JP2004063749A - エアアイソレーション構造を有する半導体装置 - Google Patents

エアアイソレーション構造を有する半導体装置 Download PDF

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花畑 博之
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Abstract

【課題】半導体素子の配線間に不純物の存在しない完全なエアアイソレーション構造を有する半導体装置の提供。
【解決手段】耐熱温度が250℃以上、熱分解温度が500℃以下の犠牲ポリマーが金属配線間に配置されたエアアイソレーション構造前駆体から該犠牲ポリマーを除去することによって得られるエアアイソレーション構造を有する半導体装置。
【選択図】 選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアアイソレーション構造を有する半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
LSIをはじめとする半導体素子同士を結合する配線の配線間には従来比誘電率の低い緻密なシリカ膜が一般的に用いられてきた。しかし近年、LSIの配線密度は微細化の一途をたどっており、これに伴って基板上の隣接する配線間の距離が狭まっている。その為従来の材料を用いても配線間の静電容量が増大し、その結果配線を通じて伝達される電気信号の遅延が顕著となる問題が生じている。
【0003】
このような問題を解決するために特開2001−226599号公報、特表2001−514798号公報には、配線間を空気のみにするエアアイソレーション構造の概念を開示をしているが、エアアイソレーション構造形成過程において用いるポリマーの残査が配線間に残ってしまうため充分な効果を得ることが達成できていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち本発明は半導体素子を結合する配線の配線間に不純物の存在しない完全なエアアイソレーション構造の達成を課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、本発明は上記課題を解決するものであって、特定の犠牲ポリマーが金属配線間に配置されたエアアイソレーション構造前駆体から該犠牲ポリマーを除去することによって得られるエアアイソレーション構造によって配線構造が形成されていることを特徴とする半導体装置である。
【0006】
本発明の半導体装置の製造に用いる特定の犠牲ポリマーはシクロヘキサジエン系単量体の繰り返し単位、鎖状共役ジエン系単量体の繰り返し単位およびビニル芳香族系単量体の繰り返し単位を特定量含有し、かつ各々の水素化率を特定範囲に制御して得られる共重合体であって耐熱温度が250℃以上であり、かつ熱分解温度が500℃以下のものである。
尚、本発明において耐熱温度とは熱重量装置により、不活性ガス中にて10℃/分の昇温速度にて、本発明の犠牲ポリマーを昇温していく場合において、重量減少率が0.5%になった時の温度を意味する。また熱分解温度とは同様に該ポリマーを昇温して行ったときに、その重量減少率が99.5%になったときの温度を言う。
【0007】
本発明では半導体装置の成形加工時にかかる熱に対して犠牲ポリマーがガス状に分解しない事が必要なため耐熱温度は250℃以上であることが好ましく、より好ましくは300℃以上である。
一方、本発明の半導体装置はその配線部分の配線間の構造をエアアイソレーション構造とするためには最終的に犠牲ポリマーを加熱除去する必要がある。しかしながら加熱できる温度は半導体素子の構成上500℃が上限であるため犠牲ポリマーの熱分解温度は当然の事ながら500℃以下であることが好ましく、より好ましくは450℃以下である。
【0008】
即ち本発明の半導体装置の製造に用いる犠牲ポリマーには高い耐熱温度と低い熱分解温度が要求されるのである。
以上のような犠牲ポリマーに要求される条件を満足するために本発明は、特定の水素化率を有するシクロヘキサン環構造を有することを特徴とする。これは、シクロヘキサン環がシクロペンタン環やメチレン基に比較して熱安定性に優れるためである。
【0009】
以下に本発明の犠牲ポリマーについて詳細に説明する。
本発明の犠牲ポリマーは、シクロヘキサジエン系単量体から選択された一種または二種以上の繰り返し単位(A)からなる単独重合体か、あるいは、該繰り返し単位(A)と、鎖状共役ジエン系単量体から選択された一種または二種以上の繰り返し単位(B)及びビニル芳香族系単量体から選択された一種または二種以上の繰り返し単位(C)から選ばれる一つまたは二つの繰り返し単位とからなる共重合体である。
