JP2004063589A - ポリッシング装置 - Google Patents

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Fumitoshi Oikawa
及川 文利
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Abstract

【課題】基板の被研磨面への光の照射によるフォトコロージョンを防止することができ、低誘電率層間膜を効果的に研磨することができるポリッシング装置を提供する。
【解決手段】基板Wの被研磨面を研磨面に摺接させて研磨する研磨部1a,1bと、研磨後の基板を洗浄する洗浄部7a,7b,8a,8bと、研磨部1a,1bと洗浄部7a,7b,8a,8bとの間で基板Wを搬送する搬送装置4a,4bを有する搬送部と、洗浄部7a,7b,8a,8bと研磨部1a,1bと搬送部とを内部に収容したハウジングHとを備えたポリッシング装置において、搬送部に、基板Wの被研磨面への光を遮蔽可能なカバー40a,40bを設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリッシング装置に係り、特に半導体基板などの研磨対象物を平坦かつ鏡面状に研磨するポリッシング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスの高集積化が進むにつれて回路の配線が微細化し、配線間距離もより狭くなりつつある。特に線幅が0.5μm以下の光リソグラフィの場合、焦点深度が浅くなるためステッパーの結像面の平坦度を必要とする。このような半導体基板の表面を平坦化する一手段として、化学機械研磨(CMP)を行うポリッシング装置が知られている。
【0003】
この種のポリッシング装置は、図5に示すように、上面に研磨布(研磨パッド)300を貼付して研磨面を構成する研磨テーブル302と、研磨対象物である半導体基板等の基板Wをその被研磨面を研磨テーブル302に向けて保持するトップリング304とを備えている。このようなポリッシング装置を用いて半導体基板Wの研磨処理を行う場合には、研磨テーブル302とトップリング304とをそれぞれ自転させ、研磨テーブル302の上方に設置された砥液ノズル306より砥液(スラリ)を供給しつつ、トップリング304により半導体基板Wを一定の圧力で研磨テーブル302の研磨布300に押圧する。砥液ノズル306から供給される砥液は、例えばアルカリ溶液にシリカ等の微粒子からなる砥粒を懸濁したものを用い、アルカリによる化学的研磨作用と、砥粒による機械的研磨作用との複合作用である化学的・機械的研磨によって半導体基板Wが平坦かつ鏡面状に研磨される。
【0004】
最近では、半導体基板上に配線回路を形成するための材料として、アルミニウムやアルミニウム合金よりも導電率の高い銅を用いることが多くなっている。しかしながら、銅は腐食に対して弱い金属であるため、ウェットプロセスであるCMPで銅を加工するためには、銅腐食(コロージョン)に対する対策が必要となる。
【0005】
上述した銅腐食の要因としては、スラリや洗浄液などのプロセス環境によるものが挙げられる。例えば、スラリ中における銅とバリア膜との接触部では、異種金属の電位差によってコロージョンが発生することが知られている。また、銅腐食の要因として、フォトコロージョン(光コロージョン)と呼ばれる光起電力に起因するものも知られている。このフォトコロージョンは、光の照射によって銅配線の腐食が生じるものである。
【0006】
一般的に、洗浄工程やその前後の搬送工程(研磨後の搬送工程)では、基板の被研磨面はいわゆるフェイスアップで保持され、研磨工程や研磨部から別の研磨部への搬送工程では、基板の被研磨面はいわゆるフェイスダウンで保持される。基板の被研磨面を上向きに保持するフェイスアップの状態では、基板の被研磨面に光が照射されやすいため、基板がフェイスアップで保持される洗浄工程やその前後の搬送工程(研磨後の搬送工程)においては、特に上述したフォトコロージョンの問題が顕著となる。
【0007】
また、銅は絶縁膜中に拡散しやすい性質があることはよく知られている。銅汚染の要因となるおそれのある工程はCMPだけではないが、基板表面の絶縁膜上はもちろん、基板の裏面やベベルに付着した銅が他の装置を汚染したり、基板表面に形成された半導体デバイス自身に拡散したりしないように洗浄を行うことが重要である。
【0008】
また、近年、配線抵抗が低い銅配線と配線間容量を低くするため、低誘電率層間膜(low−k膜)を用いることが多くなっている。このような低誘電率の層間絶縁膜材料は、その比誘電率でいくつかのグループに分けられる。例えば、比誘電率kが3.0位までのものを単にlow−k、2.0<k<2.5のものをUltra low−k(ULK)、1.5<k<1.9のものをExtreme low−k(ELK)と分類される。
