JP2004063683A - サージ対策基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】通信機器を保護するサージ対策プリント基板を提供する。
【解決手段】プリント基板裏面に、通信機器と接続される機器用導電パターン10と、その機器導電パターン10と直流的に絶縁され通信回線と接続される回線用導電パターン15、及び設置用導電パターン20を備え、プリント基板の上面に例えばパルストランス40とRJ45コネクタ30を備える。そして、プリント基板裏面の回線用導電パターン15に突起11を設け、設置用導電パターン20に突起21を設け、両者を対向させて放電ギャップ22を形成する。即ち、通信機器と直流的に絶縁されたパルストランス40の1次側の中間端子に放電ギャップ22を形成する。即ち、RJコネクタ30から侵入したサージを1次側の中間端子で放電させる。これにより、電圧上昇を防止し通信機器を保護する。
【選択図】図1
【解決手段】プリント基板裏面に、通信機器と接続される機器用導電パターン10と、その機器導電パターン10と直流的に絶縁され通信回線と接続される回線用導電パターン15、及び設置用導電パターン20を備え、プリント基板の上面に例えばパルストランス40とRJ45コネクタ30を備える。そして、プリント基板裏面の回線用導電パターン15に突起11を設け、設置用導電パターン20に突起21を設け、両者を対向させて放電ギャップ22を形成する。即ち、通信機器と直流的に絶縁されたパルストランス40の1次側の中間端子に放電ギャップ22を形成する。即ち、RJコネクタ30から侵入したサージを1次側の中間端子で放電させる。これにより、電圧上昇を防止し通信機器を保護する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信回線と通信機器間に挿入され、通信回線を経由するサージから通信機器を保護するサージ対策基板に関する。特に、トランス結合された一次側に放電ギャップを形成し、このギャップで通信回線からのサージを放電させることで、2次側に接続される通信機器を保護するサージ対策基板に関する。本発明は、通信回線と通信機器間に挿入されるケーブルモデムの基板に適用できる。
【0002】
【従来の技術】
近年、通信回線から侵入する通信機器の雷サージ破壊が問題となっている。例えば、イーサネット通信(イーサネットは登録商標)を可能とするCATV用ケーブルモデム等の通信機器は、モジュラージャックと呼ばれるRJ45コネクタで通信回線と接続されており、落雷時にはその通信回線を経由してRJ45コネクタからサージが侵入し、通信機器の内部回路を破壊する場合がある。通信機器は、通信回線と内部回路を直流的に絶縁する為、一般的にRJ45コネクタ後段はトランス結合となっている。よって、通信機器の耐圧はトランス結合のパルストランスのサージ耐圧(約2kV程度)であり、それ以上のサージが流入した場合には各所でスパークするか、2次側に流入し内部回路が破壊される。
【0003】
この種の問題を解決するために、例えば特開平10−154854号に開示のプリント基板装置が提案されている。これは、図2に示すように、プリント基板を2重にし、第2のプリント基板2上に信号用ランドであるスルーホール3a〜3hと接地用の導電ランド4を設け、更に、各スルーホール3a〜3hと導電ランド4の突起4b間に放電ギャップ4aを設けて、各スルーホール3a〜3hにコネクタ6の各リード端子8a〜8hを挿入して使用することを特徴としている。これにより、コネクタ側からサージ等の衝撃電圧が流入した場合は、この放電ギャップ4aで放電させて電圧上昇を回避し、各スルーホール3a〜3h後段の内部回路が保護できるとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平10−154854号に開示のプリント基板装置は、特には通信回線から通信機器へのサージ遮断を目的としたものではない。即ち、通信機器の基板と通信回線は絶縁された構造ではない。例えば、パルストランス等を用いたサージ対策基板ではない。即ち、放電ギャップ4aで放電させて接地用ランド4に電流を流した場合、接地を第1のプリント基板1と共通にしているため、第1のプリント基板1上の信号線にサージが誘起される可能性がある。これにより、第1のプリント基板1上のLSI素子等が破壊される可能性がある。又、その接地に接地抵抗がある場合は、接地電位が上昇しこの場合も第1のプリント基板1上のLSI素子等が破壊される可能性がある。
