JP2004066428A - 水溶性切削液の浄化方法及び浄化装置 - Google Patents

水溶性切削液の浄化方法及び浄化装置 Download PDF

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安藤 金治
Yutaka Nitta
新田 豊
Ikuo Mekada
米加田 郁夫
Mikio Umemura
梅村 幹男
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Abstract

【課題】添加剤を使用することなく、水溶性切削液を蒸留することなく、水溶性切削液内の細菌を殺菌することができる水溶性切削液の浄化方法及び浄化装置を提供する。
【解決手段】工作機械に使用される水溶性切削液を大気圧下で60〜70℃の温度範囲内で30分以上加熱するようにした。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械に使用される水溶性切削液の浄化方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工作機械による機械加工においては、工具や工作物の冷却や潤滑のために水溶性切削液を使用している。この水溶性切削液は、長期間使用していると、細菌が繁殖する。そして、細菌の繁殖により水溶性切削液が腐敗すると悪臭が発生する。さらに、腐敗した水溶性切削液はpH値が下がるため、腐敗した水溶性切削液を工作機械に循環使用した場合には、その工作機械の部品や工作物等を酸化させる原因にもなる。そのため、従来、腐敗した水溶性切削液は廃液として処理されていた。
【0003】
しかし、近年では、腐敗した水溶性切削液を直ちに廃液として処理するのではなく、長寿命化を図る方法として、細菌を殺菌し水溶性切削液をリサイクルする方法が提案されている。例えば、添加剤を水溶性切削液の中に入れて、細菌を殺菌する方法である。他の方法としては、特開2001−219337号公報に開示されている方法がある。この方法は、工作機械で使用する水溶性の切削油をバクテリヤ等の細菌を殺菌できる温度で蒸留回収して再使用するとともに、切削油中の油泥物を分離減容処理するリサイクル方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、添加剤を入れて殺菌する方法では、添加剤の費用がかかる。また、特開2001−219337号公報に開示されたリサイクル方法は、水溶性切削液を蒸留しており、水溶性切削液の性能を低下させる可能性がある。すなわち、蒸留した水溶性切削液を再使用することは困難となる場合がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、添加剤を使用することなく、さらには水溶性切削液を蒸留することなく、水溶性切削液内の細菌を殺菌することができる水溶性切削液の浄化方法及び浄化装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の水溶性切削液の浄化方法は、工作機械に使用される水溶性切削液の浄化方法において、水溶性切削液を細菌の殺菌が可能で水溶性切削液の沸点以下の温度範囲内で加熱する加熱処理を行う方法である。つまり、このような加熱処理を行うことにより、水溶性切削液内に含まれる細菌の殺菌が可能となる。さらに、水溶性切削液の沸点以下の温度範囲内で加熱処理を行うことから、特開2001−219337号公報に記載のリサイクル方法のような蒸留する方法とは異なる。すなわち、蒸留しない浄化方法であるので、浄化後も水溶性切削液の性能を維持することができる。すなわち、水溶性切削液を廃液として処分することがなく、浄化後の水溶性切削液をそのまま再使用することができる。
【0007】
また、細菌の殺菌が可能で水溶性切削液の沸点以下の温度範囲内は大気圧下で60〜70℃であって、加熱処理を30分以上行うとよい。これにより、水溶性切削液内に含まれる細菌を確実に殺菌することができる。
