JP2004061614A - 光束制御装置、干渉装置及び微分干渉顕微鏡装置 - Google Patents

光束制御装置、干渉装置及び微分干渉顕微鏡装置 Download PDF

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福島 郁俊
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Abstract

【課題】機械的な機構を必要とせずに、容易にシア量を精度良く連続的に変化させることができる光束制御装置、干渉装置及び微分干渉顕微鏡装置を提供する。
【解決手段】直線偏光の光束は偏光分離素子330により光束O,Eに分離させられる。光束O,Eは電気光学部材を有する分離側複屈折素子340により偏向される。光束O,Eは観察物体5を介して電気光学部材を有する重畳側複屈折素子360により偏向され、重畳素子370に入射する。それぞれの電気光学部材の光束Eに対する屈折率は分離側屈折率変化部314及び重畳側屈折率変化部315により電気的に変化させられる。制御部17は、所定のシア量Δが達成されるよう分離側屈折率変化部314を制御するとともに、重畳素子370にて光束O,Eが重なり合うよう重畳側屈折率変化部315を制御する。
【選択図】  図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば細胞やバクテリア等の微細胞物体、あるいは金属などの結晶構造の位相分布を取得するのに用いられる、光束制御装置、干渉装置及び微分干渉顕微鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
微分干渉顕微鏡においては、照明光を複屈折性のプリズムにより常光と異常光とに分離して観察物体に照射し、それらの透過光または反射光を干渉させることにより、観察物体のもつ位相分布の勾配を画像として観察している。近年、微分干渉顕微鏡装置での観測において、シア量を変化させて観測するニーズが高まっている。
【0003】
例えば特開平10−161031では複屈折プリズムを移動させてシア量を可変にした微分干渉顕微鏡装置が提案されている。この微分干渉顕微鏡装置の概略について図9を用いて説明する。光源1から出射した光束は偏光子2により特定の偏光方向の光束にされる。次に、この光束は複屈折プリズム3の複屈折作用によって互いに偏光方向が直交する、常光線の光束Oと異常光線の光束Eとに分離される。偏光子2から出射する光束の偏光方向は、光束O及び光束Eのそれぞれの偏光方向に対してそれぞれ45度傾けられている。この微分干渉顕微鏡装置では光束Oの偏光方向は紙面に直交し、光束Eの偏光方向は紙面に平行である。
【0004】
複屈折プリズム3で分離された光束O,Eは複屈折プリズム4の複屈折作用を再び受け、ほぼ平行にされる。複屈折プリズム4を矢印4aの方向に移動させることにより、光束O,Eの間隔Δ’を変化させることができる。光束O,Eがコンデンサレンズ9,10を通過すると、間隔Δ’は間隔Δに変換される。間隔Δ、即ちシア量Δの光束O,Eは、保持部材5aに保持された観察物体5をそれぞれ透過する。
【0005】
次に、光束O,Eは対物レンズ11、結像レンズ12を介して複屈折プリズム6に入射する。複屈折プリズム6の複屈折作用により光束O,Eは偏向される。偏光された光束O,Eは複屈折プリズム7を通過する。複屈折プリズム6は、複屈折プリズム7を通過した光束O,Eが重ね合わされるように、矢印6aの方向に移動される。
【0006】
重ね合わされた光束O,Eは検光子8に入射する。検光子8は光束O,Eから特定の偏光成分をもった光束を取り出す。取り出された特定の偏光成分の光束は、観察物体5の結像面に配置してあるCCDカメラ13に入射する。結像面には観察物体5の微分干渉画像が形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この微分干渉顕微鏡装置は複屈折プリズム4,6の移動させることにより、シア量を自在に変化させることができる。しかしながら、複屈折プリズム4,6を精密に移動させる必要があるので、高価で高精度なステージが必要である。また、このステージ又はステージを移動させるための機構などを設けるためのスペースも必要である。
【0008】
本発明は、上述した問題点に着目して成されたものであり、本発明の第一の目的は、機械的な機構を必要とせずに、容易にシア量を精度良く連続的に変化させることができる光束制御装置、干渉装置及び微分干渉顕微鏡装置を提供することである。本発明の第二の目的は、観察物体の種類に応じて、観察条件を容易に最適にすることができる微分干渉顕微鏡装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係わる光束制御装置は、
直線偏光の光束を、振動方向が互いに直交する2つの直線偏光の光束に分離する偏光分離素子と、
前記偏光分離素子にて分離された2つの直線偏光の光束が入射される電気光学部材と、
前記電気光学部材に入射した2つの直線偏光の光束の一方に対する電気光学部材の屈折率を電気的に変化させて、電気光学部材から出射する、2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つの光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる屈折率変化手段と、
を備えている。
【0010】
本発明の請求項2に係わる干渉装置は、
光源と、
光源からの光束を直線偏光の光束にする偏光素子と、
この直線偏光の光束を、振動方向が互いに直交する2つの直線偏光の光束に分離する偏光分離素子と、
前記偏光分離素子にて分離された2つの直線偏光の光束が入射する分離側電気光学部材と、
前記分離側電気光学部材に入射した2つの直線偏光の光束の一方に対する分離側電気光学部材の屈折率を電気的に変化させて、分離側電気光学部材から出射する2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つの光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる分離側屈折率変化手段と、
前記分離側電気光学部材から出射した2つの直線偏光の光束が入射する試料部と、
前記試料部を透過した又は前記試料部で反射した2つの直線偏光の光束が入射する重畳側電気光学部材と、
前記重畳側電気光学部材から出射した2つの直線偏光の光束が入射する、複屈折材料で形成された重畳素子と、
前記重畳側電気光学部材に入射した2つの直線偏光の光束の一方に対する重畳側電気光学部材の屈折率を電気的に変化させて、重畳素子から出射する2つの光束が重なり合うよう、重畳側電気光学部材から出射する2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つの光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる重畳側屈折率変化手段と、
を備えている。
【0011】
本発明の請求項3に係わる微分干渉顕微鏡装置は、
光源と、
光源からの光束を直線偏光の光束にする偏光素子と、
この直線偏光の光束を、振動方向が互いに直交する2つの直線偏光の光束に分離する偏光分離素子と、
前記偏光分離素子にて分離された2つの直線偏光の光束を複屈折させる分離側複屈折素子と、
前記分離側複屈折素子にて複屈折した2つの直線偏光の光束が入射する試料部と、
前記試料部を透過した又は前記試料部で反射した2つの直線偏光の光束を複屈折させる重畳側複屈折素子と、
前記重畳側複屈折素子にて複屈折した2つの直線偏光の光束を重畳させる重畳素子と、
前記分離側複屈折素子と前記重畳側複屈折素子との少なくとも一方の複屈折素子に設けられていて、この複屈折素子に入射した2つの直線偏光の光束を複屈折させる電気光学部材と、
前記電気光学部材に入射した2つの直線偏光の光束の一方に対するこの電気光学部材の屈折率を電気的に変化させて、この電気光学部材が設けられている複屈折素子から出射する2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つの光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる屈折率変化部と、
を備えている。
【0012】
本発明の請求項4に係わる微分干渉顕微鏡装置は、
光束を直線偏光の光束にする分離側偏光素子と、
この直線偏光の光束を、振動方向が互いに直交する2つの直線偏光の光束に分離する偏光分離素子と、
複数の電気光学部材を有している分離側複屈折素子であって、前記偏光分離素子にて分離された2つの直線偏光の光束が分離側複屈折素子に入射し、これら入射した2つの光束はこれらの電気光学部材により順に複屈折されて分離側複屈折素子から出射する分離側複屈折素子と、
前記分離側複屈折素子に入射した2つの直線偏光の光束の一方に対するそれぞれの電気光学部材の屈折率を電気的に変化させて、分離側複屈折素子から出射する2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つの光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる分離側屈折率変化部と、
前記分離側複屈折素子から出射する2つの直線偏光の光束の間隔が所定の間隔になり、かつこれら2つの光束のなす角度が所定の角度になるよう、前記分離側屈折率変化部を制御する制御部と、
