JP3822537B2 - 柔軟剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は着色された透明又は半透明の柔軟剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、柔軟剤には長鎖アルキル基を有する4級アンモニウム塩や3級アミンの酸塩等が用いられており、これらは水不溶性であるため組成物中に分散状態で存在する。近年、審美的観点から透明又は半透明な柔軟剤の開発が行われており、特開平7−229061号公報には不飽和炭化水素基を有する柔軟剤及び非水性溶剤を用いた組成物が開示されている。特開平9−250085号公報には特定ヨウ素価を有する柔軟化基材を用いた柔軟剤組成物が開示されている。
【0003】
また、柔軟剤は一般に染料等を用いて着色されている。特開平2−210067号公報には特定の染料を用いた染着性のない柔軟剤組成物が開示されている。また、米国特許3892669号明細書には透明な柔軟剤に染料を配合した例が実施例に記載されている。このように柔軟剤に染料を用いることは一般に行われていることであるが、従来の染料を透明もしくは半透明の柔軟剤に応用すると光により褪色するという問題が生じ、特に透明な外観を強調するために透明な容器に充填した場合、著しく染料が分解するという問題がある。米国特許4844820号明細書、米国特許4822499号明細書には光安定性の優れる特定染料を用いた柔軟剤組成物が開示されているが、これら染料を用いても未だ満足できる光安定性を得ることができない。
【0004】
本発明の課題は、染料で着色しても光による染料の褪色が起こらない透明又は半透明の柔軟剤組成物及び柔軟剤物品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)炭素数12〜36の炭化水素基を1〜3個と、3級アミノ基又はその酸塩もしくはその4級アンモニウム基を1個有する化合物を3〜40質量%、(b)有機溶剤を3〜30質量%、(c)ポリオキシアルキレン鎖を少なくとも1つ有する染料を0.1〜100mg/kg、(d)アミノポリカルボン酸、ホスホン酸及びこれらの塩から選ばれる化合物を0.0005〜5質量%、及び水を含有する着色された透明又は半透明の柔軟剤組成物、並びにこの柔軟剤組成物を、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有する熱可塑性ポリエステル樹脂からなる透明容器に充填してなる柔軟剤物品を提供する。
【0006】
なお、本発明でいう透明又は半透明とは、測定セルの光路長10mmの石英セルを使用し、対照側セルにイオン交換水を入れた場合に660nmの波長の光透過率が30%以上であることをいう。
【0007】
【発明の実施の形態】
[(a)成分]
本発明の(a)成分は、炭素数12〜36の炭化水素基を1つ以上と、3級アミノ基又はその酸塩もしくはその4級アンモニウム基を1つ以上有する化合物であり、下記一般式(1)で表される化合物(以下化合物(1)という)、及び一般式(2)で表される化合物(以下化合物(2)という)から選ばれる長鎖炭化水素基を2又は3個有し、ヨウ素価が15〜110の化合物(以下(a1)成分という)、又は下記一般式(3)で表される化合物(以下化合物(3)という)、及び一般式(4)で表される化合物(以下化合物(4)という)から選ばれる長鎖炭化水素基を1つ有する化合物(以下(a2)成分という)が好適である。
【0008】
【化3】
【0009】
[式中R1及びR3はそれぞれ独立に、炭素数12〜36、好ましくは13〜26、特に好ましくは13〜18の炭化水素基であり、R2及びR4はそれぞれ独立に、炭素数1〜5、好ましくは1〜3のアルキレン基、特にエチレン基又はプロピレン基である。R5は炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、又はR1−[A−R2]a−で表される基、好ましくはメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基であり、R6炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、好ましくはメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基である。A及びBはそれぞれ独立に、−COO−、−OCO−、−CONH−及び−NHCO−から選ばれる基、好ましくは−COO−又は−CONH−であり、a及びbはそれぞれ0又は1の数、好ましくは1である。Y-は陰イオン、好ましくはハロゲンイオン、硫酸イオン又は炭素数1〜3のアルキル硫酸エステルイオンである。また、R1、R3及びR5は一般式(1)又は(2)で表される化合物のヨウ素価が15〜110、好ましくは20〜90、より好ましくは25〜80になるように選ばれる。]
【0010】
【化4】
【0011】
[式中、R7は炭素数12〜36、好ましくは13〜26、特に好ましくは13〜18の炭化水素基であり、R8は炭素数1〜5、好ましくは1〜3のアルキレン基、特にエチレン基又はプロピレン基である。R9、R10及びR11はそれぞれ独立に、炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、好ましくはメチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基である。Dは−COO−、−OCO−、−CONH−及び−NHCO−から選ばれる基、好ましくは−COO−又は−CONH−であり、cは0又は1の数、好ましくは1である。Y-は陰イオン、好ましくはハロゲンイオン、硫酸イオン又は炭素数1〜3のアルキル硫酸エステルイオンである。]
