JP2004065729A - ダイオキシン類の無害化方法 - Google Patents

ダイオキシン類の無害化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ダイオキシン類(ポリクロロジベンゾ−p−ジオキシン類、ポリクロロジベンゾフラン類、コプラナ−ポリクロロビフェニル類に代表される有害塩素化合物類)によって汚染された土壌、灰及び又はオイル等からアルコール類を用いて安全、簡便、迅速にダイオキシン類を無害化することを目的とする。
【解決手段】ダイオキシン類とアルコール類の混合溶液に、金属カルシウム及び反応促進剤を添加混合し、所定温度で撹拌又は加熱還流することを特徴とする方法である。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はダイオキシン類(ポリクロロジベンゾ−p−ジオキシン類、ポリクロロジベンゾフラン類、コプラナ−ポリクロロビフェニル類)に代表される有害塩素化合物類の無害化反応を、アルコール中、金属カルシウムを用いた還元的脱クロロ化反応により達成した技術である。
【0002】
【従来の技術】
ダイオキシン類の脱ハロゲン化方法は、パラジウムなどの水素添加触媒を用いる方法、ナトリウムなどのアルカリ金属を用いる方法、水素化アルミニウムリチウムや水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化物を用いる方法、焼却や溶融固化法に代表される加熱分解法、超臨界水を用いる方法、レーザーや電子線照射により分解する方法、バイオレメディエーション法、メカノケミカル法などが知られているが、使用する触媒(金属)が高価であったり、無水条件あるいは高温高圧の条件を必要としたり、操作が煩雑であったり、処理効率(反応時間、脱クロロ化効率、処理量)が劣っていたりするため、簡便かつ環境に優しい還元方法としては極めて不満足であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、温和な条件下、ダイオキシン類を短時間かつ容易な操作で、効率よく無害化する新規な方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は
第1にダイオキシン類とアルコール類の混合溶液に、金属カルシウムを添加混合し、所定温度で撹拌することを特徴とするダイオキシン類の無害化方法、
第2に上記混合溶液に反応促進剤を添加混合し、室温で撹拌する上記第1発明記載のダイオキシン類の無害化方法、
第3に撹拌に代り加熱還流する上記第1発明記載のダイオキシン類の無害化方法、
によって構成される。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のダイオキシン類の無害化方法について詳細に説明する。
【0006】
処理されるダイオキシン類の形態は、ダイオキシン類そのものは言うに及ばず、土壌、灰及び又はオイル等にダイオキシン類が含有されている場合であって、該ダイオキシン類は次のような一般式(化1、化2、化3)によるものである。
【0007】
上記ダイオキシン類が下記一般式化1、化2、化3
【0008】
【化1】
Figure 2004065729
【0009】
【化2】
Figure 2004065729
【0010】
【化3】
Figure 2004065729
【0011】
式中Xはクロロ基、ブロム基、ヨード基を示し、それらは同一化合物中に混在する場合を含む。
【0012】
2000ngのダイオキシン類(上記化1、化2、化3)を処理するのに添加混合する金属カルシウムの使用量は0.1g〜10g程度使用し、カルシウムの形状は特に問題はない。
【0013】
溶媒の上記アルコール類にはメタノール、エタノール、プロパノール類、ブタノール類などが使用されるが、エタノールが最も好ましい。
【0014】
反応温度は一般に室温(常温)が選ばれるが、80℃にて攪拌、又は加熱還流のみであればよい。
【0015】
室温の反応では、反応促進剤には有機酸、有機酸塩(特に金属カルシウム塩、ただし、その他の金属塩でも構わない)を使用する。
【0016】
上記反応促進剤の使用量は上記添加混合金属カルシウムに対して0.2〜1倍重量であることが望ましい。
【0017】
室温での反応中は攪拌することが望ましいが、加熱還流時は必ずしも必要ではない。
【0018】
本発明によって無害化できる化合物は、ポリクロロジベンゾ−p−ジオキシン類、ポリクロロジベンゾフラン類、コプラナ−ポリクロロビフェニル類、臭素化ダイオキシン類などが挙げられる。
【0019】
【実施例】
実施例1
フラスコにダイオキシン(1100ng/ml−hexane:22ng−TEQ/ml−hexane)を1ml、金属カルシウム(0.8g)、及びマレイン酸カルシウム(0.3g)を入れ、10mlエタノールを加え、この溶液を室温で24時間攪拌した。反応終了後、20mlのイオン交換水を加え、完全に反応クエンチした後、所定のダイオキシン分析法(GC−MS法)によって、残留ダイオキシン類濃度を分析した。その結果、全ダイオキシン類濃度は、8.6ng/ml−hexane:0.21ng−TEQ/ml−hexaneまで低下した。