複数の電気光学部材を有している重畳側複屈折素子であって、前記分離側複屈折素子から出射した2つの直線偏光の光束が観察物体を介して重畳側複屈折素子に入射し、これら入射した2つの光束はこれらの電気光学部材により順に複屈折されて重畳側複屈折素子から出射する重畳側複屈折素子と、
前記重畳側複屈折素子から出射した2つの直線偏光の光束が入射する、複屈折材料で形成された重畳素子と、
前記重畳側複屈折素子に入射した2つの直線偏光の光束の一方に対するそれぞれの電気光学部材の屈折率を電気的に変化させて、重畳側複屈折素子から出射する2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つ光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる重畳側屈折率変化部と、
重畳素子から出射し、重なり合った2つの直線偏光の光束を干渉させる重畳側偏光素子と、
を備えており、
前記制御部は、重畳素子から出射した2つの直線偏光の光束が重なり合うよう、前記重畳側屈折率変化部を制御する。
【0013】
本発明の請求項5に係わる微分干渉顕微鏡装置は、前記偏光分離素子と前記分離側複屈折素子の少なくとも一方を動かして、前記分離側複屈折素子から出射する2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つの光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる分離側駆動部をさらに備えている。
【0014】
本発明の請求項6に係わる微分干渉顕微鏡装置は、前記重畳側複屈折素子と前記重畳素子の少なくとも一方を動かして、重畳側複屈折素子から出射する2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つ光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる重畳側駆動部をさらに備えている。
【0015】
本発明の請求項7に係わる微分干渉顕微鏡装置は、
光束を直線偏光の光束にする分離側偏光素子と、
この直線偏光の光束を、振動方向が互いに直交する2つの直線偏光の光束に分離する偏光分離素子と、
複数の電気光学部材を有している分離側複屈折素子であって、前記偏光分離素子にて分離された2つの直線偏光の光束が分離側複屈折素子に入射し、これら入射した2つの光束はこれらの電気光学部材により順に複屈折されて分離側複屈折素子から出射する分離側複屈折素子と、
前記分離側複屈折素子に入射した2つの直線偏光の光束の一方に対するそれぞれの電気光学部材の屈折率を電気的に変化させて、分離側複屈折素子から出射する2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つの光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる分離側屈折率変化部と、
前記分離側複屈折素子から出射する2つの直線偏光の光束が互いに平行になり、かつこれら2つの光束の間隔が所定の間隔になるよう、前記分離側屈折率変化部を制御する制御部と、
前記分離側複屈折素子から出射した、互いに平行な2つの光束の間隔を変え、観察物体に平行なまま入射させる照明光学系と、
観察物体から出射した2つの直線偏光の光束が通過する結像光学系であって、結像光学系を通過した2つの直線偏光の光束は互いに平行であり、これらの光束の間隔は観察物体に入射した2つの光束の間隔と異なる結像光学系と、
複数の電気光学部材を有している重畳側複屈折素子であって、前記結像光学系を通過した互いに平行な2つの直線偏光の光束が重畳側複屈折素子に入射し、これら入射した2つの光束はこれらの電気光学部材により順に複屈折されて重畳側複屈折素子から出射する重畳側複屈折素子と、
前記重畳側複屈折素子から出射した2つの直線偏光の光束が入射する、複屈折材料で形成された重畳素子と、
前記重畳側複屈折素子に入射した2つの直線偏光の光束の一方に対するそれぞれの電気光学部材の屈折率を電気的に変化させて、重畳側複屈折素子から出射する2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つ光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる重畳側屈折率変化部と、
重畳素子から出射し、重なり合った2つの直線偏光の光束を干渉させる重畳側偏光素子と、
を備えており、
前記制御部は、重畳素子から出射した2つの直線偏光の光束が重なり合うよう、前記重畳側屈折率変化部を制御する。
【0016】
本発明の請求項8に係わる微分干渉顕微鏡装置は、
光束を直線偏光の光束にする分離側偏光素子と、
この直線偏光の光束を、振動方向が互いに直交する2つの直線偏光の光束に分離する偏光分離素子と、
複数の電気光学部材を有している分離側複屈折素子であって、前記偏光分離素子にて分離された2つの直線偏光の光束が分離側複屈折素子に入射し、これら入射した2つの光束はこれらの電気光学部材により順に複屈折されて分離側複屈折素子から出射する分離側複屈折素子と、
前記分離側複屈折素子に入射した2つの直線偏光の光束の一方に対するそれぞれの電気光学部材の屈折率を電気的に変化させて、分離側複屈折素子から出射する2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つの光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる分離側屈折率変化部と、
前記分離側複屈折素子から出射する2つの直線偏光の光束が互いに平行になり、かつこれら2つの光束の間隔が所定の間隔になるよう、前記分離側屈折率変化部を制御する制御部と、
前記分離側複屈折素子から出射した、互いに平行な2つの光束の間隔を変え、観察物体に平行なまま入射させる照明光学系と、
観察物体から出射した2つの直線偏光の光束が平行なまま入射する対物レンズと、
複数の電気光学部材を有している重畳側複屈折素子であって、前記対物レンズから出射した2つの直線偏光の光束が重畳側複屈折素子に入射し、これら入射した2つの光束はこれらの電気光学部材により順に複屈折されて重畳側複屈折素子から出射する重畳側複屈折素子と、
前記重畳側複屈折素子から出射した2つの直線偏光の光束が入射する、複屈折材料で形成された重畳素子と、
前記重畳側複屈折素子に入射した2つの直線偏光の光束の一方に対するそれぞれの電気光学部材の屈折率を電気的に変化させて、重畳側複屈折素子から出射する、2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つ光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる重畳側屈折率変化部と、
前記重畳素子から出射した2つの直線偏光の光束が通過する結像光学系と、
重畳素子から出射し、重なり合い、前記結像光学系を通過した2つの直線偏光の光束を干渉させる重畳側偏光素子と、
を備えており、
前記制御部は、重畳素子から出射した2つの直線偏光の光束が重なり合うよう、前記重畳側屈折率変化部を制御する。
【0017】
本発明の請求項9に係わる微分干渉顕微鏡装置では、前記電気光学部材の少なくとも1つは、2つの直線偏光の光束が入射されて屈折される入射屈折面と、入射屈折面に入射して屈折した2つの直線偏光の光束が屈折されて出射する出射屈折面とを有しており、
前記出射屈折面は、前記入射屈折面に対して傾斜している。
【0018】
本発明の請求項10に係わる微分干渉顕微鏡装置では、前記電気光学部材の少なくとも1つは、ホモジニアス配向の液晶で形成されている。
【0019】
本発明の請求項11に係わる微分干渉顕微鏡装置では、
ホモジニアス配向の液晶で形成された前記それぞれの電気光学部材は、互いに対向する、光を透過する光透過部材の表面間に形成された液晶層にそれぞれ満たされており、
それぞれの液晶層は、一方の光透過部材の表面に含まれていて、2つの直線偏光の光束が入射されて屈折される入射屈折面と、他方の光透過部材の表面に含まれていて、入射屈折面に入射して屈折した2つの直線偏光の光束が屈折されて出射する出射屈折面とを有しており、
少なくとも1つの前記液晶層の出射屈折面は、この液晶層の入射屈折面に対して傾斜している。
【0020】
本発明の請求項12に係わる微分干渉顕微鏡装置は、
前記重畳側偏光素子を出射した光束を検出し、この光束から観察物体の微分干渉画像を取得する画像取得部と、
この画像取得部により取得された観察物体の微分干渉画像から、コントラスト及び解像度を含む画像評価量を取得する処理部と、
をさらに備えており、
前記制御部は、この処理部により取得された画像評価量に基づいて前記分離側屈折率変化部と前記重畳側屈折率変化部を制御する。
【0021】
本発明の請求項13に係わる微分干渉顕微鏡装置は、
前記重畳側偏光素子を出射した光束を検出し、この光束から観察物体の微分干渉画像を取得する画像取得部と、
この画像取得部により取得された観察物体の微分干渉画像から観察物体の位相分布を復元する位相分布復元部をさらに備えている。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1〜図8を参照して、本発明の実施の形態に係わる光束制御装置、干渉装置及び微分干渉顕微鏡装置を説明する。先ず、図1を参照して光束制御装置と光束制御装置を備えた干渉装置の実施の形態を説明する。図1は光束制御装置を備えた干渉装置の概略図である。図中、符号230,240はそれぞれ偏光分離素子、電気光学部材を示す。これらは本実施の形態の光束制御装置を構成する。また、これらは干渉装置の一部も構成する。これらが干渉装置の一部を構成するとみなす場合、図中の符号230,240はそれぞれ偏光分離素子、分離側電気光学部材を示す。
