般に用いられる無機系又は有機系の抗菌剤が挙げられ、必要に応じて下塗り層に用いられる抗菌剤としても同様の抗菌剤が挙げられる。
また、(E)抗菌剤については、単独で用いずに上記無機系及び/又は有機系の抗菌剤を適宜併用すると、その効果を増強し及び/又は抗菌スペクトルをより広範なものとすることができる。
尚、本発明における抗菌剤は、一般に用いられる抗菌性及び/又は防黴性を付与しえるものであればよく、所謂防黴剤も抗菌剤として用いられる。
【0042】
上記無機系の抗菌剤としては、例えば、銀、銅、亜鉛等の抗菌性及び/又は防黴性を付与しえる金属、及びこれらの酸化物、水酸化物、リン酸塩、チオスルフェート塩、ケイ酸塩、並びにこれらを担持させた無機化合物が挙げられる。該無機化合物(担体)としては、ゼオライト、天然ゼオライト、合成ゼオライト、シリカゲル、ケイ酸硝子、硝子、ヒドロキシアパタイト、リン酸カルシウム、灰長石、難溶性リン酸塩、リン酸ジルコニウム、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛ウィスカー、シリカ、アルミナ、鉱物、無機物等が挙げられる。より具体的には、銀ゼオライト、亜鉛ゼオライト、銅ゼオライト類、銀リン酸ジルコニウム、銀ハイドロキシアパタイト、銀リン酸塩ガラス、銀リン酸塩セラミックス、銀リン酸カルシウム、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、酸化カルシウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。上記の中でも、銀、銅、亜鉛等を無機化合物に担持させた市販品としては、ゼオミック(シナネンゼオミック(株)社製)、バクテキラー(鐘紡(株)社製)、イオンピュア(石塚硝子(株)社製)、ノバロンAG300、ノバロンAGZ330(東亜合成(株)社製)、シルウェル(富士シリシア(株)社製)等が挙げられる。
【0043】
上記無機系の抗菌剤としては、微粉末状のものを用いることが、組成物中への分散性の観点から好ましく、その粒径は特に制限を受けないが、平均粒径が10μm以下のものを用いることが好ましい。
【0044】
また、上記有機系の抗菌剤としては、下記一般式(1)で表される環状有機リン酸エステル化合物、有機窒素硫黄系抗菌剤、有機ブロム系抗菌剤、有機窒素系抗菌剤、その他の抗菌剤等が挙げられる。
【0045】
【化2】
Figure 2004067463
【0046】
上記一般式(1)で表される環状有機リン酸エステル化合物は、上塗り材や下塗り材に含有させて硬化物の抗菌性を発現させる抗菌剤として用いるものである。上記一般式(1)で表される環状有機リン酸エステル化合物において、R、R及びRで表される炭素原子数1〜18のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、第三アミル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、第三オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル等が挙げられる。
【0047】
また、Mで表されるアルカリ金属原子としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等が挙げられ、アルカリ土類金属原子としては、カルシウム、マグネシウム、バリウム、ストロンチウム等が挙げられ、特にMがアルカリ金属原子又は亜鉛原子であるものが、効果が大きく好ましい。
【0048】
従って、上記一般式(1)で表される化合物の具体例としては、以下の化合物No.1〜No.8が挙げられる。
【0049】
【化3】
Figure 2004067463
【0050】
【化4】
Figure 2004067463
【0051】
【化5】
Figure 2004067463
【0052】
【化6】
Figure 2004067463
【0053】
【化7】
Figure 2004067463
【0054】
【化8】
Figure 2004067463
【0055】
【化9】
Figure 2004067463
【0056】
【化10】
Figure 2004067463
【0057】
また、上記環状有機リン酸エステル化合物の粒子径は500nm以下、特に200nm以下のものが好ましい。粒子の粒径が500nmを超えると、硬化物の表面の単位面積当りの粒子個数が少なくなり、抗菌性が低下する。
【0058】
