JP2004066251A - 鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物、および、該耐火物を用いた鋼の連続鋳造用ノズル - Google Patents
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Abstract
【課題】パウダースラグに対する耐溶損性に優れた鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物、および、該耐火物を用いた鋳造用ノズルを提供すること。
【解決手段】少なくともモールドパウダースラグと接する部分の耐火物が、0.5mmを超え1.0mm以下の粒子径の安定化または部分安定化ジルコニア原料を5〜70質量%でかつジルコニア原料の総量で70質量%以上99質量%未満、カーボンを1質量%以上20質量%未満、及び、炭化物の1種以上を合量で0.1〜10質量%からなる鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物及び該耐火物を用いた鋳造用ノズル。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくともモールドパウダースラグと接する部分の耐火物が、0.5mmを超え1.0mm以下の粒子径の安定化または部分安定化ジルコニア原料を5〜70質量%でかつジルコニア原料の総量で70質量%以上99質量%未満、カーボンを1質量%以上20質量%未満、及び、炭化物の1種以上を合量で0.1〜10質量%からなる鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物及び該耐火物を用いた鋳造用ノズル。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物、および、該耐火物を用いた鋼の連続鋳造用ノズルに関するものであり、更に詳しくは、鋼の連続鋳造に用いられる浸漬ノズル,セミノズル等の連続鋳造用ノズルの少なくともモールドパウダースラグと接する部位、すなわちパウダーライン部材に適用し、この部材の耐溶損性を高めることができる新規な鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物、および、該耐火物を用いた鋼の連続鋳造用ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼の連続鋳造に用いられる浸漬ノズル,セミノズル等の連続鋳造用ノズルにおいて、該ノズルの少なくともモールドパウダースラグと接する部位、即ちパウダーライン部材には、従来より、ジルコニア−黒鉛質が広く用いられている。
【0003】
パウダーライン部材は、モールドに投入されるモールドパウダーが溶融したパウダースラグによって浸蝕され、溶損するため、この部材の溶損が連々数を律速する一因となっている。そのため、このパウダーライン部材の耐溶損性を向上させることは、鋼の生産効率を向上させるために非常に重要である。
【0004】
ジルコニア−黒鉛質は、アルミナ−黒鉛質やスピネル−カーボン質等の他の材質と比較して、パウダースラグに対する耐溶損性が優れており、そのため、このジルコニア−黒鉛質をベースとして種々改良が施されている。
例えば、特開平1−176271号公報には、「Y2O3安定化ジルコニアとジルコンの合量が50〜80重量%、黒鉛10〜20重量%、炭化珪素0〜20重量%、金属シリコン1〜10重量%からなる耐火原料を使用した浸漬ノズル」が開示されている。
【0005】
また、特開平5−361号公報には、「ジルコニアの“125μm超”“125〜45μm”“45μm未満”の各重量比を規定した粒度分布を有し、かつ、標準篩の45〜355μm間におけるジルコニア粒子の各含有量をそれぞれ3重量%以上存在すると規定したジルコニアを70〜90重量%、粒径500μ以下の鱗状黒鉛を10〜30重量%含有する耐火物からなり、この耐火物の外側表面に少なくとも2層のコーティング層を形成させた浸漬ノズル」が開示されている。これと同様な技術が特開平5−367号公報にも開示されている。
特開平5−17812号公報には、「ジルコニア原料の10μm以上を半安定化または安定化ジルコニアとし、10μmより小さい粒子を未安定化ジルコニアとし、この未安定化ジルコニアを5〜50重量%配合したジルコニア質溶融金属用ノズル」が開示されている。
【0006】
特開平9−239503号公報の請求項2には、「100〜300℃で軟化するピッチを表面にコートした粒径74〜1000μmのジルコニア原料40〜90重量%を骨材とし、他にシリカ,黒鉛粉末,カルシアの1種以上を用いた連続鋳造用ノズル耐火物」が開示されている。
特開平10−130053号公報には、「安定化または部分安定化ジルコニア原料を30〜70重量%、平均粒径75μm以下の未安定化ジルコニア原料を5〜30重量%、黒鉛10〜40重量%に対し、外率で炭化硼素,炭化珪素,窒化珪素,金属シリコン等を1〜30重量%添加した原料から製造された浸漬ノズル」が開示されている。
【0007】
特開平11−130530号公報には、「粒径50μm以上の粒子を80%以上含有するジルコニア:72〜85重量%、平均粒径50〜355μmの黒鉛:1〜27.5重量%、平均粒径1μm以下の窒化硼素:0.5〜3重量%を少なくとも含有する、窒化硼素含有耐火物」が開示されている。
特許第3159432号明細書には、「粒径が150〜10μmの中間粒ジルコニアを40〜87重量%と、粒径が10μm未満の微粉ジルコニアを10〜50重量%と、黒鉛を2〜10重量%とからなるジルコニア−黒鉛質耐火物」が開示されている。
【0008】
特開平11−302073号公報には、「ジルコニア原料70〜95重量%及び黒鉛5〜30重量%からなり、前記ジルコニアの粒度構成が、45μm以下のジルコニア粒が70%以上であるジルコニア−黒鉛質耐火物」が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の各技術は、比較的小さな粒径のジルコニアを用いているか、または、比較的大きな粒径のジルコニアを用いている場合でも、カーボンの酸化を効率的に抑制できる炭化物の添加方法に注目していないため、パウダーライン部材の溶損抑制効果が顕著に発揮されない、という問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するものであり、パウダースラグに対する耐溶損性を向上させ得る新規な連続鋳造耐火部材用耐火物、および、該耐火物を用いた鋼の連続鋳造用ノズルを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、比較的大きな粒径のジルコニア原料を積極的に配合した“ジルコニア−カーボン−炭化物系耐火物”を、鋼の連続鋳造耐火部材の少なくともパウダースラグと接触する部位に配設することで、耐溶損性に優れた連続鋳造耐火部材用耐火物を開発することに成功した。
