JP2004060227A - 配管ユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂管3と、この樹脂管3の周囲に設けられた電熱線4と、この電熱線4への通電を制御するコントローラ7とを備え、樹脂管3は、本管11,20と、この本管11,20が接続されるヘッダ部16,22と、このヘッダ部16,22に接続されて該ヘッダ部16,22から分岐される複数の分岐管12,21とを備え、本管11,20とヘッダ部16,22、このヘッダ部16,22と前記分岐管12,21は、床下配管前に予めそれぞれ接続されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の床下に配管される配管ユニットに関するものである。
【0002】
【背景の技術】
住宅やビル等の建物においては、給水/給湯用の配管が主に床下に設けられている。東北地方や北海道などの寒冷地域では、夜間や長期間の不在によって、配管内にある水が凍結することがある。そのため、一般的には、蛇口から水を出したまま放置するという方法や、配管内の水抜きをする等、配管の凍結防止を図っているが、この方法は使用者任せのところがあり確実な方法とは言えなかった。また、配管が樹脂管である場合は、水勾配を必ずしも確実にとることができないため、水抜きでは凍結予防には不十分であった。
そこで、この凍結防止方法の一例として、特開平10−18367号公報に記載の技術が知られている。この技術では、水道管(配管)の外周に電気ヒータが配置され、この電気ヒータへの通電制御により、水道管の温度が凍結温度にまで下がるのを防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような配管を建物の床下に設置する場合、現場で配管を適当な長さに切断して、その外周に電気ヒータを巻き付け、さらに、管継手等によって配管どうしを接続したり、分岐させたりする等の作業が必要であり、作業者にとって非常に手間がかかるばかりか、寒冷地では特に冬季での作業が負担となっていた。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、現場での配管作業を容易に行える配管ユニットを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図6に示すように、建物の床下に配管され、内部に通水される屈曲可能な樹脂管3と、この樹脂管3の周囲に設けられた電熱線4と、この電熱線4への通電を制御するコントローラ7とを備えた配管ユニットにおいて、
前記樹脂管3は、本管11,20と、この本管11,20が接続されるヘッダ部16,22と、このヘッダ部16,22に接続されて該ヘッダ部16,22から分岐される複数の分岐管12,21とを備え、
前記本管11,20とヘッダ部16,22、このヘッダ部16,22と前記分岐管12,21は、床下配管前に予めそれぞれ接続されていることを特徴とする。
【0006】
前記樹脂管3としては、手の力等で屈曲可能な種々の管材を使用することができ、可撓性を有する合成樹脂製の管材として、例えば、耐寒性に優れた架橋ポリエチレン管等が挙げられる。
前記電熱線4としては、温度による抵抗変化が比較的大きく、温度制御し易い発熱抵抗線で、例えば、高純度ニッケル線に難燃性ポリエチレン樹脂が被覆されているものを使用することが好ましい。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、周囲に電熱線が設けられた樹脂管3が、本管11,20と、この本管11,20が接続されるヘッダ部16,22と、このヘッダ部16,22に接続されて該ヘッダ部16,22から分岐される複数の分岐管12,21とを備えており、本管11,20とヘッダ部16,22、このヘッダ部16,22と分岐管12,21が、床下配管前に予めそれぞれ接続されているので、従来のような、現場で配管を適当な長さに切断して、その外周に電気ヒータを巻き付け、さらに、管継手等によって配管どうしを接続したり、分岐させたりする等の作業が不用となるので、現場での配管作業をを容易に行える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の配管ユニットにおいて、
前記本管11,20は、水または湯の供給源13,15に接続可能な長さに予め設定され、
前記分岐管12,21は、床またはこの床より上方に設置される水回り設備へ接続可能な長さに予め設定されていることを特徴とする。
