JP2004059928A - トリガー応答組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】トリガー応答組成物
【解決手段】
 0.5Mの塩化ナトリウムに当量であるかもしくはそれ以上の比較的高いイオン強度、または1.0M〜2.5Mもしくはそれ以上の塩基濃度において、水性系に安定かつ不溶であり、
 かつ分散、崩壊、溶解、不安定化、膨潤、またはこれらの組合わせを行なう、
水性系と接触している1つまたはそれ以上の高分子電解質
を含むトリガー応答組成物であって、
 この組成物の化学的/物理的応答が、この水性系に対する1つまたはそれ以上の、イオン強度または塩基強度の変化の時にトリガーされ;
 この高分子電解質が、(a)メタクリル酸、2−メチルプロピオン酸、またはアクリル酸から選ばれる酸性モノマー5〜70重量%、(b)ブチルアクリレート、スチレン、およびメチルメタクリレートから選ばれる1つまたはそれ以上の非イオン性ビニルモノマー30〜95重量%、および任意に(c)1つまたはそれ以上の金属架橋剤0.01〜5重量%、
を含む1つまたはそれ以上のアルカリ溶解性ポリマーである
前記トリガー応答組成物を提供する。
【選択図】なし

Description

 本発明は、1つもしくはそれ以上の、または一連のトリガー事象(triggering event)を含む水性系に組成物を暴露した時にトリガーされる、化学的または物理的応答を提供しうる組成物に関する。これらの各トリガー事象は、化学的/物理的プロセスまたは性質を包含する。特に本発明は、ある特定の時点において、高分子電解質組成物(polyelectrolyte composition)の溶解、分解、膨潤、または分散を結果として生じる水性系におけるトリガー事象によって、水性系中の高分子電解質組成物の安定性を調節することに関する。これらのトリガー事象は、イオン強度における顕著な改変、並びにイオン強度に加えて、希釈、pH、温度、機械的な力、およびこれらの組合わせを含むものにおける顕著な改変によってもたらされる。本発明はさらに、水性系中の活性成分および有益な作用物質(beneficial agents)の使用環境へのデリバリーにとって有用なトリガー応答性組成物を取囲んでいるバリヤー物質を対象とする。
 1つまたはそれ以上の活性成分/有益な作用物質を使用環境へデリバリーするか、または制御された放出を提供する組成物およびデバイス(device)を提供することが、多くの場合望ましい。特に布の手入れの用途において、洗剤に加えて様々な種類の活性成分を含む組成物が、このような活性成分/有益な作用物質の制御されたデリバリーとともに求められている。
 国際公開第WO00/17311号(特許文献1)は、洗浄溶液中への洗剤活性物質の遅延化された放出を可能にするコーティング物質でカプセル化された、コーティングされた洗剤活性物質を開示している。このコーティング物質は、25℃においてpH10またはそれ以上の洗浄溶液中に不溶であるが、25℃においてpH9またはそれ以下の洗浄溶液中に可溶である。開示されたコーティング物質には、アミン、ワックス、シッフ塩基化合物、およびこれらの混合物が含まれる。米国特許出願公開第2001/0031714A1号(特許文献2)は、2つまたはそれ以上の洗剤成分を有する洗濯洗剤部分であって、洗剤成分の少なくとも2つが異なる時点で洗浄液中に放出され、前記部分が少なくとも1つの温度またはpHスイッチを含み、洗剤成分の制御された放出を提供する、前記洗濯洗剤部分を開示している。前記開示されたスイッチ物質には、ワックス、塩基性窒素含有ポリマー、アミノ基および/もしくはアミノアルキル基、イミノおよび/もしくはピリジン基を含むコポリマーが含まれる。
国際公開第WO00/17311号パンフレット 米国特許出願公開第2001/0031714A1号明細書
 しかしながら、活性成分の放出を遅延させるためのpH感受性コーティング物質を有するカプセル化活性成分は、特に布洗濯用途に対していくつかの制限を抱えている。濯ぎ洗いサイクルへの洗剤活性物質のトリガー放出を達成するための、pH感受性物質の単独使用は、活性物質または有益な作用物質が洗浄サイクルの間に洗浄液中に時期尚早に漏出するという問題のために難しい。その結果として、すべての洗剤活性物質は、洗浄液中に分散し、その後洗浄液がサイクルとサイクルとの間に排水される時に除去され、洗浄後プロセスにおいて所望の活性物質の制御された放出を妨げるか、あるいはこれらの所望の活性物質は、制御された放出の結果としてのこれらの活性物質の有益な作用を達成する上で効果的でない量で放出される。さらには、複合系、例えば世界中のユーザーによって実施されている、広範囲の土壌含有負荷物、多くの成分、様々な水の純度、様々な程度の水の硬度、様々な洗浄条件、様々な洗剤濃度、広範囲の洗濯機設計、サイクル長さ、洗濯および濯ぎ洗い温度、を含む布洗濯系において、活性成分の放出を精密に制御することは難しい。洗剤活性成分のデリバリーを制御するために先行技術に開示されている試みにもかかわらず、制御された放出物質に関連する多くの制限によって、工業用途、家庭用品、およびパーソナルケアにおいて有用な活性成分および有益な作用物質の制御された放出に関連した多くの問題が大部分未解決なままになっている。本発明者らは、イオン強度に加えて1つまたはそれ以上のトリガー手段を含む高分子電解質組成物が、トリガー放出バリヤー物質、カプセル化剤として、ならびに布の手入れ用活性成分およびその他の関連する有益な作用物質の使用環境へのトリガーデリバリーのためのデバイスとして有意な有効性を有することを見出した。
 制御された放出の問題への1つの実際的な解決方法は、高分子電解質組成物を使用することであり、そのポリマー特性、例えば安定性および溶解性は、高分子電解質が分散されている水性系の1つまたはそれ以上の化学的および/または物理的性質における変化の関数であった。この水性系の1つまたはそれ以上の化学的および/または物理的性質、例えばイオン強度の調節が、この高分子電解質をトリガーし、比較的低いイオン強度条件下の水性系中に不安定化、溶解、膨潤、または分散し、一方比較的高いイオン強度条件下に改変された水性系または別個の水性系中に安定かつ不溶であることを維持するといったように応答する。前記の高分子電解質組成物中に含まれるか、または前記の高分子電解質組成物から作られたバリヤーおよびデバイスによってカプセル化された活性成分および有益な作用物質は、水性系、例えば布の洗濯洗浄サイクル中にこのような活性物質および作用物質を保護するために保持され、ついでその後のプロセス、例えば布の洗濯濯ぎ洗いサイクルの間に高分子電解質バリヤーの溶解、分解、膨潤、または分散によって、活性物質の所望の放出を生じるようにトリガーまたは操作されうる。この化学的/物理的ポリマー応答は、この水性系の1つまたはそれ以上の、または一連の化学的および/または物理的性質、およびイオン強度に加えて、pH、温度、機械的攪拌、およびこれらの組合わせを含む、1つまたはそれ以上の化学的および物理的性質の改変によってトリガーされうる。