【0008】
また、本発明の水溶性切削液の浄化方法は、水溶性切削液を攪拌しながら加熱処理を行うようにしてもよい。水溶性切削液全体の殺菌を行うには、水溶性切削液全体の温度を所定の温度に所定時間維持する必要がある。そこで、水溶性切削液を攪拌しながら加熱処理を行うことで、水溶性切削液全体が所定の温度に所定時間維持することが可能となる。これにより、水溶性切削液全体の殺菌を確実に行うことができる。
【0009】
また、水溶性切削液の攪拌は、水溶性切削液内に充満させた微細な気泡により行うようにしてもよい。水溶性切削液内に微細な気泡を送り込むと、水溶性切削液内に含まれたスラッジや廃油を浮上させることができる。すなわち、微細な気泡を充満させることにより、水溶性切削液をスラッジや廃油とそれらを除去したクリーン液とに分離することができる。つまり、スラッジや廃油を分離してクリーン液を生成することができると共に、水溶性切削液の攪拌作用により上述のとおり水溶性切削液全体の殺菌を行うことができる。
【0010】
また、本発明の水溶性切削液の浄化方法は、工作機械に使用される水溶性切削液の浄化方法において、加熱工程と、廃油等浮上工程と、分離回収工程と、からなることを特徴とする。加熱工程は、浄化タンク内に貯溜された水溶性切削液を細菌の殺菌が可能で水溶性切削液の沸点以下の温度範囲内で加熱する工程である。廃油等浮上工程は、水溶性切削液内に含まれる廃油やスラッジを浮上させる工程である。分離回収工程は、細菌の殺菌が行われ廃油やスラッジが除去された浄化タンク内の下方の水溶性切削液と、浄化タンク内の上方の廃油やスラッジとを分離して回収する工程である。
【0011】
加熱工程を行うことにより、水溶性切削液内に含まれる細菌の殺菌が可能となる。さらに、水溶性切削液の沸点以下の温度範囲内で加熱工程を行うことから、特開2001−219337号公報に記載のリサイクル方法のような蒸留する方法とは異なる。すなわち、蒸留しない浄化方法であるので、浄化後も水溶性切削液の性能を維持することができる。さらに、回収された細菌の殺菌が行われ廃油やスラッジが除去された水溶性切削液は、そのまま工作機械に再使用することができる。つまり、水溶性切削液を廃液として処分することがなく、再使用される浄化後の水溶性切削液の性能は低下することがない。
【0012】
また、廃油等浮上工程は、水溶性切削液内に充満させた微細な気泡により行うようにしてもよい。微細な気泡により、廃油やスラッジを確実に浮上させることができる。
【0013】
また、加熱工程における細菌の殺菌が可能で前記水溶性切削液の沸点以下の温度範囲内は、大気圧下で60〜70℃であって、さらに、加熱工程を30分以上行うとよい。これにより、水溶性切削液内に含まれる細菌を確実に殺菌することができる。
【0014】
また、本発明の水溶性切削液の浄化装置は、工作機械に使用される水溶性切削液の浄化装置において、水溶性切削液を貯溜する浄化タンクと、浄化タンク内に配設され細菌の殺菌が可能で水溶性切削液の沸点以下の温度範囲内で加熱するヒーターと、を有する。つまり、浄化タンク内の水溶性切削液をヒーターで加熱することにより、水溶性切削液内に含まれる細菌の殺菌が可能となる。さらに、水溶性切削液の沸点以下の温度範囲内で加熱処理を行うことから、特開2001−219337号公報に記載のリサイクル方法のような蒸留する方法とは異なる。すなわち、蒸留しない浄化方法であるので、浄化後も水溶性切削液の性能を維持することができる。すなわち、水溶性切削液を廃液として処分することがなく、浄化後の水溶性切削液をそのまま再使用することができる。
【0015】
また、本発明の水溶性切削液の浄化装置は、さらに、浄化タンク内の水溶性切削液を攪拌する攪拌手段を有するようにしてもよい。これにより、浄化タンク内の水溶性切削液全体の殺菌を確実に行うことができる。
【0016】
