JP2004067367A - フィルム類巻取り装置および巻取り制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルム類巻取り装置の押さえロールの押圧力を常に最適な値に設定することにより、巻取りロール内の気泡や巻きずれやしわを防止する。
【解決手段】装置本体に軸支され、回転しながらフィルム類7を巻取る巻取りロール9と、巻取りロール9と離間した位置に平行に配置され、巻取りロール9の外周に押圧力を与える押さえロール11と、装置本体に固定され、巻取りロールの9半径と外周速度から最適な押圧力を演算する制御装置19と、押さえロール11の両端に設けた軸受13と、軸受13が固定され、押さえロール11を巻取りロール9に押圧する方向へ案内するリニアガイド15と、軸受13と連結されて押さえロール11に押圧力を付与する押圧手段17とを有するフィルム類巻取り装置1において、押さえロール11の押圧力の反力により軸受13の外側を覆う軸受ブラケット21に生じたひずみを測定するひずみ測定手段23を設を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】装置本体に軸支され、回転しながらフィルム類7を巻取る巻取りロール9と、巻取りロール9と離間した位置に平行に配置され、巻取りロール9の外周に押圧力を与える押さえロール11と、装置本体に固定され、巻取りロールの9半径と外周速度から最適な押圧力を演算する制御装置19と、押さえロール11の両端に設けた軸受13と、軸受13が固定され、押さえロール11を巻取りロール9に押圧する方向へ案内するリニアガイド15と、軸受13と連結されて押さえロール11に押圧力を付与する押圧手段17とを有するフィルム類巻取り装置1において、押さえロール11の押圧力の反力により軸受13の外側を覆う軸受ブラケット21に生じたひずみを測定するひずみ測定手段23を設を設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム類巻取り装置およびその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フィルム類巻取り装置は、材料を縦軸方向又は横軸方向に延伸して製作する一軸、二軸、または無延伸フィルムや、更には紙、布の生産にも使用することができる装置である。例えば、平面状に生産された梱包用のフィルム類の帯状物を、本体枠に固定した押さえロールを用いて、前記フィルム類に適度な押圧力を与えながら、可変速モータ等により回転する巻取りロール巻き取らせて、最終的な出荷形態である円柱状の巻取りロールに仕上げる装置である。
【0003】
これらのフィルム類巻取り装置や押さえロールがフィルム類に対して与える押圧力の調節方法については、従来から多くの技術が開示されている。例えば、特開平4−106057号では、前記帯状物を効率的に巻取ると共に、巻取りロール内に気泡、巻きずれ、しわを防止するために、前記巻取りロールに接触させて従動回転させながら、前記帯状物の巻取り工程中に帯状物に押圧力を与える円柱状の押さえロールを設けている。
さらには、特開平6−271154号では、押さえロールを固定して取り付けた場合、巻取り作業工程で巻取りロールの半径が徐々に大きくなると、前記押さえロールの押圧力も徐々に変化してしまうため、前記巻取りロールの巻取り半径と外周速度による最適な押圧力を決定し、巻取り工程中にその半径と速度を測定して、押さえロールの押圧手段である可変ダンパまたはエアシリンダ等の弾性係数を調整する技術が記載されている。また、巻芯に巻かれる帯状物には微小な厚みのばらつきがあるために巻取りロールの外形が真円状にならず、巻取りロールの回転周期に合わせて押さえロールがバウンドして追従できなくなるため、巻取りロールの1周当りの外形の変形を検出して前記可変ダンパ等の弾性係数を調整する技術などが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最適な押圧力をエアシリンダ等の押圧手段に設定しても、前記エアシリンダや押さえロールを巻取りロールへ押圧する方向に案内するリニアガイド等には摺動抵抗があるため、実際に押さえロールに作用する押圧力は、最適な押圧力から摺動抵抗の分だけ目減りしてしまう。また、巻取りロールの表面には弾性があるため、荷重負荷時と荷重除去時には押圧力に履歴現象が生じる。そのため、実際の押さえロールの押圧力がエアシリンダ等の設定値よりも弱くなり、巻取りロール内に気泡やしわが生じてしまう。
また、巻取り工程で巻取り量が徐々に増えると、当然に巻取りロールの重量も徐々に増加してゆき、押さえロールの両端には帯状物の微妙な厚みのばらつきにより重量のアンバランスが生じる。これにより、両端のリニアガイドの摺動抵抗もアンバランスとなる。このような状況では、押さえロールの両端での押圧力のどちらか一端が弱いために、押さえロールが片当りを起こし、押圧力の弱い方へ帯状物が偏る等の巻きずれが生じてしまう。
【0005】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、押圧手段として用いるエアシリンダが押さえロールの両端の軸受を押す力と、押さえロールが巻取りロールを押圧する実際の押圧力との差異を両端の軸受で測定し、フィードバック制御によりそれぞれのエア圧を最適な値に再調整して、押さえロールの押し圧力を常に最適な値に設定することにより、巻取りロール内の気泡やしわの発生を防止して、作業効率や製品の品質の向上を図ることが可能なフィルム類巻取り装置およびその制御方法を提供することにある。
