JP2004060078A - 柔軟剤物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)アミド基、エステル基及び/又はエーテル基で分断されていても良い炭素数12〜36の炭化水素基を分子内に1つ以上有し、かつ3級アミノ基又はその酸塩もしくは4級アンモニウム基を有する化合物を3〜50質量%、及び(b)logPが0.5〜3の有機溶剤を3〜40質量%含有する透明液体柔軟剤組成物を、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有する熱可塑性ポリエステル樹脂からなる透明容器に充填してなる柔軟剤物品。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は透明柔軟剤物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、一般家庭で用いられている衣料用液体柔軟剤は水不溶性の4級アンモニウム塩を水に乳化分散させた不透明な外観を有し、また、審美的な観点から組成物を染料や顔料で着色することが行われている。このため、柔軟剤を収納する容器はこれら染料や顔料の褪色を抑制する目的から光を遮断した不透明な樹脂で成形されたものである。
【0003】
一方、近年審美的観点から透明又は半透明な柔軟剤の開発が行われており、特開平7−229061号公報には不飽和アルキル基を有する柔軟剤及び非水性溶剤を用いた組成物が開示され、特開平9−250085号公報には特定ヨウ素価を有する柔軟化基材を用いた柔軟剤組成物が開示されている。これらは、組成物の透明な外観を強調するために透明な容器を用いることが好ましく、内容物の安定性を考慮して紫外線吸収剤を含有する樹脂を用いて成形された容器を用いることが好ましい。一般的に紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、トリアジン系の有機化合物や微粒子酸化亜鉛や酸化チタン等の無機化合物が知られている。
【0004】
しかしながら、このような紫外線吸収剤を含有する容器に透明な外観を有する柔軟剤を充填した場合、貯蔵中に組成物の外観や匂いが変化することは抑制することができるが未だ十分ではなく、しかも貯蔵後の柔軟剤を用いて衣料を処理した場合、衣料に異臭が発生するという問題が生じ、これを解決することが求められている。
【0005】
従って、本発明の課題は透明な外観を有する柔軟剤を透明な容器に充填しても、貯蔵中に組成物の外観や匂いの変化を引き起こさず、さらに、貯蔵後の柔軟剤を用いて衣料を処理しても異臭が発生しない柔軟剤物品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)アミド基、エステル基及び/又はエーテル基で分断されていても良い炭素数12〜36の炭化水素基を分子内に1つ以上有し、かつ3級アミノ基又はその酸塩もしくは4級アンモニウム基を有する化合物を3〜50質量%、及び(b)logPが0.5〜3の有機溶剤を3〜40質量%含有する透明液体柔軟剤組成物を、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有する熱可塑性ポリエステル樹脂からなる透明容器に充填してなる柔軟剤物品を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
[(a)成分]
本発明の(a)成分は、アミド基、エステル基及び/又はエーテル基で分断されていても良い炭素数12〜36の炭化水素基を分子内に1つ以上有し、かつ3級アミノ基又はその酸塩もしくは4級アンモニウム基を有する化合物であり、特に一般式(1)で表され、ヨウ素価が30〜130、好ましくは35〜120、特に好ましくは40〜110である化合物(以下化合物(1)という)、一般式(2)で表される化合物(以下化合物(2)という)、又は一般式(3)で表される化合物(以下化合物(3)という)が組成物の透明化の点から好適である。
【0008】
【化3】
【0009】
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、エステル基、アミド基もしくはエーテル基で分断されていても良い炭素数12〜26のアルキル基又はアルケニル基であり、R3は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基であり、R4は炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基である。X−は陰イオン基を示す。]
【0010】
【化4】
【0011】
[式中、R5及びR9はそれぞれ独立に、炭素数12〜36のアルキル基又はアルケニル基であり、R6及びR10はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキレン基である。R7、R8、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。A及びBはそれぞれ独立に、−COO−、−OCO−、−CONH−及び−NHCO−から選ばれる基である。a及びbは0又は1の数である。Y−は陰イオンである。]
化合物(1)において、R1及びR2は、好ましくはエステル基、アミド基もしくはエーテル基を含有し、特に好ましくはエステル基及び/又はアミド基を含有するアルキル基又はアルケニル基である。また、R1及びR2の合計数に対して、アルキル基の数が1〜50%、好ましくは1〜30%、より好ましくは5〜15%であり、アルケニル基の数が99〜50%、好ましくは99〜70%、より好ましくは95〜85%であるものが好適であり、このような範囲において柔軟剤の透明化が可能となる。また、炭素−炭素不飽和結合を2つ以上有するアルケニル基の数が15%以下、好ましくは0.1〜10%、より好ましくは0.5〜7%、特に好ましくは0.5〜5%であるものが透明化及び貯蔵安定性の点から好適である。
【0012】
具体的に好ましい化合物としては、下記一般式(1−1)で表される化合物(以下化合物(1−1)という)及び一般式(1−2)で表される化合物(以下化合物(1−2)という)を挙げることができる。