また、本発明の水溶性切削液の浄化装置における攪拌手段は、浄化タンク内の水溶性切削液内に微細な気泡を発生させ充満させる気泡発生器としてもよい。この気泡発生器により水溶性切削液内に微細な気泡を送り込むと、水溶性切削液内に含まれたスラッジや廃油を浮上させることができる。すなわち、微細な気泡を充満させることにより、水溶性切削液をスラッジや廃油とそれらを除去したクリーン液とに分離することができる。つまり、スラッジや廃油を分離してクリーン液を生成することができると共に、水溶性切削液の攪拌作用により上述のとおり水溶性切削液全体の殺菌を行うことができる。
【0017】
また、本発明の水溶性切削液の浄化装置は、さらに、水溶性切削液内に含まれる廃油やスラッジを浮上させる廃油等浮上手段を有し、細菌の殺菌が行われ廃油やスラッジが除去された浄化タンク内の下方の水溶性切削液と浄化タンク内の上方の廃油やスラッジとを分離して回収するようにしてもよい。
【0018】
これにより、回収された細菌の殺菌が行われ廃油やスラッジが除去された水溶性切削液は、そのまま工作機械に再使用することができる。つまり、よりクリーンな液を生成することができる。つまり、水溶性切削液を廃液として処分することがなく、再使用される浄化後の水溶性切削液の性能は低下することがない。
【0019】
また、廃油等浮上手段は、浄化タンク内の水溶性切削液内に微細な気泡を発生させ充満させる気泡発生器としてもよい。微細な気泡により、廃油やスラッジを確実に浮上させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。図1は、本発明の水溶性切削液の浄化方法を実施するための浄化装置である。この浄化装置は、図1に示すように、ダーティータンク部1と、フィルタ2と、浄化部3と、クリーンタンク4と、廃油等処理部5とから構成される。
【0021】
ダーティータンク部1は、ダーティータンク11と、送液用ポンプ12とから構成される。ダーティータンク11は、工作機械による機械加工に使用された水溶性切削液であるダーティー液を貯溜している。さらに、後述する浄化部3の浄化タンク31から一部送液された水溶性切削液も貯溜している。送液用ポンプ12は、ダーティータンク11に取付けられ、ダーティータンク11内のダーティー液をフィルタ2や浄化部3等へ送液する。
【0022】
フィルタ2は、例えば、0.1mm以上の粗いスラッジを除去することができるものを使用している。そして、フィルタ2は、送液用ポンプ12と連結パイプ61で連通されている。
【0023】
浄化部3は、浄化タンク31と、ヒーター32と、気泡発生用ポンプ33と、かき板34と、かき板駆動用モータ35と、液量メータ36、37とから構成される。浄化タンク31には、フィルタ21を通過し連結パイプ62を介して送液された水溶性切削液が貯溜されている。この浄化タンク51の容量は、500Lである。そして、浄化タンク31内には、ヒータ32が固定されている。ヒータ32は、出力が15kWのものを使用している。また、浄化タンク31の上方には、浄化タンク31の中心を通る鉛直軸線から放射線状に複数枚のかき板34が鉛直軸線を中心に回転可能に配設されている。そして、このかき板34を回転駆動させるかき板駆動用モータ35が浄化タンク31の上側に固定されている。また、浄化タンク31の下方には、浄化タンク31内に微細な気泡を発生させる気泡発生用ポンプ33が取付けられている。さらに、浄化タンク31の低い位置に液量メータ36が、浄化タンク31の高い位置に液量メータ37が取付けられている。また、浄化タンク31の下方には、連結パイプ63が連結されている。この連結パイプ63は、クリーンタンク側バルブ64又はダーティータンク側バルブ65を介してダーティータンク11又はクリーンタンク4とへ連結されている。
【0024】
クリーンタンク4は、浄化タンク31から送液された水溶性切削液が貯溜されている。
【0025】
