JP2004060588A - 水力機械の給気装置 - Google Patents

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Koichiro Shimizu
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Abstract

【課題】ホワールを抑制する給気装置について水力機械の運転条件に応じて適切に制御し、または水流の状態に即して望ましい位置を保持して安定に運転することができる水力機械の給気装置を提供する。
【解決手段】給気装置は吸出し管9内に管軸心とほぼ垂直な軸を中心として回転する回転給気管13を有する。回転給気管13は管軸に対して斜めに切断された開口部15を有し、上部吸出し管9a内に臨ませている。回転給気管13の他端は外部の空気を取り入れる大気開放の吸込み管14と連結している。制御装置18からの指令で回転給気管13が回転し、この動作に従う開口部15が旋回流の方向に対して下流に向く。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水車や水車ポンプなどの水力機械の吸出し管において、過大な振動や騒音を引き起こすホワールが発生するのを防止する水力機械の給気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水力機械にて仕事を行った圧力水が流出する吸出し管では、振動や騒音を引き起こす元となるホワールと呼ばれる現象が発生することがある。ホワールは、例えば、部分負荷運転などで吸出し管内で圧力が低下したときに気泡化した渦が生じ、この渦が吸出し管内を振れ回る現象である。このホワールが発生すると、振動や騒音が激しくなり、水力機械の運転に支障が生じ場合がある。このホワールの発生には外部の空気を吸出し管内に供給する給気装置を吸出し管に設ける対策が講じられることがある。この吸出し管への給気の供給により気泡渦が幾分安定した流れとなり、ホワールが軽減できることが確認されている。
【0003】
このような給気装置を備える水力機械の一例を図16に示す。図16では、水力機械がフランシス形水車の場合を示している。図16(a)に示すように、上流からの圧力水はケーシング1に導かれる。ケーシング1の内周には、ステイリング3により上下から挟み込まれて流路の一部を構成するステイベーン2が配置されており、ケーシング1に導かれた圧力水はステイベーン2によって整流される。
【0004】
ステイリング3の内周には流量調整用可動翼であるガイドベーン4が配置されており、ステイベーン2によって整流された圧力水は、ガイドベーン4で流量を調整されてランナ5に導かれる。ランナ5には複数のランナベーン5aが設けられており、圧力水はランナベーン5a間の流路を通過する間に仕事をしてランナ5を回転させ、ランナ5を通過した水流はランナコーン6によりランナ5の下部へ導かれる。
【0005】
ランナ5は上カバー7および下カバー8内に収容され、ランナ5を通過した水流は、吸出し管9を通ってさらに下流へと流れる。また、ランナ5に接続された水車側主軸10は、図示省略の発電機のロータと直結されており、ランナ5の回転により発電機のロータが回転し、電気出力が発生するようになっている。
【0006】
このようなフランシス形水車ではランナ5のランナベーン5aは固定されており、出力を変えるにはガイドベーン4の開度を変化させることになる。ガイドベーン4の開度を変化させると、ランナ5への流入角度も変わるため、ランナ5を通過した水流、すなわち出口流れに旋回成分が残る。
【0007】
このように出口流れに旋回成分が残ると、この旋回中心部付近においては圧力が大きく低下するので、この部分が水蒸気と遊離空気とで満たされ、気泡化した渦が生じることがある。そして、この渦が出口流れの旋回成分によって吸出し管9内を振れ回る現象がいわゆるホワールであり、このようなホワールは、例えば部分負荷運転などでガイドベーン4の開度を小さくした場合や、過負荷運転時に発生することが知られている。
【0008】
このホワールを抑制するのに上部吸出し管9aの内壁にフィン11を突出して設けたり、給気装置としての給気管12を吸出し管9に設けたりしている。例えば、給気管12を設けた給気装置は、図16(b)に示すように上部吸出し管9aを貫いて給気管12が接続され、この給気管12により外部の空気を吸出し管9内に導き気泡渦を安定させる。一方、主軸を中空構造に構成し、ランナ5の下部から外部の空気を導くようにしたものもある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上部吸出し管9aを貫いて給気管12を接続した給気装置では、吸出し管9への給気は自然給気によるので十分な量の給気を送ることが難しく、運転条件によってはホワールが発生するのを抑えきることができない。
【0010】
一方、主軸を中空に構成するものは発電機側の軸も中空に構成することを求められるので、水車および発電機の設計段階からこうした設計を取り入れる必要がある。従って、同じ製造者によって水車および発電機の設計がなされない場合には、それぞれの設計思想の相違から同一構造への統一が困難となる。
【0011】
本発明の目的は、水力機械の運転条件や水流の状態に即してホワールを適正に抑制できる水力機械の給気装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る水力機械の給気装置は、水力機械で仕事を終えた水を吸い出す吸出し管の管軸心とほぼ垂直な軸を中心として回転する複数本の回転給気管と、前記回転給気管が回転自在となるように前記回転給気管にそれぞれ接続され他端から前記吸出し管内に発生する旋回流を抑制するための給気を大気より取り入れるための複数本の吸込み管と、前記回転給気管の管軸心に対して傾斜して設けられた開口部と、前記回転給気管を駆動する駆動装置と、前記回転給気管の前記開口部が旋回流の下流方向に向くように前記駆動装置に指令を出力する制御装置とを備えたことを特徴とする。