本発明の(a1)成分のヨウ素価は15〜110、好ましくは20〜90、より好ましくは25〜80であるが、ここでヨウ素価とは、化学大辞典9 共立出版社1997年9月20日36刷 449頁に記載されている方法により算出された値である。このようなヨウ素価を得る目的、及び柔軟剤組成物の貯蔵安定性の点から、一般式(1)及び一般式(2)において、R1及びR3は炭素数12〜36、好ましくは13〜26、特に好ましくは13〜18のアルキル基及びアルケニル基が混合された炭化水素基が好ましく、分子中に存在するR1及びR3の合計数に対して、アルキル基の数が1〜15%、好ましくは1〜13%、より好ましくは1〜10%、特に好ましくは5〜10%、アルケニル基の数が85〜99%、好ましくは87〜99%、より好ましくは90〜99%、特に好ましくは90〜95%であり、且つ炭素−炭素不飽和結合を2つ以上有するアルケニル基の数が15%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは0.1〜5%、さらに好ましくは0.5〜4%、特に好ましくは0.5〜3%である化合物が好適である。
【0012】
本発明の(a1)成分としては、特に下記一般式(1−1)〜(1−3)で表される化合物及び下記一般式(2−1)〜(2−3)で表される化合物が好適である。
【0013】
【化5】
【0014】
[式中R1、R3、R5、R6及びY-は前記の意味を示し、d及びeはそれぞれ2又は3の数である。]
通常(a1)成分は牛脂やパーム油等の油脂から蒸留等の精製工程を経て得られるオレイン酸(又はその低級アルキルエステル)あるいはオレイルアルコールを原料として製造される。また、このようなオレイン酸(又はその低級アルキルエステル)やオレイルアルコールにはステアリン酸、パルミチン酸等の飽和脂肪酸や、ステアリルアルコール、パルミチルアルコール等の飽和アルコールが5〜15モル%、リノール酸やリノールアルコール等の炭素−炭素2重結合を2つ以上有する化合物が7〜15モル%含まれる。本発明では特にリノール酸やリノールアルコールを低減化させた原料を用いて(a1)成分を製造することが好ましい。リノール酸やリノールアルコールを低減化させる方法としては、例えば特開平8−99036号公報に開示されている金属銅結晶を選択水素添加触媒として用いる方法を挙げることができる。また、本発明では好ましくは炭素−炭素2重結合を2つ以上有する化合物を3モル%以下に低減化することが好ましい。
【0015】
(a1)成分の好ましい製造方法としては、このようなリノール酸を低減化した脂肪酸とメチルジエタノ−ルアミンとの脱水エステル化反応により、上記式(1−1)で表される化合物を得ることができ、さらに式(1−1)で表される化合物をメチルクロリド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等のアルキル化剤でアルキル化することで、式(2−1)で表される化合物を得ることができる。また、リノール酸を低減化した脂肪酸とN,N−ジアミノプロピル−N−メチルアミンとのアミド化反応により、式(1−2)で表される化合物を得ることができ、さらにアルキル化することで、式(2−2)で表される化合物を得ることができる。さらに、リノール酸を低減化した脂肪酸とN−ヒドロキシエチル−N−アミノプロピル−N−メチルアミンとの反応により、式(1−3)で表される化合物が得られ、さらにアルキル化することで、式(2−3)で表される化合物を得ることが可能である。
【0016】
なお、化合物(1)は無機又は有機の酸で中和した塩の形態であってもよく、柔軟剤組成物に配合する前にアミノ基を酸剤により中和したものを用いることもでき、柔軟剤組成物に化合物(1)を配合した後、アミノ基を酸剤で中和してもよい。中和のための酸としては塩酸、硫酸、リン酸、グリコール酸、蓚酸、乳酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸、炭素数1〜12の脂肪酸又は炭素数1〜3のアルキル硫酸が好ましく、特に塩酸、硫酸、グリコール酸、蓚酸、乳酸、クエン酸が好ましい。中和に用いるこれらの酸剤は、単独で用いても複数で用いてもよい。
【0017】
本発明では、(a)成分として、化合物(1)又は化合物(2)を用いる場合には、不飽和結合を1つ有する炭化水素基においてシス体とトランス体を含むことができ、シス体/トランス体は25/75〜100/0、好ましくは50/50〜95/5(モル比)が透明化の点から好適である。
【0018】
本発明の柔軟剤組成物に(a1)成分を用いる場合には、化合物(1)及び化合物(2)を併用することが柔軟効果を向上させる目的から好適であり、化合物(1)/化合物(2)を質量比で、好ましくは1/99〜50/50、より好ましくは5/95〜40/60、特に好ましくは10/90〜30/70の割合で用いることが柔軟効果を向上させる点から好適である。
【0019】
本発明の(a2)成分のうち、化合物(3)としては、下記一般式(3−1)又は(3−2)で表される化合物から選ばれる1種以上が好適である。
【0020】
【化6】
【0021】
[式中、R7、R9及びR10は前記の意味を示し、f及びgはそれぞれ2又は3の数である]。
【0022】
一般式(3−1)又は(3−2)で表される化合物は、R7−COOHで表される脂肪酸又はそのアルキル(炭素数1〜5)エステルもしくは酸クロリドと、N−ヒドロキシアルキル−N,N−ジアルキルアミン又はN−アミノアルキル−N,N−ジアルキルアミンとを反応させることで容易に合成することができ、R7は単独の炭化水素鎖長でもよく、混合炭化水素鎖長でもよい。
【0023】