【0009】
上述したlow−k(比誘電率が2.5〜3.0位までのもの)としては各種のものが既に実用化されている。このようなlow−k材は、材料の構造として密(dense)であり、材料の機械的強度も従来のSiOに比較して大幅には低下しておらず、CMPプロセスを行う上で特に致命的な障害となるような問題はないところまできている。
【0010】
ULKについては、材料自体は上述のlow−k(比誘電率が2.5〜3.0位までのもの)と同様であっても、比誘電率kを下げるために多孔構造(porous)としているものが多く、この多孔構造がCMPプロセスにおいて多くの障害となることがわかってきている。
【0011】
このような低誘電率層間膜を用いた場合、研磨後の基板の洗浄において、材料のケミカルに対する耐性が問題となる場合がある。例えば、洗浄薬液として適切なものを選定しないと、材料を過度にエッチングしてしまったり、肝心の材料の誘電率に影響を及ぼしてこれを悪化させてしまったりする場合がある。また、上述したULKの多孔構造が洗浄後の乾燥工程においても障害となる場合もある。このように、ULKをはじめとする新材料にCMPプロセスを適用する場合には、まだまだ多くの問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、基板の被研磨面への光の照射によるフォトコロージョンを防止することができ、低誘電率層間膜を効果的に研磨することができるポリッシング装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このような従来技術における問題点を解決するために、本発明の第1の態様は、基板の被研磨面を研磨面に摺接させて研磨する研磨部と、研磨後の基板を洗浄する洗浄部と、上記研磨部と上記洗浄部との間で上記基板を搬送する搬送装置を有する搬送部と、上記洗浄部と上記研磨部と上記搬送部とを内部に収容したハウジングとを備えたポリッシング装置において、上記搬送部には、上記基板の被研磨面への光を遮蔽可能なカバーが設けられていることを特徴とするポリッシング装置である。
【0014】
本発明の好ましい一態様は、上記カバーは上記搬送装置に取り付けられていることを特徴としている。
【0015】
本発明の第2の態様は、基板の被研磨面を研磨面に摺接させて研磨する研磨部と、研磨後の基板を洗浄する洗浄部と、上記研磨部と上記洗浄部との間で上記基板を搬送する搬送装置を有する搬送部と、上記洗浄部と上記研磨部と上記搬送部とを内部に収容したハウジングとを備えたポリッシング装置において、上記ハウジングには該ハウジングの内部を観察するための窓が設けられ、該窓には上記基板の被研磨面への光を遮蔽可能なカバーが取り付けられていることを特徴とするポリッシング装置である。
【0016】
上述した構成によれば、基板の被研磨面への光を上記カバーにより遮断することができるので、フォトコロージョンを防止することができる。また、カバーを搬送装置に取り付ければ、積極的にフォトコロージョンに対する対策を行う必要がある研磨後の基板の搬送工程において、フォトコロージョンを有効に防止することができる。また、いわゆるフェイスアップ状態で研磨を行うタイプのポリッシング装置の場合には、研磨部にも同様のフォトコロージョン対策を行うことも考えられる。更に、純水を介した電解加工やその他の銅成分を被加工面に含有する被加工物に対しても同様にフォトコロージョン対策を行うことが考えられる。
【0017】
本発明の好ましい一態様は、上記カバーには、所定の波長の光を減衰させるフィルターが取り付けられていることを特徴としている。
【0018】
本発明の好ましい一態様は、上記基板の被研磨面には、比誘電率が3以下の材質からなる膜が形成され、上記洗浄部は、電解イオン水を用いて上記研磨後の基板を洗浄することを特徴としている。
【0019】
このように、洗浄部における洗浄薬液として電解イオン水を用いることにより、従来のDHF(希ふっ酸)やNHOHをベースとする薬液に比べて、材料に対するアタックを低減することができるとともに、パーティクル、金属汚染、有機物汚染などの除去を効果的に行うことができる。このような電解イオン水による洗浄は、比誘電率が3.0以下の低誘電率層間膜(low−k膜)、特に比誘電率が2.0〜2.5であるULK膜の研磨を行う場合に効果的である。
【0020】
本発明の好ましい一態様は、上記洗浄部には、洗浄に用いる上記電解イオン水を製造するイオン水製造装置が設置されていることを特徴としている。
【0021】
