JP2013124605A - 蒸気弁および発電設備 - Google Patents

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Tsutomu Oishi
勉 大石
Kazunori Ikeda
和徳 池田
Masayuki Ichimonji
正幸 一文字
Shinji Watanabe
晋司 渡邉
Ryuhei Takemaru
竜平 竹丸
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Abstract

【課題】微小開度に維持する間における弁体の下流側の圧力変動を抑制する機構を備える蒸気弁を提供する。
【解決手段】蒸気弁10は、ケーシング11と、弁座12と、第1の弁体13と、第2の弁体14と、スワール機構15とを備える。ケーシング11は、蒸気入口111及び蒸気出口112を有する。弁座12は、蒸気入口111と蒸気出口112の間に設置される。第1の弁体13は、上流側から弁座12に当接する第1のシール部131を有する。第2の弁体14は、第1の弁体13を格納する大きさの凹部142を下流側に備え、上流側から弁座12に当接する第2のシール部141を有する。スワール機構15は、第1の弁体13を中心とする下流へ向かう螺旋状の旋回流Spを第1の弁体13の第1のシール部131よりも下流側に発生させる。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、蒸気の流量を制御する蒸気弁及びこの蒸気弁を備える発電設備に関する。
蒸気の流量を制御または遮断するために、蒸気タービンの上流側に蒸気弁が設置されている。高圧タービンの上流に設置される蒸気弁として、主蒸気止弁と蒸気加減弁がある。これらは個々に独立しており、直列に配列される。中圧タービンの上流に設置される蒸気弁は、止弁とインターセプト弁とを一つのケーシングに組み込んだ組合せ再熱蒸気弁(以下、単に「再熱蒸気弁」と呼ぶ)である。
再熱蒸気弁は、上流側に配置されたボイラの再熱器で加熱された蒸気が蒸気入口管を通して供給される。再熱蒸気弁を通過した蒸気は、蒸気出口管から下流側の中圧タービンへ導かれる。再熱蒸気弁のインターセプト弁の弁体は、上流側から弁棒およびガイドに支持され駆動される。再熱蒸気弁の止弁の弁体は、インターセプト弁の下流側に配置され、下流側から弁棒で支持され駆動される。インターセプト弁の弁体は、止弁の弁体の外周を囲って設置される。インターセプト弁の弁体及び止弁の弁体に対応する弁座は、一体に形成されている。インターセプト弁の弁座は、止弁の弁座の外周に設けられる。再熱蒸気弁は、インターセプト弁及び止弁の弁体を囲む上流側に多孔板で構成されたストレーナを有している。
再熱蒸気弁は、インターセプト弁または止弁のどちらを閉じても蒸気流路を閉鎖できる。一般に、定格運転中の発電設備において、再熱蒸気弁の止弁は全開状態であり、蒸気流量はインターセプト弁によって制御される。
特開2009−85201号公報 特表2002−535544号公報
発電設備の出力を小さくするために、再熱蒸気弁の開度を小さくすることがある。このような場合、蒸気は、弁体と弁座の間でチョークされ、状態変化を伴う激しい流れとなり、弁や配管を振動させる。蒸気タービンの運転において、タービンを昇速するとき、負荷が変動するとき、あるいは稼働ボイラ数を減らしているときなど、再熱蒸気弁を微小開度に保持して運転することがある。
再熱蒸気弁を微小開度にする、すなわちインターセプト弁を微小開度にする場合にも、止弁は全開状態である。このとき、止弁の弁体は、弁棒に中心を支持され、インターセプト弁の弁体の内側に非接触で入り込んだ状態になる。インターセプト弁の弁体と弁座の間に作られるスロート部を通過した蒸気は、概ねそのほとんどが再熱蒸気弁の出口に向かって流れる。しかし、スロート部を通過した蒸気の一部は、インターセプト弁の弁体の内側に配置された止弁の弁体の下流面に向かう渦を発生する。この渦は、インターセプト弁を微小開度に維持する間、形成され続ける。