又、放電ギャップ4aの他方端は導電ランド4に形成された突起4bであるが、もう一方は円形状のスルーホール3a〜3hで形成されている。両端が尖頭形状でないため、放電開始電圧は十分には低くならないという問題がある。
又、基板を上下2重構造とするため、第2のプリント基板2の製作費、第1のプリント基板1への組み付け費等、コスト高になるという問題もある。更に、全てのスルーホール3a〜3hに対して放電ギャップ4aを形成する必要があるため、コスト効率が低下するという問題もある。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、その目的は通信機器と直流的に絶縁された放電ギャップを基板上に形成し、そのギャップでサージを放電させることで、通信機器を保護するサージ対策基板を提供することである。
又、その放電ギャップを、通信機器と直流的に絶縁された回線用導電パターンの一部又は接地用導電パターンの一部から突出した突出パターンを設けることによりサージ放電を実現して通信機器を効果的に保護することができる。
又、上記突出パターンを突起を有する突起パターンとすることで、放電開始電圧を低電圧化しサージ遮断を確実に行うことである。
又、放電ギャップをトランスを装着する導電パターンの1次側の中間端子や他の端子に形成することで、特に通信機器に有効なサージ対策基板とすることである。
尚、上記目的は、個々の発明が達成する個々の目的であって、個々の発明が全ての目的を達成するものと解釈されるべきではない。
【0006】
【課題を解決するための手段・作用および効果】
上記の課題を解決するために請求項1のサージ対策基板は通信機器のサージ対策基板であって、通信回線と通信機器間に設けられる基板であって、通信機器に接続される機器用導電パターンと、通信回線に接続される回線用導電パターンと、接地に接続される接地用導電パターンとからなり、通信機器と直流的に絶縁された回線用導電パターンの一部又は接地用導電パターンの一部に突出した突出パターンを形成し、回線用パターンと接地導電パターンを互いに近接させて放電ギャップを形成したことを特徴とするサージ対策基板である。
【0007】
サージ侵入経路の一つは通信回線であり通信回線を経由して通信機器へのコネクタから侵入する。本発明は、通信機器と例えばトランス結合等で直流的に絶縁された回線用導電パターンの一部又は接地用導電パターンの一部に突出した突出パターンを形成し、回線用パターンと接地導電パターンを互いに近接させて放電ギャップとする。即ち、放電ギャップを機器用導電パターン(即ち、通信機器)と絶縁した状態とする。そして、通信回線から侵入したサージをこの放電ギャップで放電させることにより放電する箇所を固定し、サージをパルストランスの1次側の接地用導電パターンに導く。通信機器はこの放電ギャップと直流的に絶縁されおり、また、サージは1次側の接地用導電パターン側を通り器機外部へ導出されるので通信機器側への放電の影響(誘起サージ、接地電位の上昇)は抑制される。そして、通信器機の内部の例えばLSI等の素子が保護される。即ち、通信機器と直流的に絶縁された回線用導電パターンの一部に上記放電ギャップを形成することで、容易に、確実に、又安価に通信回線からのサージを遮断し、通信機器を保護することができる。
【0008】
又、請求項2のサージ対策基板は、請求項2に記載のサージ対策基板であって、突出パターンは、回線用導電パターンの一部に突出した第1突出パターンと、接地用導電パターンの一部に突出した第2突出パターンとからなり、両者を互いに近接させて放電ギャップを形成したことを特徴とする。
この構成により、放電ギャップをより効果的に形成することができ、放電特性を向上させることができる。
又、請求項3のサージ対策基板は請求項1又は請求項2に記載のサージ対策基板であって、第1突出パターン、及び第2突出パターンは突起部を有する突起パターンであって、侵入したサージをそれぞれの突起部で放電させることを特徴とする。突出部が突起部であるので、先端の電界強度が大となりより低電圧で放電が開始される。よって、より確実にサージを遮断することができる。
【0009】
又、請求項4のサージ対策基板は請求項1に記載のサージ対策基板であって、機器用導電パターン、及び回線用導電パターンの一部は、トランスを装着する導電パターンであって、突出パターンはトランスの1次側の中間端子や他の端子の導電パターンの一部又は接地用導電パターンの一部に形成されることを特徴とする。