上述の電解イオン水は配管を通る間でpHが変化し、イオン水の性質が変わることがあるため、なるべく配管を短くすることが好ましい。したがって、イオン水製造装置を洗浄部に設置すれば、配管の長さを最小限に抑えることができ、電解イオン水の変質を防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るポリッシング装置の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図1及び図2において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0023】
図1は、本発明の第1の実施形態におけるポリッシング装置を模式的に示す平面図である。図1に示すように、ポリッシング装置には、全体が長方形をなすハウジングHの一端側に一対の研磨部1a,1bが左右に対向して配置され、他端側にそれぞれ半導体基板収納用カセット2a,2bを載置する一対のロード・アンロードユニットが配置されている。研磨部1a,1bとロード・アンロードユニットとを結ぶ線上には、半導体基板を搬送する搬送装置4a,4bが2台配置されて搬送ラインが形成されている。この搬送ラインの両側には、それぞれ1台の反転機5,6とこの反転機5,6を挟んで2台の洗浄ユニット7a,7b,8a,8bとが配置されている。
【0024】
本実施形態においては、洗浄ユニット7a,7b,8a,8bにより研磨後の基板を洗浄する洗浄部が構成され、搬送装置4a,4bにより研磨部1a,1bと洗浄部との間及び洗浄ユニット7a,7b,8a,8bの間で基板を搬送する搬送部が構成されている。
【0025】
2つの研磨部1a,1bは、基本的に同一の仕様の装置が搬送ラインに対称に配置されており、それぞれ、上面に研磨面を有する研磨テーブル11と、研磨対象物である半導体基板を真空吸着により保持し、これを研磨テーブル11上の研磨面に押圧して研磨するトップリングユニット12と、研磨テーブル11上の研磨面の目立て(ドレッシング)を行うドレッシングユニット13とを備えている。また、研磨部1a,1bには、それぞれの搬送ライン側に、半導体基板をトップリングユニット12との間で授受するプッシャ14が設けられている。
【0026】
搬送装置4a,4bは、水平面内で屈折自在な関節アームを有しており、それぞれ上下に2つの把持部をドライフィンガーとウェットフィンガーとして使い分けている。本実施形態では2台のロボットが使用されるので、基本的に第1ロボット4aは反転機5,6よりカセット2a,2b側の領域を、第2ロボット4bは反転機5,6より研磨部1a,1b側の領域を受け持つ。
【0027】
反転機5,6は半導体基板の上下を反転させるもので、搬送装置4a,4bのハンドが到達可能な位置に配置されている。本実施形態では、2つの反転機5,6をドライ基板を扱うものと、ウェット基板を扱うものとに使い分けている。
【0028】
洗浄部の各洗浄ユニット7a,7b,8a,8bの形式は任意であるが、例えば、研磨部1a,1b側はスポンジ付きのローラで半導体基板の表裏両面を拭う形式の洗浄ユニット7a,7bであり、カセット2a,2b側は半導体基板のエッジを把持して水平面内で回転させながら洗浄液を供給する形式の洗浄ユニット8a,8bである。後者は、遠心脱水して乾燥させる乾燥機としての機能をも備える。洗浄ユニット7a,7bにおいて、半導体基板の1次洗浄を行うことができ、洗浄ユニット8a,8bにおいて1次洗浄後の半導体基板の2次洗浄を行うことができる。
【0029】
本実施形態における洗浄ユニット7a,7b,8a,8bでは、洗浄薬液として、純水又は微量の電解質を溶かした水を電解した電解イオン水を用いている。この電解イオン水としては、酸性で強酸化性のアノード水とアルカリ性で強還元性のカソード水とがあり、これらのアノード水又はカソード水を場合に応じて適宜使い分けることができる。このように、洗浄部における洗浄薬液として電解イオン水を用いることにより、従来のDHF(希ふっ酸)やNHOHをベースとする薬液に比べて、材料に対するアタックを低減することができるとともに、パーティクル、金属汚染、有機物汚染などの除去を効果的に行うことができる。このような電解イオン水による洗浄は、比誘電率が3.0以下の低誘電率層間膜(low−k膜)、特に比誘電率が2.0〜2.5であるULK膜の研磨を行う場合に効果的である。
【0030】