 本発明者らは、注意深く選ばれたモノマー組成およびそのように設計されたポリマー構造を組込んでいるアルカリ溶解性/膨潤性ポリマーであって、該ポリマーの応答特性が、高分子電解質と、それらと接触している(例えばその中に分散されている)水性系との両方の1つまたはそれ以上の化学的および物理的性質における変化の関数であるような前記ポリマーを見いだした。ここで前記の変化は、酸性モノマーの種類および量、酸性モノマーの中和度、非イオン性ビニルモノマーの種類および量、水性系のイオン強度、水性系のpH、ポリマー水和率、このポリマー中の水およびイオンの拡散、ポリマーの熱力学安定性、ポリマーの膨潤度および動力学、ならびに凝集粒子およびフィルムの形態にあるポリマーの機械的安定性から選ばれる1つまたはそれ以上のパラメーターの結果として生じる。本発明者らはさらに次のことも見出した。すなわち、このような高分子電解質が、水性系中において1つまたはそれ以上の活性成分を取囲むための効果的なバリヤー物質を形成すること、およびバリヤー物質の安定性は、イオン強度に加えて、塩基濃度、水での希釈、機械的攪拌、温度、およびこれらの組合わせを含む、水性系の1つまたはそれ以上の化学的および/または物理的性質における変化に応答するように有効に操作することができるということである。比較的高いイオン強度およびアルカリ条件下の水性系において、これらのポリマー組成物は十分に安定であり、安定フィルムを形成する。これらの組成物を、比較的低いイオン強度およびアルカリ条件下の水性系に暴露することによって、これらのフィルムが水性系中に急速に分散されるようにこれらの組成物の不安定性をトリガーする。本発明のこれらのトリガー応答組成物は、前記の制限を未然に防ぎ、新しい組成物、バリヤーをつくるためのフィルム、および1つまたはそれ以上の活性成分/有益な作用物質の使用環境への制御された放出をもたらす方法を提供する。
 したがって、比較的高いイオン強度において水性系中に安定かつ不溶性であり、かつ分散、分解、溶解、変形、不安定化、膨潤、軟化、融解、流動、およびこれらの組合わせから選ばれる1つまたはそれ以上の化学的/物理的応答を示す、水性系と接触している1つまたはそれ以上の高分子電解質を含むトリガー応答組成物であって、この組成物の化学的/物理的応答が、水性系中の1つまたはそれ以上のイオン強度変化、希釈、もしくは塩基濃度の1つまたはそれ以上の変化の時にトリガーされる組成物が提供される。この高分子電解質は、(a)1つまたはそれ以上の酸性モノマー5〜70重量%、(b)1つまたはそれ以上の非イオン性ビニルモノマー30〜95重量%、および任意に(c)1つまたはそれ以上の多エチレン性不飽和モノマーまたは金属および/もしくはアルカリ土類架橋剤0.001〜5重量%を含む、1つまたはそれ以上のアルカリ溶解性/膨潤性エマルジョンポリマーであって、イオン強度変化の関数としてのこれらのポリマーの化学的/物理的応答が、(i)酸性モノマーの種類および量、(ii)酸性モノマーの中和度、(iii)非イオン性モノマーの種類および量、(iv)多エチレン性不飽和モノマーまたは金属および/もしくはアルカリ土類架橋剤の種類および量、(v)水性系のpH、および(vi)これらの組合わせから成る群から選ばれる、1つまたはそれ以上のパラメーターに依存するポリマーである。この組成物は、比較的高いイオン強度において水性系に安定かつ不溶であり、この組成物は、比較的低いイオン強度において、またはこの組成物と接触している水性系のイオン強度が低下した時に、水性系に分散、溶解、変形、膨潤、あるいは分解する。これらのポリマーの化学的/物理的応答は、イオン強度または塩基濃度に加えて、水性系中の塩基濃度、水性系の希釈、界面活性剤濃度レベル、温度、機械的攪拌、およびこれらの組合わせから選ばれる、水性系の1つまたはそれ以上のパラメーターにおける変化の関数である。好ましい実施形態において、このポリマーは、(a)1つまたはそれ以上の酸性モノマー5〜50重量%、(b)1つまたはそれ以上の非イオン性ビニルモノマー45〜95重量%、(c)1つまたはそれ以上の金属架橋剤およびアルカリ土類架橋剤0.01〜5.0重量%を含む。
 第二に、水性系と接触している1つまたはそれ以上の高分子電解質を含むトリガー応答バリヤー組成物であって、このバリヤー組成物が、1つまたはそれ以上の活性成分を取囲んでおり;このバリヤー組成物が、比較的高いイオン強度または塩基強度において水性系に安定かつ不溶であり;このバリヤーが、分散、分解、溶解、不安定化、変形、膨潤、軟化、流動、およびこれらの組合わせから選ばれる1つまたはそれ以上の化学的/物理的応答を示し;この組成物の化学的/物理的応答が、水性系への1つまたはそれ以上のイオン強度の変化、水性系中の塩基濃度の低下、または水性系中のイオンの濃度の希釈時にトリガーされ;このバリヤー組成物が、このトリガー応答の結果として水性系へ活性成分を放出することができる組成物が提供される。
 同様に、
 (a)イオン強度応答性バリヤー組成物で、1つまたはそれ以上の活性成分を取囲む工程であって、このバリヤーが、この水性系への活性成分の放出に対して実質的に不浸透性であり、この水性系中に不溶なままである工程、および
 (b)この水性系のイオン強度を改変するか、この水性系の塩基強度を変えるか、またはこの水性系を希釈する工程、
を含む、水性系への1つまたはそれ以上の活性成分の放出をトリガーする方法であって、
 このバリヤー組成物が、分散、不安定化、崩壊、溶解、変形、膨潤、またはこれらの組合わせを行ない、実質的に浸透性になり、これによってこれらの活性成分をこの水性系中に放出する前記方法が提供される。
