JP2004060981A - コージェネレーションシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】水張りの作業効率が優れているコージェネレーションシステムを提供する。
【解決手段】コージェネレーションシステム1は、発電ユニット20と、発電ユニット20が発生する発電熱で加熱された温水の貯湯槽44と、貯湯槽44に外部から水を給水する第1経路40と、貯湯槽44からの溢水が流れる第2経路53、57、57bによって貯湯槽44と連通されているシスターン51と、第2経路53、57、57bの途中に設けられた開閉弁48と、シスターン51の水位を検知する水位検知手段59と、操作手段68と、開閉弁48と水位検知手段59と操作手段68が接続されたコントローラ60とを備えている。そして、コントローラ60は、操作手段68が操作されると開閉弁48を開き、水位検知手段59が所定水位を検知すると開閉弁48を閉じる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コージェネレーションシステムに関するものである。特に、コージェネレーションシステムに水張りを行う技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】発電ユニットが発生する発電熱で加熱された温水の貯湯槽と、貯湯槽に外部から水を給水する第1経路と、貯湯槽からの溢水が流入する第2経路によって貯湯槽に連通されているシスターンと、第2経路の途中に設けられた開閉弁を備えるコージェネレーションシステムが知られている。この種のコージェネレーションシステムでは、温水が第2経路を経由してシスターンに送られ、さらにシスターンから温水利用箇所(例えば、温水暖房端末機や、床暖房機)に送られる。
コージェネレーションシステムを新たに設置した場合等には、排熱源との循環配管で漏水等の異常がないことを確認するための試運転が実施される。試運転では、まず最初に、空の貯湯槽や経路等への水張が行われる。
水張りを自動的に行う技術が、特開2002−5528号公報に記載されている。この技術は、貯湯槽から浴槽への経路の途中に開閉弁と流量センサを設けている。水張りを開始する際には、開閉弁を開く。そして、流量センサが所定流量以上を所定時間以上検知すると、水張りが終了したと判別して開閉弁を閉じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】水張りが終了する間際には、経路を空気が混じった水が流れる。流量センサは、空気が混じった水の流量を正しく検知できない。従って、上述した公報記載の技術では、給湯経路を流れる水に空気が混じらなくなり、流量センサが正しい流量を検知してから開閉弁が閉じられる。このため、開閉弁が閉じられるまでに水が浴槽に流れ込む。
水張りが行われた後には、浴槽の自動水位調整機能等の確認も行われる。この確認は、浴槽が空の状態から開始する必要がある。従って、水張りが行われて水が浴槽に流れ込むと、浴槽の排水栓が閉じられていた場合には、排水栓を開けて浴槽に貯まった水を排水するか、排水栓を事前に開けておいて浴槽に水が貯まらないようしなければならない。コージェネレーションシステムは、浴槽が配置されている浴室から離れた屋外に設置されるのが一般的である。よって、水張りの際には、作業者は、浴槽の排水栓を開けたり、排水栓が開いていることを確認するために、浴室とコージェネレーションシステムとの間を行ったり来たりしなければならない。このため、作業効率が悪い。
【0004】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、水張りの作業効率に優れたコージェネレーションシステムを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用と効果】請求項1に記載のコージェネレーションシステムは、発電ユニットと、発電ユニットが発生する発電熱で加熱された温水の貯湯槽と、貯湯槽に外部から水を給水する第1経路と、貯湯槽からの溢水が流れる第2経路によって貯湯槽と連通されているシスターンと、第2経路の途中に設けられた開閉弁と、シスターンの水位を検知する水位検知手段と、操作手段と、開閉弁と水位検知手段と操作手段が接続されたコントローラとを備えている。そして、コントローラは、操作手段が操作されると開閉弁を開き、水位検知手段が所定水位を検知すると開閉弁を閉じる。