【0013】
このように構成した水力機械の給気装置においては、回転給気管の開口部を旋回流の方向に対して下流に向く望ましい位置に置くことが可能で、吸出し管内でホワールが発生するのを抑制することができる。これにより、吸出し管において過大な振動および騒音が発生するのを防止できる。
【0014】
請求項2の発明に係る水力機械の給気装置は、請求項1の発明において、前記吸出し管内の圧力変動を検出する圧力変動検出手段を設け、前記制御装置は前記圧力変動検出手段で検出された圧力変動に基づいて、前記開口部が前記吸出し管内の旋回流の下流方向に向くように、前記回転給気管の回転角度を制御することを特徴とする。
【0015】
このように構成した水力機械の給気装置においては、吸出し管内の圧力変動に基づいて回転給気管の回転角度を制御するので、開口部をより望ましい位置に置くことが可能となり、吸出し管内でホワールが発生するのを適正に抑制できる。
【0016】
請求項3の発明に係る水力機械の給気装置は、請求項1または請求項2の発明において、記制御装置は、水力機械の運転状態に対する回転給気管の開口部の角度を関数として格納し、前記水力機械の運転状態が入力されると前記関数に基づいて前記回転給気管の角度を制御する指令を駆動装置に出力することを特徴とする。
【0017】
このように構成した水力機械の給気装置においては、水力機械の運転状態に基づいて回転給気管の回転角度を制御するので、開口部をより望ましい位置に置くことが可能となり、吸出し管内でホワールが発生するのを適正に抑制できる。
【0018】
請求項4の発明に係る水力機械の給気装置は、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明において、前記回転給気管の管軸心に対して傾斜した前記開口部に代えて、前記回転給気管の円筒部周囲面に開口部を設けたことを特徴とする。
【0019】
このように構成した水力機械の給気装置においては、回転給気管の円筒部周囲面の開口部から給気が行われホワールを抑制する。
【0020】
請求項5の発明に係る水力機械の給気装置は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項の発明において、前記吸出し管の管壁に旋回流を抑制するフィンを設けたことを特徴とする。
【0021】
このように構成した水力機械の給気装置においては、回転給気管の開口部の位置を適正に調整してホワールを抑制すると共にフィンによっても旋回流を抑制できる。
【0022】
請求項6の発明に係る水力機械の給気装置は、水力機械で仕事を終えた水を吸い出す吸出し管の管軸心とほぼ垂直な軸を中心として回転する複数本の回転給気管と、前記回転給気管が回転自在となるように前記回転給気管にそれぞれ接続され他端から前記吸出し管内に発生する旋回流を抑制するための給気を大気より取り入れるための複数本の吸込み管と、前記回転給気管の管軸心に対して傾斜して設けられた開口部と、前記回転給気管の外周部に設けられ、前記旋回流によって前記回転給気管を自動で回転させるバッフルとを備えたことを特徴とする。
【0023】
このように構成した水力機械の給気装置においては、開口部の位置または角度を制御するための特別な装置を使用することなく、開口部を旋回流の方向に対して下流に向けることが可能であって、給気装置を極めて簡素に構成することができる。
【0024】
請求項7の発明に係る水力機械の給気装置は、請求項6の発明において、前記バッフルは、夾角を鋭角に曲げて形成される逆V字状プレートであり、この逆V字状プレートの頂点の位置を前記回転給気管のうち管壁の長い側に合わせて前記回転給気管に装着したことを特徴とする。
【0025】
このように構成した水力機械の給気装置においては、逆V字状プレートのバッフルにより、開口部を旋回流の方向に対して下流に向ける。
【0026】
請求項8の発明に係る水力機械の給気装置は、請求項6の発明において、前記バッフルは、前記回転給気管よりも大きい半径をもって湾曲させて形成された曲面プレートであり、この曲面プレートの頂点の位置を前記回転給気管のうち管壁の長い側に合わせて装着したことを特徴とする。
【0027】
このように構成した水力機械の給気装置においては、回転給気管よりも大きい半径をもって湾曲させて形成された曲面プレートにより、開口部を旋回流の方向に対して下流に向ける。
【0028】
請求項9の発明に係る水力機械の給気装置は、請求項6の発明において、前記バッフルは平板からなり、この平板を前記回転給気管のうち管壁の短い側の外周に突出させて設けたことを特徴とする。
【0029】
このように構成した水力機械の給気装置においては、開口部の位置または角度を制御するための特別な装置を使用することなく、開口部を旋回流の方向に対して下流に向けることが可能であって、給気装置を極めて簡素に構成することができる。
【0030】
請求項10の発明に係る水力機械の給気装置は、水力機械で仕事を終えた水を吸い出す吸出し管の管軸心とほぼ垂直な軸に沿って設けられた複数本の固定給気管と、前記固定給気管にそれぞれ接続され他端から前記吸出し管内に発生する旋回流を抑制するための給気を大気より取り入れるための複数本の吸込み管と、前記固定給気管の管軸心に対して傾斜すると共に旋回流の方向に対して下流に向けて形成された開口部とを備えたことを特徴とする。
【0031】
このように構成した水力機械の給気装置においては、給気管の開口部を旋回流の方向に対して下流に向く望ましい位置に置くことが可能で、吸出し管内でホワールが発生するのを抑制することができる。
【0032】
請求項11の発明に係る水力機械の給気装置は、請求項10の発明において、前記固定給気管の管軸心に対して傾斜した前記開口部に代えて、前記固定給気管の一部に設けられた凹部の中央部に開口部を設けたことを特徴とする。
【0033】
このように構成した水力機械の給気装置においては、固定給気管の一部に設けられた凹部近傍の圧力が低下した水流部分に開口部から給気がなされるので、適正にホワールの発生を抑制できる。