 「高分子電解質」という用語は、本発明に関する場合、イオン化されたおよび/またはイオン化可能な基を有する1つまたはそれ以上のモノマーの重合の結果として、ポリマーの内部に複数のイオン化されたおよび/またはイオン化可能な基を含む、水性系と接触しているポリマーまたは高分子化合物のことを言う。この高分子電解質は、例えば水、水素結合溶媒(hydrogen bonding solvents)、極性溶媒、および有機溶媒を組込んでいる水をはじめとする水性系と接触している。例えばイオンおよび帯電基を溶媒和しうる溶媒を含むものをはじめとする非水性系が、本発明において有効に用いられると考えられる。本発明に有効に用いられる高分子電解質は、専らカチオン基のみを含んでいてもよく、専らアニオン基のみを含んでいてもよく、あるいはカチオン基とアニオン基との組合わせを含む両性であってもよい。この高分子電解質の個々のイオン化可能な成分には、弱または強酸性基、例えばそれぞれスルホン基、ホスホン基、およびカルボキシル基;弱または強塩基性基、例えばそれぞれ1級アミン、2級アミン、アミド、ホスフィン、および3級アミン;および両性基、例えばアミノ酸が挙げられる。高分子電解質の酸性基は、非中和、一部中和、または完全中和されている。高分子電解質の塩基性基は、非中和および/または非四級化、一部中和および/または四級化、または完全中和および/または四級化である。本発明において有効に用いられる高分子電解質の適切な例には、ポリ(酸性)ホモポリマー、コポリマー、およびこれらの塩、例えばポリカルボン酸ポリマー、およびこれらの塩、および生物分解性アルカリ溶解性エマルジョンポリマー、例えばポリアスパラギン酸、およびポリ(D、L−乳酸)が挙げられる。好ましい高分子電解質には、アルカリ溶解性/膨潤性エマルジョンポリマー、ポリアスパラギン酸、およびMorez(登録商標)ポリマーが挙げられる。
 「トリガー応答」という用語は、本発明に関する場合、水性系の1つまたはそれ以上の化学的/物理的パラメーターまたは性質の変化をトリガーすることによって、または改変によって、水性系と接触しているポリマー組成物の1つまたはそれ以上の化学的/物理的性質を調節、操作、または改変することを言う。典型的なポリマーの化学的/物理的パラメーターには例えば、溶解性、膨潤挙動、安定性、多孔度、中和度、ポリマー束一性、ポリマー官能基の酸性/塩基特性、およびポリマー官能基の反応性が含まれる。イオン強度に加えて、水性系の典型的な化学的/物理的パラメーターおよび特性には例えば、塩基濃度、希釈、温度、機械的な力(例えば圧力、浸透圧、拡散、機械的攪拌)、ポリマー官能基と反応しうるかもしくはこれを中和しうる化学試薬、水性系の束一性、およびこのようなパラメーターの組合わせが含まれる。本発明者らは、水性系中のアルカリ溶解性/膨潤性エマルジョン(ASE)ポリマーの溶解性、分散性、変形性、膨潤性、および安定性の応答が、この水性系のイオン強度を改変するかまたは変化させることによって、およびイオン強度の変化に加えて、塩基濃度の変化、水性系の希釈、温度、機械的な力、およびこれらの組合わせによってトリガーしうることを見出した。
 アルカリ溶解性/膨潤性エマルジョン(ASE)ポリマーは、米国特許第3,035,004号および英国特許第870,994号に開示された酸含有エマルジョンポリマーをベースとする高分子電解質である。アルカリ溶解性樹脂(ASR)は、酸含有ポリマーをベースとする高分子電解質であり、これらを調製するために用いられる通常の方法は、米国特許第5,830,957号に記載されている。ASRには、Morez(登録商標)ポリマーと呼ばれているポリマーが含まれる。本発明者らは次のことを見出した。すなわち、ASEおよびASRポリマーにおける酸性モノマーおよびコモノマーの種類およびレベルを調節して、最適な電荷密度を得るための中和度と組合わせ、比較的高いイオン強度の水性系中に安定で、低い膨潤度を有し、不溶性であるポリマーを得ることができることである。これらのポリマーは、イオン強度トリガーを組込むものとして特徴付けられてもよく、あるいはイオン強度、塩基強度、または希釈応答性ポリマーと呼ばれてもよい。この水性系のイオン強度、塩基強度、または希釈の、低レベルへの変化の結果、この水性系中に有意な程度まで急速に分散、溶解、または膨潤するポリマーを生じる。
 本発明のアルカリ膨潤性/溶解性ポリマーは一般的に、カルボン酸基が、ポリマーを不溶化し、液体エマルジョンを得るために、プロトン化形態にあるような酸性条件下において標準的乳化重合技術を用いて調製される。これらの細かく分けられたポリマー粒子は、液体コロイド分散液として添加された時、pH調節の時にほぼ即時に溶解する。アルカリ膨潤性/溶解性樹脂は一般的に、加熱および加圧反応器(連続管反応器またはMorez(登録商標)反応器とも呼ばれている)によって調製され、これらを調製するために用いられる従来の方法は、米国特許第5,830,957号に記載されている。ASRには、Morez(登録商標)ポリマーと呼ばれているポリマーが含まれる。中和度、ASEポリマーおよびASRの両方のポリマーの酸性モノマーおよび非イオン性界面活性剤グループの両方の種類および量を、精密に制御することができ、イオン強度、塩基強度、または水性系の希釈に応じた安定性、膨潤特性、および溶解性を有するイオン強度、塩基強度、または希釈感受性/応答性ポリマーを得ることができる。これらのポリマー組成物はまた、イオン強度、塩基強度、および希釈トリガー条件を含んでいるとも言われる。これらのポリマーの取扱い、計量、および分散の容易さ、制御されたpH調節による中和された酸性官能基上の電荷密度の急速可溶化および、最適化および非常に望ましいフィルム形成およびバリヤー特性によって、アルカリ溶解性/膨潤性エマルジョンポリマーおよびアルカリ溶解性/膨潤性樹脂が、床洗浄および家庭用活性物質用の調節放出デバイスを含む非常に多様な用途のための最も効果的かつ効率的なバリヤー組成物になる。ASEポリマーおよびASRのどちらも、少なくとも1つの活性成分/有益な作用物質を含むカプセル化組成物の調製、処理、および/または製造のために本発明において有効に用いられ、これによって、このカプセル化組成物に含まれ、かつ使用環境(例えば水性系)において化学的/物理的変化と接触した時に活性化される化学的/物理的トリガーは、有益な作用物質および活性成分の使用環境への制御された放出を実施する。
  (必要とされるモノマー成分)
