JP2004061022A - 浴槽用循環接続具 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルターに対する付着物の除去が確実に行えると共に、組み立て時の作業性に優れ、フィルターキャップの取り付けが確実に行える浴槽用循環接続具を提供する。
【解決手段】浴槽用循環接続具1において、底板6と仕切り部材7に外嵌して取り付けるフィルター部材8が合成樹脂製であり、このフィルター部材8が、底板6と仕切り部材7の外周に外嵌する周壁の前面にメッシュ38を一体成形することにより形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】浴槽用循環接続具1において、底板6と仕切り部材7に外嵌して取り付けるフィルター部材8が合成樹脂製であり、このフィルター部材8が、底板6と仕切り部材7の外周に外嵌する周壁の前面にメッシュ38を一体成形することにより形成されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、浴槽の側壁に取り付け、温湯を外部の加熱器を介して温湯を吐出及び吸い込んで循環させる配管を浴槽に接続するために用いる浴槽用循環接続具に関する。
【0002】
【従来の技術】
浴槽の側壁に取り付け、温湯を吐出及び吸い込んで循環させるための浴槽用循環接続具は、浴槽の側壁に設けた貫通孔に挿通されるスリーブと、このスリーブの浴槽内側先端に設けた循環口本体と、上記スリーブの浴槽外に突出する部分に外液状に取り付けられる外部ケースとからなり、スリーブのフランジと外部ケースで浴槽の側壁を挟み込むことにより取り付けるようになっている。
【0003】
上記循環口本体は、温湯吸入用通路と温湯吐出用通路を設けた円板状底板の前面に円板状の仕切り部材を重ね、この仕切り部材に温湯吸入用通路と逆止弁を介して連通する温湯吸入孔と、底板と仕切り部材の重なり面間に、上記温湯吐出用通路と連通し、底板外周で開口すると共に、途中に逆止弁が設けられた温湯吐出路を設け、上記重なり合う底板と仕切り部材に、前面が開口により開放したフィルターキャップを外嵌し、フィルターキャップの内部で仕切り部材の前面にフィルターを配置し、上記開口から温湯吸入孔に流れる温湯をフィルターで濾過すると共に、フィルターキャップの外周に上記温湯吐出路と連通するよう設けた温湯吐出口から温湯を吐出させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記フィルターは、温湯の通過によって汚物が付着し、目詰まりを発生することになるが、従来の浴槽用循環接続具におけるフィルターは、金属製の金網を用い、これを円形に裁断したものをフィルターキャップと仕切り部材の間に配置した構造になっていたので、金網のメッシュに方向性がなく、ブラシ等を用いて掃除しても付着した汚物の剥離性が悪いという問題がある。
【0005】
また、浴槽用循環接続具は、底板と仕切り部材の間において、仕切り部材の温湯吸入孔を開閉する逆止弁と、温湯吐出路の途中を開閉する逆止弁の二つの逆止弁が必要になるが、従来、一方の逆止弁における弁体を底板に取り付けると共に、他方の逆止弁における弁体を仕切り部材に取り付けた構造が採用されていたので、浴槽用循環接続具の組み立て時において、両逆止弁の配置を保持するのが難しく、組み立てに困難性を伴うという問題がある。
【0006】
更に、底板と仕切り部材に対して外嵌したフィルターキャップは、底板に固定化する必要があり、この固定化のために嵌め合わせ構造が採用されているが、嵌着後のクリック感がないため、フィルターキャップの取り付けに不安が残るという問題がある。
【0007】
そこで、この発明の課題は、フィルターに対する付着物の除去が確実に行えると共に、組み立て時の作業性に優れ、フィルターキャップの取り付けが確実に行える浴槽用循環接続具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するため、この発明は、温湯吸入用通路と温湯吐出用開口を設けた底板の前面に仕切り部材を重ね、底板と仕切り部材の重なり面間に、上記温湯吸入用通路と連通して底板外周で開口する第1の温湯通路と、上記温湯吐出用開口と連通して底板外周で開口する第2の温湯通路を形成し、上記仕切り部材に、第1の温湯通路に逆止弁を介して連通する温湯吸入孔と、第2の温湯通路に逆止弁を介して連通する温湯吸入孔を設け、上記第1の温湯通路の途中と第2の温湯通路の途中のそれぞれに開口からの温湯の流入を阻止する逆止弁を設け、上記底板と仕切り部材にわたって外嵌したフィルター部材にフィルターキャップを外嵌し、フィルター部材とフィルターキャップの外周に上記第1の温湯通路と連通する温湯吐出口と第2の温湯通路と連通する温湯吐出口を設けた浴槽用循環接続具において、上記フィルター部材が、合成樹脂を用い、底板と仕切り部材の外周に外嵌する周壁の前面にメッシュを一体成形することにより形成されている構成を採用したものである。
【0009】
上記メッシュは、一方向きのメッシュ素線と他方向きのメッシュ素線が直角に交差する網目により形成され、この網目はフィルター部材の軸心を通る一つの中心線に一方向きのメッシュ素線が平行する配置で形成されているようにすると、メッシュ素線に一定の方向性が生じ、メッシュの付着物に対するブラシ等での剥離性が向上し、メッシュを清潔に保つことができる。
【0010】
また、上記両温湯吸入孔の逆止弁と、第1及び第2の温湯通路の途中に配置した逆止弁のそれぞれが、弁体を仕切り部材に装着することによって形成されている構造とすることができ、組み立て時に、底板に対して下となる仕切り部材に両逆止弁の弁体が設けられていることにより、弁体を落ちないように保持する必要はなく、組み立ての作業性がよくなる。
【0011】
上記第1及び第2の温湯通路の途中に配置する逆止弁の弁体が仕切り部材に装着された横長の帯板状に形成され、底板側に形成した温湯通路の周囲に上記逆止弁の弁体が温湯吐出流の逆流を防ぐように当接するシール壁を設け、このシール壁で囲まれた内部に弁体の途中を受けるリブを突設した構造とすることができ、リブで弁体の変形発生を防ぐことにより、逆止弁としての機能を確実に維持でき、第1及び第2の温湯通路に対して外部開口から温湯が逆流して流入するのを防ぐことができる。
