JP2004065827A - 遊技機 - Google Patents

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Toshio Miyasoi
宮副 敏雄
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Abstract

【課題】入賞口閉鎖時に入賞口付近に集まった遊技媒体によって興趣が提供できる。
【解決手段】領域A1に配置されている多数の釘は、大入賞口50に向かって遊技球を誘導するように配置されているため、遊技球は大入賞口50の付近に集まっていく。ここで、大当り状態でない場合には、大入賞口50は閉鎖されているため、大入賞口50の付近に集まってきた遊技球の多くは、開閉部材55に当たって種々の方向に弾かれる。しかし、開閉部材55の窪み55aに当たった遊技球は、窪み55aによりワープ通路入口58へ向かうため、ワープ通路入口58に入りやすくなる。そして、ワープ通路入口58に入った遊技球は、ワープ通路出口59から遊技盤30の表側に戻るため、始動口42に入賞しやすくなり、特別図柄表示装置40での変動表示が開始される機会が増えることになる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の遊技機としては、開閉可能な入賞口を備えたものが知られている。この入賞口は、通常の遊技状態では遊技球を受け入れないよう閉鎖されているが、特定の遊技状態となった場合には遊技球を受け入れやすくなるよう開放される。この種の遊技機では、入賞口付近に遊技球が導かれるような盤面構成(例えば釘の向きや位置など)が採用されている。これは、開放中の入賞口付近に遊技球が集まらなければ入賞しにくいため遊技者の気分を害するのに対して、開放中の入賞口付近に遊技球が集まれば入賞しやすいため遊技者は気分良く遊技できるからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、入賞口付近に遊技球が導かれるような盤面構成は入賞口が開放している状態では遊技者にとって好ましいのであるが、入賞口が閉鎖している状態では特に意味のあるものではなかった。
【0004】
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、入賞口閉鎖時に入賞口付近に集まった遊技媒体によって興趣を提供できる遊技機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記の目的を達成するための有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じてその作用等についても説明する。
【0006】
手段1.開閉可能な入賞口と、
遊技盤面に放たれた遊技媒体を前記入賞口の付近へと誘導可能な遊技媒体誘導部と、
少なくとも前記入賞口が閉鎖しているときに前記遊技盤面に現れて前記入賞口の付近の遊技媒体の移動方向を規制して遊技性を持たせる遊技媒体規制部と
を備えた遊技機。
【0007】
この遊技機では、遊技盤面に放たれた遊技媒体は遊技媒体誘導部により入賞口の付近へと導かれやすい。このため、入賞口が開放しているときには入賞口へ遊技媒体が入る可能性が高くなる。また、入賞口が閉鎖しているときには入賞口付近へ遊技媒体が集まってくるが、このときには遊技媒体規制部が盤面に現れて遊技媒体の移動方向を規制して遊技性を持たせるので、遊技者は入賞口付近へ導かれた遊技媒体の遊技性を楽しむことができる。したがって、入賞口閉鎖時に入賞口付近に集まった遊技媒体によって興趣を提供できる。なお、「遊技媒体」とは、遊技に用いることが可能な媒体であれば特にどのようなものでもよいが、例えばパチンコ玉やスマートボールなどに用いられる遊技球とか、スロットマシンに用いられるメダルなどが挙げられる。また、「遊技媒体規制部」は、入賞口閉鎖時に限って遊技盤面に現れるものであってもよいし、入賞口閉鎖時以外にも遊技盤面に現れるものであってもよい。