【0010】
繰り返し単位(A)はシクロヘキサジエン系単量体から選択された1種又は2種以上の繰り返し単位であり、シクロヘキサジエン系単量体は6員環の環状共役ジエンであり、この具体例として、1,3−シクロヘキサジエンおよびその誘導体が挙げられる。
また、繰り返し単位(B)は鎖状共役ジエン系単量体から選択された一種または二種以上の繰り返し単位であり、具体的には1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどである。
【0011】
さらに、繰り返し単位(C)はビニル芳香族系単量体から選択された一種または二種以上の繰り返し単位であり、具体的には、スチレン、 α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン、ビニルピリジンなどである。
そして、繰り返し単位(A)と繰り返し単位(B)、(C)から選ばれた繰り返し単位を含有する共重合体の場合は、用いられた各繰り返し単位の総量に対する(A)の好ましい量は50モル%以上100モル%未満であり、より好ましくは60モル%以上100モル%未満、さらに好ましくは70モル%以上100モル%未満である。また繰り返し単位(B)の含有量は0モル%より大きく50モル%以下、好ましくは1モル%以上50モル%以下、より好ましくは1モル%以上40モル%以下である。また、繰り返し単位(C)の含有量は0モル%以上40モル%以下である。
【0012】
本発明の犠牲ポリマーは上記の条件を満足するシクロヘキサンジエン系重合体であるが、上記した高い耐熱温度と低い熱分解温度達成するために、上記の各々の繰り返し単位に存在する炭素−炭素二重結合の一部または全てが水素化されていることが重要である。
炭素−炭素二重結合の水素化の程度は水素化率で表す事ができ具体的には繰り返し単位(A)および(B)の水素化率は50モル%以上100モル%以下、好ましくは60モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは70モル%以上100モル%以下である。この水素化率が高いことが犠牲ポリマーの高耐熱性につながり好ましい。
【0013】
また、繰り返し単位(C)の水素化率は特に制限がないが、1モル%以上100モル%以下が好ましい。
また、本発明の犠牲ポリマーは共重合体である場合、ブロック共重合、グラフト共重合、ランダム共重合、交互共重合のいずれの形態でも構わないが、ランダム共重合体であると、理由は定かではないが耐熱温度が高くなるので好ましい。
本発明の犠牲ポリマーの数平均分子量は、10,000以上1000,000の範囲である。数平均分子量10,000 未満では犠牲ポリマーが脆く実使用に耐えないし、数平均分子量1000,000を越える場合は、犠牲ポリマーを含有する塗布溶液の粘度が高すぎて塗布した後の膜の表面の均一性が損なわれる場合があり好ましくない。
【0014】
次に本発明の犠牲ポリマーの製造法について述べる。
本発明の半導体装置の製造に用いる犠牲ポリマーであるシクロヘキサジエン系重合体の製造は、公知の方法(例えばWO94−28038号公報、WO94−29359号公報、WO95−21217号公報、WO96−16090号公報記載の方法)により行うことができる。合成法の一例としては、原料としてシクロヘキサジエンモノマーをアルカリ金属イオン錯体を開始剤とするリビングアニオン重合によって重合体を得ることができる。共重合体の場合の製造法についても、前述の公知の文献に記載されており、たとえば複数種の単量体を逐次または同時に開始剤と共に投入、重合させることによって製造することができる。
【0015】
また、生成した重合体の水素化は二重結合にパラジウム、ニッケル、ロジウムなどの遷移金属元素または合金、チタノセン、フェロセンなどの遷移金属錯体などの水素化触媒を用い水素雰囲気下で水素化して水添シクロヘキサジエン系重合体を得ることができる。また、水素化カルシウム、水素化リチウム、ホウ水素化物などの水素化物とシクロヘキサジエン系重合体を反応させて水素化することもできる。
【0016】
この具体例として、ニッケル触媒の場合、ニッケルアルミニウム合金のアルミニウムエッチングにより作製したラネーニッケル(例えば日興リカ(株) 製、R−200)を用い、シクロヘキサジエン系重合体のデカリン溶液にラネーニッケルを混合し、水素加圧条件で加熱処理することでシクロヘキサジエン系重合体の 水素化反応を行うことができる。この反応条件として、ニッケル触媒はシクロヘキサジエン系重合体重量に対して1重量%以上、500重量%以下の範囲、水素圧力は 1000hPa以上10MPa以下の範囲、反応温度は 室温(20℃)以上200℃以下の範囲で行うことができる。上記方法で、水素化が最もされやすいのは通常、繰り返し単位(B)で、次に(A)で、(C)が最も水素化され難い。