【0012】
更に、上記底板の外周面に、前面側で開放して途中から周方向に屈曲する複数の係止溝と、この底板に外嵌するフィルター部材の内周面で各係止溝と対応する位置に、底板とフィルター部材の相対的な軸方向の移動と回動で、係止溝に対して係脱する係合突起を設け、上記係止溝の仕切り部材側の途中の位置に、係合突起が弾力的に通過する突部を設け、上記フィルター部材と仕切り部材の対向面の一方側中央位置に、他方側に当接する突起を設けることができ、底板へのフィルター部材の嵌め合わせ時にクリック感が得られることになる。
【0013】
また、上記底板の外周面で第1及び第2の温湯通路の開口部周囲を、フィルター部材の内周に接するよう外径側の張出し部で囲み、仕切り部材の外径をこの張出し部の外径に一致させ、底板とフィルター部材の嵌合面間に温湯が漏れないようにできる。
【0014】
さらに、上記底板の外周面に、前面側で開放して途中から周方向に屈曲する複数の係止溝と、この底板に外嵌するフィルター部材の内周面で各係止溝と対応する位置に、底板とフィルター部材の相対的な軸方向の移動と回動で、係止溝に対して係脱する係合突起を設け、第1及び第2の温湯通路の開口部が周方向に片寄った配置となり、この両温湯通路の開口部間で周方向の配置間隔が広い側に位置させる上記係止溝の内端部底面に、係合突起が乗り上げることで第1及び第2の温湯通路の開口部をフィルター部材の温湯吐出口に圧接させる半径方向の突部を設け、第1及び第2の温湯通路の開口部とフィルター部材の温湯吐出口の連通部分の水密性を向上させるようにすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0016】
図4のように、浴槽用循環接続具1は、浴槽の側壁Aに設けた貫通孔Bに挿通されるスリーブ2と、このスリーブ2の浴槽内側先端に設けた循環口本体3と、上記スリーブ2の浴槽外に突出する部分に外嵌状螺合して取り付ける外部ケース4とを有している。
【0017】
上記スリーブ2は、合成樹脂製であり、貫通孔Bに挿通する円筒部の先端外周にフランジ5を設けて形成され、フランジ5に接するようにパッキングが円筒部に挿入されている。また、外部ケース4は、スリーブ2の円筒部に外嵌螺合し、その先端フランジ5をパッキングで覆い、スリーブ2に対してねじ込んで浴槽の側壁Aをパッキングで挟むことにより、スリーブ2と外部ケース4は浴槽の側壁Aに水密状に固定される。
【0018】
上記循環口本体3は、図1と図3のように、スリーブ2のフランジ5の前面に重ねて固定する底板6と、この底板6の前面に重ねて固定する円形の仕切り部材7と、仕切り部材7の前面から底板6と仕切り部材7の外周にわたって外嵌するフィルター部材8と、このフィルター部材8の前面から外周にわたって外嵌するフィルターキャップ9の組み合わせによって形成されている。
【0019】
上記底板6は、合成樹脂を用いて円形に形成され、その背面側中央に内部が温湯吸入用通路10となる筒体11が突設され、この筒体11がスリーブ2内で外部ケース4の内部に突設した接続筒12と水密状に接続され、外部ケース4に設けた温湯吸入管13と連通している。
【0020】
この底板6には、筒体11の外部の位置に温湯吐出用開口14が前後に貫通するよう設けられ、温湯吐出用開口14はスリーブ2の内部と外部ケース4の内部を介して、外部ケース4に設けた温湯吐出管15と接続されている。
【0021】
上記底板6における前面側には、温湯吸入用通路10と連通して底板6の外周で開放する第1の温湯通路16と、温湯吐出用開口14と連通して底板6の外周で開放する第2の温湯通路17が、互いに連通しないように仕切り壁18で区切って設けられている。
【0022】
上記仕切り部材7は、合成樹脂を用い、底板6と同径の円板状に形成され、底板6の前面に重なってビスで固定された状態で、上記底板6の前面側に凹入するよう形成された第1及び第2の温湯通路15、16の前面側を閉鎖するようになっている。
【0023】
この仕切り部材7には、第1の温湯通路16と逆止弁19を介して連通する温湯吸入孔20と、第2の温湯通路17と逆止弁21を介して連通する温湯吸入孔22の二つが設けられ、両温湯吸入孔20、22の逆止弁19、21は、仕切り部材7の前面側からの温湯の流入を許容し、逆流は阻止するように、仕切り部材7の背面側に直接取り付けられている。
【0024】
この逆止弁19、21は、図3のように、温湯吸入孔20、22の周囲で仕切り部材7の背面側に円筒状のシート筒23を設け、シート筒23と同軸心状の配置で設けた小径筒24に、ゴム等を用いた円形の弁体25の軸26を差し込むことによって取り付け、弁体25を仕切り部材7の背面側に配置した構造になっている。
【0025】
従って、両逆止弁19、21は、仕切り部材7の前面側から第1及び第2の温湯通路への温湯の流入を許容すると共に、第1及び第2の温湯通路15、16から温湯吸入孔20、22への温湯の流出を阻止するようになっている。
【0026】
また、第1及び第2の温湯通路16、17の途中にはそれぞれ逆止弁27、28が設けられ、各逆止弁27、28は、第1及び第2の温湯通路16、17から開口端へ向けての温湯の流出を許容し、逆流は阻止することになる。
【0027】
この逆止弁27、28は、図3と図7のように、ゴム等の弾性部材を用いた弁体29が、横長のベース部材30と弁板31とで断面L字状に形成され、ベース部材30の突部や突起32を仕切り部材7の背面に設けた溝や孔33に圧入することにより仕切り部材7に取り付けられ、底板6における第1及び第2の温湯通路16、17の途中に、上記弁板31が当接するコ字状のシール壁34を設けた構造になっている。
【0028】
上記底板7には、シール壁34で囲まれた内部に逆止弁27、28の弁板29の途中を受ける複数本のリブ35を突設し、このリブ35で弁板29が閉弁方向に変形するのを防止し、閉弁機能が低下することのないようにしている。
【0029】
このように、第1及び第2の温湯通路16、17の途中に設ける逆止弁27、28と、両温湯吸入孔20、22の逆止弁19、21を共に仕切り部材7の背面側に取り付けることにより、循環口本体3の組み立て時の作業性が向上する。
【0030】
