JP2004064973A - ケーブル、及びそのケーブルを用いた接続構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ケーブルの端末処理部において、ケーブル本体から導出される各対ケーブルのケーブル長を等しく保ちつつ配線を行うことができるアッセンブリ構造を実現することで、各対ケーブルの伝搬遅延時間の差を小さくすることが可能なケーブルを提供する。
【解決手段】絶縁部材で被覆された2本の信号線に導体テープを巻装して成る対撚り構造の対ケーブルで構成された単位対ケーブルを複数本等間隔に並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の一部又は全部を粘着テープ又は樹脂を用いて固定する。単位対ケーブルは、前記対ケーブルを1本で構成した一対型単位対ケーブル、対ケーブルを2本組み合わせた二対型単位対ケーブル、又は対ケーブルを4本組み合わせた四対型単位対ケーブルである。
【選択図】 図1
【解決手段】絶縁部材で被覆された2本の信号線に導体テープを巻装して成る対撚り構造の対ケーブルで構成された単位対ケーブルを複数本等間隔に並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の一部又は全部を粘着テープ又は樹脂を用いて固定する。単位対ケーブルは、前記対ケーブルを1本で構成した一対型単位対ケーブル、対ケーブルを2本組み合わせた二対型単位対ケーブル、又は対ケーブルを4本組み合わせた四対型単位対ケーブルである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば複数のサーバ間の接続に供されるケーブル、及びそのケーブルを用いた接続構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の分野の技術としては、例えば図10に示すようなものがあった。
【0003】
図10(a),(b)は、従来のケーブルを用いた接続構造体を示す構造図であり、同図(a)は平面図、同図(b)はケーブル本体のA−A断面図である。
【0004】
同図(a)中の140は、ケーブル本体であり、その構造は、図10(b)に示すように、断面略円形の形状を成し、ケーブル本体140内には、2本の信号線とドレインワイヤをアルミテープで巻装した対撚り構造の対ケーブル125が多数集合し、その対ケーブル125の集合体を、絶縁部材140aとその内面側に形成されたシールド部材126とから成る被覆部材によって被覆した層撚り構造となっている。
【0005】
ケーブル本体140の端末部130は、シールド部材126が折り返される形でケーブル本体140の外面に露出し、その露出したシールド部材126を留め金131で固定し更に残りのシールド部材126を絶縁チューブ132で固定している。
【0006】
さらに、ケーブル本体140の端末部130からは、撚りをほぐす形で多数の対ケーブル125が導出され、その各対ケーブル125の端部からそれぞれ露出した2本の信号線とドレインワイヤがコネクタ基板120の端子122a,122bに接合されている。
【0007】
コネクタ基板120には、配線パターン(図示省略)が形成され、各端子122a,122b,…とこれに対応したコネクタピン端子111,…とが配線パターンを介して電気的に接続されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のケーブルには、次のような問題点があった。
【0009】
ケーブル本体140の端末部130からは、撚りをほぐす形で多数の対ケーブル125が導出されるので、導出される各対ケーブル125のケーブル長が等しいものであったとしても、コネクタ側との配線時に端末処理部200において、内周側はケーブル長が余り、外周側ではケーブル長が不足する。そのため、この端末処理部200において各対ケーブル125のケーブル長を等しく保つことができず、各対ケーブル125間で伝搬遅延時間のばらつきが生じ易く対間のスキューが大きくなる問題があった。また、各対の内部においても配線時にケーブルを曲げることで、対内のスキューが生じやすくなる問題があった。
【0010】
この問題を解決する手法として、端末処理部200において、各対ケーブル125のケーブル長を等しく保つべく内周側と外周側のケーブル長を調節し、スキューのバラツキを解消する手法が提案されている。この手法は、ケーブル長に差が生じないように集合時に内外周で対ケーブル同士が適宜に入れ替わることができるように配慮されたものであるが、内外周の入れ替わりに伴いワイヤリングに無理が生ずることがある。すなわち、ある対ケーブルが他の対ケーブルを跨いだり横切ったりすることが生じ、この数が多くなると配線時に対ケーブルの折り曲げ箇所が必然的に増加し、折り曲げ部分においてケーブル絶縁部に変形等のダメージが発生して、インピーダンスや信号の減衰量などの電気的特性が悪化しやすい、という欠点があった。
【0011】
図11は、従来のケーブルにおける周波数[MHz]に対する信号の減衰量[dB]を示すグラフであり、同図に示すように、周波数1200〜1400[MHz]付近の帯域Sで信号の減衰量が著しく低下している。
【0012】
本発明は上記従来の問題点に鑑み、ケーブルの端末処理部において、ケーブル本体から導出される各対ケーブルのケーブル長を等しく保ちつつ配線を行うことができるアッセンブリ構造を実現することで、各対ケーブルの伝搬遅延時間の差を小さくすると同時に、インピーダンスや減衰量などの電気的特性を良好に保つことが可能なケーブル、及びそのケーブルを用いた接続構造体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のケーブルでは、絶縁部材で被覆された2本の信号線に導体テープを巻装して成る対ケーブルで構成された単位対ケーブルを複数本並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の一部又は全部を固定したことを特徴とする。
【0014】
本発明のケーブルでは、ケーブル前記ケーブル列の一部又は全部を粘着テープ又は樹脂を用いて固定したことを他の特徴とする。
【0015】
本発明のケーブルでは、前記単位対ケーブルは、当該単位対ケーブルが接続されるコネクタの端子ピッチに対応するように、等間隔に並列したことを他の特徴とする。