また、各洗浄ユニット7a,7b,8a,8bには、上述した電解イオン水を製造するイオン水製造装置70a,70b,80a,80bがそれぞれ設置されている。すなわち、電解イオン水は配管を通る間でpHが変化し、イオン水の性質が変わることがあるため、なるべく配管を短くすることが好ましい。したがって、本実施形態では、イオン水製造装置70a,70b,80a,80bを各洗浄ユニット7a,7b,8a,8b内に設置して、配管の長さを最小限に抑えている。この場合において、イオン水製造装置70a,70b,80a,80bからの配管は、上述したイオン水の変質が起こりにくい材質、例えばフッ素樹脂などから形成することが好ましい。なお、本実施形態では、イオン水製造装置を各洗浄ユニット内に設置しているが、洗浄部近傍の搬送部内に設置しても同様の効果を得ることができる。
【0031】
次に、上述した研磨部の詳細を説明する。図2は、図1に示す研磨部1a又は1bの要部を示す概略図である。なお、以下では、研磨部1aについてのみ説明するが、研磨部1bについても研磨部1aと同様に考えることができる。
【0032】
図2に示すように、研磨部1aは、上面に研磨面10を有する研磨テーブル11と、研磨対象物である半導体基板Wを真空吸着により保持し、これを研磨テーブル11に押圧して研磨するトップリングユニット12と、研磨テーブル11上の研磨面10の目立て(ドレッシング)を行うドレッシングユニット13とを備えている。研磨テーブル11は、テーブル軸11aを介してその下方に配置されるモータ(図示せず)に連結されており、研磨テーブル11は、図2の矢印Cで示すようにそのテーブル軸11a周りに回転可能になっている。
【0033】
半導体基板Wを研磨する研磨面は、研磨布、あるいは、砥粒と気孔又は気孔剤とがバインダ(樹脂)により結合された固定砥粒により構成することができる。研磨布とは、内部に砥粒を含まない発泡ポリウレタンや不織布を指す。また、固定砥粒には、例えば砥粒として酸化セリウム、バインダとして熱可塑性樹脂を用いる。
【0034】
研磨テーブル11の上方には研磨液供給ノズル15及び水供給ノズル16が配置されており、研磨液供給ノズル15からは純水や薬液などの研磨液が、水供給ノズル16からはドレッシングに使用するドレッシング液(例えば、水、もしくは所定圧力の液体と気体の混合流体)が、それぞれ研磨テーブル11上の研磨面10上に供給される。また、これらの研磨液と水を回収する枠体17が研磨テーブル11の周囲に設けられており、この枠体の下部に樋17aが形成されている。
【0035】
トップリングユニット12は、回転可能な支軸20と、支軸20の上端に連結される揺動アーム21と、揺動アーム21の自由端から垂下するトップリングシャフト22と、トップリングシャフト22の下端に連結される略円盤状のトップリング23とから構成されている。トップリング23は、支軸20の回転による揺動アーム21の揺動とともに水平方向に移動し、図1の矢印Aで示すように、プッシャ14と研磨面10上の研磨位置との間での往復運動が可能となっている。また、トップリング23は、トップリングシャフト22を介して揺動アーム21の内部に設けられた図示しないモータ(回転機構)及び昇降シリンダに連結されており、これにより、図2の矢印D,Eに示すように昇降可能かつトップリングシャフト22周りに回転可能となっている。また、研磨対象である半導体基板Wは、トップリング23の下端面に真空等によって吸着、保持されている。これらの機構により、トップリング23は自転しながら、その下面に保持した半導体基板Wを研磨面10に対して任意の圧力で押圧することができる。
【0036】
ドレッシングユニット13は、研磨を行って劣化した研磨面10の表面を再生するもので、研磨テーブル11の中心に対してトップリングユニット12とは反対側に配置されている。ドレッシングユニット13は、上記トップリングユニット12と同様に、回転可能な支軸30と、支軸30の上端に連結される揺動アーム31と、揺動アーム31の自由端から垂下するドレッサーシャフト32と、ドレッサーシャフト32の下端に連結されるドレッサー33とから構成されている。ドレッサー33は、支軸30の回転による揺動アーム31の揺動とともに水平方向に移動し、図1の矢印Bで示すように、研磨面10上のドレッシング位置と研磨テーブル11の外側の待機位置との間で往復運動が可能となっている。
【0037】
上述したように、積極的にフォトコロージョンに対する対策を行う必要があるのは、洗浄工程や研磨後の搬送工程である。この観点から、本実施形態における搬送部の搬送装置4a,4bには、搬送する基板の被研磨面への光を遮断するカバー40a,40b(図1参照)が設けられている。したがって、搬送装置4a,4bにおける基板の搬送時に、基板の被研磨面への光をカバー40a,40bにより遮断して、研磨後の搬送工程におけるフォトコロージョンを有効に防止することができる。この場合において、カバー40a,40bに所定の波長の光を減衰させるフィルターを取り付けて基板の被研磨面への光を遮断することとしてもよい。例えば、エネルギの高い光、すなわち波長の短い光(青色光や紫外線側の光)を遮断するようなフィルムをカバー40a,40bに取り付ければ、上述したフォトコロージョンを効果的に防止することができる。