また、上記のような各逆止弁19、21と27、28の配置構造により、循環口本体3は加熱器との接続時における温湯の吸入と吐出方向の接続に対して無極性となり、温湯吸入管13と温湯吐出管15が加熱器に対して逆に接続された場合、温湯の流れは吸入と吐出が逆となるだけで何ら支障は生じないことになる。
【0031】
前記仕切り部材7の前面から底板6と仕切り部材7の外周にわたって外嵌するフィルター部材8は、図2と図5のように、合成樹脂を用い、底板6と仕切り部材7の外周にわたって外嵌する環状周壁36と前壁37とからなり、このフィルター部材8の前壁37には、メッシュ38が一体成形されている。
【0032】
上記メッシュ38は、一方向きのメッシュ素線38aと他方向きのメッシュ素線38bが直角に交差する網目に形成され、この網目はフィルター部材8の軸心を通る一つの中心線に一方向きのメッシュ素線38aが平行する配置で形成され、これにより、メッシュ素線38a、38bに一定の方向性が生じ、メッシュ38の付着物に対するブラシ等での剥離性が向上し、メッシュ38を清潔に保つことができることになる。
【0033】
このフィルター部材8の前面から環状周壁36の外周にわたって外嵌するフィルターキャップ9は、図2のように、周壁39と前壁40からなるステンレス等の金属製であり、その前壁40に通湯開口41が設けられ、周壁39に設けた複数の係止孔42をフィルター部材8の環状周壁36に設けた係止突起43に対して係合させることにより、フィルター部材8に対して固定化され、上記フィルター部材8の環状周壁36とフィルターキャップ9の周壁39には、第1及び第2の温湯通路16、17と連通する温湯吐出口44、45が設けられている。
【0034】
上記フィルター部材8は、仕切り部材7と底板6に外嵌する状態で底板6と固定化される。フィルター部材8と底板6の固定化のため、図3のように、底板6の外周面に前面側で開放して途中から周方向に屈曲する複数の係止溝46を形成し、フィルター部材8の環状周壁36の内周面で各係止溝46と対応する位置に、底板6とフィルター部材8の相対的な軸方向の移動と回動で、係止溝46に対して係脱する係合突起47を設け、フィルター部材8と底板6を軸方向に嵌合わせて一方を周方向に回転させると、係止溝46と係合突起47が係合し、フィルター部材8と底板6の両者は軸方向に固定化される。
【0035】
このような嵌め合わせと回転による固定化において、固定完了時にクリック感が得られるように、図8のように、係止溝46の仕切り部材7側の途中の位置に、係合突起47が弾力的に通過する突部51を設け、上記フィルター部材8の前壁37における内面側で仕切り部材7に対向する中央位置に、仕切り部材7に当接する突起49を突設し、底板6とフィルター部材8の嵌め合わせ作業時に、合成樹脂の弾性を利用して、係合突起47が突部51を通過したときにクリック感が発生するようにしている。なお、フィルターキャップ9とフィルター部材8及び底板6は、嵌合わせ後にビスで結合固定する。
【0036】
また、上記底板6の外周面において、第1及び第2の温湯通路16、17の開口部が周方向に片寄った配置となり、図8のように、この両温湯通路16、17の開口部間で周方向の配置間隔が広い側に位置させる上記係止溝46の内端部底面に、半径方向に張り出した突部48を設け、この突部48と係合突起47で、底板6とフィルター部材8の嵌め合わせ時に、係合突起47が突部48に乗り上げることで底板6の外周面に対してフィルター部材8を、第1及び第2の温湯通路16、17の開口部が位置する側が接近するように移動させ、第1及び第2の温湯通路16、17の開口部とフィルター部材8の温湯吐出口44、45の連通部分を密着させることにより、水密性を向上させるようにしている。
【0037】
さらに、図3と図8のように、上記底板6の外周面で第1及び第2の温湯通路16、17の開口部周囲を、フィルター部材8の内周に接するよう外径側の張出し部52で囲み、仕切り部材7の外径をこの張出し部52の外径に一致させ、底板6とフィルター部材8の嵌合面間に温湯が漏れないようになっている。
【0038】
この発明の浴槽用循環接続具は、上記のような構成であり、循環口本体3の組み立ては、フィルターキャップ9と嵌め合わせ結合したフィルター部材8を下にして、その内部に仕切り部材7を収め、次に、その上から底板6を嵌込んで係止溝45に係合突起47を嵌め合わせ、フィルター部材8と底板6を周方向へ相対的に回転させると、係止溝46と係合突起47が係合し、底板6を仕切り部材7にビスで固定すると共に、フィルターキャップ9から底板6にビスをねじ込めば、循環口本体3が組み上がることになる。
【0039】
上記の組み立て作業時において、両温湯吸入孔20、22の逆止弁19、21と、第1及び第2の温湯通路16、17の途中に配置した逆止弁27、28のそれぞれが、弁体を仕切り部材7に装着することによって形成されているので、組み立て時に、底板6に対して下となる仕切り部材7に各逆止弁19、21及び27、28の弁体が設けられていることにより、弁体を落ちないように保持する必要はなく、組み立ての作業性がよくなる。
【0040】
また、フィルター部材8と底板6を周方向へ相対的に回転させると、係止溝46に対して係合する係合突起47が上記係止溝46の側縁に設けた突部51を通過し、しかも、上記フィルター部材8の中央位置に、仕切り部材7に当接する突起49を設けてあるので、フィルター部材8と底板6に合成樹脂の弾性を利用して軸方向の抵抗を生じさせ、このため、底板6を押し込むようにしてフィルター部材8と底板6を周方向へ相対的に回転させる必要があり、これによって、底板6へのフィルター部材8の嵌め合わせ時にクリック感が得られることになり、嵌め合わせの完了が確認できる。
しかも、底板6とフィルター部材8の嵌め合わせ時に、一つの係止溝46の内端部底面に設けた半径方向に張り出した突部48に係合突起47が乗り上げることで、底板6の第1及び第2の温湯通路16、17の開口部がフィルター部材8の温湯吐出口44、45の連通部分を密着することになり、水密性を向上することになる。
【0041】