上記のコージェネレーションシステムは、操作手段が操作されて開閉弁が開かれると、第1経路から貯湯槽と第2経路を経由してシスターンに至る流路が開放される。このように流路が開放されると、水道水圧力によって第1経路と貯湯槽と第2経路に水張が行われ、シスターンに水が流入する。シスターンに水が流入し、水位検知手段が所定水位を検知すると開閉弁が閉じられ、水張りが終了する。作業者は、水張りを開始する際に操作手段を操作するのみでよく、水張りに関してそれ以上の作業は要求されない。よって、このように構成されたコージェネレーションシステムは、作業効率に優れている。
【0006】
請求項1に記載のコージェネレーションシステムにおいて、コントローラに接続された報知手段がさらに設けられており、コントローラは、水位検知手段が所定水位を検知すると、水張りが終了したことを報知手段に報知させることが好ましい(請求項2)。
このように構成されていると、報知手段によって水張りが終了したことを知ることができる。
【0007】
請求項2に記載のコージェネレーションシステムにおいて、コントローラは、開閉弁を開いてから所定時間が経過しても水位検知手段が所定水位を検知しない場合に、水張りが異常であることを報知手段に報知させることが好ましい(請求項3)。
所定時間が経過しても水位検知手段が所定水位を検知しない場合には、水張りの異常(例えば、給湯経路や暖房経路からの水漏れ)が発生していると判断できる。従って、水張りが異常であることを報知手段に報知させる。
【0008】
請求項1または2または3に記載のコージェネレーションシステムにおいて、コントローラは、開閉弁が開いてから所定時間が経過しても水位検知手段が所定水位を検知しない場合に、開閉弁を閉じることが好ましい(請求項4)。
このように開閉弁を閉じると、開閉弁の下流で水漏れが起きていたときに、それを止めることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係るコージェネレーションシステム1について、図面を参照しながら説明する。
図1に示されているように、コージェネレーションシステム1は、発電ユニット20、発電ユニット20の発電熱を回収して利用する温水ユニット15から構成されている。温水ユニット15は、貯湯槽44、ミキシングユニット54、給湯暖房機50、およびこれらの間を連通させる複数の経路から構成されている。発電ユニット20は、改質器30、燃料電池22、放熱器28等から構成されている。改質器30は、炭化水素系の燃料から水素ガスを生成する機能を有している。改質器30には、バーナ32が設けられている。バーナ32が作動して熱を発生することにより、改質器30は効率良く水素を生成することができる。改質器30と熱交換器70とを連通する燃焼ガス排気管34が設けられている。燃焼ガス排気管34は、バーナ32の燃焼ガスを熱交換器70に通過させ、冷却された燃焼ガスを排気する。熱交換器70には、後述する循環経路4も通過している。循環経路4には、温水が循環される。循環経路4を流れる温水は、熱交換器70を通過することにより、改質器30側から加熱される。
【0010】
燃料電池22は、複数のセルから構成されている。燃料電池22と改質器30とは、水素供給配管35によって連通されている。改質器30で生成された水素は、水素供給配管35を流れて燃料電池22に供給される。燃料電池22は、改質器30から供給された水素と、空気中の酸素とを反応させて発電を行う。この発電の際に、燃料電池22は発電熱を発生する。
燃料電池22には、熱媒循環経路24が接続されている。熱媒循環経路24は、熱媒としての純水を流通させる。熱媒循環経路24は、熱交換器74、リザーブタンク26、熱媒ポンプ8、熱媒三方弁36を通って再び熱交換器74に戻る循環路を形成している。放熱器28を通過するバイパス経路25が設けられている。バイパス経路25の一端は、熱媒三方弁36に接続され、他端は燃料電池22の上流側で熱媒循環経路24に接続されている。
【0011】
熱媒三方弁36には、1つの入口36aと、2つの出口36b、36cが設けられている。熱媒三方弁36は、入口36aと出口36bを連通させるか、入口36aと出口36cを連通させるかを切り替える。放熱器28に隣接して、熱媒冷却ファン29が設けられている。熱媒冷却ファン29が作動すると、冷却空気が放熱器に吹き付けられる。熱交換器74を通過して温水ユニット15との間を結ぶ循環経路4が設けられている。燃料電池22、熱媒三方弁36、熱媒ポンプ8、熱媒冷却ファン29は、コントローラ60によって制御される。