【0013】
【化5】
【0014】
[式中、R14及びR15はそれぞれ独立に、炭素数13〜18のアルキル基及びアルケニル基が混合した混合炭化水素基であり、R18及びR19はそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。また、分子中に存在するR14及びR15の合計数に対して、アルキル基の数が好ましくは1〜15%、より好ましくは1〜13%、さらに好ましくは1〜10%、特に好ましくは5〜10%であり、アルケニル基の数が好ましくは85〜99%、より好ましくは87〜99%、さらに好ましくは90〜99%、特に好ましくは90〜95%である。また、炭素−炭素不飽和結合を2つ以上有するアルケニル基の数が好ましくは7%以下、より好ましくは0.1〜5%、さらに好ましくは0.5〜4%、特に好ましくは0.5〜3%である。R16及びR17はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキレン基である。D及びEはそれぞれ独立に、−COO−、−OCO−、−CONH−及び−NHCO−から選ばれる基であり、c及びdはそれぞれ独立に、0又は1、好ましくは1の数である。X−は陰イオン、好ましくはハロゲンイオン、硫酸イオン、リン酸イオン、炭素数1〜4のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1〜3のアルキル基が1〜3個置換していてもよいベンゼンスルホン酸イオン、炭素数1〜12の1価〜3価の脂肪族カルボン酸イオン、特に好ましくはハロゲンイオン、炭素数1〜4のアルキル硫酸エステルイオンである。]
化合物(1−1)及び化合物(1−2)は、牛脂や豚脂等の動物油、イワシ油、サバ油、さめ肝油等の魚油、あるいはパーム油、綿実油、ひまわり油等の植物油をケン化、あるいはメチルエステル化して得られる脂肪酸や脂肪酸メチルエステルを蒸留等の精製工程を経て得られるオレイン酸(又はそのメチルエステル)あるいはオレイルアルコールを原料として製造される。また、このようなオレイン酸(又はその低級アルキルエステル)やオレイルアルコールは、ステアリン酸、パルミチン酸等の飽和脂肪酸やステアリルアルコール、パルミチルアルコール等の飽和アルコールを5〜15モル%、リノール酸やリノールアルコール等の炭素−炭素2重結合を2つ以上有する化合物を7〜15モル%含有する。本発明では特にリノール酸やリノールアルコールを低減化させた原料を用いて化合物(1−1)又は化合物(1−2)を製造することが好ましい。リノール酸やリノールアルコールを低減化させる方法としては、例えば特開平8−99036号公報に開示されている金属銅結晶を選択水素添加触媒として用いる方法が挙げられる。また、本発明では好ましくは炭素−炭素2重結合を2つ以上有する化合物の含有量を3モル%以下に低減化することが好ましい。
【0015】
このようなリノール酸を低減化した脂肪酸とメチルジエタノ−ルアミン、N,N−ジアミノプロピル−N−メチルアミン、あるいはN−ヒドロキシエチル−N−アミノプロピル−N−メチルアミン等のアミン化合物との脱水エステル化反応により、上記化合物(1−1)を得ることができ、さらに化合物(1−1)をメチルクロリド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等のアルキル化剤でアルキル化することで化合物(1−2)を得ることができる。
【0016】
なお、化合物(1−1)としては、無機又は有機の酸で中和した塩、柔軟剤組成物に配合する前にアミノ基を酸剤により中和したものを用いることもでき、柔軟剤組成物にアミン化合物を配合した後、アミノ基を酸剤で中和してもよい。中和のための酸としては塩酸、硫酸、リン酸、グリコール酸、蓚酸、乳酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸、p−トルエンスルホン酸、メタキシレンスルホン酸、炭素数1〜12の脂肪酸又は炭素数1〜3のアルキル硫酸が好ましく、特に塩酸、硫酸、グリコール酸、蓚酸、乳酸、クエン酸、p−トルエンスルホン酸、メタキシレンスルホン酸が好ましい。中和に用いるこれらの酸剤は、単独で用いても複数で用いてもよい。
【0017】
本発明では化合物(1−1)及び化合物(1−2)を用いる場合には、不飽和結合を1つ有する炭化水素基においてシス体とトランス体を含むことができ、シス体/トランス体は25/75〜100/0、好ましくは50/50〜95/5(モル比)が透明化の点から好適である。
【0018】
さらに本発明では化合物(1−1)及び化合物(1−2)を用いる場合には、化合物(1−1)及び化合物(1−2)を併用することが柔軟効果の点から好ましく、併用する場合には化合物(1−1)/化合物(1−2)の質量比は1/99〜50/50、好ましくは5/95〜40/60、より好ましくは10/90〜30/70が柔軟効果を向上させる点から好適である。
【0019】
化合物(2)において、R5は炭素数12〜36、好ましくは14〜24のアルキル基又はアルケニル基である。R6は炭素数1〜6、好ましくは1〜4のアルキレン基、より好ましくはエチレン基又はプロピレン基である。R7、R8は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基が好ましい。aは1が好ましい。化合物(2)の中で特に好ましい化合物として、下記一般式(2−1)で表される化合物(以下化合物(2−1)という)及び一般式(2−2)で表される化合物(以下化合物(2−2)という)から選ばれる1種以上が挙げられる。
【0020】
【化6】
【0021】
[式中、R20は炭素数15〜35、好ましくは17〜21のアルキル基又はアルケニル基であり、eは2又は3である。R21及びR22は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基、好ましくはメチル基又はヒドロキシエチル基である。]