【0017】
本発明のシクロヘキサジエン系重合体に官能基を重合時および/または重合後導入することができる。この官能基として、ハロゲン原子、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20の不飽和脂肪族炭化水素、C5〜C20のアリール基、C3〜C20のシクロアルキ ル基、C4〜C20のシクロジエニル基、5〜10員環 であって少なくとも1個の窒素、酸素または硫黄をヘテロ原子として含む複素環基、エポキシ基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、シラン基などである。
【0018】
さらに、本発明で用いられるシクロヘキサジエン系重合体はその分子鎖中もしくは末端に反応性官能基を有していても良い。反応性官能基を付与するためには、通常アニオン重合末端や二重結合と反応することが知られている公知の化合物を重合反応に引き続いて加 えれば良い。このような化合物例としては、メチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、ジクロロジメトキシシラン、メチルトリス(エチルメチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(N,N−ジエチルアミノキシ)シランなどのシリル化物、エチレンオキシド、 プロピレンオキシド、ブテンオキシドなどのオキシド類、テトラブトキシチタン等のチタン化合物、塩素、臭素、沃素、塩化水素などのハロゲン類、過酸化水素やメタクロロ過安息香酸などの過酸化物、その他アルミウム イソプロポキシド、トリイソプロポキシボラン、クロロ酢酸エチルなどが挙げられる。
【0019】
以上、本発明で用いる事ができる犠牲ポリマーについて説明した。
本発明では、上記の犠牲ポリマーを用いて金属配線間が空気であるエアアイソレーション構造の半導体装置を形成することを特徴とするものである。
以下に、銅ダマシン法を用いた本発明のエアアイソレーション構造を有する半導体装置の製造方法について説明する。
本発明は半導体素子の配線部分に特徴を有する半導体装置に関するものであるので、以下においては配線部分の製造方法について詳説する。
【0020】
本発明では、先ず、基板上に犠牲ポリマーの膜を成膜する成膜工程を実施する。
基板としてはシリコン、ゲルマニウム等の半導体基板、ガリウム−ヒ素、インジウム−アンチモン等の化合物半導体基板等を用いこともできるし、これらの表面に他の物質の薄膜を形成したうえで用いることも可能である。この場合、薄膜としてはアルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、銀、タンタル、タングステン、オスミウム、白金、金などの金属の他に、二酸化ケイ素、フッ素化ガラス、リンガラス、ホウ素−リンガラス、ホウケイ酸ガラス、多結晶シリコン、アルミナ、チタニア、ジルコニア、窒化シリコン、窒化チタン、窒化タンタル、窒化ホウ素、水素化シルセスキオキサン等の無機化合物、メチルシルセスキオキサン、アモルファスカーボン、フッ素化アモルファスカーボン、ポリイミド、その他任意のブロックコポリマーからなる薄膜を用いることができる。
【0021】
薄膜の形成に先立ち、上記基板の表面を、あらかじめ密着向上剤で処理してもよい。この場合の密着向上剤としてはいわゆるシランカップリング剤として用いられるものやアルミニウムキレート化合物などを使用することができる。特に好適に用いられるものとして、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジクロロシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムビス(エチルアセトアセテート)モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)などが挙げられる。これらの密着向上剤を塗布するにあたっては必要に応じて他の添加物を加えたり、溶媒で希釈して用いてもよい。密着向上剤による処理は公知の方法で行う。
【0022】
犠牲ポリマーを、基板上に成膜するには犠牲ポリマーを有機溶媒とを混合した塗布組成物を塗布した後有機溶媒を除去することで成膜することが好ましい。