【0008】
手段2.手段1に記載の遊技機であって、前記入賞口の近くに遊技媒体を受入可能に設けられ遊技媒体を受け入れたときに遊技者に好ましい状況になる遊技媒体受入部を備え、前記遊技媒体規制部は、前記入賞口が閉鎖しているときに前記遊技盤面に現れて前記入賞口の付近の遊技媒体の移動方向を前記遊技媒体受入部へ向かうように規制する遊技機。こうすれば、入賞口が閉鎖しているときには入賞口付近へ集まってきた遊技媒体は遊技媒体規制部により遊技媒体受入部へ向かうため、遊技媒体受入部へ遊技媒体が受け入れられやすくなり、遊技者に好ましい状況になりやすい。但し、遊技媒体規制部は遊技媒体との接触具合によって遊技媒体を遊技媒体受入部に向かわせる場合と向かわせない場合とがあってもよく、また、遊技媒体受入部へ向かった遊技媒体は遊技媒体受入部に入ることもあるが入らないこともある(以下同じ)。なお、「遊技媒体受入部」における「受入」とは、入賞や通過のほか接触なども含む意である。
【0009】
手段3.手段2に記載の遊技機であって、前記遊技者に好ましい状況とは、遊技者に有利な遊技状態となるためのきっかけとなる状況である遊技機。こうすれば、入賞口が閉鎖しているときには入賞口付近へ集まってきた遊技媒体は遊技媒体規制部により遊技媒体受入部へ向かうため、遊技媒体受入部へ遊技媒体が受け入れられやすくなり、遊技者に有利な遊技状態となるためのきっかけが増える。
【0010】
手段4.手段3に記載の遊技機であり、絵柄表示装置の絵柄が変動したあと停止したときの停止絵柄が予め定められた所定絵柄となることを必要条件として遊技者にとって有利な遊技状態となる遊技機であって、前記遊技媒体受入部は、前記絵柄表示装置の絵柄の変動を開始させる始動口若しくは始動ゲートであるか、又は前記始動口若しくは前記始動ゲートの付近に遊技媒体を搬送する搬送通路の入口である遊技機。こうすれば、入賞口が閉鎖しているときには入賞口付近へ集まってきた遊技媒体は遊技媒体規制部により遊技媒体受入部へ向かうため、遊技媒体受入部へ遊技媒体が受け入れられやすくなり、絵柄の変動が開始される機会(つまり遊技者に有利な遊技状態となるためのきっかけ)が増える。
【0011】
手段5.手段1〜4のいずれかに記載の遊技機であって、前記入賞口は、上方に向かって開いている開口部と該開口部を開閉可能な開閉部材とを有し、前記開閉部材は、前記開口部の閉鎖時に該開口部を覆う被覆面に前記遊技媒体規制部が形成されている遊技機。こうすれば、入賞口の閉鎖時に遊技盤面に現れる本発明の遊技媒体規制部を比較的簡単に実現できる。
【0012】
手段6.手段1〜4のいずれかに記載の遊技機であって、前記入賞口は、前方に向かって開いている開口部と該開口部を開閉可能な開閉部材とを有し、前記開閉部材は、前記開口部の閉鎖時に該開口部を覆う被覆面に前記遊技媒体規制部が形成されている遊技機。こうすれば、入賞口の閉鎖時に遊技盤面に現れる本発明の遊技媒体規制部を比較的簡単に実現できる。
【0013】
手段7.手段5又は6に記載の遊技機であって、前記被覆面に形成された遊技媒体規制部は、突起又は窪みである遊技機。こうすれば、突起又は窪みに遊技媒体が当たると遊技媒体の移動方向が変わるため遊技性を持たせることができる。
【0014】
手段8.手段1〜7のいずれかに記載の遊技機であって、前記入賞口は前記遊技盤面の上方に配置されている遊技機。こうすれば、入賞口の閉鎖時に遊技媒体誘導部によって入賞口付近に誘導された遊技媒体は、遊技媒体規制部による規制を受けなかったとしても、その後下方に移動する途中で他の入賞口等へ入賞することが期待できる。
【0015】
手段9.手段1〜8のいずれかに記載の遊技機であって、前記入賞口は遊技者にとって有利な遊技状態のときに開放される大入賞口である遊技機。従来、大入賞口はいわゆる大当り状態のような遊技者にとって有利な遊技状態のときに開放されるため開放時に大入賞口へ遊技媒体を誘導する要望が強い反面、閉鎖時に大入賞口付近へ意味もなく遊技媒体が誘導されてしまい興趣がそがれることがあったため、その点で本発明を適用する意義が大きい。