【0011】
即ち、本発明に係る鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物は、「少なくともモールドパウダースラグと接する部分の耐火物が、0.5mmを超え1.0mm以下の粒子径の安定化または部分安定化ジルコニア原料を5〜70質量%でかつジルコニア原料の総量で70質量%以上99質量%未満、カーボンを1質量%以上20質量%未満、及び、炭化物の1種以上を合量で0.1〜10質量%からなる」ことを特徴とし(請求項1)、これにより、前記した目的とする“パウダースラグに対する耐溶損性を向上させ得る連続鋳造耐火部材用耐火物”を提供することができる。
【0012】
また、本発明に係る鋼の連続鋳造用ノズルは、「少なくともモールドパウダースラグと接する部分の耐火物部材が、請求項1に記載の鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物であること」を特徴とし(請求項2,3)、これにより、前記した目的とする“パウダースラグに対する耐溶損性を向上させ得る連続鋳造用ノズル”を提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を含めて、本発明について詳細に説明する。なお、本発明での粒度の区切りは、「標準フルイ規格(JIS Z8801)のフルイ目開き」を基準とした。
【0014】
パウダーライン部に適用されている従来のジルコニア−カーボン質材料としては、0.5mm以下の粒度のジルコニアが広く使用されている。これは、0.5mmを超える粒子径のものを使用すると、気孔径が大きくなることで耐酸化性が低下し、耐溶損性が低下するためである。
しかし、本発明者等は、0.5mmを超え1.0mm以下の粒子径のジルコニアを使用しても、少量の炭化物を併用することで耐酸化性を改良し、耐溶損性が格段に向上することを見出した。
【0015】
即ち、本発明は、0.5mmを超え1.0mm以下の粒子径のジルコニアと炭化物との併用を特徴とする。そして、この0.5mmを超え1.0mm以下の粒子径のジルコニアは、5〜70質量%(好ましくは10〜50質量%)である。5質量%以下では、耐溶損性に及ぼす効果が少なく、また、70質量%を超えると、ノズルとしての強度が確保し難くなるので、好ましくない。
【0016】
また、本発明において、0.5mmを超え1.0mm以下の粒子径のジルコニアとしては、安定化または部分安定化ジルコニア原料を使用することを特徴とする。安定化または部分安定化されていないジルコニア原料を使用すると、加熱により異常体積変化が生じ、ノズルの割れにつながることがあるので好ましくない。
安定化剤としては、イットリア,マグネシア,カルシア等の自明の安定化剤を任意に使用することができるが、価格と耐用の面を考慮すると、カルシア安定化品が好ましい。
【0017】
本発明においては、上記した特定の粒子径以外のジルコニア、例えば、1.0mmを超えるジルコニア粒子を配合することができる。但し、1.0mmを超えるジルコニア粒子は、多量に配合すると強度が著しく低下するため好ましくないが、5重量%までは可能である。このジルコニアの粒度の上限値としては、3mm程度である。
0.5mm以下のジルコニア粒子も配合することができるが、この0.5mm以下のジルコニア粒子のみでは、耐溶損性に対して効果が少ない。また、「カーボン,炭化物および0.5mmを超え1.0mm以下の粒子径のジルコニア」のみでは、強度が低いため、0.106mm以下のジルコニア粒子を出来れば30〜55重量%程度は配合した方が好ましい。なお、この0.106mm以下のジルコニアとしては、未安定化ジルコニアの使用も可能である。
【0018】
本発明において、“0.5mmを超え1.0mm以下の粒子径のジルコニア”を含めてジルコニア原料の総量としては、70質量%以上99質量%未満配合することを特徴とする。好ましくは75〜95質量%である。
ジルコニア原料の総量が70質量%未満では、耐溶損性が劣り、逆に、99質量以上では、カーボンの添加量が少なくなるため、耐スポーリング性に劣るという問題が生じる。
【0019】
本発明において、カーボンの配合量としては、1質量%以上20質量%未満を必要とする。1質量%未満では、耐スポーリング特性が劣り、また、20質量%以上では、相対的にジルコニアの配合量が低下するため、耐溶損性が低下する。カーボンの配合量のより好ましい範囲は3〜17質量%であり、更に好ましくは5〜15質量%である。
カーボンとしては、黒鉛が好ましいが、黒鉛以外のカーボン原料、例えば、カーボンブラックや粉末レジン,液体レジン等も使用可能である。
【0020】
本発明において、炭化物の1種以上を合量で0.1〜10質量%配合することが必要である。炭化物としては、炭化珪素,炭化硼素などが挙げられる。
炭化物は、カーボン(黒鉛)の酸化を抑制するため、“ジルコニア−カーボン(黒鉛)材質中のカーボン(黒鉛)の消失によるジルコニア粒子のパウダースラグ中への離脱”を抑制することができ、つまり、溶損を抑制する効果を発揮する。
【0021】
炭化物は、合量で0.1質量%未満では、溶損抑制効果が小さく、また、10質量%を超えると、低融点物質が生成することにより、かえって溶損が大きくなる。従って、本発明では、炭化物の1種以上を合量で0.1〜10質量%配合することが必要であるが、好ましくは0.3〜9質量%であり、更に好ましくは、0.5〜8質量%である。但し、この炭化物のうちの炭化硼素は、3重量%以下であるのが好ましい。炭化硼素を3重量%を超えて添加すると、焼結が進行し、実機使用時においてのスポーリングによる割れが懸念されるので好ましくない。
【0022】
本発明に係る鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物は、連続鋳造用ノズルの少なくともモールドパウダースラグと接する部分に配設される。