【0020】
実施例2
フラスコにダイオキシン(1100ng/ml−hexane:22ng−TEQ/ml−hexane)を1ml、金属カルシウム(0.8g)を入れ、10mlメタノールを加え、この溶液を室温で24時間攪拌した。反応終了後、20mlのイオン交換水を加え、完全に反応クエンチした後、所定のダイオキシン分析法(GC−MS法)によって、残留ダイオキシン類濃度を分析した。その結果、全ダイオキシン類濃度は、65ng/ml−hexane:0.92ng−TEQ/ml−hexaneまで低下した。
【0021】
実施例3
フラスコにダイオキシン(1470ng、52ng−TEQ)含有エタノール溶液10mlに、金属カルシウム(2.7g)を入れ、この溶液を24時間加熱還流を行った。反応終了後、20mlのイオン交換水を加え、完全に反応クエンチした後、所定のダイオキシン分析法(GC−MS法)によって、残留ダイオキシン類濃度を分析した。その結果、ダイオキシン類の全量は、11ng(0.28ng−TEQ)に低下した。
【0022】
【発明の効果】
本発明は上述の方法によったので、ダイオキシン類によって汚染された土壌、灰及び又はオイル等からアルコール類を用いて、ダイオキシン類を抽出し、抽出液を簡便、迅速に無害化処理し得る効果がある。
【0023】
又室温等による常温処理が可能で無害化処理の安全性及び経済性を確保し得て付加価値の高いダイオキシン類の処理手法を提供することができる。
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はダイオキシン類(ポリクロロジベンゾ−p−ジオキシン類、ポリクロロジベンゾフラン類)に代表される有害塩素化合物類の無害化反応を、アルコール中、金属カルシウムを用いた還元的脱クロロ化反応により達成した技術である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は
第1に処理されるダイオキシン類の形態が
【化1】
Figure 2004065729
【化2】
Figure 2004065729
式中Xはクロロ基、グロム基、ヨード基を示す。
上記化1、化2とメタノール又はエタノール或はその混合溶液に、金属カルシウムを添加混合し、かつ上記混合溶液に有機酸、有機酸塩による反応促進剤を添加混合し、室温で撹拌することを特徴とするダイオキシン類の無害化方法
よって構成される。
【0006】
処理されるダイオキシン類の形態は、ダイオキシン類そのものは言うに及ばず、土壌、灰等にダイオキシン類が含有されている場合であって、該ダイオキシン類は次のような一般式(化1、化2)によるものである。
【0007】
上記ダイオキシン類が下記一般式化1、化
【0012】
2000ngのダイオキシン類(上記化1、化2)を処理するのに添加混合する金属カルシウムの使用量は0.1g〜10g程度使用し、カルシウムの形状は特に問題はない。
【0013】
溶媒の上記アルコール類にはメタノール、エタノールが使用されるが、エタノールが最も好ましい。
【0014】
反応温度は一般に室温(常温)が選ばれるが、加熱還流で撹拌、室温で撹拌又は加熱還流であればよい。
【0018】
本発明によって無害化できる化合物は、ポリクロロジベンゾ−p−ジオキシン類、ポリクロロジベンゾフラン類、臭素化ダイオキシン類などが挙げられる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は
第1に処理されるダイオキシン類の形態が
【化1】
Figure 2004065729
【化2】
Figure 2004065729
式中Xはクロロ基、ロム基、ヨード基を示す。
上記化1、化2とメタノール又はエタノール或はその混合溶液に、金属カルシウムを添加混合し、かつ上記混合溶液に有機酸、有機酸塩による反応促進剤を添加混合し、室温で撹拌することを特徴とするダイオキシン類の無害化方法、
によって構成される。
【0014】
反応温度は一般に室温(常温)が選ばれ、室温で撹拌される

Claims (3)

  1. ダイオキシン類とアルコール類の混合溶液に、金属カルシウムを添加混合し、所定温度で撹拌することを特徴とするダイオキシン類の無害化方法。
  2. 上記混合溶液に反応促進剤を添加混合し、室温で撹拌する請求項1記載のダイオキシン類の無害化方法。
  3. 撹拌に代り加熱還流する請求項1記載のダイオキシン類の無害化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010259681A (ja) * 2009-05-10 2010-11-18 Prefectural Univ Of Hiroshima Pcb含有油の無害化処理方法及びpcb含有油の無害化処理装置

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