【0016】
手段10.前記遊技機はパチンコ機である手段1〜9のいずれかに記載の遊技機。こうすれば、パチンコ機において、手段1〜9の作用効果が得られる。ここで、パチンコ機は、いわゆる第1種、第2種、第3種と称される機種であってもよいが、これら以外であっても前出の入賞口と遊技媒体誘導部と遊技媒体規制部とを備えたものであればよい。
【0017】
手段11.前記遊技機はスロットマシンである手段1〜9のいずれかの遊技機。こうすれば、スロットマシンにおいて、手段1〜9の作用効果が得られる。ここで、スロットマシンは、いわゆるAタイプ(ビッグボーナスゲームが小役ゲーム30回とJACゲーム3回のセットで構成されるタイプ)、Bタイプ(ビッグボーナスゲームが小役ゲーム30回とJACゲーム2回のセットで構成されるタイプ)、Cタイプ(シングルボーナスが頻繁に揃うタイプ)、AタイプとCタイプの複合機、BタイプとCタイプの複合機と称される機種のいずれであってもよいが、これら以外であっても前出の入賞口と遊技媒体誘導部と遊技媒体規制部とを備えたものであればよい。
【0018】
手段12.前記遊技機はスロットマシンとパチンコ機とを融合させてなる手段1〜9のいずれかの遊技機。こうすれば、スロットマシンとパチンコ機とを融合させてなる遊技機(融合機)において、手段1〜9の作用効果が得られる。ここで、融合機としては、例えば遊技媒体としてメダルの代わりに遊技球を用いるスロットマシンなどが挙げられる。
【0019】
なお、本発明の遊技機は、スロットマシンや、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなる融合機などを挙げることができるが、この他、種々の遊技機(例えばゲームセンタに設置されるゲーム機など)に適用することもできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機20を正面から見た外観図であり、図2はパチンコ機20の遊技盤30の構成の概略を示す構成図であり、図3は本実施形態のパチンコ機20の電気的接続を例示するブロック図である。本実施形態のパチンコ機20は、図1に示すように、前面枠22にはめ込まれたガラスに覆われた遊技盤30と、遊技球を貯留する上受け皿24および下受け皿26と、遊技球を遊技盤30へ発射するための発射ツマミ28と、パチンコ機20全体を制御するメイン制御装置70(図3参照)とを備える。
【0021】
遊技盤30は、図2に示すように、遊技盤30の中央の上部に配置された普通図柄表示装置32と、遊技盤30の左右部に各々配置され遊技球の通過を検知する普通図柄始動口スイッチ36a,36bを有する普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bと、普通図柄表示装置32の下側に配置された特別図柄表示装置40と、特別図柄表示装置40の下側に配置され遊技球の入賞を検知する特別図柄始動口スイッチ44を有する始動口42と、始動口42に取り付けられ開閉可能なチューリップ式の普通電動役物46と、普通図柄表示装置32の上側に配置され開閉可能な大入賞口50と、遊技盤30の左右下部に計4個配置された普通入賞口60a〜60dと、いずれの入賞口にも入らなかった遊技球を回収するアウト口69とを備える。
【0022】
普通図柄表示装置32は、背後に設けられた図示しないランプの点灯を切り換えることにより変動表示する「○」および「×」の図柄32a,32bを備える。「○」および「×」の図柄32a,32bは、遊技球が普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bを通過したのを検知したときに変動表示の開始がなされ、所定時間変動表示後に「○」および「×」の図柄32a,32bのいずれかを点灯した状態で変動表示を終了する。また、パチンコ機20は図示しないが4つの普通図柄変動保留ランプを備えており、普通図柄表示装置32による「○」および「×」の図柄32a,32bの変動表示の最中に遊技球が普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bを通過するごとに一つずつ点灯され、普通図柄表示装置32による「○」および「×」の図柄32a,32bの変動表示が開始される毎に1つずつ消灯されることにより、変動表示の最中に普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bを通過した回数を最大4回まで保留回数として示す。