コントローラ60には、使用者によって操作されるリモコン71が接続されている。
【0012】
燃料電池22が作動すると、熱媒三方弁36の入口36aと出口36cが連通されるとともに、熱媒ポンプ8が駆動される。熱媒ポンプ8が駆動されると、熱媒循環経路24を熱媒が循環する。熱媒循環経路24を熱媒が循環すると、燃料電池22を熱媒が流れるときに、燃料電池22が発生している発電熱が熱媒によって回収される(熱媒が加熱される)。熱媒によって回収された発電熱は、熱媒とともに熱交換器74まで運ばれ、熱交換器74を介して循環経路4を流れる温水を加熱する。
【0013】
熱媒循環経路24には、熱媒の温度を検知する温度センサ(図示省略)が設けられている。熱媒の温度が高くなりすぎると、熱媒三方弁36は、入口36aと出口36bを連通させるように切り替えられる。また、同時に熱媒冷却ファン29が駆動される。すると、熱媒は熱媒循環経路24からバイパス経路25に流入し、放熱器28を流れてから熱媒循環経路24に戻る。このように熱媒が流れると、放熱器28を介して外部に放熱が行われ、熱媒が冷却される。熱媒冷却ファン29が駆動されて放熱器28に空気を吹き付けることにより、放熱器28からの放熱がより効率的に行われる。放熱器28で冷却されて熱媒の温度が下がると、熱媒三方弁36は、再び入口36aと出口36cを連通させるように切り替えられる。このように熱媒三方弁36の流路の切り替えが繰り返されることにより、熱媒の温度は所定範囲内に維持される。
【0014】
温水ユニット15には、市水が給水される給水経路40が設けられている。給水経路40は貯湯槽側経路40aとミキシングユニット側経路40bとに分枝されている。貯湯槽側経路40aは、貯湯槽44の底部に接続されている。ミキシングユニット側経路40bは、ミキシングユニット54の給水入口54bに接続されている。給水経路40の途中の、貯湯槽側経路40aとミキシングユニット側経路40bとの分枝部の上流側に減圧弁41が設けられている。減圧弁41は、貯湯槽44内を耐圧々力以下に維持するためと、貯湯槽44およびミキシングユニット54への給水圧力を調圧するために設けられている。貯湯槽44内の温水が減少したり、ミキシングユニット54が開いたりして減圧弁41の下流側圧力がその調圧値以下になると、減圧弁41が開いて貯湯槽44やミキシングユニット54に給水が行われる。
【0015】
貯湯槽44の上部にリリーフ弁43が設けられている。リリーフ弁43は、貯湯槽44内の圧力を耐圧以下に維持するために設けられている。このように、貯湯槽44内の圧力は、リリーフ弁43と減圧弁41の両者によって耐圧々力を超えることがないよう2重に防止されている。リリーフ弁43は、手動操作することもできる。リリーフ弁43が手動操作されると、貯湯槽44内の圧力が外部に直接開放される。リリーフ弁43には、開放された圧力を外部に導く圧力開放経路45が接続されている。一端が貯湯槽44の底部に接続され、他端が圧力開放経路45の途中に接続された排水経路37が設けられている。排水経路37には、排水弁47が設けられている。排水弁47は、手動で操作することができる。排水弁47が開かれると、貯湯槽44に貯められてる水が圧力開放経路45を経由して外部に排出される。
【0016】
循環経路4は、貯湯槽44から発電ユニット20に向かう循環往路4bと、発電ユニット20から貯湯槽44に向かう循環復路4aとを備えている。循環往路4bの途中には、蓄熱循環ポンプ49が装着されている。蓄熱循環ポンプ49は、コントローラ60に接続されている。上述したように、循環経路4は、発電ユニット20の熱交換器70、74を通過している。蓄熱循環ポンプ49が駆動されると、貯湯槽44底部から冷水が吸い出される。貯湯槽44底部から吸い出された冷水は、循環往路4bを経由して熱交換器70、74を通過する。熱交換器70、74を通過した温水は加熱されて温度が上がり、循環復路4aを経由して貯湯槽44の上部に戻される。このように循環経路4を経由する温水の循環が行われると、貯湯槽44の上部に高温の温水が蓄えられ、下部には低温の温水が蓄えられる。後述するように、給湯に用いられる温水は、給湯経路53によって貯湯槽44の上部から送り出される。このため、貯湯槽44内の温水全てが高温となっていない場合であっても、給湯経路53には高温の給湯が行われる。
【0017】