さらに、上記の設定値の調整を両端の軸受でそれぞれ個別に行ない、押さえロールの両端に生じる摺動抵抗等のアンバランスを修正することにより、巻ずれ等を防止して、さらに作業効率や製品の品質の向上を図ることが可能なフィルム類巻取り装置およびその制御方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、フィルム類の帯状物を巻取る装置であって、装置本体に軸支され、回転しながらフィルム類を巻取る円柱状の巻取りロールと、前記巻取りロールと離間した位置に平行に配置され、前記巻取りロールの外周に押圧力を与える円柱状の押さえロールと、前記装置本体に固定され、巻取り工程中に変化する前記巻取りロールの円柱状の半径と外周速度から最適な押圧力を演算する制御装置と、該押さえロールの両端に設けた軸受と、該軸受が固定され、前記押さえロールを前記巻取りロールに押圧する方向へ案内するリニアガイドと、前記軸受と連結されて前記押さえロールに押圧力を付与する押圧手段とを有するフィルム類巻取り装置において、前記押さえロールの押圧力の反力により前記軸受の外側を覆う軸受ブラケットに生じたひずみを測定するひずみ測定手段を設ける。
また、前記ひずみ測定手段の代わりに、前記軸受の軸受ブラケットに前記押さえロールの押圧力の反力により生じる変位を測定する変位測定手段を設ける。
また、巻取り工程中に変化する巻取りロールの半径と外周速度から最適な押圧力を演算する段階と、演算した押圧力により前記押圧手段の押圧力を制御する段階と、前記ひずみ測定手段により軸受ブラケットのひずみを測定する段階と、測定したひずみから押さえロールが実際に与えている押圧力を演算する段階と、制御中の前記押圧手段の押圧力とひずみを演算して求めた押圧力の差分を追加して前記押圧手段をフィードバック制御する段階とを順次繰り返し行なう。
また、上記ひずみ測定手段の代わりに、前記変位測定手段を用いる。
さらにまた、ひずみまたは変位を測定する段階と、前記押圧手段をフィードバック制御する段階を、押さえロールの両端に設けた軸受に対し、両端で別々に制御する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態に係るフィルム類巻取り装置について、図面を用いて詳細に説明する。本発明は、以下の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
【0008】
図1は、本発明の実施の形態に係るフィルム類巻取り装置の押さえロール部分の構成を表す。
フィルム類巻取り装置1では、可変モータ(図示せず)等を使用して回転する回転軸3に巻芯5をセットして、生産された二軸延伸フィルム等のフィルム類7を前記巻芯5に巻きつけて、円柱状の巻取りロール9が作られる。前記フィルム類7を巻芯5に巻付ける工程においては、円柱状の押さえロール11を用いて前記巻取りロール9の全幅に押圧力をかけながらフィルム類7の巻取りを行ない、巻取りロール9の巻きずれや巻層内の気泡の発生を防止している。
なお、前記巻取りロール9の回転軸3、および押さえロール11の回転軸4の両端にはそれぞれ軸受が設けられており、前記回転軸3,4はそれぞれ自由に回転することができるように構成されている。
【0009】
前記押さえロール11は、前記巻取りロール9と離間した位置に平行に設けてある。前記押さえロール11の幅寸法は、前記巻取りロール9の全幅と同等かそれよりも大きい値で製作され、巻取りロール9の全幅に押圧力を付与できるように配置されている。さらに、前記押さえロール11の両端には、これを支持する軸受13(左側を13a、右側を13bとする)が取り付けられている。該軸受13a,13bは、軸受13a,13bの上部に設けたリニアガイド15(左側を15a,右側を15bとする)の可動部に固定されており、装置本体に固定されたリニアガイド15a,15bの直動レールに案内されて、前記巻取りロール9を押圧する方向へ動く構成となっている。
前記押さえロール11は、エアシリンダ(押圧手段)17(左側を17a,右側を17bとする)から押圧力が供給される。該エアシリンダ17a,17bは、前記巻取りロール9の反対側の装置本体に固定されている。また、前記エアシリンダ17a,17bは、前記押さえロール11の軸受13a,13bと押出しアーム12で連結されており、前記軸受13a,13bを押圧することで、前記押さえロール11に押圧力を与えている。
【0010】
前記エアシリンダ17は、エア圧力を調整することにより、前記押圧力を変化させることができる。エアシリンダ17a,17bは、それぞれ左側および右側で別々に制御装置19と電気的に結線され、該制御装置19からの制御信号により、前記軸受13a,13bをそれぞれ別々に押圧している。
【0011】
前記軸受13は、内側に設けたベアリングと外側に設けた軸受ブラケット21から構成されており、該軸受ブラケット21の各部分には、それぞれ、たわみ部21x、軸受部21y、支持部21zが設けられている。
たわみ部21xは、前記軸受部21yと前記支持部21zに挟まれた部分を示しており、押さえロール11の押圧力の反力の最大値が作用しても、たわみ部21xが弾性限度域を超えないように材料および構造が決定されており、さらに前記反力により発生する曲げ応力が材料の疲労限度以下となるような断面積を有している。前記軸受ブラケット21の材料は、一般的な鋳鉄や鉄のように降伏点のある材料を用いている。