上記組み上がった循環口本体3は、底板6の背面に重ねたスリーブ2のフランジ5に仕切り部材7と底板6をビスで結合することにより取り付けられ、このスリーブ2を浴槽1側壁Aに設けた貫通孔Bに挿通し、上記スリーブ2の浴槽外に突出する部分に外部ケース4を外嵌状螺合し、外部ケース4に設けた温湯吸入管13と温湯吐出管15をそれぞれ外部の加熱器と接続する。
【0042】
加熱器で温湯を沸かすと、温湯吸入管13に吸引力が生じ、逆止弁19が開弁し、メッシュ38を通過した浴槽内の温湯は温湯吸入孔20と、第1の温湯通路16、温湯吸入用通路10を通って加熱器に流れ、加熱器で加熱されて吐出された温湯は、温湯吐出用開口14から第2の温湯通路17を通り、逆止弁28を押し開いて温湯吐出口45から浴槽内に流出し、このような循環流によって浴槽内の温湯は加温されることになり、温湯が第2の温湯通路17から温湯吐出口45を通過して浴槽内に流出するとき、第2の温湯通路17の開口端は、その周囲が厚肉になっているので、フィルター部材8との重なり面が閉鎖され、底板6とフィルター部材8の重なり面間の周囲への温湯の流出の発生はない。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、この発明によると、浴槽用循環接続具において、合成樹脂製のフィルター部材を、底板と仕切り部材の外周に外嵌する周壁の前面にメッシュを一体成形することにより形成したので、従来のような金網製のメッシュを別体に用意する必要がないだけでなく、メッシュを、一方向きのメッシュ素線と他方向きのメッシュ素線が直角に交差する網目により形成され、この網目はフィルター部材の軸心を通る一つの中心線に一方向きのメッシュ素線が平行する配置としたので、メッシュ素線に一定の方向性が生じ、メッシュの付着物に対するブラシ等での剥離性が向上し、メッシュを清潔に保つことができることになる。
【0044】
また、上記両温湯吸入孔の逆止弁と、第1及び第2の温湯通路の途中に配置した逆止弁のそれぞれを、弁体が仕切り部材に装着することによって形成されているようにしたので、組み立て時に、底板に対して下となる仕切り部材に両逆止弁の弁体が設けられていることにより、弁体を落ちないように保持する必要はなくなり、循環口本体の組み立ての作業性がよくなる。
【0045】
更に、第1及び第2の温湯通路の途中に配置する逆止弁において、弁体の途中を受けるリブを突設したので、リブで弁体の変形発生を防ぐことにより、逆止弁としての機能を確実に維持でき、第1及び第2の温湯通路に対して外部開口から温湯が逆流して流入するのを防ぐことができる。
【0046】
また、底板とこれに外嵌するフィルター部材を結合する係止溝と係合突起において、上記係止溝の内端部底面に係合突起が乗り上げる突部を設け、上記フィルター部材とフィルター部材の対向面の一方側中央位置に、他方側に当接する突起を設けたので、底板へのフィルター部材の嵌め合わせ時にクリック感が得られることになり、底板とこれに外嵌するフィルター部材の結合完了が正確に確認できる。
【0047】
また、上記底板の外周面で第1及び第2の温湯通路の開口部周囲を、フィルター部材の内周に接するよう外径側に厚くしたので、底板とフィルター部材の嵌合面間に温湯が漏れないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の浴槽用循環接続具を示す分解斜視図
【図2】同上におけるフィルター部材とフィルターキャップの分解斜視図
【図3】同上における底板と仕切り部材の分解斜視図
【図4】この発明の浴槽用循環接続具の組み立て状態を示す縦断側面図
【図5】フィルター部材の拡大した正面図
【図6】底板の一部を切り欠いた拡大背面図
【図7】仕切り部材の拡大した縦断背面図
【図8】(A)は底板と仕切り部材の外周における係止溝と温湯通路の開口部分の構造を示す拡大平面図、(B)は同係止溝の部分の構造を示す拡大背面図
【符号の説明】
1 浴槽用循環接続具
2 スリーブ
3 循環口本体
4 外部ケース
5 フランジ
6 底板
7 仕切り部材
8 フィルター部材
9 フィルターキャップ
10 温湯吸入用通路
11 筒体
12 接続筒
13 温湯吸入管
14 温湯吐出用開口
15 温湯吐出管
16 第1の温湯通路
17 第2の温湯通路
18 仕切り壁
19 逆止弁
20 温湯吸入孔
21 逆止弁
22 温湯吸入孔
23 シート筒
24 小径筒
25 弁体
26 軸
27 逆止弁
28 逆止弁
29 弁体
30 ベース部材
31 弁板
32 突起
33 孔
34 シール壁
35 リブ
36 環状周壁
37 前壁
38 メッシュ
39 周壁
40 前壁
41 通湯開口
42 係止孔
43 係止突起
44 温湯吐出口
45 温湯吐出口
46 係止溝
47 係合突起
48 突部
49 突起
51 突部
52 張出し部
【発明の属する技術分野】
この発明は、浴槽の側壁に取り付け、温湯を外部の加熱器を介して温湯を吐出及び吸い込んで循環させる配管を浴槽に接続するために用いる浴槽用循環接続具に関する。
【0002】
【従来の技術】
浴槽の側壁に取り付け、温湯を吐出及び吸い込んで循環させるための浴槽用循環接続具は、浴槽の側壁に設けた貫通孔に挿通されるスリーブと、このスリーブの浴槽内側先端に設けた循環口本体と、上記スリーブの浴槽外に突出する部分に外液状に取り付けられる外部ケースとからなり、スリーブのフランジと外部ケースで浴槽の側壁を挟み込むことにより取り付けるようになっている。
【0003】
上記循環口本体は、温湯吸入用通路と温湯吐出用通路を設けた円板状底板の前面に円板状の仕切り部材を重ね、この仕切り部材に温湯吸入用通路と逆止弁を介して連通する温湯吸入孔と、底板と仕切り部材の重なり面間に、上記温湯吐出用通路と連通し、底板外周で開口すると共に、途中に逆止弁が設けられた温湯吐出路を設け、上記重なり合う底板と仕切り部材に、前面が開口により開放したフィルターキャップを外嵌し、フィルターキャップの内部で仕切り部材の前面にフィルターを配置し、上記開口から温湯吸入孔に流れる温湯をフィルターで濾過すると共に、フィルターキャップの外周に上記温湯吐出路と連通するよう設けた温湯吐出口から温湯を吐出させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記フィルターは、温湯の通過によって汚物が付着し、目詰まりを発生することになるが、従来の浴槽用循環接続具におけるフィルターは、金属製の金網を用い、これを円形に裁断したものをフィルターキャップと仕切り部材の間に配置した構造になっていたので、金網のメッシュに方向性がなく、ブラシ等を用いて掃除しても付着した汚物の剥離性が悪いという問題がある。