スロート部を通過する蒸気は、圧力変化が激しい流れである。したがって、スロート部の下流側において蒸気は膨張し、不安定な挙動を示す。その結果、止弁の弁体の下流側に発生する渦の強さも不安定に変化する。この不安定な渦は、不規則な圧力変化を生じる。そして、この不規則な圧力変化が、再熱蒸気弁に振動を発生させる原因となっていると考えられる。
止弁を用いて再熱蒸気弁を微小開度にすることも可能ではあるが、止弁の弁体と弁座の間に作られたスロート部を流れる蒸気は、インターセプト弁を微小開度にしたときと同様の渦を発生する。つまり、止弁を用いて再熱蒸気弁を微小開度にしても、止弁の弁体の下流に発生する渦によって再熱蒸気弁が振動する。
インターセプト弁と止弁とを併用して再熱蒸気弁を微小開度にする方法も知られている。しかし、インターセプト弁の弁体及び止弁の弁体と弁座との間に形成されるスロート部の形状がわずかに変化するだけで、スロート部の内壁、すなわちそれぞれの弁体と弁座に作用する圧力が激しく変化する。弁座はケーシングに固定されているため、圧力変化は弁体に作用する。このとき圧力は、弁体を押し広げる方向に作用する場合と、弁体を弁座に吸い寄せる方向に作用することがある。つまり、弁体を保持する駆動装置に加わる荷重の方向が逆転することがある。そのため、それぞれの弁の弁体を微小開度になるように調整しその状態を維持する制御は難しい。
そこで、本発明は、微小開度に維持する間における弁体の下流側の圧力変動を抑制する機構を備える蒸気弁、およびこの蒸気弁を備える発電設備を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態の蒸気弁は、ケーシングと、弁座と、第1の弁体と、第2の弁体と、スワール機構とを備える。ケーシングは、蒸気入口及び蒸気出口を有する。弁座は、蒸気入口と蒸気出口の間に設置される。第1の弁体は、上流側から弁座に当接する第1のシール部を有する。第2の弁体は、第1の弁体を格納する大きさの凹部を下流側に備え、上流側から弁座に当接する第2のシール部を有する。スワール機構は、第1の弁体を中心とする下流へ向かう螺旋状の旋回流を第1の弁体の第1のシール部よりも下流側に発生させる。
第1の実施形態の蒸気弁を備える発電設備を模式的に示す図。 図1に示した蒸気弁が全開状態である時の断面図。 図2に示した蒸気弁が微小開度状態である時の断面図。 図3に示した蒸気弁の第1の弁体を下流側から見た斜視図。 図3に示した第1の弁体の下流側の蒸気の流れを示す断面図。 第2の実施形態の蒸気弁の第1の弁体と下流側の蒸気の流れを示す断面図。 第3の実施形態の蒸気弁を示す断面図。 図7に示した蒸気弁の第1の弁体を上流側から見た斜視図。 図8に示した第1の弁体の平面図。 図9中のF10−F10線に沿って第1の孔の中心を通る第1の弁体の断面図。 第4の実施形態の蒸気弁を示す断面図。 図11に示した第1の弁体の下流側の蒸気の流れを示す断面図。 第5の実施形態の蒸気弁の微小開度状態である時の蒸気弁の中心を通る断面図。 図13に示した第2の弁体の側面図。 図14中のF15−F15線を通る断面図。 図13に示した第1の弁体の下流側の蒸気の流れを示す断面図。
第1の実施形態の蒸気弁10及びその蒸気弁を備える発電設備1について、図1から図5を参照して説明する。図1に示す発電設備1は、ボイラ2と、蒸気タービン3と、復水器4と、低圧給水加熱器5と、給水ポンプ6と、高圧給水加熱器7と、発電機8と、蒸気弁10とを備える。ボイラ2は、化石燃料の燃焼に伴う熱を利用して蒸気を発生させる。蒸気タービン3は、ボイラ2から排出された蒸気を用いて回転される。復水器4は、蒸気タービン3で用いられた蒸気を回収する。低圧給水加熱器5は、復水器4から供給される水を加熱する。給水ポンプ6は、低圧給水加熱器5で加熱された水を昇圧する。高圧給水加熱器7は、給水ポンプ6から送られてくる水を加熱する。発電機8は、蒸気タービン3に連結され、蒸気タービン3の回転力で発電する回転電気である。
蒸気タービン3は、図1に示すように高圧タービン31と中圧タービン32と低圧タービン33とを有している。高圧タービン31は、ボイラ2から得られる主蒸気が導かれる。高圧タービン31から排出された蒸気は、再びボイラ2に送られ、ボイラ2内の再熱器21によって再加熱される。中圧タービン32は、再加熱された再熱蒸気が導かれる。中圧タービン32から排出された再熱蒸気は、クロスオーバ管34に集められる。低圧タービン33は、クロスオーバ管34に集められた蒸気が導かれる。
