JP2004064559A - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像処理装置100は、1画面分の画像領域に含まれる読み出し画像領域に存在する画像信号を記憶装置6から読み出す画像信号読み出し器3と、画像信号を符号化した符号化画像信号の符号量を見積もるための符号量見積もり器4と、画像信号を符号化画像信号に符号化する符号化器5と、符号量見積もり器4が符号量を見積もるために要した符号量見積もり処理時間と符号化器5が画像信号を符号化するために要した符号化処理時間とを合計した合計処理時間を算出する処理時間算出器2と、処理時間算出器2によって算出された合計処理時間に応じて、画像信号読み出し器3が画像信号を読み出す読み出し画像領域の広さを変更するシステム制御器1とを具備する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像信号を記録することができるデジタルスチルカメラもしくはデジタルビデオカメラに設けられる画像処理装置およびこれを用いた画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
NOMAL、FINEといった撮影後の圧縮画像データの符号量の目安を切り替える撮影モードを変更することにより、圧縮率を変更するデジタルスチルカメラもしくはデジタルビデオカメラにおいて、同じ撮影モードで記録しているにもかかわらず、圧縮してできた圧縮画像データの符号量のばらつきは様々である。
【0003】
このように圧縮画像データの符号量にばらつきがあると、限られた容量のメモリを扱う際、ファイル管理が行いにくくなると言う問題がある。また、従来の符号量見積もり処理では、圧縮する画像の全画角に対して符号量を見積もるために、符号量を見積もるために要する時間が長くなる結果、符号量見積もり処理がデジタルスチルカメラの連続撮影速度の足かせになっているといった問題がある。
【0004】
例えば特開平11−261952号公報には、これらの問題を解決するための符号化装置が開示されている。この符号化装置では、符号量見積もり処理が連続撮影速度を遅くする原因となる場合には、符号量見積もり処理を行わない。このため、連続撮影速度の低下を防止することができる。この符号化装置によれば、似通った画像を連続撮影する場合には、最良の効果を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した特開平11−261952号公報に開示された符号化装置では、急にカメラを動かした場合など、連続撮影中に全く異なる画像を撮影した場合に、符号量見積もり処理を行わないと、符号化された圧縮画像データの符号量にばらつきが生じる。このため、限られた容量のメモリを扱う際、ファイル管理が行いにくくなると言う問題が生じる。
【0006】
本発明は係る問題を解決するためになされたものであり、その目的は、連続撮影速度を低下させることなく圧縮画像データの符号量を見積もることができる画像処理装置及び画像処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
係る目的を達成するために本発明に係る画像処理装置は、1画面分の画像領域に含まれる読み出し画像領域に存在する画像信号を記憶装置から読み出す画像信号読み出し器と、前記画像信号読み出し器によって読み出された前記画像信号を符号化した符号化画像信号の符号量を見積もるための符号量見積もり器と、前記画像信号を前記符号化画像信号に符号化する符号化器と、前記符号量見積もり器が前記符号量を見積もるために要した符号量見積もり処理時間と前記符号化器が前記画像信号を符号化するために要した符号化処理時間とを検出して、前記符号量見積もり処理時間と前記符号化処理時間とを合計した合計処理時間を算出する処理時間算出器と、前記処理時間算出器によって算出された前記合計処理時間に応じて、前記画像信号読み出し器が前記画像信号を読み出す前記読み出し画像領域の広さを変更するシステム制御器とを具備することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る画像処理方法は、1画面分の画像領域に含まれる読み出し画像領域に存在する画像信号を記憶装置から読み出す画像信号読み出し工程と、前記画像信号読み出し工程によって読み出された前記画像信号を符号化した符号化画像信号の符号量を見積もるための符号量見積もり工程と、前記画像信号を前記符号化画像信号に符号化する符号化工程と、前記符号量見積もり工程が前記符号量を見積もるために要した符号量見積もり処理時間と前記符号化工程が前記画像信号を符号化するために要した符号化処理時間とを検出して、前記符号量見積もり処理時間と前記符号化処理時間とを合計した合計処理時間を算出する処理時間算出工程と、前記処理時間算出工程によって算出された前記合計処理時間に応じて、前記画像信号読み出し工程が前記画像信号を読み出す前記読み出し画像領域の広さを変更する変更工程とを包含することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係る画像処理装置においては、画像信号を符号化した符号化画像信号の符号量を符号量見積もり器が見積もるために要した符号量見積もり処理時間と符号化器が画像信号を符号化するために要した符号化処理時間とを合計した合計処理時間に応じて、画像信号読み出し器が画像信号を読み出す読み出し画像領域の広さが変更される。