 この発明のASEポリマーおよびASRは、次のモノマー成分を含む。すなわち、(a)1つまたはそれ以上の酸性モノマー5〜70重量%、および(b)1つまたはそれ以上の非イオン性ビニルモノマー30〜95重量%、である。任意に、これらのASEポリマーは、第三成分(c)1つまたはそれ以上の金属架橋剤、または1つまたはそれ以上の多エチレン性不飽和モノマー0.01〜5重量%を含んでいてもよい。トリガー放出のためのイオン強度、塩基強度、または希釈応答性組成物としてのこれらのポリマーの有効性は、決定的に下記の要素によることが発見された。すなわち、(i)酸性モノマーの種類および量、(ii)酸性モノマーの中和度、および(iii)非イオン性ビニルモノマーの種類および量、(iv)多エチレン性不飽和モノマーの種類および量、および金属架橋剤の種類および量、(v)水性系のpH、および(vi)これらの組合わせである。
 アルカリ膨潤性/溶解性樹脂は一般的に、加熱および加圧反応器(連続管反応器またはMorez(登録商標)反応器とも呼ばれている)によって調製され、これらを調製するために用いられる従来の方法は、米国特許第5,830,957号に記載されている。最終的なASRの物理的特徴は、モノマー含量、開始剤の種類および量、反応時間、および反応温度に依存する。ASRには、Morez(登録商標)ポリマーと呼ばれているポリマーが含まれる。ASRは、1,000〜20,000の範囲の重量平均分子量を有する。ポリマーの酸価はまた、水溶性または分散性の所望の程度に応じて、様々に変えることができる。樹脂の酸価は50〜300の範囲である。ASRの水溶液または分散液は、樹脂と、水と少なくとも1つの塩基との溶液とを単に混合することによって調製することができる。これらの反応器へのモノマー供給は、プロセス中の粘度を制御するために、5〜15重量%の溶媒を含む。典型的な溶媒には、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM)およびジエチレングリコールモノメチルエーテル(DE)を含むアルキレングリコールが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。いくらかの溶媒は、ASR生成物中においてエステル化され、残りの溶媒(@50重量%)の大部分がストリッピングによって除去される。組込まれた溶媒のレベルは、水性エマルジョンとして、あるいは乳化重合における安定剤として用いられた時に、分散剤の性能を果たす。ASRは一般的に、アンモニア中和水溶液として供給される。ただしこれらはまた、水酸化ナトリウム中和溶液としても調製される。その結果生じたASR分散液は、揮発性有機化合物(VOC)を含まない分散液またはエマルジョンに形成されることができる。親水性および疎水性ASRのどちらも調製することができる。疎水性または油溶性ASRを調製するために用いられる疎水性モノマーは、米国特許第5,521,266号および第5,830,957号に記載されている。疎水性または油溶性ASRを調製するために用いられる疎水性モノマーは、米国特許第4,880,842号に記載されている。
 多段階ASRも、本発明に有効に用いられる。この場合、一部または全部中和されたASRエマルジョンが、第一段階(コア段階)として用いられ、一部架橋から完全架橋ASRおよび/または実質的に異なるTg(一般的にコア段階より高いがこれに限定されない)を有するASRが、第二段階(シェル段階)として用いられる。「多相」ポリマーまたは樹脂は、少なくとも1つの内部相または「コア」相と少なくとも1つの外部相または「シェル」相とを有するポリマー粒子のことを言う。このポリマーのこれらの相は不相溶性である。不相溶性とは、内部相と外部相とが、当業者に知られている分析特徴決定技術を用いて識別可能であるという事実のことを言う。一般的にこのような技術には、電子顕微鏡と、これらの相を差別化するかもしくは区別する染色が含まれるが、これらに限定されるわけではない。このポリマーまたは樹脂のこれらの相の形態学的構成は、例えばコア/シェル、コアを一部カプセル化しているシェル粒子を有するコア/シェル、多数のコアを有するコア/シェル粒子、高度に架橋されたシェルを有するコア/シェル、一部または高度の残留不飽和基または化学的反応性官能基を有するコア/シェル、または相互貫入網目構造粒子(interpenetrating network particles)であってもよい。多段ポリマーの調製は、米国特許第3,827,996号、第4,325,856号、第4,654,397号、第4,814,373号、第4,916,171号、第4,921,898号、第5,521,266号、および欧州特許第EP0576128A1号に記載されている。
 酸性モノマーは、必要なイオン強度および塩基強度応答性を与え、この酸性モノマーの中和度は、ASEポリマーとASRとの両方における酸性基の電荷密度を最適化する上で決定的である。非イオン性ビニルモノマーは、延長されたポリマーのバックボーン構造および追加の疎水性バランスを提供する。この非イオン性ビニル界面活性剤モノマーは、結合界面活性剤を提供する。4つの成分すべてが、水性系のイオン強度に応じた安定性、膨潤特性、および溶解性を有する、イオン強度および塩基強度感受性ポリマーおよびバリヤー組成物の調製に寄与する。記載された限界内で、これらの個々のモノマーの割合は、特定のトリガー放出用途にとって最適な特性を得るために変えることができる。
  (酸性モノマー)
 ASEポリマーおよびASRは、1つまたはそれ以上の酸性モノマーを総モノマー含量を基準にして、5〜70重量%を必要とする。酸性モノマーは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、アコニット酸をはじめとするC−Cα,β−エチレン性不飽和カルボン酸モノマー類、ビニルスルホン酸類およびビニルホスホン酸類、アクリルオキシプロピオン酸、メタクリルオキシプロピオン酸、モノメチルマレエート、モノメチルフマレート、モノメチルイタコネート等、例えばラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、ラコン酸、ガドレイン酸、アラキドン酸、エルカ酸、クルパノドン酸、およびニシン酸をはじめとする脂肪酸類、およびこれらの組合わせからなる群から選ばれる。アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、またはこれらの混合物、およびオレイン酸が好ましい。AAまたはMAAとイタコン酸またはフマル酸との混合物は適切であり、クロトン酸とアコニット酸との混合物、およびこれらと他のポリカルボン酸の半エステル、例えばマレイン酸とC−Cアルカノールとの半エステルも、特にアクリル酸またはメタクリル酸と組合わせて少量で用いられるならば適切である。大部分の目的のためには、少なくとも約15重量%、最も好ましくは約5〜50重量%の酸性モノマーを有することが好ましい。しかしながらポリカルボン酸モノマーおよび半エステルが、アクリル酸またはメタクリル酸の一部分、例えば総モノマー含量を基準にして約1〜15重量%の代わりに用いられてもよい。