化合物(2−1)及び化合物(2−2)は、R20−COOHで表される脂肪酸又はこのアルキル(炭素数1〜5)エステルもしくは酸クロリドとN−ヒドロキシアルキル−N,N−ジアルキルアミン又はN−アミノアルキル−N,N−ジアルキルアミンとを反応することで容易に合成することができ、R20は単独のアルキル鎖長でもよく、混合アルキル鎖長でもよい。
【0022】
化合物(2)は、無機又は有機の酸で中和した塩であってもよい。また、塩として使用する場合は、柔軟剤組成物に配合する前にアミノ基を酸剤により中和したものを用いることもでき、柔軟剤組成物に(a)成分を配合した後、アミノ基を酸剤で中和してもよい。中和のための酸としては、塩酸、硫酸、リン酸、グリコール酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸、p−トルエンスルホン酸、炭素数1〜12の脂肪酸又は炭素数1〜3のアルキル硫酸が好ましく、特に塩酸、硫酸、グリコール酸、クエン酸、p−トルエンスルホン酸が好ましい。中和に用いるこれらの酸剤は、単独で用いても複数で用いてもよい。
【0023】
化合物(3)において、R9は炭素数12〜36、好ましくは14〜24のアルキル基又はアルケニル基である。R10は炭素数1〜6、好ましくは1〜4のアルキレン基、より好ましくはエチレン基又はプロピレン基である。R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基が好ましい。bは1が好ましい。化合物(3)の中で特に好ましい化合物として、下記一般式(3−1)で表される化合物(以下化合物(3−1)という)及び一般式(3−2)で表される化合物(以下化合物(3−2)という)から選ばれる1種以上が挙げられる。
【0024】
【化7】
【0025】
[式中、R23は炭素数15〜35、好ましくは15〜23のアルキル基又はアルケニル基であり、fは2又は3である。R24、R25及びR26は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基、好ましくはメチル基又はエチル基である。Y−は陰イオン、好ましくはハロゲンイオン、硫酸イオン、リン酸イオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1〜12の脂肪酸イオン、炭素数1〜3のアルキル基で置換していても良いアリールスルホン酸イオンから選ばれる1種以上である。]
化合物(3−1)及び化合物(3−2)は、R23−COOHで表される脂肪酸又はこのアルキル(炭素数1〜5)エステルもしくは酸クロリドとN−ヒドロキシアルキル−N,N−ジアルキルアミン又はN−アミノアルキル−N,N−ジアルキルアミンとを反応させ、さらにアルキルハライド、ジアルキル硫酸、アルキレンオキシド等のアルキル化剤で4級化することで容易に合成することができる。また、N,N,N−トリアルキル−N−ヒドロキシアルキル4級アンモニウム塩、N,N,N−トリアルキル−N−アミノアルキル4級アンモニウム塩とR23−COOHで表される脂肪酸又はこのアルキル(炭素数1〜5)エステルもしくは酸クロリドとの反応で合成することも可能である。R23は単独のアルキル鎖長でもよく、混合アルキル鎖長でもよい。
【0026】
さらに本発明では化合物(2)及び化合物(3)を用いる場合には、化合物(2)及び化合物(3)を併用することが柔軟効果の点から好ましく、併用する場合には化合物(2)/化合物(3)の質量比は1/99〜50/50、好ましくは5/95〜40/60、より好ましくは10/90〜30/70が柔軟効果を向上させる点から好適である。
【0027】
また、本発明では化合物(1)と化合物(2)及び/又は化合物(3)を併用することも柔軟効果を向上させることができるため好ましく、併用する場合には(化合物(2)+化合物(3))/化合物(1)を質量比で好ましくは1/99〜20/80、特に好ましくは5/95〜15/85である。
【0028】
[(b)成分]
本発明の(b)成分は、logPが0.5〜3、好ましくは0.5〜2、より好ましくは0.5〜1.8、特に好ましくは0.5〜1.6の有機溶剤である。ここでlogPとは、有機化合物の、水と1−オクタノールに対する親和性を示す係数である。1−オクタノール/水分配係数Pは、1−オクタノールと水の2液相の溶媒に微量の有機化合物が溶質として溶け込んだときの分配平衡で、それぞれの溶媒中における有機化合物の平衡濃度の比であり、底10に対するそれらの対数logPの形で示すのが一般的である。多くの化合物のlogP値が報告され、Daylight Chemical Information Systems, Inc.(Daylight CIS)などから入手しうるデータベースには多くの値が掲載されているので参照できる。実測のlogP値がない場合には、Daylight CISから入手できるプログラム“CLOGP”で計算すると最も便利である。このプログラムは、実測のlogP値がある場合にはそれと伴に、Hansch, Leoのフラグメントアプローチにより算出される“計算logP(ClogP)”の値を出力する。フラグメントアプローチは化合物の化学構造に基づいており、原子の数及び化学結合のタイプを考慮している(cf. A. Leo, Comprehensive Medicinal Chemistry, Vol.4, C. Hansch, P.G. Sammens, J.B. Taylor and C.A. Ramsden, Eds., p.295, Pergamon Press, 1990)。このClogP値は現在最も汎用的で信頼できる推定値であるので、化合物の選択に際して実測のlogP値の代わりに用いることができる。本発明では、logPの実測値があればそれを、無い場合はプログラムCLOGP v4.01により計算したClogP値を用いた。
【0029】
このようなLogPを有する有機溶剤としては下記一般式(4)、一般式(5)又は一般式(6)で表される化合物が好適である。
【0030】
R27−OH (4)
[式中、R27は炭素数4〜8の炭化水素基、好ましくはアルキル基、アリール基又はアリールアルキル基である。]
R28−(O−R29)g−O−R30 (5)