ミキシングユニット54は、給湯入口54aと、給水入口54bと、温水出口54cを備えている。貯湯槽44の上部とミキシングユニット54の給湯入口54aは、給湯経路53によって連通されている。上述したように、給水経路40から分枝されているミキシングユニット側経路40bは、ミキシングユニット54の給水入口54bに接続されている。ミキシングユニット54は、コントローラ60によって制御される。ミキシングユニット54は、給湯入口54a側の開き度合いと、給水入口54b側の開き度合いを変化させ、貯湯槽44側からの温水と市水側からの水とのミキシング割合を調整する。温水と市水とのミキシング割合が調整されると、温水出口54cから送り出される温水の温度がコントロールされる。
【0018】
給湯暖房機50は、バーナ55、56、熱交換器92、補給水弁48、注湯弁91、シスターン51、水位電極59、水張パネル68等を備えている。
ミキシングユニット54の温水出口54cに、給湯経路57が接続されている。給湯経路57は、給湯栓側経路57aとシスターン側経路57bとに分枝されている。給湯栓側経路57aの下流端には、給湯栓46が設けられている。給湯栓46が配置されるのは、例えば、浴室、洗面所、台所等である。給湯栓側経路57aの一部はバーナ55によって加熱できる。バーナ55はコントローラ60によって制御され、ミキシングユニット54から送られてくる温水の温度が所定の給湯温度よりも低い場合に作動する。バーナ55が作動すると、給湯栓46に供給する温水の温度が高くなる。
シスターン側経路57bの下流端はシスターン51内に配置されている。シスターン側経路57bの途中には、補給水弁48が装着されている。補給水弁48は、内蔵したソレノイドに駆動されて開閉する。補給水弁48は、コントローラ60によって制御される。補給水弁48が開かれると、減圧弁41で所定圧力に調圧された市水が貯湯槽44に送り込まれ、貯湯槽44から溢れた温水は給湯経路53に流れ込む。給湯経路53に流れ込んだ温水は、さらにミキシングユニット54、給湯経路57、シスターン側経路57bを通ってシスターン51に供給される。
【0019】
シスターン51内には、コントローラ60に接続されている水位電極59が設けられている。水位電極59は、棒状のハイレベルスイッチ59aとローレベルスイッチ59bとを備えている。ハイレベルスイッチ59aとローレベルスイッチ59bは、その下端が水に触れているとオン信号を出力する。シスターン51には、水位としての上限(ハイレベル水位)と下限(ローレベル水位)とが設定されている。ハイレベルスイッチ59aとローレベルスイッチ59bの下端は、それぞれハイレベル水位とローレベル水位とに位置するように配置されている。
【0020】
従って、ハイレベルスイッチ59aとローレベルスイッチ59bがオン信号を出力している場合には、シスターン51の水位はハイレベルスイッチ59aの下端よりも上に位置している(ハイレベル水位を越えている)。ハイレベルスイッチ59aがオン信号を出力せず、ローレベルスイッチ59bがオン信号を出力している場合には、シスターン51の水位はハイレベルスイッチ59aの下端とローレベルスイッチ59bの下端との間にある(ハイレベル水位とローレベル水位との間にある)。ハイレベルスイッチ59aとローレベルスイッチ59bが検知信号を出力していない場合には、シスターン51の水位はローレベルスイッチ59bの下端よりも下に位置している(ローレベル水位以下である)。
コントローラ60は、水位電極59からの水位信号に基づいて補給水弁48を開閉制御し、通常の運転時には、シスターン51の水位をハイレベル水位とローレベル水位との間に維持する。
【0021】
シスターン51の底面には、シスターン出水経路61が接続されている。シスターン出水経路61の途中に、温水循環ポンプ6が装着されている。シスターン出水経路61は、高温水経路86と低温水経路84とに分枝されている。
高温水経路86は、温水暖房端末機80を通過してシスターン51に戻る経路を形成している。高温水経路86を加熱するバーナ56が設けられている。高温水経路86のシスターン出水経路61との分岐部と、温水暖房端末機80との間に高温サーミスタ63と熱動弁58が装着されている。高温サーミスタ63が検知した温度は、信号としてコントローラ60に入力され、その制御に用いられる。熱動弁58は、高温水経路86の開閉を行う。熱動弁58は、温水暖房端末機80に接続されており、膨張エレメントと、膨張エレメントに機械的に連結されている開閉弁を内蔵している。温水暖房端末機80に設けられている操作部がオンにされ、開弁信号が熱動弁58に入力されると、膨張エレメントに通電が行われる。通電された膨張エレメントは、加熱されて膨張する。膨張エレメントが膨張すると開閉弁が駆動され、熱動弁58は開となる。なお、温水暖房端末機80の操作部がオンにされると、そのオン信号がコントローラ60に送信される。コントローラ60は、オン信号を受信すると温水循環ポンプ6を作動させる。