【0023】
先ず、光束制御装置を説明する。偏光分離素子230は複屈折材料、好ましくは複屈折結晶で形成されている。偏光分離素子230の一方の表面231に入射光束Iが入射すると、複屈折効果が起こる。入射光束Iの内の紙面と直交する偏光成分をもつ光束Oは常光線としてふるまう。一方、入射光束Iの内の紙面に平行な偏光成分をもつ光束Eは異常光線としてふるまう。光束O,Eは互いに離間しながら伝播する。この結果、入射光束Iは光束O,Eに分離される。光束O,Eは他方の表面232から出射する。表面232は表面231に対して傾斜している。表面232から出射した光束O,Eは角度θをなす。
【0024】
次に、光束O,Eは電気光学材料で形成された電気光学部材240を通過する。光束制御装置は、電気光学部材240に電界を印加して電気光学部材240の屈折率を電気的に変化させる屈折率変化手段214を備えている。屈折率変化手段214は光束Oに対する屈折率をほぼ一定に維持したまま光束Eに対する屈折率を電気的に変化させる。光束O,Eは電気光学部材240の一方の表面を形成する入射屈折面241に入射して屈折され、他方の表面を形成する出射屈折面242で屈折されて出射する。出射屈折面242は入射屈折面241に対して傾斜している。
【0025】
屈折率変化手段214が光束Eに対する屈折率を電気的に変化させて、電気光学部材240から出射する光束O,Eの間隔と、光束O,Eのなす角度との少なくとも一方を変化させる。このとき、出射する光束Oは動かない。光束Eが光束Oに対して動く。光束O,Eのなす角度は、所定の角度θ21から所定の角度θ11まで変わることが可能である。
【0026】
一般に電気光学材料の屈折率を精度良く変化させることは容易である。即ち、本実施の形態の光束制御装置を用いれば、電気光学部材240を出射した2つの光束O,Eの間隔を容易に精度良く連続的に変化させることができる。また、本実施の形態の光束制御装置は機械的な機構を必要としない。本実施の形態の光束制御装置は、分離した光束の間隔を変えることを必要とする、様々な装置に適用される。
【0027】
電気光学部材240には好ましくはLiNbO等の結晶が用いられる。より好ましくは、電気光学部材240には有機系のフォトリフラクティブ材料、フォトクロミック材料等が用いられる。この場合、屈折率変化手段214は、屈折率を変化させるために、電気光学部材240に光を照射する。さらに好ましくは、電気光学部材240にはホモジニアス配向の液晶が用いられる。電気光学部材240は互いに対向するカバーガラスで挟まれる。この場合、入射屈折面241と出射屈折面242はそれぞれ液晶材料とカバーガラスの境界面に対応する。この液晶を用いれば、屈折率を変えるための電界を生じさせる電圧を低くすることができる。また、この液晶を用いた電気光学部材240を製作することは容易である。
【0028】
次に、図1を参照してこの光束制御装置を備えた干渉装置の実施の形態を説明する。ここでは、屈折率変化手段214は分離側屈折率変化手段214として用いられる。干渉装置は、この光束制御装置の他に、電気光学材料で形成された重畳側電気光学部材260と、複屈折材料、好ましくは複屈折結晶で形成された重畳素子270とを備えている。
【0029】
分離側電気光学部材240を出射した光束O,Eは試料部を有する様々な光学系を介して重畳側電気光学部材260に導かれる。例えば、干渉装置が微分干渉顕微鏡装置に適用される場合には、試料部は標本物体を含む。分離側電気光学部材240から出射した2つの直線偏光の光束は試料部(図示せず)に入射する。試料部を透過した又は試料部で反射した2つの直線偏光の光束は重畳側電気光学部材260に入射する。この光束O,Eは重畳側電気光学部材260により屈折されてここから出射する。重畳側電気光学部材260に導かれた光束O,Eは一方の表面を形成する入射屈折面261に入射される。入射される光束O,Eのなす角度は、分離側電気光学部材240での出射角度(θ21〜θ11)と出射間隔の変化に応じてφ21からφ11まで変化する。入射される光束O,Eの間隔も、分離側電気光学部材240での出射角度と出射間隔の変化に応じて変化する。
【0030】
分離側電気光学部材240で屈折された光束O,Eは重畳素子270の一方の表面271に入射する。表面271に入射する光束O,Eの間隔が所定の重畳間隔であり、かつこれらの光束O,Eのなす角度が所定の重畳角度φであるとき、光束O,Eは重なり合って重畳素子270から出射する。
【0031】
干渉装置は、重畳側電気光学部材260に電界を印加して屈折率を電気的に変化させる重畳側屈折率変化手段215を備えている。重畳側屈折率変化手段215は分離側屈折率変化手段214と同様に、光束Oに対する屈折率をほぼ一定に維持したまま光束Eに対する屈折率を電気的に変化させる。
【0032】
重畳側屈折率変化手段215が屈折率を変化させたとき、重畳素子270に入射する光束Oの経路は変化しない。一方、重畳素子270に入射する光束Eの経路は、重畳側電気光学部材260に入射される光束O,Eのなす角度の変化(φ21〜φ11)に応じて変化する。重畳側屈折率変化手段215は、重畳側電気光学部材260を出射して重畳素子270に入射する光束O,Eの入射間隔が上述した重畳間隔になり、かつこれらこれらの光束O,Eのなす入射角度が上述した重畳角度になるよう、重畳側電気光学部材260に入射した光束Eに対する屈折率を電気的に変化させる。この結果、重畳素子270を通過した光束0,Eは重ね合わされる。
【0033】
本実施の形態の干渉装置は、機械的な機構を必要とせずに、1つの光束を2つの光束に分離し、再び重ね合わせることができる。本実施の形態の干渉装置は、2つの光束O,Eのなす角度を容易に精度良く連続的に変化させることができる。本実施の形態の干渉装置は、光束を分離し重ね合わせることを必要とする、様々な装置、例えば後述する微分干渉顕微鏡装置に適用される。
【0034】
次に、図2を参照して本発明の第1の実施の形態の微分干渉顕微鏡装置を説明する。図2は微分干渉顕微鏡装置の概略図である。ハロゲンランプを有する光源1から出射した光束はバンドパスフィルタ16を通過する。本実施の形態では中心波長が633nmである光束がバンドパスフィルタ16を通過する。次に、光束は分離側偏光素子2により直線偏光の光束にされる。分離側偏光素子2には偏光子が用いられている。
【0035】
直線偏光の光束は、複屈折材料、好ましくは複屈折結晶で形成されている偏光分離素子330により振動方向が互いに直交する常光線の光束Oと異常光線の光束Eとに分離される。偏光分離素子330のこの作用は上述した複屈折分離装置の偏光分離素子230の作用と同じである。分離された光束O,Eのなす角度は一定の角度αになる。分離側偏光素子2を通過する光束の偏光方向は、光束O及び光束Eのそれぞれの偏光方向に対してそれぞれ45度傾けられている。図2では、光束が入射する偏光分離素子330の面はこれが紙面に直交するよう示されている。この微分干渉顕微鏡装置では光束Oの偏光方向は紙面に直交し、光束Eの偏光方向は紙面に平行である。
【0036】
微分干渉顕微鏡装置は、この光束O,Eを複屈折させる分離側複屈折素子340と、分離側複屈折素子340にて複屈折した光束O,Eが入射する試料部と、試料部を透過した光束O,Eを複屈折させる重畳側複屈折素子360と、重畳側複屈折素子360にて複屈折した光束O,Eを重畳させる重畳素子370とを備えている。試料部は保持部材5aと保持部材5aに保持された観察物体5とを有している。本実施の形態では試料部は分離側複屈折素子340にて複屈折した光束O,Eが試料部を透過するよう配置されているが、試料部は光束O,Eが試料部で反射し、反射した光束O,Eが重畳側複屈折素子360に入射するよう配置されていても良い。
【0037】
分離側複屈折素子340と重畳側複屈折素子360との少なくとも一方の複屈折素子には、この複屈折素子に入射した2つの直線偏光の光束を複屈折させる電気光学部材が設けられている。本実施の形態では分離側複屈折素子340と重畳側複屈折素子360との両方に電気光学部材が設けられている。電気光学部材に入射した光束O,Eの一方に対するこの電気光学部材の屈折率は、屈折率変化部、即ち分離側屈折率変化部314及び重畳側屈折率変化部315により電気的に変化させられる。
【0038】
分離側複屈折素子340は1つの電気光学部材を有している。この電気光学部材はホモジニアス配向の液晶で形成されている。分離側複屈折素子340はこの電気光学部材を挟んでいる、2つのカバーガラスを有している。光束が入射する入射屈折面と、光束が出射する出射屈折面とは、電気光学部材に面するカバーガラスの表面に含まれている。出射屈折面は入射屈折面に対して傾斜している。分離側複屈折素子340に入射した光束O,Eは電気光学部材により複屈折されて分離側複屈折素子340から出射する。
【0039】
分離側複屈折素子340の電気光学部材の屈折率は分離側屈折率変化部314により電気的に変化させられる。分離側屈折率変化部314は光束Oに対する屈折率をほぼ一定に維持したまま光束Eに対する屈折率を電気的に変化させる。屈折率の変化に応じて、分離側複屈折素子340から出射する、光束O,Eの間隔と、光束O,Eのなす角度との少なくとも一方が変化する。
【0040】