[式中、R28及びR30はそれぞれ独立に、水素原子、R31CO−(ここでR31は炭素数1〜3のアルキル基)又は炭素数1〜7の炭化水素基、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基又はアリールアルキル基であり、R29は炭素数2〜9の分岐鎖を有していてもよいアルキレン基である。ただし、R29が炭素数2〜3のアルキレン基で、かつR28及びR30の両者が水素原子である場合を除く。gは1〜5の数である。]
R32−O−CH2CH(O−R33)CH2−O−R34 (6)
[式中、R32は炭素数3〜8のアルキル基であり、R33及びR34はそれぞれ独立に、水素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基である。]
より具体的に好ましい化合物としては、n−ブタノール、イソブタノール、2−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、フェノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラエチレングリコールモノフェニルエーテル、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、ノナン−1,6−ジオール、2−メチルオクタン−1,8−ジオール、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、2−(2−メチル)プロポキシエタノール、ジエチレングリコールモノ−2−メチルプロピルエーテル、2−プロポキシ−1−プロパノール、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、2−ブトキシ−1−プロパノール、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、2−t−ブトキシ−1−プロパノール、2−フェノキシ−1−プロパノール、2−エトキシプロピル−1−アセテート、2−プロポキシプロピル−1−アセテート、1,2−ジアセトオキシプロパン、3−ジメチル−3−メトキシ−1−プロパノール、1,3−ジメチルブチルグリセリルエーテル、ペンチルグリセリルエーテル、ヘキシルグルセリルエーテルを挙げることができる。
【0031】
これらの中でも特にn−ヘキサノール、ベンジルアルコール、2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラエチレングリコールモノフェニルエーテル、ヘキサン−1,6−ジオール、ノナン−1,6−ジオール、2−プロポキシ−1−プロパノール、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ペンチルグリセリルエーテルが好ましく、組成物の透明化及び貯蔵安定性の点から最も好ましい(b)成分は2−フェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル及びトリエチレングリコールモノフェニルエーテルから選ばれる1種以上である。
【0032】
[その他成分]
本発明では任意ではあるが柔軟効果を向上させる目的から陰イオン界面活性剤(以下(c)成分という)を含有することが好ましく、特に上記(a)成分において化合物(2)及び/又は化合物(3)を用いる場合には、柔軟効果を著しく向上させることができる。
【0033】
(c)成分としては、炭素数14〜20、好ましくは16〜18の飽和又は不飽和脂肪酸、又はそのアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属塩、もしくは炭素数16〜36、好ましくは16〜28のアルキル基又はアルケニル基を有し、−SO3M基及び/又は−OSO3M基[M:対イオン]を有する陰イオン界面活性剤が好ましい。具体的にはミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、パルミトレイン酸から選ばれる脂肪酸、上記炭素数を有するアルキルベンゼンスルホン酸、アルキル(又はアルケニル)硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸エステル、オレフィンスルホン酸、アルカンスルホン酸、α−スルホ脂肪酸、α−スルホ脂肪酸エステル及びこれらの塩が好ましい。これらの中でも特に炭素数16〜28のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル(又はアルケニル)硫酸エステル、炭素数16〜28のアルキル基又はアルケニル基を有し、エチレンオキシド(以下、EOと表記する)平均付加モル数が1〜6、好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜3であるポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸エステル及びこれらの塩から選ばれる1種以上を配合することが好ましい。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が貯蔵安定性の点から良好である。
【0034】
本発明の柔軟剤組成物は、上記(b)成分以外の溶剤を用いても差し支えないが、柔軟剤を透明化させる効果を損なわないことが好ましい。(b)成分以外で用いることができる溶剤(以下(d)成分という)としては、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコールから選ばれる溶媒であり、特にエタノールが匂いの点から好ましい。
【0035】