  (非イオン性ビニルモノマー)
 安定水性分散液および本発明のASEポリマーおよびASRに必要とされる望ましい疎水性:親水性比を生じるには、1つまたはそれ以上の共重合性非イオン性モノマー約30〜95重量%を必要とする。共重合性非イオン性モノマーは、C−C18α,β−エチレン性不飽和モノマー類、アクリル酸およびメタクリル酸のC−CアルキルおよびC−Cヒドロキシアルキルエステル、例えば、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、メチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート;スチレン、アルファ−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、イソプロピルスチレン、およびp−クロロスチレン;ビニルアセテート、ビニルブチレート、ビニルカプロレート;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等から成る群から選ばれる。実際には、モノビニルエステル、例えばメチルアクリレート、MMA、エチルアクリレート、ブチルアクリレートが好ましい。ASRの実施形態の場合、スチレンとモノビニルエステルとの混合物、ならびにモノビニルエステルの混合物が好ましい。
 当然ながらこれらのモノマーは、酸性モノマーと共重合性でなければならない。通常、モノマーの総重量を基準にして、非イオン性ビニルモノマー約30〜95重量%、好ましくは約45〜95重量%が、ポリマーの調製に用いられる。
 酸性モノマー対非イオン性モノマーのバランスは、トリガー放出応答およびバリヤーまたは組成物に用いる得られるポリマーの性能において、重要な要因であることが見いだされた。本発明のポリマーは、バリヤー組成物としての有用性を有することに加えて、カプセル化特性を有することが企図される。
 1つの実施形態において、組成物は、52.5重量%のメチルメタクリレート(MMA)、29.5重量の%ブチルアクリレート(BA)、18重量%のメタクリル酸(MAA)、および1.5重量%の3−メルカプトプロピオン酸(3−MPA)からなる高分子電解質である。この高分子電解質は、2.5Mまたはそれ以上のNaOH水溶液中において安定であり、NaOHの濃度を1.0Mまたはそれ以下に低下させることによって、トリガーされ膨潤/溶解/分散する。
 別個の実施形態において、組成物は、33重量%のスチレン(Sty)、35重量%のブチルアクリレート(BA)、7重量%のメチルメタクリレート(MMA)、および25重量%のメタクリル酸(MAA)からなる高分子電解質である。この高分子電解質は、1.0Mまたはそれ以上のNaOH水溶液中において安定であり、NaOHの濃度を0.1Mまたはそれ以下に低下させることによって、トリガーされ膨潤/溶解/分散する。
 他の別個の実施形態において、比較的高いイオン強度において水性系に安定かつ不溶であり、かつ分散、分解、溶解、不安定化、変形、膨潤、軟化、融解、拡散、流動、およびこれらの組合わせから選ばれる1つまたはそれ以上の化学的/物理的応答を示す、水性系と接触している1つまたはそれ以上の高分子電解質を含むトリガー応答組成物であって、この組成物の化学的/物理的応答が、水性系のイオン強度の変化、希釈、または塩基濃度の1つもしくはそれ以上の変化のうちの1つまたはそれ以上に際してトリガーされる前記組成物が提供される。この高分子電解質は、(a)1つまたはそれ以上の酸性モノマー5〜70重量%、(b)1つまたはそれ以上の非イオン性ビニルモノマー15〜95重量%、および任意に(c)1つまたはそれ以上の多エチレン性不飽和モノマーまたは架橋剤0.01〜5重量%を含む、1つまたはそれ以上のMorez(登録商標)ポリマーである。これらを調製するために用いられる適切なMorez(登録商標)ポリマーおよび通常の方法は、米国特許第5,830,957号に記載されている。
 任意にこのポリマーは、網状構造を有するポリマーを提供するために、少量の少なくとも1つの多エチレン性不飽和モノマーを含む。1つまたはそれ以上の多エチレン性不飽和モノマーは、重合プロセスの間にモノマーと組合わされてもよく、あるいはモノマーの重合後に添加されてもよい。適切な例には、アリルメタクリレート(ALMA)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、ブチレングリコールジメタクリレート(BGDMA)、ジアリルペンタエリスリトール(DAP)、メチレンビスアクリルアミド、ペンタエリスリトールジ−、トリ−、およびテトラ−アクリレート、ジビニルベンゼン、ポリエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、およびこれらの組合わせが挙げられる。低レベルの多エチレン性不飽和モノマーが好ましいが、それは、約5重量%よりも高いレベルが、ポリマーを過剰架橋する傾向があるか、あるいはポリマー網状構造を生じ、したがって本発明におけるこれらの有効性が顕著に減少するからである。好ましい量の多エチレン性不飽和モノマーは、ポリマーの総重量を基準にして0.001〜5重量%、より好ましくはポリマーの総重量を基準にして0.05〜1.0重量%である。