本発明において使用できる有機溶媒として、たとえばポリマーがポリシクロヘキサンの場合、メシチレン、デカリン、シクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トルエンなどの単体または混合溶媒が用いられる。
本発明における塗布組成物の固形分濃度は、2〜30重量%が好ましいが、使用目的に応じて適宜調整される。塗布組成物の固形分濃度が2〜30重量%であると、塗膜の膜厚が適当な範囲となり、保存安定性もより優れたものになる。なお、この固形分濃度の調整は、必要であれば、濃縮または上記の有機溶媒による希釈によって行われる。
【0023】
固形分濃度とは、既知量の塗布組成物を、窒素雰囲気下にて300℃で1時間処理したあとの重量の最初の塗布液の重量に対する重量%で表される。
本発明の塗布組成物中のナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属および鉄の含量が、1ppm以下、特に100ppb 以下であることが好ましい。これらの金属含有量が1ppmを超えると、後述するようにたとえ本発明の犠牲ポリマーを熱により除去しても、これらの金属は半導体装置中に残存し、その結果配線間のリーク電流や短絡を引き起こすからである。
【0024】
アルカリ金属および鉄は、使用する原料から混入する場合があり、各モノマーおよび溶媒などを、あらかじめ精製することが好ましい。
例えば、本発明の半導体装置の製造に用いる犠牲ポリマーに金属重合触媒および水素化触媒が含有される場合、その除去は、通常のろ過による除去や再沈精製により行なわれる。
本発明の塗布組成物には、基板との親和性を改良する目的で、界面活性剤などの成分を添加してもよい。界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活 性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、さらには、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、ポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤などを挙げることができ、好ましくはフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤を挙げることができる。
【0025】
塗布方法としては流延、浸漬、スピンコートなどの周知の方法で行うことができるが、半導体装置の多層配線構造体用にはスピンコートが好適である。薄膜の厚さは塗布組成物の粘度や回転速度を変えることによって0.1μm〜100μmの範囲で制御できる。100μmより厚いとクラックが発生する場合がある。半導体装置の多層配線構造体用の薄膜としては、通常0.1μm〜5μmの範囲で用いられる。
【0026】
本発明の塗布組成物を成膜した後の有機溶媒の除去温度は、特に限定されないが、100℃〜400℃未満、好ましくは150℃〜300℃の範囲である。100℃よりも低いと溶媒の除去が不充分で、膜の機械的機械的強度が充分に発現されないし、逆に400℃よりも高い温度で硬化させた場合には、分解反応が起こり始めるので好ましくない。
有機溶媒を除去するのに要する時間は10秒〜24時間の範囲で行うことが好ましい。好ましくは10秒〜5時間、特に好ましくは1分〜2時間である。10秒より短いと有機溶媒の除去が十分進行しないので、得られる薄膜の耐熱温度が悪化する。また溶媒は通常24時間以内に完全に除去されるので、これ以上長時間の加熱はあまり意味をなさないし、生産性の低下を招く。
【0027】
有機溶媒を除去する場合および後述する犠牲ポリマーを除去する場合の雰囲気は窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性雰囲気下で行うのが好ましい。空気または酸素ガスを混入させた酸化性雰囲気下で行うことも可能であるが、この場合には該酸化性ガスの濃度を、有機溶媒を除去する工程においては内容物が実質的に分解しないような濃度に制御しなくてはならない。
以上のように成膜された犠牲ポリマー膜の上にデポジッションのような通常用いられる方法でキャップ膜として、金属薄膜またはSiO薄膜を堆積し、さらにレジストマスクを設け、選択的エッチング、洗浄、そしてレジストマスクの除去といった通常の半導体装置の製造に用いられる工程手順を経て、配線溝を形成する。
【0028】