上記有機窒素硫黄系抗菌剤としては、メチレンビスチオシアネート等のアルキレンビスチオシアネート化合物、5−クロル−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロル−2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾリン化合物、クロラミンT、N,N−ジメチル−N’−(フルオロジクロルメチルチオ)−N’−フェニルスルファミド等のスルファミド化合物、2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、2−メルカプトチアゾール等のチアゾール化合物、2−ピリジンチオール−1−オキシド及びその金属塩(ジンクピリチオン等)、2−(4−チアゾリル)ベンツイミダゾール、3,5−ジメチル−1,3,5−2H−テトラヒドロチアジアジン−2−チオン、N−(フルオロジクロルメチルチオ)フタルイミド、ジチオ−2,2’−ビス(ベンズメチルアミド)等が挙げられる。
【0059】
上記有機ブロム系抗菌剤としては、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセトキシプロパン、β−ブロモ−β−ニトロスチレン、5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン等の有機ブロモニトロ化合物、2,2−ジブロモ−3−シアノプロピオンアミド等の有機ブロモシアノ化合物、1,2−ビス(ブロモアセトキシ)エタン、1,4−ビス(ブロモアセトキシ)−2−ブテン、ブロモアセトアミド等のブロモ酢酸化合物、ビストリブロモメチルスルホン等の有機ブロモスルホン化合物等が挙げられる。
【0060】
上記有機窒素系抗菌剤としては、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリエテニル−s−トリアジン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン等のs−トリアジン化合物、N,4−ジヒドロキシ−α−オキソベンゼンエタンイミドイルクロライド、α−クロロ−o−アセトキシベンゾアルドキシム等のハロゲン化オキシム化合物、トリクロロイソシアヌレート、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム等の塩素化イソシアヌル酸化合物、2−メチルカルボニルアミノベンツイミダゾール等のカルバミン酸化合物、1−〔2−(2,4−ジクロロフェニル)〕−2’−〔(2,4−ジクロロフェニル)メトキシ〕エチル−3−(2−フェニルエチル)−1H−イミダゾリウムクロライド等のイミダゾール化合物、2−クロロアセトアミド等のアミド化合物、N−(2−ヒドロキシプロピル)アミノメタノール、2−(ヒドロキシメチルアミノ)エタノール等のアミノアルコール化合物、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル等のニトリル化合物が挙げられる。
【0061】
上記のその他の抗菌剤としては、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸イソプロピル等が挙げられる。
【0062】
本発明の施工方法においては、これらの中でも、(E)抗菌剤として、銀系抗菌剤及び/又は上記一般式(1)で表される環状有機リン酸エステル化合物を用いるのが好ましい。
【0063】
(E)抗菌剤は、あらかじめ(A)ポリオール等の他の成分に含有させておいてもよく、他の成分とどの時点で配合してもよい。
【0064】
上記(E)抗菌剤の添加量は、成分(A)〜(D)及び(F)の合計量100質量部に対して0.001〜10質量部が好ましく、特に0.005〜5質量部が好ましい。該添加量が0.001質量部未満では、十分な抗菌効果が得られないおそれがあり、10質量部を超えても、効果はあまり向上せずに、経済的にも不利になる場合がある。
【0065】
また、本発明の抗菌性ポリマーセメント硬化物の下塗り層及び上塗り層には、各々顔料をさらに配合してもよい。顔料としては、酸化鉄系顔料、チタン系顔料、青、緑系無機顔料、カーボン顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、縮合多環顔料等が挙げられる。酸化鉄系顔料としては、例えば、鉄黒、べんがら、亜鉛フェライト顔料等が挙げられる。チタン系顔料としては、酸化チタン、ニッケルアンチモンチタンイエロー、クロムアンチモンチタンイエロー等が挙げられる。青、緑系無機顔料としては、群青、コバルトブルー、酸化クロム、スピネルグリーン等が挙げられる。アゾ系顔料としては、例えば、レーキレッドC、ウォッチングレッド、ブリリアントカーミン6B等のアゾレーキ顔料、ホスタパームイエローH4G、ノバパームイエローH2G、ノバパームレッドHFT、PVファストイエローHG、PVファストイエローH3R、PVボルドーHF3R、PVカーミンHF4C、PVレッドHF2B、PVファストマルーンHMF01、PVファストブラウンHFR等のベンズイミダゾロン顔料、ジアリリドイエロー、ジアリリドオレンジ、ピラゾロンレッド、PVファストイエローHR等のジアリリド顔料、クロモフタルイエロー8GN、クロモフタルイエロー6G、クロモフタルイエロー3G、クロモフタルイエローGR、クロモフタルオレンジ4R、クロモフタルオレンジGP、クロモフタルスカーレットRN、クロモフタルレッドG、クロモフタルレッドBRN、クロモフタルレッドBG、クロモフタルレッド2B、クロモフタルブラウン5R等の縮合アゾ系顔料等が挙げられる。