又、請求項5のサージ対策基板は請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のサージ対策基板であって、機器用導電パターン、及び回線用導電パターンの一部は、トランスを装着する導電パターンであって、第1突出パターンはトランスの1次側の中間端子や他の端子の導電パターンの一部に形成され、第2突出パターンは第1突出パターンと接近させて接地用導電パターンの一部に形成されたことを特徴とする。
請求項4又は請求項5の発明の基板は、パルストランス等のトランスが装着されることを前提としている。パルストランスは、通信機器と通信回線を直流的に絶縁するために、通常、通信機器の入出力側に備えられる。本発明では、このパルストランスの1次側(通信回線側)の中間端子やその他の端子の導電パターンの一部又は接地用導電パターンの一部に突出パターンを形成する(請求項4)ものであり、導電パターンの一部と対向する接地用導電パターンの一部に対向して微小ギャップを形成するように第1突出パターンと第2突出パターンとを形成する(請求項5)ものである。即ち、パルストランスの1次側の中間端子やその他の端子に放電ギャップを形成する。このような構成とすれば、通信回線から侵入したサージは、通信機器と直流的に絶縁された1次側の中間端子で放電される。1次側の中間端子で放電されるので1次側での電圧上昇は抑制され、その結果2次側でもサージによる電圧上昇はほとんどない。即ち、通信回線から侵入したサージから通信機器を保護することができる。よって、特に、トランス結合された通信機器に有効なサージ対策基板となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例)
図1に本発明のサージ対策基板を示す。図は、基板裏面の導電パターンである。本実施例のサージ対策基板は、CATVケーブルモデム等の通信機器と通信回線間に挿入される基板であって、例えばエポキシ樹脂の両面に導電パターンを有した基板であり、通信機器の入出力コネクタ後段の基板の一部である。本実施例のサージ対策基板は、その裏面に形成された機器用導電パターン10(パルストランス2次側)、回線用導電パターン15a,15b,15c,16a,16b,16c(パルストランス1次側)と接地用導電パターン20とからなり、回線用導電パターン15、15の一端子に第1突出パターンである突起部11と、接地用導電パターン20の一部に第2突出パターンである突起部21を形成し、放電ギャップ22を形成したことが特徴である。
【0011】
そして、上記パターン裏面、即ちサージ対策基板表面には、モジュラージャックと呼ばれるRJ45コネクタ30(鎖線で示す)、直流絶縁用のトタンスであるパルストランス40(鎖線で示す)が搭載される。本実施例では、このパルストランス40が装着される1次側の中間端子に第1突出パターンである突起部11を形成し、即ち、通信機器と直流的に絶縁されたパルストランス40の1次側の中間端子に放電ギャップ22を形成し、ここで放電させることにより2次側(通信機器)への影響を排除したことが特徴である。
【0012】
通常、サージ侵入の経路は電源ラインと通信回線であり、通信回線を経由する場合は、通信機器の入出力コネクタから侵入する。本実施例のサージ対策基板に、RJ45コネクタ30からサージが侵入するとパルストランス40の1次側の中間端子に形成された放電ギャップ22で放電される。中間端子で放電されるので1次側での電圧上昇が抑制され、その結果2次側コイルへの影響も抑制され通信機器が保護される。例えば、通常のパルストランスは印加電圧2kV〜5kV程度で機器に何らかの影響を与え破損するが、本実施例のように突起部11、21を有する放電ギャップ22を形成した場合は、低電圧で放電を開始するためその耐圧は15kV以上とすることができる。
【0013】
又、この時、放電電流は接地用導電パターン20に流れるが、機器用導電パターン10、即ち通信機器とは直流的に絶縁されているので、放電電流は通信機器の接地に流入しない。即ち、通信機器内のサージ誘起、又は接地電位の上昇はない。即ち、2次側の通信機器内部の例えばLSI等の素子は破壊されることはない。このように、本実施例のサージ対策基板は、通信機器と直流的に絶縁された回線用導電パターンの一部に放電ギャップを形成しているので、確実に通信回線からのサージから通信機器を保護することができる。又、通信機器と直流的に絶縁された回線用導電パターンの一部に放電ギャップを形成するだけであるので、その製作を容易とし、又、その製造コストも安価とすることができる。
尚、突起部11、21、放電ギャップ22は、基板において外側の端子15c、16cに設けた方がより効果が高いことが確認されている。又、突起部11、21は、いずれか、一方のみ設けて放電ギャップ22を形成しても効果があることが確認されている。