【0034】
請求項12の発明に係る水力機械の給気装置は、水力機械で仕事を終えた水を吸い出す吸出し管の管軸心とほぼ垂直な軸に沿って設けられた複数本の固定給気管と、前記固定給気管にそれぞれ接続され他端から前記吸出し管内に発生する旋回流を抑制するための給気を大気より取り入れるための複数本の吸込み管と、前記固定給気管の管軸心に対して傾斜すると共に水流の下流側に向けて形成された開口部と、前記開口部の傾斜面の反対側外周部に設けられ旋回流を抑制する突起物とを備えたことを特徴とする。
【0035】
このように構成した水力機械の給気装置においては、開口部からの給気によるホワールの抑制と共に、突起物によって旋回流を抑制してホワールの発生を抑制する。
【0036】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る水力機械の給気装置の説明図である。図1(a)は第1の実施の形態に係る給気装置をフランシス形水車に適用した場合の全体構成図、図1(b)は給気装置の詳細構成図、図1(c)は旋回流に対する開口部の位置の説明図である。この第1の実施の形態は、図16に示した従来例に対し、フィン11や給気管12に代えて、複数本の回転給気管13を設けると共に、これらの回転給気管13に大気を供給する吸込み管14を設けたものである。以下、図16に示した従来例と同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0037】
図1(a)において、吸出し管9内には、その管軸心とほぼ垂直な軸を中心として回転する複数個の回転給気管13が設けられている。この回転給気管13は一端の開口部(後記)を上部吸出し管9a内に臨ませると共に、他端が外部の空気を取り入れるように大気開放の吸込み管14と軸受装置23を介して回転自在に連結されている。
【0038】
この回転給気管13は、図1(b)に示すように、管軸に対して斜めに切断された開口部15を有する。この開口部15は、回転給気管13の回転動作に従って旋回流の方向に対して正確に下流に向けることができる。回転給気管13が上部吸出し管9aを貫く管壁部には封水パッキン16がそれぞれ設けられている。
【0039】
また、回転給気管13の開口部15の位置は、制御装置18からの指令で駆動装置17により設定される。すなわち、制御装置18により駆動装置17が駆動され回転給気管13に回転力を加えて、開口部15を決められた位置に設定する。
【0040】
本実施の形態は上記構成からなるもので、例えば部分負荷運転時のように、吸出し管9内の流れに旋回成分が生じ、吸出し管9の中心付近にて圧力が低下してホワールが発生する場合には、制御装置18から駆動装置17に指令を出力してホワールを抑制するように回転給気管13の開口部15の位置を設定する。
【0041】
制御装置18から駆動装置17に指令が与えられると、駆動装置17は回転給気管13を回転させ、図1(c)に示すように、開口部15が旋回流の方向に対して下流に向くような位置に設定する。
【0042】
このように、回転給気管13の開口部15を旋回流の方向に対して下流を向くように回転させると、旋回流によって開口部15周囲の圧力が降下する。このため、吸い込み管14の空気取り入れ口と開口部15との圧力差を十分大きくとることができ、十分な量の空気を回転給気管13から吸出し管9内に給気できる。
【0043】
したがって、本実施の形態によれば、吸出し管9内の流れの旋回成分に応じて常に回転給気管13の開口部15を旋回流の方向に対して下流を向くようにできるので、吸出し管9内において発生したホワールを運転状態によらず常に効果的に抑制することができる。
【0044】
(第2の実施の形態)
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る水力機械の給気装置の構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、吸出し管9内の圧力の変動を検出する圧力変動検出手段21を設け、制御装置18は圧力変動検出手段21で検出された圧力変動値に基づいて回転給気管13の回転方向と回転角度を瀬領するようにしたものである。
【0045】
吸出し管9内でホワールが発生すると、気泡化した渦の振れ回りによって吸出し管9内の圧力変動が大きくなる。本実施の形態はこの点に着目したものであり、圧力変動検出手段21としては、例えば、圧力検出器によって検出された圧力と予め定めた圧力の基準値からのずれを検出する構成や、または、圧力の時間に対する微分値や2階微分値を検出するものとすることができる。
【0046】
本実施の形態においても、回転給気管13は、図2に示すように、管軸に対して斜めに切断された開口部15を有するものであり、回転給気管13を回転させて開口部15の向きを適切に調整することにより吸出し管9内に円滑に給気を行えるようになっている。
【0047】
制御装置18は、圧力変動検出手段21で検出された圧力変動値に基づいて回転給気管13を回転させる指令を駆動装置17に出力して、回転給気管13の開口部15の位置を適正に調整する。
【0048】
本実施の形態は上記構成からなるもので、例えば部分負荷運転時のように、吸出し管9内の流れに旋回成分が生じ、吸出し管9の中心付近にて圧力が低下してホワールが発生する場合には、制御装置18が圧力変動検出手段21で検出された圧力変動値に基づき駆動装置17に指令を出力して、ホワールを抑制するように回転給気管13の開口部15の位置を調整する。
【0049】
すなわち、圧力変動検出手段21で検出された吸出し管9内の圧力変動値に応じて回転給気管13の回転方向と回転角度を求め、求めた角度に見合う指令で駆動装置17を駆動して回転給気管13を回転させる。これによって回転給気管13が回転し、回転給気管13の開口部15の位置が旋回流の方向に対して下流に向くように調整される。この追従動作のための指令は連続して駆動装置17に入力される。このため、吸出し管9内の圧力変動のために旋回流が不安定な場合であっても、開口部15の角度をきめ細かく制御することができる。