このため、前回の符号化処理時間が次の画像信号の符号量見積もり処理時間を圧迫した場合でも、次の符号量見積もり処理時間に許容される時間を算出し、その時間内で処理可能な画像信号量に応じた広さの読み出し画像領域から画像信号を読み出すことができる。その結果、符号化における圧縮率の精度を向上させて圧縮画像データの符号量を目標とする符号量に近づけながら、所定の処理サイクルによって画像信号を符号化することができる。従って、連続撮影速度を低下させることなく圧縮画像データの符号量を見積もることができる。
【0010】
前記システム制御器は、後続する1画面分の画像領域に含まれる読み出し画像領域に存在する画像信号を前記符号化手段によって前記符号化画像信号に符号化する符号化処理が、所定の処理サイクルよりも遅く終了しないように、前記読み出し画像領域の広さを変更することが好ましい。
【0011】
前記処理時間算出器によって算出された前記合計処理時間が前記所定の処理サイクルよりも長いときは、前記システム制御器は、前記読み出し画像領域を狭くすることが好ましい。
【0012】
前記処理時間算出器によって算出された前記合計処理時間が前記所定の処理サイクルよりも長くないときは、前記システム制御器は、前記読み出し画像領域を前記1画面分の画像領域にすることが好ましい。
【0013】
前記所定の処理サイクルは、CCD露光処理期間と前記CCD露光処理期間に後続するODDフィールド処理期間と前記ODDフィールド処理期間に後続するEVENフィールド処理期間とによって構成されていることが好ましい。
【0014】
前記システム制御器は、前記符号量見積もり器による符号量見積もり処理が前記EVENフィールド処理期間の開始と実質的に同時に開始され、前記符号化器による符号化処理が前記ODDフィールド処理期間の終了と実質的に同時に終了するように、前記読み出し画像領域の広さを変更することが好ましい。
【0015】
撮像素子によって撮像された画像データを輝度信号と色差信号とに分離して前記画像信号を生成する画像処理器と、前記画像処理器によって生成された前記画像信号を前記記憶装置へ格納するメモリ制御器とをさらに備えることが好ましい。
【0016】
前記符号化器によって符号化された前記符号化画像信号を前記記憶装置へ格納する符号化画像信号制御器をさらに具備することが好ましい。
【0017】
前記符号量見積もり器が前記符号量見積もり処理したときの第1圧縮率に関するパラメータおよび前記符号化器が前記画像信号を符号化したときの第1圧縮率に関するパラメータの少なくともいずれか1つが格納されたパラメータ記憶器をさらに具備しており、前記システム制御器は、前記パラメータ記憶器に格納された前記第1圧縮率に関するパラメータに基づいて第2圧縮率を算出し、前記符号化器は、前記システム制御器によって算出された前記第2圧縮率に基づいて、後続する1画面分の画像領域に含まれる読み出し領域に存在する画像信号を符号化することが好ましい。
【0018】
前記システム制御器は、前記第1圧縮率に関する前記パラメータを前記パラメータ記憶器へ格納することが好ましい。
【0019】
目標最大符号量と、前記目標最大符号量よりも小さい目標最小符号量とが設定されたデータサイズ設定器と、前記符号化器によって符号化された前記符号化画像信号の符号量を検出する符号量検出器をさらに具備しており、前記符号量検出器によって検出された前記符号化画像信号の符号量が前記データサイズ設定器によって設定された前記目標最大符号量よりも大きいとき、または前記前記符号化画像信号の符号量が前記データサイズ設定器によって設定された前記目標最小符号量よりも小さいときに、前記システム制御器は、前記第1圧縮率に関するパラメータに基づいて前記第2圧縮率を算出することが好ましい。
【0020】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る画像処理装置100の構成を示すブロック図である。画像処理装置100は、メモリ制御器9を備えている。メモリ制御器9は、画像処理装置100に接続された撮像素子7によって撮像された画像を表示するための画像データを撮像素子7から受け取り、画像処理装置100に設けられた調停器21を介して、画像処理装置100に接続された記憶装置6へ画像データを格納する。
【0022】