廃油等処理部5は、回収タンク51と、廃油タンク52と、オイルスキマー53と、スラッジタンク54と、スラッジコンベア55とから構成される。回収タンク51は、フィルタ2及び浄化タンク31から回収された廃油及びスラッジが貯溜されている。オイルスキマー53は、2つの回転部と回転部間に掛けられベルトとから構成されている。そして、一方の回転部は、回収タンク51内の上方に配設されている。また、他方の回転部は、回収タンク51の外側に配設されている。この他方の回転部の下側には、廃油タンク52が設置されている。また、回収タンク51内の下方には、スラッジコンベア55が配設されている。スラッジコンベア55は、水平部分と傾斜部分とから構成されている。そして、スラッジコンベア55の傾斜部分の先端の下側には、スラッジタンク54が配設されている。なお、フィルタ2と回収タンク51とは連結パイプ66で、浄化タンク31と回収タンク51とは連結パイプ67で連結されている。
【0026】
次に、このような構成からなる水溶性切削液の浄化装置の動作について説明する。
【0027】
まず、ダーティータンク11内にダーティー液が供給される。このダーティー液は、工作機械による機械加工に使用された水溶性切削液であって、廃油及びスラッジが含まれ、さらに、細菌が繁殖している。そして、ダーティータンク11に貯溜されたダーティー液が、送液用ポンプ12の駆動により、連結パイプ61を介してフィルタ2へ送液される。送液されたダーティー液は、フィルタ2により、ダーティー液内に含まれる粗いスラッジが除去される。
【0028】
そして、粗いスラッジが除去されてフィルタ2を通過したダーティー液が、連結パイプ62を介して浄化タンク31に送液される。なお、送液用ポンプ12による浄化タンク31への送液は、液量メータ37の信号がON状態となるまで行われる。液量メータ37の信号がON状態となるには、液量メータ37が取付けられている位置に水溶性切削液が存在することが必要である。つまり、液量メータ37の信号がON状態となると、液量メータ37が設置されている高さまでダーティー液が貯溜されることになる。一方、フィルタ2により除去された粗いスラッジは、連結パイプ66を介して回収タンク51に送液される。
【0029】
続いて、浄化タンク31に貯溜されたダーティー液が、浄化タンク31にて浄化処理される。この浄化処理は、ダーティー液内に含まれる廃油及び細かいスラッジの除去とダーティー液内に存在する細菌の殺菌とを行って、クリーン液を生成する処理である。具体的には、気泡発生ポンプ33を駆動させることにより、浄化タンク31内に微細な気泡を発生させて充満させる。発生させた微細な気泡は、ダーティー液中に含まれる廃油及び細かいスラッジを伴って浮上する(廃油等浮上工程)。これにより、浄化タンク31内のダーティー液の上方に廃油及びスラッジが堆積することになる。
【0030】
同時に、かき板駆動用モータ35を駆動させて、かき板34を回転させる。かき板34の回転により、浄化タンク31内の上方に堆積した廃油及び細かいスラッジが、かき板34の周囲へ送られる。さらに、連結パイプ67を介して回収タンク51へ送液される(分離回収工程)。
【0031】
さらに、気泡発生用ポンプ33による微細な気泡の発生と同時に、ヒーター32を駆動して、まずは浄化タンク31内のダーティー液が60℃になるまで加熱する(加熱処理、加熱工程)。例えば、ダーティー液が500Lであって、出力15kWのヒーター32を使用した場合には、約2時間の加熱を行うことで、ダーティー液を60℃にすることができる。ただし、この加熱時間は、加熱前の液温や外気温等により変化する。続いて、浄化タンク31内のダーティー液の液温を、60℃の状態で、30分間保持する。これは、ダーティー液の温度を監視しながら、ヒーター32を制御することにより行う。ダーティー液の温度の監視は、浄化タンク31内の複数箇所のダーティー液の温度を監視するのが好ましい。なお、この間も気泡発生用ポンプ32により微細な気泡を発生させておく。ダーティー液中に微細な気泡を発生させることにより、ダーティー液の攪拌効果を生じさせ、ダーティー液全体を60℃に維持させることが可能となる。また、ヒーター32により加熱する際は、大気圧下で行っている。従って、上述の加熱処理(加熱工程)による加熱温度は、水溶性切削液の沸点以下の温度範囲となる。