【0050】
この結果、開口部15の周囲で空気取り入れ部との圧力差が十分に得られ、多量の空気が吸込み管14から回転給気管13に流れ、さらに開口部15から吸出し管9内に流入する。こうして、十分な量の空気が流入することにより吸出し管9内においてホワールが抑制される。
【0051】
本実施の形態の給気装置で得られる自然給気の改善効果について図3に示すグラフによって説明する。実線Aによって示す曲線が本実施の形態の構成による場合の給気圧力の推移を表わし、点線Bで示す曲線が従来技術による場合の推移を表わす。両者を比較したとき、いずれの水車出力Pでも実線Aの給気圧力が点線Bの吸気圧力よりも格段に高いことが判る。
【0052】
本実施の形態においては吸出し管9内の圧力の変動に応じて回転給気管13の開口部15をきめ細かく制御することが可能で、吸出し管9内でホワールが発生するのを抑制することができる。これにより、吸出し管9において過大な振動および騒音が発生するのを防止することができる。
【0053】
(第3の実施の形態)
図4は、本発明の第3の実施の形態に係る水力機械の給気装置の構成図である。この第3の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、制御装置18は、落差または出力信号の変化に基づいて、開口部15が吸出し管9内の旋回流の下流方向に向くように、回転給気管13の回転角度を制御するようにしたものである。
【0054】
水力機械においては、出力と落差が定まると運転点が定まる。これにより水力機械の運転状態や、吸出し管9内の流れの状態を予測することができる。本実施の形態は、出力や落差といった運転状態に基づき、ホワールが発生する運転条件の際に回転給気管13の開口部15の向きを適切に調節して給気を行うことによって吸出し管9内に発生するホワールを抑制するものである。
【0055】
制御装置18には落差および出力信号が入力され、制御装置18は落差または出力信号に基づいて回転給気管13の回転角度を求め、求めた角度に見合う指令で駆動装置17を駆動して回転給気管13を回転させる。これによって、回転給気管13の開口部15の位置が旋回流の方向に対して下流に向くように調整される。
【0056】
図5は、回転給気管13の回転角度θ、回転方向、水車出力Pの関係を表わす特性図である。図5に示すように、現状の水車の出力Pから回転角度θおよび回転方向を求め、得られた値に基づいて制御装置18から駆動装置17に対して追従動作のための指令を与える。
【0057】
本実施の形態は上記構成からなるもので、ホワールを抑制するための回転給気管13の開口部15の角度を落差、出力などの水力機械の運転状態による関数として、例えば図5の特性図に示したような特性曲線を予め定めておく。そして、運転状態によってホワールが発生する場合、この関数に基づいて回転給気管13の開口部15の向きを調節するものである。
【0058】
制御装置18には水力機械の運転状態を示す、例えば落差や出力などの値が入力されており、例えば部分負荷運転時のように、吸出し管9内の流れに旋回成分が生じ、吸出し管9の中心付近にて圧力が低下してホワールが発生する場合には、図5の特性曲線よりホワールを抑制するために適切な回転給気管13の開口部15の回転角度θを求め、駆動装置17に指令を出力する。これにより、回転給気管13の開口部15の位置を調整して給気を行うことによって、ホワールを抑制する。
【0059】
すなわち、駆動装置17は制御装置18の指令によって、運転状態から予測された吸出し管9内の旋回流の方向に対して、回転給気管13の開口部15が下流側を向くように回転給気管13を回転させる。そして、制御装置18からの指令は連続して駆動装置17に入力されるので、回転給気管13の開口部15の角度をきめ細かく制御することができる。
【0060】
本実施の形態においては、水力機械の運転状態を示す落差または出力に基づいて予め定めた回転給気管13の開口部15の角度の関数を用いて回転給気管13の開口部15の角度をきめ細かく制御することが可能であるので、吸出し管9内でのホワールの発生を抑制できる。これにより、吸出し管9において過大な振動および騒音が発生するのを防止することができる。
【0061】
なお、本実施の形態では、水力機械の運転状態を示す変数として落差と出力を用いたが、流量などの値を用いてもよい。また、本実施の形態に第2の実施の形態を組み合わせ、運転状態と、吸出し管9内の圧力変動値によって回転給気管13の開口部15の位置を調節する構成とすれば、制御の応答性や正確性を高めることが可能である。
【0062】
(第4の実施の形態)
図6は、本発明の第4の実施の形態に係る水力機械の給気装置の説明図であり、図6(a)は給気装置の構成図、図6(b)は旋回流に対する開口部の位置の説明図である。この第4の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、回転給気管13の管軸心に対して傾斜した開口部15に代えて、回転給気管13の円筒部周囲面に開口部15aを設けたものである。その他の構成は、図1に示した第1の実施の形態と同一であるので、同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0063】
制御装置18からの制御指令で駆動装置17は回転給気管13を吸出し管9内で回転させる。このとき、回転給気管13の開口部15aがそれぞれ斜め下に向き、回転給気管13に流れた空気が開口部15aから吸出し管9内に吹き出す。これにより、旋回流の気泡渦に給気を送ることが可能になる。
【0064】
この回転給気管13は吸出し管9の管軸心とほぼ垂直に配置され、回転給気管13の周りではその下流側に流れの少ない不安定な領域が生じる。この領域は圧力が低くなっており、開口部15aの位置を回転給気管13を回転させることにより、図6(b)に示すように、この圧力の低い領域に合わせる。こうして、大気圧との間で十分な圧力差を保つことが可能になり、旋回流の気泡渦に対して十分な量の空気を供給することができる。