【0022】
温水循環ポンプ6が駆動されるとともに熱動弁58が開かれると、シスターン51から温水が吸い出される。シスターン51から吸い出された温水は、温水暖房端末機80を通過する。高温サーミスタ63が検知した温水の温度が80℃以下の場合には、バーナ56が作動する。バーナ56が作動すると、高温水経路86を流れる温水が加熱される。温水暖房端末機80は、通過する温水との熱交換を行うことによって温風を吹き出し、設置されている部屋の暖房を行う。温水暖房端末機80を通過して温度が低下した温水は、再びシスターン51に戻される。
【0023】
高温水経路86のサーミスタ63の下流と、高温水経路86のシスターン51への入口の上流とを連通する追焚き経路88が設けられている。追焚き経路88は熱交換器92を通過している。追焚き経路88の途中に、コントローラ60に制御される熱動弁90が装着されている。熱動弁90は、追焚き経路88の開閉を行う。
浴槽96の温水吸出口96aと、温水供給口96bを連通させる風呂循環経路94が設けられている。風呂循環経路94は、熱交換器92を通過している。風呂循環経路94の途中に、ポンプ98と風呂水流スイッチ95が設けられている。ポンプ98は、コントローラ60に制御される。風呂水流スイッチ95は、風呂循環経路94の水流を検知し、その検知信号をコントローラ60に出力する。
【0024】
温水循環ポンプ6が駆動された状態で熱動弁90が開かれると、温水が追焚き経路88を流れて熱交換器92を通過する。浴槽96に温水が入れられた状態でポンプ98が駆動されると、浴槽96の温水吸出口96aから温水が吸出され、風呂循環経路94を流れて再び温水供給口96bに戻る循環が行われる。風呂循環経路94を流れる温水は、熱交換器92を通過する。追焚き経路88と風呂循環経路94を温水が流れると、熱交換器92で風呂循環経路94を流れる温水が、追焚き経路88を流れる温水によって加熱される。このようにして、浴槽96の追焚きが行われる。
【0025】
給湯栓側経路57aと、風呂循環経路94とを連通させる風呂湯張経路89が設けられている。風呂湯張経路89の途中に、注湯弁91が装着されている。注湯弁91は、内蔵しているソレノイドに駆動されて開閉する。注湯弁91は、コントローラ60によって制御される。
浴槽96に湯張りを行う場合には、補給水弁48が閉じられ、注湯弁91が開かれる。注湯弁91が開かれると、給湯栓側経路57aから温水が風呂循環経路94に流れ込む。風呂循環経路94に流れ込んだ温水は温水供給口96bと温水吸出口96aから浴槽96に供給され、浴槽96への湯張りが行われる。
【0026】
シスターン出水経路61から分枝されている低温水経路84には、その経路内を流れる温水の温度を検知する低温サーミスタ93が装着されている。低温サーミスタ93の検知信号は、コントローラ60に入力される。低温水経路84は、その途中で3つの分枝経路85に分枝されている。分枝経路85の途中には、それぞれ熱動弁52が装着されている。熱動弁52は、分枝経路85の開閉を行う。熱動弁52は、コントローラ60に制御される。分枝経路85は、床暖房機82を通過してから合流し、再び1つの低温水経路84となる。
低温水経路84に、温水三方弁65が設けられている。温水三方弁65は、1つの入口65aと、2つの出口65b、65cを備えている。低温水経路84の下流端は、温水三方弁65の入口65aに接続されている。温水三方弁65の出口65bと、高温水経路86の途中とは、低温水戻り経路84aによって連通されている。温水三方弁65は、コントローラ60によって制御される。
【0027】
貯湯槽44内の上部を通過する貯湯槽通過経路66が設けられている。貯湯槽通過経路66は、温水三方弁65の出口65cと低温水戻り経路84aの途中とを連通させている。貯湯槽通過経路66が貯湯槽44を通過する部分には、コイル状に成形されたコイル部66aが設けられている。コイル部66aは、貯湯槽44内の温水と貯湯槽通過経路66を流れる温水との間の伝熱面積を拡大する目的で設けられている。