【0005】
また、浴槽用循環接続具は、底板と仕切り部材の間において、仕切り部材の温湯吸入孔を開閉する逆止弁と、温湯吐出路の途中を開閉する逆止弁の二つの逆止弁が必要になるが、従来、一方の逆止弁における弁体を底板に取り付けると共に、他方の逆止弁における弁体を仕切り部材に取り付けた構造が採用されていたので、浴槽用循環接続具の組み立て時において、両逆止弁の配置を保持するのが難しく、組み立てに困難性を伴うという問題がある。
【0006】
更に、底板と仕切り部材に対して外嵌したフィルターキャップは、底板に固定化する必要があり、この固定化のために嵌め合わせ構造が採用されているが、嵌着後のクリック感がないため、フィルターキャップの取り付けに不安が残るという問題がある。
【0007】
そこで、この発明の課題は、フィルターに対する付着物の除去が確実に行えると共に、組み立て時の作業性に優れ、フィルターキャップの取り付けが確実に行える浴槽用循環接続具を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するため、この発明は、温湯吸入用通路と温湯吐出用開口を設けた底板の前面に仕切り部材を重ね、底板と仕切り部材の重なり面間に、上記温湯吸入用通路と連通して底板外周で開口する第1の温湯通路と、上記温湯吐出用開口と連通して底板外周で開口する第2の温湯通路を形成し、上記仕切り部材に、第1の温湯通路に逆止弁を介して連通する温湯吸入孔と、第2の温湯通路に逆止弁を介して連通する温湯吸入孔を設け、上記第1の温湯通路の途中と第2の温湯通路の途中のそれぞれに開口からの温湯の流入を阻止する逆止弁を設け、上記底板と仕切り部材にわたって外嵌したフィルター部材にフィルターキャップを外嵌し、フィルター部材とフィルターキャップの外周に上記第1の温湯通路と連通する温湯吐出口と第2の温湯通路と連通する温湯吐出口を設けた浴槽用循環接続具において、上記フィルター部材が、合成樹脂を用い、底板と仕切り部材の外周に外嵌する周壁の前面にメッシュを一体成形することにより形成されている構成を採用したものである。
【0009】
上記メッシュは、一方向きのメッシュ素線と他方向きのメッシュ素線が直角に交差する網目により形成され、この網目はフィルター部材の軸心を通る一つの中心線に一方向きのメッシュ素線が平行する配置で形成されているようにすると、メッシュ素線に一定の方向性が生じ、メッシュの付着物に対するブラシ等での剥離性が向上し、メッシュを清潔に保つことができる。
【0010】
また、上記両温湯吸入孔の逆止弁と、第1及び第2の温湯通路の途中に配置した逆止弁のそれぞれが、弁体を仕切り部材に装着することによって形成されている構造とすることができ、組み立て時に、底板に対して下となる仕切り部材に両逆止弁の弁体が設けられていることにより、弁体を落ちないように保持する必要はなく、組み立ての作業性がよくなる。
【0011】
上記第1及び第2の温湯通路の途中に配置する逆止弁の弁体が仕切り部材に装着された横長の帯板状に形成され、底板側に形成した温湯通路の周囲に上記逆止弁の弁体が温湯吐出流の逆流を防ぐように当接するシール壁を設け、このシール壁で囲まれた内部に弁体の途中を受けるリブを突設した構造とすることができ、リブで弁体の変形発生を防ぐことにより、逆止弁としての機能を確実に維持でき、第1及び第2の温湯通路に対して外部開口から温湯が逆流して流入するのを防ぐことができる。
【0012】
更に、上記底板の外周面に、前面側で開放して途中から周方向に屈曲する複数の係止溝と、この底板に外嵌するフィルター部材の内周面で各係止溝と対応する位置に、底板とフィルター部材の相対的な軸方向の移動と回動で、係止溝に対して係脱する係合突起を設け、上記係止溝の仕切り部材側の途中の位置に、係合突起が弾力的に通過する突部を設け、上記フィルター部材と仕切り部材の対向面の一方側中央位置に、他方側に当接する突起を設けることができ、底板へのフィルター部材の嵌め合わせ時にクリック感が得られることになる。
【0013】
また、上記底板の外周面で第1及び第2の温湯通路の開口部周囲を、フィルター部材の内周に接するよう外径側の張出し部で囲み、仕切り部材の外径をこの張出し部の外径に一致させ、底板とフィルター部材の嵌合面間に温湯が漏れないようにできる。
【0014】
さらに、上記底板の外周面に、前面側で開放して途中から周方向に屈曲する複数の係止溝と、この底板に外嵌するフィルター部材の内周面で各係止溝と対応する位置に、底板とフィルター部材の相対的な軸方向の移動と回動で、係止溝に対して係脱する係合突起を設け、第1及び第2の温湯通路の開口部が周方向に片寄った配置となり、この両温湯通路の開口部間で周方向の配置間隔が広い側に位置させる上記係止溝の内端部底面に、係合突起が乗り上げることで第1及び第2の温湯通路の開口部をフィルター部材の温湯吐出口に圧接させる半径方向の突部を設け、第1及び第2の温湯通路の開口部とフィルター部材の温湯吐出口の連通部分の水密性を向上させるようにすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0016】
図4のように、浴槽用循環接続具1は、浴槽の側壁Aに設けた貫通孔Bに挿通されるスリーブ2と、このスリーブ2の浴槽内側先端に設けた循環口本体3と、上記スリーブ2の浴槽外に突出する部分に外嵌状螺合して取り付ける外部ケース4とを有している。
【0017】
上記スリーブ2は、合成樹脂製であり、貫通孔Bに挿通する円筒部の先端外周にフランジ5を設けて形成され、フランジ5に接するようにパッキングが円筒部に挿入されている。また、外部ケース4は、スリーブ2の円筒部に外嵌螺合し、その先端フランジ5をパッキングで覆い、スリーブ2に対してねじ込んで浴槽の側壁Aをパッキングで挟むことにより、スリーブ2と外部ケース4は浴槽の側壁Aに水密状に固定される。
【0018】