【0065】
通常、水力機械の運転条件が変化すると、旋回流の挙動も大きく変化する。このとき、回転給気管13の周りでは流れの方向も変わることから、圧力の低い領域の方向も変化する。このようなときも、本実施の形態では運転状態に応じて制御装置18からの制御指令により駆動装置17を動作させて回転給気管13を回転させて開口部15aの位置を下流側に合わせる。こうして、大気圧との間で十分な差圧を保つことが可能になり、不足のない量の給気を導くことができる。
【0066】
本実施の形態においては運転状態の変化に応じてきめ細かく回転給気管13の開口部15aの位置を変えて回転給気管13の下流側の圧力の低い領域に合わせることで、常に不足のない給気を導くことができる。
【0067】
以上の説明では、第1の実施の形態に対し、回転給気管13の円筒部周囲面に開口部15aを設けた場合について説明したが、第2の実施の形態や第3の実施の形態に対し、回転給気管13の管軸心に対して傾斜した開口部15に代えて、回転給気管13の円筒部周囲面に開口部15aを設けるようにしても良い。
【0068】
(第5の実施の形態)
図7は、本発明の第5の実施の形態に係る水力機械の給気装置の構成図である。この第5の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、吸出し管9の管壁に旋回流を抑制するフィンを設けたものである。
【0069】
フィン11は旋回流を抑制する働きがある一方、フィン11の下流側では圧力が低下し、キャビテーションが発生する。このキャビテーションが発生している箇所では当然圧力が低下しているので、この位置に取り付けられた回転給気管13の開口部15の周囲も圧力が低くなる。このため、空気取り入れ部との圧力差が増し、多量の給気が吸込み管から回転給気管13に流れ、開口部15から吸出し管9内に流入する。これにより、より大量の給気が流入し吸出し管9内においてホワールが発生するのを防ぐことができる。
【0070】
本実施の形態の給気装置で得られる自然給気の改善効果について図8に示すグラフによって説明する。実線Aによって示す曲線が本実施の形態の構成による場合の給気圧力の推移を表わし、点線Bで示す曲線が従来技術による場合の推移を表わす。両者を比較すると、いずれの水車出力Pにおいても、本実施の形態の給気装置を用いたときに格段に高い値が得られることが判る。また、出力に影響されない利点があり、広い範囲にわたって高い性能を得ることが可能である。
【0071】
本実施の形態においては出力に影響されないで、また、広い範囲にわたって高い性能を保ってホワールが発生するのを抑制することができ、吸出し管9において過大な振動および騒音が発生するのを防止することが可能になる。
【0072】
以上の説明では、第1の実施の形態に対し、フィン11を設ける場合について説明したが、第2の実施の形態、第3の実施の形態、第4の実施の形態に対し、フィン11を設けるようにしても良い。
【0073】
(第6の実施の形態)
図9は、本発明の第6の実施の形態に係る水力機械の給気装置の説明図であり、図9(a)は給気装置の構成図、図9(b)は給気装置の回転給気管の詳細構成図、図9(c)は旋回流に対する開口部の位置を示す説明図である。この第6の実施の形態は、駆動装置17および制御装置18に代えてバッフルを設け、回転給気管13を水流により自動で回転させるようにしたものである。すなわち、回転給気管13にバッフルとしての逆V字状プレート22を設け、その頂点Pが水流に向くようにしたものである。
【0074】
本実施の形態においても回転給気管13の開口部15は、管軸に対して傾斜して設けられている。そして、図9(a)に示すように、回転給気管13の管壁が長い側の外周部にバッフルである逆V字状プレート22がその頂点Pの位置をほぼ合わせて設けられる。この逆V字状プレート22は、図9(b)に示すように、それの夾角ηを鋭角に曲げて形成され、その頂点Pが水流に向くように装着される。この回転給気管13はそれぞれ軸受装置23によって回転可能に支承される。
【0075】
上記構成において、吸出し管9内の水流中に置かれた回転可能な回転給気管13には、水流と対向する逆V字状プレート22の上面に水流が衝突する。吸出し管9内で旋回成分を有する流れが生じ、これが逆V字状プレート22に当たると、それぞれ逆V字状プレート22は、その頂点Pが水流に向けられているので、回転給気管13が旋回流に順応して自動的に回転し、図9(c)に示すように、開口部15が旋回流の方向に対して下流に向く。
【0076】
このとき、回転給気管13の開口部15の周囲では圧力が降下するために空気取り入れ部と開口部15との圧力差が増し、多量の給気が回転給気管13に流れ、開口部15を通って吸出し管9内に流入する。これにより、より大量の給気が流入し、吸出し管9内においてホワールが発生するのを防ぐことができる。
【0077】
本実施の形態においては、上記した効果に加えて、開口部15の位置または角度を制御するための特別な装置を使用することなく、開口部15を旋回流の方向に対して下流に向けることが可能であって、給気装置を極めて簡素に構成することができる。
【0078】
(第7の実施の形態)
図10は、本発明の第7の実施の形態に係る水力機械の給気装置の説明図であり、図10(a)は給気装置の構成図、図10(b)は給気装置の回転給気管の詳細構成図、図10(c)は旋回流に対する開口部の位置を示す説明図である。
【0079】
この第7の実施の形態は、図9に示した第6の実施の形態に対し、バッフルとして逆V字状プレート22に代えて、曲面プレート24を用いたものである。
【0080】