コイル部66a近傍の貯湯槽44上部に、貯湯槽サーミスタ75が設けられている。貯湯槽サーミスタ75は、貯湯槽44内の温水温度を検知する。
温水三方弁65は、入口65aに流入した温水を出口65bから流出させる(D1方向)か、出口65Cから流出させる(D2方向)かを切り替える。すなわち、低温水経路84を流れる温水は、温水三方弁65によって低温水戻り経路84a側へ流出して貯湯槽通過経路66をバイパスするか、あるいは貯湯槽通過経路66側へ流出するかを切り替えられる。
【0028】
温水循環ポンプ6が駆動されるとともに熱動弁52が開かれると、シスターン51から温水が吸い出される。シスターン51から吸い出された温水は、低温水経路84、分枝経路85を通過して床暖房機82を暖める。床暖房機82を暖めた温水の温度は低下する。コントローラ60は、低温サーミスタ93と貯湯槽サーミスタ75が検知した温度を比較し、その結果によって温水三方弁65を切り替える。例えば、低温サーミスタ93が検知した温度よりも貯湯槽サーミスタ75が検知した温度が所定値以上(例えば、10℃)低い場合には、温水三方弁65がD1方向に切り替えられ、床暖房機82からの温水は、貯湯槽通過経路66をバイパスし、温水戻り経路84aと高温水用経路86を流れてシスターン51に戻される。低温サーミスタ93が検知した温度よりも貯湯槽サーミスタ75が検知した温度が所定値以上高い場合には、温水三方弁65がD2方向に切り替えられる。温水三方弁65がD2方向に切り替えられると、床暖房機82からの温水は貯湯槽通過経路66を流れる。貯湯槽通過経路66を流れる温水は、貯湯槽44内の温水によって加熱されて温度が上昇する。貯湯槽通過経路66を通過して温度が上昇した温水は、低温水戻り経路84aと、高温水経路86を流れてシスターン51に戻される。シスターン51に戻された温水は、再び低温水経路84に吸い込まれて床暖房機82を暖める。
【0029】
給湯暖房機50内に、水張パネル68が設けられている。水張パネル68は、コントローラ60に接続されている。ここで、水張りとは、給水経路40から給水されることによって貯湯槽44、給湯経路53、57、ミキシングユニット54、シスターン側経路57bに水を満たすことを意味する。
水張パネル68には、水張スイッチ68aと、水張表示器68bを備えている。水張スイッチ68aがオンにされると、そのオン信号がコントローラ60に送信される。オン信号を受信したコントローラ60は、温水ユニット15を制御し、後述する水張運転を行わせる。水張表示器68bには、水張りに係る情報(水張中であることや、水張りの終了や、水張りの異常)が表示される。
【0030】
コントローラ60と、それに接続される各種装置の構成について、図面を参照しながら説明する。
図2に示されているように、コントローラ60は、CPU102、ROM104、RAM106、出力ポート108、入力ポート110、これらを相互に接続するバス109とを備えている。なお、図2は、コントローラ60に接続される主要な装置を示しており、その他の装置の図示は省略している。CPU102は、ROM104に格納されている制御プログラムに従ってコントローラ60に接続されている各種装置を統合的に制御する。RAM106は、CPU102が実行する処理にともなって生成されるデータや、各種装置から入力されるデータが一時的に記憶される。
【0031】
入力ポート110には、水位電極59、温水暖房端末機80、床暖房機82、リモコン71、低温サーミスタ93、高温サーミスタ63、風呂水流スイッチ95、水張スイッチ68a、貯湯槽サーミスタ75が接続され、これらの装置が出力した信号が入力される。水位電極59は、検知したシスターン51の水位を出力する。温水暖房端末機80は、その運転スイッチがオンに操作されると運転開始信号を出力し、運転スイッチがオフに操作されると運転終了信号を出力する。同様に床暖房機82も、運転開始信号と運転終了信号を出力する。リモコン71は、コージェネレーションシステム1の運転開始信号、運転終了信号、各種の設定信号(例えば、給湯栓46の給湯温度、風呂の湯張温度や追焚温度)を出力する。
【0032】
低温サーミスタ93、高温サーミスタ63、風呂水流スイッチ95、貯湯槽サーミスタ75は、それぞれが検知した信号を出力する。水張スイッチ68aは、オンにされることにより水張開始信号を出力する。なお、水張パネル68には、停止ボタン(図示省略)が設けられている。停止ボタンがオンにされると、水張りの途中であっても、水張りを停止させることができる。