分離側屈折率変化部314には制御部17が接続されている。制御部17は、分離側複屈折素子340から出射する光束O,Eの間隔が所定の出射間隔Δ’になり、かつ光束O,Eのなす角度が所定の出射角度θになるよう、分離側屈折率変化部314を制御する。
【0041】
次に、光束O,Eはコンデンサレンズ9を通過する。コンデンサレンズ9はこれを通過した光束O,Eが互いにほぼ平行になるように配置されている。これらの互いに平行な光束O,Eは、出射間隔Δ’に応じた距離、即ちシア量Δだけ離間する。光束O,Eはシア量Δだけ離間したまま、保持部材5aに保持された観察物体5をそれぞれ透過する。次に、光束O,Eは対物レンズ11を通過した後、互いに接近しながら重畳側複屈折素子360に入射する。
【0042】
重畳側複屈折素子360は、分離側複屈折素子340と同様に、ホモジニアス配向の液晶で形成された1つの電気光学部材を有している。重畳側複屈折素子360に入射する光束O,Eの間隔は分離側複屈折素子での出射間隔Δ’と出射角度θに基づいて決まる。重畳側複屈折素子360に入射した光束O,Eは電気光学部材により複屈折されて重畳側複屈折素子360から出射する。
【0043】
微分干渉顕微鏡装置は、光束Oに対する重畳側複屈折素子360の電気光学部材の屈折率をほぼ一定に維持したまま光束Eに対する屈折率を電気的に変化させる重畳側屈折率変化部315を備えている。
【0044】
重畳側複屈折素子360を出射した光束O,Eは複屈折材料、好ましくは複屈折結晶で形成された重畳素子370に入射する。重畳素子370は、上述した屈折率変化装置を備えた干渉装置の重畳素子270の作用と同様の作用をもつ。重畳素子370に入射する光束O,Eの間隔が所定の重畳間隔であり、かつこれらの光束O,Eのなす角度が所定の重畳角度であるとき、光束O,Eは重なり合って重畳素子370から出射する。
【0045】
重畳側屈折率変化部315が屈折率を変化させると、重畳側複屈折素子360から重畳素子370に入射する光束O,Eの入射間隔と、これらの光束O,Eのなす入射角度との少なくとも一方が変化する。
【0046】
重畳側屈折率変化部315は制御部17に接続されている。制御部17は、重畳素子370に入射する光束O,Eの入射間隔が上述した重畳間隔になり、かつこれらの光束O,Eのなす入射角度が上述した重畳角度になるよう、重畳側屈折率変化部315を制御することができる。
【0047】
尚、対物レンズ11は、対物レンズ11の重畳側複屈折素子360側の焦平面と、光束O,Eは重なり合う位置とがほぼ一致するように配置されている。
【0048】
重畳素子370にて重ね合わされた光束O,Eは結像レンズ12を通過し、重畳側偏光素子8により干渉させられる。重畳側偏光素子8には検光子が用いられている。
【0049】
重畳側偏光素子8を出射した光束は、観察物体5の結像面に配置してある画像取得部13により検出される。結像面には観察物体5の微分干渉画像が形成される。画像取得部13にはCCDカメラが用いられている。画像取得部13は検出した光束から観察物体5の微分干渉画像を取得する。この微分干渉画像は観察物体5の位相の傾きを示す。微分干渉画像は処理部18に渡される。処理部18は微分干渉画像から、コントラスト及び解像度を含む画像評価量を取得する。制御部17は、この画像評価量に基づいて分離側屈折率変化部314と重畳側屈折率変化部315を制御する。
【0050】
制御部17の動作について詳細に説明する。分離側屈折率変化部314と重畳側屈折率変化部315は、それぞれの電気光学部材の屈折率を所定の値にさせるために、それぞれの電気光学部材に電圧を印加する。制御部17は、それぞれの電気光学部材に印加される電圧を指示する電圧信号を分離側屈折率変化部314と重畳側屈折率変化部315に送る。それぞれの電圧は画像評価量に基づいて決められる。即ち、それぞれの電圧は以下の式に従って再帰的に変化する。
【0051】
i+1=x+f(γ・u,η・v)…(1)
i+1=y+g(γ・u,η・v)…(2)
ここで、x及びyは、それぞれ分離側屈折率変化部314及び重畳側屈折率変化部315に渡す電圧であり、添え字のiは電圧を変化させた回数を示す。u及びvは、それぞれ画像評価量であるコントラスト及び解像度に係わる量であり、添え字のiは同様の回数を示す。γ及びηはコントラスト及び解像度の変更に関する係数である。f及びgはそれぞれコントラスト及び解像度の変更に関するパラメータ関数であり、対物レンズの倍率毎に個別に設定されている。最初の立ち上げ時には、式(1),(2)で用いられる各変数の値は初期値に設定されている。
【0052】
微分干渉顕微鏡装置の動作について説明する。先ず、観察者は、画像取得部13に接続されたディスプレイ(図示せず)を使用して、初期値を用いて取得された微分干渉画像を観察する。観察者がこの状態で達成されたシア量を、これとは別の所望のシア量に変えようとするときには、所望のシア量を制御部17に指示する。制御部17にはこのようなシア量を入力するための入力部(図示せず)が接続されている。制御部17は指示されたシア量から、このシア量が達成されるような電圧x(一定)を求める。制御部17は式(1),(2)に従ってyを再帰的に変化させる。このとき、x=x(一定)としてyを変化させる。コントラストが最適になると、yの変化は止まる。観察者は、yに応じて変化する微分干渉画像を観察することになる。観察者が、微分干渉画像のコントラストが最適になったと判断したときに、観察者はyの変化を停止させても良い。観察者はシア量を連続的に変えることもできる。この場合、観察者は制御部17に指示するシア量を連続的に変える。
【0053】
上述のように、本実施の形態の微分干渉顕微鏡装置を用いれば、機械的な機構を必要とせずに、シア量を連続的に所望に変化させることができる。機械的な機構を必要としないので、微分干渉顕微鏡装置を小型化することができる。
【0054】
本実施の形態では分離側複屈折素子340と重畳側複屈折素子360との両方に電気光学部材が設けられているが、一方にのみ電気光学部材が設けられていても良い。この場合、他方には典型的な微分干渉顕微鏡装置に用いられている複屈折プリズムなどを用いても良い。
【0055】
次に、図3及び図4を参照して本発明の第2の実施の形態の微分干渉顕微鏡装置を説明する。図3は微分干渉顕微鏡装置の概略図である。本実施の形態の微分干渉顕微鏡装置の構成は第1の実施の形態のものと基本的に同じである。分離側複屈折素子440を出射する2つの光束は交差してコンデンサレンズ9に入射する。2つの光束が交差する位置、即ちローカライズ位置L1はコンデンサレンズ9の入射側の焦平面と一致している。また、対物レンズ11を出射する2つの光束は交差して重畳側複屈折素子460に入射する。2つの光束が交差するローカライズ位置L2はコンデンサレンズ9の出射側の焦平面と一致している。
【0056】
中心波長が490nmであるLEDを有する光源1から出射した光束は、分離側偏光素子2により直線偏光の光束Iにされる。光束Iは、偏光分離素子430により常光線の光束Oと異常光線の光束Eとに分離され、分離側複屈折素子440を通過する。図4はこれらの概略図である。偏光分離素子430は複屈折材料、好ましくは複屈折結晶で形成されている。光束O,Eが出射する偏光分離素子430の表面432は、光束Iが入射する表面431に対して傾斜している。偏光分離素子430の光軸は表面431に対して傾斜している。
【0057】
分離側複屈折素子440は互いに対向する、光を透過する光透過部材441,447を有している。光透過部材441,447にはカバーガラスが用いられている。光透過部材441,447の表面445,446間には液晶層が形成されている。この液晶層にはホモジニアス配向の液晶が満たされている。この液晶は電気光学部材444を形成している。液晶層とは反対側の光透過部材441の表面442は偏光分離素子430の表面432と接合されている。液晶層とは反対側の光透過部材447の表面449は外部に向いている。
【0058】
この液晶層は、一方の光透過部材441の表面445に含まれていて、光束O,Eが入射されて屈折される入射屈折面450と、他方の光透過部材447の表面446に含まれていて、入射屈折面に入射して屈折した光束O,Eが屈折されて出射する出射屈折面451とを有している。出射屈折面451は入射屈折面450に対して傾斜している。
【0059】
光束Eに対する電気光学部材444の屈折率は分離側屈折率変化部414により電気的に変化させられる。光束Oの屈折率は一定である。これにより、分離側複屈折素子440を出射した光束O,Eの間隔とこれらの光束O,Eのなす角度との少なくとも一方は変化する。
【0060】
分離側複屈折素子440を出射した光束O,Eは上述のようにローカライズ位置L1にて交差し、コンデンサレンズ9を通過後、平行になる。光束O,Eの間隔が所定のシア量Δに等しくなるよう、制御部17は分離側屈折率変化部414を制御する。シア量Δだけ離間したまま観察物体5を透過した光束O,Eは、上述のように対物レンズ11を通過後、ローカライズ位置L2にて交差し、重畳側複屈折素子460に入射する。
【0061】
重畳側複屈折素子460を通過した光束O,Eは重畳素子470にて重ね合わされる。重畳側複屈折素子460及び重畳素子470の構成はそれぞれ分離側複屈折素子440及び偏光分離素子430の構成と同じである。また、重畳側複屈折素子460及び重畳素子470の作用は、第1の実施の形態の重畳側複屈折素子360及び重畳素子370の作用と同じである。重畳側複屈折素子460に設けられた電気光学部材の屈折率は重畳側屈折率変化部415により電気的に変化させられる。重畳側屈折率変化部415は光束Oに対する屈折率を一定に維持したまま、光束Eに対する屈折率を電気的に変化させる。屈折率を変化させることにより、光束O,Eを重畳素子470にて重ね合わすことができる。次に、光束O,Eは重畳側偏光素子8により干渉させられた後、結像レンズ12を通過して画像取得部13により検出される。