図10(a)に示すように、回転給気管13の管壁が長い側の外周部に、バッフルとしての曲面プレート24がその頂点Pの位置をほぼ合わせて設けられる。この曲面プレート24は、図10(b)に示すように、給気管よりも十分に大きい半径をもって湾曲させて形成され、その頂点Pが水流に向くように装着される。回転給気管13はそれぞれ軸受装置23によって回転可能に支承される。
【0081】
上記構成において、水流中に置かれた回転可能な回転給気管13には水流と対向する曲面プレート24の上面に水流が衝突する。吸出し管9内で旋回成分を有する流れが生じ、これが曲面プレート24に当たると、それぞれ曲面プレート24はその頂点Pが水流に向けられているので、回転給気管13が旋回流に順応して自動的に回転し、図10(c)に示すように、開口部15が旋回流の方向に対して下流に向く。
【0082】
このとき、回転給気管13の開口部15の周囲では圧力が降下するために空気取り入れ部と開口部15との圧力差が増し、多量の給気が回転給気管13に流れ、開口部15を通って吸出し管9内に流入する。これにより、より大量の給気が流入し、吸出し管9内においてホワールが発生するのを防ぐことができる。
【0083】
本実施の形態においては、第6の実施の形態と同様に、開口部15の位置または角度を制御するための特別な装置を使用しないで、開口部15を旋回流の方向に対して下流に向けることが可能で、給気装置を極めて簡素に構成することができる。
【0084】
(第8の実施の形態)
図11は、本発明の第8の実施の形態に係る水力機械の給気装置の説明図であり、図11(a)は給気装置を示す構成図、図11(b)は給気装置の回転給気管の詳細構成図、図11(c)および図11(d)は旋回流に対する開口部の位置を示す説明図である。この第8の実施の形態は、図9に示した第6の実施の形態に対し、逆V字状プレートに代えて、回転給気管13の外周部に突出して均圧部材25をバッフルとして設けたものである。この均圧部材25は、第6の実施の形態にて設けた逆V字状プレートとは逆の位置、すなわち管軸に対して傾斜した開口部15を有する回転給気管13のうち管壁の短い側の外周部に突出して設けられており、板状の部材によって構成されている。
【0085】
図11(a)に示すように、回転給気管13のうち管壁の短い側の外周部に圧力を平衡させる均圧部材25が設けられている。この均圧部材25は、図11(b)に示すように、平板状に形成され、通過する水流を隔てるために回転給気管13の反水流側の極点に配置される。回転給気管13はそれぞれ軸受装置23によって回転可能に支承される。
【0086】
上記構成において、吸出し管9内に旋回流が発生していないときは、回転可能な回転給気管13は吸出し管9内の真っ直ぐ下方に向かう流れにより均圧部材25の両面で圧力が平衡し、図11(b)に示すような反水流側の極点にある均圧部材25が下方に向く姿勢を保っている。一方、旋回流が発生すると、最初、回転給気管13の上部から分離して流れる旋回流が均圧部材25の片側(図において左側)に衝突することで、均圧部材25の両面で圧力の平衡状態がくずれ、図11(c)に示すように、圧力の高い左側から圧力の低い右側へ均圧部材25が移動し始める。
【0087】
その後、分離して流れる旋回流が均圧部材25の移動によって、均圧部材25の両側に衝突し始め、時間の経過と共に均圧部材25の両面において圧力が平衡し、このとき、均圧部材25が傾斜したまま、回転給気管13の開口部15が図11(d)に示すような、旋回流の方向に対して下流に向いた姿勢を保持するようになる。
【0088】
この開口部15の位置が変化したとき、回転給気管13の開口部15の周囲では圧力が低下し、空気取り入れ部と開口部15との圧力差が増大し、多量の給気が回転給気管13に流れ、開口部15を通って吸出し管9内に流入する。これにより、より大量の給気が流入し、吸出し管9内においてホワールが発生するのを防ぐことができる。
【0089】
本実施の形態においては、先に述べた第6の実施の形態や第7の実施の形態と同様に、開口部15の位置または角度を制御するための特別な装置を使用しないで、開口部15を旋回流の方向に対して下流に向けることが可能になり、給気装置を極めて簡素に構成することができる。
【0090】
(第9の実施の形態)
図12は、本発明の第9の実施の形態に係る水力機械の給気装置の構成図である。この第9の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態の回転給気管13に代えて、固定給気管19を設け、その固定給気管に設けた開口部15は、管軸心に対して傾斜すると共に旋回流の方向に対して下流に向けて形成したものである。水力機械の旋回流の特性からその方向が特定の向きで安定している場合には、回転給気管13に代えて、開口部15を予め決めた位置に保持する固定給気管19を使用してもよい。
【0091】
図12に示すように、給気管19は上部吸出し管9aを貫いて管内に設けられ、開口部15は旋回流方向に対して下流に向けて配置される。これにより給気装置をより安価に構成することが可能になる。
【0092】
図13は、本実施の形態の給気装置で得られる自然給気の改善効果についてのグラフである。図13において、実線Aによって示す曲線が本実施の形態の構成による場合の給気圧力の推移を表わし、点線Bで示す曲線が従来技術による場合の推移を表わす。給気圧力は、当然、零よりも高い一定の水準でなければ、給気を導くことはできない。双方の測定値は大部分の水車出力Pでこの給気を導くことのできる水準を超えているが、両者を比較したとき、いずれの水車出力Pでも実線Aの給気圧力が点線Bの吸気圧力よりも高いことが判る。
【0093】
通常、多量の給気を必要とするのは、部分負荷運転や過負荷運転などで振動が最大値を呈するときであるが、事前の予測からこのような運転条件であるときに最も大量の給気が流入するように固定給気管19の開口部15の位置を決定する。
【0094】
本実施の形態においては固定給気管19の開口部15を予め予想される旋回流の方向に対して下流に向くように設置しておくので、吸出し管9内でホワールが発生した場合にはホワールを抑制できる。これにより、吸出し管9において過大な振動および騒音が発生するのを防止することができる。