さらに、高速鋳造用等、パウダースラグがこのパウダーライン部より下部の、完全に溶鋼に浸漬している部位、すなわち浸漬部にまで浸入してくるような条件では、この浸漬部にまで延長して配設することが可能である。また、スラブ連鋳機用等、比較的パウダーライン部の水平断面の肉厚が厚い場合には、パウダーライン部材の内管側に本体材を薄く配設しても良い。逆に、ビレット連鋳機等、比較的パウダーライン部の水平断面の肉厚が薄い場合には、パウダーライン部の外周側から内管側まですべて、本発明の連続鋳造耐火部材用耐火物を配設することもでき、これらは、いずれも本発明に包含されるものである。
【0023】
本発明に係る鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物は、少なくともパウダースラグと接する部分に配設するが、浸漬ノズルの内管に鋼中のアルミナ等が付着して、内管閉塞を生じるような条件では、内管部に、内管専用材質であるアルミナノンカーボン材質等のノンカーボン材質と組合せて配設することも可能である。更に、内管を流下する溶鋼が、偏流を生じるような条件では、内管に段差部を設けることもできる。
つまり、本発明に係る鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物を、少なくともモールドパウダースラグと接する部分に配設する場合、このパウダーライン部以外の部材は、どのような耐火物・形状でも良く、限定されるものではない。
【0024】
次に、本発明に係る鋼の連続鋳造用ノズルについて説明すると、連続鋳造用ノズルとしては、浸漬ノズル,セミノズルが好ましいが、本発明は、このノズルに特に限定されるものではない。以下、本発明に係る鋼の連続鋳造用ノズルの実施形態(本発明の耐火物のノズルへの適用例)について、図1〜4を参照しながら説明する。
【0025】
図1は、浸漬ノズルのパウダーライン部(2)に本発明の耐火物を適用した例である。図2は、図1と同様、本発明の耐火物を浸漬ノズルのパウダーライン部(2)に適用した例であるが、(3)で示す内管部にノンカーボン材質を配設し、これと組み合わせた例である。なお、図1,2中の(1)は、本体部である。
図3は、セミノズルのパウダーライン部(2)に本発明の耐火物を適用した例である。図4は、図3と同様、本発明の耐火物をセミノズルのパウダーライン部(2)に適用した例であるが、(3)で示す内管部にノンカーボン材質を配設し、これと組み合わせた例である。なお、図3,4中の(1)は、本体部である。
【0026】
次に、本発明のノズルを使用した鋼の連続鋳造法を図5,図6に示す。
図5は、前記図1に示す浸漬ノズルを使用した鋼の連続鋳造法を示す概念図であり、図6は、前記図3に示すセミノズルを使用した鋼の連続鋳造法を示す概念図である。図中、(1)は本体部、(2)はパウダーライン部、(4)は溶鋼、(5)はモールドパウダー、(6)はモールドである。
溶鋼(8)は、図5,図6に示すように、ノズルを通ってモールド(6)内に連続注入される。
【0027】
ここで、前記“従来の技術”の項で挙げた先行技術と本発明とを対比することで、本発明を更に詳細に説明する。
【0028】
本発明に関連する、パウダーライン部材の溶損を抑制する技術としては、前掲の特開平1−176271号公報があり、「Y2O3安定化ジルコニアとジルコンの合量が50〜80重量%、黒鉛10〜20重量%、炭化珪素0〜20重量%、金属シリコン1〜10重量%からなる耐火原料を使用した浸漬ノズル」が開示されている。
しかし、これは、ジルコニアの粒度に着目した発明ではなく、一般的な耐火物業界の見地からみれば、パウダーライン部材にジルコンを配合することが特徴的であり、また、金属シリコンは必須であるが、炭化物である炭化珪素は0〜20重量%と、必ずしも必須ではないことから、本発明とは異なるものである。
【0029】
前掲の特開平5−361号公報には、「ジルコニアの“125μm超”“125〜45μm”“45μm未満”の各重量比を規定した粒度分布を有し、かつ、標準篩の45〜355μm間におけるジルコニア粒子の各含有量をそれぞれ3重量%以上存在すると規定したジルコニアを70〜90重量%、粒径500μ以下の鱗状黒鉛を10〜30重量%含有する耐火物からなり、この耐火物の外側表面に少なくとも2層のコーティング層を形成させた浸漬ノズル」が開示されている。
ここでは、ジルコニアの125μmを超える粒子が30〜65重量%とあるが、粒径の上限についての記載がなく、例えば、ノズルの肉厚が一般的な40mmの場合、その肉厚を超える粒径のジルコニアを使用している筈がない。上限値が記載されていない不備のため、あえて明細書から上限値を読み取ると、実施例表中の番号4と8に「355↑」(つまり、0.355mm↑)の記載がある。「355↑」の粒度が最も多く使用されている番号8でも、「355↑」がジルコニアのうちの6%である。黒鉛の配合量も含めた全体からみた「355↑」の配合量は“4.8%”となる。「355↑」が仮にすべて本発明が規定した“0.5mmを超え1.0mm以下”の範囲に入るとしても、本発明は“5〜70質量%”の範囲であり、“4.8%”は対象外である。また、「355↑」というあいまいな粒度を使用している番号4と8には、炭化物を使用していないことからも、本発明とは異なるものである。なお、同様なことは、前掲の特開平5−367号公報についてもいえる。
【0030】
前掲の特開平5−17812号公報には、「ジルコニア原料の10μm以上を半安定化または安定化ジルコニアとし、10μmより小さい粒子を未安定化ジルコニアとし、この未安定化ジルコニアを5〜50重量%配合したジルコニア質溶融金属用ノズル」が開示されている。これは、実施例の表から、炭化物を配合しない材質、つまり、ジルコニアとバインダーからのみなる材質であることが読み取れ、本発明とは異なるものである。
【0031】
前掲の特開平9−239503号公報の請求項2には、「100〜300℃で軟化するピッチを表面にコートした粒径74〜1000μmのジルコニア原料40〜90重量%を骨材とし、他にシリカ,黒鉛粉末,カルシアの1種以上を用いた連続鋳造用ノズル耐火物」が開示されている。しかしながら、炭化物の添加を必須としていないことから、本発明とは異なるものである。
【0032】
前掲の特開平10−130053号公報には、「安定化または部分安定化ジルコニア原料を30〜70重量%、平均粒径75μm以下の未安定化ジルコニア原料を5〜30重量%、黒鉛10〜40重量%に対し、外率で炭化硼素,炭化珪素,窒化珪素,金属シリコン等を1〜30重量%添加した原料から製造された浸漬ノズル」が開示されている。