軸受部21yは、ベアリングおよびベアリングを固定している部分の外周部を示しており、前記押圧力によるひずみや変位がほとんど発生しないように強固な形状で作られている。前記ベアリングには自動調心ころ軸受などが使用されており、リニアガイド15が軸受を案内する際に生じる両端の軸芯のずれを許容している。前記ベアリングには、前記押さえロール11の回転軸4が嵌合され、さらに前記エアシリンダ15a,15bが、回転軸4の中心を通って巻取りロール9の方向へ押圧力を伝える受け部が設けられている。
支持部21zは、軸受の固定部分を示しており、ボルト類により前記リニアガイド15に強固に固定されていて、前記押圧力に対し十分な強度を有する。
これにより、軸受部21yが受ける前記押圧力の反力は、たわみ部21xを介して支持部21zへ伝達されるため、たわみ部21xのひずみ、あるいは軸受部21yと支持部21zの間の変異量と比例関係にある。
【0012】
前記たわみ部21xには、前記押圧力の反力によりたわみを生じる部分にひずみ測定手段23を設けている。本実施の形態の説明では、ひずみ測定手段としてひずみゲージ23(左側を23a,右側を23bとする)を用いて説明する。
図1で、前記ひずみゲージ23は、前記たわみ部21xの曲げ応力が作用する1以上の箇所に貼り付けられ、引張ひずみまたは圧縮ひずみのいずれかを測定することができる。2以上の測定点を設け、測定値から換算した作用力の平均値を算出して、より精度を高めることもできる。貼り付け方は、曲げ応力によるひずみが大きく出る部分に1方向に貼り付けてもよいし、3方向のひずみゲージを用いてより測定精度を高めることもできる。
上記測定から入手したひずみの実測値を、縦弾性係数、たわみ部21xの断面積を基に演算を行ない、前記軸受部21yに実際に作用している荷重を求めることができる。
【0013】
また、前記たわみ部21xにひずみゲージ23を貼り付けて測定する代わりに、変位測定部22を設けて、変位センサー(変位測定手段)25(左側を25a,右側を25bとする)を用いてその位置での変位を測定することにより実際に作用している荷重を計算することもできる。
図1の実施の形態の例では、縦に長い溝を設けた軸受ブラケット21を用い、溝に対して巻取りロール9側の部分に前記たわみ部21x,軸受部21yを設け、エアシリンダ17側の部分に前記固定部21zを下側に延ばした構造としている。さらに、前記軸受部21yの下部であって、前記巻取りロール9と反対側に位置する箇所(図1中の左下隅)に変位測定部22を設け、前記固定部21zを下側に延長した端部に変位センサー25を取り付けている。
前記軸受ブラケット21の溝は、前記固定部21zの下方向へ延ばした部分が押さえロール11の押圧力でたわまないように分離するために設けられている。ゆえに、前記変位センサー25は、前記軸受23として一体で可動し、かつ押圧力によるたわみの生じない位置に固定されているのに対し、前記変位測定部22は、前記押圧力によりたわみ部21xがたわみ、前記押圧力と比例して前記変位測定部22が変位するため、前記変位センサー25で変位を測定することができる。
前記変位センサー25は、測定する接触子を前記変位測定部22に接触させ、変位を電気的信号に変換するものを使用する。ひずみと同様に、変位についても、縦弾性係数、たわみ部21xの断面積から前記軸受部21yに実際に作用している荷重を計算で得ることができる。
【0014】
前記制御装置19は、本装置の前部または側部に固定または移動できるように配置されており、前記巻取りロールの外周の変位と外周速度の検出装置(図示せず)と、前記エアシリンダ17a,17bと、ひずみゲージ23a,23bと、変位センサー25a,25bが電気的に結線されている。さらに、前記押さえロール11の押圧力が左右でばらつきがあるので、左右で別々に押圧力の微調整を可能とするために、左側の軸受13aに作用する荷重と、右側の軸受13bに作用する荷重をそれぞれ別々に制御するシステムを有している。
【0015】
次に、制御装置19の制御方法を説明する。本発明では、左側と右側の押圧力を別々に制御しているが、同じ制御を別々に行なっている以外に差異はないため、本装置の左側についてのみ説明を行なう。
前記押さえロール11の押圧力の初期値は、図示はしないが、前記巻取りロール9の巻き取り半径と、前記巻取りロールの外周速度とを検出する検出装置から測定結果が制御装置19に逐次送られ、プログラムにより必要な押圧力の値が制御装置19により決定される。制御装置19は、決定した必要な押圧力を、エアシリンダ17aの調整可能なエア圧に換算して、前記エアシリンダ17aへエア圧の値を逐次送信する。前記エアシリンダ17aは、調整されたエア圧による押圧力を前記軸受13aへ伝達する。該軸受13aはリニアガイド15aが案内する方向に前記押圧力を軸4に伝達し、これにより、押さえロール11は巻取りロール9を押圧する。
【0016】
さらに、制御装置19は、前記ひずみゲージ23a、または前記変位センサー25aからの信号を受信し、実際の押さえロール11の押圧力を計算し、エアシリンダ17aへ送信したエア圧の値との差異を計算する。さらに、前記の差異がある場合は、実際の押さえロール11の押圧力が、巻き取り半径と外周速度から計算した押圧力となるように、エアシリンダ17aのエア圧を修正する。
