JP2004065163A - 酸性ヘム鉄含有飲食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸性域においてもヘム鉄が凝集、沈澱せず、ヘム鉄の溶解性が維持された、酸性ヘム鉄含有飲食品の提供。
【解決手段】ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び大豆多糖類からなる群から選択される少なくとも2種以上を含有することを特徴とする、酸性ヘム鉄含有飲食品。ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び大豆多糖類のヘム鉄に対する添加量はそれぞれ10−100重量%であり、ペクチンはハイメトキシルペクチンであることが好ましく、又ヘム鉄は水溶性ヘム鉄であることが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び大豆多糖類からなる群から選択される少なくとも2種以上を含有することを特徴とする、酸性ヘム鉄含有飲食品。ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び大豆多糖類のヘム鉄に対する添加量はそれぞれ10−100重量%であり、ペクチンはハイメトキシルペクチンであることが好ましく、又ヘム鉄は水溶性ヘム鉄であることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘム鉄を含有する酸性飲食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
貧血予防等の健康維持および栄養価強化のために、鉄を添加した飲料および食品、サプリメントのニーズが高まっている。鉄には、非ヘム鉄とヘム鉄とが存在するが、食品添加物として認められている硫酸第一鉄等の非ヘム鉄は生体内における吸収率が3〜10%程度と低い。また、これに対し、肉や魚等に多く含まれるヘム鉄の生体内における吸収率は20〜35%程度と高いのが特徴である。また、非ヘム鉄を摂取した場合、胃腸障害、吐き気などの副作用を引き起こすことが知られているが、ヘム鉄にはこのような副作用はほとんど生じない。従って、鉄分の生体内補給には、非ヘム鉄よりもヘム鉄の形態の鉄分を摂取するのが好ましいといえる。
【0003】
現在、すでに、ヘム鉄を供給する目的でヘム鉄を添加した飲料、食品、サプリメントが開発され、利用されている。しかしながら、ヘム鉄は、酸性域においては不溶性であるため、ヘム鉄を添加した飲食品等は中性域の飲食品等にとどまっており、清涼感、飲みやすさ等の点からニーズが高い酸性の飲食品を製造することは困難であった。
【0004】
一方、ヘム鉄を含有する酸性の飲食品を得ることを目的として、以下のような技術が開示されている。特許第2818827号には、血清アルブミン、卵製アルブミン、血清β−及びγ−グロブリン、グロビン、カゼイン、ゼラチン、ラクトグロブリン、エラスターゼ、カリクレイン、トリプシン、アミラーゼ、リパーゼ及びチトクロームCからなる蛋白質及び塩化ドデシルトリメチルアンモニウムからなる界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む酸性のヘム鉄水溶液からなる鉄補給飲料が記載されている。また、特公平5−47188号には、家畜類、家禽類の血液を加水分解処理して得られたヘム鉄を含有するpH5以下の溶液、又は飲料である時、ヘム鉄含有重量比が2.5に対して、アルギン酸プロピレングリコールエステル0.1以上の割合で添加するか、又は、更に、ショ糖脂肪酸エステルが併用添加されていることを特徴とする酸性溶液又は酸性飲料の安定化法が記載されている。さらに、分散剤として、水溶性大豆多糖類を含有することを特徴とする酸性蛋白食品が特許第2834345号に開示されている。
しかしながら、ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、大豆多糖類からなる群から選択される少なくとも2種以上を含有させ、安定性と嗜好性を高めたヘム鉄を含む酸性の飲食品については未だ知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、酸性域においてもヘム鉄が凝集、沈澱せず、ヘム鉄の溶解性が維持された、酸性ヘム鉄含有飲食品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、大豆多糖類からなる群から選択される少なくとも2種以上を含有させることによって、ヘム鉄の凝集、沈澱を防ぎ、ヘム鉄の溶解性が維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、次の(1)〜(4)を提供する。
(1) ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び大豆多糖類からなる群から選択される少なくとも2種以上を含有することを特徴とする、酸性ヘム鉄含有飲食品。
(2) ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、大豆多糖類のヘム鉄に対する添加量がそれぞれ10〜100重量%であることを特徴とする、(1)に記載の飲食品。
(3) ペクチンがハイメトキシルペクチンであることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の飲食品。