画像処理装置100には、メモリ制御器10が設けられている。メモリ制御器10は、記憶装置6に格納された画像データを読み出して画像処理器8へ出力する。画像処理器8は、メモリ制御器10から出力された画像データを輝度信号と色差信号とに分離して記録用画像信号D2と再生用画像信号D3とを生成し、記録用画像信号D2と再生用画像信号D3との画素数を変換し、メモリ制御器10へ出力する。
【0023】
メモリ制御器10は、画像処理器8から出力された記録用画像信号D2を記憶装置6へ調停器21を介して格納する。記憶装置6は、1画面分の記録用画像信号D2を格納するために十分大きい容量を有するSDRAM等のメモリデバイスによって構成されている。
【0024】
画像処理装置100は、画像信号読み出し器3を備えている。画像信号読み出し器3は、1画面分の画像領域に含まれる読み出し画像領域に存在する記録用画像信号D2を記憶装置6から読み出して画像圧縮器19へ出力する。
【0025】
図2は、画像圧縮器19の構成を説明するためのブロック図である。画像圧縮器19は、符号量見積もり器4を有している。符号量見積もり器4は、画像信号読み出し器3によって読み出された画像信号D2を符号化した符号化画像データD4のサイズを目標値にそろえるために、符号化画像信号D4の符号量を見積もる。画像圧縮器19には、符号化器5が設けられている。符号化器5は、画像信号D2を符号化画像信号D4に符号化する。
【0026】
画像処理装置100には、処理時間算出器2が設けられている。処理時間算出器2は、符号量見積もり器4が符号量を見積もるために要した符号量見積もり処理時間と符号化器5が画像信号D2を符号化するために要した符号化処理時間とを検出して、符号量見積もり処理時間と符号化処理時間とを合計した合計処理時間を算出してシステム制御器1へ出力する。
【0027】
システム制御器1は、処理時間算出器2から出力された合計処理時間に応じて、画像信号読み出し器3が画像信号D2を読み出すための読み出し画像領域の広さを変更する。
【0028】
画像処理装置100には、符号化画像信号制御器11が設けられている。符号化画像信号制御器11は、符号化器5によって符号化された符号化画像信号D4を記憶装置6へ格納する。画像処理装置100は、記録再生器22を備えている。記録再生器22は、符号化器5によって符号化された符号化画像信号D4を、画像処理装置100に接続された記録媒体25へ記録する。
【0029】
画像処理装置100は、表示器23を備えている。表示器23は、メモリ制御器10から出力された再生用画像信号D3をモニター画像またはプレビュー画像として、液晶モニター等によって構成される画像表示装置24へ出力する。画像表示装置24は、再生用画像信号D3に基づいてモニター画像またはプレビュー画像を表示する。
【0030】
このように構成された画像処理装置100の動作を説明する。図3は画像処理装置100の動作を示すフローチャートであり、図4は画像処理装置100の符号量見積もり処理および符号化処理の処理サイクルを説明するための図である。
【0031】
まず、システム制御器1は、符号化器5による符号化処理を実行すべきタイミングであるか符号量見積もり器4による符号量見積もり処理を実行すべきタイミングであるかを示す圧縮モードを検出する(ステップS1)。
【0032】
符号量見積もり器4による符号量見積もり処理を実行すべきタイミングであるときは(ステップS2においてYES)、処理時間算出器2は、前回の符号化処理に要した処理時間を検出し(ステップS3)、前回の符号化処理に要した処理時間に基づいて、今回の符号量見積もり処理に使用することができる処理時間を算出し、算出した処理時間以内に全画面の符号量を見積もることができるか否かを判断する(ステップS4)。
【0033】
算出した処理時間以内に全画面の符号量を見積もることができないと判断したときは(ステップS4においてNO)、システム制御器1は、符号量見積もり処理に使用することができる処理時間以内に見積もることができる読み出し画像領域を算出し(ステップS5)、算出した読み出し画像領域に基づいて、記録用画像信号D2を読み出すべき読み出し画像領域を狭く設定する。
【0034】
そして、符号化器5による符号化処理を実行すべきタイミングであるとシステム制御器1が判断したとき(ステップS2においてNO)、または、算出した処理時間以内に全画面の符号量を見積もることができるとシステム制御器1が判断したとき(ステップS4においてYES)は、システム制御器1は記録用画像信号D2の全画角の画像信号領域を画像信号読み出し器3に設定する。そして、符号量見積もり処理に使用することができる処理時間以内に見積もることができる読み出し画像領域を算出し、算出した読み出し画像領域に基づいて、記録用画像信号D2を読み出すべき読み出し画像領域を狭く設定したときは(ステップS5)、システム制御器1はステップS5において狭く設定した読み出し画像領域を画像信号読み出し器3に設定する(ステップS6)。