【0016】
本発明のケーブルでは、前記単位対ケーブルは、前記対ケーブルを1本で構成した一対型単位対ケーブル、前記対ケーブルを2本組み合わせた二対型単位対ケーブル、又は前記対ケーブルを4本組み合わせた四対型単位対ケーブルであることを他の特徴とする。
【0017】
本発明の接続構造体では、前記ケーブルをコネクタに接続した構造を有することを他の特徴とする。
【0018】
上記本発明の特徴によれば、対撚り構造の単位対ケーブルを複数本並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の一部又は全部を固定したので、ケーブル本体から単位対ケーブルが導出される端末処理部において、導出された各単位対ケーブルが互いに跨いだり横切ったりすることなく長手方向に一様に配置させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
[第1実施形態]
図1(a),(b)は、本発明の第1実施形態に係るケーブルを使用した接続構造体の構造を示す図であり、同図(a)は平面図、同図(b)はケーブル本体のA−A断面図である。また、図2は、図1に示した四対型単位対ケーブルの拡大断面図であり、図3は、図1に示した要部の側面図である。
【0021】
同図(a)中の70は、ケーブル本体であり、その構造は、図1(b)に示すように、断面横長のフラット状の形状を成し、ケーブル本体70内は、複数の四対型単位対ケーブル28が、コネクタ側の両面基板20の各端子25a〜25d,…と同ピッチとなるように等間隔で略平行に配列されている。
【0022】
各四対型単位対ケーブル28は、図2に示すように、中心に介材73を配置して、その介在73と4個の対ケーブル28a,28b,28c,28dとが接着部材80で接着されている。すなわち、4個の対ケーブル28a〜28dを1ペアとして撚り合わせ、その上から絶縁テープ72を巻装し、さらにシールド層71を施した構造を成している。シールド層71は、Al(アルミニューム)テープや編組等であってもよい。
【0023】
対ケーブル28aは、銅線等から成る信号線81a,81bとこれをそれぞれ被覆する絶縁部材81c,81dから成る2本の信号線と、ドレインワイヤ81eとをAlテープ81fで巻装した対撚り構造となっている。また、対ケーブル28bは、銅線等から成る信号線82a,82bとこれをそれぞれ被覆する絶縁部材82c,82dから成る2本の信号線と、ドレインワイヤ82eとをAlテープ82fで巻装した対撚り構造となっている。
【0024】
同様に、対ケーブル28cは、銅線等から成る信号線83a,83bとこれをそれぞれ被覆する絶縁部材83c,83dから成る2本の信号線と、ドレインワイヤ83eとをAlテープ83fで巻装した対撚り構造となっている。また、対ケーブル28dは、銅線等から成る信号線84a,84bとこれをそれぞれ被覆する絶縁部材84c,84dから成る2本の信号線と、ドレインワイヤ84eとをAlテープ84fで巻装した対撚り構造となっている。
【0025】
Alテープ81f〜84fは、外周面に導体が露出していても露出していなくてもよい。また、Alテープ81f〜84fの内周面は粘着性を持たせて、それぞれ信号線の絶縁部材に接着するようにしてもよいし、そうしなくてもよい。
【0026】
この対撚り構造の四対型単位対ケーブル28を複数本並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の例えば一部、つまりコネクタ側だけを樹脂75でモールドして固定することで、図1(b)に示す構造の本実施形態のケーブルを得ることができる。
【0027】
ケーブル本体70が上記のような構造を採ることにより、ケーブル本体70の端末部から導出された各単位対ケーブル28は、端末処理部30において、単位対ケーブル28同士が跨いだり横切ったりすることなく、長手方向に一様に配列されて、コネクタ側の両面基板20の各端子にそれぞれ、各単位対ケーブル28の信号線とドレインワイヤが接合される。すなわち、本実施形態では、コネクタの外側の端子には外側の単位対ケーブル28が対応し、コネクタの内側の端子に内側の単位対ケーブル28が対応することで、図3に示すように、上側の対ケーブル28a,28bの信号線81a,81b、82a,82bが両面基板20の上側の各端子25a〜25dと接合され、下側の対ケーブル28c,28dの信号線83a,83b、84a,84bが両面基板20の下側の端子25e〜25hと接合される。
【0028】
コネクタ側の両面基板20の表裏面には、配線パターン(図示省略)が形成され、各端子25a〜25d,…とこれに対応した中間端子21,…とが配線パターンを介してそれぞれ電気的に接続され、さらに絶縁性の仕切板15を介して各中間端子21,…がコネクタピン部10の各コネクタピン11,…にそれぞれ電気的に接続されている。
【0029】
本実施形態においては、対撚り構造の四対型単位対ケーブル28を複数本並列にしてフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の例えばコネクタ側だけを樹脂でモールドして固定するようにしたので、端末処理部30において、ケーブル本体70から導出された四対型単位対ケーブル28同士が跨いだり横切ったりすることなく長手方向に一様に配列される。これにより、従来の層撚り構造のケーブルに比べて、導体長差をなくすことが容易にとなり、ケーブル各信号線の伝搬遅延時間の差を小さくすることが可能になる。さらに、ケーブル本体70から導出された四対型単位対ケーブル28の折り曲げ箇所が皆無となり、従来の層撚り構造のケーブルに生ずるような、インピーダンスの低下、信号の反射や減衰などの電気的特性の悪化を抑制することができる。また、四対型単位対ケーブル28をコネクタ基板20に接続する際の作業性が改善する。
【0030】
図4は、本実施形態のケーブルにおける周波数[MHz]に対する信号の減衰量[dB]を示すグラフであり、同図に示すように、周波数全帯域で信号の減衰量には、図11に示す従来例のような減衰量の悪化がないことが分かる。
【0031】
[第2実施形態]
本実施形態では、対ケーブル1本ずつを横配置してフラット状に配列したケーブルの構造例を説明する。
【0032】
図5(a),(b)は、本発明の第2実施形態に係るケーブルを使用した接続構造体の構造を示す図であり、同図(a)は平面図、同図(b)はケーブル本体のA−A断面図である。また、図6は、図5に示した要部の側面図である。