蒸気弁10は、再熱器21から出る蒸気入口配管22と中圧タービン32へ蒸気を導く流路となる蒸気出口配管23との間に設置される、再熱蒸気弁である。この蒸気弁10は、図2及び図3に示すように、ケーシング11と、弁座12と、第1の弁体13と、第2の弁体14と、スワール機構15とを備える。ケーシング11は、蒸気入口111及び蒸気出口112を有する。弁座12は、円環形状であり、この蒸気入口111と蒸気出口112との間に配置される。
第1の弁体13は、上流側から弁座12に当接する第1のシール部131を有し、弁座12の中心線C上に配置されて弁座12の下流側に延びる第1の弁棒132に支持される。第1の弁棒132が駆動されることによって、第1の弁体13は、第1のシール部131を弁座12のシート部121に当接させた全閉状態から、蒸気の流れを制限しない位置まで弁座12から離れた全開状態まで無段階に変位する。本実施形態において全閉状態の第1の弁体13は、蒸気入口111と蒸気出口112の間の蒸気の流れを止める。
第2の弁体14は、第1の弁体13よりも外周の弁座12に上流側から当接する第2のシール部141を有し、図2に示すように第1の弁体13を格納する大きさの凹部142を下流側に備えている。第2の弁体14は、弁座12の中心線C上に配置されて上流側に延びた第2の弁棒143に支持されている。第2の弁棒143が駆動されることによって、第2の弁体14は、第1の弁体13が全開状態であるか全閉状態であるかにかかわらず、第2のシール部141を弁座12のシート部121に当接させて蒸気入口111と蒸気出口112の間の蒸気の流れを止める全閉状態から、蒸気の流れを制限しない位置まで弁座12から離れた全開状態まで、無段階に変位する。
また、弁座12の中心線C上の上流側のケーシング11は、弁座12の外径よりも大きく開口している。開口部には、蓋113がボルト114で固定されている。本実施形態において第2の弁体14を支持する第2の弁棒143は、この蓋113に通されている。弁座12と反対側に延びる第2の弁体14の外周、すなわち蓋113側に延びた第2の弁体14の外周は、円筒状のガイド115に挿入されている。ガイド115は、蓋113の内側に固定されている。
この実施形態の蒸気弁10において、第1の弁体13、第1の弁棒132、第2の弁体14、第2の弁棒143は、弁座12の中心線C上に同軸に配置されている。蒸気入口111は、第1の弁棒132および第2の弁棒143の中心軸に対して平行な方向から直交する方向に蒸気を導入する。蒸気出口112は、第1の弁棒132に対して直交する方向へ蒸気を排出する。
蒸気弁10は、図2に示すように、第1の弁体13と第2の弁体14の外周を囲繞して弁座12と蓋113との間に配置されるストレーナ116を備える。このストレーナ116は、ボイラ2から排出されるある程度大きな異物が下流側の中圧タービン32へ流れることを防止するために設置される。ストレーナ116は、円筒状であり、多数の孔116aを有している。ストレーナ116は、整流機能も兼ね備える。そのためにストレーナ116の孔116aは、弁座12を通過する蒸気の流れが弁座12の中心線Cに対して均質になるように配置される。
スワール機構15は、図3に示すように、第1の弁体13が微小開度状態に保持されている場合に、第1の弁体13を中心とする下流へ向かう螺旋状の旋回流Spを、第1の弁体13の第1のシール部131よりも下流側に、発生させる。本実施形態の場合、スワール機構15は、図4に示すように、第1の弁体13の第1のシール部131よりも下流側の外面に形成される複数の溝151で構成される。この溝151は、第1の弁体13の外周から中心軸に向かう方向に対して少し傾いた方向に沿って形成される。つまり、複数の溝151は、中心軸に対して周方向に等配に、かつ、旋回流Spの流線に対して接線方向に配置される。