【0014】
(変形例)
以上、本発明を表わす1実施例を示したが、他にさまざまな変形例が考えられる。例えば、上記実施例では放電ギャップ22はパルストランス40用の1次側の中間端子の導電パターンに形成したが、この個所に特に限定するものではない。勿論、プリント基板上面でこの中間端子と接続されたRJ45コネクタ30の端子と接地用導電パターン間に形成してもよい。
【0015】
又、上記実施例では通信機器と通信回線をCATV用としたが他の機器、及び通信回線でもよい。例えば、中央装置と複数の通信機器が同軸ケーブルで接続された他のLANシステムでもよい。これにより、例えば様々な通信回線から侵入したサージから通信機器を保護することができる。即ち、LANシステムを保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るサージ対策基板裏面の導電パターン。
【図2】従来のサージ対策を考慮したプリント基板装置の鳥瞰図。
【符号の説明】
10…機器用導電パターン
11、21…突起部
15…回線用導電パターン
20…接地用導電パターン
30…RJ45コネクタ
40…パルストランス
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信回線と通信機器間に挿入され、通信回線を経由するサージから通信機器を保護するサージ対策基板に関する。特に、トランス結合された一次側に放電ギャップを形成し、このギャップで通信回線からのサージを放電させることで、2次側に接続される通信機器を保護するサージ対策基板に関する。本発明は、通信回線と通信機器間に挿入されるケーブルモデムの基板に適用できる。
【0002】
【従来の技術】
近年、通信回線から侵入する通信機器の雷サージ破壊が問題となっている。例えば、イーサネット通信(イーサネットは登録商標)を可能とするCATV用ケーブルモデム等の通信機器は、モジュラージャックと呼ばれるRJ45コネクタで通信回線と接続されており、落雷時にはその通信回線を経由してRJ45コネクタからサージが侵入し、通信機器の内部回路を破壊する場合がある。通信機器は、通信回線と内部回路を直流的に絶縁する為、一般的にRJ45コネクタ後段はトランス結合となっている。よって、通信機器の耐圧はトランス結合のパルストランスのサージ耐圧(約2kV程度)であり、それ以上のサージが流入した場合には各所でスパークするか、2次側に流入し内部回路が破壊される。
【0003】
この種の問題を解決するために、例えば特開平10−154854号に開示のプリント基板装置が提案されている。これは、図2に示すように、プリント基板を2重にし、第2のプリント基板2上に信号用ランドであるスルーホール3a〜3hと接地用の導電ランド4を設け、更に、各スルーホール3a〜3hと導電ランド4の突起4b間に放電ギャップ4aを設けて、各スルーホール3a〜3hにコネクタ6の各リード端子8a〜8hを挿入して使用することを特徴としている。これにより、コネクタ側からサージ等の衝撃電圧が流入した場合は、この放電ギャップ4aで放電させて電圧上昇を回避し、各スルーホール3a〜3h後段の内部回路が保護できるとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平10−154854号に開示のプリント基板装置は、特には通信回線から通信機器へのサージ遮断を目的としたものではない。即ち、通信機器の基板と通信回線は絶縁された構造ではない。例えば、パルストランス等を用いたサージ対策基板ではない。即ち、放電ギャップ4aで放電させて接地用ランド4に電流を流した場合、接地を第1のプリント基板1と共通にしているため、第1のプリント基板1上の信号線にサージが誘起される可能性がある。これにより、第1のプリント基板1上のLSI素子等が破壊される可能性がある。又、その接地に接地抵抗がある場合は、接地電位が上昇しこの場合も第1のプリント基板1上のLSI素子等が破壊される可能性がある。
又、放電ギャップ4aの他方端は導電ランド4に形成された突起4bであるが、もう一方は円形状のスルーホール3a〜3hで形成されている。両端が尖頭形状でないため、放電開始電圧は十分には低くならないという問題がある。
又、基板を上下2重構造とするため、第2のプリント基板2の製作費、第1のプリント基板1への組み付け費等、コスト高になるという問題もある。更に、全てのスルーホール3a〜3hに対して放電ギャップ4aを形成する必要があるため、コスト効率が低下するという問題もある。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、その目的は通信機器と直流的に絶縁された放電ギャップを基板上に形成し、そのギャップでサージを放電させることで、通信機器を保護するサージ対策基板を提供することである。