【0035】
次に、画像信号読み出し器3は、システム制御器1によって設定された読み出し画像領域から記録用画像信号D2を読み出す。その後、符号量見積もり器4は、画像信号読み出し器3によって読み出し画像領域から読み出された記録用画像信号D2の符号量を見積もる。そして、符号化器5は、記録用画像信号D2を符号化画像信号D4に符号化する(ステップS7)。なお、符号化器5は、符号量見積もり器4によって見積もられた符号量に基づいて、記録用画像信号D2を符号化画像信号D4に符号化してもよい。
【0036】
その後、符号化処理または符号量見積もり処理をさらに実施するか否かを判断する(ステップS8)。符号化処理または符号量見積もり処理をさらに実施するときは、ステップS1へ戻る。符号化処理または符号量見積もり処理をさらに実施しないときは、処理を終了する。
【0037】
実施の形態1に係る画像処理装置100においては、図4に示す同期信号VDHEADの3周期分の処理サイクル15の間に、撮像素子7から入力された画像データに基づく1画面分の記録用画像信号D2が記憶装置6へ格納される。処理サイクル15は、CCD露光処理期間16とCCD露光処理期間16に後続するODDフィールド処理期間17とODDフィールド処理期間17に後続するEVENフィールド処理期間18とによって構成されている。CCD露光処理期間16の間には、被写体からの光が撮像素子2に蓄積される。ODDフィールド処理期間17の間には、撮像素子2から出力されるODDフィールドの画像データに基づいてODDフィールド分の画像信号が記憶装置4に格納される。EVENフィールド処理期間18の間には、撮像素子2から出力されるEVENフィールドの画像データに基づいてEVENフィールド分の画像信号が記憶装置4に格納される。このように、1画面分の画像信号が処理サイクル15の間に記憶装置4へ格納される。
【0038】
各処理サイクル15を連続して実行しようとすると、各処理サイクル15において実行される符号量見積もり処理および符号化処理は、同期信号VDHEADの3周期以内に完了する必要がある。このように、符号量見積もり処理および符号化処理を実行するために要した時間が同期信号VDHEADの3周期を超過すると、各処理サイクル15を連続して実行することができない。
【0039】
実施の形態1に係る画像処理装置100においては、符号量見積もり処理および符号化処理を実行するために要した時間が同期信号VDHEADの3周期を超過した場合には、符号量見積もりのために読み出す記録用画像信号D2の読み出し領域を狭くする。このため、それ以降の処理サイクルにおいて符号量見積もり処理および符号化処理を実行するために要する時間が短くなる。その結果、各処理サイクル15を連続して実行することができる。
【0040】
符号量を見積もる際には、記録用画像信号D2の全画面の符号量を見積もることが好ましい。しかしながら図4に示すn−1枚目の符号量見積もり処理とn−1枚目の符号化処理のように、符号量見積もり処理と符号化処理とに要した時間が、同期信号VDHEADの3周期を超過する場合が考えられる。図4に示す例では、n−1枚目の符号量見積もり処理はn−1枚目の処理サイクル15におけるEVENフィールド処理期間18の開始と同時に開始するので、同期信号VDHEADの3周期後に次のn枚目の画面におけるEVENフィールド処理期間18が開始するまでの間にn−1枚目の符号化処理が終了すれば良い。
【0041】
図4中のn−1枚目の符号量見積もり処理および符号化処理に要した合計処理時間が同期信号VDHEADの3周期を超過した場合には、処理時間検出器2は、n−1枚目の符号化処理に要した時間の超過分に基づいて、n枚目の符号量見積もり処理に使用することができる時間を算出する。システム制御器1は、処理時間検出器2による算出結果に基づいて、画像信号読み出し器3に対して、n枚目の符号量見積もり処理に使用する記録用画像信号D2を読み出すための読み出し画像領域を狭く設定することにより、n枚目の符号量見積もり処理時間を縮め、n−1枚目の符号化処理に要した時間の超過分をn枚目の符号化処理の終了時には吸収している。
【0042】
このように、システム制御器1は、後続する1画面分の画像領域に含まれる読み出し画像領域に存在する画素を表示するための画像信号D2を符号化器5が符号化画像信号D4に符号化する符号化処理が、所定の処理サイクル15よりも遅く終了しないように、読み出し画像領域の広さを変更する。具体的には、システム制御器1は、処理時間算出器2によって算出された合計処理時間が所定の処理サイクル15よりも長いときは、読み出し画像領域を狭くする。
【0043】
画像処理装置100においては、処理サイクルを破綻させることなく、符号量見積もり処理に許容される時間を算出し、その時間内で処理することが読み出し画像領域から読み出した記録用画像信号D2の符号量を見積もることによって、符号化における圧縮率の精度を向上させて符号化画像信号D4の符号量を目標とする符号量に近づけることができる。