上記循環口本体3は、図1と図3のように、スリーブ2のフランジ5の前面に重ねて固定する底板6と、この底板6の前面に重ねて固定する円形の仕切り部材7と、仕切り部材7の前面から底板6と仕切り部材7の外周にわたって外嵌するフィルター部材8と、このフィルター部材8の前面から外周にわたって外嵌するフィルターキャップ9の組み合わせによって形成されている。
【0019】
上記底板6は、合成樹脂を用いて円形に形成され、その背面側中央に内部が温湯吸入用通路10となる筒体11が突設され、この筒体11がスリーブ2内で外部ケース4の内部に突設した接続筒12と水密状に接続され、外部ケース4に設けた温湯吸入管13と連通している。
【0020】
この底板6には、筒体11の外部の位置に温湯吐出用開口14が前後に貫通するよう設けられ、温湯吐出用開口14はスリーブ2の内部と外部ケース4の内部を介して、外部ケース4に設けた温湯吐出管15と接続されている。
【0021】
上記底板6における前面側には、温湯吸入用通路10と連通して底板6の外周で開放する第1の温湯通路16と、温湯吐出用開口14と連通して底板6の外周で開放する第2の温湯通路17が、互いに連通しないように仕切り壁18で区切って設けられている。
【0022】
上記仕切り部材7は、合成樹脂を用い、底板6と同径の円板状に形成され、底板6の前面に重なってビスで固定された状態で、上記底板6の前面側に凹入するよう形成された第1及び第2の温湯通路15、16の前面側を閉鎖するようになっている。
【0023】
この仕切り部材7には、第1の温湯通路16と逆止弁19を介して連通する温湯吸入孔20と、第2の温湯通路17と逆止弁21を介して連通する温湯吸入孔22の二つが設けられ、両温湯吸入孔20、22の逆止弁19、21は、仕切り部材7の前面側からの温湯の流入を許容し、逆流は阻止するように、仕切り部材7の背面側に直接取り付けられている。
【0024】
この逆止弁19、21は、図3のように、温湯吸入孔20、22の周囲で仕切り部材7の背面側に円筒状のシート筒23を設け、シート筒23と同軸心状の配置で設けた小径筒24に、ゴム等を用いた円形の弁体25の軸26を差し込むことによって取り付け、弁体25を仕切り部材7の背面側に配置した構造になっている。
【0025】
従って、両逆止弁19、21は、仕切り部材7の前面側から第1及び第2の温湯通路への温湯の流入を許容すると共に、第1及び第2の温湯通路15、16から温湯吸入孔20、22への温湯の流出を阻止するようになっている。
【0026】
また、第1及び第2の温湯通路16、17の途中にはそれぞれ逆止弁27、28が設けられ、各逆止弁27、28は、第1及び第2の温湯通路16、17から開口端へ向けての温湯の流出を許容し、逆流は阻止することになる。
【0027】
この逆止弁27、28は、図3と図7のように、ゴム等の弾性部材を用いた弁体29が、横長のベース部材30と弁板31とで断面L字状に形成され、ベース部材30の突部や突起32を仕切り部材7の背面に設けた溝や孔33に圧入することにより仕切り部材7に取り付けられ、底板6における第1及び第2の温湯通路16、17の途中に、上記弁板31が当接するコ字状のシール壁34を設けた構造になっている。
【0028】
上記底板7には、シール壁34で囲まれた内部に逆止弁27、28の弁板29の途中を受ける複数本のリブ35を突設し、このリブ35で弁板29が閉弁方向に変形するのを防止し、閉弁機能が低下することのないようにしている。
【0029】
このように、第1及び第2の温湯通路16、17の途中に設ける逆止弁27、28と、両温湯吸入孔20、22の逆止弁19、21を共に仕切り部材7の背面側に取り付けることにより、循環口本体3の組み立て時の作業性が向上する。
【0030】
また、上記のような各逆止弁19、21と27、28の配置構造により、循環口本体3は加熱器との接続時における温湯の吸入と吐出方向の接続に対して無極性となり、温湯吸入管13と温湯吐出管15が加熱器に対して逆に接続された場合、温湯の流れは吸入と吐出が逆となるだけで何ら支障は生じないことになる。
【0031】
前記仕切り部材7の前面から底板6と仕切り部材7の外周にわたって外嵌するフィルター部材8は、図2と図5のように、合成樹脂を用い、底板6と仕切り部材7の外周にわたって外嵌する環状周壁36と前壁37とからなり、このフィルター部材8の前壁37には、メッシュ38が一体成形されている。
【0032】
上記メッシュ38は、一方向きのメッシュ素線38aと他方向きのメッシュ素線38bが直角に交差する網目に形成され、この網目はフィルター部材8の軸心を通る一つの中心線に一方向きのメッシュ素線38aが平行する配置で形成され、これにより、メッシュ素線38a、38bに一定の方向性が生じ、メッシュ38の付着物に対するブラシ等での剥離性が向上し、メッシュ38を清潔に保つことができることになる。
【0033】
このフィルター部材8の前面から環状周壁36の外周にわたって外嵌するフィルターキャップ9は、図2のように、周壁39と前壁40からなるステンレス等の金属製であり、その前壁40に通湯開口41が設けられ、周壁39に設けた複数の係止孔42をフィルター部材8の環状周壁36に設けた係止突起43に対して係合させることにより、フィルター部材8に対して固定化され、上記フィルター部材8の環状周壁36とフィルターキャップ9の周壁39には、第1及び第2の温湯通路16、17と連通する温湯吐出口44、45が設けられている。
【0034】
上記フィルター部材8は、仕切り部材7と底板6に外嵌する状態で底板6と固定化される。フィルター部材8と底板6の固定化のため、図3のように、底板6の外周面に前面側で開放して途中から周方向に屈曲する複数の係止溝46を形成し、フィルター部材8の環状周壁36の内周面で各係止溝46と対応する位置に、底板6とフィルター部材8の相対的な軸方向の移動と回動で、係止溝46に対して係脱する係合突起47を設け、フィルター部材8と底板6を軸方向に嵌合わせて一方を周方向に回転させると、係止溝46と係合突起47が係合し、フィルター部材8と底板6の両者は軸方向に固定化される。
【0035】