なお、本管11,20、分岐管12,21の長さは、配管図面等に基いて、予めその長さを決定し、これらをヘッダ部16,22に工場等において予め接続しておく。
【0009】
ここで、水の供給源としては例えば、上水道管13が挙げられ、湯の供給源としては給湯器15が挙げれられる。
また、水回り設備としては、例えばユニットバス19a等の浴室の蛇口、トイレ19bの蛇口、洗面19cの蛇口、キッチン19dの蛇口、洗濯機に給水する蛇口、2階用給水管19f、建物の内部の壁に取り付けられている給湯器15等が挙げられる。また、蛇口に限らず、この蛇口に繋がる配管、さらには、この配管と床との接続部も含む。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、本管11,20、分岐管12,21がそれぞれ水または湯の供給源13,15、水回り設備へ接続可能な長さに予め設定されているので、このような配管ユニットを床下に配置した後、供給源13,15や水回り設備に本管、分岐管を継ぎ足すことなく、簡単に接続できる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の配管ユニットにおいて、
前記本管11,20、ヘッダ部16,22、分岐管12,21に設けられた電熱線4は、直列に接続されたうえで、前記コントローラ7に接続されていることを特徴とする。
ここで、電熱線4を直列に接続する場合、水系統と湯系統との2系統を直列に接続してもよいし、水系統と湯系統とを別々に直列に接続してもよい。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、電熱線4が直列に接続されたうえで、前記コントローラ7に接続されているので、前記樹脂管3を、本管11,20、ヘッダ部16,22および分岐管12,21とによって建物2内の細部に渡って配管でき、種々の建物2配管経路に対応することができる。
また、前記電熱線4は直列に接続されているので、その配線構造が複雑とならずに、配線作業が容易となる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の配管ユニットにおいて、
前記本管11,20、ヘッダ部16,22、分岐管12,21の総延長が所定の長さを越える場合には、所定の電気抵抗値を有する電熱線4が使用され、前記本管11,20、ヘッダ部16,22、分岐管12,21の総延長が所定の長さ以下の場合には、前記所定の電気抵抗値より大きい電気抵抗値を有する電熱線4が使用されていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、本管11,20、ヘッダ部16,22、分岐管12,21の総延長が所定の長さ以下の場合には、所定の電気抵抗値より大きい電気抵抗値を有する電熱線4が使用されるので、この電熱線4に過電流が流れるのを防止でき、よって、過電流に起因するコントローラ等の破損を防止できる。
一方、本管11,20、ヘッダ部16,22、分岐管12,21の総延長が所定の長さを越える場合には、所定の電気抵抗値、すなわち、総延長が所定の長さ以下の場合より、小さい電気抵抗値を有する電熱線が使用されるので、この電熱線に、一定の電流を確実に流すことができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の配管ユニットにおいて、
前記樹脂管3の外側には、この樹脂管3を覆う保温材8が設けられており、この保温材8と前記樹脂管3との間に前記電熱線4が設けられていることを特徴とする。
前記保温材8としては、例えば、発泡ポリエチレンなどの樹脂発泡体が挙げられる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、前記コントローラ7が電熱線4に通電することによって発する熱を保温材8によって、確実に樹脂管3に伝導させることができ、熱伝導効率に優れる。したがって、樹脂管3内の水の凍結防止を一層確実に図ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態の配管ユニットが建物の床下に配管された構造を示す概略図、図2は配管ユニットの管路図、図3は配管ユニットを示す斜視図、図4はヘッダ部の斜視図、図5は樹脂管に電熱線と保温材が設けられた構造の要部を示す斜視図、図6はコントローラの正面図である。