【0038】
また、ポリッシング装置のハウジングHには、内部のプロセスの状態を観察するための窓(図示せず)が設けられている。この窓から基板の被研磨面に光が到達すると、上述のフォトコロージョンの原因となるので、搬送装置4a,4bと同様に、この窓にも基板の被研磨面への光を遮断するカバーを設けることとしてもよい。
【0039】
また、ハウジングH内に光照度センサや光周波数センサを設置してもよい。これらのセンサからの信号に基づいて上述したカバーを開閉することとすれば、フォトコロージョンを未然に防止することが可能となる。
【0040】
次に、上述した構成のポリッシング装置の動作について説明する。まず、搬送装置4aで半導体基板Wをカセット2a又は2bから取り出し、反転機5又は6で反転させた後、搬送装置4bでプッシャ14上に搬送して載置する。この状態で、トップリングユニット12のトップリングヘッド21を揺動させてトップリング23をプッシャ14の上方に移動させる。
【0041】
トップリング23はプッシャ14から基板Wを受け取り、トップリングヘッド21の揺動により研磨面10の上方に移動する。そして、トップリング23及び研磨テーブル11をそれぞれ独立に自転させつつ、トップリング23に保持された半導体基板Wと研磨テーブル11とを相対運動させて、トップリング23の下面に保持された半導体基板Wを研磨テーブル11上の研磨面10に押圧する。このとき、同時に研磨液供給ノズル15から研磨面10の上面に研磨液を供給する。なお、この研磨液は、研磨テーブル11の回転による遠心力を受けて研磨テーブル11の外方に飛散し、枠体17の下部の樋17aにより回収される。
【0042】
所定の研磨量だけ半導体基板Wを研磨した時点で研磨処理が終了するが、この研磨作業の終了時点では、研磨によって研磨面10の特性が変化し、次に行う研磨の研磨性能が低下しているので、ドレッシングユニット13により研磨面10のドレッシングを行う。ドレッシングは、ドレッサー33及び研磨テーブル11をそれぞれ独立に自転させつつ、ドレッシング部材34を所定の押圧力で研磨面10に当接させる。このとき、ドレッシング部材34が研磨面10に接触するのと同時又は接触する前に、水供給ノズル16から研磨面10の上面に水を供給し、研磨面10に残留している使用済みの研磨液を洗い流す。ドレッシング終了後のドレッサー33は、揺動アーム31の駆動により待機位置に戻され、この待機位置に設置されたドレッサー洗浄装置18(図1参照)によって洗浄される。
【0043】
研磨後の基板Wは、プッシャ14上に載置され、搬送装置4bによって例えばロールスポンジによる両面洗浄機能を有する洗浄ユニット7a又は7bに搬送される。このとき、搬送装置4aに設けられたカバー40aにより被研磨面への光の照射を遮断してフォトコロージョンを防止する。洗浄ユニット7a又は7bにおいては、上述したように電解イオン水により基板Wの両面が洗浄される。洗浄後の基板は、搬送装置4bにより反転機5又は6に搬送され、反転機5又は6により反転される。
【0044】
その後、搬送装置4aが反転機5又は6上の基板Wを取り出し、これを、例えば上面洗浄のペンスポンジとスピンドライ機能を有する洗浄ユニット8a又は8bに搬送する。この洗浄ユニット8a又は8bにおいては、上述した電解イオン水により基板Wを洗浄し、乾燥させる。洗浄後の基板Wは搬送装置4aによりカセット2a,2bに戻される。
【0045】
配線の微細化に伴って、オーバーポリッシュやアンダーポリッシュの許容範囲は狭くなり、終点検出の要求精度は更に高くなってきている。従来、研磨終点を検出するための膜厚測定装置は、ポリッシング装置とは別に設けられていたため、研磨工程と膜厚測定工程とを別々に行う必要があった。本実施形態では、研磨終点を検出するための膜厚測定装置(図示せず)をポリッシング装置内に設けることで、プロセス時間の短縮化を図っている。
【0046】
図3は、上述したIn−line膜厚測定装置(ITM)を用いてドライ基板の膜厚を測定し、閉ループ制御を行う場合の制御フローを示すブロック図である。図3に示す例では、(ペンシル洗浄・乾燥を行う)2段目の洗浄ユニットにおいて基板を乾燥させた後、膜厚測定装置によりこの基板の膜厚を測定する。膜厚測定装置の制御部は、測定された膜厚に基づいて新たな研磨時間を決定し、これを研磨部に送る。そして、この新たな研磨時間に基づいて次の基板が研磨される。
【0047】