【0062】
分離側複屈折素子440から出射する光束O,Eの間隔と光束O,Eのなす角度との少なくとも一方を変化させると、シア量Δが変化するだけでなく、観察物体5を透過する光束O,Eが平行でなくなる。このとき、ローカライズ位置L1,L2の位置も変化する。これを防止するために、微分干渉顕微鏡装置には偏光分離素子430と分離側複屈折素子440を一体的に動かして、即ち回転させて、分離側複屈折素子440から出射する光束O,Eの間隔と光束O,Eのなす角度との少なくとも一方を変化させる分離側駆動部419が設けられている。本実施の形態では偏光分離素子430と分離側複屈折素子440は一体的に回転させられるが、これらを平行移動させても良い。また、平行移動と回転とを組み合わせても良い。制御部17は、分離側複屈折素子440から出射する光束O,Eの間隔が所定の出射間隔になり、かつこれらの光束O,Eのなす角度が所定の出射角度になるよう、分離側屈折率変化部414だけでなく分離側駆動部419も制御する。
【0063】
分離側駆動部419に対応して、微分干渉顕微鏡装置には重畳側複屈折素子460と重畳素子470を一体的に動かして、即ち回転させて、重畳側複屈折素子460から重畳素子470に入射する光束O,Eの入射間隔と、これらの光束O,Eのなす入射角度との少なくとも一方を変化させる重畳側駆動部420が設けられている。本実施の形態では重畳側複屈折素子460と重畳素子470は一体的に回転させられるが、これらを平行移動させても良い。また、平行移動と回転とを組み合わせても良い。制御部17は、重畳素子470に入射する光束O,Eの入射間隔が重畳間隔になり、かつこれらの光束O,Eのなす入射角度が重畳角度になるよう、重畳側屈折率変化部415だけでなく重畳側駆動部420も制御する。この重畳間隔及び重畳角度は、第1の実施の形態の微分干渉顕微鏡装置の重畳素子370について定義したものと同じものである。
【0064】
画像取得部13により取得された観察物体5の微分干渉画像から、処理部18は画像評価量を取得する。画像評価量としてコントラストu、エッジ(解像度に関係する)に関する量v、全体の明るさw及びむらに関する量μが用いられる。これらは対物レンズの倍率毎に設定されている。制御部17は、この画像評価量に基づいて分離側屈折率変化部414、分離側駆動部419、重畳側屈折率変化部415及び重畳側駆動部420を制御する。
【0065】
制御部17は、第1の実施の形態の微分干渉顕微鏡装置と同様に、分離側屈折率変化部414と重畳側屈折率変化部415にそれぞれ電圧信号を送るとともに、分離側駆動部419と重畳側駆動部420にそれぞれ角度信号を送る。分離側屈折率変化部414の電圧をa、重畳側屈折率変化部415の電圧をbとする。角度信号は、一体的に回転させられる偏光分離素子430と分離側複屈折素子440の組みの回転角c、及び重畳側複屈折素子460と重畳素子470の組みの回転角dをそれぞれ指示するための信号である。
【0066】
制御部17は、画像評価量u,v,w,μと電圧a,b、回転角c,dの関係をニューラルネットワークの学習を利用して以下のような関数に近似する。
【0067】
a=A(u,v,w,μ)
b=B(u,v,w,μ)
c=C(u,v,w,μ)
d=D(u,v,w,μ)
A,B,C,Dはそれぞれ近似された関数である。このとき、標準値として画像評価量u,v,w,μの平均値が用いられる。電圧a,b、回転角c,dはこの関数を用いて決定される。この電圧a,b、回転角c,dに応じた電圧信号と角度信号が制御部17から送られる。
【0068】
本実施の形態の微分干渉顕微鏡装置は、自動的に最適な電圧a,b、回転角c,dを決めることができる。従って、容易に最適な観察物体5の微分干渉画像を得ることができる。
【0069】
シア量と解像度の関係を説明する。以下に示す表1は、偏光分離素子430及び光透過部材441,447の表面の傾き並びに偏光分離素子430の光学軸の傾きを示している。これらの傾きは光束Iに直交する平面を規準にしている。
【0070】
表1
表面の符号    傾き(度)
431      2
432,442  2.2
445      2.2
446      2.3
449      2.3
光学軸      14.036
次に示す表2は、偏光分離素子430、光透過部材441,447及び電気光学部材444の屈折率と厚さ(光束が通過する距離)を示している。
【0071】
Figure 2004061614
上記数値を用いれば、分離側複屈折素子440、重畳側複屈折素子460を出射した光束O,Eのなす角度は、約0.0027度〜約0.012度の範囲をとり得る。
【0072】
対物レンズ11の焦点距離、分解能はそれぞれ20mm、1.0μmである。結像レンズ12の焦点距離は200mm、コンデンサレンズ9の焦点距離は20mmである。分離側複屈折素子440を出射し、コンデンサレンズ9を通過して観察物体5を透過する光束O,Eを考えると、光束O,Eのシア量Δは約0.94μm〜約4.09μmの範囲をとり得る。即ち、シア量Δは対物レンズ11の分解能の0.94倍〜4.09倍の値をとり得る。尚、偏光分離素子430と分離側複屈折素子440を一体的に回転させない場合、ローカライズ位置L1,L2は約4mm〜約40mm動く。
【0073】
本実施の形態では偏光分離素子430と分離側複屈折素子440の組みと、重畳側複屈折素子460と重畳素子470の組みとを両方動かしているが、片方のみを動かしても良い。また、偏光分離素子430と分離側複屈折素子440を一体的に動かさずに片方のみを動かしても良い。同様に、重畳側複屈折素子460と重畳素子470の内の片方のみを動かしても良い。また、偏光分離素子430と分離側複屈折素子440の組みと、重畳側複屈折素子460と重畳素子470の組みの代わりに、コンデンサレンズ9と対物レンズ11との少なくとも一方を動かしても良い。また、偏光分離素子430と分離側複屈折素子440の組みと、重畳側複屈折素子460と重畳素子470の組みを動かさなくとも良い。この場合、観察物体5にて光束O,Eは平行にはならない。尚、重畳側屈折率変化部415を適切に制御すれば、光束O,Eを重畳素子470にて重ね合わせることができる。
【0074】
次に、図5及び図6を参照して本発明の第3の実施の形態の微分干渉顕微鏡装置を説明する。図5は微分干渉顕微鏡装置の概略図である。発光ダイオードを有する光源1から出射した光束の内の紙面に直交する偏光成分をもつ光束は、ビームスプリッタ520で反射する。図5では、ビームスプリッタ520はこれの反射面が紙面に直交するよう示されている。反射した光束Iは直線偏光の光束である。ビームスプリッタ520にはキューブ型の偏向ビームスプリッタが用いられている。光束Iは第1素子530を通過する。第1素子530は複屈折材料、好ましくは複屈折結晶で形成されており、第1の実施の形態の微分干渉顕微鏡装置の偏光分離素子330と同様の作用をもっている。即ち、第1素子530は光束Iを常光線の光束Oと異常光線の光束Eとに分離する。光束O,Eは、光束Iを含み紙面に対して45°をなす平面内を伝搬する。
【0075】
この光束O,Eは、第1の実施の形態の微分干渉顕微鏡装置の分離側複屈折素子340と同様の構成と作用をもつ第2素子540を通過する。光束O,Eが入射する第2素子540の面は紙面に直交している。第2素子540に設けられた電気光学部材の屈折率は屈折率変化部514により電気的に変化させられる。これにより、第2素子540を出射した光束O,Eの間隔とこれらの光束O,Eのなす角度との少なくとも一方を変化させることができる。
【0076】
第2素子540を出射した光束O,Eは交差した後、対物レンズ11を通過する。光束O,Eが交差するローカライズ位置Lは対物レンズ11の瞳面と一致している。対物レンズ11を通過した光束O,Eは互いに平行になり、平行なまま観察物体5に照射される。光束O,Eの間隔であるシア量Δは、第2素子540を出射した光束O,Eの間隔とこれらの光束O,Eのなす角度の変化に応じて変化する。このとき、ローカライズ位置Lも変化する。これを防止するために、微分干渉顕微鏡装置には第2素子540を動かして第2素子540を出射した光束O,Eの間隔とこれらの光束O,Eのなす角度との少なくとも一方を変化させる駆動部519が設けられている。
【0077】
屈折率変化部514と駆動部519は制御部17に接続されている。制御部17は、ローカライズ位置Lを対物レンズ11の瞳面と一致させて観察物体5に照射される光束O,Eを平行にさせたまま、観察物体5に照射される光束O,Eの間隔を所定の間隔にするよう、屈折率変化部514と駆動部519を制御する。
【0078】
観察物体5から反射した光束O,Eはビームスプリッタ520まで逆の光路をそれぞれ辿る。即ち、観察物体5から反射した光束O,Eは平行なまま対物レンズ11に入射し、対物レンズ11を通過後、ローカライズ位置Lで交差する。この後、第2素子540を通過し、第1素子530にて重なり合う。
【0079】
第1素子530は偏光分離素子として用いられるとともに、重畳素子としても用いられる。一方、第2素子540は分離側複屈折素子として用いられるとともに、重畳側複屈折素子としても用いられる。また、屈折率変化部514と駆動部519は、それぞれ分離側屈折率変化部、分離側駆動部としてだけではなく、重畳側屈折率変化部、重畳側駆動部として用いられる。本実施の形態の微分干渉顕微鏡装置のオプティックスの数は上記実施の形態の微分干渉顕微鏡装置のものよりも少ない。これは、小型化に有利である。