又、その放電ギャップを、通信機器と直流的に絶縁された回線用導電パターンの一部又は接地用導電パターンの一部から突出した突出パターンを設けることによりサージ放電を実現して通信機器を効果的に保護することができる。
又、上記突出パターンを突起を有する突起パターンとすることで、放電開始電圧を低電圧化しサージ遮断を確実に行うことである。
又、放電ギャップをトランスを装着する導電パターンの1次側の中間端子や他の端子に形成することで、特に通信機器に有効なサージ対策基板とすることである。
尚、上記目的は、個々の発明が達成する個々の目的であって、個々の発明が全ての目的を達成するものと解釈されるべきではない。
【0006】
【課題を解決するための手段・作用および効果】
上記の課題を解決するために請求項1のサージ対策基板は通信機器のサージ対策基板であって、通信回線と通信機器間に設けられる基板であって、通信機器に接続される機器用導電パターンと、通信回線に接続される回線用導電パターンと、接地に接続される接地用導電パターンとからなり、通信機器と直流的に絶縁された回線用導電パターンの一部又は接地用導電パターンの一部に突出した突出パターンを形成し、回線用パターンと接地導電パターンを互いに近接させて放電ギャップを形成したことを特徴とするサージ対策基板である。
【0007】
サージ侵入経路の一つは通信回線であり通信回線を経由して通信機器へのコネクタから侵入する。本発明は、通信機器と例えばトランス結合等で直流的に絶縁された回線用導電パターンの一部又は接地用導電パターンの一部に突出した突出パターンを形成し、回線用パターンと接地導電パターンを互いに近接させて放電ギャップとする。即ち、放電ギャップを機器用導電パターン(即ち、通信機器)と絶縁した状態とする。そして、通信回線から侵入したサージをこの放電ギャップで放電させることにより放電する箇所を固定し、サージをパルストランスの1次側の接地用導電パターンに導く。通信機器はこの放電ギャップと直流的に絶縁されおり、また、サージは1次側の接地用導電パターン側を通り器機外部へ導出されるので通信機器側への放電の影響(誘起サージ、接地電位の上昇)は抑制される。そして、通信器機の内部の例えばLSI等の素子が保護される。即ち、通信機器と直流的に絶縁された回線用導電パターンの一部に上記放電ギャップを形成することで、容易に、確実に、又安価に通信回線からのサージを遮断し、通信機器を保護することができる。
【0008】
又、請求項2のサージ対策基板は、請求項2に記載のサージ対策基板であって、突出パターンは、回線用導電パターンの一部に突出した第1突出パターンと、接地用導電パターンの一部に突出した第2突出パターンとからなり、両者を互いに近接させて放電ギャップを形成したことを特徴とする。
この構成により、放電ギャップをより効果的に形成することができ、放電特性を向上させることができる。
又、請求項3のサージ対策基板は請求項1又は請求項2に記載のサージ対策基板であって、第1突出パターン、及び第2突出パターンは突起部を有する突起パターンであって、侵入したサージをそれぞれの突起部で放電させることを特徴とする。突出部が突起部であるので、先端の電界強度が大となりより低電圧で放電が開始される。よって、より確実にサージを遮断することができる。
【0009】
又、請求項4のサージ対策基板は請求項1に記載のサージ対策基板であって、機器用導電パターン、及び回線用導電パターンの一部は、トランスを装着する導電パターンであって、突出パターンはトランスの1次側の中間端子や他の端子の導電パターンの一部又は接地用導電パターンの一部に形成されることを特徴とする。
又、請求項5のサージ対策基板は請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のサージ対策基板であって、機器用導電パターン、及び回線用導電パターンの一部は、トランスを装着する導電パターンであって、第1突出パターンはトランスの1次側の中間端子や他の端子の導電パターンの一部に形成され、第2突出パターンは第1突出パターンと接近させて接地用導電パターンの一部に形成されたことを特徴とする。