しかしながら、安定化または部分安定化ジルコニアの粒度については規定されておらず、本発明が、安定化または部分安定化ジルコニアとして“0.5mmを超え1.0mm以下を5〜70質量%使用すること”が耐蝕性向上のため重要であるとした点と異なるものである。なお、実施例からも、部分安定化ジルコニアは、最大平均粒径が200μmまでのものしか使用されておらず、通常の原料粒度から考えると、0.5mmを超え1.0mm以下の安定化または部分安定化ジルコニア原料を5〜70質量%含んでいるとは考え難い。
【0033】
前掲の特開平11−130530号公報には、「粒径50μm以上の粒子を80%以上含有するジルコニア:72〜85重量%、平均粒径50〜355μmの黒鉛:1〜27.5重量%、平均粒径1μm以下の窒化硼素:0.5〜3重量%を少なくとも含有する、窒化硼素含有耐火物」が開示されている。これは、窒化硼素を必須とした発明であり、本発明とは異なるものである。また、明細書中でも、50〜200μmの粒子を多用することが好ましいとあるため、“0.5mmを超え1.0mm以下を5〜70質量%使用すること”に着目しているとは考え難い。
【0034】
前掲の特許第3159432号明細書には、「粒径が150〜10μmの中間粒ジルコニアを40〜87重量%と、粒径が10μm未満の微粉ジルコニアを10〜50重量%と、黒鉛を2〜10重量%とからなるジルコニア−黒鉛質耐火物」が請求項1で開示されている。また、これに加えて請求項2には「粒径が150〜500μmの粗粒ジルコニアを1〜30重量%配合すること」が開示されているが、実施例を見ても500μm以上のジルコニアの記載はなく、これらのことから、この特許第3159432号発明では、500μm以上のジルコニアの効果には着目していないと考えられる。
【0035】
前掲の特開平11−302073号公報には、「ジルコニア原料70〜95重量%及び黒鉛5〜30重量%からなり、前記ジルコニアの粒度構成が、45μm以下のジルコニア粒が70%以上であるジルコニア−黒鉛質耐火物」が開示されている。しかし、これは、微粉ジルコニアの配合量を増加させることで、耐火物の溶損を抑制しようとしており、実施例でも150μmより大きな粒は使用していない。また、比較例でも500μmまでの使用であり、500μmより大きなジルコニア粒の使用は考慮されていないものと考えられる。
【0036】
つまり、従来の技術では、0.5mmを超え1.0mm以下の粒子径のジルコニアの配合量を適正範囲にすることで、パウダーライン部材の耐溶損性を顕著に向上させたものはない。また、一部0.5mmを超え1.0mm以下のジルコニアが含まれる配合であっても、この0.5mmを超え1.0mm以下のジルコニアとカーボン(黒鉛)と炭化物の複合効果についての知見はないため、ここに本発明の新規性がある。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例1〜10によって限定されるものではない。
【0038】
(実施例1〜10,比較例1〜10)
表1,表2に示す配合割合を有する耐火原料配合物に、バインダーとして、フェノール樹脂を外掛けで4重量%添加し、混練後、200℃で10時間乾燥し、20×20×200mmの形状に成形した。成形後、還元雰囲気中1100℃で3時間焼成することにより、実施例1〜10及び比較例1〜10のサンプルを得た。なお、表1,表2に示す「0.5超〜1.0mmのジルコニア」は、CaO部分安定化ジルコニアである。
【0039】
得られた各サンプルについて、耐溶損性を測定した。測定方法としては、高周波誘導炉にて溶解した鋼の上にモールドパウダーを散布し、そこへ前記サンプルを浸漬した。そして、2時間経った後、サンプルを回収して溶損量を測定し、溶損指数を計算した。溶損指数は、比較例6を100として表示した。なお、溶損指数は、少ない方が耐溶損性に優れていることを示す。
また、「評価」の基準としては、溶損指数が2割以上改善されたものを“◎”、2割まではいかないが、比較例6より良好な溶損指数のものを“○”、比較例6より悪化したものを“×”として示した。
【0040】
表1に、実施例1〜10の耐火物の組成,溶損指数,評価結果を示し、表2に、比較例1〜10の耐火物の組成,溶損指数,評価結果を示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
表1から、本発明の範囲内の耐火物組成からなる実施例1〜10では、耐溶損性に優れ、評価も“◎”または“○”であることが理解できる。
一方、表2から、本発明の範囲外の耐火物組成からなる比較例1〜10、すなわち、「黒鉛の配合量が本発明の範囲外である比較例1,2」「0.5mmを超え1.0mm以下の粒子径を有する部分安定化ジルコニア原料の配合量が本発明の範囲外である比較例3,4,9」「黒鉛の配合量が本発明の範囲外であり、上記部分安定化ジルコニア原料を配合しない比較例5」「上記部分安定化ジルコニア原料を配合しない比較例6」「炭化物の配合量が本発明の範囲外である比較例7,8」「炭化物を配合しない比較例10」では、いずれも耐溶損指数が“100以上”であって耐溶損性が劣り、評価もすべて“×”であった。
【0044】
【発明の効果】
本発明に係る鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物および連続鋳造用ノズルは、以上詳記したとおり、「0.5mmを超え1.0mm以下の粒子径の安定化または部分安定化ジルコニア原料を5〜70質量%でかつジルコニア原料の総量で70質量%以上99質量%未満、カーボンを1質量%以上20質量%未満、及び、炭化物の1種以上を合量で0.1〜10質量%からなること」を特徴とする。
これにより、パウダースラグに対する耐溶損性に優れた耐火物を提供することができ、また、この耐火物を鋼の連続鋳造用ノズル(浸漬ノズル,セミノズル)のパウダーライン部に配設することにより、パウダーライン部材の耐溶損性を向上させ、連々数の増加や生産効率の向上に寄与する鋼の連続鋳造用ノズルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐火物を浸漬ノズルのパウダーライン部に適用した例である。
【図2】本発明の耐火物を浸漬ノズルのパウダーライン部に適用し、内管材にノンカーボン材質を組み合わせた例である。
【図3】本発明の耐火物をセミノズルのパウダーライン部に適用した例である。
【図4】本発明の耐火物をセミノズルのパウダーライン部に適用し、内管材にノンカーボン材質を組み合わせた例である。