 他の任意モノマー成分は、より剛性な構造およびより良好な機械的性質を有するポリマーを提供するために、少量の少なくとも1つの金属および/またはアルカリ土類架橋剤を含む。1つまたはそれ以上の金属および/またはアルカリ土類架橋剤は、重合プロセスの間にモノマーと組合わされてもよく、あるいはモノマーの重合後に添加されてもよい。適切な金属および/またはアルカリ土類架橋剤には例えば、カルシウム、マグネシウム、およびバリウムのアルカリ土類イオン、鉄、銅、および亜鉛の遷移金属イオンが挙げられる。その他の適切な例、例えばアルミニウムイオンが、米国特許第5,319,018号に記載されている。金属および/またはアルカリ土類架橋剤の好ましい量は、ポリマーの総重量を基準にして0.01〜5重量%、より好ましくはポリマーの総重量を基準にして0.05〜5重量%である。
  (重合条件)
 ASEポリマーは、フリーラジカル生成開始剤を、モノマーの重量を基準にして、通常0.01%〜3%の量で用い、約5.0よりも低い酸性pHにおいて、通常の乳化重合によって前記モノマーから適宜調製される。アルカリ膨潤性/溶解性樹脂は一般に、加熱および加圧反応器(連続フロー管反応器またはMorez(登録商標)反応器とも呼ばれている)によって、一般的に300℃未満の温度、一般的に200psi(  kPa)未満において調製され、これらを調製するために用いられる通常の方法は、米国特許第5,830,957号に記載されている。最終的なASRの物理的特徴は、モノマー含量、開始剤の種類および量、反応時間、および反応温度に依存する。
 ASEポリマーおよびASRの両方を調製するために都合よく用いられるフリーラジカル生成開始剤は、過酸素化合物、特に無機過硫酸塩化合物、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム;過酸化物、例えば過酸化水素;有機ヒドロペルオキシド、例えばクメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド;有機ペルオキシド、例えばベンゾイルペルオキシド、アセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、過酢酸、および過安息香酸(時には水溶性還元剤、例えば第一鉄化合物、または亜硫酸水素ナトリウムによって活性化されている);ならびにその他のフリーラジカル生成物質、例えば2,2'−アゾビスイソブチロニトリルである。
 本発明のポリマーの調製方法は、乳化重合条件下におけるフリーラジカル熱開始剤またはレドックス開始剤系を含む。この新規方法に適したモノマーには、単純な方法でフリーラジカル重合に付すことができる疎水性および親水性モノエチレン性不飽和モノマーが挙げられる。「親水性」とは、米国特許第4,880,842号に記載されているような、乳化重合条件下に高い水溶性を有するモノエチレン性不飽和モノマーのことを言う。
 適切な熱開始剤には例えば、過酸化水素、ペルオキシ酸塩、ペルオキソ二硫酸およびその塩、ペルオキシエステル塩、アンモニウムおよびアルカリ金属ペルオキシド塩、過ホウ酸塩、および過硫酸塩、過酸化ジベンゾイル、過酸化t−ブチル、過酸化ラウリル、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、アルキルヒドロペルオキシド、例えばtert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−アミルヒドロペルオキシド、ピネンヒドロペルオキシド、およびクミルヒドロペルオキシド、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシピバレート、およびこれらの組合わせが挙げられる。
 レドックス開始剤系の適切な酸化剤には、水溶性酸化化合物、例えば過酸化水素、ペルオキシ酸塩、ペルオキソ二硫酸およびその塩、ペルオキシエステル塩、アンモニウムおよびアルカリ金属ペルオキシド塩、過ホウ酸塩、および過硫酸塩が挙げられる。レドックス開始剤系の適切な酸化剤にはまた、水不溶性酸化化合物、例えば過酸化ジベンゾイル、過酸化t−ブチル、過酸化ラウリル、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、アルキルヒドロペルオキシド、例えばtert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−アミルヒドロペルオキシド、ピネンヒドロペルオキシド、およびクミルヒドロペルオキシド、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、およびt−ブチルペルオキシピバレートが挙げられる。フリーラジカル形成とともに酸素を供給するが、過酸化物ではない化合物、例えばアルカリ金属塩素酸塩および過塩素酸塩、遷移金属酸化物化合物、例えばカリウムペルマンガネート、二酸化マンガン、および酸化鉛、並びに有機化合物、例えばヨードベンゼンは、本発明にしたがって酸化剤として有効に用いることができる。「水不溶性」酸化剤という用語は、25℃において水中に20重量%未満の水溶性を有する酸化性化合物を意味する。過酸化物、ヒドロペルオキシド、およびこれらの混合物が好ましく、tert−ブチルヒドロペルオキシドが最も好ましい。酸化剤の典型的なレベルは、用いられるモノマーの重量を基準にして、0.01重量%〜3.0重量%、好ましくは0.02重量%〜1.0重量%、より好ましくは0.05重量%〜0.5重量%である。
 レドックス開始剤系の適切な還元剤には、還元性化合物、例えば低酸化状態を有する硫黄化合物、例えば亜硫酸塩、亜硫酸水素、アルカリ金属亜硫酸水素塩、アセトン亜硫酸水素塩をはじめとする亜硫酸水素塩のケトン付加物、アルカリ金属亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩およびその塩、チオスルフェート、ホルムアルデヒドスルホキシレートおよびその塩;還元性窒素化合物、例えばヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミンヒドロスルフェート、およびヒドロキシルアンモニウム塩、ポリアミン;ならびに還元糖、例えばソルボース、フルクトース、グルコース、ラクトース、およびこれらの誘導体;エンジオール、例えばアスコルビン酸、およびイソアスコルビン酸、スルフィン酸、ヒドロキシアルキルスルフィン酸、例えばヒドロキシメチルスルフィン酸、および2−ヒドロキシ−2−スルフィン酢酸およびその塩、ホルマジンスルフィン酸およびその塩、アルキルスルフィン酸、例えばプロピルスルフィン酸、およびイソプロピルスルフィン酸、アリールスルフィン酸、例えばフェニルスルフィン酸が挙げられる。「塩」という用語には、例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、および亜鉛イオンが含まれる。SSFとしても知られているナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートが好ましい。還元剤の典型的なレベルは、用いられるモノマーの重量を基準にして、0.01重量%〜3.0重量%、好ましくは0.01重量%〜0.5重量%、より好ましくは0.025重量%〜0.25重量%である。