フタロシアニン系顔料としては、例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等が挙げられる。縮合多環顔料としては、PVファストピンクE、シンカシャレッドB、シンカシャレッドY等のキナクリドン系顔料、イルガジンイエロー2GLT、イルガジンイエロー3RLTN、クロモフタルオレンジ2G等のイソインドリノン系顔料、ペリレンレッド、ペリレンマルーン、ペリレンスカーレット等のペリレン系顔料、ペリノンオレンジ等のペリノン系顔料、ジオキサジンバイオレット等のジオキサジン系顔料、フィレスタイエローRN、クロモフタルレッドA3B、スレンブルー等のアントラキノン系顔料、パリオトールイエローL0960HG等のキノフタロン系顔料等が挙げられる。
【0066】
また、本発明の施工方法における下塗り層及び上塗り層には、必要に応じて上記以外の成分を更に添加剤として使用することができる。該添加剤としては、硬化抑制剤や硬化促進剤等の硬化反応調整剤、つや等の外観やすべり防止等の表面状態の調整に用いられる樹脂類、発泡抑制剤、乳化剤、消泡剤、希釈剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等の常用の添加剤等が挙げられ、これらは各々一種類又は二種類以上混合で用いることができる。
【0067】
上記硬化反応調整剤としては、(ポリ)アミン類、(多価)アルコール類、(多価)フェノール類、(ポリ)ヒドラジド類、有機酸類、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ジブチル錫ジラウレート、チタン酸テトラブチル、オクタン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、オクタン酸第一錫、塩化第二錫、塩化第二鉄、オクタン酸鉛、オレイン酸カリウム、2−エチルヘキサン酸コバルト、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−エチルモルホリン、1,4−ジアザビシクロ−2,2,2−オクタン、4−ジメチルアミノピリジン、オキシプロピル化トリエタノールアミン、β−ジエチルアミノエタノール、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシ)エチレンジアミン等が挙げられる。
【0068】
上記樹脂類としては、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
上記発泡抑制剤としては、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カドミウム、珪酸カルシウム、珪酸バリウム、珪酸ナトリウム、水酸化鉛、塩基性酢酸鉛、(ポリ)シロキサン、(ポリ)アルキルシロキサン、(ポリ)ジアルキルシロキサン等が挙げられる。
【0069】
上記乳化剤としては、使用される(A)ポリオールの分散安定性を補助し、混合時に巻き込まれる空気を微細化する効果が得られる。該乳化剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子系界面活性剤、反応性界面活性剤等を使用することができる。これらの中でも、特にノニオン性界面活性剤が好ましく使用される。
上記乳化剤の配合量は、ポリオール100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。
【0070】
上記ノニオン性界面活性剤としては、エーテル型として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンテルペンフェニルエーテルが挙げられ、エーテルエステル型として、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテルが挙げられ、エステル型として、ポリオキシエチレンロジン酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステル、ショ糖エステルが挙げられ、含窒素型として、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
【0071】