【0080】
重なり合った光束の内の紙面と平行な方向の偏光成分をもつ光束のみがビームスプリッタ520を透過する。即ち、光束O,Eはビームスプリッタ520にて干渉する。ビームスプリッタ520は偏光分離素子と重畳側偏光素子を兼ねている。干渉した光束は結像レンズ12を通過してCMOSセンサを有する画像取得部13により検出される。処理部18は、画像取得部13により取得された観察物体5の微分干渉画像から、コントラスト及び解像度を含む画像評価量を取得する。制御部17は、第2の実施の形態の微分干渉顕微鏡装置と同様にして、この画像評価量に基づいて屈折率変化部514と駆動部519を制御する。
【0081】
画像取得部13には、画像取得部13により取得された観察物体5の微分干渉画像Iφ0(i,j)から観察物体5の位相分布を復元する位相分布復元部21が接続されている。整数であるi,jは微分干渉画像の画素の位置を表す指標である。位相分布復元部21は、先ず仮の位相分布f(i,j)を用意し、仮位相分布f(i,j)から仮の微分干渉画像IC(i,j)を計算する。次に、仮微分干渉画像IC(i,j)と、画像取得部13により取得された微分干渉画像Iφ0(i,j)とを比較する。この比較に基づいて仮位相分布f(i,j)を修正する。修正するには、仮位相分布f(i,j)に位相変化量Δf(i,j)を加算する。
【0082】
図6を参照しながら、位相分布復元部21の動作をより詳細に説明する。図6は、位相分布を復元するアルゴリズムを示すフローチャートである。観察者は制御部17に所望のシア量Δを指示する。画像取得部13によりこのシア量Δに応じた微分干渉画像Iφ0(i,j)が取得される。
【0083】
位相分布復元部21により以下の初期設定がなされる(S1)。即ち、位相分布復元部21は先ず仮位相分布f(i,j)を用意する。仮位相分布f(i,j)にはランダムな値を当てる。また、位相分布復元部21は、これに接続された制御部17からシア量Δを取得する。仮位相分布f(i,j)の修正は各画素の位置i,j毎に行われる。位相分布復元部21はさらに初めに修正の対象となる画素の位置、即ち対象画素位置i0,j0の初期値を決定する。後の便宜のため、位相分布復元部21は仮の位相変化量Δf(i,j)を設定しておく。
【0084】
初期設定の後、位相分布復元部21は、画像取得部13から微分干渉画像Iφ0(i,j)を取得する(S2)。次に、仮位相分布f(i,j)と仮の位相変化量Δf(i,j)との和から仮微分干渉画像IC(i,j)を計算する(S3)。次に、実際に観察された微分干渉画像Iφ0(i,j)と、仮に決められた位相分布から計算された仮微分干渉画像IC(i,j)とを比較するために、画素毎に求めた両者の差の絶対値を足し合わせた比較量S=Σ|Iφ0(i,j)−IC(i,j)|を計算する(S4)。
【0085】
次に、位相分布復元部21は、比較量Sと前回計算された比較量Sk―1とを比べる(S5)。Iφ0(i,j)とIC(i,j)の間に比較的大きな差がある、即ち比較量Sと比較量Sk―1の差|S−Sk−1|が所定の値V以上ならば、位相変化量Δf(i,j)を更新する(S6)。更新するには、最小二乗法等を利用して位相変化量Δf(i,j)を計算する。差|S−Sk−1|が所定の値Vよりも小さくなるまでS3,S4及びS6を繰り返す。
【0086】
差|S−Sk−1|が所定の値Vよりも小さくなった後、位相分布復元部21は、S3,S4,S5及びS6が全ての画素位置i,jに対して行われたかを判断する(S7)。行われていなければ、対象画素位置i0,j0を更新し(S8)、S3に戻る。行われている場合、位相分布復元部21はシア量Δを更新する(S9)。即ち、位相分布復元部21は制御部17に新たなシア量Δを指示し、S2に戻る。画像取得部13によりこのシア量Δに応じた微分干渉画像Iφ0(i,j)が新たに取得される。この結果複数のシア量毎に得られたf(i,j)+Δf(i,j)は、画像取得部13により取得された微分干渉画像Iφ0(i,j)から復元された位相分布を表す。
【0087】
本実施の形態ではビームスプリッタ520にキューブ型の偏向ビームスプリッタを用いたが、キューブ型でなくても良い。また、ビームスプリッタ520とは反対の偏光特性をもつものを用いても良い。この場合、光源1から出射した光束の内の紙面に平行な偏光成分をもつ光束がこのビームスプリッタにより反射される。偏光ビームスプリッタの代わりに偏光子と無偏光ビームスプリッタと検光子を組み合わせたものを用いても偏光ビームスプリッタと同様の効果が得られる。
【0088】
次に、図7を参照して本発明の第4の実施の形態の微分干渉顕微鏡装置を説明する。図7は微分干渉顕微鏡装置の概略図である。ハロゲンランプを有する光源1から出射しバンドパスフィルタ16を通過した光束は、偏光子で形成された分離側偏光素子2により直線偏光の光束Iにされる。バンドパスフィルタ16を通過する光束の中心波長は546nm(e線)である。光束Iは複屈折材料、好ましくは複屈折結晶で形成された偏光分離素子730により常光線の光束Oと異常光線の光束Eとに分離される。2つの光束O,Eの偏光方向は互いに直交する。光束Iの偏光方向は光束O,Eのそれぞれの偏光方向とそれぞれ45°をなしている。
【0089】
光束O,Eは2つの電気光学部材741,742を有している分離側複屈折素子740を通過する。電気光学部材741,742の光束Eに対するそれぞれの屈折率は分離側屈折率変化部714により電気的に変化させられる。屈折率の変化に応じて分離側複屈折素子740を出射する光束O,Eの間隔とこれらの光束O,Eのなす角度との少なくとも一方が変化する。分離側屈折率変化部714には制御部17が接続されている。制御部17は、分離側複屈折素子740から出射する、光束O,Eが互いに平行になり、かつこれらの光束O,Eの間隔が所定の間隔Δ’になるよう、分離側屈折率変化部714を制御する。2つの電気光学部材741,742の内、一方のみの屈折率を変化させると、光束O,Eを平行にすることと、所定の間隔Δ’を達成することを両立できない場合がある。2つの電気光学部材741,742のそれぞれの屈折率を適切に変化させれば、これらを両立できる。
【0090】
次に、光束O,Eは2つのコンデンサレンズ9,10を有する照明光学系を通過する。光束O,Eはコンデンサレンズ9を通過し交差した後、コンデンサレンズ10を通過する。コンデンサレンズ9の出射側の焦平面はコンデンサレンズ10の入射側の焦平面に一致している。照明光学系を通過した光束O,Eは平行になる。照明光学系は光束O,Eの間隔Δ’を間隔Δに変える。間隔Δは微分干渉顕微鏡装置のシア量である。この光束O,Eは平行なまま観察物体5を透過する。コンデンサレンズ9,10は、分離側複屈折素子740から出射した、互いに平行な光束O,Eの間隔を変え、観察物体5に平行なまま入射させる照明光学系を形成している。観察物体5から出射した光束O,Eは、対物レンズ11と結像レンズ12を有する結像光学系を通過する。結像光学系を通過した光束O,Eは互いに平行であり、これらの光束O,Eの間隔は観察物体5に入射した光束O,Eの間隔Δと異なる。対物レンズ11に入射し対物レンズ11を通過した光束O,Eは交差した後に結像レンズ12に入射する。対物レンズ11の出射側の焦平面は結像レンズ12の入射側の焦平面に一致している。結像レンズ12に入射し結像レンズ12を通過した光束O,Eは互いに平行になる。
【0091】
結像レンズ12を通過した互いに平行な光束O,Eは、平行なまま重畳側複屈折素子760に入射する。重畳側複屈折素子760は2つの電気光学部材761,762を有している。重畳側複屈折素子760に入射する光束O,Eの間隔は、分離側複屈折素子740から出射する、互いに平行な光束O,Eの間隔Δ’に基づいて決まる。重畳側複屈折素子760に入射した光束O,Eは電気光学部材761,762により順に複屈折されて重畳側複屈折素子760から出射する。出射した光束O,Eは複屈折材料、好ましくは複屈折結晶で形成された重畳素子770に入射する。
【0092】
電気光学部材761,762の光束Eに対するそれぞれの屈折率は、重畳側屈折率変化部715により電気的に変化させられる。屈折率の変化に応じて重畳素子770に入射する光束O,Eの入射間隔と、これらの光束O,Eのなす入射角度との少なくとも一方が変化する。重畳側屈折率変化部715は制御部17に接続されている。制御部17は、重畳素子770に入射した光束O,Eが重なり合うよう、重畳側屈折率変化部715を制御する。重なり合った光束O,Eは検光子で形成された重畳側偏光素子8により干渉させられ、CCDカメラで形成された画像取得部13により検出される。画像取得部13、処理部18及び制御部17の動作は、第1の実施の形態の微分干渉顕微鏡装置のものと同様である。
【0093】
本実施の形態の微分干渉顕微鏡装置を用いれば、観察物体5を透過する光束O,Eを常に平行にすることができる。より質の良い微分干渉画像が得られる。
【0094】
次に、図8を参照して本発明の第5の実施の形態の微分干渉顕微鏡装置を説明する。図8は微分干渉顕微鏡装置の概略図である。本実施の形態の構成は、第4の実施の形態の構成と基本的に同じである。尚、本実施の形態において、第4の実施の形態の図7を参照して説明した構成部材と実質的に同一の構成部材は、第4の実施の形態の対応する構成部材を指示していた参照符号と同じ参照符号を付して詳細な説明を省略する。