【0044】
以上のように実施の形態1によれば、画像信号D2を符号化した符号化画像信号D4の符号量を符号量見積もり器4が見積もるために要した符号量見積もり処理時間と符号化器5が画像信号D2を符号化するために要した符号化処理時間とを合計した合計処理時間に応じて、画像信号読み出し器3が画像信号D2を読み出す読み出し画像領域の広さが変更される。このため、前回の符号化処理時間が次の画像信号の符号量見積もり処理時間を圧迫した場合でも、次の符号量見積もり処理時間に許容される時間を算出し、その時間内で処理可能な画像信号量に応じた広さの読み出し画像領域から画像信号を読み出すことができる。その結果、符号化における圧縮率の精度を向上させて圧縮画像データの符号量を目標とする符号量に近づけながら、所定の処理サイクルによって画像信号を符号化することができる。従って、連続撮影速度を低下させることなく圧縮画像データの符号量を見積もることができる。
【0045】
(実施の形態2)
図5は実施の形態2に係る画像処理装置100Aの要部の構成を示すブロック図であり、図6は画像処理装置100Aの動作を示すフローチャートである。図1ないし図4を参照して前述した画像処理装置100の構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。従って、これらの構成要素の詳細な説明は省略する。前述した画像処理装置100と異なる点は、システム制御器1の替わりにシステム制御器1Aを備えている点、およびパラメータ記憶器12をさらに備えている点である。
【0046】
パラメータ記憶器12には、符号量見積もり器4による過去の符号量見積もり処理において得られた第1圧縮率に関するパラメータ、および符号化器5による過去の符号化処理において使用した第1圧縮率に関するパラメータの少なくともいずれか1つがシステム制御器1Aによって格納されている。
【0047】
システム制御器1Aは、パラメータ記憶器12に格納された第1圧縮率に関するパラメータに基づいて第2圧縮率を算出する。
【0048】
このように構成された画像処理装置100Aの動作を説明する。まず、システム制御器1Aは、符号化器5による符号化処理を実行すべきタイミングであるか符号量見積もり器4による符号量見積もり処理を実行すべきタイミングであるかを示す圧縮モードを検出する(ステップS1)。
【0049】
符号量見積もり器4による符号量見積もり処理を実行すべきタイミングであるときは(ステップS2においてYES)、処理時間算出器2は、前回の符号化処理に要した処理時間を検出し(ステップS3)、今回の符号量見積もり処理に使用することができる処理時間を算出し、算出した処理時間以内に全画面の符号量を見積もることができるか否かを判断する(ステップS4)。
【0050】
算出した処理時間以内に全画面の符号量を見積もることができないと判断したときは(ステップS4においてNO)、システム制御器1Aは、符号量見積もり処理に使用することができる処理時間以内に見積もることができる読み出し画像領域を算出し(ステップS5)、算出した読み出し画像領域に基づいて、記録用画像信号D2を読み出すべき読み出し画像領域を狭く設定する。
【0051】
そして、符号化器5による符号化処理を実行すべきタイミングであるとシステム制御器1Aが判断したとき(ステップS2においてNO)、または、算出した処理時間以内に全画面の符号量を見積もることができるとシステム制御器1Aが判断したとき(ステップS4においてYES)は、システム制御器1Aは記録用画像信号D2の全画角の画像信号領域を画像信号読み出し器3に設定する。そして、符号量見積もり処理に使用することができる処理時間以内に見積もることができる読み出し画像領域を算出し、算出した読み出し画像領域に基づいて、記録用画像信号D2を読み出すべき読み出し画像領域を狭く設定したときは(ステップS5)、システム制御器1AはステップS5において狭く設定した読み出し画像領域を画像信号読み出し器3に設定する(ステップS6)。
【0052】
次に、システム制御器1Aは、パラメータ記憶器12に格納された第1圧縮率に関するパラメータに基づいて比較もしくは演算して得られた第2圧縮率を符号量見積もり器4および符号化器5に設定する(S11)。
【0053】
その後、画像信号読み出し器3は、システム制御器1Aによって設定された読み出し画像領域から記録用画像信号D2を読み出す。そして、符号量見積もり器4は、システム制御器1Aによって設定された第2圧縮率に基づいて、画像信号読み出し器3によって読み出し画像領域から読み出された記録用画像信号D2の符号量を見積もる。次に、符号化器5は、システム制御器1Aによって設定された第2圧縮率によって記録用画像信号D2を符号化画像信号D4に符号化する(ステップS12)。
【0054】