【0023】
始動口42に設けられたチューリップ式の普通電動役物46は、普通図柄表示装置32による変動表示が「○」の図柄32aで停止したときに当りとしてチューリップを所定時間(例えば0.3秒間)開くものとして構成されている。
【0024】
特別図柄表示装置40は、液晶ディスプレイなどの表示装置として構成されており、図3に示す表示用制御装置90により表示内容が制御されている。特別図柄表示装置40は、通常、図4に例示するように、キャラクタと数字とから構成される左,中,右の3個の図柄L,M,Rを表示しており、遊技球が始動口42に入賞するのを検知したときにこの3個の図柄L,M,Rを変動表示させる。そして、所定の変動時間が終了したときに、3個の図柄L,M,Rを図柄L,図柄R,図柄Mの順に変動表示を停止し、3個の図柄L,M,Rが一致したときに大当りとして特別遊技動画を表示する。特別遊技動画の一例を図5および図6に示す。
【0025】
遊技盤30には、普通図柄表示装置32と特別図柄表示装置40との間に4個の特別図柄変動保留ランプ41a〜41dが設けられている。この特別図柄変動保留ランプ41a〜41dは、特別図柄表示装置40による3個の図柄L,M,Rの変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に遊技球が始動口42に入賞するごとに左側から順に一つずつ点灯され、特別図柄表示装置40による3個の図柄L,M,Rの変動表示が開始される毎に点灯とは逆の順に消灯されることにより、変動表示の最中や特別遊技動画を表示している最中に始動口42に入賞した球数を最大4個まで保留球数として示す。
【0026】
大入賞口50は、図7に示すように、上方に向かって開口している開口部54と、盤面に対して前後方向に移動して開口部54を開閉する開閉部材55とを備え、通常は開閉部材55によって遊技球を受け入れない閉状態(図7(a)参照)とされており、大当りのときに大入賞口駆動装置52(図3参照)が開閉部材55を駆動することにより遊技球を受け入れやすい開状態(図7(b)参照)と通常の閉状態(図7(a)参照)とが所定の条件に基づいて繰り返される。大入賞口50には、遊技球の入賞をカウントする10カウントスイッチ53(図3参照)や開口部54の中央に設けられたVゾーン56に遊技球が入賞したのを検出するV検出スイッチ57(図3参照)が取り付けられている。
【0027】
遊技盤30には遊技球をガイドしたり弾いたりしてその遊技性を高めるために多数の釘が配置されているが、大入賞口50の上方でランプ風車64aとランプ風車64bとの間の領域A1に配置されている釘は遊技球を大入賞口50の付近へと誘導するように配置されており、本発明の遊技媒体誘導部を成している。
【0028】
ワープ通路入口58は、遊技球を遊技盤30の裏側に設けられた図示しないワープ通路の入口である。このワープ通路を通過した遊技球は、始動口42の上方に設けられたワープ通路出口59から遊技盤30の表側に戻される。このようにワープ通路入口58に受け入れられた遊技球は、特別図柄表示装置40の変動表示を開始させる機能を有する始動口42に入りやすい位置に誘導される。このワープ通路入口58は、開閉部材55が大入賞口50の開口部54を閉鎖しているとき開閉部材55の略中央に設けられた窪み55aと近接するように構成されている。この窪み55aは、大入賞口50が開閉部材55によって閉鎖されているときに遊技盤30に現れて大入賞口50の付近に集まってきた遊技球をワープ通路入口58に向かうように規制する役割を果たしている。この窪み55aが本発明の遊技媒体規制部に相当し、ワープ通路入口58が遊技媒体受入部に相当する。なお、窪み55aの底面はワープ通路入口58に向かって下り傾斜となるように形成されていてもよい。