化合物(3)は、無機又は有機の酸で中和した塩であってもよい。また、塩として使用する場合は、柔軟剤組成物に配合する前にアミノ基を酸剤により中和したものを用いることもでき、柔軟剤組成物に化合物(3)を配合した後、アミノ基を酸剤で中和してもよい。中和のための酸としては塩酸、硫酸、リン酸、グリコール酸等のヒドロキシカルボン酸、炭素数1〜12の脂肪酸又は炭素数1〜3のアルキル硫酸が好ましく、特に塩酸、硫酸、グリコール酸が好ましい。中和に用いるこれらの酸剤は、単独で用いても複数で用いてもよい。
【0024】
本発明の(a2)成分のうち、化合物(4)としては、下記一般式(4−1)又は(4−2)で表される化合物から選ばれる1種以上が挙げられる。
【0025】
【化7】
【0026】
[式中、R7、R9、R10、R11及びY-は前記の意味を示し、h及びiはそれぞれ2又は3の数である]。
【0027】
一般式(4−1)又は(4−2)で表される化合物は、R7−COOHで表される脂肪酸又はそのアルキル(炭素数1〜5)エステルもしくは酸クロリドと、N−ヒドロキシアルキル−N,N−ジアルキルアミン又はN−アミノアルキル−N,N−ジアルキルアミンとを反応させ、さらにアルキルハライド、ジアルキル硫酸、アルキレンオキシド等のアルキル化剤で4級化することで容易に合成することができる。また、N,N,N−トリアルキル−N−ヒドロキシアルキル4級アンモニウム塩、N,N,N−トリアルキル−N−アミノアルキル4級アンモニウム塩と、R7−COOHで表される脂肪酸又はそのアルキル(炭素数1〜5)エステルもしくは酸クロリドとの反応で合成することも可能である。R7は単独の炭化水素鎖長でもよく、混合炭化水素鎖長でもよい。
【0028】
さらに本発明では(a2)成分を用いる場合には、化合物(3)及び化合物(4)を併用することが柔軟効果の点から好ましく、併用する場合には化合物(3)/化合物(4)を質量比で、好ましくは1/99〜50/50、より好ましくは5/95〜40/60、特に好ましくは10/90〜30/70の割合で用いることが柔軟効果を向上させる点から好適である。
【0029】
また、本発明では(a1)成分と(a2)成分を併用することも柔軟効果を向上させる観点から好ましく、併用する場合には(a2)成分/(a1)成分を質量比で、好ましくは1/99〜20/80、特に好ましくは5/95〜15/85の割合で用いる。
【0030】
[(b)成分]
本発明の(b)成分は有機溶剤であり、溶剤ハンドブック 講談社 1993年9月20日第13刷発行に記載のものを用いることができる。また、本発明では柔軟剤組成物の透明又は半透明化の目的から、logPが0.2〜3、更に0.5〜2、特に0.5〜1.6の有機溶剤を用いることが好ましい。ここでlogPとは、有機化合物の、水と1−オクタノールに対する親和性を示す係数である。1−オクタノール/水分配係数Pは、1−オクタノールと水の2液相の溶媒に微量の有機化合物が溶質として溶け込んだときの分配平衡で、それぞれの溶媒中における有機化合物の平衡濃度の比であり、底10に対するそれらの対数logPの形で示すのが一般的である。多くの化合物のlogP値が報告され、Daylight Chemical Information Systems, Inc. (Daylight CIS)などから入手しうるデータベースには多くの値が掲載されているので参照できる。実測のlogP値がない場合には、Daylight CISから入手できるプログラム“CLOGP”で計算すると最も便利である。このプログラムは、実測のlogP値がある場合にはそれと伴に、Hansch, Leoのフラグメントアプローチにより算出される“計算logP(ClogP)”の値を出力する。フラグメントアプローチは化合物の化学構造に基づいており、原子の数及び化学結合のタイプを考慮している(cf. A. Leo, Comprehensive Medicinal Chemistry, Vol.4, C. Hansch, P.G. Sammens, J.B. Taylor and C.A. Ramsden, Eds., p.295, Pergamon Press, 1990)。このClogP値は現在最も汎用的で信頼できる推定値であるので、化合物の選択に際して実測のlogP値の代わりに用いることができる。本発明では、logPの実測値があればそれを、無い場合はプログラムCLOGP v4.01により計算したClogP値を用いた。
【0031】
このようなLogPを有する有機溶剤としては下記一般式(5)、一般式(6)又は一般式(7)で表される化合物が好適である。
【0032】
R12−OH (5)
[式中、R12は、炭素数4〜8の炭化水素基、好ましくはアルキル基、アリ−ル基又はアリ−ルアルキル基である。]
R13−(O−R14)j−O−R15 (6)
[式中、R13及びR15はそれぞれ独立に、水素原子、R16CO−(ここでR16は炭素数1〜3のアルキル基)又は炭素数1〜7の炭化水素基、好ましくは水素原子、アルキル基、アリ−ル基又はアリ−ルアルキル基であり、R14は炭素数2〜9の分岐鎖を有していてもよいアルキレン基である。jは1〜5の数である。]
R17−O−CH2CH(O−R18)CH2−O−R19 (7)
[式中、R17は炭素数3〜8のアルキル基であり、R18及びR19はそれぞれ独立に、水素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基である。]