【図5】浸漬ノズルを使用した鋼の連続鋳造の概念図である。
【図6】セミノズルを使用した鋼の連続鋳造の概念図である。
【符号の説明】
(1) 本体部
(2) パウダーライン部
(3) 内管部
(4) 溶鋼
(5) モールドパウダー
(6) モールド
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物、および、該耐火物を用いた鋼の連続鋳造用ノズルに関するものであり、更に詳しくは、鋼の連続鋳造に用いられる浸漬ノズル,セミノズル等の連続鋳造用ノズルの少なくともモールドパウダースラグと接する部位、すなわちパウダーライン部材に適用し、この部材の耐溶損性を高めることができる新規な鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物、および、該耐火物を用いた鋼の連続鋳造用ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼の連続鋳造に用いられる浸漬ノズル,セミノズル等の連続鋳造用ノズルにおいて、該ノズルの少なくともモールドパウダースラグと接する部位、即ちパウダーライン部材には、従来より、ジルコニア−黒鉛質が広く用いられている。
【0003】
パウダーライン部材は、モールドに投入されるモールドパウダーが溶融したパウダースラグによって浸蝕され、溶損するため、この部材の溶損が連々数を律速する一因となっている。そのため、このパウダーライン部材の耐溶損性を向上させることは、鋼の生産効率を向上させるために非常に重要である。
【0004】
ジルコニア−黒鉛質は、アルミナ−黒鉛質やスピネル−カーボン質等の他の材質と比較して、パウダースラグに対する耐溶損性が優れており、そのため、このジルコニア−黒鉛質をベースとして種々改良が施されている。
例えば、特開平1−176271号公報には、「Y2O3安定化ジルコニアとジルコンの合量が50〜80重量%、黒鉛10〜20重量%、炭化珪素0〜20重量%、金属シリコン1〜10重量%からなる耐火原料を使用した浸漬ノズル」が開示されている。
【0005】
また、特開平5−361号公報には、「ジルコニアの“125μm超”“125〜45μm”“45μm未満”の各重量比を規定した粒度分布を有し、かつ、標準篩の45〜355μm間におけるジルコニア粒子の各含有量をそれぞれ3重量%以上存在すると規定したジルコニアを70〜90重量%、粒径500μ以下の鱗状黒鉛を10〜30重量%含有する耐火物からなり、この耐火物の外側表面に少なくとも2層のコーティング層を形成させた浸漬ノズル」が開示されている。これと同様な技術が特開平5−367号公報にも開示されている。
特開平5−17812号公報には、「ジルコニア原料の10μm以上を半安定化または安定化ジルコニアとし、10μmより小さい粒子を未安定化ジルコニアとし、この未安定化ジルコニアを5〜50重量%配合したジルコニア質溶融金属用ノズル」が開示されている。
【0006】
特開平9−239503号公報の請求項2には、「100〜300℃で軟化するピッチを表面にコートした粒径74〜1000μmのジルコニア原料40〜90重量%を骨材とし、他にシリカ,黒鉛粉末,カルシアの1種以上を用いた連続鋳造用ノズル耐火物」が開示されている。
特開平10−130053号公報には、「安定化または部分安定化ジルコニア原料を30〜70重量%、平均粒径75μm以下の未安定化ジルコニア原料を5〜30重量%、黒鉛10〜40重量%に対し、外率で炭化硼素,炭化珪素,窒化珪素,金属シリコン等を1〜30重量%添加した原料から製造された浸漬ノズル」が開示されている。
【0007】
特開平11−130530号公報には、「粒径50μm以上の粒子を80%以上含有するジルコニア:72〜85重量%、平均粒径50〜355μmの黒鉛:1〜27.5重量%、平均粒径1μm以下の窒化硼素:0.5〜3重量%を少なくとも含有する、窒化硼素含有耐火物」が開示されている。
特許第3159432号明細書には、「粒径が150〜10μmの中間粒ジルコニアを40〜87重量%と、粒径が10μm未満の微粉ジルコニアを10〜50重量%と、黒鉛を2〜10重量%とからなるジルコニア−黒鉛質耐火物」が開示されている。
【0008】
特開平11−302073号公報には、「ジルコニア原料70〜95重量%及び黒鉛5〜30重量%からなり、前記ジルコニアの粒度構成が、45μm以下のジルコニア粒が70%以上であるジルコニア−黒鉛質耐火物」が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の各技術は、比較的小さな粒径のジルコニアを用いているか、または、比較的大きな粒径のジルコニアを用いている場合でも、カーボンの酸化を効率的に抑制できる炭化物の添加方法に注目していないため、パウダーライン部材の溶損抑制効果が顕著に発揮されない、という問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するものであり、パウダースラグに対する耐溶損性を向上させ得る新規な連続鋳造耐火部材用耐火物、および、該耐火物を用いた鋼の連続鋳造用ノズルを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、比較的大きな粒径のジルコニア原料を積極的に配合した“ジルコニア−カーボン−炭化物系耐火物”を、鋼の連続鋳造耐火部材の少なくともパウダースラグと接触する部位に配設することで、耐溶損性に優れた連続鋳造耐火部材用耐火物を開発することに成功した。
【0011】
即ち、本発明に係る鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物は、「少なくともモールドパウダースラグと接する部分の耐火物が、0.5mmを超え1.0mm以下の粒子径の安定化または部分安定化ジルコニア原料を5〜70質量%でかつジルコニア原料の総量で70質量%以上99質量%未満、カーボンを1質量%以上20質量%未満、及び、炭化物の1種以上を合量で0.1〜10質量%からなる」ことを特徴とし(請求項1)、これにより、前記した目的とする“パウダースラグに対する耐溶損性を向上させ得る連続鋳造耐火部材用耐火物”を提供することができる。
【0012】