請求項4又は請求項5の発明の基板は、パルストランス等のトランスが装着されることを前提としている。パルストランスは、通信機器と通信回線を直流的に絶縁するために、通常、通信機器の入出力側に備えられる。本発明では、このパルストランスの1次側(通信回線側)の中間端子やその他の端子の導電パターンの一部又は接地用導電パターンの一部に突出パターンを形成する(請求項4)ものであり、導電パターンの一部と対向する接地用導電パターンの一部に対向して微小ギャップを形成するように第1突出パターンと第2突出パターンとを形成する(請求項5)ものである。即ち、パルストランスの1次側の中間端子やその他の端子に放電ギャップを形成する。このような構成とすれば、通信回線から侵入したサージは、通信機器と直流的に絶縁された1次側の中間端子で放電される。1次側の中間端子で放電されるので1次側での電圧上昇は抑制され、その結果2次側でもサージによる電圧上昇はほとんどない。即ち、通信回線から侵入したサージから通信機器を保護することができる。よって、特に、トランス結合された通信機器に有効なサージ対策基板となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例)
図1に本発明のサージ対策基板を示す。図は、基板裏面の導電パターンである。本実施例のサージ対策基板は、CATVケーブルモデム等の通信機器と通信回線間に挿入される基板であって、例えばエポキシ樹脂の両面に導電パターンを有した基板であり、通信機器の入出力コネクタ後段の基板の一部である。本実施例のサージ対策基板は、その裏面に形成された機器用導電パターン10(パルストランス2次側)、回線用導電パターン15a,15b,15c,16a,16b,16c(パルストランス1次側)と接地用導電パターン20とからなり、回線用導電パターン15、15の一端子に第1突出パターンである突起部11と、接地用導電パターン20の一部に第2突出パターンである突起部21を形成し、放電ギャップ22を形成したことが特徴である。
【0011】
そして、上記パターン裏面、即ちサージ対策基板表面には、モジュラージャックと呼ばれるRJ45コネクタ30(鎖線で示す)、直流絶縁用のトタンスであるパルストランス40(鎖線で示す)が搭載される。本実施例では、このパルストランス40が装着される1次側の中間端子に第1突出パターンである突起部11を形成し、即ち、通信機器と直流的に絶縁されたパルストランス40の1次側の中間端子に放電ギャップ22を形成し、ここで放電させることにより2次側(通信機器)への影響を排除したことが特徴である。
【0012】
通常、サージ侵入の経路は電源ラインと通信回線であり、通信回線を経由する場合は、通信機器の入出力コネクタから侵入する。本実施例のサージ対策基板に、RJ45コネクタ30からサージが侵入するとパルストランス40の1次側の中間端子に形成された放電ギャップ22で放電される。中間端子で放電されるので1次側での電圧上昇が抑制され、その結果2次側コイルへの影響も抑制され通信機器が保護される。例えば、通常のパルストランスは印加電圧2kV〜5kV程度で機器に何らかの影響を与え破損するが、本実施例のように突起部11、21を有する放電ギャップ22を形成した場合は、低電圧で放電を開始するためその耐圧は15kV以上とすることができる。
【0013】
又、この時、放電電流は接地用導電パターン20に流れるが、機器用導電パターン10、即ち通信機器とは直流的に絶縁されているので、放電電流は通信機器の接地に流入しない。即ち、通信機器内のサージ誘起、又は接地電位の上昇はない。即ち、2次側の通信機器内部の例えばLSI等の素子は破壊されることはない。このように、本実施例のサージ対策基板は、通信機器と直流的に絶縁された回線用導電パターンの一部に放電ギャップを形成しているので、確実に通信回線からのサージから通信機器を保護することができる。又、通信機器と直流的に絶縁された回線用導電パターンの一部に放電ギャップを形成するだけであるので、その製作を容易とし、又、その製造コストも安価とすることができる。
尚、突起部11、21、放電ギャップ22は、基板において外側の端子15c、16cに設けた方がより効果が高いことが確認されている。又、突起部11、21は、いずれか、一方のみ設けて放電ギャップ22を形成しても効果があることが確認されている。
【0014】
(変形例)
以上、本発明を表わす1実施例を示したが、他にさまざまな変形例が考えられる。例えば、上記実施例では放電ギャップ22はパルストランス40用の1次側の中間端子の導電パターンに形成したが、この個所に特に限定するものではない。勿論、プリント基板上面でこの中間端子と接続されたRJ45コネクタ30の端子と接地用導電パターン間に形成してもよい。
【0015】