より具体的に好ましい化合物としては、n−ブタノール、イソブタノール、2−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、フェノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラエチレングリコールモノフェニルエーテル、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、ノナンー1,6−ジオール、2−メチルオクタン−1,8−ジオール、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、2−(2−メチル)プロポキシエタノール、ジエチレングリコールモノ−2−メチルプロピルエーテル、2−プロポキシ−1−プロパノール、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、2−ブトキシ−1−プロパノール、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、2−t−ブトキシ−1−プロパノール、2−フェノキシ−1−プロパノール、2−エトキシプロピル−1−アセテート、2−プロポキシプロピル−1−アセテート、1,2−ジアセトオキシプロパン、3−ジメチル−3−メトキシ−1−プロパノール、1,3−ジメチルブチルグリセリルエーテル、ペンチルグリセリルエーテル、ヘキシルグルセチルエーテルを挙げることができる。
【0033】
これらの中でも特にn−ヘキサノール、ベンジルアルコール、2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラエチレングリコールモノフェニルエーテル、ヘキサン−1,6−ジオール、ノナンー1,6−ジオール、2−プロポキシ−1−プロパノール、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ペンチルグリセリルエーテルが好ましく、組成物の透明化及び貯蔵安定性の点から最も好ましい(b)成分は2−フェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル及びトリエチレングリコールモノフェニルエーテルから選ばれる1種以上である。
【0034】
[(c)成分]
本発明の(c)成分は、ポリオキシアルキレン鎖を少なくとも1つ有する染料(以下ポリオキシアルキレン変性染料という)であり、ポリオキシアルキレン変性染料は、ポリオキシアルキレン鎖と発色団を有していれば良い。
【0035】
ポリオキシアルキレン鎖としては、式 −(AO)n−
[式中、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す3〜200の数であり、n個のAは同一でも異なっていても良い。]
で表されるポリオキシアルキレン鎖が好ましく、式
−(C3H6O)k−(C2H4O)m−
[式中、k、mはそれぞれ独立に、0〜100の数であって、k+mは3〜200の数である。また、(C3H6O)k及び(C2H4O)mはランダムであっても、ブロックであってもよい。]
で表されるポリオキシアルキレン鎖が更に好ましい。
【0036】
発色団としては、アゾ発色団、フタロシアニン発色団、アントラキノン発色団、アザ[18]アヌレン発色団、フォルマザン銅錯体発色団、トリフェノジオキサジン発色団、ニトロソ発色団、ニトロ発色団、ジアリールメタン発色団、トリアリールメタン発色団、キサンテン発色団、アクリデン発色団、メチン発色団、チアゾール発色団、インダミン発色団、アジン発色団、オキサジン発色団、チアジン発色団、キノリン発色団、インジゴイド発色団、インドフェノール発色団、ラクトン発色団、アミノケトン発色団、ヒドロキシケトン発色団、スチルベン発色団等が挙げられる。ポリオキシアルキレン鎖と発色団は、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等を介して直接的又は間接的に結合しているものが好ましい。
【0037】
ポリオキシアルキレン変性染料の具体例としては、特開平2−283号公報の実施例9、10に記載のポリオキシアルキレン変性アントラキノン系着色料、特開平3−149266号公報に記載のオキシアルキレン変性フタロシアニン系染料、特開平10−316881号公報に記載のシロキサン含有ポリ(オキシアルキレン)共重合体置換基を有する着色料、特開平10−316880号公報に記載のポリ(オキシアルキレン)置換着色剤、特開昭62−104875号公報記載のポリ(オキシアルキレン)置換着色剤、特開昭56-159224号公報に記載の染料、特開昭61−57649号公報記載の反応性染料、特表平8−502784号公報に記載の染料等を挙げることができる。また、ミリケン・ケミカル社製のリクィティント(Liquitint、登録商標)染料も使用出来る。
【0038】
[(d)成分]
本発明の(d)成分はアミノポリカルボン酸、ホスホン酸及びこれらの塩から選ばれる化合物である。
【0039】
好ましいアミノポリカルボン酸は、分子中に式 −N(CH2COOH)2
で示されるイミノジ酢酸基を少なくとも1つ以上、好ましくは1又は2つ有し、且つ分子量180〜1000、好ましくは250〜600の化合物である。具体的にはニトリロ3酢酸、エチレンジアミン4酢酸、ジエチレントリアミン5酢酸、アスパラギンサン酸2酢酸、グルタミン酸2酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジエンコル酸等を挙げることができ、特にエチレンジアミン4酢酸、ジエチレントリアミン5酢酸、アスパラギンサン酸2酢酸、グルタミン酸2酢酸が好適である。
【0040】
ホスホン酸としてはエタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸及びその誘導体、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、トリメチレンホスホノアミン等を挙げることができ、特にエタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)が好適である。