また、本発明に係る鋼の連続鋳造用ノズルは、「少なくともモールドパウダースラグと接する部分の耐火物部材が、請求項1に記載の鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物であること」を特徴とし(請求項2,3)、これにより、前記した目的とする“パウダースラグに対する耐溶損性を向上させ得る連続鋳造用ノズル”を提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を含めて、本発明について詳細に説明する。なお、本発明での粒度の区切りは、「標準フルイ規格(JIS Z8801)のフルイ目開き」を基準とした。
【0014】
パウダーライン部に適用されている従来のジルコニア−カーボン質材料としては、0.5mm以下の粒度のジルコニアが広く使用されている。これは、0.5mmを超える粒子径のものを使用すると、気孔径が大きくなることで耐酸化性が低下し、耐溶損性が低下するためである。
しかし、本発明者等は、0.5mmを超え1.0mm以下の粒子径のジルコニアを使用しても、少量の炭化物を併用することで耐酸化性を改良し、耐溶損性が格段に向上することを見出した。
【0015】
即ち、本発明は、0.5mmを超え1.0mm以下の粒子径のジルコニアと炭化物との併用を特徴とする。そして、この0.5mmを超え1.0mm以下の粒子径のジルコニアは、5〜70質量%(好ましくは10〜50質量%)である。5質量%以下では、耐溶損性に及ぼす効果が少なく、また、70質量%を超えると、ノズルとしての強度が確保し難くなるので、好ましくない。
【0016】
また、本発明において、0.5mmを超え1.0mm以下の粒子径のジルコニアとしては、安定化または部分安定化ジルコニア原料を使用することを特徴とする。安定化または部分安定化されていないジルコニア原料を使用すると、加熱により異常体積変化が生じ、ノズルの割れにつながることがあるので好ましくない。
安定化剤としては、イットリア,マグネシア,カルシア等の自明の安定化剤を任意に使用することができるが、価格と耐用の面を考慮すると、カルシア安定化品が好ましい。
【0017】
本発明においては、上記した特定の粒子径以外のジルコニア、例えば、1.0mmを超えるジルコニア粒子を配合することができる。但し、1.0mmを超えるジルコニア粒子は、多量に配合すると強度が著しく低下するため好ましくないが、5重量%までは可能である。このジルコニアの粒度の上限値としては、3mm程度である。
0.5mm以下のジルコニア粒子も配合することができるが、この0.5mm以下のジルコニア粒子のみでは、耐溶損性に対して効果が少ない。また、「カーボン,炭化物および0.5mmを超え1.0mm以下の粒子径のジルコニア」のみでは、強度が低いため、0.106mm以下のジルコニア粒子を出来れば30〜55重量%程度は配合した方が好ましい。なお、この0.106mm以下のジルコニアとしては、未安定化ジルコニアの使用も可能である。
【0018】
本発明において、“0.5mmを超え1.0mm以下の粒子径のジルコニア”を含めてジルコニア原料の総量としては、70質量%以上99質量%未満配合することを特徴とする。好ましくは75〜95質量%である。
ジルコニア原料の総量が70質量%未満では、耐溶損性が劣り、逆に、99質量以上では、カーボンの添加量が少なくなるため、耐スポーリング性に劣るという問題が生じる。
【0019】
本発明において、カーボンの配合量としては、1質量%以上20質量%未満を必要とする。1質量%未満では、耐スポーリング特性が劣り、また、20質量%以上では、相対的にジルコニアの配合量が低下するため、耐溶損性が低下する。カーボンの配合量のより好ましい範囲は3〜17質量%であり、更に好ましくは5〜15質量%である。
カーボンとしては、黒鉛が好ましいが、黒鉛以外のカーボン原料、例えば、カーボンブラックや粉末レジン,液体レジン等も使用可能である。
【0020】
本発明において、炭化物の1種以上を合量で0.1〜10質量%配合することが必要である。炭化物としては、炭化珪素,炭化硼素などが挙げられる。
炭化物は、カーボン(黒鉛)の酸化を抑制するため、“ジルコニア−カーボン(黒鉛)材質中のカーボン(黒鉛)の消失によるジルコニア粒子のパウダースラグ中への離脱”を抑制することができ、つまり、溶損を抑制する効果を発揮する。
【0021】
炭化物は、合量で0.1質量%未満では、溶損抑制効果が小さく、また、10質量%を超えると、低融点物質が生成することにより、かえって溶損が大きくなる。従って、本発明では、炭化物の1種以上を合量で0.1〜10質量%配合することが必要であるが、好ましくは0.3〜9質量%であり、更に好ましくは、0.5〜8質量%である。但し、この炭化物のうちの炭化硼素は、3重量%以下であるのが好ましい。炭化硼素を3重量%を超えて添加すると、焼結が進行し、実機使用時においてのスポーリングによる割れが懸念されるので好ましくない。
【0022】
本発明に係る鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物は、連続鋳造用ノズルの少なくともモールドパウダースラグと接する部分に配設される。
さらに、高速鋳造用等、パウダースラグがこのパウダーライン部より下部の、完全に溶鋼に浸漬している部位、すなわち浸漬部にまで浸入してくるような条件では、この浸漬部にまで延長して配設することが可能である。また、スラブ連鋳機用等、比較的パウダーライン部の水平断面の肉厚が厚い場合には、パウダーライン部材の内管側に本体材を薄く配設しても良い。逆に、ビレット連鋳機等、比較的パウダーライン部の水平断面の肉厚が薄い場合には、パウダーライン部の外周側から内管側まですべて、本発明の連続鋳造耐火部材用耐火物を配設することもでき、これらは、いずれも本発明に包含されるものである。
【0023】
本発明に係る鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物は、少なくともパウダースラグと接する部分に配設するが、浸漬ノズルの内管に鋼中のアルミナ等が付着して、内管閉塞を生じるような条件では、内管部に、内管専用材質であるアルミナノンカーボン材質等のノンカーボン材質と組合せて配設することも可能である。更に、内管を流下する溶鋼が、偏流を生じるような条件では、内管に段差部を設けることもできる。
つまり、本発明に係る鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物を、少なくともモールドパウダースラグと接する部分に配設する場合、このパウダーライン部以外の部材は、どのような耐火物・形状でも良く、限定されるものではない。
【0024】