【0095】
異なる点は結像レンズ12の配置である。第4の実施の形態では、観察物体5を透過した互いに平行な光束O,Eが対物レンズ11を通過し、交差した後に結像レンズ12を通過するよう、結像レンズ12は配置されている。結像レンズ12を通過した光束O,Eは平行になり、重畳側複屈折素子760に入射する。
【0096】
一方、本実施の形態では、観察物体5から出射した光束O,Eが平行なまま対物レンズ11に入射し、対物レンズ11を通過した光束O,Eは交差した後、互いに離間しながら重畳側複屈折素子760に入射する。光束O,Eが交差する点は、対物レンズ11の出射側の焦平面にほぼ一致している。次に、光束O,Eは重畳素子770により重ね合わされた後、結像レンズ12を通過する。この後、光束O,Eは重畳側偏光素子8により干渉させられ、画像取得部13により検出される。結像レンズ12は結像光学系として用いられている。
【0097】
第4の実施の形態のように、平行な2つの光束が対物レンズ11と結像レンズ12を通過して再び平行になる場合、再び平行になった光束O,Eの間隔は、比較的大きくなることが多い。これは、比較的大きな重畳側複屈折素子760と重畳素子770を用意する必要があることを意味する。また、対物レンズ11の出射側の焦平面は対物レンズ11に近接しているか、対物レンズ11の本体内部に位置している場合が多い。このため、結像レンズ12の配置や焦点距離を選択するときに選択が制限される。
【0098】
一方、本実施の形態では、対物レンズ11を通過した光束O,Eは大きく離れる前に重畳側複屈折素子760に入射する。大きな重畳側複屈折素子760と重畳素子770を用意する必要がない。このことは、微分干渉顕微鏡装置の小型化に有利である。また、第4の実施の形態のように結像レンズ12の配置や焦点距離の選択が制限されることはない。
【0099】
尚、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
【0100】
【発明の効果】
以上詳述したことから明らかなように、本発明に従った光束制御装置、干渉装置及び微分干渉顕微鏡装置を用いれば、機械的な機構を必要とせずに、容易にシア量を精度良く連続的に変化させることができる。また、本発明に従った微分干渉顕微鏡装置を用いれば、観察物体の種類に応じて、観察条件を容易に最適にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における光束制御装置及びこれを備えた干渉装置の概略図。
【図2】本発明の第1の実施の形態における微分干渉顕微鏡装置の概略図。
【図3】本発明の第2の実施の形態における微分干渉顕微鏡装置の概略図。
【図4】図3の微分干渉顕微鏡装置に用いられている偏光分離素子の概略図。
【図5】本発明の第3の実施の形態における微分干渉顕微鏡装置の概略図。
【図6】位相分布を復元するアルゴリズムを示すフローチャート。
【図7】本発明の第4の実施の形態における微分干渉顕微鏡装置の概略図。
【図8】本発明の第5の実施の形態における微分干渉顕微鏡装置の概略図。
【図9】従来の微分干渉顕微鏡装置の概略図。
【符号の説明】
1 光源
2 分離側偏光素子
5a 保持部材
5 観察物体
8 重畳側偏光素子
9,10 コンデンサレンズ
11 対物レンズ
12 結像レンズ
13 画像取得部
16 バンドパスフィルタ
17 制御部
18 処理部
21 位相分布復元部
214 屈折率変化手段,分離側屈折率変化手段
215 重畳側屈折率変化手段
230 偏光分離素子
240 電気光学部材,分離側電気光学部材
241 入射屈折面
242 出射屈折面
260 重畳側電気光学部材
261 入射屈折面
270 重畳素子
314 分離側屈折率変化部
315 重畳側屈折率変化部
330 偏光分離素子
340 分離側複屈折素子
360 重畳側複屈折素子
370 重畳素子
414 分離側屈折率変化部
415 重畳側屈折率変化部
419 分離側駆動部
420 重畳側駆動部
430 偏光分離素子
440 分離側複屈折素子
441 光透過部材
444 電気光学部材
447 光透過部材
450 入射屈折面
451 出射屈折面
460 重畳側複屈折素子
470 重畳素子
514 屈折率変化部
519 駆動部
520 ビームスプリッタ
530 第1素子
540 第2素子
714 分離側屈折率変化部
715 重畳側屈折率変化部
730 偏光分離素子
740 分離側複屈折素子
741,742 電気光学部材
760 重畳側複屈折素子
761,762 電気光学部材
770 重畳素子

Claims (13)

  1. 直線偏光の光束を、振動方向が互いに直交する2つの直線偏光の光束に分離する偏光分離素子と、
    前記偏光分離素子にて分離された2つの直線偏光の光束が入射される電気光学部材と、
    前記電気光学部材に入射した2つの直線偏光の光束の一方に対する電気光学部材の屈折率を電気的に変化させて、電気光学部材から出射する、2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つの光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる屈折率変化手段と、
    を備えていることを特徴とする光束制御装置。
  2. 光源と、
    光源からの光束を直線偏光の光束にする偏光素子と、
    この直線偏光の光束を、振動方向が互いに直交する2つの直線偏光の光束に分離する偏光分離素子と、
    前記偏光分離素子にて分離された2つの直線偏光の光束が入射する分離側電気光学部材と、
    前記分離側電気光学部材に入射した2つの直線偏光の光束の一方に対する分離側電気光学部材の屈折率を電気的に変化させて、分離側電気光学部材から出射する2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つの光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる分離側屈折率変化手段と、
    前記分離側電気光学部材から出射した2つの直線偏光の光束が入射する試料部と、
    前記試料部を透過した又は前記試料部で反射した2つの直線偏光の光束が入射する重畳側電気光学部材と、
    前記重畳側電気光学部材から出射した2つの直線偏光の光束が入射する、複屈折材料で形成された重畳素子と、
    前記重畳側電気光学部材に入射した2つの直線偏光の光束の一方に対する重畳側電気光学部材の屈折率を電気的に変化させて、重畳素子から出射する2つの光束が重なり合うよう、重畳側電気光学部材から出射する2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つの光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる重畳側屈折率変化手段と、
    を備えていることを特徴とする干渉装置。
  3. 光源と、
    光源からの光束を直線偏光の光束にする偏光素子と、
    この直線偏光の光束を、振動方向が互いに直交する2つの直線偏光の光束に分離する偏光分離素子と、
    前記偏光分離素子にて分離された2つの直線偏光の光束を複屈折させる分離側複屈折素子と、
    前記分離側複屈折素子にて複屈折した2つの直線偏光の光束が入射する試料部と、
    前記試料部を透過した又は前記試料部で反射した2つの直線偏光の光束を複屈折させる重畳側複屈折素子と、
    前記重畳側複屈折素子にて複屈折した2つの直線偏光の光束を重畳させる重畳素子と、
    前記分離側複屈折素子と前記重畳側複屈折素子との少なくとも一方の複屈折素子に設けられていて、この複屈折素子に入射した2つの直線偏光の光束を複屈折させる電気光学部材と、
    前記電気光学部材に入射した2つの直線偏光の光束の一方に対するこの電気光学部材の屈折率を電気的に変化させて、この電気光学部材が設けられている複屈折素子から出射する2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つの光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる屈折率変化部と、
    を備えていることを特徴とする微分干渉顕微鏡装置。
  4. 光束を直線偏光の光束にする分離側偏光素子と、
    この直線偏光の光束を、振動方向が互いに直交する2つの直線偏光の光束に分離する偏光分離素子と、
    複数の電気光学部材を有している分離側複屈折素子であって、前記偏光分離素子にて分離された2つの直線偏光の光束が分離側複屈折素子に入射し、これら入射した2つの光束はこれらの電気光学部材により順に複屈折されて分離側複屈折素子から出射する分離側複屈折素子と、
    前記分離側複屈折素子に入射した2つの直線偏光の光束の一方に対するそれぞれの電気光学部材の屈折率を電気的に変化させて、分離側複屈折素子から出射する2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つの光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる分離側屈折率変化部と、
    前記分離側複屈折素子から出射する2つの直線偏光の光束の間隔が所定の間隔になり、かつこれら2つの光束のなす角度が所定の角度になるよう、前記分離側屈折率変化部を制御する制御部と、