【0041】
塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、ニッケル塩、クロム塩、亜鉛塩、及びアルカノールアミン塩が好ましく、特にナトリウム塩、カリウム塩、鉄塩が好適である。
【0042】
本発明の(d)成分としては、エチレンジアミン4酢酸、及びそのナトリウム塩、カリウム塩又は鉄塩が最も好ましい。
【0043】
[柔軟剤組成物]
本発明の柔軟剤組成物は、(a)成分を3〜40質量%、好ましくは5〜35質量%、より好ましくは5〜30質量%、特に好ましくは7〜25質量%含有し、(b)成分を3〜30質量%、好ましくは5〜25質量%、特に好ましくは10〜20質量%含有する。また、(c)成分を0.1〜100mg/kg、好ましくは1〜70mg/kg、特に好ましくは3〜30mg/kg含有し、(d)成分を0.0005〜5質量%、好ましくは0.001〜3質量%、特に好ましくは0.005〜0.5質量%含有する。さらに、光安定性の点から、(c)成分と(d)成分の質量比(c)成分/(d)成分が、好ましくは1/10000〜10/1、より好ましくは1/5000〜1/1、特に好ましくは1/100〜1/1である。
【0044】
本発明の柔軟剤組成物は、(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(d)成分を水で稀釈した水溶液の形態であり、使用する水は蒸留水又はイオン交換水が好ましい。貯蔵安定性の点で、水は組成物中に30〜95質量%、更に50〜85質量%配合されることが好ましい。
【0045】
さらに、本発明の組成物は、貯蔵安定性の点から、組成物の20℃におけるpHを1〜8.5、更に1〜8、特に2〜8に調整することが好ましい。
【0046】
[その他成分]
本発明の柔軟剤組成物には、上記(a)成分〜(d)成分に加えて、(e)成分として炭素数12〜36、好ましくは14〜24、より好ましくは14〜20の飽和若しくは不飽和の脂肪酸又はその塩を含有することが柔軟効果の点から好ましい。具体的にはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸あるいはこれらの混合物が挙げられ、特にパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸から選ばれる1種以上が好ましい。また、パーム油、牛脂から誘導されるアルキル組成を有する脂肪酸も好ましい。塩を用いる場合は、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アルカノールアミン塩が好ましく、特に貯蔵安定性からナトリウム塩、カリウム塩が良好である。(e)成分の配合量は、組成物中0.01〜5質量%、特に0.05〜3質量%が好ましい。また、(e)成分/(a)成分は質量比で、1/500〜1/50、更に1/300〜1/100が柔軟効果の点から良好である。
【0047】
本発明ではさらに分子中に(f)成分として、炭素数16〜36、好ましくは16〜28のアルキル基又はアルケニル基と、−SO3M基及び/又は−OSO3M基(M:対イオン)とを有する陰イオン界面活性剤を配合することが好ましい。具体的には上記炭素数のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸、アルキル(又はアルケニル)硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸エステル、オレフィンスルホン酸、アルカンスルホン酸、α−スルホ脂肪酸、α−スルホ脂肪酸エステル及びこれらの塩が好ましい。これらの中でも特に炭素数16〜28のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル(又はアルケニル)硫酸エステル、炭素数16〜28のアルキル基又はアルケニル基を有し、エチレンオキシド(以下、EOと表記する)平均付加モル数が1〜6、好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜3であるポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸エステル及びこれらの塩から選ばれる一種以上を配合することが好ましい。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が貯蔵安定性の点から良好である。
【0048】
本発明では(a)成分として(a1)成分を選択する場合には、(a1)成分/(f)成分をモル比で好ましくは99.5/0.5〜70/30、特に好ましくは99/1〜85/15の割合で配合し、(a)成分として(a2)成分を選択する場合には、(a2)成分/(f)成分をモル比で好ましくは95/5〜50/50、特に好ましくは85/15〜65/35の割合で配合することが柔軟効果の点から好ましい。
【0049】
本発明では(g)成分として酸化防止剤を配合することが好ましく、具体的には2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール及び/又は2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノールを用いることが好適である。
【0050】
本発明では(a)成分として(a1)成分を選択する場合には、(g)成分を0.001〜1質量%、特に0.005〜0.05質量%配合し、(a)成分として(a2)成分を選択する場合には、(g)成分を0.0003〜0.5質量%、特に0.007〜0.02質量%配合することが貯蔵安定性の点から好ましい。
【0051】