(4) ヘム鉄が水溶性ヘム鉄であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の飲食品。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、ヘム鉄とは、動物由来の分子中にヘムを有するタンパク質(以下、「ヘムタンパク質」と称する)を酵素分解して得られる組成物を意味する。使用され得る酵素としては、タンパク質を分解し得る酵素であればいずれの酵素も利用可能である。また、ヘムとは、ポルフィリン環に鉄が配位したものを意味し、ポルフィリン環に結合する側鎖の種類やその結合位置で分類され得るすべての種類のヘムを含み得る。ヘムタンパク質の一例としては、ヘモグロビン、ミオグロビン、シトクロム類などが挙げられるが、このうち、特にヘモグロビンの利用が好ましい。
【0009】
酵素分解して得られる組成物は、酵素分解後、限外濾過処理によって得られる水溶性ヘム鉄と、等電点沈澱処理によって得られる非水溶性ヘム鉄とに分類される。限外濾過処理及び等電点沈澱処理は、例えば、特公平1−24137号公報に記載の方法を用いることができる。このうち、本発明において利用するヘム鉄は、酵素分解後、限外濾過処理によってヘムを含まないアミノ酸・ペプチド画分を除去して得られる水溶性ヘム鉄を利用するのが望ましい。
【0010】
例えば、ヘモグロビン由来の水溶性ヘム鉄を調製する具体的な方法の一例として、以下のような方法を実施することができる。家畜血液を遠心分離処理し、血漿と血球に分離する。次いで、血球にタンパク質分解酵素を0.5〜3%の濃度で作用させて、酵素分解産物を得る。限外濾過膜により、酵素分解産物中のヘムを含まないアミノ酸・ペプチド画分を除去し、ヘムを含む画分を水溶性ヘム鉄として得ることができる。
【0011】
得られた水溶性ヘム鉄に、ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び大豆多糖類からなる群から選択される少なくとも2種以上を添加することによって、本発明の酸性ヘム鉄含有飲食品を製造することができる。
【0012】
ペクチンは、植物や果物の細胞間物質又は細胞膜としての主要な構成成分である多糖類であり、D−ガラクツロン酸を構成基本単位とし、エステル化度(メトキシル基の含量)が50%以上であるハイメトキシルペクチンとエステル化度が50%以下であるローメトキシルペクチンに分類される。このうち、本発明においては、酸性域における優れたヘム鉄溶解性の維持効果の点から、特にハイメトキシルペクチンを使用するのが好ましい。ハイメトキシルペクチンとしては、例えば、GENU pectin type JM−150−J 、GENU pectin type YM−115−H(CPケルコ社製)、ネオソフトP−301(太陽化学株式会社製)等を使用することができる。
【0013】
カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)はパルプに水酸化ナトリウム及びモノクロール酢酸を作用させて製造したものであり、増粘剤や糊料として食品添加物に指定されている物質であればいずれのCMC−Naも利用することができる。例えば、CMCダイセル1220、CMCダイセル1240(ダイセル化学工業株式会社製)、セロゲン F−8A、セロゲン F−810A、セロゲン F−815A(第一工業製薬株式会社製)等を使用することができる。
【0014】
大豆多糖類とは、大豆に含有される食物繊維であり、ガラクトース、アラビノース、ガラクツロン酸等の糖類から構成され、平均的な分子量は数十万の多糖類である。例えば、ソヤファイブS−DN(不二製油株式会社製)等を利用することができる。
【0015】
また、酸性飲食品は、酸性領域を呈する飲食品であれば特に限定されないが、具体例としては、清涼飲料水(ゼリー飲料、粉末清涼飲料等を含む)、ゼリー、冷菓、ジャム、フルーツソース、菓子(ガム、キャンデー、グミキャンデー等)、ドレッシング等が挙げられる。
水溶性ヘム鉄の含有量は目的の製品によって異なるが、一般に、最終製品に対し、0.1〜1.0重量%が適当である。
【0016】
本発明の酸性ヘム鉄含有飲食品に含有されるペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、大豆多糖類の量は、最終製品に含まれる前記ヘム鉄含有量に対してそれぞれ10〜100重量%である。
さらに好ましい添加量は、清涼飲料水、ゼリー、ドリンクゼリー等の場合、最終製品に含まれる前記ヘム鉄含有量に対してそれぞれ30〜90重量%であり、また、ジャムの場合、それぞれ10〜50重量%である。
【0017】
酸性ヘム鉄含有飲食品の製造において、ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び大豆多糖類からなる群から選択される少なくとも2種以上を添加する方法は特に限定されないが、ヘム鉄とともに水に加熱撹拌溶解(80〜90℃)し、その後、酸類を用いて前記溶解液のpHを酸性域に調整するのが好ましい。
【0018】
酸性域に調整する酸類としては、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸、オレンジ、リンゴ等の果汁、その他の可食性の酸類を用いることができ、調整する酸性域としてはpH2〜5が好ましい。
【0019】
このようにして得られた本発明の酸性ヘム鉄含有飲食品は、大豆多糖類、ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウムをそれぞれ単独で使用した場合に比べて酸性領域においてヘム鉄の凝集、沈澱がみられず、製品の高品質が維持される。なお、ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、大豆多糖類は、製造する飲食品の物性、嗜好性等に応じて、2種以上を適宜組み合わせて選択することができる。