    複数の電気光学部材を有している重畳側複屈折素子であって、前記分離側複屈折素子から出射した2つの直線偏光の光束が観察物体を介して重畳側複屈折素子に入射し、これら入射した2つの光束はこれらの電気光学部材により順に複屈折されて重畳側複屈折素子から出射する重畳側複屈折素子と、
    前記重畳側複屈折素子から出射した2つの直線偏光の光束が入射する、複屈折材料で形成された重畳素子と、
    前記重畳側複屈折素子に入射した2つの直線偏光の光束の一方に対するそれぞれの電気光学部材の屈折率を電気的に変化させて、重畳側複屈折素子から出射する2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つ光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる重畳側屈折率変化部と、
    重畳素子から出射し、重なり合った2つの直線偏光の光束を干渉させる重畳側偏光素子と、
    を備えており、
    前記制御部は、重畳素子から出射した2つの直線偏光の光束が重なり合うよう、前記重畳側屈折率変化部を制御することを特徴とする微分干渉顕微鏡装置。
  5. 前記偏光分離素子と前記分離側複屈折素子の少なくとも一方を動かして、前記分離側複屈折素子から出射する2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つの光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる分離側駆動部をさらに備えていることを特徴とする請求項3又は4に記載の微分干渉顕微鏡装置。
  6. 前記重畳側複屈折素子と前記重畳素子の少なくとも一方を動かして、重畳側複屈折素子から出射する2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つ光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる重畳側駆動部をさらに備えていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の微分干渉顕微鏡装置。
  7. 光束を直線偏光の光束にする分離側偏光素子と、
    この直線偏光の光束を、振動方向が互いに直交する2つの直線偏光の光束に分離する偏光分離素子と、
    複数の電気光学部材を有している分離側複屈折素子であって、前記偏光分離素子にて分離された2つの直線偏光の光束が分離側複屈折素子に入射し、これら入射した2つの光束はこれらの電気光学部材により順に複屈折されて分離側複屈折素子から出射する分離側複屈折素子と、
    前記分離側複屈折素子に入射した2つの直線偏光の光束の一方に対するそれぞれの電気光学部材の屈折率を電気的に変化させて、分離側複屈折素子から出射する2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つの光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる分離側屈折率変化部と、
    前記分離側複屈折素子から出射する2つの直線偏光の光束が互いに平行になり、かつこれら2つの光束の間隔が所定の間隔になるよう、前記分離側屈折率変化部を制御する制御部と、
    前記分離側複屈折素子から出射した、互いに平行な2つの光束の間隔を変え、観察物体に平行なまま入射させる照明光学系と、
    観察物体から出射した2つの直線偏光の光束が通過する結像光学系であって、結像光学系を通過した2つの直線偏光の光束は互いに平行であり、これらの光束の間隔は観察物体に入射した2つの光束の間隔と異なる結像光学系と、
    複数の電気光学部材を有している重畳側複屈折素子であって、前記結像光学系を通過した互いに平行な2つの直線偏光の光束が重畳側複屈折素子に入射し、これら入射した2つの光束はこれらの電気光学部材により順に複屈折されて重畳側複屈折素子から出射する重畳側複屈折素子と、
    前記重畳側複屈折素子から出射した2つの直線偏光の光束が入射する、複屈折材料で形成された重畳素子と、
    前記重畳側複屈折素子に入射した2つの直線偏光の光束の一方に対するそれぞれの電気光学部材の屈折率を電気的に変化させて、重畳側複屈折素子から出射する2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つ光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる重畳側屈折率変化部と、
    重畳素子から出射し、重なり合った2つの直線偏光の光束を干渉させる重畳側偏光素子と、
    を備えており、
    前記制御部は、重畳素子から出射した2つの直線偏光の光束が重なり合うよう、前記重畳側屈折率変化部を制御することを特徴とする微分干渉顕微鏡装置。
  8. 光束を直線偏光の光束にする分離側偏光素子と、
    この直線偏光の光束を、振動方向が互いに直交する2つの直線偏光の光束に分離する偏光分離素子と、
    複数の電気光学部材を有している分離側複屈折素子であって、前記偏光分離素子にて分離された2つの直線偏光の光束が分離側複屈折素子に入射し、これら入射した2つの光束はこれらの電気光学部材により順に複屈折されて分離側複屈折素子から出射する分離側複屈折素子と、
    前記分離側複屈折素子に入射した2つの直線偏光の光束の一方に対するそれぞれの電気光学部材の屈折率を電気的に変化させて、分離側複屈折素子から出射する2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つの光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる分離側屈折率変化部と、
    前記分離側複屈折素子から出射する2つの直線偏光の光束が互いに平行になり、かつこれら2つの光束の間隔が所定の間隔になるよう、前記分離側屈折率変化部を制御する制御部と、
    前記分離側複屈折素子から出射した、互いに平行な2つの光束の間隔を変え、観察物体に平行なまま入射させる照明光学系と、
    観察物体から出射した2つの直線偏光の光束が平行なまま入射する対物レンズと、
    複数の電気光学部材を有している重畳側複屈折素子であって、前記対物レンズから出射した2つの直線偏光の光束が重畳側複屈折素子に入射し、これら入射した2つの光束はこれらの電気光学部材により順に複屈折されて重畳側複屈折素子から出射する重畳側複屈折素子と、
    前記重畳側複屈折素子から出射した2つの直線偏光の光束が入射する、複屈折材料で形成された重畳素子と、
    前記重畳側複屈折素子に入射した2つの直線偏光の光束の一方に対するそれぞれの電気光学部材の屈折率を電気的に変化させて、重畳側複屈折素子から出射する、2つの直線偏光の光束の間隔と、これら2つ光束のなす角度との少なくとも一方を変化させる重畳側屈折率変化部と、
    前記重畳素子から出射した2つの直線偏光の光束が通過する結像光学系と、
    重畳素子から出射し、重なり合い、前記結像光学系を通過した2つの直線偏光の光束を干渉させる重畳側偏光素子と、
    を備えており、
    前記制御部は、重畳素子から出射した2つの直線偏光の光束が重なり合うよう、前記重畳側屈折率変化部を制御することを特徴とする微分干渉顕微鏡装置。
  9. 前記電気光学部材の少なくとも1つは、2つの直線偏光の光束が入射されて屈折される入射屈折面と、入射屈折面に入射して屈折した2つの直線偏光の光束が屈折されて出射する出射屈折面とを有しており、
    前記出射屈折面は、前記入射屈折面に対して傾斜していることを特徴とする請求項3乃至8のいずれか1項に記載の微分干渉顕微鏡装置。
  10. 前記電気光学部材の少なくとも1つは、ホモジニアス配向の液晶で形成されていることを特徴とする請求項3乃至8のいずれか1項に記載の微分干渉顕微鏡装置。
  11. ホモジニアス配向の液晶で形成された前記それぞれの電気光学部材は、互いに対向する、光を透過する光透過部材の表面間に形成された液晶層にそれぞれ満たされており、
    それぞれの液晶層は、一方の光透過部材の表面に含まれていて、2つの直線偏光の光束が入射されて屈折される入射屈折面と、他方の光透過部材の表面に含まれていて、入射屈折面に入射して屈折した2つの直線偏光の光束が屈折されて出射する出射屈折面とを有しており、
    少なくとも1つの前記液晶層の出射屈折面は、この液晶層の入射屈折面に対して傾斜していることを特徴とする請求項10に記載の微分干渉顕微鏡装置。
  12. 前記重畳側偏光素子を出射した光束を検出し、この光束から観察物体の微分干渉画像を取得する画像取得部と、
    この画像取得部により取得された観察物体の微分干渉画像から、コントラスト及び解像度を含む画像評価量を取得する処理部と、
    をさらに備えており、
    前記制御部は、この処理部により取得された画像評価量に基づいて前記分離側屈折率変化部と前記重畳側屈折率変化部を制御することを特徴とする請求項4乃至11のいずれか1項に記載の微分干渉顕微鏡装置。
  13. 前記重畳側偏光素子を出射した光束を検出し、この光束から観察物体の微分干渉画像を取得する画像取得部と、
    この画像取得部により取得された観察物体の微分干渉画像から観察物体の位相分布を復元する位相分布復元部をさらに備えていることを特徴とする請求項3乃至11のいずれか1項に記載の微分干渉顕微鏡装置。
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