本発明では貯蔵安定性の点から、(h)成分としてさらに非イオン界面活性剤を配合することが好ましい。非イオン界面活性剤としては炭素数8〜20のアルキル基又はアルケニル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましく、特に下記一般式(8)で表される非イオン界面活性剤が良好である。
【0052】
R20−F−[(R21O)p−H]q (8)
[式中、R20は、炭素数10〜18、好ましくは12〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、R21は炭素数2又は3のアルキレン基、好ましくはエチレン基である。pは2〜100、好ましくは5〜80、特に好ましくは10〜60の数を示す。Fは−O−、−CON−又は−N−であり、Fが−O−の場合はqは1であり、Fが−CON−又は−N−の場合はqは2である。]
一般式(8)で表される化合物の具体例として、以下の一般式(8−1)〜(8−4)で表される化合物を挙げることができる。
【0053】
R20−O−(C2H4O)r−H (8−1)
[式中、R20は前記の意味を示す。rは8〜100、好ましくは10〜60の数である。]
R20−O−(C2H4O)s−(C3H6O)t−H (8−2)
[式中、R20は前記の意味を示す。s及びtはそれぞれ独立に2〜40、好ましくは5〜40の数であり、オキシエチレン基とオキシプロピレン基はランダムあるいはブロック付加体であってもよい。]
【0054】
【化8】
【0055】
[式中、R20は前記の意味を示す。u,v,w及びxはそれぞれ独立に0〜40、好ましくは5〜40の数であり、u+v+w+xは5〜60、好ましくは5〜40の数である。オキシエチレン基とオキシプロピレン基はランダムあるいはブロック付加体であってもよい。]
(h)成分の配合量は安定性の点から組成物中0.5〜10質量%、特に1〜8質量%が好ましい。
【0056】
また、本発明の柔軟剤組成物は、(i)成分として無機塩を含有することができる。無機塩としては塩化ナトリウム及び/又は塩化カルシウムが貯蔵安定性の点から好ましく、組成物中0〜1000mg/kg好ましくは10〜500mg/kg添加することが良好である。但し、脂肪酸塩類等の界面活性剤にはナトリウム塩やカリウム塩が含まれているが、このような界面活性剤の使用によって組成物に混入する無機塩は上記制限を受けるものではない。
【0057】
本発明では風合いを改善する目的で(j)成分として炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化合物を配合することができる。具体的に好ましいエステル化合物としては、トリグリセライド、ジグリセライド、モノグリセライド、ペンタエリスリトールのモノ、ジ、トリエステル、ソルビタンエステル等を挙げることができ、これらの配合量は組成物中、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。
【0058】
本発明の柔軟剤組成物は、(c)成分のポリオキシアルキレン変性染料に、(k)成分として一般的に使用される色素を併用することが出来る。(k)成分の色素としては、例えば、分子内にアミノ基、スルホニル基、カルボキシル基を有する酸性染料、直接染料、塩基性染料、媒染・酸性媒染染料、アゾイック染料、硫化・硫化建染染料、建染染料、分散染料、油溶染料、反応染料、食品用色素、天然色素から選ばれる1種以上の色素が好ましい。より好ましくは、Acid Blue80、発色団にカルボニウム基を有する酸性染料、発色団にカルボニウム基を有する直接染料、塩基性染料、反応性染料、食品用色素、天然色素である。特に好ましくは、カラーインデックスでRed、Blue、Yellow、Violetで分類される塩基性染料、反応性染料、媒染・酸性媒染染料、アゾイック染料、硫化・硫化建染染料、食品用色素である。(k)成分の配合量は、組成物中に好ましくは0.1mg/kg〜100mg/kg、より好ましくは0.1mg/kg〜20mg/kgである。
【0059】
本発明の柔軟剤組成物には、通常繊維処理剤に配合されるシリコーン、香料(特に好ましくは特開平8−11387号公報記載の成分(c)及び(d)にて示された香気成分の組み合わせ)等の成分を配合しても差し支えない。
【0060】
[柔軟剤物品]
本発明の柔軟剤組成物は、その透明又は半透明の外観を強調する目的から透明容器に充填することが好ましい。また、透明容器としてはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有する熱可塑性ポリエステル樹脂からなる透明容器を用いることが光安定性の点から好ましい。
【0061】
本発明の透明容器に用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸と多価アルコールの重合により得られるものであり、多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、コハク酸、セバシン酸、アジピン酸、サクシン酸から選ばれる少なくとも1種以上が好ましく、多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のグリコール類、あるいはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール類から選ばれる少なくとも1種以上が好ましい。また、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂は、オキシ酸の重合体、あるいはオキシ酸の共重合体からなるものでも差し支えない。オキシ酸としては乳酸、ε−カプロラクトン、p−オキシ安息香酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等を挙げることができる。