 レドックス開始剤系の金属プロモータ錯体(metal promoter complex)には、塩およびキレート化リガンドの形態にある水溶性触媒金属化合物が含まれる。適切な金属化合物には、金属塩、例えば鉄(II、III)塩、例えば硫酸鉄、硝酸鉄、酢酸鉄、および塩化鉄、コバルト(II)塩、銅(I、II)塩、クロム(II)塩、マンガン塩、ニッケル(II)塩、バナジウム塩、例えば塩化バナジウム(III)、硫酸バナジウム(IV)、および塩化バナジウム(V)、モリブデン塩、ロジウム塩、およびセリウム(IV)塩が含まれる。金属化合物は、水和金属塩の形態にあるのが好ましい。本発明にしたがって用いられる触媒金属塩の一般的レベルは、0.01ppm〜25ppmである。2つまたはそれ以上の触媒金属塩の混合物も、本発明にしたがって有効に用いることができる。
 レドックス開始剤系におけるレドックスサイクルを促進する金属錯体は、溶解性でなければならないだけでなく、適切な酸化および還元ポテンシャルも有していなければならない。一般的に言えばこの酸化剤は、金属プロモータ錯体の低酸化状態(例えばFe(II)>Fe(III))を酸化することができるものでなければならず、逆にこの還元剤は、金属プロモータ錯体の高酸化状態(例えばFe(III)>Fe(II))を還元することができるものでなければならない。2つまたはそれ以上のエチレン性不飽和モノマーからの水性エマルジョンポリマーの調製のためにレドックス開始剤系に有効に用いられる特定の酸化剤および還元剤の選択は、金属塩のレドックスポテンシャルに依存する。さらに、酸化剤対還元剤の比は、用いられる金属塩のレドックス潜在能力に応じて、0.1:1.0〜1.0:0.1である。1つまたはそれ以上のエチレン性不飽和モノマーから調製される水性ポリマー分散液中のモノマーレベルの効率的な還元のために、溶解性金属塩と組合わせて用いられるキレート化リガンドは、金属塩へ配位することができる6個未満の基を有する多座配位アミノカルボキシレートリガンドであることが好ましい。
 酸化剤および還元剤は一般的に、別々のストリームにおいて、または単一ショットとして、好ましくはモノマー混合物とともに同時に反応混合物に添加される。反応温度は、この反応の経過全体において100℃未満の温度に維持される。好ましくは、30℃〜85℃、好ましくは60℃以下の反応温度である。モノマー混合物は、そのままで、または水中エマルジョンとして添加されてもよい。モノマー混合物は1つまたはそれ以上の添加として、あるいは反応時間にわたって連続的に、直線的に、あるいはそうでなく、またはこれらの組合わせとして添加されてもよい。レドックス開始剤系の種類および量は、乳化重合の様々な段階において同一または異なっていてもよい。
 任意には、連鎖移動剤および追加の乳化剤が用いられてもよい。代表的な連鎖移動剤は、四塩化炭素、ブロモホルム、ブロモトリクロロメタン、長鎖アルキルメルカプタン、およびチオエステル、例えばn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、テトラデシルメルカプタン、ヘキサデシルメルカプタン、ブチルチオグリコレート、イソオクチルチオグリコレート、およびドデシルチオグリコレートである。これらの連鎖移動剤は、重合性モノマー100部あたり約10部までの量で用いられる。
 多くの場合、少なくとも1つのアニオン性乳化剤が、重合仕込み物中に含まれており、既知の非イオン性乳化剤の1つまたはそれ以上が存在してもよい。アニオン性乳化剤の例は、アルカリ金属アルキルアリールスルホネート、アルカリ金属アルキルスルフェート、およびスルホン化アルキルエステルである。これらのよく知られている乳化剤の特定例は、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、ナトリウムジセカンダリー−ブチルナフタレンスルホネート、ナトリウムラウリルスルフェート、二ナトリウムドデシルジフェニルエーテルジスルホネート、二ナトリウムn−オクタデシルスルホスクシナメート、およびナトリウムジオクチルスルホスクシネートである。
 任意には、乳化重合技術においてよく知られているその他の成分、例えばキレート化剤、緩衝剤、無機塩、およびpH調節剤が含まれていてもよい。
 約5.0よりも低い酸性pHにおける重合によって、過度の粘度および凝固物形成の問題を伴なうことなく、比較的高い固形分含量を有する水性コロイド分散液の直接調製が可能になる。重合は、通常の方法でのモノマーのバッチおよび/または連続添加を伴なって、バッチ的に、段階的に、あるいは連続的に実施される。
 必要とされるモノマーは、このような割合で共重合されてもよく、その結果生じたエマルジョンポリマーは、物理的にブレンドされて、特定の用途のために望まれる特性のバランスを有する生成物を生じうる。したがってこれらのモノマーおよびこれらの割合を変えることによって、特定のトリガー応答用途のために最適な特性を有するエマルジョンポリマーを設計することができる。
 実際には、総モノマーを基準にして約5〜70重量%、好ましくは約5〜50重量%の1つまたはそれ以上の酸性モノマー、約30〜95重量%、好ましくは約45〜95重量%の1つまたはそれ以上の非イオン性ビニルモノマーを共重合することが通常望ましい。
  (ポリマー特性)