例えば、前記巻取りロール9の半径と外周速度から求めた最適な押圧力であって、エアシリンダ17aに設定した押圧力を(A)、ひずみゲージ23aから測定した実際の押圧力を(B)とすると、差異は(A−B)である。この(A−B)は、エアシリンダやリニアガイドの摺動抵抗による力のロス分を示す。ゆえに、制御装置19は、フィードバック制御により、エアシリンダ17aに設定する押圧力を、(A+(A−B))に修正して再設定する。
このフィードバック制御を逐次行なうことで、実際に負荷されている押さえロール11の押圧力を、巻取り半径と外周速度から求めた必要な押圧力に限りなく近づけることができる。
同様な方法で、本装置の右側の軸受13b、リニアガイド15b、エアシリンダ17bが、左側と同様な動作を行なうため、右側についても同じように制御することができる。
【0017】
本発明の実施形態に係るフィルム類巻取り装置1では、前記押さえロール11の両端に設けた軸受13の軸受ブラケット21にひずみゲージ23または変位センサー25を設けることにより、ひずみまたは変位から換算した押さえロール11の実際の押圧力が得られる。ゆえに、前記実際の押圧力と前記エアシリンダ17に設定した押圧力の差異をフィードバック制御により逐次修正し、押さえロール11が常に最適な押圧力で巻取りロール9を押圧することにより、前記巻取りロール9の半径の変化や外周の微妙な起伏が原因で発生する巻取りロール7内の気泡やしわを防止することができる。
【0018】
また、本発明の実施形態に係るフィルム類巻取り装置1の制御方法では、前記押さえロール11の両端の軸受13で別々にひずみまたは変位を測定しフィードバック制御を行ない、押さえロール11の両端の重量等のアンバランスにより生じる両端のリニアガイド15等の摺動抵抗のアンバランス分などを調整しているので、押さえロール11の押圧力のどちらか一端が弱いために生じる押さえロール11の片当りやフィルム7類の巻きずれ等の不具合を防止することができる。
【0019】
以上、本発明の実施の形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
例えば、前記変位センサー25は、上記効果を得られるものであれば、磁気により生じる磁場を測定することにより、変位を測定する非接触式の磁気センサーなどを用いて構成することもできる。
また、ひずみの測定中に、極端にひずみが大きくなった場合は、前記押さえロール11がバウンドしているものと推定し、エアシリンダ17のエア圧をさらに高くするなどの制御を行なうこともできる。
【0020】
【発明の効果】
上述の如く、本発明に係るフィルム類巻取り装置は、巻取り工程中に変化する巻取りロールの半径と外周速度を検出し最適な押圧力を演算する制御装置と、前記巻取りロールの外周に適度な押圧力を与える押さえロールと、該押さえロールの両端に設けた軸受と、該軸受が固定され前記押さえロールを前記巻取りロールに押圧する方向に移動させるリニアガイドと、前記軸受と連結されて前記押さえロールに押圧力を付勢する押圧手段とを有するものであって、前記押さえロールの押圧力により前記軸受の軸受ブラケットに生じたひずみを測定するひずみ測定手段を設けたことにより、巻取りロール内の気泡やフィルム類のしわを防止して、作業効率や製品の品質の向上を図ることが可能なフィルム類巻取り装置を提供することができる。
【0021】
また、巻取り工程中に変化する巻取りロールの半径と外周速度から最適な押圧力を演算する段階と、演算した押圧力により前記押圧手段の押圧力を制御する段階と、前記ひずみ測定手段によりひずみを測定する段階と、測定したひずみから押さえロールが実際に与えている押圧力を演算する段階と、制御中の前記押圧手段の押圧力とひずみを演算して求めた押圧力の差分を追加して前記押圧手段をフィードバック制御する段階とを順次繰り返し行なうことにより、巻取りロール内の気泡や巻きずれ、しわを防止して、作業効率や製品の品質の向上を図ることが可能なフィルム類巻取り装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るフィルム類巻取り装置の押さえロール部分の構成を示す正面図である。
【符号の説明】
1 フィルム類巻取り装置
3回転軸
4 回転軸
5 巻芯
7 フィルム類
9 巻取りロール
11 押さえロール
12 押出しアーム
13 軸受
13a 軸受(左側)
13b 軸受(右側)
15 リニアガイド
15a リニアガイド(左側)
15b リニアガイド(右側)
17 エアシリンダ(押圧手段)
17a エアシリンダ(左側)
17b エアシリンダ(右側)
19 制御装置
21 軸受ブラケット
21x たわみ部
21y 軸受部
21z 支持部
22 変位測定部
23 ひずみゲージ(ひずみ測定手段)
23a ひずみゲージ(左側)
23b ひずみゲージ(右側)
25 変位センサー(変位測定手段)
25a 変位センサー(左側)
25b 変位センサー(右側)
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム類巻取り装置およびその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フィルム類巻取り装置は、材料を縦軸方向又は横軸方向に延伸して製作する一軸、二軸、または無延伸フィルムや、更には紙、布の生産にも使用することができる装置である。例えば、平面状に生産された梱包用のフィルム類の帯状物を、本体枠に固定した押さえロールを用いて、前記フィルム類に適度な押圧力を与えながら、可変速モータ等により回転する巻取りロール巻き取らせて、最終的な出荷形態である円柱状の巻取りロールに仕上げる装置である。