このような嵌め合わせと回転による固定化において、固定完了時にクリック感が得られるように、図8のように、係止溝46の仕切り部材7側の途中の位置に、係合突起47が弾力的に通過する突部51を設け、上記フィルター部材8の前壁37における内面側で仕切り部材7に対向する中央位置に、仕切り部材7に当接する突起49を突設し、底板6とフィルター部材8の嵌め合わせ作業時に、合成樹脂の弾性を利用して、係合突起47が突部51を通過したときにクリック感が発生するようにしている。なお、フィルターキャップ9とフィルター部材8及び底板6は、嵌合わせ後にビスで結合固定する。
【0036】
また、上記底板6の外周面において、第1及び第2の温湯通路16、17の開口部が周方向に片寄った配置となり、図8のように、この両温湯通路16、17の開口部間で周方向の配置間隔が広い側に位置させる上記係止溝46の内端部底面に、半径方向に張り出した突部48を設け、この突部48と係合突起47で、底板6とフィルター部材8の嵌め合わせ時に、係合突起47が突部48に乗り上げることで底板6の外周面に対してフィルター部材8を、第1及び第2の温湯通路16、17の開口部が位置する側が接近するように移動させ、第1及び第2の温湯通路16、17の開口部とフィルター部材8の温湯吐出口44、45の連通部分を密着させることにより、水密性を向上させるようにしている。
【0037】
さらに、図3と図8のように、上記底板6の外周面で第1及び第2の温湯通路16、17の開口部周囲を、フィルター部材8の内周に接するよう外径側の張出し部52で囲み、仕切り部材7の外径をこの張出し部52の外径に一致させ、底板6とフィルター部材8の嵌合面間に温湯が漏れないようになっている。
【0038】
この発明の浴槽用循環接続具は、上記のような構成であり、循環口本体3の組み立ては、フィルターキャップ9と嵌め合わせ結合したフィルター部材8を下にして、その内部に仕切り部材7を収め、次に、その上から底板6を嵌込んで係止溝45に係合突起47を嵌め合わせ、フィルター部材8と底板6を周方向へ相対的に回転させると、係止溝46と係合突起47が係合し、底板6を仕切り部材7にビスで固定すると共に、フィルターキャップ9から底板6にビスをねじ込めば、循環口本体3が組み上がることになる。
【0039】
上記の組み立て作業時において、両温湯吸入孔20、22の逆止弁19、21と、第1及び第2の温湯通路16、17の途中に配置した逆止弁27、28のそれぞれが、弁体を仕切り部材7に装着することによって形成されているので、組み立て時に、底板6に対して下となる仕切り部材7に各逆止弁19、21及び27、28の弁体が設けられていることにより、弁体を落ちないように保持する必要はなく、組み立ての作業性がよくなる。
【0040】
また、フィルター部材8と底板6を周方向へ相対的に回転させると、係止溝46に対して係合する係合突起47が上記係止溝46の側縁に設けた突部51を通過し、しかも、上記フィルター部材8の中央位置に、仕切り部材7に当接する突起49を設けてあるので、フィルター部材8と底板6に合成樹脂の弾性を利用して軸方向の抵抗を生じさせ、このため、底板6を押し込むようにしてフィルター部材8と底板6を周方向へ相対的に回転させる必要があり、これによって、底板6へのフィルター部材8の嵌め合わせ時にクリック感が得られることになり、嵌め合わせの完了が確認できる。
しかも、底板6とフィルター部材8の嵌め合わせ時に、一つの係止溝46の内端部底面に設けた半径方向に張り出した突部48に係合突起47が乗り上げることで、底板6の第1及び第2の温湯通路16、17の開口部がフィルター部材8の温湯吐出口44、45の連通部分を密着することになり、水密性を向上することになる。
【0041】
上記組み上がった循環口本体3は、底板6の背面に重ねたスリーブ2のフランジ5に仕切り部材7と底板6をビスで結合することにより取り付けられ、このスリーブ2を浴槽1側壁Aに設けた貫通孔Bに挿通し、上記スリーブ2の浴槽外に突出する部分に外部ケース4を外嵌状螺合し、外部ケース4に設けた温湯吸入管13と温湯吐出管15をそれぞれ外部の加熱器と接続する。
【0042】
加熱器で温湯を沸かすと、温湯吸入管13に吸引力が生じ、逆止弁19が開弁し、メッシュ38を通過した浴槽内の温湯は温湯吸入孔20と、第1の温湯通路16、温湯吸入用通路10を通って加熱器に流れ、加熱器で加熱されて吐出された温湯は、温湯吐出用開口14から第2の温湯通路17を通り、逆止弁28を押し開いて温湯吐出口45から浴槽内に流出し、このような循環流によって浴槽内の温湯は加温されることになり、温湯が第2の温湯通路17から温湯吐出口45を通過して浴槽内に流出するとき、第2の温湯通路17の開口端は、その周囲が厚肉になっているので、フィルター部材8との重なり面が閉鎖され、底板6とフィルター部材8の重なり面間の周囲への温湯の流出の発生はない。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、この発明によると、浴槽用循環接続具において、合成樹脂製のフィルター部材を、底板と仕切り部材の外周に外嵌する周壁の前面にメッシュを一体成形することにより形成したので、従来のような金網製のメッシュを別体に用意する必要がないだけでなく、メッシュを、一方向きのメッシュ素線と他方向きのメッシュ素線が直角に交差する網目により形成され、この網目はフィルター部材の軸心を通る一つの中心線に一方向きのメッシュ素線が平行する配置としたので、メッシュ素線に一定の方向性が生じ、メッシュの付着物に対するブラシ等での剥離性が向上し、メッシュを清潔に保つことができることになる。
【0044】
また、上記両温湯吸入孔の逆止弁と、第1及び第2の温湯通路の途中に配置した逆止弁のそれぞれを、弁体が仕切り部材に装着することによって形成されているようにしたので、組み立て時に、底板に対して下となる仕切り部材に両逆止弁の弁体が設けられていることにより、弁体を落ちないように保持する必要はなくなり、循環口本体の組み立ての作業性がよくなる。
【0045】
更に、第1及び第2の温湯通路の途中に配置する逆止弁において、弁体の途中を受けるリブを突設したので、リブで弁体の変形発生を防ぐことにより、逆止弁としての機能を確実に維持でき、第1及び第2の温湯通路に対して外部開口から温湯が逆流して流入するのを防ぐことができる。
【0046】