【0020】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1] ブルーベリー味の酸性清涼飲料の製造
表1の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、果糖ブドウ糖液糖、グラニュー糖、ハイメトキシルペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウムを水に加熱溶解し、果汁、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、容器に充填後、殺菌し、ブルーベリー味の酸性清涼飲料を得た。
【0021】
【表1】
【0022】
[実施例2] 酸性域におけるヘム鉄溶解性の維持効果の確認
実施例1の表1のハイメトキシルペクチン及びカルボキシメチルセルロースナトリウムの添加を、アルギン酸プロピレングリコールエステル(PGA)、ハイメトキシルペクチン(HMペクチン)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、大豆多糖類、酵素分解レシチンの単独又は組み合わせの添加に変更し、実施例1と同様にして酸性清涼飲料を製造した。
【0023】
実施例1で得られた酸性清涼飲料と、上記の変更処方により得られた酸性清涼飲料の計15サンプルを一晩放置した。その後、沈澱層と清澄層の分離を確認し、また、一部を取り遠心分離(2,500rpm、10分間)することによって、沈殿物の有無を確認し、沈澱物の形成状態に基づいて各試験物質の酸性域におけるヘム鉄溶解性の維持効果を検討した。その結果を表2及び表3に示す。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
これらの結果から、アルギン酸プロピレングリコールエステル、大豆多糖類、酵素分解レシチンを単独で使用した場合には、静置によりヘム鉄沈殿層と清澄層に分離し、酸性域におけるヘム鉄溶解性の維持効果は明らかに認められなかった。また、ハイメトキシルペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウムをそれぞれ単独で使用した場合には、静置により沈殿層と清澄層の明らかな分離はおこらなかったが、さらに遠心分離により沈澱形成を確認したところ、ヘム鉄の沈澱が生じ、ハイメトキシルペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウムの単独使用による酸性域におけるヘム鉄溶解性の維持効果は完全ではないことが確認された。
【0027】
また、アルギン酸プロピレングリコールエステル(PGA)、ハイメトキシルペクチン(HMペクチン)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、大豆多糖類、酵素分解レシチンから選択される2種を組み合わせて使用したところ、PGAとHMペクチン、PGAとCMC−Na、PGAと大豆多糖類、PGAと酵素分解レシチン、HMペクチンと酵素分解レシチン、CMC−Naと酵素分解レシチン、大豆多糖類と酵素分解レシチンの組み合わせにおいては、酸性域におけるヘム鉄溶解性の維持効果がないか、または完全ではなかったが、ハイメトキシルペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び大豆多糖類からなる群から選択される2種を組み合わせて使用した場合、すなわち、CMC−NaとHMペクチン、大豆多糖類とHMペクチン、大豆多糖類とCMC−Naの組み合わせにおいては、静置及び遠心分離による沈澱形成試験においてヘム鉄の沈澱は確認されず、意外にも酸性域における優れたヘム鉄溶解性の維持効果があるという予想外の効果があることが判明した。なお、対照として上記試験物質を添加しない場合には、ヘム鉄の凝集沈殿によって沈殿物と液が分離し、明らかに上部に清澄層が確認された。
【0028】
[実施例3] プルーン風味の酸性ポーションゼリーの製造
表4の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、果糖ブドウ糖液糖、グラニュー糖、ハイメトキシルペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポーションゼリー用増粘剤を水に加熱溶解し、果汁、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、カップ容器に充填後、殺菌し、プルーン風味の酸性ポーションゼリーを得た。
【0029】
【表4】
【0030】
[実施例4] プルーン風味の酸性コンニャクゼリーの製造
表5の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、果糖ブドウ糖液糖、グラニュー糖、ハイメトキシルペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、こんにゃくゼリー用増粘剤を水に加熱溶解し、果汁、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、カップ容器に充填後、殺菌し、プルーン風味の酸性コンニャクゼリーを得た。
【0031】
【表5】
【0032】
[実施例5] ブルーベリー味の酸性ジャムの製造