入力ポート110に入力された信号は、バス109を介してCPU102、ROM104、RAM106に送信される。
【0033】
出力ポート108には、熱媒三方弁36、燃料電池22、熱媒ポンプ8、蓄熱循環ポンプ49、風呂循環ポンプ98、温水循環ポンプ6、温水三方弁65、ミキシングユニット54、バーナ55、56、熱動弁52、90、補給水弁48、注湯弁91、水張表示器68bが接続されている。これらの装置には、バス109と出力ポート108を介してCPU102から出力されてくる制御信号が入力される。熱媒三方弁36と温水三方弁65は、制御信号に基づいて出口を切り替える。燃料電池22は、制御信号に基づいて発電運転を行う。改質器30と熱媒冷却ファン29は、発電ユニット20に内蔵されている制御装置(図示省略)に制御されて動作する。
熱媒ポンプ8、蓄熱循環ポンプ49、風呂循環ポンプ98、温水循環ポンプ6は、制御信号に基づいて作動と停止を行う。ミキシングユニット54は、制御信号に基づいて、給湯入口54aと給水入口54bの開き度合いを調整する。
【0034】
バーナ55とバーナ56は、制御信号に基づいて点火と、燃焼強さの調整と、消火を行う。熱動弁52、58、90は、制御信号に基づいて、内蔵している膨張ユニットの通電のオンとオフを行う。補給水弁48と注湯弁91は、制御信号に基づいて開閉される。水張表示器68bは、制御信号に基づいて、水張りに係る情報を表示する。
【0035】
水張運転において温水ユニット15で行われる一連の処理フローについて、フローチャートを参照しながら説明する。なお、水張運転が開始されるときには、給水経路40に市水が給水されているものとする。
図3のフローチャートは、水張運転処理S10を示している。水張運転処理S10の最初の処理S12では、水張パネル68の水張スイッチ68aがオンか否かの判別が行われる。S12で水張スイッチ68aがオンではない(オフである)と判別された場合(NOの場合)には、そのまま待機する。S12で水張スイッチ68aがオンであると判別された場合(YESの場合)には、S14が実行される。
【0036】
S14では、ミキシングユニット54の給湯入口54a側が開かれ、給水入口54b側が閉じられる。給湯入口54a側が開かれると、給湯経路53と給湯経路57が連通される。さらにS14では、補給水弁48が開かれ、注湯弁91が閉じられる。S14の処理が行われると、給水経路40から貯湯槽44、給湯経路53、ミキシングユニット54、給湯経路57、シスターン側経路57b、補給水弁48を経由してシスターン51に至る経路が開放される。給水経路40に市水が給水されているので、減圧弁41で所定の圧力に減圧された水は貯湯槽44に流入する。貯湯槽44は、約150リットルの容積を有しているので、水によって満たされるのには暫く時間がかかる。貯湯槽44が水で満たされると、貯湯槽44から溢れた水は給湯経路53、ミキシングユニット54、給湯経路57、補給水弁48を流れてシスターン51に流れ込む。
【0037】
S14に続いて行われるS16では、水位電極59のローレベルスイッチ59bがオンか否かが判別される。上述したように貯湯槽44に水が満たされるのには暫く時間がかかる。従って、給水経路40に市水が給水されても、シスターン51に水が流れ込み始めるのには遅れがある。また、シスターン51に水が流れ込んでも、ローレベルスイッチ59が検知する位置(ローレベル水位)まで水位が達するのにも時間がかかる。ローレベルスイッチ59aがオンでないと、S16の判別はNOとされる。S16でNOと判別された場合には、S18が実行される。
【0038】
S18では、水張スイッチ68aがオンに操作されてから30分が経過したか否かが判別される。この30分は、減圧弁41の減圧々力や、貯湯槽44、経路40、53、57、57b等の容積に基づいて、これらに水漏れ等の異常がない場合の水張りに要する時間を算出し、これにマージンを加えて設定されたものである。S18で水張スイッチ68aがオンに操作されてから30分が経過したと判別された場合(YESの場合)には、S22に移行する。S22では、補給水弁48が閉とされ、それ以上シスターン51へ水が流入しないようにするとともに、水張パネル68の水張表示器68bに水張りが異常であることを表示する。すなわち、S16でローレベルスイッチ59aがシスターン51のローレベル水位を検知せず、その状態でS18において水張スイッチ68aがオンに操作されてから30分が経過している場合には、水張りの異常が発生していると判別する。S18で水張スイッチ68aがオンに操作されてから30分が経過していないと判別された場合(NOの場合)には、S16からの処理が再び実行される。