【0095】
(第10の実施の形態)
図14は、本発明の第10の実施の形態に係る水力機械の給気装置の説明図であり、図14(a)は構成図、図14(b)は旋回流に対する開口部の位置を示す説明図である。この第10の実施の形態は、図12に示した第9の実施の形態に対し、固定給気管19の管軸心に対して傾斜した開口部15に代えて、固定給気管19の一部に凹部20を形成しこの凹部20の中央部に開口部15bを設けたものである。
【0096】
図14(a)に示すように、上部吸出し管9a内に配置される固定給気管19には断面がV字状の凹部20が形成されており、この部分は水流の下流側に向けて配置されている。開口部15bは、図14(b)に示すようにこのV字状の凹部20のほぼ中心に形成されている。
【0097】
本実施の形態は上記構成からなるもので、固定給気管19が水流の流れに垂直に配置されることから、固定給気管19の凹部20の下流側に流れの少ない不安定な領域が生じる。この領域は圧力が降下しており、そこに臨ませた開口部15b付近の圧力も降下する。この圧力降下により大気圧と一定の圧力差を保つことが可能になり、気泡渦に対して十分な量の空気を供給することができる。
【0098】
このような固定給気管19を用いることにより、大気圧との圧力差を保つのに特別な手段を用いる必要がなく、極めて安価に構成することが可能である。また、本実施の形態においては固定給気管19の凹部20の開口部15bを圧力の降下する領域に合わせて配置するので、常に不足のない給気を導くことができる。
【0099】
なお、本実施の形態の固定給気管19を第1の実施の形態等で示した回転給気管13として採用することも可能である。そして、このようにすることでより円滑に給気を行い、吸出し管9において過大な振動および騒音が発生するのをより効果的に防止することが可能となる。
【0100】
(第11の実施の形態)
図15は、本発明の第11の実施の形態に係る水力機械の給気装置の説明図であり、図15(a)は構成図、図15(b)は旋回流に対する開口部の位置を示す説明図である。この第11の実施の形態は、固定給気管19の管軸心に対して傾斜して形成された開口部15の傾斜面の反対側外周部に旋回流を抑制する突起物27を設けたものである。
【0101】
図15(a)に示すように、固定給気管19の開口部15の外周部に、図15(b)に示すような突起物27を設ける。
【0102】
吸出し管9内を流動する旋回流は、固定給気管19の突起物27と衝突して大きく乱れ、突起物27の下流にある開口部15の周囲で圧力が低下する。このため、吸込み管の空気取り入れ口と開口部15との圧力差が増大し、多量の給気が固定給気管19に流れ、開口部15を通って吸出し管9内に流入する。これにより、より大量の給気が流入し、吸出し管9内においてホワールが発生するのを防ぐことができる。
【0103】
この自然給気効果を高める突起物27によれば、従来使用されていたホワール対策用の大形のフィン11と異なり、固定給気管19を通過する流体に限り、擾乱を生じさせ、局所的に圧力を下げることができる。これにより、効率の低下を最小に抑えることが可能になる。
【0104】
本実施の形態においては、固定給気管19を通過する流体に限り擾乱を生じさせ、開口部15の周囲の圧力を下げることが可能で、給気装置を極めて簡素に構成することができる。
【0105】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明においては給気装置の回転給気管を水力機械の運転条件に応じて適切に制御するので、水流の状態に即して望ましい位置を保持することができホワールを抑制できる。また、固定給気管の場合においても、予め開口部が水流の下流側に向けて配置され、開口部の周囲の圧力を低下させるので、ホワールを抑制できる。従って、吸出し管において過大な振動および騒音が発生するのを抑えて水力機械を安定に運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る水力機械の給気装置の説明図であり、図1(a)は給気装置をフランシス形水車に適用した場合の全体構成図、図1(b)は給気装置の詳細構成図、図1(c)は旋回流に対する開口部の位置の説明図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る水力機械の給気装置の構成図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る水力機械の給気装置による給気と自然給気との効果を示すグラフである。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る水力機械の給気装置の構成図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における回転給気管の回転角度θ、回転方向、水車出力Pの関係を表わす特性図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る水力機械の給気装置の説明図であり、図6(a)は給気装置の構成図、図6(b)は旋回流に対する開口部の位置の説明図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態に係る水力機械の給気装置の構成図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態に係る水力機械の給気装置による給気と自然給気との効果を示すグラフである。
【図9】本発明の第6の実施の形態に係る水力機械の給気装置の説明図であり、図9(a)は給気装置の構成図、図9(b)は給気装置の回転給気管の詳細構成図、図9(c)は旋回流に対する開口部の位置を示す説明図である。
【図10】本発明の第7の実施の形態に係る水力機械の給気装置の説明図であり、図10(a)は給気装置の構成図、図10(b)は給気装置の回転給気管の詳細構成図、図10(c)は旋回流に対する開口部の位置を示す説明図である。