なお、図4に示した溝151は、直線状であるが、円弧状に形成されていてもよい。また、溝151は、第1の弁体13の第1のシール部131よりも下流側に旋回流Spを発生させることができるように構成されればよい。したがって、溝151の幅、深さ、本数は、適宜最適になるように選択される。また、この実施形態のスワール機構15は、上流側から見て時計回りに旋回流Spを発生するように構成されているが、反時計回りに旋回流Spを発生するように構成されていてもよい。
以上のように構成された発電設備1の蒸気弁10は、中圧タービン32に流入する蒸気を非常時に瞬時に遮断する保全弁としての機能、および、中圧タービン32に流入する蒸気の流量を調節する蒸気量調節機能を有している。第1の弁体13は、主に止弁として機能し、第2の弁体14は、主に流量調整弁(インターセプト弁)として機能する。
発電設備1の通常運転状況において、ボイラ2の再熱器21で加熱された蒸気は、蒸気入口配管22を通して蒸気弁10に流入する。この蒸気は、蒸気弁10を通ることによって、流量が調整されたのち、蒸気出口配管23を介して、中圧タービン32へ供給される。このとき、蒸気弁10は、第2の弁体14と弁座12との間隙を調整することによって、流量を調整する。蒸気を完全に停止させる場合、第2の弁体14を全閉状態にしてもよいし、第1の弁体13を全閉状態にしてもよい。また、蒸気弁10における流量を調整するために、第1の弁体13と弁座12の間隙を調整してもよい。
発電設備1の運転状況によっては、蒸気弁10の開度を蒸気の流量を最小限に絞った微小開度状態で運用することがある。この微小開度状態は、図3や図5に示すように、第1の弁体13の開度を微小開度に設定することで作られる。図5に示すように、第1の弁体13を微小開度にすると、蒸気Sは、弁座12のシート部121と第1の弁体13の第1のシール部131との間でチョークされる。
弁座12と第1の弁体13の間隙を通過した蒸気Sは、第1の弁体13の下流側に広がる。第1の実施形態の蒸気弁10において第1の弁体13は、下流側の外面にスワール機構15、この実施形態では溝151を備えているので、第1の弁棒132を中心とする旋回流Spを発生する。旋回流Spが発生することによって、第1の弁体13の第1のシール部131よりも下流側の外面近傍の蒸気Sは、整流され、圧力の変動も少なくなる。つまり、第1の弁体13の下流側に広がる蒸気Sが第1の弁体13に向かって渦巻くことに起因する第1の弁体13の振動は、抑制される。
以下に、第2から第5の実施形態の蒸気弁10について説明する。第2から第5の実施形態の蒸気弁10は、第1の実施形態の蒸気弁10と同様に、ボイラ2で再加熱された蒸気を中圧タービン32へ送通する蒸気配管、つまり、蒸気入口配管22と蒸気出口配管23の間に設置される。第1の実施形態の蒸気弁10と同じ機能を有する構成には、各図中において同一の符号を付し、その説明は第1の実施形態の記載を参酌する。
第2の実施形態の蒸気弁10は、図6を参照して説明する。図6は、第1の弁体13が弁座12に対して微小開度状態に設定された状態を示す。第2の実施形態の蒸気弁10は、スワール機構15として複数のリブ152を第1の弁体13の第1のシール部よりも下流側の外面に有している。複数のリブ152は、第1の弁体13の中心軸に向かう方向に対して傾いた方向に沿って形成される。各リブ152は、第1の弁体13と一体に形成されていてもよいし、溶接ビードなどによって形成されていてもよい。リブ152は、第1の弁体13の外周部から中心に向かうにしたがって、上流側から見て時計回りに回るように形成されている。
上述のようにリブ152が配置されていることによって、弁座12のシート部121と第1の弁体13の第1のシール部131との間を通過した蒸気Sは、第1の弁体13の第1のシール部131よりも下流側の外面近傍において、第1の弁棒132を中心とする旋回流Spとなる。旋回流Spの回転方向は、リブ152の配置によって決まる。旋回流Spは、第1の弁体13を上流側から見て時計回りに形成される。リブ152の回転方向を反時計回りにすれば、旋回流Spも反時計回りに形成される。