又、上記実施例では通信機器と通信回線をCATV用としたが他の機器、及び通信回線でもよい。例えば、中央装置と複数の通信機器が同軸ケーブルで接続された他のLANシステムでもよい。これにより、例えば様々な通信回線から侵入したサージから通信機器を保護することができる。即ち、LANシステムを保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るサージ対策基板裏面の導電パターン。
【図2】従来のサージ対策を考慮したプリント基板装置の鳥瞰図。
【符号の説明】
10…機器用導電パターン
11、21…突起部
15…回線用導電パターン
20…接地用導電パターン
30…RJ45コネクタ
40…パルストランス
Claims (5)
- 通信機器のサージ対策基板であって、通信回線と通信機器間に設けられる基板であって、
前記通信機器に接続される機器用導電パターンと、
前記通信回線に接続される回線用導電パターンと、
接地に接続される接地用導電パターンとからなり、
前記通信機器と直流的に絶縁された前記回線用導電パターンの一部又は前記接地用導電パターンの一部に突出した突出パターンを形成し、前記回線用パターンと前記接地導電パターンを互いに近接させて放電ギャップを形成したことを特徴とするサージ対策基板。 - 前記突出パターンは、前記回線用導電パターンの一部に突出した第1突出パターンと、前記接地用導電パターンの一部に突出した第2突出パターンとからなり、両者を互いに近接させて放電ギャップを形成したことを特徴とする請求項1に記載のサージ対策基板。
- 前記第1突出パターン、及び前記第2突出パターンは、突起を有する突起パターンであって、侵入したサージを前記突起パターンの突起部で放電させることを特徴とする請求項2に記載のサージ対策基板。
- 前記機器用導電パターン、及び回線用導電パターンの一部は、トランスを装着する導電パターンであって、突出パターンは前記トランスの1次側の中間端子や他の端子の前記導電パターンの一部又は前記接地用導電パターンの一部に形成されることを特徴とする請求項1に記載のサージ対策基板。
- 前記機器用導電パターン、及び回線用導電パターンの一部は、トランスを装着する導電パターンであって、前記第1突出パターンは前記トランスの1次側の中間端子や他の端子の前記導電パターンの一部に形成され、前記第2突出パターンは前記第1突出パターンと接近させて前記接地用導電パターンの一部に形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のサージ対策基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002218602A JP2004063683A (ja) | 2002-07-26 | 2002-07-26 | サージ対策基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002218602A JP2004063683A (ja) | 2002-07-26 | 2002-07-26 | サージ対策基板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004063683A true JP2004063683A (ja) | 2004-02-26 |
Family
ID=31939737
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002218602A Pending JP2004063683A (ja) | 2002-07-26 | 2002-07-26 | サージ対策基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004063683A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101228925B1 (ko) | 2006-06-02 | 2013-02-01 | 엘지이노텍 주식회사 | 서지 전압 방지용 인쇄회로기판 |
-
2002
- 2002-07-26 JP JP2002218602A patent/JP2004063683A/ja active Pending
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KR101228925B1 (ko) | 2006-06-02 | 2013-02-01 | 엘지이노텍 주식회사 | 서지 전압 방지용 인쇄회로기판 |
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