上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、炭素数8〜25の直鎖又は分岐の第1級又は第2級アルコールに1〜200モルのエチレンオキサイドを付加反応させて製造され、使用されるアルコールとしては、具体的には、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール等の第1級アルコール、2−ドデカノール、2−テトラデカノール、2−ヘキサデンカノール、2−オクチルドデカノール等の第2級アルコール、やし油還元アルコール、牛脂還元アルコール、マッコー(抹香)アルコール等の天然アルコール等が挙げられる。また、上記ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルは、炭素数1〜20のアルキル基が置換されているフェノールに1〜200モルのエチレンオキサイドを付加反応させて製造され、使用されるアルキルフェノールとしては、具体的には、ノニルフェノール、オクチルフェノール、ドデシルフェノール、オクチルクレゾール、クミルフェノール等が挙げられる。
【0072】
上記消泡剤としては、シリコーン系消泡剤等が挙げられる。
上記希釈剤としては、高沸点芳香族炭化水素化合物、各種エポキシ樹脂用希釈剤、ジカルボン酸ジエステル、パラフィン系炭化水素化合物等が挙げられる。
【0073】
上記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤が挙げられる。
上記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6―ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル〕メタン、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。
【0074】
上記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコールと2,4,6−トリ第三ブチルフェノールのホスファイト等が挙げられる。
【0075】
上記チオエーテル系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。
【0076】
上記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−(ベンゾトリアゾリル)フェノール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン等のトリアリールトリアジン類が挙げられる。
【0077】
上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4 −ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノ−ル/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8−12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン等のヒンダードアミン化合物が挙げられる。
【0078】
上記酸化防止剤、紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤はそれぞれ、本発明の施工方法における下塗り材又は上塗り材各々100質量部に対して、好ましくは0.001〜10質量部、さらに好ましくは0.05〜5質量部用いられる。
【0079】
本発明の施工方法における下塗り材及び上塗り材の各組成物は、例えば、(A)ポリオールと(B)水との混合物に、必要に応じて乳化剤、希釈剤、硬化反応調整剤等をあらかじめ分散させて懸濁液を製造し、該懸濁液に(C)イソシアネート化合物、(D)セメント成分、(E)抗菌剤及び(F)骨材、必要に応じてその他添加剤を混合して製造することができる。
【0080】
本発明の施工方法における上塗り層は、(F)骨材の種類によって、上塗り層表面を平滑仕上げ又はノンスリップ仕上げにすることが出来る。例えば、平滑仕上げの場合は、骨材として比較的粒径の小さい珪砂を使用し、ノンスリップ仕上げの場合は、珪砂のほかに粉砕セラミック等の粒径の異なる骨材を混合する。ノンスリップ仕上げの場合、あらかじめ原料の中にこれらの骨材を含有させて施工する方法もあるが、上塗り層を塗布した直後に上塗り層表面に骨材を直接散布する方法もある。
【0081】
本発明の施工方法は、床材、床仕上げ材、壁材、壁仕上げ材等の施工に用いられ、中でも床材、床仕上げ材等の床の施工に好適であり、特に衛生面を重要視する、医療関連施設、食品製造工場、調理場、保育所、幼稚園、老人ホーム等において好適に用いられる。本発明の施工方法は、特に、コンクリート、セメントモルタル、各種金属等で構成される硬質の床面に適したもの、即ち硬質の床仕上材の施工に特に好適に用いられるものであり、塗布する前に下地をきれいに整地し、また、金属面へ塗布する場合には、下地を脱脂、脱錆、研磨等の処理を施した後に塗布することが好ましい。