【0029】
遊技盤30には、この他、発射された遊技球を円弧上に導くレール62や遊技盤30の中央部に導く左右の肩部に配置されたランプ風車64a,64b,普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bの近傍に配置された風車66a,66b,特別図柄表示装置40の両横に取り付けられた計8個のインジケータ68a〜68hなども取り付けられている。
【0030】
メイン制御装置70は、図3に示すようにCPU72を中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPU72には電源を供給する電源回路73の他に、各種処理プログラムを記憶するROM74や一時的にデータを記憶するRAM76,所定周波数の矩形波を出力するクロック回路78,入出力処理回路80がバス82によって接続されている。メイン制御装置70には、普通図柄始動口スイッチ36a,36bからの通過信号や特別図柄始動口スイッチ44からの始動信号,10カウントスイッチ53からのカウント信号,V検出スイッチ57からのV信号,普通入賞スイッチや賞球カウントスイッチなどの他の入力装置88からの入力信号などが入出力処理回路80を介して入力されている。また、メイン制御装置70からは、普通図柄表示装置32への駆動信号や大入賞口駆動装置52への駆動信号,特別図柄変動保留ランプ41a〜41dや図示しない普通図柄変動保留ランプへの点灯信号,普通電動役物46への駆動信号、スピーカ86が接続された音声用制御装置84への制御信号,特別図柄表示装置40の表示制御を司る表示用制御装置90への制御信号,賞球の払い出しを司る賞球制御装置などの他の出力装置89への駆動信号などが入出力処理回路80を介して出力されている。なお、インジケータ68a〜68hへの点灯信号は他の出力装置89から出力されている。
【0031】
次に、こうして構成されたパチンコ機20の動作の概略を説明する。メイン制御装置70は、遊技球が始動口42に入賞したとき、保留球数が最大値である4個)に達していればそれ以上保留せず、一方、保留球数が4個に達していなければ保留球数を1つカウントアップすると共に特別図柄変動保留ランプ41a〜41dを1つ点灯し、大当りか否かを判定するための内部乱数カウンタの値などを取得する。また、メイン制御装置70は、保留球数が1つ以上存在するとき、大当り状態でなく変動表示中でもなければ特別図柄変動保留ランプ41a〜41dを1つ消灯し、先に取得した内部乱数カウンタの値などに基づいて停止図柄や変動パターンを含む表示コマンドを作成し、これを表示用制御装置90に送信する。すると表示用制御装置90は、表示コマンドに基づいて特別図柄表示装置40の変動表示を開始させる。その後、メイン制御装置70は、所定の変動時間が終了したとき、変動終了確認のための確定コマンドを表示用制御装置90に送信する。すると表示用制御装置90は、特別図柄表示装置40の変動表示を終了し停止図柄を表示させる。なお、停止図柄は、内部乱数カウンタの値が大当りであれば大当り図柄であり、大当りでなければ外れ図柄である。メイン制御装置70は、今回の内部乱数カウンタの値が大当りのときには、更に大当り実行コマンドを表示用制御装置90に送信する。すると表示用制御装置90は、大当り図柄を表示した後、特別図柄表示装置40に特別遊技動画(図5及び図6参照)を表示させる。
【0032】