【0033】
同図(a)中の40は、ケーブル本体であり、その構造は、図5(b)に示すように、断面横長のフラット状の形状を成し、ケーブル本体40内は、複数の対ケーブル25が横配置で、コネクタの片面基板20の各端子22a,22b,22c,…と同ピッチとなるように等間隔で略平行に配列されている。
【0034】
各対ケーブル25は、図5(b)に示すように、銅線等から成る信号線42a,43aとこれをそれぞれ被覆する絶縁部材42b,43bから成る2本の信号線と、ドレインワイヤ44とをAlテープ41で巻装した対撚り構造となっている(一対型単位対ケーブル)。本実施形態における各対ケーブル25の横配置とは、ケーブル本体40の長手方向に沿って、各対ケーブル25の信号線42a,43aが並列するように配置したものである。
【0035】
Alテープ41は、上記第1実施形態と同様に外周面に導体が露出していても露出していなくてもよい。また、Alテープ41の内周面は粘着性を持たせて信号線42a,43aの絶縁部材42b,43bに接着するようにしてもよいし、そうしなくてもよい。
【0036】
この対撚り構造の対ケーブル25を複数本並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の例えば一部、つまりコネクタ側だけを樹脂45でモールドして固定することで、図5(b)に示す構造の本実施形態のケーブルを得ることができる。
【0037】
ケーブル本体40が上記のような構造を採ることにより、ケーブル本体40の端末部から導出された各対ケーブル25は、端末処理部30において、対ケーブル25同士が跨いだり横切ったりすることなく長手方向に一様に配列されて、コネクタ基板20の各端子22a,22b,22c,…にそれぞれ、各対ケーブル25の信号線42a,43aとドレインワイヤ44が接合される。
【0038】
コネクタ基板20の片面には、配線パターン(図示省略)が形成され、各端子22a,22b,22c,…とこれに対応した中間端子21,…とが配線パターンを介してそれぞれ電気的に接続され、さらに絶縁性の仕切板15を介して各中間端子21,…がコネクタピン部10の各コネクタピン11,…にそれぞれ電気的に接続されている。
【0039】
本実施形態では、対撚り構造の対ケーブル25を複数本並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の例えばコネクタ側だけを樹脂でモールドして固定するようにしたので、上記第1実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0040】
[第3実施形態]
上記第2実施形態では、各対ケーブルを横配置してフラット状に配列したケーブルの構造例を説明したが、本実施形態では、各対ケーブルを縦配置してフラット状に配列したケーブルの構造例を説明する。
【0041】
図7(a),(b)は、本発明の第三実施形態に係るケーブルを使用した接続構造体の構造を示す図であり、同図(a)は平面図、同図(b)はケーブル本体のA−A断面図である。
【0042】
同図(a)中の50は、ケーブル本体であり、その構造は、図7(b)に示すように、断面横長のフラット状の形状を成し、ケーブル本体50内は、複数の対ケーブル26が縦配置で、コネクタ側の両面基板20の各端子23a,23b,23c…と同ピッチとなるように等間隔で略平行に配列されている。
【0043】
各対ケーブル26は、図7(b)に示すように、銅線等から成る信号線52a,53aとこれをそれぞれ被覆する絶縁部材52b,53bから成る2本の信号線と、ドレインワイヤ54とをAlテープ51で巻装した対撚り構造となっている(一対型単位対ケーブル)。本実施形態における各対ケーブル26の縦配置とは、ケーブル本体40の長手方向に対して直交する方向に、各対ケーブル26の各々の信号線52a,53aが並列するように配置したものである。
【0044】
この対撚り構造の対ケーブル26を複数本並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の例えば一部、つまりコネクタ側だけを樹脂55でモールドして固定することで、図7(b)に示す構造の本実施形態のケーブルを得ることができる。
【0045】
ケーブル本体50が上記のような構造を採ることにより、ケーブル本体50の端末部から導出された各対ケーブル26は、端末処理部30において、対ケーブル26同士が跨いだり横切ったりすることなく長手方向に一様に配列されて、コネクタ側の両面基板20の各端子23a,23b,23c,…にそれぞれ、各対ケーブル26の信号線52a,53aとドレインワイヤ54が接合される。すなわち、本実施形態では、上側の対ケーブル26aの信号線52aが両面基板20の上側の端子23aと接合され、下側の対ケーブル26bの信号線53aが両面基板20の下側の端子23bと接合される。
【0046】
コネクタ側の両面基板20の表裏面には、配線パターン(図示省略)が形成され、各端子23a,23b,23c,…とこれに対応した中間端子21,…とが配線パターンを介してそれぞれ電気的に接続され、さらに絶縁性の仕切板15を介して各中間端子21,…がコネクタピン部10の各コネクタピン11,…にそれぞれ電気的に接続されている。
【0047】
本実施形態においても、対撚り構造の対ケーブル26を複数本並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の例えばコネクタ側だけを樹脂でモールドして固定するようにしたので、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0048】
[第4実施形態]
本実施形態では、複数の二対型単位対ケーブルをフラット状に配列したケーブルの構造例を説明する。
【0049】
図8(a),(b)は、本発明の第4実施形態に係るケーブルを使用した接続構造体の構造を示す図であり、同図(a)は平面図、同図(b)はケーブル本体のA−A断面図である。また、図9は、図8に示した二対型単位対ケーブルの断面図である。
【0050】
同図(a)中の60は、ケーブル本体であり、その構造は、図8(b)に示すように、断面横長のフラット状の形状を成し、ケーブル本体60内は、複数の二対型単位対ケーブル27が、コネクタ側の両面基板20の各端子24a,24b,24c…と同ピッチとなるように等間隔で略平行に配列されている。