【0003】
これらのフィルム類巻取り装置や押さえロールがフィルム類に対して与える押圧力の調節方法については、従来から多くの技術が開示されている。例えば、特開平4−106057号では、前記帯状物を効率的に巻取ると共に、巻取りロール内に気泡、巻きずれ、しわを防止するために、前記巻取りロールに接触させて従動回転させながら、前記帯状物の巻取り工程中に帯状物に押圧力を与える円柱状の押さえロールを設けている。
さらには、特開平6−271154号では、押さえロールを固定して取り付けた場合、巻取り作業工程で巻取りロールの半径が徐々に大きくなると、前記押さえロールの押圧力も徐々に変化してしまうため、前記巻取りロールの巻取り半径と外周速度による最適な押圧力を決定し、巻取り工程中にその半径と速度を測定して、押さえロールの押圧手段である可変ダンパまたはエアシリンダ等の弾性係数を調整する技術が記載されている。また、巻芯に巻かれる帯状物には微小な厚みのばらつきがあるために巻取りロールの外形が真円状にならず、巻取りロールの回転周期に合わせて押さえロールがバウンドして追従できなくなるため、巻取りロールの1周当りの外形の変形を検出して前記可変ダンパ等の弾性係数を調整する技術などが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最適な押圧力をエアシリンダ等の押圧手段に設定しても、前記エアシリンダや押さえロールを巻取りロールへ押圧する方向に案内するリニアガイド等には摺動抵抗があるため、実際に押さえロールに作用する押圧力は、最適な押圧力から摺動抵抗の分だけ目減りしてしまう。また、巻取りロールの表面には弾性があるため、荷重負荷時と荷重除去時には押圧力に履歴現象が生じる。そのため、実際の押さえロールの押圧力がエアシリンダ等の設定値よりも弱くなり、巻取りロール内に気泡やしわが生じてしまう。
また、巻取り工程で巻取り量が徐々に増えると、当然に巻取りロールの重量も徐々に増加してゆき、押さえロールの両端には帯状物の微妙な厚みのばらつきにより重量のアンバランスが生じる。これにより、両端のリニアガイドの摺動抵抗もアンバランスとなる。このような状況では、押さえロールの両端での押圧力のどちらか一端が弱いために、押さえロールが片当りを起こし、押圧力の弱い方へ帯状物が偏る等の巻きずれが生じてしまう。
【0005】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、押圧手段として用いるエアシリンダが押さえロールの両端の軸受を押す力と、押さえロールが巻取りロールを押圧する実際の押圧力との差異を両端の軸受で測定し、フィードバック制御によりそれぞれのエア圧を最適な値に再調整して、押さえロールの押し圧力を常に最適な値に設定することにより、巻取りロール内の気泡やしわの発生を防止して、作業効率や製品の品質の向上を図ることが可能なフィルム類巻取り装置およびその制御方法を提供することにある。
さらに、上記の設定値の調整を両端の軸受でそれぞれ個別に行ない、押さえロールの両端に生じる摺動抵抗等のアンバランスを修正することにより、巻ずれ等を防止して、さらに作業効率や製品の品質の向上を図ることが可能なフィルム類巻取り装置およびその制御方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、フィルム類の帯状物を巻取る装置であって、装置本体に軸支され、回転しながらフィルム類を巻取る円柱状の巻取りロールと、前記巻取りロールと離間した位置に平行に配置され、前記巻取りロールの外周に押圧力を与える円柱状の押さえロールと、前記装置本体に固定され、巻取り工程中に変化する前記巻取りロールの円柱状の半径と外周速度から最適な押圧力を演算する制御装置と、該押さえロールの両端に設けた軸受と、該軸受が固定され、前記押さえロールを前記巻取りロールに押圧する方向へ案内するリニアガイドと、前記軸受と連結されて前記押さえロールに押圧力を付与する押圧手段とを有するフィルム類巻取り装置において、前記押さえロールの押圧力の反力により前記軸受の外側を覆う軸受ブラケットに生じたひずみを測定するひずみ測定手段を設ける。
また、前記ひずみ測定手段の代わりに、前記軸受の軸受ブラケットに前記押さえロールの押圧力の反力により生じる変位を測定する変位測定手段を設ける。
また、巻取り工程中に変化する巻取りロールの半径と外周速度から最適な押圧力を演算する段階と、演算した押圧力により前記押圧手段の押圧力を制御する段階と、前記ひずみ測定手段により軸受ブラケットのひずみを測定する段階と、測定したひずみから押さえロールが実際に与えている押圧力を演算する段階と、制御中の前記押圧手段の押圧力とひずみを演算して求めた押圧力の差分を追加して前記押圧手段をフィードバック制御する段階とを順次繰り返し行なう。
また、上記ひずみ測定手段の代わりに、前記変位測定手段を用いる。
さらにまた、ひずみまたは変位を測定する段階と、前記押圧手段をフィードバック制御する段階を、押さえロールの両端に設けた軸受に対し、両端で別々に制御する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態に係るフィルム類巻取り装置について、図面を用いて詳細に説明する。本発明は、以下の実施の形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
【0008】