大当りのときには、メイン制御装置70は、大入賞口駆動装置52を制御して遊技者にとって有利な遊技状態である大当り状態とする。大当り状態の遊技は、最大16ラウンドの特別遊技から構成されている。1ラウンドの特別遊技では、大入賞口駆動装置52により開閉部材55が後方に移動して大入賞口50の開口部54が開放され、開放してから所定時間が経過するか所定数(ここでは10球)の遊技球が入賞するまで開放状態が継続され、その後大入賞口駆動装置52により開閉部材55が前方に移動して大入賞口50の開口部54が閉鎖される。そして、大入賞口50の開放中に入賞した遊技球のうち大入賞口50内のVゾーン56を通過したものがあった場合には、次のラウンドに進むが、Vゾーン56を通過したものがなかった場合には次のラウンドに進まず大当り状態を終了する。なお、メイン制御装置70は、所定数の遊技球が入賞したか否かを10カウントスイッチ53からの検出信号によって判断し、Vゾーン56を通過したか否かをV検出スイッチ57からの入力信号によって判断する。
【0033】
次に、遊技盤30上での遊技球の動きについて図2に基づいて説明する。図示しない発射装置によって遊技盤30に向かって放たれた遊技球は、レール62に沿って円弧状に進み遊技盤30の左上方にてレール62から離れて盤面へと進む。このとき、発射ツマミ28(図1参照)は遊技球が大入賞口50の上方付近で失速して下向きに落下していくように調整されているとする。大入賞口50の上方でランプ風車64aとランプ風車64bとの間の領域A1に配置されている多数の釘は、大入賞口50に向かって遊技球を誘導するように配置されているため、遊技球は大入賞口50の付近に集まっていく。ここで、大当り状態で大入賞口50の開放期間中の場合には、大入賞口50の付近に集まってきた遊技球の多くは大入賞口50の開口部54に入賞するため、遊技者にとっては効率よく賞球を獲得できる。一方、大当り状態でない場合には、大入賞口50は閉鎖されているため、大入賞口50の付近に集まってきた遊技球の多くは、開閉部材55に当たって種々の方向に弾かれる。しかし、開閉部材55の窪み55aに当たった遊技球は、窪み55aによりワープ通路入口58へ向かうため、ワープ通路入口58に入りやすくなる。そして、ワープ通路入口58に入った遊技球は、遊技盤30の裏面に設けられた図示しないワープ通路を通って始動口42のやや上方に設けられたワープ通路出口59から遊技盤30の表側に戻るため、始動口42に入賞しやすくなり、特別図柄表示装置40での変動表示が開始される機会(つまり遊技者に有利な遊技状態となるためのきっかけ)が増えることになる。
【0034】
以上詳述した本実施形態のパチンコ機20によれば、大入賞口50の開口部54が開閉部材55で閉鎖されているときにも大入賞口50の付近へ遊技球が集まってくるが、このときには盤面に現れている開閉部材55の窪み55aが遊技球の移動方向を規制して遊技性を持たせるので、遊技者は大入賞口50の付近へ導かれた遊技球の遊技性を楽しむことができる。したがって、大入賞口50の閉鎖時に大入賞口50の付近に集まった遊技球によって興趣を提供できる。
【0035】
また、大入賞口50の開口部54が開閉部材55により閉鎖されているときには大入賞口50の付近へ集まってきた遊技球のうち窪み55aに当たったものはその窪み55aによりワープ通路入口58へ向かうため、ワープ通路入口58へ遊技球が入りやすくなり、遊技者に好ましい状況、詳しくは遊技者に有利な遊技状態となるためのきっかけとなる状況、更に詳しくは特別図柄表示装置40の変動表示が開始される機会が増える状況となる。したがって、大入賞口50の閉鎖時にも大入賞口50の付近に遊技球が集まることを遊技者は楽しむことができる。
【0036】
更に、窪み55aを開閉部材55のうち開口部54を覆う被覆面に設け、既存の大入賞口駆動装置52により窪み55aが大入賞口50の閉鎖時に遊技盤30の盤面に現れるようにしているため、本発明の遊技媒体規制部を比較的簡単に実現できる。
【0037】
更にまた、大入賞口50を遊技盤30の上方に配置したため、大入賞口50の閉鎖時に領域A1によって大入賞口50の付近に誘導された遊技球が開閉部材55に形成された窪み55aによる規制を受けなかったとしても、その後下方に移動する途中で他の入賞口等へ入賞することが期待できる。
【0038】