表6の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、砂糖半量、ハイメトキシルペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ジャム用ペクチン、ジャム用増粘剤を水に加熱溶解し、砂糖半量、ピューレ、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、カップ容器に充填後、殺菌し、ブルーベリー味の酸性ジャムを得た。
【0033】
【表6】
【0034】
[実施例6] ブルーベリー味の酸性清涼飲料の製造
表7の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、果糖ブドウ糖液糖、グラニュー糖、カルボキシメチルセルロースナトリウム、大豆多糖類を水に加熱溶解し、果汁、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、容器に充填後、殺菌し、ブルーベリー味の酸性清涼飲料を得た。
【0035】
【表7】
【0036】
[実施例7] プルーン風味の酸性ポーションゼリーの製造
表8の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、果糖ブドウ糖液糖、グラニュー糖、カルボキシメチルセルロースナトリウム、大豆多糖類、ポーションゼリー用増粘剤を水に加熱溶解し、果汁、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、カップ容器に充填後、殺菌し、プルーン風味の酸性ポーションゼリーを得た。
【0037】
【表8】
【0038】
[実施例8] プルーン風味の酸性コンニャクゼリーの製造
表9の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、果糖ブドウ糖液糖、グラニュー糖、カルボキシメチルセルロースナトリウム、大豆多糖類、こんにゃくゼリー用増粘剤を水に加熱溶解し、果汁、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、カップ容器に充填後、殺菌し、プルーン風味の酸性コンニャクゼリーを得た。
【0039】
【表9】
【0040】
[実施例9] ブルーベリー味の酸性ジャムの製造
表10の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、砂糖半量、カルボキシメチルセルロースナトリウム、大豆多糖類、ジャム用ペクチン、ジャム用増粘剤を水に加熱溶解し、砂糖半量、ピューレ、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、カップ容器に充填後、殺菌し、ブルーベリー味の酸性ジャムを得た。
【0041】
【表10】
【0042】
[実施例10] ブルーベリー味の酸性清涼飲料の製造
表11の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、果糖ブドウ糖液糖、グラニュー糖、大豆多糖類、ハイメトキシルペクチンを水に加熱溶解し、果汁、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、容器に充填後、殺菌し、ブルーベリー味の酸性清涼飲料を得た。
【0043】
【表11】
【0044】
[実施例11] プルーン風味の酸性ポーションゼリーの製造
表12の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、果糖ブドウ糖液糖、グラニュー糖、大豆多糖類、ハイメトキシルペクチン、ポーションゼリー用増粘剤を水に加熱溶解し、果汁、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、カップ容器に充填後、殺菌し、プルーン風味の酸性ポーションゼリーを得た。
【0045】
【表12】
【0046】
[実施例12] プルーン風味の酸性コンニャクゼリーの製造
表13の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、果糖ブドウ糖液糖、グラニュー糖、大豆多糖類、ハイメトキシルペクチン、こんにゃくゼリー用増粘剤を水に加熱溶解し、果汁、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、カップ容器に充填後、殺菌し、プルーン風味の酸性コンニャクゼリーを得た。
【0047】
【表13】
【0048】
[実施例13] ブルーベリー味の酸性ジャムの製造
表14の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、砂糖半量、大豆多糖類、ハイメトキシルペクチン、ジャム用ペクチン、ジャム用増粘剤を水に加熱溶解し、砂糖半量、ピューレ、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、カップ容器に充填後、殺菌し、ブルーベリー味の酸性ジャムを得た。
【0049】
【表14】
【0050】
【発明の効果】
本発明により、酸性域では使用が困難であった水溶性ヘム鉄にペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び大豆多糖類からなる群から選択される少なくとも2種以上を添加することにより、水溶性を維持した酸性ヘム鉄飲食品を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘム鉄を含有する酸性飲食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