図1〜図5に示すように、本発明の実施の形態の配管ユニット1は、建物2の床下に主に配管されて、内部に通水される屈曲可能な樹脂管3と、この樹脂管3の周囲に設けられた電熱線4と、気温を検出する温度検出センサ6と、電熱線4に接続されて、電熱線4への通電を制御して、樹脂管3の温度が凍結温度まで下がるのを防止するコントローラ7とを備えている。
【0018】
樹脂管3は、給水管9や給湯管10であり、断面円筒状の耐寒性に優れた架橋ポリエチレン管またはポリブデン管が使用されており、手で折り曲げることのできる可撓性を有する管である。
電熱線4は、温度制御できる発熱抵抗線で、高純度ニッケル線に難燃性ポリエチレン樹脂が被覆されているものである。
【0019】
前記樹脂管3の外側には、図5に示すように、該樹脂管3を覆う円筒状をなす保温材8が設けられており、この保温材8と樹脂管3との間に電熱線4が、該樹脂管3に沿って直線状に取り付けられている。
つまり、2本の電熱線4,4が、樹脂管3の外側に取り付けられており、この電熱線4,4が取り付けられた樹脂管3の外側に前記保温材8が差し込まれている。保温材8は、発砲ポリエチレンなどの樹脂発泡体である。
【0020】
図1および図2に示すように、前記樹脂管3のうちの、給水管9は、1階の床下5に配管された給水本管11と、この給水本管11が接続されるヘッダ部16と、このヘッダ部16に接続されて、該ヘッダ部16からそれぞれ分岐する複数の給水分岐管12…とを備えている。ヘッダ部16は、該ヘッダ部16に給水する給水部17と、給水された水を分配する複数の分配部18…とを備えている。そして、給水部17には、給水本管11が接続されており、分配部18…には複数の給水分岐管12…が接続されている。給水本管11とヘッダ部16、このヘッダ部16と給水分岐管12…は、床下配管前に予め工場等でそれぞれ接続されており、この接続された状態で現場に搬入され、床下に配置されるようになっている。
【0021】
また、給水本管11は、公共の上水道管13に接続可能な長さに予め設定されており、この給水本管11の上流側先端部は、建物2の外部または内部に配管されている公共の上水道管13に水抜き栓14を介して接続されている。
さらに、給水分岐管12…は、床または床より上方に設置される水回り設備へ接続可能な長さに予め設定されており、これら給水分岐管12…の下流側先端部は、それぞれ1階のユニットバス19a、トイレ19b、洗面19c、キッチン19d、洗濯機置き場19e、2階用給水管19f、建物の内部の壁に取り付けられている給湯器15に接続されている。ユニットバス19a、トイレ19b、洗面19c、洗濯機19e、2階用給水管19f、給湯器15は、集中して建物内に配置されているので、これらの床下にヘッダ部16を設置している。キッチン19dは、ヘッダ部16から離れているので、給水分岐管12は、基礎等を貫通してキッチン19dに接続されている。
【0022】
一方、前記樹脂管3のうちの給湯管10は、1階の床下5に配管された給湯本管20と、この給湯本管20が接続されるヘッダ部22と、このヘッダ部22に接続されて、該ヘッダ部22からそれぞれ分岐する複数の給湯分岐管21…とを備えている。ヘッダ部22は、該ヘッダ部22に給水する給水部23と、給水された水を分配する複数の分配部24…とを備えている。そして、給水部23には、給湯本管20が接続されており、分配部24…には複数の給湯分岐管21…が接続されている。給湯本管20とヘッダ部22、このヘッダ部22と給湯分岐管21は、床下配管前に予め工場等でそれぞれ接続されており、この接続された状態で現場に搬入され、床下に配置されるようになっている。
【0023】
また、給湯本管20は、給湯器15に接続可能な長さに予め設定されており、この給湯本管20の上流側先端部は、給湯器15に接続されている。
さらに、給湯分岐管21…は、床または床より上方に設置される水回り設備へ接続可能な長さに予め設定されており、これら給湯分岐管21…の下流側先端部は、それぞれ1階のユニットバス19a、洗面19c、キッチン19d、2階用給湯管19g、水抜栓19hに接続されている。ユニットバス19a、洗面19c、2階用給湯管19g、水抜栓16hは、集中して建物内に配置されているので、これらの床下にヘッダ部22を設置している。キッチン19dは、ヘッダ部22から離れているので、給湯分岐管21は、基礎等を貫通してキッチン19dに接続されている。
【0024】
図1に示すように、給水本管11、ヘッダ部16、給水分岐管12の周囲に設けられた電熱線4は直列に接続されたうえで、ヘッダ部16の端部から引き出されて1階の床下5に設置されたコントローラ7に接続されている。