図1は、本発明の実施の形態に係るフィルム類巻取り装置の押さえロール部分の構成を表す。
フィルム類巻取り装置1では、可変モータ(図示せず)等を使用して回転する回転軸3に巻芯5をセットして、生産された二軸延伸フィルム等のフィルム類7を前記巻芯5に巻きつけて、円柱状の巻取りロール9が作られる。前記フィルム類7を巻芯5に巻付ける工程においては、円柱状の押さえロール11を用いて前記巻取りロール9の全幅に押圧力をかけながらフィルム類7の巻取りを行ない、巻取りロール9の巻きずれや巻層内の気泡の発生を防止している。
なお、前記巻取りロール9の回転軸3、および押さえロール11の回転軸4の両端にはそれぞれ軸受が設けられており、前記回転軸3,4はそれぞれ自由に回転することができるように構成されている。
【0009】
前記押さえロール11は、前記巻取りロール9と離間した位置に平行に設けてある。前記押さえロール11の幅寸法は、前記巻取りロール9の全幅と同等かそれよりも大きい値で製作され、巻取りロール9の全幅に押圧力を付与できるように配置されている。さらに、前記押さえロール11の両端には、これを支持する軸受13(左側を13a、右側を13bとする)が取り付けられている。該軸受13a,13bは、軸受13a,13bの上部に設けたリニアガイド15(左側を15a,右側を15bとする)の可動部に固定されており、装置本体に固定されたリニアガイド15a,15bの直動レールに案内されて、前記巻取りロール9を押圧する方向へ動く構成となっている。
前記押さえロール11は、エアシリンダ(押圧手段)17(左側を17a,右側を17bとする)から押圧力が供給される。該エアシリンダ17a,17bは、前記巻取りロール9の反対側の装置本体に固定されている。また、前記エアシリンダ17a,17bは、前記押さえロール11の軸受13a,13bと押出しアーム12で連結されており、前記軸受13a,13bを押圧することで、前記押さえロール11に押圧力を与えている。
【0010】
前記エアシリンダ17は、エア圧力を調整することにより、前記押圧力を変化させることができる。エアシリンダ17a,17bは、それぞれ左側および右側で別々に制御装置19と電気的に結線され、該制御装置19からの制御信号により、前記軸受13a,13bをそれぞれ別々に押圧している。
【0011】
前記軸受13は、内側に設けたベアリングと外側に設けた軸受ブラケット21から構成されており、該軸受ブラケット21の各部分には、それぞれ、たわみ部21x、軸受部21y、支持部21zが設けられている。
たわみ部21xは、前記軸受部21yと前記支持部21zに挟まれた部分を示しており、押さえロール11の押圧力の反力の最大値が作用しても、たわみ部21xが弾性限度域を超えないように材料および構造が決定されており、さらに前記反力により発生する曲げ応力が材料の疲労限度以下となるような断面積を有している。前記軸受ブラケット21の材料は、一般的な鋳鉄や鉄のように降伏点のある材料を用いている。
軸受部21yは、ベアリングおよびベアリングを固定している部分の外周部を示しており、前記押圧力によるひずみや変位がほとんど発生しないように強固な形状で作られている。前記ベアリングには自動調心ころ軸受などが使用されており、リニアガイド15が軸受を案内する際に生じる両端の軸芯のずれを許容している。前記ベアリングには、前記押さえロール11の回転軸4が嵌合され、さらに前記エアシリンダ15a,15bが、回転軸4の中心を通って巻取りロール9の方向へ押圧力を伝える受け部が設けられている。
支持部21zは、軸受の固定部分を示しており、ボルト類により前記リニアガイド15に強固に固定されていて、前記押圧力に対し十分な強度を有する。
これにより、軸受部21yが受ける前記押圧力の反力は、たわみ部21xを介して支持部21zへ伝達されるため、たわみ部21xのひずみ、あるいは軸受部21yと支持部21zの間の変異量と比例関係にある。
【0012】
前記たわみ部21xには、前記押圧力の反力によりたわみを生じる部分にひずみ測定手段23を設けている。本実施の形態の説明では、ひずみ測定手段としてひずみゲージ23(左側を23a,右側を23bとする)を用いて説明する。
図1で、前記ひずみゲージ23は、前記たわみ部21xの曲げ応力が作用する1以上の箇所に貼り付けられ、引張ひずみまたは圧縮ひずみのいずれかを測定することができる。2以上の測定点を設け、測定値から換算した作用力の平均値を算出して、より精度を高めることもできる。貼り付け方は、曲げ応力によるひずみが大きく出る部分に1方向に貼り付けてもよいし、3方向のひずみゲージを用いてより測定精度を高めることもできる。
上記測定から入手したひずみの実測値を、縦弾性係数、たわみ部21xの断面積を基に演算を行ない、前記軸受部21yに実際に作用している荷重を求めることができる。
【0013】
また、前記たわみ部21xにひずみゲージ23を貼り付けて測定する代わりに、変位測定部22を設けて、変位センサー(変位測定手段)25(左側を25a,右側を25bとする)を用いてその位置での変位を測定することにより実際に作用している荷重を計算することもできる。
図1の実施の形態の例では、縦に長い溝を設けた軸受ブラケット21を用い、溝に対して巻取りロール9側の部分に前記たわみ部21x,軸受部21yを設け、エアシリンダ17側の部分に前記固定部21zを下側に延ばした構造としている。さらに、前記軸受部21yの下部であって、前記巻取りロール9と反対側に位置する箇所(図1中の左下隅)に変位測定部22を設け、前記固定部21zを下側に延長した端部に変位センサー25を取り付けている。