貧血予防等の健康維持および栄養価強化のために、鉄を添加した飲料および食品、サプリメントのニーズが高まっている。鉄には、非ヘム鉄とヘム鉄とが存在するが、食品添加物として認められている硫酸第一鉄等の非ヘム鉄は生体内における吸収率が3〜10%程度と低い。また、これに対し、肉や魚等に多く含まれるヘム鉄の生体内における吸収率は20〜35%程度と高いのが特徴である。また、非ヘム鉄を摂取した場合、胃腸障害、吐き気などの副作用を引き起こすことが知られているが、ヘム鉄にはこのような副作用はほとんど生じない。従って、鉄分の生体内補給には、非ヘム鉄よりもヘム鉄の形態の鉄分を摂取するのが好ましいといえる。
【0003】
現在、すでに、ヘム鉄を供給する目的でヘム鉄を添加した飲料、食品、サプリメントが開発され、利用されている。しかしながら、ヘム鉄は、酸性域においては不溶性であるため、ヘム鉄を添加した飲食品等は中性域の飲食品等にとどまっており、清涼感、飲みやすさ等の点からニーズが高い酸性の飲食品を製造することは困難であった。
【0004】
一方、ヘム鉄を含有する酸性の飲食品を得ることを目的として、以下のような技術が開示されている。特許第2818827号には、血清アルブミン、卵製アルブミン、血清β−及びγ−グロブリン、グロビン、カゼイン、ゼラチン、ラクトグロブリン、エラスターゼ、カリクレイン、トリプシン、アミラーゼ、リパーゼ及びチトクロームCからなる蛋白質及び塩化ドデシルトリメチルアンモニウムからなる界面活性剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む酸性のヘム鉄水溶液からなる鉄補給飲料が記載されている。また、特公平5−47188号には、家畜類、家禽類の血液を加水分解処理して得られたヘム鉄を含有するpH5以下の溶液、又は飲料である時、ヘム鉄含有重量比が2.5に対して、アルギン酸プロピレングリコールエステル0.1以上の割合で添加するか、又は、更に、ショ糖脂肪酸エステルが併用添加されていることを特徴とする酸性溶液又は酸性飲料の安定化法が記載されている。さらに、分散剤として、水溶性大豆多糖類を含有することを特徴とする酸性蛋白食品が特許第2834345号に開示されている。
しかしながら、ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、大豆多糖類からなる群から選択される少なくとも2種以上を含有させ、安定性と嗜好性を高めたヘム鉄を含む酸性の飲食品については未だ知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、酸性域においてもヘム鉄が凝集、沈澱せず、ヘム鉄の溶解性が維持された、酸性ヘム鉄含有飲食品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、大豆多糖類からなる群から選択される少なくとも2種以上を含有させることによって、ヘム鉄の凝集、沈澱を防ぎ、ヘム鉄の溶解性が維持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、次の(1)〜(4)を提供する。
(1) ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び大豆多糖類からなる群から選択される少なくとも2種以上を含有することを特徴とする、酸性ヘム鉄含有飲食品。
(2) ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、大豆多糖類のヘム鉄に対する添加量がそれぞれ10〜100重量%であることを特徴とする、(1)に記載の飲食品。
(3) ペクチンがハイメトキシルペクチンであることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の飲食品。
(4) ヘム鉄が水溶性ヘム鉄であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の飲食品。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、ヘム鉄とは、動物由来の分子中にヘムを有するタンパク質(以下、「ヘムタンパク質」と称する)を酵素分解して得られる組成物を意味する。使用され得る酵素としては、タンパク質を分解し得る酵素であればいずれの酵素も利用可能である。また、ヘムとは、ポルフィリン環に鉄が配位したものを意味し、ポルフィリン環に結合する側鎖の種類やその結合位置で分類され得るすべての種類のヘムを含み得る。ヘムタンパク質の一例としては、ヘモグロビン、ミオグロビン、シトクロム類などが挙げられるが、このうち、特にヘモグロビンの利用が好ましい。
【0009】
酵素分解して得られる組成物は、酵素分解後、限外濾過処理によって得られる水溶性ヘム鉄と、等電点沈澱処理によって得られる非水溶性ヘム鉄とに分類される。限外濾過処理及び等電点沈澱処理は、例えば、特公平1−24137号公報に記載の方法を用いることができる。このうち、本発明において利用するヘム鉄は、酵素分解後、限外濾過処理によってヘムを含まないアミノ酸・ペプチド画分を除去して得られる水溶性ヘム鉄を利用するのが望ましい。
【0010】
例えば、ヘモグロビン由来の水溶性ヘム鉄を調製する具体的な方法の一例として、以下のような方法を実施することができる。家畜血液を遠心分離処理し、血漿と血球に分離する。次いで、血球にタンパク質分解酵素を0.5〜3%の濃度で作用させて、酵素分解産物を得る。限外濾過膜により、酵素分解産物中のヘムを含まないアミノ酸・ペプチド画分を除去し、ヘムを含む画分を水溶性ヘム鉄として得ることができる。
【0011】
得られた水溶性ヘム鉄に、ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び大豆多糖類からなる群から選択される少なくとも2種以上を添加することによって、本発明の酸性ヘム鉄含有飲食品を製造することができる。