図4は、上述したIn−line膜厚測定装置を用いてウェット基板の膜厚を測定し、閉ループ制御を行う場合の制御フローを示すブロック図である。図4に示す例では、研磨部における研磨後の基板の膜厚が膜厚測定装置により測定される。膜厚測定装置の制御部は、測定された膜厚に基づいて新たな研磨時間を決定し、これを研磨部に送る。そして、この新たな研磨時間に基づいて次の基板が研磨される。
【0048】
ここで、ポリッシング装置の運転状態をリモート監視・集計すれば、故障モードの早期把握や統計解析に役立てることができ、これにより装置のアップタイムの向上を図ることができる。また、プロセスにおいて変動するパラメータをすべてモニタリングして、基板間及び基板内のバラツキを安定化方向へ制御することもでき(APC(Advanced Process Control))、これによりプロセス性能の安定化を図ることができる。
【0049】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【0050】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、基板の被研磨面への光をカバーにより遮断することができるので、フォトコロージョンを防止することができる。また、カバーを搬送装置に取り付ければ、積極的にフォトコロージョンに対する対策を行う必要がある研磨後の基板の搬送工程において、フォトコロージョンを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるポリッシング装置を模式的に示す平面図である。
【図2】図1に示すポリッシング装置の研磨部の要部を示す概略図である。
【図3】本発明に係るポリッシング装置における制御フローを示すブロック図である。
【図4】本発明に係るポリッシング装置における制御フローを示すブロック図である。
【図5】従来のポリッシング装置を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1a,1b 研磨部
2a,2b 半導体ウェハ収納用カセット
4a,4b 搬送装置
5,6  反転機
7a,7b,8a,8b  洗浄ユニット
10  研磨布
11  研磨テーブル
11a テーブル軸
12  トップリングユニット
13  ドレッシングユニット
14  プッシャ
15  研磨液供給ノズル
16  水供給ノズル
17  枠体
17a 樋
18  ドレッサー洗浄装置
20,30  支軸
21,31  揺動アーム
22  トップリングシャフト
23  トップリング
32  ドレッサーシャフト
33  ドレッサー
34  ドレッシング部材
40a,40b  カバー
70a,70b,80a,80b  イオン水製造装置

Claims (6)

  1. 基板の被研磨面を研磨面に摺接させて研磨する研磨部と、研磨後の基板を洗浄する洗浄部と、前記研磨部と前記洗浄部との間で前記基板を搬送する搬送装置を有する搬送部と、前記洗浄部と前記研磨部と前記搬送部とを内部に収容したハウジングとを備えたポリッシング装置において、
    前記搬送部には、前記基板の被研磨面への光を遮蔽可能なカバーが設けられていることを特徴とするポリッシング装置。
  2. 前記カバーは前記搬送装置に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のポリッシング装置。
  3. 基板の被研磨面を研磨面に摺接させて研磨する研磨部と、研磨後の基板を洗浄する洗浄部と、前記研磨部と前記洗浄部との間で前記基板を搬送する搬送装置を有する搬送部と、前記洗浄部と前記研磨部と前記搬送部とを内部に収容したハウジングとを備えたポリッシング装置において、
    前記ハウジングには該ハウジングの内部を観察するための窓が設けられ、該窓には前記基板の被研磨面への光を遮蔽可能なカバーが取り付けられていることを特徴とするポリッシング装置。
  4. 前記カバーには、所定の波長の光を減衰させるフィルターが取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリッシング装置。
  5. 前記基板の被研磨面には、比誘電率が3以下の材質からなる膜が形成され、
    前記洗浄部は、電解イオン水を用いて前記研磨後の基板を洗浄することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のポリッシング装置。
  6. 前記洗浄部には、洗浄に用いる前記電解イオン水を製造するイオン水製造装置が設置されていることを特徴とする請求項5に記載のポリッシング装置。
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