以上のように構成された蒸気弁10は、第1の実施形態の蒸気弁10と同様に、第1の弁体13及び第2の弁体14のどちらでも全閉状態にすることができるし、流量の調整を行える。また、蒸気弁10を微小開度状態にする場合、第1の弁体13を図6に示す微小開度状態に配置する。このとき、第1の弁体13の下流側に旋回流Spが発生するので、第1の弁体13の振動が抑制される。
第3の実施形態の蒸気弁10は、図7から図10を参照して説明する。図7は、第1の弁体13が弁座12に対して微小開度状態に設定され、第2の弁体14が全開状態である場合の蒸気弁10の断面図を示す。第3の実施形態の蒸気弁10は、図8から図10に示すようにスワール機構15として第1の弁体13の中心軸から第1のシール部131との間の部分を上流側から下流側に貫通する複数の第1の孔153を有している。
この第1の孔153は、図10に示すように、第1の弁体13の中心軸と同軸の円筒面の母線に対して斜めの方向に第1の弁体13を貫通している。言い換えると、図9に示すように第1の弁体13の上流側に開口する第1の孔153の入口153aに対し、第1の弁体13の下流側に開口する第1の孔153の出口153bは、上流側から見て反時計回りに回転した位置に開口している。この第1の孔153は、図9及び図10に示すように直線状に穿たれており、第3の実施形態の場合、第1の孔153の入口153aは、上流側から見て時計方向に隣り合う第1の孔153の出口153bに対して、第1の弁体13の中心軸に沿う方向にほぼ重なるように配置されている。
以上のように構成された第1の弁体13の第1の孔153を通過した蒸気Sは、第1の弁棒132を中心とする第1の弁体13の下流側に、上流側から見て反時計回りの旋回流Spを発生する。第1や第2の実施形態の蒸気弁10のように、第1の弁体13の上流側から見て時計回りに旋回流Spが形成されるように第1の孔153が第1の弁体13に形成されていてもよい。
第3の実施形態において蒸気弁10を微小開度状態にする場合、第1の弁体13を図7に示すように配置する。第1の弁体13を微小開度状態に保持して発電設備1が運転される場合、第1の孔153が設けられているので、第1の弁棒132を中心とする第1の弁体13の下流に旋回流Spが発生する。その結果、第1のシール部131よりも下流側の第1の弁体の外面近傍の上記の流れが整流され、第1の弁体13の振動が抑制される。
第1の孔153の口径、数、傾斜角度(旋回角度)は、第1の弁体13が微小開度状態である場合に中圧タービン32に導かれる蒸気の流量や、第1の弁体13と弁座12の間隙を通過する蒸気Sの速度によって決定される。また、複数の第1の孔153の総流路断面積は、第1の弁体13の上流側と下流側の圧力差が最大となる場合、すなわち第1の弁体13が全閉状態となる場合であっても、蒸気タービン3に対する蒸気の流量が無負荷流量以下となるように決定される。
第4の実施形態の蒸気弁10は、図11及び図12を参照して説明する。図11は、第1の弁体13及び第2の弁体14が全開状態である蒸気弁10の断面図である。図11は、第1の弁体13が微小開度状態に設定された場合の第1の弁体13の下流側の蒸気Sの流れを示す。第4の実施形態の蒸気弁10は、スワール機構15として複数の内周溝154を弁座12のシート部121よりも下流の内周壁に有している。内周溝154は、第1の弁体13の下流側に発生させるべき旋回流Spに沿う方向に形成される。
つまり、第1の弁体13の上流側から見て時計回りに旋回流Spを発生させる場合は、シート部121よりも下流側の弁座12の内周壁に、上流側から下流側に行くにしたがって内周溝154の位置が時計回りに変位するように斜めに形成する。第4の実施形態において、旋回流Spは、上流側から見て反時計回りに発生するように内周溝154が配置されている。つまり、内周溝154は、上流側から下流側に行くにしたがってその位置が反時計回りに変位するように斜めに形成されている。上記の流れ方向に対して各内周溝154の長さ、幅、深さ、及び内周溝154の数は、微小開度状態における蒸気の流量および流速に応じて適宜設定される。