本発明では貯蔵安定性の点から上記(a)成分、(b)成分及び(c)成分に加えて(e)成分としてさらに非イオン界面活性剤を配合することが好ましい。非イオン界面活性剤としては炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び/又は油脂又は油脂の部分加水分解物にアルキレンオキシドを付加した化合物が好ましい。炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルの特に好ましい例として、下記一般式(7)で表される非イオン界面活性剤が挙げられる。油脂又は油脂の部分加水分解物にアルキレンオキシドを付加した化合物の特に好ましい例として、硬化ヒマシ油のポリオキシアルキレン付加物(平均付加モル数好ましくは30〜100、更に好ましくは50〜80)が挙げられる。
【0036】
R35−G−[(R36O)h−R37]i (7)
[式中、R35は炭素数8〜18、好ましくは10〜16のアルキル基又はアルケニル基であり、R36は炭素数2又は3のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。R37は炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子である。hは2〜100、好ましくは5〜80、より好ましくは5〜60、特に好ましくは10〜40の数を示す。Gは−O−、−COO−、−CON−又は−N−であり、Gが−O−又は−COO−の場合はiは1であり、Gが−CON−又は−N−の場合はiは2である。ここで、複数個のR36及びR37は同一でも異なっていても良い。]
一般式(7)で表される化合物の具体例として下記一般式(7−1)〜(7−4)で表される化合物を挙げることができる。
【0037】
R35−O−(C2H4O)j−H (7−1)
[式中、R35は前記の意味を示す。jは8〜100、好ましくは10〜60の数である。]
R35−O−(C2H4O)k−(C3H6O)m−H (7−2)
〔式中、R35は前記の意味を示す。k及びmはそれぞれ独立に2〜40、好ましくは5〜40の数であり、(C2H4O)と(C3H6O)はランダムあるいはブロック付加体であってもよい。]
【0038】
【化8】
【0039】
[式中、R35は前記の意味を示す。p、q、r及びsはそれぞれ独立に0〜40の数であり、p+q+r+sは5〜60、好ましくは5〜40の数であり、(C2H4O)と(C3H6O)はランダムあるいはブロック付加体であってもよい。R36及びR37はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。]
また、本発明の柔軟剤組成物は、(f)成分として無機塩及び/又は炭素数1〜7の有機酸塩を含有することができる。無機塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、及び塩化マグネシウム、有機酸塩としては、グリコール酸、p−トルエンスルホン酸の金属塩が貯蔵安定性の点から好ましい。但し、脂肪酸塩類等の界面活性剤にはナトリウム塩やカリウム塩が含まれているが、このような界面活性剤の使用によって組成物に混入する無機塩は上記制限を受けるものではない。
【0040】
本発明では柔軟性を改善する目的で、(g)成分として炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物を配合しても差し支えないが、透明な外観を得るために留意する必要がある。配合できる化合物としてはトリグリセライド、ジグリセライド、モノグリセライド、ペンタエリスリトールのモノ、ジ、トリエステル、ソルビタンエステルを挙げることができる。
【0041】
本発明の柔軟剤組成物には、貯蔵後の色や匂いを改善するため、通常知られている金属封鎖剤や酸化防止剤(以下(h)成分という)を配合することができる。金属封鎖剤としてはエチレンジアミン四酢酸塩、ジエチレントリアミン五酢酸塩等に代表されるアミノカルボン酸類、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩に代表される無機リン化合物、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸塩やポリホスホン酸類、フィチン酸に代表される有機リン酸類を挙げることができ、酸化防止剤としては2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール及び2(3)−ブチル−4−オキシアニソール等が挙げられる。これらは酸でも塩として配合してもよい。
【0042】
本発明の柔軟剤組成物は、臭い劣化抑制効果の点から炭素数1〜10、好ましくは1〜7の炭化水素基を有する融点(mp)25℃以上、好ましくは50〜300℃、より好ましくは50〜200℃の有機酸(以下(i)成分という)を配合することが好ましい。具体的に好ましい化合物としてはグリコール酸(mp80℃)、クエン酸(mp153℃)、蓚酸(mp102℃)、乳酸(mp26℃)、マロン酸(mp135℃)、コハク酸(mp185℃)、マレイン酸(mp130℃)、リンゴ酸(mp100℃)、酒石酸(mp170℃)、グルタル酸(mp98℃)、アジピン酸(mp153℃)、n−ブチルマロン酸(mp102℃)、アゼライン酸(mp107℃)、クエン酸(mp153℃)、安息香酸(mp122℃)、フタル酸(mp191℃)を挙げることができる。これらの中でも特にグリコール酸、クエン酸、蓚酸、乳酸が臭い劣化抑制効果の点から良好である。
【0043】
本発明の柔軟剤組成物には、通常繊維処理剤に用いられる香料(特に好ましくは特開平8−113871号公報記載の成分(c)及び(d)にて示された香気成分の組み合わせ)、あるいは色素等の成分を配合しても差し支えない。
【0044】
[柔軟剤組成物]
本発明に係わる柔軟剤組成物中の(a)成分の含有量は3〜50質量%、好ましくは3〜35質量%、特に好ましくは4〜30質量%である。また、(b)成分の含有量は3〜40質量%、好ましくは5〜35質量%、特に好ましくは7〜25質量%である。また、本発明において(a)成分として化合物(1)を用いる場合には、好ましくは(c)成分を0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜7質量%、特に好ましくは1〜5質量%配合する。(a)成分として化合物(2)及び/又は化合物(3)を用いる場合には、(c)成分を好ましくは0.1〜35質量%、より好ましくは0.5〜30質量%、特に好ましくは3〜15質量%配合する。さらに、(a)成分/(c)成分のモル比は、柔軟効果向上の観点から好ましくは95/5〜52/48、より好ましくは90/10〜55/45、特に好ましくは80/20〜60/40が好適である。