【0032】
このような浄化処理により、浄化タンク31内には廃油及びスラッジが除去され、さらに殺菌された水溶性切削液であるクリーン液が生成される。ただし、浄化タンク31内の水溶性切削液の上方には、かき板34により除去できない廃油やスラッジが一部残っている。
【0033】
浄化処理が終了すると、クリーンタンク側バルブ64を開き、浄化タンク31の下方に貯溜されているクリーン液が連結パイプ63を介してクリーンタンク4へ送液される。その後、浄化タンク31に取付けられている液量メータ36の信号がOFF状態になると、クリーンタンク側バルブ64が閉じ、同時にダーティータンク側バルブ65が開く。なお、液量メータ36の信号がOFF状態となる場合とは、液量メータ36が取付けられている位置に水溶性切削液が存在しない場合である。そして、浄化タンク31内に残された廃油やスラッジを含む水溶性切削液が、連結パイプ63を介してダーティータンク11へ送液される。すなわち、浄化タンク31内に貯溜された水溶性切削液が、クリーンタンク4とダーティータンク11とに分けられる(分離回収工程)。
【0034】
クリーンタンク4に貯溜されたクリーン液は、再び工作機械に供給され、再使用される。一方、ダーティータンク11に貯溜されたダーティー液は、再び、上述の浄化処理が行われる。
【0035】
また、回収タンク51に貯溜された廃油及びスラッジは、オイルスキマー53及びスラッジコンベア55により、廃油タンク52及びスラッジタンク54に分離される。すなわち、まず、オイルスキマー53の回転部を回転駆動させる。この回転により、オイルスキマー53のベルトが回転する。そして、回収タンク51内の上方にある廃油が、オイルスキマー53のベルトの回転に伴って移動する。その結果、オイルスキマー53の先端側に設置されている廃油タンク52に廃油が回収される。一方、スラッジコンベア55を回転駆動させる。これにより、回収タンク51内の下方にあるスラッジが、スラッジコンベア55の回転に伴って移動する。その結果、スラッジコンベア55の傾斜部の先端に設置されているスラッジタンク54にスラッジが回収される。
【0036】
(殺菌試験)
次に、上述の加熱処理により水溶性切削液内の細菌を殺菌できるかに関する試験について説明する。
【0037】
本試験のサンプルとして、ダーティータンク11内の異なる4箇所から少量のダーティー液を採取したものを用いた。そして、これらの4つのサンプル(サンプル1〜サンプル4)には、採取当初は細菌数約10個/mlであった。一般に、水溶性切削液中の細菌数が10個/ml以上の場合には、その水溶性切削液は腐敗しているといえる。これらのサンプル1〜4を用いて、加熱温度を40℃〜70℃とし、それぞれの温度で保持する時間を30分とした場合に、それぞれの場合における細菌数を検査した。その結果を図2に示す。図2に示すように、加熱温度が40℃と50℃の場合には、水溶性切削液中の細菌数はサンプル1〜4のほとんどが10個/mlであった。すなわち、細菌は、ほとんど死滅していない。ところが、加熱温度が60℃や70℃とした場合には、水溶性切削液中の細菌はほぼ完全になくなっている。この結果から、加熱保持時間を30分とした場合には、60℃〜70℃の温度範囲で加熱することで水溶性切削液中の細菌を殺菌することができる。
【0038】
次に、上述のサンプル1〜4を用いて、加熱温度を60℃とし、その温度で保持する時間を10分〜40分とした場合に、それぞれの場合における細菌数を検査した。その結果を図3に示す。図3に示すように、加熱保持時間が10分の場合には、細菌はほとんど死滅していない。加熱保持時間が20分の場合には、わずかに細菌数が減少しているものがある。しかし、この場合の細菌数が最も少ないサンプル3であっても、10個/mlである。加熱保持時間を30分以上にすると、細菌はほぼ完全になくなっている。この結果から、加熱温度を60℃とした場合には、加熱保持時間は30分以上にすると水溶性切削液中の細菌を殺菌することができる。