前記軸受ブラケット21の溝は、前記固定部21zの下方向へ延ばした部分が押さえロール11の押圧力でたわまないように分離するために設けられている。ゆえに、前記変位センサー25は、前記軸受23として一体で可動し、かつ押圧力によるたわみの生じない位置に固定されているのに対し、前記変位測定部22は、前記押圧力によりたわみ部21xがたわみ、前記押圧力と比例して前記変位測定部22が変位するため、前記変位センサー25で変位を測定することができる。
前記変位センサー25は、測定する接触子を前記変位測定部22に接触させ、変位を電気的信号に変換するものを使用する。ひずみと同様に、変位についても、縦弾性係数、たわみ部21xの断面積から前記軸受部21yに実際に作用している荷重を計算で得ることができる。
【0014】
前記制御装置19は、本装置の前部または側部に固定または移動できるように配置されており、前記巻取りロールの外周の変位と外周速度の検出装置(図示せず)と、前記エアシリンダ17a,17bと、ひずみゲージ23a,23bと、変位センサー25a,25bが電気的に結線されている。さらに、前記押さえロール11の押圧力が左右でばらつきがあるので、左右で別々に押圧力の微調整を可能とするために、左側の軸受13aに作用する荷重と、右側の軸受13bに作用する荷重をそれぞれ別々に制御するシステムを有している。
【0015】
次に、制御装置19の制御方法を説明する。本発明では、左側と右側の押圧力を別々に制御しているが、同じ制御を別々に行なっている以外に差異はないため、本装置の左側についてのみ説明を行なう。
前記押さえロール11の押圧力の初期値は、図示はしないが、前記巻取りロール9の巻き取り半径と、前記巻取りロールの外周速度とを検出する検出装置から測定結果が制御装置19に逐次送られ、プログラムにより必要な押圧力の値が制御装置19により決定される。制御装置19は、決定した必要な押圧力を、エアシリンダ17aの調整可能なエア圧に換算して、前記エアシリンダ17aへエア圧の値を逐次送信する。前記エアシリンダ17aは、調整されたエア圧による押圧力を前記軸受13aへ伝達する。該軸受13aはリニアガイド15aが案内する方向に前記押圧力を軸4に伝達し、これにより、押さえロール11は巻取りロール9を押圧する。
【0016】
さらに、制御装置19は、前記ひずみゲージ23a、または前記変位センサー25aからの信号を受信し、実際の押さえロール11の押圧力を計算し、エアシリンダ17aへ送信したエア圧の値との差異を計算する。さらに、前記の差異がある場合は、実際の押さえロール11の押圧力が、巻き取り半径と外周速度から計算した押圧力となるように、エアシリンダ17aのエア圧を修正する。
例えば、前記巻取りロール9の半径と外周速度から求めた最適な押圧力であって、エアシリンダ17aに設定した押圧力を(A)、ひずみゲージ23aから測定した実際の押圧力を(B)とすると、差異は(A−B)である。この(A−B)は、エアシリンダやリニアガイドの摺動抵抗による力のロス分を示す。ゆえに、制御装置19は、フィードバック制御により、エアシリンダ17aに設定する押圧力を、(A+(A−B))に修正して再設定する。
このフィードバック制御を逐次行なうことで、実際に負荷されている押さえロール11の押圧力を、巻取り半径と外周速度から求めた必要な押圧力に限りなく近づけることができる。
同様な方法で、本装置の右側の軸受13b、リニアガイド15b、エアシリンダ17bが、左側と同様な動作を行なうため、右側についても同じように制御することができる。
【0017】
本発明の実施形態に係るフィルム類巻取り装置1では、前記押さえロール11の両端に設けた軸受13の軸受ブラケット21にひずみゲージ23または変位センサー25を設けることにより、ひずみまたは変位から換算した押さえロール11の実際の押圧力が得られる。ゆえに、前記実際の押圧力と前記エアシリンダ17に設定した押圧力の差異をフィードバック制御により逐次修正し、押さえロール11が常に最適な押圧力で巻取りロール9を押圧することにより、前記巻取りロール9の半径の変化や外周の微妙な起伏が原因で発生する巻取りロール7内の気泡やしわを防止することができる。
【0018】
また、本発明の実施形態に係るフィルム類巻取り装置1の制御方法では、前記押さえロール11の両端の軸受13で別々にひずみまたは変位を測定しフィードバック制御を行ない、押さえロール11の両端の重量等のアンバランスにより生じる両端のリニアガイド15等の摺動抵抗のアンバランス分などを調整しているので、押さえロール11の押圧力のどちらか一端が弱いために生じる押さえロール11の片当りやフィルム7類の巻きずれ等の不具合を防止することができる。
【0019】
以上、本発明の実施の形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
例えば、前記変位センサー25は、上記効果を得られるものであれば、磁気により生じる磁場を測定することにより、変位を測定する非接触式の磁気センサーなどを用いて構成することもできる。
また、ひずみの測定中に、極端にひずみが大きくなった場合は、前記押さえロール11がバウンドしているものと推定し、エアシリンダ17のエア圧をさらに高くするなどの制御を行なうこともできる。
【0020】
【発明の効果】