【0051】
各二対型単位対ケーブル27は、図9に示すように、2個の対ケーブル27a,27bを1ペアとして撚り合わせ、その上から絶縁テープ27dを巻装し、さらにシールド層27eを施した構造を成している。シールド層27eは、Alテープや編組等であってもよい。
【0052】
対ケーブル27aは、銅線等から成る信号線62a,63aとこれをそれぞれ被覆する絶縁部材62b,63bから成る2本の信号線と、ドレインワイヤ29aとをAlテープ28aで巻装した対撚り構造となっている。同様に、対ケーブル27bは、銅線等から成る信号線64a,65aとこれをそれぞれ被覆する絶縁部材64b,65bから成る2本の信号線と、ドレインワイヤ29bとをAlテープ28bで巻装した対撚り構造となっている。
【0053】
この対撚り構造の単位対ケーブル27を複数本並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の例えば一部、つまりコネクタ側だけを樹脂65でモールドして固定することで、図8(b)に示す構造の本実施形態のケーブルを得ることができる。
【0054】
ケーブル本体60が上記のような構造を採ることにより、ケーブル本体60の端末部から導出された各単位対ケーブル27は、端末処理部30において、単位対ケーブル27同士が跨いだり横切ったりすることなく長手方向に一様に配列されて、コネクタ側の両面基板20の各端子にそれぞれ、各単位対ケーブル27の信号線とドレインワイヤが接合される。すなわち、本実施形態では、上側の対ケーブル27aの信号線62a,63aが両面基板20の上側の各端子24a,24bと接合され、下側の対ケーブル27bの信号線64a,65aが両面基板20の下側の端子(図示省略)と接合される。
【0055】
コネクタ側の両面基板20には、表裏面に配線パターン(図示省略)が形成され、各端子24a,24b,24c,…とこれに対応した中間端子21,…とが配線パターンを介してそれぞれ電気的に接続され、さらに絶縁性の仕切板15を介して各中間端子21,…がコネクタピン部10の各コネクタピン11,…にそれぞれ電気的に接続されている。
【0056】
本実施形態においても、対撚り構造の単位対ケーブル27を複数本並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の例えばコネクタ側だけを樹脂でモールドして固定するようにしたので、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0057】
なお、本発明は、図示の実施形態に限定されず種々の変形が可能であり、例えばその変形例として、次のようなものがある。
【0058】
(1)対撚り構造の単位対ケーブルを他の構造、例えば、撚りを加えない平行線構造としてもよい。
【0059】
(2)対撚り構造の単位対ケーブルを複数本並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の例えば一部、つまりコネクタ側だけを樹脂でモールドして固定するようにしたが、ケーブル列全てを樹脂でモールドしてもよい。さらに、ケーブル列を樹脂でモールドして固定するのではなく、テープで固定するようにしてもよい。
【0060】
(3)対ケーブルの外周に巻くAlテープは、銅テープであってもよいし、導体線を使った横巻きシールドであってもよい。
【0061】
(4)コネクタ側の構成は、本発明の主旨に沿ったものであれば、上記各実施形態に示したものに限定されない。
【0062】
(5)第1実施形態の四対型単位対ケーブル28では、介材73を設けた構成であったが、介材73を設けない構成であってもよい。
【0063】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、対撚り構造の単位対ケーブルを複数本並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の一部又は全部を固定したので、ケーブル本体から単位対ケーブルが導出される端末処理部において、導出された各単位対ケーブルが互いに跨いだり横切ったりすることなく長手方向に一様に配置させることができる。
【0064】
これにより、従来の層撚り構造のケーブルに比べて、導体長差をなくすことが容易にとなり、ケーブル各信号線の伝搬遅延時間の差を小さくすることが可能になる。さらに、単位対ケーブルの折り曲げ箇所が皆無となり、従来の層撚り構造のケーブルに生ずるような、インピーダンスの低下、信号の反射や減衰などの電気的特性の悪化を抑制することができる。また、ケーブルをコネクタ側に配線する際の作業性が改善する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るケーブルを使用した接続構造体の構造を示す図である。
【図2】図1に示した四対型単位対ケーブルの拡大断面図である。
【図3】図1に示した要部の側面図である。
【図4】本発明のケーブルにおける周波数[MHz]に対する信号の減衰量[dB]を示すグラフ
【図5】本発明の第2実施形態に係るケーブルを使用した接続構造体の構造を示す図である。
【図6】図5に示した要部の側面図である。
【図7】本発明の第三実施形態に係るケーブルを使用した接続構造体の構造を示す図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係るケーブルを使用した接続構造体の構造を示す図である。
【図9】図8に示した二対型単位対ケーブルの断面図である。
【図10】従来のケーブルを用いた接続構造体を示す構造図である。
【図11】従来のケーブルにおける周波数[MHz]に対する信号の減衰量[dB]を示すグラフである。
【符号の説明】
10…コネクタピン部
11…コネクタピン
15…仕切板
20,120…コネクタ基板
21…中間端子
25…対ケーブル
28…単位対ケーブル
28a,41,51,81f,82f,83f,84f…A1テープ
30…端末処理部
40,50,60,70,140…ケーブル本体
42a,43a,52a,53a,62a,63a,81a,81b,82a,82b,83a,83b,84a,84b…信号線