同様に、給湯本管20、ヘッダ部22、給湯分岐管21の周囲に設けられた電熱線4は直列に接続されたうえで、ヘッダ部22の端部から引き出されて1階の床下5に設置されたコントローラ7に接続されている。
【0025】
また、本管11,20、ヘッダ部16,22、分岐管12,21の総延長が所定の長さを越える場合には、所定の電気抵抗値を有する電熱線4が使用され、本管11,20、ヘッダ部16,22、分岐管12,21の総延長が所定の長さ以下の場合には、所定の電気抵抗値より大きい電気抵抗値を有する電熱線4が使用されている。
例えば、給水、給湯ごとの配管(本管11,20、ヘッダ部16,22、分岐管12,21)の総延長が10mを越える場合には、直径0.7mm、電気抵抗値0.3Ω/mmの電熱線4が使用され、配管の総延長が10m以下の場合には、直径0.3mm、電気抵抗値1.0Ω/mmの電熱線4が使用される。このような電熱線4の選択は、給水、給湯ごとの配管の総延長を、配管施工の図面等に基いて割り出し、それに基いて選択する。そして、選択された電熱線4は工場等で予め配管の周囲に設けられ、電気抵抗値に合わせてコントローラ7の調整がなされる。
【0026】
コントローラ7は、1階の床下5に設置されており、図6に示すように、ブザー25、凍結防止機能運転時に連続点灯するランプ26、解凍機能運転時に連続点灯するランプ27、凍結防止機能の運転の開始/終了を示す凍結防止スイッチ28、解凍機能の運転の開始/終了を示す解凍スイッチ29、電源投入時に点灯する電源ランプ30、電源コンセント31に接続される電源ケーブル32、温度検出センサ6に接続される温度検出センサケーブル33、給水側の電熱線4に接続される給水回路用出力ケーブル34、給湯側の電熱線4に接続される給湯回路用出力ケーブル35とが設けられている。なお、このコントローラ7の凍結防止スイッチ28等は、建物の内壁に取り付けられたスイッチ板40でも操作できるようになっている。
【0027】
そして、前記給水回路用出力ケーブル34に、ヘッダ部16の端面からで引き出された電熱線4が接続されており、前記給湯回路用出力ケーブル35に、ヘッダ部22の端面から引き出された電熱線4が接続されている。
また、温度検出センサ用ケーブル33に、温度検出センサ6が接続されており、電源ケーブル32は、電源コンセント31に接続されて、外部電源と接続されている。外部電源は、一般家庭に装備される交流電源が採用されている。
【0028】
また、コントローラ7は、凍結防止機能と解凍機能とを備えている。
前記凍結防止機能は、1階の床下5に配置された温度検出センサ6によって検出された気温に基づいて、電熱線4への通電を開始(通電ON)し、その後、温度検出センサ6によって検出された気温に基づいて、通電を休止(通電OFF)したり、再び通電を開始(通電ON)したりする。
【0029】
すなわち、前記温度検出センサ6によって検出された気温が設定温度(例えば、5℃)以上である場合は、凍結防止スイッチ28が押されても通電が開始されずに、気温が設定温度(例えば、0℃)以下になることにより、通電が初めて開始されて、温度検出センサ6によって検出された気温が設定温度(例えば、5℃)より高くなることにより、通電が休止される。
ここで、電熱線4への通電処理は、電熱線4に常に一定の電流を流すとともに、電熱線4の抵抗値を所定時間毎に測定していき、予め、コントローラ7のメモリに設定された床下5の基準となる気温(例えば、0℃)における抵抗値と、ある時間における抵抗値との抵抗変動率から、樹脂管3の温度を割り出す。そして、その樹脂管3の温度が、凍結温度以下であれば、電熱線4に通電し電熱線4を加熱していき、凍結温度よりも上であれば、通電を休止し、この通電開始および通電休止が制御されている。
【0030】
したがって、この凍結防止機能は、温度検出センサ6によって検出された気温が設定温度(例えば、5℃)より上になると、これまで抵抗値を測定するために常に流されていた一定の電流が止められる。そして、再び、温度検出センサ6によって検出された気温が設定温度(例えば、0℃)以下となると、上述したように通電処理が開始されて、電流が流されるようになっている。
なお、途中で凍結防止スイッチ28を「OFF」にして、通電処理を終了することが可能となっている。
【0031】
前記解凍機能は、電熱線4に通電し、電熱線4の温度を上昇させることで、樹脂管3内の凍結水を解凍する機能である。この解凍機能では、使用者によってコントローラ7の電源が入れられて、解凍スイッチ29を押すことによって、電熱線4への通電処理が開始される。
【0032】