そしてまた、大入賞口50とワープ通路入口58とを離れた位置に設けた場合には大入賞口50に遊技球を誘導する盤面構成(釘の配置など)とワープ通路入口58に遊技球を誘導する盤面構成とを別々に考慮する必要があったが、本実施形態では大入賞口50に遊技球を誘導するようにすれば同時にワープ通路入口58にも遊技球が誘導されるため、盤面構成の自由度が高まる。
【0039】
[第2実施形態]
図8は第2実施形態の主要部を表す説明図である。上述した第1実施形態では、遊技盤30の上方に大入賞口50を設け、その大入賞口50の近傍にワープ通路入口58を設け、始動口42の上方にワープ通路出口59を設け、遊技球を大入賞口50の付近へと誘導するように領域A1の釘を調整し配置したが、本実施形態では、これらの代わりに、遊技盤30の下方(始動口42の下方)に大入賞口150を設け、その大入賞口150のすぐ下に遊技球の通過を検知する普通図柄始動口スイッチ(図示せず)を有する普通図柄表示装置作動ゲート34cを設け、遊技球を大入賞口150に誘導するように遊技盤30のうち左右の風車66a,66bから下側の領域A2の釘を調整し配置している。大入賞口150は、前方に向かって開いている開口部154と、この開口部154を開閉可能な開閉部材155とを有している。開閉部材155は、開口部154を閉鎖して遊技盤30の盤面と略同一面となっている閉鎖位置(図8参照)と開口部154を開放して遊技盤30の盤面と略垂直となる開放位置との間で回動可能なように、下辺に沿った水平軸155bに支持されている。なお、開閉部材155は大入賞口駆動装置52(図3参照)によって駆動される。開閉部材155のうち開口部154を覆う被覆面には、逆V字状の突起155aが複数形成されており、これらの突起155aは多くの遊技球を普通図柄表示装置作動ゲート34cに向かうように規制している。なお、突起155aが本発明の遊技媒体規制部に相当し、ゲート34cが遊技媒体受入部に相当する。また、普通図柄表示装置作動ゲート34cは普通図柄表示装置作動ゲート34a,34bと同様の役割を果たす。
【0040】
本実施形態によれば、大入賞口150の開口部154が開閉部材155で閉鎖されているときにも大入賞口150の付近へ遊技球が集まってくるが、このときには盤面に現れている開閉部材155の複数の突起155aが遊技球の移動方向を規制して遊技性を持たせるので、遊技者は大入賞口150の付近へ導かれた遊技球の遊技性を楽しむことができる。したがって、大入賞口150の閉鎖時に大入賞口150の付近に集まった遊技球によって興趣を提供できる。
【0041】
また、大入賞口150の開口部154が開閉部材155により閉鎖されているときには大入賞口150の付近へ集まってきた遊技球のうち突起155aに当たったもののいくつかはその突起155aにより普通図柄表示装置作動ゲート34cへ向かうため、遊技球がこのゲート34cを通過しやすくなり、遊技者に好ましい状況、詳しくは遊技者に有利な遊技状態となるためのきっかけとなる状況、更に詳しくは始動口42が一時的に開いて入賞しやすくなり特別図柄表示装置40の変動表示が開始される機会が増える状況となる。したがって、大入賞口150の閉鎖時にも大入賞口150の付近に遊技球が集まることを遊技者は楽しむことができる。
【0042】
更に、突起155aを開閉部材155のうち開口部154を覆う被覆面に設け、既存の大入賞口駆動装置52により突起155aが大入賞口150の閉鎖時に遊技盤30の盤面に現れるようにしているため、本発明の遊技媒体規制部を比較的簡単に実現できる。
【0043】
更にまた、大入賞口150と普通図柄表示装置作動ゲート34cとを離れた位置に設ける場合には大入賞口150に遊技球を誘導する盤面構成(釘の配置など)とゲート34cに遊技球を誘導する盤面構成とを別々に考慮する必要があったが、本実施形態では大入賞口150に遊技球を誘導するようにすれば同時にゲート34cにも遊技球が誘導されるため、盤面構成の自由度が高まる。
【0044】