42b,43b,52b,53b,62b,63b,64b,65b,81c,81d,82c,82d,83c,83d,84c,84d…絶縁部材
44,54,81e,82e,83e,84e…ドレインワイヤ
73…介材
130…端末部
131…留め金
132…絶縁チューブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば複数のサーバ間の接続に供されるケーブル、及びそのケーブルを用いた接続構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の分野の技術としては、例えば図10に示すようなものがあった。
【0003】
図10(a),(b)は、従来のケーブルを用いた接続構造体を示す構造図であり、同図(a)は平面図、同図(b)はケーブル本体のA−A断面図である。
【0004】
同図(a)中の140は、ケーブル本体であり、その構造は、図10(b)に示すように、断面略円形の形状を成し、ケーブル本体140内には、2本の信号線とドレインワイヤをアルミテープで巻装した対撚り構造の対ケーブル125が多数集合し、その対ケーブル125の集合体を、絶縁部材140aとその内面側に形成されたシールド部材126とから成る被覆部材によって被覆した層撚り構造となっている。
【0005】
ケーブル本体140の端末部130は、シールド部材126が折り返される形でケーブル本体140の外面に露出し、その露出したシールド部材126を留め金131で固定し更に残りのシールド部材126を絶縁チューブ132で固定している。
【0006】
さらに、ケーブル本体140の端末部130からは、撚りをほぐす形で多数の対ケーブル125が導出され、その各対ケーブル125の端部からそれぞれ露出した2本の信号線とドレインワイヤがコネクタ基板120の端子122a,122bに接合されている。
【0007】
コネクタ基板120には、配線パターン(図示省略)が形成され、各端子122a,122b,…とこれに対応したコネクタピン端子111,…とが配線パターンを介して電気的に接続されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のケーブルには、次のような問題点があった。
【0009】
ケーブル本体140の端末部130からは、撚りをほぐす形で多数の対ケーブル125が導出されるので、導出される各対ケーブル125のケーブル長が等しいものであったとしても、コネクタ側との配線時に端末処理部200において、内周側はケーブル長が余り、外周側ではケーブル長が不足する。そのため、この端末処理部200において各対ケーブル125のケーブル長を等しく保つことができず、各対ケーブル125間で伝搬遅延時間のばらつきが生じ易く対間のスキューが大きくなる問題があった。また、各対の内部においても配線時にケーブルを曲げることで、対内のスキューが生じやすくなる問題があった。
【0010】
この問題を解決する手法として、端末処理部200において、各対ケーブル125のケーブル長を等しく保つべく内周側と外周側のケーブル長を調節し、スキューのバラツキを解消する手法が提案されている。この手法は、ケーブル長に差が生じないように集合時に内外周で対ケーブル同士が適宜に入れ替わることができるように配慮されたものであるが、内外周の入れ替わりに伴いワイヤリングに無理が生ずることがある。すなわち、ある対ケーブルが他の対ケーブルを跨いだり横切ったりすることが生じ、この数が多くなると配線時に対ケーブルの折り曲げ箇所が必然的に増加し、折り曲げ部分においてケーブル絶縁部に変形等のダメージが発生して、インピーダンスや信号の減衰量などの電気的特性が悪化しやすい、という欠点があった。
【0011】
図11は、従来のケーブルにおける周波数[MHz]に対する信号の減衰量[dB]を示すグラフであり、同図に示すように、周波数1200〜1400[MHz]付近の帯域Sで信号の減衰量が著しく低下している。
【0012】
本発明は上記従来の問題点に鑑み、ケーブルの端末処理部において、ケーブル本体から導出される各対ケーブルのケーブル長を等しく保ちつつ配線を行うことができるアッセンブリ構造を実現することで、各対ケーブルの伝搬遅延時間の差を小さくすると同時に、インピーダンスや減衰量などの電気的特性を良好に保つことが可能なケーブル、及びそのケーブルを用いた接続構造体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のケーブルでは、絶縁部材で被覆された2本の信号線に導体テープを巻装して成る対ケーブルで構成された単位対ケーブルを複数本並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の一部又は全部を固定したことを特徴とする。
【0014】
本発明のケーブルでは、ケーブル前記ケーブル列の一部又は全部を粘着テープ又は樹脂を用いて固定したことを他の特徴とする。
【0015】
本発明のケーブルでは、前記単位対ケーブルは、当該単位対ケーブルが接続されるコネクタの端子ピッチに対応するように、等間隔に並列したことを他の特徴とする。
【0016】
本発明のケーブルでは、前記単位対ケーブルは、前記対ケーブルを1本で構成した一対型単位対ケーブル、前記対ケーブルを2本組み合わせた二対型単位対ケーブル、又は前記対ケーブルを4本組み合わせた四対型単位対ケーブルであることを他の特徴とする。
【0017】
本発明の接続構造体では、前記ケーブルをコネクタに接続した構造を有することを他の特徴とする。
【0018】
上記本発明の特徴によれば、対撚り構造の単位対ケーブルを複数本並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の一部又は全部を固定したので、ケーブル本体から単位対ケーブルが導出される端末処理部において、導出された各単位対ケーブルが互いに跨いだり横切ったりすることなく長手方向に一様に配置させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
[第1実施形態]
図1(a),(b)は、本発明の第1実施形態に係るケーブルを使用した接続構造体の構造を示す図であり、同図(a)は平面図、同図(b)はケーブル本体のA−A断面図である。また、図2は、図1に示した四対型単位対ケーブルの拡大断面図であり、図3は、図1に示した要部の側面図である。
【0021】