【0045】
さらに(d)成分の配合量は、組成物中好ましくは0〜20質量%、より好ましくは0.5〜10質量%、特に好ましくは1〜5質量%、最も好ましくは1〜2質量%であり、(e)成分である非イオン界面活性剤の配合量は安定性の点から、組成物中0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜8質量%、特に0.5〜5質量%が好適である。また、(f)成分は、組成物中0〜3質量%、好ましくは0.01〜2質量%、特に好ましくは0.2〜0.5質量%添加することが好適である。(g)成分の配合量は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、特に好ましくは1質量%以下、最も好ましくは0.2質量%以下かつ0.02質量%以上である。(h)成分の金属封鎖剤及び酸化防止剤は、本発明の柔軟剤組成物中に(a)成分に対して0.1〜1000ppmの範囲で配合するのが好ましい。
【0046】
本発明の柔軟剤組成物は、(a)成分、(b)成分、及び必要に応じてその他成分を水に溶解させた水溶液の形態であり、且つ透明な水溶液である。ここで、本発明の透明とは光路長1cmで測定した場合に、660nmの光透過率が30%以上、好ましくは50%以上の状態と定義する。
【0047】
本発明において用いる水は、水中に微量に存在するカルシウム、マグネシウム等の硬度成分や鉄等の重金属を除去した水が好ましく、イオン交換水又は蒸留水を用いることができる。また、水を殺菌あるいは滅菌する目的から少量の塩素を含有しても差し支えない。本発明の組成物中の水の含有量は、30〜95質量%、好ましくは40〜90質量%、特に好ましくは45〜80質量%、最も好ましくは50〜75質量%である。
【0048】
本発明の柔軟剤組成物の製造方法としては、水に必要に応じて(e)成分、(f)成分及び(h)成分を溶解させ、35〜70℃、好ましくは40℃〜65℃に加熱昇温し、その後(a)成分、(b)成分、必要に応じて(c)成分、、(d)成分、(g)成分、(i)成分及び香料成分を添加して攪拌混合し、無機酸剤及び/又は有機酸剤で所定のpHに調整し、冷却した後にその他の成分を添加する方法が貯蔵安定性の点から好ましい。
【0049】
[容器]
本発明の容器に用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸と多価アルコールの重合により得られるものであり、多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、コハク酸、セバシン酸、アジピン酸、サクシン酸の少なくとも1種以上が好ましく、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のグリコール類、あるいはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール類の少なくとも1種以上が好ましい。また、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂は、オキシ酸の重合体、あるいはオキシ酸の共重合体からなるものでも差し支えない。オキシ酸としては、乳酸、ε−カプロラクトン、p−オキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等を挙げることができる。
【0050】
熱可塑性ポリエステル樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等の芳香族ポリエステル樹脂や、ポリエチレンサクシネート樹脂、ポリブチレンサクシネート樹脂等の脂肪族ポリエステル樹脂や、ポリ乳酸樹脂、ポリカプロラクトン樹脂のようなオキシ酸の重合体、あるいは 芳香族ポリエステルにポリオキシアルキレングリコールを共重合させたポリエステルエラストマーが好適であり、特にポリエチレンテレフタレート樹脂が容器の透明性の点から好適である。
【0051】
本発明ではこのような熱可塑性ポリエステル樹脂にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有させる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、及び2,4−ジ(tert−ブチル)−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールが好適であり、特に2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、及び2,4−ジ(tert−ブチル)−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールが、柔軟処理した衣料の異臭発生抑制効果の点から好ましい。
【0052】
本発明において、上記紫外線吸収剤の含有量はポリエステル樹脂100質量部に対して、好ましくは0.001〜0.2質量部、特に好ましくは0.005〜0.1質量部が容器の透明性と衣料の異臭発生抑制効果の点から好適である。
【0053】
本発明の容器の製造法としては、熱可塑性ポリエステル樹脂と紫外線吸収剤とをドライブレンドにより溶融混練することによって行われる。この溶融混練を行う際には、単軸押出機、2軸押出機、あるいはブラベンダータイプの混練機を使用することが可能である。この熱可塑性ポリエステル樹脂組成物からなる容器は、射出成形、(延伸)ブロー成形、射出ブロー成形等の成形法により得ることができる。また、紫外線吸収剤を配合するマスターバッチを上記混練機を用いて作成し、紫外線吸収剤が目的の範囲の濃度になるようにドライブレンドしたものを、射出成形等の成形法で評価プレートを作成しても良い。また、これらのポリエステル樹脂成形体は、ポリエステル樹脂組成物の単層だけでなく、これらのポリエステル樹脂組成物を多層成形体の1層として使用することも可能である。