【0062】
熱可塑性ポリエステル樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等の芳香族ポリエステル樹脂や、ポリエチレンサクシネート樹脂、ポリブチレンサクシネート樹脂等の脂肪族ポリエステル樹脂や、ポリ乳酸樹脂、ポリカプロラクトン樹脂のようなオキシ酸の重合体、あるいは 芳香族ポリエステルにポリオキシアルキレングリコールを共重合させたポリエステルエラストマーが好適であり、特にポリエチレンテレフタレート樹脂が容器の透明性の点から好適である。
【0063】
本発明の柔軟剤物品では、このような熱可塑性ポリエステル樹脂にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有させる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、及び2,4−ジ(tert−ブチル)−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールが好適であり、特に2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、及び2,4−ジ(tert−ブチル)−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノールが、柔軟処理した衣料の異臭発生抑制効果の点から好ましい。
【0064】
本発明では上記紫外線吸収剤をポリエステル樹脂100質量部に対して、好ましくは0.001〜0.2質量部、特に好ましくは0.005〜0.1質量部配合することが容器の透明性と衣料の異臭発生抑制効果の点から好適である。
【0065】
本発明に用いられる透明容器の製造法は、まず熱可塑性ポリエステル樹脂と紫外線吸収剤とをドライブレンドにより溶融混練してポリエステル樹脂組成物を得る。これらを溶融混練する際には、単軸押出機、2軸押出機、あるいはブラベンダータイプの混練機を使用することが可能である。次にこのポリエステル樹脂組成物を、射出成形、(延伸)ブロー成形、射出ブロー成形等の成形法により成形し透明容器を得ることができる。また、紫外線吸収剤を配合するマスターバッチを上記混練機を用いて作成し、紫外線吸収剤が目的の範囲の濃度になるようにドライブレンドしたものを、射出成形等の成形法で成形しても良い。また、透明容器は、ポリエステル樹脂組成物の単層だけでなく、これらのポリエステル樹脂組成物を多層成形体の1層として使用することも可能である。
【0066】
本発明の柔軟剤物品は、このようにして製造された透明容器に、本発明の着色された透明又は半透明の柔軟剤組成物を充填することにより得られる。
【0067】
【実施例】
合成例1:(a−1)の合成
特開平8−99036号公報段落番号0023の表2の実施例1に示す炭化水素組成を有する脂肪酸とN−メチル−N−ヒドロキシエチル−N−アミノプロピルアミンとを脂肪酸/アミン=1.8/1のモル比で通常の方法により脱水縮合反応して、N−オレオイルオキシエチル−N−オレオイルアミノプロピル−N−メチルアミンを得た。
【0068】
合成例2:(a−2)の合成
特開平8−99036号公報段落番号0023の表2の比較例3に示す炭化水素組成を有する脂肪酸とトリエタノールアミンとを脂肪酸/アミン=1.9/1のモル比で通常の方法により脱水縮合反応して、N,N−ジオレオイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチルアミンを得た。この化合物をメチルクロリドを用いて通常の方法によりアルキル化してN,N−ジオレオイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチル−N−メチルアンモニウム クロリドを得た(尚、反応溶媒はエタノールを使用し、合成品中のエタノール含有量は10質量%であった。)。
【0069】
合成例3:(a−3)の合成
牛脂硬化脂肪酸組成を有する混合脂肪酸とN−アミノプロピル−N,N−ジメチルアミンとを脂肪酸/アミン=0.95/1のモル比で通常の方法により脱水縮合反応して、N−(3−アルカノイルアミノプロピル)−N,N−ジメチルアミンを得た。
【0070】
合成例4:(a−4)の合成
パルミチン酸/ステアリン酸=40/60のモル比で混合した脂肪酸とN−ヒドロキシエチル−N,N−ジメチルアミンとを脂肪酸/アミン=0.95/1のモル比で通常の方法により脱水縮合反応して、N−アルカノイルオキシエチル−N,N−ジメチルアミンを得た。この化合物をメチルクロリドを用いて通常の方法によりアルキル化してN−アルカノイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウム クロリドを得た(尚、反応溶媒はエタノールを使用し、合成品中のエタノール含有量は10質量%であった。)。
【0071】
容器1の製造例
ポリエチレンテレフタレート樹脂100質量部を溶融状態にして、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール0.1質量部を添加した。これらの混練には2軸押出機を利用した。2軸押出機により押出された溶融樹脂を乾燥することで、ポリエステル樹脂組成物を作成した。このポリエステル樹脂組成物を用いて、延伸ブロー成形により、平均肉厚0.9mm、内容量1000mlの延伸ブローボトルを成形した。
【0072】
実施例1
下記配合成分を用いて、下記方法で表1に示す組成の柔軟剤組成物を調製し、下記方法で外観及び光安定性を評価した。結果を表1に示す。
【0073】