同図(a)中の70は、ケーブル本体であり、その構造は、図1(b)に示すように、断面横長のフラット状の形状を成し、ケーブル本体70内は、複数の四対型単位対ケーブル28が、コネクタ側の両面基板20の各端子25a〜25d,…と同ピッチとなるように等間隔で略平行に配列されている。
【0022】
各四対型単位対ケーブル28は、図2に示すように、中心に介材73を配置して、その介在73と4個の対ケーブル28a,28b,28c,28dとが接着部材80で接着されている。すなわち、4個の対ケーブル28a〜28dを1ペアとして撚り合わせ、その上から絶縁テープ72を巻装し、さらにシールド層71を施した構造を成している。シールド層71は、Al(アルミニューム)テープや編組等であってもよい。
【0023】
対ケーブル28aは、銅線等から成る信号線81a,81bとこれをそれぞれ被覆する絶縁部材81c,81dから成る2本の信号線と、ドレインワイヤ81eとをAlテープ81fで巻装した対撚り構造となっている。また、対ケーブル28bは、銅線等から成る信号線82a,82bとこれをそれぞれ被覆する絶縁部材82c,82dから成る2本の信号線と、ドレインワイヤ82eとをAlテープ82fで巻装した対撚り構造となっている。
【0024】
同様に、対ケーブル28cは、銅線等から成る信号線83a,83bとこれをそれぞれ被覆する絶縁部材83c,83dから成る2本の信号線と、ドレインワイヤ83eとをAlテープ83fで巻装した対撚り構造となっている。また、対ケーブル28dは、銅線等から成る信号線84a,84bとこれをそれぞれ被覆する絶縁部材84c,84dから成る2本の信号線と、ドレインワイヤ84eとをAlテープ84fで巻装した対撚り構造となっている。
【0025】
Alテープ81f〜84fは、外周面に導体が露出していても露出していなくてもよい。また、Alテープ81f〜84fの内周面は粘着性を持たせて、それぞれ信号線の絶縁部材に接着するようにしてもよいし、そうしなくてもよい。
【0026】
この対撚り構造の四対型単位対ケーブル28を複数本並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の例えば一部、つまりコネクタ側だけを樹脂75でモールドして固定することで、図1(b)に示す構造の本実施形態のケーブルを得ることができる。
【0027】
ケーブル本体70が上記のような構造を採ることにより、ケーブル本体70の端末部から導出された各単位対ケーブル28は、端末処理部30において、単位対ケーブル28同士が跨いだり横切ったりすることなく、長手方向に一様に配列されて、コネクタ側の両面基板20の各端子にそれぞれ、各単位対ケーブル28の信号線とドレインワイヤが接合される。すなわち、本実施形態では、コネクタの外側の端子には外側の単位対ケーブル28が対応し、コネクタの内側の端子に内側の単位対ケーブル28が対応することで、図3に示すように、上側の対ケーブル28a,28bの信号線81a,81b、82a,82bが両面基板20の上側の各端子25a〜25dと接合され、下側の対ケーブル28c,28dの信号線83a,83b、84a,84bが両面基板20の下側の端子25e〜25hと接合される。
【0028】
コネクタ側の両面基板20の表裏面には、配線パターン(図示省略)が形成され、各端子25a〜25d,…とこれに対応した中間端子21,…とが配線パターンを介してそれぞれ電気的に接続され、さらに絶縁性の仕切板15を介して各中間端子21,…がコネクタピン部10の各コネクタピン11,…にそれぞれ電気的に接続されている。
【0029】
本実施形態においては、対撚り構造の四対型単位対ケーブル28を複数本並列にしてフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の例えばコネクタ側だけを樹脂でモールドして固定するようにしたので、端末処理部30において、ケーブル本体70から導出された四対型単位対ケーブル28同士が跨いだり横切ったりすることなく長手方向に一様に配列される。これにより、従来の層撚り構造のケーブルに比べて、導体長差をなくすことが容易にとなり、ケーブル各信号線の伝搬遅延時間の差を小さくすることが可能になる。さらに、ケーブル本体70から導出された四対型単位対ケーブル28の折り曲げ箇所が皆無となり、従来の層撚り構造のケーブルに生ずるような、インピーダンスの低下、信号の反射や減衰などの電気的特性の悪化を抑制することができる。また、四対型単位対ケーブル28をコネクタ基板20に接続する際の作業性が改善する。
【0030】
図4は、本実施形態のケーブルにおける周波数[MHz]に対する信号の減衰量[dB]を示すグラフであり、同図に示すように、周波数全帯域で信号の減衰量には、図11に示す従来例のような減衰量の悪化がないことが分かる。
【0031】
[第2実施形態]
本実施形態では、対ケーブル1本ずつを横配置してフラット状に配列したケーブルの構造例を説明する。
【0032】
図5(a),(b)は、本発明の第2実施形態に係るケーブルを使用した接続構造体の構造を示す図であり、同図(a)は平面図、同図(b)はケーブル本体のA−A断面図である。また、図6は、図5に示した要部の側面図である。
【0033】
同図(a)中の40は、ケーブル本体であり、その構造は、図5(b)に示すように、断面横長のフラット状の形状を成し、ケーブル本体40内は、複数の対ケーブル25が横配置で、コネクタの片面基板20の各端子22a,22b,22c,…と同ピッチとなるように等間隔で略平行に配列されている。
【0034】
各対ケーブル25は、図5(b)に示すように、銅線等から成る信号線42a,43aとこれをそれぞれ被覆する絶縁部材42b,43bから成る2本の信号線と、ドレインワイヤ44とをAlテープ41で巻装した対撚り構造となっている(一対型単位対ケーブル)。本実施形態における各対ケーブル25の横配置とは、ケーブル本体40の長手方向に沿って、各対ケーブル25の信号線42a,43aが並列するように配置したものである。
【0035】
Alテープ41は、上記第1実施形態と同様に外周面に導体が露出していても露出していなくてもよい。また、Alテープ41の内周面は粘着性を持たせて信号線42a,43aの絶縁部材42b,43bに接着するようにしてもよいし、そうしなくてもよい。
【0036】