【0039】
一方S16において水位電極59のローレベルスイッチ59aがオンであると判別された場合(YESの場合)には、水張りは正常に行われたと判断できる。そこでS20に移行し、補給水弁48を閉じて水張りを終了させるとともに、水張りが正常に終了したことを水張パネル68の水張表示器68bに表示する。補給水弁48が閉じられると、給水経路40aからの給水は停止され、市水はそれ以上消費されない。
【0040】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るコージェネレーションシステムの系統図。
【図2】実施の形態に係るコントローラと各種装置との接続状態を示すブロック図。
【図3】実施の形態に係る水張運転処理のフローチャート。
【符号の説明】
1:コージェネレーションシステム
4:循環経路、4a:循環復路、4b:循環往路
6:温水循環ポンプ
8:熱媒ポンプ
15:温水ユニット
20:発電ユニット
22:燃料電池
24:熱媒循環経路
25:バイパス経路
26:リザーブタンク
28:放熱器
29:熱媒冷却ファン
30:改質器
32:バーナ
34:燃焼ガス配管
35:水素供給配管
36:熱媒三方弁、36a:入口、36b:出口、36c:出口
37:排水経路
40:給水経路、40a:貯湯槽側経路、40b:ミキシングユニット側経路
41:減圧弁
43:リリーフ弁
44:貯湯槽
45:圧力開放経路
46:給湯栓
47:排水弁
48:補給水弁
49:蓄熱循環ポンプ
50:給湯暖房機
51:シスターン
52:熱動弁
53:給湯経路
54:ミキシングユニット、54a:給湯入口、54b:給水入口、54c:温水出口
55、56:バーナ
57:給湯経路、57a:給湯栓側経路、57b:シスターン側経路
58:熱動弁
59:水位電極、59a:ハイレベルスイッチ、59b:ローレベルスイッチ
60:コントローラ
61:シスターン出水経路
63:高温サーミスタ
65:温水三方弁、65a:入口、65b:出口、65c:出口
66:貯湯槽通過経路、66a:コイル部
68:水張パネル、68a:水張スイッチ、68b:水張表示器
70:熱交換器
71:リモコン
74:熱交換器
75:貯湯槽サーミスタ
80:温水暖房端末機
82:床暖房機
84:低温水経路、84a:低温水戻り経路
85:分枝経路
86:高温水経路
88:追炊き経路
89:風呂湯張経路
90:熱動弁
91:注湯弁
92:熱交換器
93:低温サーミスタ
94:風呂循環経路
95:風呂水流スイッチ
96:浴槽、96a:温水吸出口、96b:温水供給口
98:ポンプ

Claims (4)

  1. 発電ユニットと、発電ユニットが発生する発電熱で加熱された温水の貯湯槽と、貯湯槽に外部から水を給水する第1経路と、貯湯槽からの溢水が流れる第2経路によって貯湯槽と連通されているシスターンと、第2経路の途中に設けられた開閉弁と、シスターンの水位を検知する水位検知手段と、操作手段と、開閉弁と水位検知手段と操作手段が接続されたコントローラとを備えており、
    コントローラは、操作手段が操作されると開閉弁を開き、水位検知手段が所定水位を検知すると開閉弁を閉じることを特徴とするコージェネレーションシステム。
  2. コントローラに接続された報知手段がさらに設けられており、コントローラは、水位検知手段が所定水位を検知すると、水張りが終了したことを報知手段に報知させることを特徴とする請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
  3. コントローラは、開閉弁を開いてから所定時間が経過しても水位検知手段が所定水位を検知しない場合に、水張りが異常であることを報知手段に報知させることを特徴とする請求項2に記載のコージェネレーションシステム。
  4. コントローラは、開閉弁が開いてから所定時間が経過しても水位検知手段が所定水位を検知しない場合に、開閉弁を閉じることを特徴とする請求項1または2または3に記載のコージェネレーションシステム。
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