【0012】
ペクチンは、植物や果物の細胞間物質又は細胞膜としての主要な構成成分である多糖類であり、D−ガラクツロン酸を構成基本単位とし、エステル化度(メトキシル基の含量)が50%以上であるハイメトキシルペクチンとエステル化度が50%以下であるローメトキシルペクチンに分類される。このうち、本発明においては、酸性域における優れたヘム鉄溶解性の維持効果の点から、特にハイメトキシルペクチンを使用するのが好ましい。ハイメトキシルペクチンとしては、例えば、GENU pectin type JM−150−J 、GENU pectin type YM−115−H(CPケルコ社製)、ネオソフトP−301(太陽化学株式会社製)等を使用することができる。
【0013】
カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)はパルプに水酸化ナトリウム及びモノクロール酢酸を作用させて製造したものであり、増粘剤や糊料として食品添加物に指定されている物質であればいずれのCMC−Naも利用することができる。例えば、CMCダイセル1220、CMCダイセル1240(ダイセル化学工業株式会社製)、セロゲン F−8A、セロゲン F−810A、セロゲン F−815A(第一工業製薬株式会社製)等を使用することができる。
【0014】
大豆多糖類とは、大豆に含有される食物繊維であり、ガラクトース、アラビノース、ガラクツロン酸等の糖類から構成され、平均的な分子量は数十万の多糖類である。例えば、ソヤファイブS−DN(不二製油株式会社製)等を利用することができる。
【0015】
また、酸性飲食品は、酸性領域を呈する飲食品であれば特に限定されないが、具体例としては、清涼飲料水(ゼリー飲料、粉末清涼飲料等を含む)、ゼリー、冷菓、ジャム、フルーツソース、菓子(ガム、キャンデー、グミキャンデー等)、ドレッシング等が挙げられる。
水溶性ヘム鉄の含有量は目的の製品によって異なるが、一般に、最終製品に対し、0.1〜1.0重量%が適当である。
【0016】
本発明の酸性ヘム鉄含有飲食品に含有されるペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、大豆多糖類の量は、最終製品に含まれる前記ヘム鉄含有量に対してそれぞれ10〜100重量%である。
さらに好ましい添加量は、清涼飲料水、ゼリー、ドリンクゼリー等の場合、最終製品に含まれる前記ヘム鉄含有量に対してそれぞれ30〜90重量%であり、また、ジャムの場合、それぞれ10〜50重量%である。
【0017】
酸性ヘム鉄含有飲食品の製造において、ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び大豆多糖類からなる群から選択される少なくとも2種以上を添加する方法は特に限定されないが、ヘム鉄とともに水に加熱撹拌溶解(80〜90℃)し、その後、酸類を用いて前記溶解液のpHを酸性域に調整するのが好ましい。
【0018】
酸性域に調整する酸類としては、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸、オレンジ、リンゴ等の果汁、その他の可食性の酸類を用いることができ、調整する酸性域としてはpH2〜5が好ましい。
【0019】
このようにして得られた本発明の酸性ヘム鉄含有飲食品は、大豆多糖類、ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウムをそれぞれ単独で使用した場合に比べて酸性領域においてヘム鉄の凝集、沈澱がみられず、製品の高品質が維持される。なお、ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、大豆多糖類は、製造する飲食品の物性、嗜好性等に応じて、2種以上を適宜組み合わせて選択することができる。
【0020】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1] ブルーベリー味の酸性清涼飲料の製造
表1の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、果糖ブドウ糖液糖、グラニュー糖、ハイメトキシルペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウムを水に加熱溶解し、果汁、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、容器に充填後、殺菌し、ブルーベリー味の酸性清涼飲料を得た。
【0021】
【表1】
【0022】
[実施例2] 酸性域におけるヘム鉄溶解性の維持効果の確認
実施例1の表1のハイメトキシルペクチン及びカルボキシメチルセルロースナトリウムの添加を、アルギン酸プロピレングリコールエステル(PGA)、ハイメトキシルペクチン(HMペクチン)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、大豆多糖類、酵素分解レシチンの単独又は組み合わせの添加に変更し、実施例1と同様にして酸性清涼飲料を製造した。
【0023】
実施例1で得られた酸性清涼飲料と、上記の変更処方により得られた酸性清涼飲料の計15サンプルを一晩放置した。その後、沈澱層と清澄層の分離を確認し、また、一部を取り遠心分離(2,500rpm、10分間)することによって、沈殿物の有無を確認し、沈澱物の形成状態に基づいて各試験物質の酸性域におけるヘム鉄溶解性の維持効果を検討した。その結果を表2及び表3に示す。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