【0082】
本発明の施工方法において、上塗り材及び下塗り材の塗布方法については特に制限されることはなく、周知一般の方法を用いることができる。例えば、セメントミキサーや強制へらミキサー等で混合した後、ローラー塗り、こて塗り、注入、吹きつけ等の方法により塗布される。
【0083】
【実施例】
以下に本発明の実施例等を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
下記製造例1〜3は、本発明の施工方法における上塗り材及び下塗り材に用いられるエポキシ開環ポリオールの製造例を示す。下記実施例1−1〜1−7は、本発明の施工方法の実施例を示し、下記比較例1−1は、抗菌剤を含有しない上塗り材を用いた施工方法の実施例を示し、下記比較例1−2は、上塗り層のみを設ける施工方法の実施例を示す。
【0084】
〔製造例1〕ポリオールNo.1の製造
系内を窒素置換した1リットルの反応用フラスコに、酸価0.7mgKOH/g、粘度2700mP・s(25℃)のエポキシ化合物である4−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル(アデカレジンED−509:旭電化工業(株)製)245g、及びひまし油脂肪酸(CO−FA:伊藤製油(株)製)447gを仕込み、窒素気流下で100℃まで加熱した。これにエチルトリフェニルホスホニウムブロミドを、エポキシ化合物の仕込量とひまし油脂肪酸の仕込量との和の0.03質量%加え、4時間反応させ、酸価0.8mgKOH/g、粘度160mP・s(25℃)のポリオールNo.1を得た。
【0085】
〔製造例2〕ポリオールNo.2の製造
4−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル(アデカレジンED−509:旭電化工業(株)製)245gに代えて、4−メチルフェニルグリシジルエーテル(アデカレジンED−529:旭電化工業(株)製)270gを用いた以外は、製造例1と同様の方法により、ポリオールNo.2を得た。得られたポリオールNo.2は、酸価0.5mgKOH/g、粘度750mP・s(25℃)であった。
【0086】
〔製造例3〕ポリオールNo.3の製造
4−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル(アデカレジンED−509:旭電化工業(株)製)245gに代えて、2−フェノキシイソプロピルグリシジルエーテル(アデカレジンED−501:旭電化工業(株)製)450gを用いた以外は、製造例1と同様の方法により、ポリオールNo.3を得た。得られたポリオールNo.3は、酸価1.0mgKOH/g、粘度440mP・s(25℃)であった。
【0087】
上記製造例1〜3それぞれにおいて得られたポリオールNo.1〜3のいずれかを42.6質量部、乳化剤(アデカトールLA−875:旭電化工業(株)社製、ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテル)を0.6質量部、希釈剤としてSAS−296(日本石油(株)社製)を17.5質量部、硬化反応調整剤としてベンジルアルコールを3.5質量部、及びEDP−300(エチレンジアミンのプロピレンオキシド4モル付加物:反応調整剤)を0.8質量部仕込んだ後、水35質量部を少量ずつ添加しながらホモミキサーで4000rpmの回転数で10分間撹拌してa原料を得た。
但し、ポリオールNo.1を含有させたa原料をa−1、ポリオールNo.2を含有させたa原料をa−2、ポリオールNo.3を含有させたa原料をa−3とした。
【0088】
〔実施例1及び比較例1〕抗菌性ポリマーセメント硬化物の施工
抗菌性ポリマーセメント硬化物を以下のようにして施工した。
下塗り層:表1及び2に記載の上塗り層に用いたものと同じa原料100質量部及び硬化剤としてポリイソシアネート化合物(c−MDI)100質量部を配合し、20秒間混合した後、粉体F−1(白セメント104質量部、5号珪砂272質量部、消石灰8質量部、炭酸カルシウム8質量部及び酸化クロム8質量部の混合物)400質量部を加え、均一に混合し、組成物(下塗り材)を得た。該下塗り材を、金コテを用いてコンクリート平板(600×360×50mm)に1mmの厚さで塗布し、下塗り層とした。下塗り材を塗布して10時間養生した後、上塗り工程に移った。
上塗り層:表1及び2に記載のa原料を100質量部及び硬化剤としてポリイソシアネート化合物(c−MDI)を100質量部配合し、混合した後、あらかじめ混合した粉体F−2(白セメント130質量部、5号珪砂340質量部、消石灰10質量部、炭酸カルシウム10質量部及び酸化クロム10質量部の混合物)500質量部、さらに抗菌剤を表1及び2に記載の通り加えて混合し、組成物(上塗り材)を得た。該上塗り材を、金コテを用いて3mmの厚さになるように下塗り層の上に塗り重ね、硬化させて、二層からなる抗菌性ポリマーセメント硬化物を有するコンクリート平板を得た。