次に、本発明に係る鋼の連続鋳造用ノズルについて説明すると、連続鋳造用ノズルとしては、浸漬ノズル,セミノズルが好ましいが、本発明は、このノズルに特に限定されるものではない。以下、本発明に係る鋼の連続鋳造用ノズルの実施形態(本発明の耐火物のノズルへの適用例)について、図1〜4を参照しながら説明する。
【0025】
図1は、浸漬ノズルのパウダーライン部(2)に本発明の耐火物を適用した例である。図2は、図1と同様、本発明の耐火物を浸漬ノズルのパウダーライン部(2)に適用した例であるが、(3)で示す内管部にノンカーボン材質を配設し、これと組み合わせた例である。なお、図1,2中の(1)は、本体部である。
図3は、セミノズルのパウダーライン部(2)に本発明の耐火物を適用した例である。図4は、図3と同様、本発明の耐火物をセミノズルのパウダーライン部(2)に適用した例であるが、(3)で示す内管部にノンカーボン材質を配設し、これと組み合わせた例である。なお、図3,4中の(1)は、本体部である。
【0026】
次に、本発明のノズルを使用した鋼の連続鋳造法を図5,図6に示す。
図5は、前記図1に示す浸漬ノズルを使用した鋼の連続鋳造法を示す概念図であり、図6は、前記図3に示すセミノズルを使用した鋼の連続鋳造法を示す概念図である。図中、(1)は本体部、(2)はパウダーライン部、(4)は溶鋼、(5)はモールドパウダー、(6)はモールドである。
溶鋼(8)は、図5,図6に示すように、ノズルを通ってモールド(6)内に連続注入される。
【0027】
ここで、前記“従来の技術”の項で挙げた先行技術と本発明とを対比することで、本発明を更に詳細に説明する。
【0028】
本発明に関連する、パウダーライン部材の溶損を抑制する技術としては、前掲の特開平1−176271号公報があり、「Y2O3安定化ジルコニアとジルコンの合量が50〜80重量%、黒鉛10〜20重量%、炭化珪素0〜20重量%、金属シリコン1〜10重量%からなる耐火原料を使用した浸漬ノズル」が開示されている。
しかし、これは、ジルコニアの粒度に着目した発明ではなく、一般的な耐火物業界の見地からみれば、パウダーライン部材にジルコンを配合することが特徴的であり、また、金属シリコンは必須であるが、炭化物である炭化珪素は0〜20重量%と、必ずしも必須ではないことから、本発明とは異なるものである。
【0029】
前掲の特開平5−361号公報には、「ジルコニアの“125μm超”“125〜45μm”“45μm未満”の各重量比を規定した粒度分布を有し、かつ、標準篩の45〜355μm間におけるジルコニア粒子の各含有量をそれぞれ3重量%以上存在すると規定したジルコニアを70〜90重量%、粒径500μ以下の鱗状黒鉛を10〜30重量%含有する耐火物からなり、この耐火物の外側表面に少なくとも2層のコーティング層を形成させた浸漬ノズル」が開示されている。
ここでは、ジルコニアの125μmを超える粒子が30〜65重量%とあるが、粒径の上限についての記載がなく、例えば、ノズルの肉厚が一般的な40mmの場合、その肉厚を超える粒径のジルコニアを使用している筈がない。上限値が記載されていない不備のため、あえて明細書から上限値を読み取ると、実施例表中の番号4と8に「355↑」(つまり、0.355mm↑)の記載がある。「355↑」の粒度が最も多く使用されている番号8でも、「355↑」がジルコニアのうちの6%である。黒鉛の配合量も含めた全体からみた「355↑」の配合量は“4.8%”となる。「355↑」が仮にすべて本発明が規定した“0.5mmを超え1.0mm以下”の範囲に入るとしても、本発明は“5〜70質量%”の範囲であり、“4.8%”は対象外である。また、「355↑」というあいまいな粒度を使用している番号4と8には、炭化物を使用していないことからも、本発明とは異なるものである。なお、同様なことは、前掲の特開平5−367号公報についてもいえる。
【0030】
前掲の特開平5−17812号公報には、「ジルコニア原料の10μm以上を半安定化または安定化ジルコニアとし、10μmより小さい粒子を未安定化ジルコニアとし、この未安定化ジルコニアを5〜50重量%配合したジルコニア質溶融金属用ノズル」が開示されている。これは、実施例の表から、炭化物を配合しない材質、つまり、ジルコニアとバインダーからのみなる材質であることが読み取れ、本発明とは異なるものである。
【0031】
前掲の特開平9−239503号公報の請求項2には、「100〜300℃で軟化するピッチを表面にコートした粒径74〜1000μmのジルコニア原料40〜90重量%を骨材とし、他にシリカ,黒鉛粉末,カルシアの1種以上を用いた連続鋳造用ノズル耐火物」が開示されている。しかしながら、炭化物の添加を必須としていないことから、本発明とは異なるものである。
【0032】
前掲の特開平10−130053号公報には、「安定化または部分安定化ジルコニア原料を30〜70重量%、平均粒径75μm以下の未安定化ジルコニア原料を5〜30重量%、黒鉛10〜40重量%に対し、外率で炭化硼素,炭化珪素,窒化珪素,金属シリコン等を1〜30重量%添加した原料から製造された浸漬ノズル」が開示されている。
しかしながら、安定化または部分安定化ジルコニアの粒度については規定されておらず、本発明が、安定化または部分安定化ジルコニアとして“0.5mmを超え1.0mm以下を5〜70質量%使用すること”が耐蝕性向上のため重要であるとした点と異なるものである。なお、実施例からも、部分安定化ジルコニアは、最大平均粒径が200μmまでのものしか使用されておらず、通常の原料粒度から考えると、0.5mmを超え1.0mm以下の安定化または部分安定化ジルコニア原料を5〜70質量%含んでいるとは考え難い。
【0033】
前掲の特開平11−130530号公報には、「粒径50μm以上の粒子を80%以上含有するジルコニア:72〜85重量%、平均粒径50〜355μmの黒鉛:1〜27.5重量%、平均粒径1μm以下の窒化硼素:0.5〜3重量%を少なくとも含有する、窒化硼素含有耐火物」が開示されている。これは、窒化硼素を必須とした発明であり、本発明とは異なるものである。また、明細書中でも、50〜200μmの粒子を多用することが好ましいとあるため、“0.5mmを超え1.0mm以下を5〜70質量%使用すること”に着目しているとは考え難い。
【0034】
前掲の特許第3159432号明細書には、「粒径が150〜10μmの中間粒ジルコニアを40〜87重量%と、粒径が10μm未満の微粉ジルコニアを10〜50重量%と、黒鉛を2〜10重量%とからなるジルコニア−黒鉛質耐火物」が請求項1で開示されている。また、これに加えて請求項2には「粒径が150〜500μmの粗粒ジルコニアを1〜30重量%配合すること」が開示されているが、実施例を見ても500μm以上のジルコニアの記載はなく、これらのことから、この特許第3159432号発明では、500μm以上のジルコニアの効果には着目していないと考えられる。