以上の構成の第4の実施形態の蒸気弁10は、微小開度状態にするために、第1の弁体13を図12に示す微小開度状態に配置する。内周溝154が弁座12のシート部121の下流側の内周壁に形成されているので、弁座12と第1の弁体13の間隙を通過した蒸気は、図12に示すように、第1の弁棒132を中心とする旋回流Spを形成する。第1の弁体13の下流側に旋回流Spを形成されると、第1の弁体13を振動させる原因となる渦の発生が抑制される。
スワール機構15として内周溝154を設ける代わりに、内周溝154を設けた範囲と同じ範囲に内周リブを形成してもよい。第1の弁体13の下流側に発生させるべき旋回流Spに沿う方向に内周リブを形成する。この内周リブもまた内周溝154と同じ効果を発揮する。
第5の実施形態の蒸気弁10は、図13から図16を参照して説明する。図13は、第1の弁体13が全開状態で、第2の弁体14が微小開度状態である蒸気弁10を示す。第5の実施形態の蒸気弁10は、スワール機構15として複数の第2の孔156を第2の弁体14に備えている。第2の孔156は、第2の弁体14の第2のシール部141よりも上流側の第2の弁体の外周から凹部142へ貫通している。第2の孔156は、図13に示すように全開状態の第1の弁体13の第1のシール部131と微小開度状態の第2の弁体14の第2のシール部141との間の範囲の第2の弁体14に形成される。つまり、第2の孔156は、全開状態の第1の弁体13の下流側に蒸気Sの一部を流入させる。
これらの第2の孔156は、図14及び図15に示すように、第1の弁体13の中心軸に向かう方向に対して同じ角度だけ傾いた方向に、すなわち中心軸に向かう方向から同じ角度だけ逸らされた方向に開口している。その結果、第2の孔156を通過した蒸気Sは、図16に示すように第1の弁体13の下流側において第1の弁棒132を中心とする旋回流Spを発生する。また、第2の孔156は、第1の弁体13が全閉状態となった場合の第1の弁体13の第1のシール部131よりも上流側に開口するように形成される。第1の弁体13を全閉状態にすることで、蒸気弁10は全閉状態になる。
第1の弁体13を全開状態にし、第2の弁体14を微小開度状態に維持した蒸気弁10に蒸気Sが流れると、第2の弁体14の第2のシール部141と弁座12のシート部121との間隙を通過した蒸気Sは、第2の弁体14の凹部142に収まっている第1の弁体13の下流側に急激に広がるので、渦を発生しやすい。しかし、第5の実施形態の蒸気弁10の場合、第2の弁体14に第2の孔156を有しており、第1の弁体13の下流に第1の弁棒132を中心とする旋回流Spが形成される。その結果、第2の弁体14と弁座12との間隙を通過した蒸気Sは、第2の孔156によって形成された旋回流によって整流され、渦を発生しにくくなる。したがって、渦によって引き起こされる第1の弁体13の振動が抑制される。
以上のように、第1から第5の実施形態の蒸気弁10は、いずれも第1の弁体13、第2の弁体14、または弁座12のいずれかに、簡単な加工を施すことによって、第1の弁体13の下流側に旋回流を発生させるスワール機構15を備える。いずれの実施形態の蒸気弁10も、部品点数を増やすことなく、また、第1の弁体13及び第2の弁体14に対する複雑な制御も必要とすることなく、第1の弁体13の下流側に旋回流Spを発生させる。蒸気弁10を微小開度状態にして発電設備1を運転する際に、第1の弁体13の下流側に発生しやすい渦を旋回流Spによって積極的に整流する。その結果、渦に起因した第1の弁体13の振動を抑制することができるので、蒸気弁10の動作が安定し、また、蒸気弁10の信頼性や耐久性が向上する。
第1の実施形態における蒸気弁10の第1の弁体13に設けたスワール機構15としての溝152は、第3から第5の実施形態の蒸気弁10に併用することができる。第2の実施形態における蒸気弁10の第1の弁体13に設けたスワール機構15としてのリブ152は、第3から第5の実施形態の蒸気弁10に併用することができる。第3の実施形態における蒸気弁10の第1の弁体13に設けたスワール機構15としての第1の孔153は、第4の実施形態の蒸気弁10に併用することができる。また第4の実施形態における蒸気弁10の弁座12に設けたスワール機構15としての内周溝154は、第5の実施形態の蒸気弁10に併用することができる。