その後、符号化処理または符号量見積もり処理をさらに実施するか否かを判断する(ステップS8)。符号化処理または符号量見積もり処理をさらに実施するときは、ステップS1へ戻る。符号化処理または符号量見積もり処理をさらに実施しないときは、処理を終了する。
【0055】
処理サイクルを連続して実行した場合などにおいて、過去の記録用画像信号D2が次の符号化に使用する記録用画像信号D2に似通っていた場合、または、符号量見積もり処理に使用する記録用画像信号D2の信号量を削減して符号量見積もりを行った場合に、パラメータ記憶器12に格納された過去に使用した第1圧縮率のパラメータを使用し、システム制御器1Aによって第1圧縮率を比較もしくは演算して第2圧縮率を生成して次の符号化に使用する事で、圧縮画像データD4の符号量を目標とする符号量に近づけることができる。
【0056】
以上のように実施の形態2によれば、符号化器5が画像信号D2を符号化したときの第1圧縮率に関するパラメータが格納されたパラメータ記憶器12をさらに具備しており、システム制御器1Aは、パラメータ記憶器12に格納された第1圧縮率に関するパラメータに基づいて第2圧縮率を算出し、符号化器5は、システム制御器1Aによって算出された第2圧縮率に基づいて、後続する1画面分の画像領域に含まれる読み出し領域に存在する画像信号を符号化する。このため、過去の画像信号が次の符号化処理に使用する画像信号に似通っていた場合に、圧縮率のパラメータを比較もしくは演算して次の符号化に使用する事で、符号量を目標とする符号量に近づけることができる。
【0057】
(実施の形態3)
図7は実施の形態3に係る画像処理装置100Bの要部の構成を示すブロック図であり、図8は画像処理装置の動作を示すフローチャートである。図5および図6を参照して前述した実施の形態2に係る画像処理装置100Aの構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。従って、これらの構成要素の詳細な説明は省略する。前述した画像処理装置100Aと異なる点は、データサイズ設定器13および符号量検出器14をさらに備えている点、およびシステム制御器1Aの替わりにシステム制御器1Bを備えている点である。
【0058】
データサイズ設定器13には、目標最大符号量と、目標最大符号量よりも小さい目標最小符号量とが設定されている。符号量検出器14は、符号化器5によって符号化された符号化画像信号D4の符号量を検出する。
【0059】
システム制御器1Bは、符号量検出器14によって検出された符号化画像信号の符号量がデータサイズ設定器13によって設定された目標最大符号量よりも大きいとき、または符号化画像信号の符号量がデータサイズ設定器13によって設定された目標最小符号量よりも小さいときに、パラメータ記憶器12に格納された第1圧縮率に関するパラメータに基づいて第2圧縮率を算出する。
【0060】
このように構成された画像処理装置100Bの動作を説明する。まず、システム制御器1Bは、符号化器5によって生成されるべき符号化画像信号D4の目標最大符号量および目標最小符号量をデータサイズ設定器13に設定する(ステップ21)。
【0061】
圧縮モードを検出するステップS1から圧縮動作に関するステップS12までは、実施の形態2において前述した内容と同一であるため、その説明を省略する。
【0062】
次に、符号量検出器14は、符号化器5によって符号化された符号化画像信号D4の符号量を検出する(ステップS22)。その後、システム制御器1Bは、目標最小符号量がデータサイズ設定器13に設定されているか否かを判断する(ステップS23)。目標最小符号量がデータサイズ設定器13に設定されていると判断したときは(ステップS23においてYES)、符号量検出器14によって検出された符号化画像信号D4の符号量がデータサイズ設定器13に設定された目標最小符号量よりも大きいか否かをシステム制御器1Bは判断する(ステップS24)。符号化画像信号D4の符号量が目標最小符号量よりも大きくないと判断したときは(ステップS24においてNO)、ステップS11へ戻る。
【0063】
符号化画像信号D4の符号量が目標最小符号量よりも大きいと判断したとき(ステップS24においてYES)、または、目標最小符号量がデータサイズ設定器13に設定されていないと判断したとき(ステップS23においてNO)は、システム制御器1Bは、目標最大符号量がデータサイズ設定器13に設定されているか否かを判断する(ステップS25)。
【0064】
目標最大符号量がデータサイズ設定器13に設定されていると判断したときは(ステップS25においてYES)、符号量検出器14によって検出された符号化画像信号D4の符号量がデータサイズ設定器13に設定された目標最大符号量よりも小さいか否かをシステム制御器1Bは判断する(ステップS26)。符号化画像信号D4の符号量が目標最小符号量よりも小さくないと判断したときは(ステップS26においてNO)、ステップS11へ戻る。