【0035】
前掲の特開平11−302073号公報には、「ジルコニア原料70〜95重量%及び黒鉛5〜30重量%からなり、前記ジルコニアの粒度構成が、45μm以下のジルコニア粒が70%以上であるジルコニア−黒鉛質耐火物」が開示されている。しかし、これは、微粉ジルコニアの配合量を増加させることで、耐火物の溶損を抑制しようとしており、実施例でも150μmより大きな粒は使用していない。また、比較例でも500μmまでの使用であり、500μmより大きなジルコニア粒の使用は考慮されていないものと考えられる。
【0036】
つまり、従来の技術では、0.5mmを超え1.0mm以下の粒子径のジルコニアの配合量を適正範囲にすることで、パウダーライン部材の耐溶損性を顕著に向上させたものはない。また、一部0.5mmを超え1.0mm以下のジルコニアが含まれる配合であっても、この0.5mmを超え1.0mm以下のジルコニアとカーボン(黒鉛)と炭化物の複合効果についての知見はないため、ここに本発明の新規性がある。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例1〜10によって限定されるものではない。
【0038】
(実施例1〜10,比較例1〜10)
表1,表2に示す配合割合を有する耐火原料配合物に、バインダーとして、フェノール樹脂を外掛けで4重量%添加し、混練後、200℃で10時間乾燥し、20×20×200mmの形状に成形した。成形後、還元雰囲気中1100℃で3時間焼成することにより、実施例1〜10及び比較例1〜10のサンプルを得た。なお、表1,表2に示す「0.5超〜1.0mmのジルコニア」は、CaO部分安定化ジルコニアである。
【0039】
得られた各サンプルについて、耐溶損性を測定した。測定方法としては、高周波誘導炉にて溶解した鋼の上にモールドパウダーを散布し、そこへ前記サンプルを浸漬した。そして、2時間経った後、サンプルを回収して溶損量を測定し、溶損指数を計算した。溶損指数は、比較例6を100として表示した。なお、溶損指数は、少ない方が耐溶損性に優れていることを示す。
また、「評価」の基準としては、溶損指数が2割以上改善されたものを“◎”、2割まではいかないが、比較例6より良好な溶損指数のものを“○”、比較例6より悪化したものを“×”として示した。
【0040】
表1に、実施例1〜10の耐火物の組成,溶損指数,評価結果を示し、表2に、比較例1〜10の耐火物の組成,溶損指数,評価結果を示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
表1から、本発明の範囲内の耐火物組成からなる実施例1〜10では、耐溶損性に優れ、評価も“◎”または“○”であることが理解できる。
一方、表2から、本発明の範囲外の耐火物組成からなる比較例1〜10、すなわち、「黒鉛の配合量が本発明の範囲外である比較例1,2」「0.5mmを超え1.0mm以下の粒子径を有する部分安定化ジルコニア原料の配合量が本発明の範囲外である比較例3,4,9」「黒鉛の配合量が本発明の範囲外であり、上記部分安定化ジルコニア原料を配合しない比較例5」「上記部分安定化ジルコニア原料を配合しない比較例6」「炭化物の配合量が本発明の範囲外である比較例7,8」「炭化物を配合しない比較例10」では、いずれも耐溶損指数が“100以上”であって耐溶損性が劣り、評価もすべて“×”であった。
【0044】
【発明の効果】
本発明に係る鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物および連続鋳造用ノズルは、以上詳記したとおり、「0.5mmを超え1.0mm以下の粒子径の安定化または部分安定化ジルコニア原料を5〜70質量%でかつジルコニア原料の総量で70質量%以上99質量%未満、カーボンを1質量%以上20質量%未満、及び、炭化物の1種以上を合量で0.1〜10質量%からなること」を特徴とする。
これにより、パウダースラグに対する耐溶損性に優れた耐火物を提供することができ、また、この耐火物を鋼の連続鋳造用ノズル(浸漬ノズル,セミノズル)のパウダーライン部に配設することにより、パウダーライン部材の耐溶損性を向上させ、連々数の増加や生産効率の向上に寄与する鋼の連続鋳造用ノズルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐火物を浸漬ノズルのパウダーライン部に適用した例である。
【図2】本発明の耐火物を浸漬ノズルのパウダーライン部に適用し、内管材にノンカーボン材質を組み合わせた例である。
【図3】本発明の耐火物をセミノズルのパウダーライン部に適用した例である。
【図4】本発明の耐火物をセミノズルのパウダーライン部に適用し、内管材にノンカーボン材質を組み合わせた例である。
【図5】浸漬ノズルを使用した鋼の連続鋳造の概念図である。
【図6】セミノズルを使用した鋼の連続鋳造の概念図である。
【符号の説明】
(1) 本体部
(2) パウダーライン部
(3) 内管部
(4) 溶鋼
(5) モールドパウダー
(6) モールド
Claims (3)
- 少なくともモールドパウダースラグと接する部分の耐火物が、0.5mmを超え1.0mm以下の粒子径の安定化または部分安定化ジルコニア原料を5〜70質量%でかつジルコニア原料の総量で70質量%以上99質量%未満、カーボンを1質量%以上20質量%未満、及び、炭化物の1種以上を合量で0.1〜10質量%からなることを特徴とする鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物。
- 少なくともモールドパウダースラグと接する部分の耐火物部材が、請求項1に記載の鋼の連続鋳造耐火部材用耐火物であることを特徴とする鋼の連続鋳造用ノズル。
- 前記鋼の連続鋳造用ノズルが、浸漬ノズルまたはセミノズルであることを特徴とする請求項2に記載の鋼の連続鋳造用ノズル。
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2002
- 2002-08-01 JP JP2002224736A patent/JP2004066251A/ja active Pending
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