これらの結果から、アルギン酸プロピレングリコールエステル、大豆多糖類、酵素分解レシチンを単独で使用した場合には、静置によりヘム鉄沈殿層と清澄層に分離し、酸性域におけるヘム鉄溶解性の維持効果は明らかに認められなかった。また、ハイメトキシルペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウムをそれぞれ単独で使用した場合には、静置により沈殿層と清澄層の明らかな分離はおこらなかったが、さらに遠心分離により沈澱形成を確認したところ、ヘム鉄の沈澱が生じ、ハイメトキシルペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウムの単独使用による酸性域におけるヘム鉄溶解性の維持効果は完全ではないことが確認された。
【0027】
また、アルギン酸プロピレングリコールエステル(PGA)、ハイメトキシルペクチン(HMペクチン)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、大豆多糖類、酵素分解レシチンから選択される2種を組み合わせて使用したところ、PGAとHMペクチン、PGAとCMC−Na、PGAと大豆多糖類、PGAと酵素分解レシチン、HMペクチンと酵素分解レシチン、CMC−Naと酵素分解レシチン、大豆多糖類と酵素分解レシチンの組み合わせにおいては、酸性域におけるヘム鉄溶解性の維持効果がないか、または完全ではなかったが、ハイメトキシルペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び大豆多糖類からなる群から選択される2種を組み合わせて使用した場合、すなわち、CMC−NaとHMペクチン、大豆多糖類とHMペクチン、大豆多糖類とCMC−Naの組み合わせにおいては、静置及び遠心分離による沈澱形成試験においてヘム鉄の沈澱は確認されず、意外にも酸性域における優れたヘム鉄溶解性の維持効果があるという予想外の効果があることが判明した。なお、対照として上記試験物質を添加しない場合には、ヘム鉄の凝集沈殿によって沈殿物と液が分離し、明らかに上部に清澄層が確認された。
【0028】
[実施例3] プルーン風味の酸性ポーションゼリーの製造
表4の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、果糖ブドウ糖液糖、グラニュー糖、ハイメトキシルペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポーションゼリー用増粘剤を水に加熱溶解し、果汁、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、カップ容器に充填後、殺菌し、プルーン風味の酸性ポーションゼリーを得た。
【0029】
【表4】
【0030】
[実施例4] プルーン風味の酸性コンニャクゼリーの製造
表5の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、果糖ブドウ糖液糖、グラニュー糖、ハイメトキシルペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、こんにゃくゼリー用増粘剤を水に加熱溶解し、果汁、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、カップ容器に充填後、殺菌し、プルーン風味の酸性コンニャクゼリーを得た。
【0031】
【表5】
【0032】
[実施例5] ブルーベリー味の酸性ジャムの製造
表6の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、砂糖半量、ハイメトキシルペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ジャム用ペクチン、ジャム用増粘剤を水に加熱溶解し、砂糖半量、ピューレ、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、カップ容器に充填後、殺菌し、ブルーベリー味の酸性ジャムを得た。
【0033】
【表6】
【0034】
[実施例6] ブルーベリー味の酸性清涼飲料の製造
表7の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、果糖ブドウ糖液糖、グラニュー糖、カルボキシメチルセルロースナトリウム、大豆多糖類を水に加熱溶解し、果汁、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、容器に充填後、殺菌し、ブルーベリー味の酸性清涼飲料を得た。
【0035】
【表7】
【0036】
[実施例7] プルーン風味の酸性ポーションゼリーの製造
表8の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、果糖ブドウ糖液糖、グラニュー糖、カルボキシメチルセルロースナトリウム、大豆多糖類、ポーションゼリー用増粘剤を水に加熱溶解し、果汁、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、カップ容器に充填後、殺菌し、プルーン風味の酸性ポーションゼリーを得た。
【0037】
【表8】
【0038】
[実施例8] プルーン風味の酸性コンニャクゼリーの製造
表9の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、果糖ブドウ糖液糖、グラニュー糖、カルボキシメチルセルロースナトリウム、大豆多糖類、こんにゃくゼリー用増粘剤を水に加熱溶解し、果汁、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、カップ容器に充填後、殺菌し、プルーン風味の酸性コンニャクゼリーを得た。