【0054】
これらの混練機を用いて混練した溶融樹脂を、水冷あるいは空冷により冷却しフィルムにすることも可能であり、またストランド上に押出したサンプルをペレタイズした後に、射出成形、真空圧縮成形等の成形法で評価用プレートを作成してもよい。また、本発明のポリエステル樹脂成形体の展開としては、上述したプレート以外にもフィルム成形体、シート成形体、ボトル成形体、トレー成形体等様々な形態が可能である。フィルムであればインフレーションや押出ラミネート等の手法により、シートであれば押出成形や押出ラミネート等の手法により、ボトルであれば射出成形、(延伸)ブロー成形、射出ブロー成形等の成形法により、トレーではシート成形品を真空圧縮成形等の手法により成形することが可能である。これらの成形品以外にも、様々な成形体を得ることが可能である。
【0055】
【実施例】
実施例1
下記配合成分を用いて、下記方法で表1及び表2に示す組成の柔軟剤組成物を調製した。それらを下記容器に充填し、キャップ(ポリプロピレン製)により密封して、柔軟剤物品を得た。得られた柔軟剤物品について、下記方法で貯蔵安定性及び衣料の柔軟処理における異臭の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
【0056】
<配合成分>
以下に実施例に用いた成分を示す。
(a−1):下記方法で得た化合物
特開平8−99036号公報段落番号0023の表2の実施例1に示す炭化水素組成を有する脂肪酸とN−メチル−N−ヒドロキシエチル−N−アミノプロピルアミンとを脂肪酸/アミン=1.86/1のモル比で通常の方法により脱水縮合反応して、主生成物としてN−オレオイルアミノプロピル−N−オレオイルオキシエチル−N−メチルアミンを得た。次にこの化合物を反応溶媒としてエタノールを使用し、メチルクロリドを用いて通常の方法によりアルキル化し、減圧下で溶媒を留去してN−オレオイルアミノプロピル−N−オレオイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリドを得た。尚、化合物の組成は、N−オレオイルアミノプロピル−N−オレオイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリドが80%、N−オレオイルアミノプロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリドが7%、未反応脂肪酸が3%、エタノールを5%含んでいる。
(a−2):下記方法で得た化合物
特開平8−99036号公報段落番号0023の表2の比較例3に示す炭化水素組成を有する脂肪酸とトリエタノールアミンとを脂肪酸/アミン=1.7/1のモル比で通常の方法により脱水縮合反応して、主生成物であるN,N−ジオレオイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチルアミンを得た。この化合物を反応溶媒としてエタノールを使用し、ジメチル硫酸を用いて通常の方法によりアルキル化してN,N−ジオレオイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチル−N−メチルアンモニウム メチルサルフェートを得た。尚、化合物組成はN−オレオイルオキシエチル−N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアンモニウム メチルサルフェートが27%、N,N−ジオレオイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチル−N−メチルアンモニウム メチルサルフェートが37%、N,N,N−トリオレオイルオキシエチルアミンが16%、N,N,N−トリ(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアンモニウム メチルサルフェートが5%、未反応脂肪酸が5%、反応溶媒としてエタノールを5%含んでいる。
(a−3):N−アルカノイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミン塩酸塩(アルカノイル基はステアロイル基/パルミトイル基がモル比で95/5)
(a−4):N,N−ジアルキル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド(アルキル基はラウリル基/ミリスチル基がモル比で50/50)
(b−1):2−フェノキシエタノール(logP=1.19)
(b−2):ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(logP=1.25)
(b−3):トリエチレングリコールモノフェニルエーテル(ClogP=1.32)
(b−4):ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル(ClogP=1.52)
(c−1):オレイン酸
(c−2):2−デシル−1−テトラデシル硫酸エステルナトリウム
(d−1):エタノール
(e−1):ポリオキシエチレンステアリルアミン(EO平均縮合度40)
(e−2):ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO平均縮合度19)
(e−3):ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(EO平均縮合度60)
(f−1):塩化マグネシウム
(g−1):ラウリン酸とソルビタンとの脱水縮合物、ラウリン酸/ソルビタンのモル比は1.1/1である。
(h−1):2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール
(h−2):エチレンジアミン−N,N,N,N−テトラアセティック アシッド 4ナトリウム塩