尚、犠牲ポリマーとキャップ層との密着性が悪く、後述するCMP工程において両層間で剥離が生じる場合があるが、この場合には犠牲ポリマーの表面を酸化処理して、密着性を改良することが可能である。表面酸化処理方法として、放電処理、火炎処理、オゾン処理、電離活性線処理、プラズマ処理、高温加熱処理、酸化剤処理が挙げられ、これらを単独で行っても、これらの複数を組み合わせて行ってもよい。この表面酸化処理によって、本ポリマー材料表面が酸化され、本ポリマーと金属やセラミックスや他の材料との密着性、界面接合性を優れたものとすることが可能となる。
【0029】
配線溝を形成した後は、次いでバリヤメタルを通常用いられる方法で堆積せしめ、あらかじめ形成しておいた配線溝へCuを電解めっきなどによって埋め込んで下層配線を形成し、CMP(化学機械研磨)によるバリヤメタルとCuの研磨を行いエアアイソレーション前駆体構造とする。
引き続きCu配線間の犠牲ポリマー層をガス化させ、上層のキャップ膜内を拡散させながら除去し本発明のエアアイソレーション構造とする。
【0030】
犠牲ポリマーをガス化して除去する方法としては、加熱やプラズマ処理などが挙げられるが、現行の半導体装置製造プロセスにおいて容易に実施可能であるという観点からは、加熱がもっとも好ましい。この場合の好ましい温度は、400℃〜500℃未満、好ましくは400℃〜450℃の範囲である。400℃よりも低いと、充分な分解反応が進行しないし、逆に500℃を超える場合には、現行の半導体プロセスに適用するのは極めて困難である。
【0031】
犠牲ポリマーの分解時間は有機溶媒を除去する時間と同様に10秒〜24時間の範囲で行うことが好ましい。好ましくは10秒〜5時間、特に好ましくは1分〜2時間である。10秒より短いとポリマー分解反応が十分進行しないので、残渣物が残り、半導体装置を汚染してしまう。また分解反応も通常24時間以内に終了するので、これ以上長時間の加熱はあまり意味をなさないし、生産性の低下を招く。
【0032】
犠牲ポリマーの分解を促進する目的で、紫外線や電子線を使ってもかまわない。
本発明において加熱は、半導体装置製造プロセス中で通常使用される枚葉型縦型炉あるいはホットプレート型の焼成システムを使用することができる。もちろん、本発明の製造工程を満足すれば、これらに限定されるものではない。
以上のような工程を経ることにより配線間が空気によって仕切られたエアアイソレーション構造を有する半導体装置が形成されるが、本発明の犠牲ポリマーを成膜後、その上にSiOなどのキャップ膜をデポジションしなくても配線溝の間隔が100nm以下であれば犠牲ポリマーを除去した後であってもCVD(Chemical Vapor Deposition)法によるSiO膜、あるいはSOG(Spin On Glass)法による層間絶縁膜を成膜しても毛細管現象により配線の隙間部分には膜原料が進入しないのでエアアイソレーション構造を形成することが可能である。
【0033】
以上、本発明の半導体製造装置の配線部分の製造方法について詳説した。なお、本発明の半導体装置において半導体素子と配線部分との接続は通常一般的な方法で行えばよい。
本発明の犠牲ポリマーはエアアイソレーション構造を形成する場合には最終的には消失するが、犠牲ポリマー自身の比誘電率が2.3以下と低く、かつ半導体加工に必要な耐熱性もあるので、電線被覆材、電源部品、信号転送ケーブル被覆材、同軸ケーブル被覆材、光ファイバー、フォトダイオード、発光ダイオード、半導体レーザー、トランジスタ、IC、LSI、HEMT、MMIC、記録メディア、通信部品などの素子およびこれらを用いた装置などにも利用できる。また本発明の犠牲ポリマーの特徴として透明性が挙げられる。本発明の犠牲ポリマーを透明性材料として用いる場合、全光線透過率(JIS K7105)が好ましくは85%以上であり、さらに好ましくは88%以 上とすることもできる。
【0034】
従って、透明性を活かしてレンズ、液晶基板、液晶偏光板、プラズマディスプレー保護板、FED保護板、タッチパネル基板などのデイスプレー素材、光演算素子、LED、レーザーダイオード、光デイスク基板、太陽電池基板、太陽電池用保護層、透明容器、透明容器、窓材などに応用することができる。
本発明の犠牲ポリマーの高透明性と、高耐熱性とを利用して、光配線用の多層配線素子における、光配線導光路を形成する目的で使用することも可能である。
【0035】
さらに本発明の犠牲ポリマーは屈折率が低いという特徴も有するので、光学部品、眼鏡、ディスプレイ装置などに被覆される反射防止被膜としても使用することが可能であり、本発明の犠牲ポリマーは種々の分野に利用可能であり、その工業上の価値は極めて高い。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下実施例によってさらに詳細に説明する。