【0039】
【表9】
【0040】
[実施例9] ブルーベリー味の酸性ジャムの製造
表10の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、砂糖半量、カルボキシメチルセルロースナトリウム、大豆多糖類、ジャム用ペクチン、ジャム用増粘剤を水に加熱溶解し、砂糖半量、ピューレ、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、カップ容器に充填後、殺菌し、ブルーベリー味の酸性ジャムを得た。
【0041】
【表10】
【0042】
[実施例10] ブルーベリー味の酸性清涼飲料の製造
表11の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、果糖ブドウ糖液糖、グラニュー糖、大豆多糖類、ハイメトキシルペクチンを水に加熱溶解し、果汁、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、容器に充填後、殺菌し、ブルーベリー味の酸性清涼飲料を得た。
【0043】
【表11】
【0044】
[実施例11] プルーン風味の酸性ポーションゼリーの製造
表12の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、果糖ブドウ糖液糖、グラニュー糖、大豆多糖類、ハイメトキシルペクチン、ポーションゼリー用増粘剤を水に加熱溶解し、果汁、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、カップ容器に充填後、殺菌し、プルーン風味の酸性ポーションゼリーを得た。
【0045】
【表12】
【0046】
[実施例12] プルーン風味の酸性コンニャクゼリーの製造
表13の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、果糖ブドウ糖液糖、グラニュー糖、大豆多糖類、ハイメトキシルペクチン、こんにゃくゼリー用増粘剤を水に加熱溶解し、果汁、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、カップ容器に充填後、殺菌し、プルーン風味の酸性コンニャクゼリーを得た。
【0047】
【表13】
【0048】
[実施例13] ブルーベリー味の酸性ジャムの製造
表14の配合に基づき、ヘム鉄、クエン酸ナトリウム、砂糖半量、大豆多糖類、ハイメトキシルペクチン、ジャム用ペクチン、ジャム用増粘剤を水に加熱溶解し、砂糖半量、ピューレ、香料を加えた後、クエン酸にてpH3〜4に調整、カップ容器に充填後、殺菌し、ブルーベリー味の酸性ジャムを得た。
【0049】
【表14】
【0050】
【発明の効果】
本発明により、酸性域では使用が困難であった水溶性ヘム鉄にペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び大豆多糖類からなる群から選択される少なくとも2種以上を添加することにより、水溶性を維持した酸性ヘム鉄飲食品を提供することができる。
Claims (4)
- ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び大豆多糖類からなる群から選択される少なくとも2種以上を含有することを特徴とする、酸性ヘム鉄含有飲食品。
- ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、大豆多糖類のヘム鉄に対する添加量がそれぞれ10〜100重量%であることを特徴とする、請求項1記載の飲食品。
- ペクチンがハイメトキシルペクチンであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の飲食品。
- ヘム鉄が水溶性ヘム鉄であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲食品。
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JP2002231584A JP2004065163A (ja) | 2002-08-08 | 2002-08-08 | 酸性ヘム鉄含有飲食品 |
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JP (1) | JP2004065163A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010280608A (ja) * | 2009-06-04 | 2010-12-16 | Ikeda Shokken Kk | シトクロム由来のヘム鉄を含む鉄補給又は鉄強化用製剤 |
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2002
- 2002-08-08 JP JP2002231584A patent/JP2004065163A/ja active Pending
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JP2010280608A (ja) * | 2009-06-04 | 2010-12-16 | Ikeda Shokken Kk | シトクロム由来のヘム鉄を含む鉄補給又は鉄強化用製剤 |
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