上述の如く、本発明に係るフィルム類巻取り装置は、巻取り工程中に変化する巻取りロールの半径と外周速度を検出し最適な押圧力を演算する制御装置と、前記巻取りロールの外周に適度な押圧力を与える押さえロールと、該押さえロールの両端に設けた軸受と、該軸受が固定され前記押さえロールを前記巻取りロールに押圧する方向に移動させるリニアガイドと、前記軸受と連結されて前記押さえロールに押圧力を付勢する押圧手段とを有するものであって、前記押さえロールの押圧力により前記軸受の軸受ブラケットに生じたひずみを測定するひずみ測定手段を設けたことにより、巻取りロール内の気泡やフィルム類のしわを防止して、作業効率や製品の品質の向上を図ることが可能なフィルム類巻取り装置を提供することができる。
【0021】
また、巻取り工程中に変化する巻取りロールの半径と外周速度から最適な押圧力を演算する段階と、演算した押圧力により前記押圧手段の押圧力を制御する段階と、前記ひずみ測定手段によりひずみを測定する段階と、測定したひずみから押さえロールが実際に与えている押圧力を演算する段階と、制御中の前記押圧手段の押圧力とひずみを演算して求めた押圧力の差分を追加して前記押圧手段をフィードバック制御する段階とを順次繰り返し行なうことにより、巻取りロール内の気泡や巻きずれ、しわを防止して、作業効率や製品の品質の向上を図ることが可能なフィルム類巻取り装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るフィルム類巻取り装置の押さえロール部分の構成を示す正面図である。
【符号の説明】
1 フィルム類巻取り装置
3回転軸
4 回転軸
5 巻芯
7 フィルム類
9 巻取りロール
11 押さえロール
12 押出しアーム
13 軸受
13a 軸受(左側)
13b 軸受(右側)
15 リニアガイド
15a リニアガイド(左側)
15b リニアガイド(右側)
17 エアシリンダ(押圧手段)
17a エアシリンダ(左側)
17b エアシリンダ(右側)
19 制御装置
21 軸受ブラケット
21x たわみ部
21y 軸受部
21z 支持部
22 変位測定部
23 ひずみゲージ(ひずみ測定手段)
23a ひずみゲージ(左側)
23b ひずみゲージ(右側)
25 変位センサー(変位測定手段)
25a 変位センサー(左側)
25b 変位センサー(右側)
Claims (5)
- フィルム類の帯状物を巻取る装置であって、装置本体に軸支され、回転しながらフィルム類を巻取る巻取りロールと、前記巻取りロールと離間した位置に平行に配置され、前記巻取りロールの外周に押圧力を与える押さえロールと、前記装置本体に固定され、巻取り工程中に変化する前記巻取りロールの半径と外周速度から最適な押圧力を演算する制御装置と、該押さえロールの両端に設けた軸受と、該軸受が固定され、前記押さえロールを前記巻取りロールに押圧する方向へ案内するリニアガイドと、前記軸受と連結されて前記押さえロールに押圧力を付与する押圧手段とを有するフィルム類巻取り装置において、前記押さえロールの押圧力の反力により前記軸受の外側を覆う軸受ブラケットに生じたひずみを測定するひずみ測定手段を設けたことを特徴とするフィルム類巻取り装置。
- 請求項1に記載のフィルム類巻取り装置において、前記ひずみ測定手段の代わりに、前記軸受の軸受ブラケットに前記押さえロールの押圧力の反力により生じる変位を測定する変位測定手段を設けたことを特徴とするフィルム類巻取り装置。
- 装置本体に軸支され、回転しながらフィルム類を巻取る巻取りロールと、前記巻取りロールと離間した位置に平行に取り付けて、前記巻取りロールの外周に押圧力を与える押さえロールと、装置本体に固定され、巻取り工程中に変化する前記巻取りロールの円柱状の半径と外周速度から最適な押圧力を演算する制御装置と、該押さえロールの両端に設けた軸受と、該軸受が固定され、前記押さえロールを前記巻取りロールに押圧する方向へ案内するリニアガイドと、前記軸受と連結されて前記押さえロールに押圧力を付与する押圧手段とを有するフィルム類巻取り装置の制御方法において、さらに前記フィルム類巻取り装置は、前記押さえロールの押圧力の反力により前記軸受の外側を覆う軸受ブラケットに生じたひずみを測定するひずみ測定手段を備え、巻取り工程中に変化する巻取りロールの半径と外周速度から最適な押圧力を演算する段階と、演算した押圧力により前記押圧手段の押圧力を制御する段階と、前記ひずみ測定手段により軸受ブラケットのひずみを測定する段階と、測定したひずみから押さえロールが実際に与えている押圧力を演算する段階と、制御中の前記押圧手段の押圧力とひずみを演算して求めた押圧力の差分を追加して前記押圧手段をフィードバック制御する段階とを順次繰り返し行なうことを特徴とするフィルム類巻取装置の制御方法。
- 請求項3に記載のフィルム類巻取り装置の制御方法において、前記ひずみ測定手段の代わりに、前記変位測定手段を用いたことを特徴とするフィルム類巻取り装置制御方法。
- 請求項3または4に記載のフィルム類巻取り装置の制御方法において、ひずみまたは変位を測定する段階と、前記押圧手段をフィードバック制御する段階を、押さえロールの両端で別々に行なうことを特徴とするフィルム類巻取り装置の制御方法。
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- 2002-08-09 JP JP2002232908A patent/JP2004067367A/ja not_active Withdrawn
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