また、底板とこれに外嵌するフィルター部材を結合する係止溝と係合突起において、上記係止溝の内端部底面に係合突起が乗り上げる突部を設け、上記フィルター部材とフィルター部材の対向面の一方側中央位置に、他方側に当接する突起を設けたので、底板へのフィルター部材の嵌め合わせ時にクリック感が得られることになり、底板とこれに外嵌するフィルター部材の結合完了が正確に確認できる。
【0047】
また、上記底板の外周面で第1及び第2の温湯通路の開口部周囲を、フィルター部材の内周に接するよう外径側に厚くしたので、底板とフィルター部材の嵌合面間に温湯が漏れないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の浴槽用循環接続具を示す分解斜視図
【図2】同上におけるフィルター部材とフィルターキャップの分解斜視図
【図3】同上における底板と仕切り部材の分解斜視図
【図4】この発明の浴槽用循環接続具の組み立て状態を示す縦断側面図
【図5】フィルター部材の拡大した正面図
【図6】底板の一部を切り欠いた拡大背面図
【図7】仕切り部材の拡大した縦断背面図
【図8】(A)は底板と仕切り部材の外周における係止溝と温湯通路の開口部分の構造を示す拡大平面図、(B)は同係止溝の部分の構造を示す拡大背面図
【符号の説明】
1 浴槽用循環接続具
2 スリーブ
3 循環口本体
4 外部ケース
5 フランジ
6 底板
7 仕切り部材
8 フィルター部材
9 フィルターキャップ
10 温湯吸入用通路
11 筒体
12 接続筒
13 温湯吸入管
14 温湯吐出用開口
15 温湯吐出管
16 第1の温湯通路
17 第2の温湯通路
18 仕切り壁
19 逆止弁
20 温湯吸入孔
21 逆止弁
22 温湯吸入孔
23 シート筒
24 小径筒
25 弁体
26 軸
27 逆止弁
28 逆止弁
29 弁体
30 ベース部材
31 弁板
32 突起
33 孔
34 シール壁
35 リブ
36 環状周壁
37 前壁
38 メッシュ
39 周壁
40 前壁
41 通湯開口
42 係止孔
43 係止突起
44 温湯吐出口
45 温湯吐出口
46 係止溝
47 係合突起
48 突部
49 突起
51 突部
52 張出し部
Claims (7)
- 温湯吸入用通路と温湯吐出用開口を設けた底板の前面に仕切り部材を重ね、底板と仕切り部材の重なり面間に、上記温湯吸入用通路と連通して底板外周で開口する第1の温湯通路と、上記温湯吐出用開口と連通して底板外周で開口する第2の温湯通路を形成し、上記仕切り部材に、第1の温湯通路に逆止弁を介して連通する温湯吸入孔と、第2の温湯通路に逆止弁を介して連通する温湯吸入孔を設け、上記第1の温湯通路の途中と第2の温湯通路の途中のそれぞれに開口からの温湯の流入を阻止する逆止弁を設け、上記底板と仕切り部材にわたって外嵌したフィルター部材にフィルターキャップを外嵌し、フィルター部材とフィルターキャップの外周に上記第1の温湯通路と連通する温湯吐出口と第2の温湯通路と連通する温湯吐出口を設けた浴槽用循環接続具において、上記フィルター部材が、合成樹脂を用い、底板と仕切り部材の外周に外嵌する周壁の前面にメッシュを一体成形することにより形成されていることを特徴とする浴槽用循環接続具。
- 上記メッシュは、一方向きのメッシュ素線と他方向きのメッシュ素線が直角に交差する網目により形成され、この網目はフィルター部材の軸心を通る一つの中心線に一方向きのメッシュ素線が平行する配置で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の浴槽用循環接続具。
- 上記両温湯吸入孔の逆止弁と、第1及び第2の温湯通路の途中に配置した逆止弁のそれぞれが、弁体を仕切り部材に装着することによって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の浴槽用循環接続具。
- 上記第1及び第2の温湯通路の途中に配置する逆止弁の弁体が仕切り部材に装着された横長の帯板状に形成され、底板側に形成した温湯通路の周囲に上記逆止弁の弁体が温湯吐出流の逆流を防ぐように当接するシール壁を設け、このシール壁で囲まれた内部に弁体の途中を受けるリブを突設したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の浴槽用循環接続具。
- 上記底板の外周面に、前面側で開放して途中から周方向に屈曲する複数の係止溝と、この底板に外嵌するフィルター部材の内周面で各係止溝と対応する位置に、底板とフィルター部材の相対的な軸方向の移動と回動で、係止溝に対して係脱する係合突起を設け、上記係止溝の仕切り部材側の途中の位置に、係合突起が弾力的に通過する突部を設け、上記フィルター部材と仕切り部材の対向面の一方側中央位置に、他方側に当接する突起を設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の浴槽用循環接続具。
- 上記底板の外周面で第1及び第2の温湯通路の開口部周囲を、フィルター部材の内周に接するよう外径側の張出し部で囲み、仕切り部材の外径をこの張出し部の外径に一致させたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の浴槽用循環接続具。
- 上記底板の外周面に、前面側で開放して途中から周方向に屈曲する複数の係止溝と、この底板に外嵌するフィルター部材の内周面で各係止溝と対応する位置に、底板とフィルター部材の相対的な軸方向の移動と回動で、係止溝に対して係脱する係合突起を設け、第1及び第2の温湯通路の開口部が周方向に片寄った配置となり、この両温湯通路の開口部間で周方向の配置間隔が広い側に位置させる上記係止溝の内端部底面に、係合突起が乗り上げることで第1及び第2の温湯通路の開口部をフィルター部材の温湯吐出口に圧接させる半径方向の突部を設けたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の浴槽用循環接続具。
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- 2002-07-30 JP JP2002221691A patent/JP2004061022A/ja active Pending
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