尚、本発明の実施の形態は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
【0045】
例えば、上述した第1実施形態では、開閉部材55に1つの窪み55aを設けたが、遊技球がワープ通路入口58へ向かうように規制する窪みを複数設けてもよいし、窪みではなく遊技球をワープ通路入口58へ向かわせる突起を1又は複数設けてもよい。
【0046】
また、上述した第1実施形態では、開閉部材55は大入賞口50の開口部54を開放するときには後方に移動して遊技盤面から消えたが、開閉部材55を前後方向ではなく左右方向にスライドして開口部54を開放したり閉鎖したりする構成を採用してもよい。こうすれば、大入賞口50の開口部54を閉鎖しているときだけでなく開放しているときにも遊技媒体規制部である窪み55aが遊技盤面に現れていることになるが、大入賞口50への遊技球の入賞を妨げることはないため問題ない。
【0047】
更に、上述した第2実施形態では、開閉部材155に複数の逆V字状の突起155aを設けたが、この突起155aの代わりに一般に盤面に用いられている釘を採用してもよいし別の形状の突起を採用してもよいし、ゲート34cに向かって延びる溝(窪み)を採用してもよい。
【0048】
更にまた、上述した各実施形態では、遊技媒体受入部としてワープ通路入口58や普通図柄表示装置作動ゲート34cを例示したが、遊技媒体受入部として始動口や普通入賞口を採用してもよい。
【0049】
そしてまた、上述した各実施形態ではいわゆる第1種パチンコ機を例に挙げて説明したが、本発明はいわゆる第2種や第3種パチンコ機についても同様に適用可能である。また、パチンコ機以外の遊技機、例えばスロットマシンやスロットマシンとパチンコ機との融合機やその他の遊技機に本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のパチンコ機を正面から見た外観図である。
【図2】第1実施形態の遊技盤の構成の概略を示す構成図である。
【図3】第1実施形態のパチンコ機の電気的接続を例示するブロック図である。
【図4】特別図柄表示装置におけるキャラクタと数字とから構成される左,中,右の3個の図柄を例示した説明図である。
【図5】特別図柄表示装置における特別遊技動画の一例を示した説明図である。
【図6】特別図柄表示装置における特別遊技動画の一例を示した説明図である。
【図7】大入賞口の説明図であり、(a)は閉鎖状態、(b)は開放状態を表す。
【図8】第2実施形態の遊技盤の構成の概略を示す構成図である。
【符号の説明】
20…パチンコ機、30…遊技盤、32…普通図柄表示装置、34a〜34c…普通図柄表示装置作動ゲート、40…特別図柄表示装置、42…始動口、44…特別図柄始動口スイッチ、46…普通電動役物、50…大入賞口、52…大入賞口駆動装置、54…開口部、55…開閉部材、55a…窪み、58…ワープ通路入口、59…ワープ通路出口、70…メイン制御装置、90…表示用制御装置。

Claims (1)

  1. 開閉可能な入賞口と、
    遊技盤面に放たれた遊技媒体を前記入賞口の付近へと誘導可能な遊技媒体誘導部と、
    少なくとも前記入賞口が閉鎖しているときに前記遊技盤面に現れて前記入賞口の付近の遊技媒体の移動方向を規制して遊技性を持たせる遊技媒体規制部と
    を備えた遊技機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006296594A (ja) * 2005-04-18 2006-11-02 Samii Kk 遊技機
JP2007312956A (ja) * 2006-05-25 2007-12-06 Daiichi Shokai Co Ltd 遊技機
JP2010172610A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Kyoraku Sangyo Kk 遊技機

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