【0065】
符号化画像信号D4の符号量が目標最小符号量よりも小さいと判断したとき(ステップS26においてYES)、または、目標最大符号量がデータサイズ設定器13に設定されていないと判断したときは(ステップS25においてNO)、符号化処理または符号量見積もり処理をさらに実施するか否かを判断する(ステップS8)。符号化処理または符号量見積もり処理をさらに実施するときは、ステップS21へ戻る。符号化処理または符号量見積もり処理をさらに実施しないときは、処理を終了する。
【0066】
このように、圧縮動作を終了した後、符号量検出器14が検出した符号化圧縮信号D4の符号量が、データサイズ設定器13に設定された目標最大符号量を超えた場合や目標最小符号量より小さすぎた場合に、システム制御器1Bは符号量見積もり器4および符号化器5に対して圧縮率を変更して設定する。
【0067】
目標となる符号化画像信号D4の符号量になるまで、符号量見積もり処理もしくは符号化処理を行うことで、異なる記録用画像信号D2を圧縮した場合でも、符号化画像信号D4の符号量をデータサイズ設定器13によって設定された範囲内に収めることができる。
【0068】
連続撮影など処理時間を優先する場合は、データサイズ設定器13に設定された目標最大符号量を超えた場合や目標最小符号量より小さすぎた場合の記録用画像信号D2を、記憶装置4に残しておき、連続撮影を終了した後に、システム制御器1Bは符号量見積もり器4および符号化器5に対し圧縮率を変更して設定し、再度符号量見積もり処理、もしくは符号化処理を実行すると、連続撮影時の処理速度が遅くなることはない。
【0069】
以上のように実施の形態3によれば、目標最大符号量と、目標最大符号量よりも小さい目標最小符号量とが設定されたデータサイズ設定器13と、符号化器5によって符号化された符号化画像信号D4の符号量を検出する符号量検出器14をさらに具備しており、符号量検出器14によって検出された符号化画像信号D4の符号量がデータサイズ設定器13によって設定された目標最大符号量よりも大きいとき、または符号化画像信号D4の符号量がデータサイズ設定器13によって設定された目標最小符号量よりも小さいときに、システム制御器1Bは、第1圧縮率に関するパラメータに基づいて第2圧縮率を算出する。
【0070】
このため、目標とする符号量の目標最大符号量および目標最小符号量の少なくともどちらか1つを設け、その範囲内に符号化画像信号D4の符号量が収まるまで圧縮動作を繰り返すことで、符号化画像信号D4の符号量を目標とする符号量内に収めることができる。
【0071】
なお、前述した実施の形態1においては、n−1枚目の符号化処理時間の超過分をn枚目の処理時間内において吸収する例を示しているが、本発明はこれに限定されない。n−1枚目の符号化処理時間の超過分は、n枚目以降の複数枚の処理において吸収しても良い。
【0072】
また、各処理サイクルごとに毎回符号量見積もりを行っているが、符号量見積もりを行わない処理サイクルがあっても良い。
【0073】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、連続撮影速度を低下させることなく圧縮画像データの符号量を見積もることができる画像処理装置及び画像処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る画像処理装置の構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1に係る画像処理装置の要部の構成を示すブロック図
【図3】実施の形態1に係る画像処理装置の動作を示すフローチャート
【図4】実施の形態1に係る画像処理装置の符号量見積もり処理および符号化処理の処理サイクルを説明するための図
【図5】実施の形態2に係る画像処理装置の要部の構成を示すブロック図
【図6】実施の形態2に係る画像処理装置の動作を示すフローチャート
【図7】実施の形態3に係る画像処理装置の要部の構成を示すブロック図
【図8】実施の形態3に係る画像処理装置の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
1 システム制御器
2 処理時間算出器
3 画像信号読み出し器
4 符号量見積もり器
5 符号化器
6 記憶装置
7 撮像素子
8 画像処理器
9、10 メモリ制御器
11 符号化画像信号制御器
12 パラメータ記憶器
13 データサイズ設定器
14 符号量検出器
15 処理サイクル
16 CCD露光処理期間
17 ODDフィールド処理期間
18 EVENフィールド処理期間
19 画像圧縮器
Claims (12)
- 1画面分の画像領域に含まれる読み出し画像領域に存在する画像信号を記憶装置から読み出す画像信号読み出し器と、