<配合成分>
(a−1):合成例1で得たN−オレオイルオキシエチル−N−オレオイルアミノプロピル−N−メチルアミン
(a−2):合成例2で得たN,N−ジオレオイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチル−N−メチルアンモニウム クロリド
(a−3):合成例3で得たN−(3−アルカノイルアミノプロピル)−N,N−ジメチルアミン
(a−4):合成例4で得たN−アルカノイルオキシエチル−N,N,N−トリメチルアンモニウム クロリド
(b−1):2−フェノキシエタノール
(b−2):ジエチレングリコールモノフェニルエーテル
(b−3):ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、
(b−4):ペンチルグリセリルエーテル
(c−1):Liquitint(登録商標) Royal Blue
(c−2):特開平3−149266号公報例#20に記載のポリオキシアルキレン変性フタロシアニン着色料
(c'−1):D&C Red#28(米国特許4844820号明細書記載の染料)
(d−1):エチレンジアミン4酢酸
(d−2):エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸
(e−1):ステアリン酸
(f−1):2−デシル−1−テトラデシル硫酸エステルナトリウム
(g−1):2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール
(h−1):炭素数12の飽和アルコールにEOを平均20モル付加させたもの
(h−2):ステアリルアミンにEOを平均30モル付加させたもの
(i−1): 塩化ナトリウム
(j−1):グリセリンにエチレンオキシド60モル付加させた化合物
(k−1):色素(アシッド レッド52)
(l−1):シリコーン(ジーイー東芝シリコーン製、TSA730)。
(l−2):香料[ヘキシルシンナミックアルデヒド(18)、ネロリンヤラヤラ(4)、トリシクロデセニルアセテート(4)、ベンジルアセテート(10)、ムスクケトン(5)、アニシルアセトン(2)、サンダルマイソールコア(2)、アルデヒドC14ピーチ(1)、リナロール(18)、ジヒドロキシミルセノール(8)、ボルネオール(4)、セドロール(4)、ムゴール(5)、ベンジルアルコール(5)、ジプロピレングリコール(10)の混合物:カッコ内は香料中の質量%]。
【0074】
<柔軟剤組成物の調製法>
300mLビーカーに、柔軟剤組成物の出来あがり質量が200gになるのに必要な量の95%相当量のイオン交換水を入れ、ウォーターバスで60℃に昇温した。一つの羽根の長さが2cmの攪拌羽根が3枚ついたタービン型の攪拌羽根で攪拌しながら(300r/min)、所要量の(b)成分、(e)成分を溶解させた。次に所要量の(a)成分と(d)成分を予め混合した混合品(40℃)を添加した。そのまま5分攪拌後、順次、(c)成分又は(c’)成分、(f)成分〜(l)成分を添加し、5分攪拌後、35%塩酸水溶液と48%水酸化ナトリウム水溶液で目標のpHに調整し、出来あがり質量にするのに必要な量の60℃のイオン交換水を添加した。その後10分間攪拌し、5℃の水を入れたウォーターバスにビーカーを移し、攪拌しながら20℃に冷却した。なお、表1に示すpHは冷却後(20℃)のpHを記載した。記載の範囲では(a−1)及び(a−3)はほぼすべて塩酸塩の状態で組成物中に存在する。
【0075】
<外観評価法>
表1の柔軟剤組成物を調製後1時間放置したサンプルの光透過率を測定した。光透過率は島津製作所製UV−2500PC型測定器を用い、測定セルは光路長10mmの石英セルを使用し、対照側セルにイオン交換水を入れた場合に660nmの波長の光透過率により評価した。光透過率30%以上を合格(○)、それ以下を不合格(×)とした。
【0076】
<光安定性評価法>
表1の柔軟剤組成物900mlを容器1のボトルに充填し、日光の良く当る場所で、真南の45℃上方に傾け固定した。積算照度計(スガ試験機)で10万カウントになるまで光を当て、外観を下記基準で評価した。
【0077】
評価基準
○:光を当てる前と同等の外観を有する
×:光を当てる前よりも、明らかに褪色している。
【0078】
【表1】
Claims (6)
- (a)炭素数12〜36の炭化水素基を1〜3個と、3級アミノ基又はその酸塩もしくはその4級アンモニウム基を1個有する化合物を3〜40質量%、(b)有機溶剤を3〜30質量%、(c)ポリオキシアルキレン鎖を少なくとも1つ有する染料を0.1〜100mg/kg、(d)アミノポリカルボン酸、ホスホン酸及びこれらの塩から選ばれる化合物を0.0005〜5質量%、及び水を含有する着色された透明又は半透明の柔軟剤組成物。
- (a)成分が、下記一般式(1)又は(2)で表され、ヨウ素価が15〜110の化合物である請求項1記載の柔軟剤組成物。
- (b)成分のlogPが0.2〜3である請求項1〜3何れかに記載の柔軟剤組成物。
- (c)成分が、式 −(AO)n−
[式中、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す3〜200の数であり、n個のAは同一でも異なっていても良い。]
で表されるポリオキシアルキレン鎖を少なくとも1個有する染料である請求項1〜4何れかに記載の柔軟剤組成物。 - 請求項1〜5何れかに記載の柔軟剤組成物を、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有する熱可塑性ポリエステル樹脂からなる透明容器に充填してなる柔軟剤物品。
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