【0037】
【実施例1】
3−シクロヘキサジエン(CHD)をモノマーとして、10重量%のデカリン溶液を調製し、触媒 としてn−ブチルリチウム(n−BuLi)とテトラメ チルエチレンジアミン(TMEDA)を用い混合(CHD/n−BuLi/TMEDA=200/1/1)後4 0℃の温度で6時間重合を行った。合成したポリシクロ ヘキサジエン溶液をオートクレーブに装填し、ラネーニ ッケル触媒(ポリマー重量の3倍)を用い水素加圧下で 水素添加(150℃で3時間保持、初期水素圧5.23 MPa)して、CHDの繰り返し単位(本発明の繰り返し単位Aに相当)が100%であるポリシクロヘキサンのホモポリマーを合成した。赤外吸収 スペクトルによりシクロヘキセンユニットの98%が水 素化されたことを確認した。水素添加後の溶液をPTFE製のフィルター(0.05μm径)でろ過し、アセトンにて再沈、乾燥して粉末状のポリマーを得た。
【0038】
次いで、該ポリマーのデカリン溶液(10 重量%)を6インチのシリコンウエハー上にに3ml滴下し、2000rpmにて60秒間回転塗布した。その後空気中にて5分間乾燥し、窒素雰囲気下にて250℃で1時間乾燥して、膜厚が0.8μmの犠牲ポリマーを得た。該ポリマーの耐熱温度は340℃で熱分解温度は470℃であった。
【0039】
【実施例2】
実施例1の重合触媒を用い、このデカリン溶液にスチレン(St)を投入重合(40℃、2時間)後、シクロヘキサジエン(CHD)を投入して、20.0モル%のスチレンの繰り返し単位(本発明の繰り返し単位Bに相当)と80.0モル%のCHDの繰り返し単位(本発明の繰り返し単位Aに相当)からなるスチレン−シクロヘキサジエンのジブロック重合体を合成した。この重合体溶液にラネーニッケルを添加(添加量はポリマー重量の3倍量)後水素加 圧環境で加熱反応(150℃、4時間)させた。得られた水素化ポリマーの水素化率を赤外吸収スペクトル、プロトンNMRで評価した結果、シクロヘキセン環の100%およびスチレン芳香環の99%が水素化されたこと がわかった。次いで重合体溶液を、実施例1と同様にろ過した後で、ポリマー溶液の4倍重 量のアセトン溶液に再沈、乾燥して共重合体粉末を得た。
【0040】
次いで、該ポリマーのメシチレン溶液(10 重量%)を6インチのシリコンウエハー上にに3ml滴下し、2000rpmにて60秒間回転塗布した。その後空気中にて5分間乾燥し、窒素雰囲気下にて250℃で1時間乾燥して、膜厚が1.10μmの犠牲ポリマーを得た。該ポリマーの耐熱温度は350℃で熱分解温度は485℃であった。
【0041】
【発明の効果】
本発明の犠牲ポリマーは半導体装置の加工時に必要な耐熱温度を有し、エアアイソレーション構造を形成するうえで必須の熱分解温度が半導体の加工上限温度よりも低い、両温度特性を満足するものであり、該犠牲ポリマーを用いて製造したエアアイソレーション構造の半導体装置は半導体素子の配線間に不純物の存在しない完全なエアアイソレーション構造を有するものである。

Claims (4)

  1. 耐熱温度が250℃以上、熱分解温度が500℃以下の犠牲ポリマーが金属配線間に配置されたエアアイソレーション構造前駆体から該犠牲ポリマーを除去することによって得られるエアアイソレーション構造を有する半導体装置。
  2. 請求項1に記載の犠牲ポリマーが、シクロヘキサジエン系単量体から選択された一種または二種以上の繰り返し単位(A)からなる単独重合体であって繰り返し単位(A)の水素化率が50モル%以上、あるいは、該繰り返し単位(A)と、鎖状共役ジエン系単量体から選択された一種または二種以上の繰り返し単位(B)及びビニル芳香族系単量体から選択された一種または二種以上の繰り返し単位(C)から選ばれる一または二の繰り返し単位とからなる共重合体であって、繰り返し単位(A)を50モル%以上含有し、かつ、(A)および(B)の水素化率が50モル%以上であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 請求項2に記載の犠牲ポリマー。
  4. 少なくとも請求項3に記載の犠牲ポリマ−と有機溶媒とを含有する塗布組成物を基板上に塗布した後有機溶媒を除去して成膜する成膜工程と、該膜に配線用の溝を形成した後金属配線を行いエアアイソレーション構造前駆体とする配線工程と、該前駆体の犠牲ポリマーを除去してエアアイソレーション構造とするエアアイソレーション工程とを記載の順に実施して製造されることを特徴とする請求項1及び2に記載の半導体装置。
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