この対撚り構造の対ケーブル25を複数本並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の例えば一部、つまりコネクタ側だけを樹脂45でモールドして固定することで、図5(b)に示す構造の本実施形態のケーブルを得ることができる。
【0037】
ケーブル本体40が上記のような構造を採ることにより、ケーブル本体40の端末部から導出された各対ケーブル25は、端末処理部30において、対ケーブル25同士が跨いだり横切ったりすることなく長手方向に一様に配列されて、コネクタ基板20の各端子22a,22b,22c,…にそれぞれ、各対ケーブル25の信号線42a,43aとドレインワイヤ44が接合される。
【0038】
コネクタ基板20の片面には、配線パターン(図示省略)が形成され、各端子22a,22b,22c,…とこれに対応した中間端子21,…とが配線パターンを介してそれぞれ電気的に接続され、さらに絶縁性の仕切板15を介して各中間端子21,…がコネクタピン部10の各コネクタピン11,…にそれぞれ電気的に接続されている。
【0039】
本実施形態では、対撚り構造の対ケーブル25を複数本並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の例えばコネクタ側だけを樹脂でモールドして固定するようにしたので、上記第1実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0040】
[第3実施形態]
上記第2実施形態では、各対ケーブルを横配置してフラット状に配列したケーブルの構造例を説明したが、本実施形態では、各対ケーブルを縦配置してフラット状に配列したケーブルの構造例を説明する。
【0041】
図7(a),(b)は、本発明の第三実施形態に係るケーブルを使用した接続構造体の構造を示す図であり、同図(a)は平面図、同図(b)はケーブル本体のA−A断面図である。
【0042】
同図(a)中の50は、ケーブル本体であり、その構造は、図7(b)に示すように、断面横長のフラット状の形状を成し、ケーブル本体50内は、複数の対ケーブル26が縦配置で、コネクタ側の両面基板20の各端子23a,23b,23c…と同ピッチとなるように等間隔で略平行に配列されている。
【0043】
各対ケーブル26は、図7(b)に示すように、銅線等から成る信号線52a,53aとこれをそれぞれ被覆する絶縁部材52b,53bから成る2本の信号線と、ドレインワイヤ54とをAlテープ51で巻装した対撚り構造となっている(一対型単位対ケーブル)。本実施形態における各対ケーブル26の縦配置とは、ケーブル本体40の長手方向に対して直交する方向に、各対ケーブル26の各々の信号線52a,53aが並列するように配置したものである。
【0044】
この対撚り構造の対ケーブル26を複数本並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の例えば一部、つまりコネクタ側だけを樹脂55でモールドして固定することで、図7(b)に示す構造の本実施形態のケーブルを得ることができる。
【0045】
ケーブル本体50が上記のような構造を採ることにより、ケーブル本体50の端末部から導出された各対ケーブル26は、端末処理部30において、対ケーブル26同士が跨いだり横切ったりすることなく長手方向に一様に配列されて、コネクタ側の両面基板20の各端子23a,23b,23c,…にそれぞれ、各対ケーブル26の信号線52a,53aとドレインワイヤ54が接合される。すなわち、本実施形態では、上側の対ケーブル26aの信号線52aが両面基板20の上側の端子23aと接合され、下側の対ケーブル26bの信号線53aが両面基板20の下側の端子23bと接合される。
【0046】
コネクタ側の両面基板20の表裏面には、配線パターン(図示省略)が形成され、各端子23a,23b,23c,…とこれに対応した中間端子21,…とが配線パターンを介してそれぞれ電気的に接続され、さらに絶縁性の仕切板15を介して各中間端子21,…がコネクタピン部10の各コネクタピン11,…にそれぞれ電気的に接続されている。
【0047】
本実施形態においても、対撚り構造の対ケーブル26を複数本並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の例えばコネクタ側だけを樹脂でモールドして固定するようにしたので、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0048】
[第4実施形態]
本実施形態では、複数の二対型単位対ケーブルをフラット状に配列したケーブルの構造例を説明する。
【0049】
図8(a),(b)は、本発明の第4実施形態に係るケーブルを使用した接続構造体の構造を示す図であり、同図(a)は平面図、同図(b)はケーブル本体のA−A断面図である。また、図9は、図8に示した二対型単位対ケーブルの断面図である。
【0050】
同図(a)中の60は、ケーブル本体であり、その構造は、図8(b)に示すように、断面横長のフラット状の形状を成し、ケーブル本体60内は、複数の二対型単位対ケーブル27が、コネクタ側の両面基板20の各端子24a,24b,24c…と同ピッチとなるように等間隔で略平行に配列されている。
【0051】
各二対型単位対ケーブル27は、図9に示すように、2個の対ケーブル27a,27bを1ペアとして撚り合わせ、その上から絶縁テープ27dを巻装し、さらにシールド層27eを施した構造を成している。シールド層27eは、Alテープや編組等であってもよい。
【0052】
対ケーブル27aは、銅線等から成る信号線62a,63aとこれをそれぞれ被覆する絶縁部材62b,63bから成る2本の信号線と、ドレインワイヤ29aとをAlテープ28aで巻装した対撚り構造となっている。同様に、対ケーブル27bは、銅線等から成る信号線64a,65aとこれをそれぞれ被覆する絶縁部材64b,65bから成る2本の信号線と、ドレインワイヤ29bとをAlテープ28bで巻装した対撚り構造となっている。
【0053】
この対撚り構造の単位対ケーブル27を複数本並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の例えば一部、つまりコネクタ側だけを樹脂65でモールドして固定することで、図8(b)に示す構造の本実施形態のケーブルを得ることができる。
【0054】