前記画像信号読み出し器によって読み出された前記画像信号を符号化した符号化画像信号の符号量を見積もるための符号量見積もり器と、
前記画像信号を前記符号化画像信号に符号化する符号化器と、
前記符号量見積もり器が前記符号量を見積もるために要した符号量見積もり処理時間と前記符号化器が前記画像信号を符号化するために要した符号化処理時間とを検出して、前記符号量見積もり処理時間と前記符号化処理時間とを合計した合計処理時間を算出する処理時間算出器と、
前記処理時間算出器によって算出された前記合計処理時間に応じて、前記画像信号読み出し器が前記画像信号を読み出す前記読み出し画像領域の広さを変更するシステム制御器とを具備することを特徴とする画像処理装置。 - 前記システム制御器は、後続する1画面分の画像領域に含まれる読み出し画像領域に存在する画像信号を前記符号化手段によって前記符号化画像信号に符号化する符号化処理が、所定の処理サイクルよりも遅く終了しないように、前記読み出し画像領域の広さを変更する、請求項1記載の画像処理装置。
- 前記処理時間算出器によって算出された前記合計処理時間が前記所定の処理サイクルよりも長いときは、前記システム制御器は、前記読み出し画像領域を狭くする、請求項2記載の画像処理装置。
- 前記処理時間算出器によって算出された前記合計処理時間が前記所定の処理サイクルよりも長くないときは、前記システム制御器は、前記読み出し画像領域を前記1画面分の画像領域にする、請求項2記載の画像処理装置。
- 前記所定の処理サイクルは、CCD露光処理期間と前記CCD露光処理期間に後続するODDフィールド処理期間と前記ODDフィールド処理期間に後続するEVENフィールド処理期間とによって構成されている、請求項2記載の画像処理装置。
- 前記システム制御器は、前記符号量見積もり器による符号量見積もり処理が前記EVENフィールド処理期間の開始と実質的に同時に開始され、前記符号化器による符号化処理が前記ODDフィールド処理期間の終了と実質的に同時に終了するように、前記読み出し画像領域の広さを変更する、請求項5記載の画像処理装置。
- 撮像素子によって撮像された画像データを輝度信号と色差信号とに分離して前記画像信号を生成する画像処理器と、
前記画像処理器によって生成された前記画像信号を前記記憶装置へ格納するメモリ制御器とをさらに備える、請求項1記載の画像処理装置。 - 前記符号化器によって符号化された前記符号化画像信号を前記記憶装置へ格納する符号化画像信号制御器をさらに具備する、請求項1記載の画像処理装置。
- 前記符号量見積もり器が前記符号量見積もり処理したときの第1圧縮率に関するパラメータおよび前記符号化器が前記画像信号を符号化したときの第1圧縮率に関するパラメータの少なくともいずれか1つが格納されたパラメータ記憶器をさらに具備しており、
前記システム制御器は、前記パラメータ記憶器に格納された前記第1圧縮率に関するパラメータに基づいて第2圧縮率を算出し、
前記符号化器は、前記システム制御器によって算出された前記第2圧縮率に基づいて、後続する1画面分の画像領域に含まれる読み出し領域に存在する画像信号を符号化する、請求項1記載の画像処理装置。 - 前記システム制御器は、前記第1圧縮率に関する前記パラメータを前記パラメータ記憶器へ格納する、請求項9記載の画像処理装置。
- 目標最大符号量と、前記目標最大符号量よりも小さい目標最小符号量とが設定されたデータサイズ設定器と、
前記符号化器によって符号化された前記符号化画像信号の符号量を検出する符号量検出器とをさらに具備しており、
前記符号量検出器によって検出された前記符号化画像信号の符号量が前記データサイズ設定器によって設定された前記目標最大符号量よりも大きいとき、または前記符号化画像信号の符号量が前記データサイズ設定器によって設定された前記目標最小符号量よりも小さいときに、前記システム制御器は、前記第1圧縮率に関するパラメータに基づいて前記第2圧縮率を算出する、請求項9記載の画像処理装置。 - 1画面分の画像領域に含まれる読み出し画像領域に存在する画像信号を記憶装置から読み出す画像信号読み出し工程と、
前記画像信号読み出し工程によって読み出された前記画像信号を符号化した符号化画像信号の符号量を見積もるための符号量見積もり工程と、
前記画像信号を前記符号化画像信号に符号化する符号化工程と、
前記符号量見積もり工程が前記符号量を見積もるために要した符号量見積もり処理時間と前記符号化工程が前記画像信号を符号化するために要した符号化処理時間とを検出して、前記符号量見積もり処理時間と前記符号化処理時間とを合計した合計処理時間を算出する処理時間算出工程と、
前記処理時間算出工程によって算出された前記合計処理時間に応じて、前記画像信号読み出し工程が前記画像信号を読み出す前記読み出し画像領域の広さを変更する変更工程とを包含することを特徴とする画像処理方法。
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