凍結防止機能運転時の電熱線4への通電処理は、電熱線4に常に一定の電流を流すとともに、電熱線4の抵抗値を所定時間毎に測定していき、予め、コントローラ7のメモリに設定された床下5の基準となる気温(例えば、0℃)における抵抗値と、ある時間における抵抗値との抵抗変動率から、樹脂管3の温度を割り出す。そして、その樹脂管3の温度が、例えば、約15℃となるまで上昇させた後通電を休止し、約2℃に低下したとき再び通電を開始する運転を繰り返し行う。このように、常に一定の電流を流すことによって、樹脂管3の温度を割り出し、樹脂管3の温度によって通電開始および通電休止が制御されている。
【0033】
また、解凍運転時の場合は、通電処理の途中で、使用者が蛇口から水が出るのを確認できた場合には、解凍スイッチ29を「OFF」にして、その通電を休止することも可能とされており、解凍スイッチ29が使用者によって「OFF」にされなかった場合は、5時間経過後、自動的に通電が休止されるようになっている。
なお、この解凍機能では、凍結防止機能において使用した温度検出センサ6は使用されない。
【0034】
本実施の形態によれば、周囲に電熱線4が設けられた樹脂管3が、本管(給水本管11、給湯本管20)と、この本管が接続されるヘッダ部16,22と、このヘッダ部16,22に接続されて該ヘッダ部16,22から分岐される複数の分岐管(給水分岐管12、給湯分岐管21)とを備えており、本管(給水本管11、給湯本管20)とヘッダ部16,22、このヘッダ部16,22と分岐管(給水分岐管12、給湯分岐管21)が、床下配管前に予めそれぞれ接続されているので、従来のような、現場で配管を適当な長さに切断して、その外周に電気ヒータを巻き付け、さらに、管継手等によって配管どうしを接続したり、分岐させたりする等の作業が不用となるので、現場での配管作業をを容易に行える。
【0035】
また、本管11,20、分岐管12,21がそれぞれ上水道管13、水回り設備へ接続可能な長さに予め設定されているので、このような配管ユニットを床下に配置した後、水道管13や水回り設備に本管11,20、分岐管12,21を継ぎ足すことなく、簡単に接続できる。
さらに、電熱線4が直列に接続されたうえで、前記コントローラ7に接続されているので、本管11,20、ヘッダ部16,22および分岐管12,21とによって建物2内の細部に渡って配管でき、種々の建物2配管経路に対応することができる。
また、前記電熱線4は直列に接続されているので、その配線構造が複雑とならずに、配線作業が容易となる。
【0036】
また、本管11,20、ヘッダ部16,22、分岐管12,21の総延長が所定の長さ以下の場合には、所定の電気抵抗値より大きい電気抵抗値を有する電熱線4が使用されるので、この電熱線4に過電流が流れるのを防止でき、よって、過電流に起因するコントローラ7等の破損を防止できる。
一方、本管11,20、ヘッダ部16,22、分岐管12,21の総延長が所定の長さを越える場合には、所定の電気抵抗値、すなわち、総延長が所定の長さ以下の場合より、小さい電気抵抗値を有する電熱線4が使用されるので、この電熱線4に一定の電流を確実に流すことができる。
【0037】
加えて、コントローラ7が電熱線4に通電することによって発する熱を保温材8によって、確実に樹脂管3に伝導させることができ、熱伝導効率に優れる。したがって、樹脂管3内の水の凍結防止を一層確実に図ることができる。
また、コントローラ7は、温度検出センサ6によって検出された気温に基づいて、電熱線4への通電をONとするので、樹脂管3内の水が凍結する前に確実に電熱線4への通電を開始させることができ、より簡単、かつ、確実に凍結防止を図ることができる。また、無駄な電力を節電でき、コストの削減にもつながる。
【0038】
さらに、従来では、水道管の温度が水道管凍結温度以上の場合でも、常に一定の電流を流して、発熱線の抵抗値から水道管の温度を検知していたので、その分の電力が無駄であったが、本発明では、温度検出センサ6によって検出された気温および電熱線4の温度が予め設定された温度範囲に基づいて、電熱線4への通電をON・OFFとするため、一旦、電熱線4への通電がOFFとされると、再び、電熱線4への通電がONとされるまで、余分な電流が流れることもなく、この点においてもコストの削減につながる。
また、コントローラ7は、解凍機能を備えているので、樹脂管3内の水が凍結した場合でも、業者に大がかりな解凍作業を依頼する必要がなく、コントローラ7の解凍機能を働かせることによって凍結水を急速に解凍することができる。
【0039】
なお、本実施の形態では、電熱線4を、樹脂管3に沿って直線状に設けたが、、例えば、螺旋状に巻きつけて設けても良い。