上記のポリマーセメント硬化物の施工における上塗り材を塗布する際の施工性を評価し、また、得られた抗菌性ポリマーセメント硬化物を有するコンクリート平板について、塗膜外観の観察を行い、かつ下記の<抗菌試験I>及び<抗菌試験II>を行なった。
【0089】
<抗菌試験I>
試験は、黄色ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌及び黒かびについてそれぞれ行なった。
抗菌性ポリマーセメント硬化物を有するコンクリート平板から40×40×5mmの形状に切り出し、前処理として蒸留水に5時間浸漬後、乾燥処理し、硬化物試験体とした。
黄色ブドウ球菌、大腸菌及び緑膿菌については、上記硬化物試験体上に菌培養液を塗布し、ポリエチレン製のラップフィルムを密着させ、35℃、24時間静止保存した後、試験片及びポリエチレンフィルムの菌液を洗い流し、SCDLP寒天培地を用いて混釈平板培養法により生残菌数を測定した。但し、各々の初期菌数は1.0×10〜2.5×10個/gの範囲に調整した。
また、黒かびについては、JIS Z 2911に準拠して、胞子懸濁液を調製し、硬化物試験体上に該胞子懸濁液スプレーして29℃で培養した後、かびの生育を観察し、下記(評価基準)に従って評価した。
【0090】
(評価基準)
0:肉眼及び顕微鏡下でかびの発育は認められない。
1:肉眼ではかびの発育は認められないが、顕微鏡下では認められる。
2:菌糸の発育はわずかで、発育部分の面積は試験体の全面積の25%未満。
3:菌糸の発育は中程度で、発育部分の面積は試験体の全面積の25%以上50%未満。
4:菌糸はよく発育し、発育部分の面積は試験体の50%以上100%以下。
5:菌糸の発育は激しく試験体全体を覆っている。
【0091】
<抗菌試験II>
また、下記(キャスター試験)を実施後、上記抗菌試験Iと同様の方法で抗菌試験
IIを行った。ただし、抗菌試験IIにおいては、黄色ブドウ球菌、大腸菌及び緑膿菌について試験を行なった。
(キャスター試験)
DIN54324床材疲労試験に準じ、抗菌性ポリマーセメント硬化物を有するコンクリート平板を試験機のターンテーブルにセットし、120kgで加圧したゴム製キャスター(外径75mm、幅20mm)3個を該コンクリート平板に接触させ、ターンテーブル1回転を1サイクルとし、10000サイクルを行なった。
【0092】
上塗り材の施工性、塗膜外観の観察結果並びに抗菌試験I及びIIの結果を下記表1及び2に示す。
【0093】
【表1】
Figure 2004067463
【0094】
【表2】
Figure 2004067463
【0095】
表1及び2の結果から明らかなように、本発明の施工方法によれば、塗布する際の施工性に優れ、かつ塗膜表面の外観及び抗菌性に優れることが確認できた。これに対し、下塗り層を塗布しないで上塗り層のみ塗布した場合は、塗布が困難であり、かつ塗膜表面の外観が不良であった。また、抗菌剤を上塗り層に含有させない場合は、表面の抗菌性に劣ることが確認された。
【0096】
【発明の効果】
本発明の抗菌性ポリマーセメント硬化物の施工方法は、塗布施工性に優れ、かつ表面の抗菌性に優れた硬化物を与えることのできるものである。

Claims (4)

  1. 下地、下地表面に設けられた下塗り層、及び下塗り層表面に設けられた上塗り層から構成される積層構造体において、(A)ポリオール、(B)水、(C)ポリイソシアネート化合物及び(D)セメント成分、さらに必要に応じて(E)抗菌剤及び/又は(F)骨材を含有する組成物を下地に塗布して硬化させて下塗り層を設けた後、(A)ポリオール、(B)水、(C)ポリイソシアネート化合物、(D)セメント成分及び(E)抗菌剤、さらに必要に応じて(F)骨材を含有する組成物を該下塗り層の表面に塗布して硬化させて上塗り層を設けることを特徴とする抗菌性ポリマーセメント硬化物の施工方法。
  2. 上記(A)ポリオールがひまし油脂肪酸にエポキシ化合物を反応させて得られるエポキシ開環ポリオール及び/又はひまし油系ポリオールである請求項1記載の抗菌性ポリマーセメント硬化物の施工方法。
  3. 上記(E)抗菌剤が銀系抗菌剤及び/又は下記一般式(1)で表される環状有機リン酸エステル化合物である請求項1又は2記載の抗菌性ポリマーセメント硬化物の施工方法。
    Figure 2004067463
  4. 床に用いられる請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌性ポリマーセメント硬化物の施工方法。
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