ケーブル本体60が上記のような構造を採ることにより、ケーブル本体60の端末部から導出された各単位対ケーブル27は、端末処理部30において、単位対ケーブル27同士が跨いだり横切ったりすることなく長手方向に一様に配列されて、コネクタ側の両面基板20の各端子にそれぞれ、各単位対ケーブル27の信号線とドレインワイヤが接合される。すなわち、本実施形態では、上側の対ケーブル27aの信号線62a,63aが両面基板20の上側の各端子24a,24bと接合され、下側の対ケーブル27bの信号線64a,65aが両面基板20の下側の端子(図示省略)と接合される。
【0055】
コネクタ側の両面基板20には、表裏面に配線パターン(図示省略)が形成され、各端子24a,24b,24c,…とこれに対応した中間端子21,…とが配線パターンを介してそれぞれ電気的に接続され、さらに絶縁性の仕切板15を介して各中間端子21,…がコネクタピン部10の各コネクタピン11,…にそれぞれ電気的に接続されている。
【0056】
本実施形態においても、対撚り構造の単位対ケーブル27を複数本並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の例えばコネクタ側だけを樹脂でモールドして固定するようにしたので、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0057】
なお、本発明は、図示の実施形態に限定されず種々の変形が可能であり、例えばその変形例として、次のようなものがある。
【0058】
(1)対撚り構造の単位対ケーブルを他の構造、例えば、撚りを加えない平行線構造としてもよい。
【0059】
(2)対撚り構造の単位対ケーブルを複数本並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の例えば一部、つまりコネクタ側だけを樹脂でモールドして固定するようにしたが、ケーブル列全てを樹脂でモールドしてもよい。さらに、ケーブル列を樹脂でモールドして固定するのではなく、テープで固定するようにしてもよい。
【0060】
(3)対ケーブルの外周に巻くAlテープは、銅テープであってもよいし、導体線を使った横巻きシールドであってもよい。
【0061】
(4)コネクタ側の構成は、本発明の主旨に沿ったものであれば、上記各実施形態に示したものに限定されない。
【0062】
(5)第1実施形態の四対型単位対ケーブル28では、介材73を設けた構成であったが、介材73を設けない構成であってもよい。
【0063】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、対撚り構造の単位対ケーブルを複数本並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の一部又は全部を固定したので、ケーブル本体から単位対ケーブルが導出される端末処理部において、導出された各単位対ケーブルが互いに跨いだり横切ったりすることなく長手方向に一様に配置させることができる。
【0064】
これにより、従来の層撚り構造のケーブルに比べて、導体長差をなくすことが容易にとなり、ケーブル各信号線の伝搬遅延時間の差を小さくすることが可能になる。さらに、単位対ケーブルの折り曲げ箇所が皆無となり、従来の層撚り構造のケーブルに生ずるような、インピーダンスの低下、信号の反射や減衰などの電気的特性の悪化を抑制することができる。また、ケーブルをコネクタ側に配線する際の作業性が改善する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るケーブルを使用した接続構造体の構造を示す図である。
【図2】図1に示した四対型単位対ケーブルの拡大断面図である。
【図3】図1に示した要部の側面図である。
【図4】本発明のケーブルにおける周波数[MHz]に対する信号の減衰量[dB]を示すグラフ
【図5】本発明の第2実施形態に係るケーブルを使用した接続構造体の構造を示す図である。
【図6】図5に示した要部の側面図である。
【図7】本発明の第三実施形態に係るケーブルを使用した接続構造体の構造を示す図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係るケーブルを使用した接続構造体の構造を示す図である。
【図9】図8に示した二対型単位対ケーブルの断面図である。
【図10】従来のケーブルを用いた接続構造体を示す構造図である。
【図11】従来のケーブルにおける周波数[MHz]に対する信号の減衰量[dB]を示すグラフである。
【符号の説明】
10…コネクタピン部
11…コネクタピン
15…仕切板
20,120…コネクタ基板
21…中間端子
25…対ケーブル
28…単位対ケーブル
28a,41,51,81f,82f,83f,84f…A1テープ
30…端末処理部
40,50,60,70,140…ケーブル本体
42a,43a,52a,53a,62a,63a,81a,81b,82a,82b,83a,83b,84a,84b…信号線
42b,43b,52b,53b,62b,63b,64b,65b,81c,81d,82c,82d,83c,83d,84c,84d…絶縁部材
44,54,81e,82e,83e,84e…ドレインワイヤ
73…介材
130…端末部
131…留め金
132…絶縁チューブ
Claims (5)
- 絶縁部材で被覆された2本の信号線に導体テープを巻装して成る対ケーブルで構成された単位対ケーブルを複数本並列してフラット状のケーブル列を形成し、該ケーブル列の一部又は全部を固定したことを特徴とするケーブル。
- 前記ケーブル列の一部又は全部を粘着テープ又は樹脂を用いて固定したことを特徴とする請求項1記載のケーブル。
- 前記単位対ケーブルは、当該単位対ケーブルが接続されるコネクタの端子ピッチに対応するように、等間隔に並列したことを特徴とする請求項1又は2記載のケーブル。
- 前記単位対ケーブルは、前記対ケーブルを1本で構成した一対型単位対ケーブル、前記対ケーブルを2本組み合わせた二対型単位対ケーブル、又は前記対ケーブルを4本組み合わせた四対型単位対ケーブルであることを特徴とする請求項1乃至3記載のケーブル。
- 請求項1乃至4記載のケーブルをコネクタに接続した構造を有することを特徴とする接続構造体。
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