いずれの場合も、スワール機構15によって発生させる旋回流Spの方向は、同じ方向になるようにスワール機構15を構成する。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…発電設備、2…ボイラ、3…蒸気タービン、8…発電機(回転電気)、10…蒸気弁、11…ケーシング、111…蒸気入口、112…蒸気出口、12…弁座、13…第1の弁体、131…第1のシール部、14…第2の弁体、141…第2のシール部、142…凹部、15…スワール機構、151…溝(スワール機構)、152…リブ(スワール機構)、153…第1の孔(スワール機構)、154…内周溝(スワール機構)、156…第2の孔(スワール機構)、S…蒸気、Sp…旋回流。

Claims (8)

  1. 蒸気入口及び蒸気出口を有するケーシングと、
    前記蒸気入口と前記蒸気出口の間に設置される弁座と、
    上流側から前記弁座に当接する第1のシール部を有した第1の弁体と、
    前記第1の弁体を格納する大きさの凹部を下流側に備え上流側から前記弁座に当接する第2のシール部を有した第2の弁体と、
    前記第1の弁体を中心とする下流へ向かう螺旋状の旋回流を前記第1の弁体の前記第1のシール部よりも下流側に発生させるスワール機構と
    を備えることを特徴とする蒸気弁。
  2. 前記スワール機構は、前記第1の弁体の前記第1のシール部よりも下流側の外面に、前記第1の弁体の中心軸に向かう方向に対して傾いた方向に沿って形成される複数の溝を含むことを特徴とする請求項1に記載された蒸気弁。
  3. 前記スワール機構は、前記第1の弁体の前記第1のシール部よりも下流側の外面に、前記第1の弁体の中心軸に向かう方向に対して傾いた方向に沿って形成される複数のリブを含むことを特徴とする請求項1に記載された蒸気弁。
  4. 前記スワール機構は、前記第1の弁体の中心軸と前記第1のシール部との間を上流側から下流側へ、前記中心軸と同軸の円筒面の母線に対して斜めの方向に貫通する複数の第1の孔を含むことを特徴とする請求項1に記載された蒸気弁。
  5. 前記スワール機構は、前記第1の弁体の中心軸に向かう方向に対して傾いた方向に、前記第2の弁体の第2のシール部よりも上流側の前記第2の弁体の外周から前記凹部へ貫通する複数の第2の孔を含むことを特徴とする請求項1に記載された蒸気弁。
  6. 前記スワール機構は、前記第1の弁体の前記第1のシール部が当接する前記弁座のシート部よりも下流側の壁に、前記旋回流に沿う方向に形成された複数の内周溝を含むことを特徴とする請求項1に記載された蒸気弁。
  7. 前記スワール機構は、前記第1の弁体の前記第1のシール部が当接する前記弁座のシート部よりも下流側の壁に、前記旋回流に沿う方向に形成された複数の内周リブを含むことを特徴とする請求項1に記載された蒸気弁。
  8. 蒸気を発生させるボイラと、
    前記蒸気で駆動される蒸気タービンと、
    前記蒸気タービンの回転力で発電する回転電気と、
    前記ボイラと前記蒸気タービンとの間の蒸気流路に設置される蒸気弁と、
    を備え、前記蒸気弁は、
    前記ボイラ側に接続される蒸気入口及び前記蒸気タービン側に接続される蒸気出口を有したケーシングと、
    前記蒸気入口と前記蒸気出口の間に設置される弁座と、
    上流側から前記弁座に当接する第1のシール部を有した第1の弁体と、
    前記第1の弁体を格納する大きさの凹部を下流側に備え上流側から前記弁座に当接する第2のシール部を有した第2の弁体と、
    前記第1の弁体を中心とする下流へ向かう螺旋状の旋回流を前記第1の弁体の前記第1のシール部よりも下流側に発生させるスワール機構と、を備える
    ことを特徴とする発電設備。
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CN108443513A (zh) * 2018-04-17 2018-08-24 诸暨市海王消防设备有限公司 一种电动阀

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