【0039】
さらに、加熱した場合であっても、水溶性切削液の性能は何ら変化ないことが確認できた。すなわち、水溶性切削液の潤滑性や冷却性は劣化しない。
【0040】
従って、水溶性切削液を60℃の温度で30分以上加熱することで、性能を低下させることなく、確実に殺菌することができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明の水溶性切削液の浄化方法及び浄化装置によれば、添加剤を使用することなく、さらには水溶性切削液を蒸留することなく、水溶性切削液内の細菌を殺菌することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水溶性切削液の浄化装置を示す図である。
【図2】実験結果を示す図である。
【図3】実験結果を示す図である。
【符号の説明】
1 ・・・ ダーティータンク部
2 ・・・ フィルタ
3 ・・・ 浄化部
4 ・・・ クリーンタンク
5 ・・・ 廃油等処理部
11 ・・・ ダーティータンク
12 ・・・ 送液用ポンプ
31 ・・・ 浄化タンク
32 ・・・ ヒーター
33 ・・・ 気泡発生用ポンプ
34 ・・・ かき板
35 ・・・ かき板駆動用モータ
36、37 ・・・ 液量メータ
51 ・・・ 回収タンク
52 ・・・ 廃油タンク
53 ・・・ オイルスキマー
54 ・・・ スラッジタンク
55 ・・・ スラッジコンベア

Claims (9)

  1. 工作機械に使用される水溶性切削液の浄化方法において、
    前記水溶性切削液を細菌の殺菌が可能で前記水溶性切削液の沸点以下の温度範囲内で加熱する加熱処理を行うことを特徴とする水溶性切削液の浄化方法。
  2. 前記水溶性切削液を攪拌しながら前記加熱処理を行うことを特徴とする請求項1記載の水溶性切削液の浄化方法。
  3. 前記水溶性切削液の攪拌は、前記水溶性切削液内に充満させた微細な気泡により行うことを特徴とする請求項2記載の水溶性切削液の浄化方法。
  4. 前記細菌の殺菌が可能で前記水溶性切削液の沸点以下の温度範囲内は大気圧下で60〜70℃であって、前記加熱処理を30分以上行うことを特徴とする請求項1記載の水溶性切削液の浄化方法。
  5. 工作機械に使用される水溶性切削液の浄化方法において、
    浄化タンク内に貯溜された前記水溶性切削液を細菌の殺菌が可能で前記水溶性切削液の沸点以下の温度範囲内で加熱する加熱工程と、
    前記水溶性切削液内に含まれる廃油やスラッジを浮上させる廃油等浮上工程と、
    細菌の殺菌が行われ廃油やスラッジが除去された前記浄化タンク内の下方の前記水溶性切削液と前記浄化タンク内の上方の前記廃油やスラッジとを分離して回収する分離回収工程と、
    からなることを特徴とする水溶性切削液の浄化方法。
  6. 工作機械に使用される水溶性切削液の浄化装置において、
    前記水溶性切削液を貯溜する浄化タンクと、
    前記浄化タンク内に配設され前記水溶性切削液を細菌の殺菌が可能で前記水溶性切削液の沸点以下の温度範囲内で加熱するヒーターと、
    を有することを特徴とする水溶性切削液の浄化装置。
  7. さらに、前記浄化タンク内の前記水溶性切削液を攪拌する攪拌手段を有することを特徴とする請求項6記載の水溶性切削液の浄化装置。
  8. 前記攪拌手段は、前記浄化タンク内の前記水溶性切削液内に微細な気泡を発生させ充満させる気泡発生器であることを特徴とする請求項7記載の水溶性切削液の浄化装置。
  9. さらに、前記水溶性切削液内に含まれる廃油やスラッジを浮上させる廃油等浮上手段を有し、
    細菌の殺菌が行われ廃油やスラッジが除去された前記浄化タンク内の下方の前記水溶性切削液と前記浄化タンク内の上方の前記廃油やスラッジとを分離して回収することを特徴とする請求項6記載の水溶性切削液の浄化装置。
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