また、給水側のヘッダ部16と給湯器15とを分岐管12によって接続して、給湯器15に、水道管13から給水本管11、ヘッダ部16を介して給水するようにしたが、これに代えて、給水本管11から分岐して給湯器15に給水するようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、本管とヘッダ部、このヘッダ部と分岐管が、床下配管前に予めそれぞれ接続されているので、従来のような、現場で配管を適当な長さに切断して、その外周に電気ヒータを巻き付け、さらに、管継手等によって配管どうしを接続したり、分岐させたりする等の作業が不用となるので、現場での配管作業をを容易に行える。
【0041】
請求項2に記載の発明によれば、本管、分岐管がそれぞれ水または湯の供給源、水回り設備へ接続可能な長さに予め設定されているので、このような配管ユニットを床下に配置した後、水または湯の供給源や水回り設備に本管、分岐管を継ぎ足すことなく、簡単に接続できる。
【0042】
請求項3に記載の発明によれば、樹脂管を、本管、ヘッダ部および分岐管によって建物内の細部に渡って配管でき、種々の建物配管経路に対応することができる。
また、前記電熱線は直列に接続されているので、その配線構造が複雑とならずに、配線作業が容易となる。
【0043】
請求項4に記載の発明によれば、本管、ヘッダ部、分岐管の総延長が所定の長さ以下の場合には、電熱線に過電流が流れるのを防止でき、よって、過電流に起因するコントローラ等の破損を防止できる。
一方、本管、ヘッダ部、分岐管の総延長が所定の長さを越える場合には、電熱線に一定の電流を確実に流すことができる。
【0044】
請求項5に記載の発明によれば、電熱線に通電することによって発する熱を保温材によって、確実に樹脂管に伝導させることができ、熱伝導効率に優れる。したがって、樹脂管内の水の凍結防止を一層確実に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配管ユニットの一例を示すもので、この配管ユニットを建物の床下に配管した状態を示す概略図である。
【図2】同、配管ユニットの管路図である。
【図3】同、配管ユニットを示す斜視図である。
【図4】同、ヘッダ部の斜視図である。
【図5】同、樹脂管に電熱線と保温材が設けられた構造の要部を示す斜視図である。
【図6】同、コントローラの正面図である。
【符号の説明】
1 配管ユニット
2 建物
3 樹脂管
4 電熱線
7 コントローラ
8 保温材
11 給水本管(本管)
12 給水分岐管(分岐管)
13 上水道管(供給源)
15 給湯器
16 ヘッダ部
20 給湯本管(本管)
21 給湯分岐管(分岐管)
22 ヘッダ部
Claims (5)
- 建物の床下に配管され、内部に通水される屈曲可能な樹脂管と、この樹脂管の周囲に設けられた電熱線と、この電熱線への通電を制御するコントローラとを備えた配管ユニットにおいて、
前記樹脂管は、本管と、この本管が接続されるヘッダ部と、このヘッダ部に接続されて該ヘッダ部から分岐される複数の分岐管とを備え、
前記本管とヘッダ部、このヘッダ部と前記分岐管は、床下配管前に予めそれぞれ接続されていることを特徴とする配管ユニット。 - 請求項1に記載の配管ユニットにおいて、
前記本管は、水または湯の供給源に接続可能な長さに予め設定され、
前記分岐管は、床またはこの床より上方に設置される水回り設備へ接続可能な長さに予め設定されていることを特徴とする配管ユニット。 - 請求項1又は2に記載の配管ユニットにおいて、
前記本管、ヘッダ部、分岐管に設けられた電熱線は、直列に接続されたうえで、前記コントローラに接続されていることを特徴とする配管ユニット。 - 請求項3に記載の配管ユニットにおいて、
前記本管、ヘッダ部、分岐管の総延長が所定の長さを越える場合には、所定の電気抵抗値を有する電熱線が使用され、前記本管、ヘッダ部、分岐管の総延長が所定の長さ以下の場合には、前記所定の電気抵抗値より大きい電気抵抗値を有する電熱線が使用されていることを特徴とする配管ユニット。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の配管ユニットにおいて、
前記樹脂管の外側には、この樹脂管を覆う保温材が設けられており、この保温材と前記樹脂管との間に前記電熱線が設けられていることを特徴とする配管ユニット。
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