【図11】本発明の第8の実施の形態に係る水力機械の給気装置の説明図であり、図11(a)は給気装置を示す構成図、図11(b)は給気装置の回転給気管の詳細構成図、図11(c)および図11(d)は旋回流に対する開口部の位置を示す説明図である。
【図12】本発明の第9の実施の形態に係る水力機械の給気装置の構成図である。
【図13】本発明の第9の実施の形態に係る水力機械の給気装置による給気と自然給気との効果を示すグラフである。
【図14】本発明の第10の実施の形態に係る水力機械の給気装置の説明図であり、図14(a)は構成図、図14(b)は旋回流に対する開口部の位置を示す説明図である。
【図15】本発明の第11の実施の形態に係る水力機械の給気装置の説明図であり、図15(a)は構成図、図15(b)は旋回流に対する開口部の位置を示す説明図である。
【図16】従来の水力機械の給気装置の一例を示す説明図であり、図16(a)は給気装置を示す全体構成図、図16(b)は給気装置の詳細構成図である。
【符号の説明】
1…ケーシング、2…ステイベーン、3…ステイリング、4…ガイドベーン、5…ランナ、5a…ランナベーン、6…ランナコーン、7…上カバー、8…下カバー、9…吸出し管、9a…上部吸出し管、10…水車側主軸、11…フィン、12…給気管、13…回転給気管、14…吸込み管、15…開口部、16…封水パッキン、17…駆動装置、18…制御装置、19…固定給気管、20…凹部、21…圧力変動検出手段、22…逆V字状プレート、23…軸受装置、24…曲面プレート、25…均圧部材、27…突起部

Claims (12)

  1. 水力機械で仕事を終えた水を吸い出す吸出し管の管軸心とほぼ垂直な軸を中心として回転する複数本の回転給気管と、前記回転給気管が回転自在となるように前記回転給気管にそれぞれ接続され他端から前記吸出し管内に発生する旋回流を抑制するための給気を大気より取り入れるための複数本の吸込み管と、前記回転給気管の管軸心に対して傾斜して設けられた開口部と、前記回転給気管を駆動する駆動装置と、前記回転給気管の前記開口部が旋回流の下流方向に向くように前記駆動装置に指令を出力する制御装置とを備えたことを特徴とする水力機械の給気装置。
  2. 前記吸出し管内の圧力変動を検出する圧力変動検出手段を設け、前記制御装置は前記圧力変動検出手段で検出された圧力変動に基づいて、前記開口部が前記吸出し管内の旋回流の下流方向に向くように、前記回転給気管の回転角度を制御することを特徴とする請求項1に記載の水力機械の給気装置。
  3. 前記制御装置は、水力機械の運転状態に対する回転給気管の開口部の角度を関数として格納し、前記水力機械の運転状態が入力されると前記関数に基づいて前記回転給気管の角度を制御する指令を駆動装置に出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水力機械の給気装置。
  4. 前記回転給気管の管軸心に対して傾斜した前記開口部に代えて、前記回転給気管の円筒部周囲面に開口部を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の水力機械の給気装置。
  5. 前記吸出し管の管壁に旋回流を抑制するフィンを設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の水力機械の給気装置。
  6. 水力機械で仕事を終えた水を吸い出す吸出し管の管軸心とほぼ垂直な軸を中心として回転する複数本の回転給気管と、前記回転給気管が回転自在となるように前記回転給気管にそれぞれ接続され他端から前記吸出し管内に発生する旋回流を抑制するための給気を大気より取り入れるための複数本の吸込み管と、前記回転給気管の管軸心に対して傾斜して設けられた開口部と、前記回転給気管の外周部に設けられ、前記旋回流によって前記回転給気管を自動で回転させるバッフルとを備えたことを特徴とする水力機械の給気装置。
  7. 前記バッフルは、夾角を鋭角に曲げて形成される逆V字状プレートであり、この逆V字状プレートの頂点の位置を前記回転給気管のうち管壁の長い側に合わせて前記回転給気管に装着したことを特徴とする請求項6に記載の水力機械の給気装置。
  8. 前記バッフルは、前記回転給気管よりも大きい半径をもって湾曲させて形成された曲面プレートであり、この曲面プレートの頂点の位置を前記回転給気管のうち管壁の長い側に合わせて装着したことを特徴とする請求項6に記載の水力機械の給気装置。
  9. 前記バッフルは平板からなり、この平板を前記回転給気管のうち管壁の短い側の外周に突出させて設けたことを特徴とする請求項6記載の水力機械の給気装置。
  10. 水力機械で仕事を終えた水を吸い出す吸出し管の管軸心とほぼ垂直な軸に沿って設けられた複数本の固定給気管と、前記固定給気管にそれぞれ接続され他端から前記吸出し管内に発生する旋回流を抑制するための給気を大気より取り入れるための複数本の吸込み管と、前記固定給気管の管軸心に対して傾斜すると共に旋回流の方向に対して下流に向けて形成された開口部とを備えたことを特徴とする水力機械の給気装置。
  11. 前記固定給気管の管軸心に対して傾斜した前記開口部に代えて、前記固定給気管の一部に設けられた凹部の中央部に開口部を設けたことを特徴とする請求項10に記載の水力機械の給気装置。
  12. 水力機械で仕事を終えた水を吸い出す吸出し管の管軸心とほぼ垂直な軸に沿って設けられた複数本の固定給気管と、前記固定給気管にそれぞれ接続され他端から前記吸出し管内に発生する旋回流を抑制するための給気を大気より取り入れるための複数本の吸込み管と、前記固定給気管の管軸心に対して傾斜すると共に水流の下流側に向けて形成された開口部と、前記開口部の傾斜面の反対側外周部に設けられ旋回流を抑制する突起物とを備えたことを特徴とする水力機械の給気装置。
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