(i−1):香料[ヘキシルシンナミックアルデヒド(18)、ネロリンヤラヤラ(4)、トリシクロデセニルアセテート(4)、ベンジルアセテート(10)、ムスクケトン(5)、アニシルアセトン(2)、サンダルマイソールコア(2)、アルデヒドC14ピーチ(1)、リナロール(18)、ジヒドロキシミルセノール(8)、ボルネオール(4)、セドロール(4)、ムゴール(5)、ベンジルアルコール(5)、ジプロピレングリコール(10)の混合物:カッコ内は香料中の質量%]。
【0057】
<柔軟剤組成物の調製方法>
300mLビーカーに、柔軟剤組成物の出来あがり質量が200gになるのに必要な量の95%相当量のイオン交換水を入れ、ウォーターバスで60℃に昇温した。一つの羽根の長さが2cmの攪拌羽根が3枚ついたタービン型の攪拌羽根で攪拌しながら(300r/min)、所要量の(b)成分、(e)成分を溶解させた。次に所要量の(a)成分と(d)成分を予め混合した混合品(60℃)を添加した。そのまま5分攪拌後、順次、(c)成分、(f)成分〜(i)成分を添加し、5分攪拌後、35%塩酸水溶液と48%水酸化ナトリウム水溶液で目標のpHに調整し、出来あがり質量にするのに必要な量の60℃のイオン交換水を添加した。その後10分間攪拌し、5℃の水を入れたウォーターバスにビーカーを移し、攪拌しながら20℃に冷却した。なお、表1及び表2に示すpHは冷却後(20℃)のpHを記載した。
【0058】
<容器>
容器1;ポリエチレンテレフタレート樹脂(表中PETと記載)100質量部を溶融状態にして、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール0.1質量部を添加した。これらの混練には2軸押出機を利用した。2軸押出機により押出された溶融樹脂を乾燥することで、ポリエステル樹脂組成物を作成した。このポリエステル樹脂組成物を用いて、延伸ブロー成形により、平均肉厚0.9mm、内容量1000mLの延伸ブローボトルを成形した。
【0059】
容器2;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾールに代えて2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノールを用いた以外は容器1と同様の方法で成形した。
【0060】
容器3;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾールに代えて2,4−ジ(tert−ブチル)−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールを用いた以外は容器1と同様の方法で成形した。
【0061】
容器4;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾールに代えてフェニルサリチレート(代表的な紫外線吸収剤)を用いた以外は容器1と同様の方法で成形した。
【0062】
容器5;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾールに代えて2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(代表的な紫外線吸収剤)を用いた以外は容器1と同様の方法で成形した。
【0063】
容器6;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾールに代えてメトキシ桂皮酸オクチル(代表的な紫外線吸収剤)を用いた以外は容器1と同様の方法で成形した。
【0064】
<柔軟剤物品の貯蔵安定性評価法>
柔軟剤物品を10個用意し、日光の良く当る場所に10日間保存した。その後、内容物の匂いを下記の判定基準で判定した。10個の平均を取り、平均点が1以上、1.5未満を○、1.5以上2未満を△、2以上を×として評価した。
【0065】
評価基準
1…全く変化がない。
2…内容物の匂いがやや変化している。
3…内容物の匂いが変化している。
【0066】
<衣料の柔軟処理における異臭の評価法>
バスタオル(木綿100%)5枚を市販の弱アルカリ性洗剤(花王(株)アタック)を用いて洗濯機で洗浄した(東芝製2槽式洗濯機VH−360S1、洗剤濃度0.0667質量%、水道水30L使用、水温20℃、10分間)。その後、洗浄液を排出し、3分間脱水後、30Lの水道水を注水して5分間すすぎを行い、排水後3分間脱水を行った。その後再度30Lの水道水を注水後、日光の良く当たる場所に10日間保存した柔軟剤物品から柔軟剤組成物を7mL添加し5分間攪拌した。その後脱水し、日光の良くあたる場所で自然乾燥させた。この操作を5回繰り返した衣料、また10回処理した衣料について、匂いを10人のパネラー(30代男性10人)により下記の基準で判定し、10個の平均を取り、平均点が1以上1.5未満を◎、1.5以上2未満を○、2以上2.5未満を△、2.5以上を×として評価した。
【0067】
評価基準
1…柔軟剤の香料以外には異臭がない
2…柔軟剤の香料以外の異臭がややある
3…柔軟剤の香料以外に異臭がある
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
Claims (4)
- (a)アミド基、エステル基及び/又はエーテル基で分断されていても良い炭素数12〜36の炭化水素基を分子内に1つ以上有し、かつ3級アミノ基又はその酸塩もしくは4級アンモニウム基を有する化合物を3〜50質量%、及び(b)logPが0.5〜3の有機溶剤を3〜40質量%含有する透明液体柔軟剤組成物を、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有する熱可塑性ポリエステル樹脂からなる透明容器に充填してなる柔軟剤物品。
- ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、及び2,4−ジ(tert−ブチル)−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールから選ばれる1種以上である請求項1記載の柔軟剤物品。
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