 一般に、得られたASEコポリマー分散液は、20〜50重量%の固形分含量を有し、ASEコポリマーは、多エチレン性不飽和モノマーまたは金属架橋剤がこのポリマー中に組込まれていない時、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定された場合、約200,000〜10,000,000の重量平均分子量を有する。30,000またはそれ以下まで下がった重量平均分子量を得るために、連鎖移動剤が用いられてもよい。得られたASR水性分散液は、10〜50重量%の固形分含量を有し、ASRは、多エチレン性不飽和モノマーまたは金属架橋剤がこのポリマー中に組込まれていない時、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定された場合、1,000〜20,000の重量平均分子量を有する。ASR水性アンモニア分散液の典型的なpHは、7.0〜9.0である。酸性pHにおけるASR分散液は、典型的な不透明な外見を有する安定コロイド分散液の形態にある。ASRの典型的な粘度は、300〜2500cpsであり、25〜35重量%の不揮発性物質を有する。Morez(登録商標)ポリマーは一般的に、樹脂形態で調製されるか、またはアンモニア中和水溶液として調製される。このような液体分散液は、光散乱法によって測定された場合、平均粒径約5〜3,000Åを有する離散粒子として分散されたコポリマーを含む。粒子サイズは、用いられる重合条件およびプロセスに応じて0.5nm〜3,000μmであってもよい。
 酸性pHにおいて乳化重合によって調製されたASEコポリマー生成物は、通常は典型的な乳白色ラテックスの外見を有する安定な水性コロイド分散液の形態にある。このような液体エマルジョンは、光散乱法によって測定された場合、平均粒径約500〜3,000Åを有する離散粒子として分散されたコポリマーを含む。粒子サイズは、用いられる重合条件およびプロセスに応じて、5nm〜3,000μmであってもよい。
 約2.5〜5.0の酸性pHにおける安定な水性コロイド分散液の形態において、ASEコポリマーおよびASRの両方が、バリヤー物質の調製において特に有用であり、望ましいフィルム形成特性を有する。このような水性分散液は、ポリマー固形分を約10〜50重量%含むが、比較的低い粘度を有する。したがってこれは容易に計量され、水性生成物系とブレンドされる。しかしながらこの分散液は、塩基強度、pH、イオン強度の変化に対して、および/または水性系の希釈に対して応答性がある。ポリマー分散液のイオン強度および/またはpHが、塩基、例えばアンモニア、アミン、または不揮発性無機塩基、例えば水酸化ナトリウム、炭酸カリウム等の添加によって調節される場合、この水性混合物は、ポリマーが、粘度の同時増加を伴なって少なくとも一部水性相中に溶解されるにつれて、半透明または透明になる。この中和は、液体エマルジョンポリマーが、適切な塩基を含む水溶液とブレンドされる時、in−situで発生しうる。あるいはある一定の用途のために望まれる場合、一部または完全中和によるpH調節または無pH調節は、液体エマルジョンポリマーと水性生成物とのブレンドの前または後に実施されてもよい。
 ASEポリマーのガラス転移温度(「Tg」)は一般的に、−60℃〜150℃、好ましくは−20℃〜50℃であり、所望のポリマーTg範囲を達成するために選ばれるモノマーおよびモノマーの量は、当該技術分野においてよく知られている。ASRのガラス転移温度(「Tg」)は一般的に、0℃〜150℃、好ましくは50℃〜100℃であり、所望のポリマーTg範囲を達成するために選ばれるモノマーおよびモノマーの量は、当該技術分野においてよく知られている。本明細書において用いられているTgは、フォックス(Fox)方程式(T.G.Fox,Bull.Am.Physics Soc.,第1巻、発行No.3、123ページ(1956年))、すなわちモノマーM1とM2とのコポリマーのTgを計算するための方程式を用いて計算されたものである:
 1/Tg(計算値)=w(M1)/Tg(M1)+w(M2)/Tg(M2)
式中、Tg(計算値)は、このコポリマーに対して計算されたガラス転移温度であり、
 w(M1)は、このコポリマー中のモノマーM1の重量分率であり、
 w(M2)は、このコポリマー中のモノマーM2の重量分率であり、
 Tg(M1)は、M1のホモポリマーのガラス転移温度であり、
 Tg(M2)は、M2のホモポリマーのガラス転移温度である。
すべての温度は°Kである。ホモポリマーのガラス転移温度は、例えばJ.BrandrupおよびE.H.Immergut、Interscience Publishersによって編集された「ポリマーハンドブック」において見ることができる。
 この発明のポリマーは、1つまたはそれ以上の活性成分/有益な作用物質を取囲むバリヤー組成物としての使用に有利である。所望であれば、2つまたはそれ以上のポリマーを用いてもよい。当然ながらこのポリマーは好ましくは、本来的に、あるいは可塑剤の使用によって、約25℃以下の温度においてフィルム形成性である。これらのポリマーは、水性系中に浸漬された1つまたはそれ以上の活性成分を取囲むため、および/またはカプセル化するために有効なバリヤー物質を形成し、したがってこれらのバリヤー物質の安定性は、イオン強度および塩基強度に加えて、水性系中の塩基濃度、塩濃度、イオン強度、pH、希釈、温度、機械的な力、およびこれらの組合わせを変えることによって変わる。水性系中でこれらの物質は安定であり、1つまたはそれ以上の活性物質を包含するか、またはカプセル化するのに効果的なバリヤーを形成する。これらの物質を、水性系中の化学的/物理的条件におけるその後の変化に暴露すると、これらの物質中の不安定性をトリガーし、したがってこれらの活性成分はこの水性系中に急速に分散される。
 一般的に、バリヤー複合材料は、トリガー応答ポリマーならびにポリマー、バイオポリマー、およびその他のあらゆる自然発生および合成物質から構成されている。ただし、適切に処理された無機物質、例えばセラミック、金属、またはガラスが用いられてもよい。下記のものは、本発明のバリヤー物質およびデバイス中に組込むことができる成分および添加剤の好ましいリストである。
 セルロースエステル、例えばセルロースアセテート、セルロースアセテートアセトアセテート、セルロースアセテートベンゾエート、セルロースアセテートブチルスルホネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートブチレートスルフェート、セルロースアセテートブチレートバレレート、セルロースアセテートカプレート、セルロースアセテートカプロエート、セルロースアセテートカプリレート、セルロースアセテートカルボキシメトキシプロピオネート、セルロースアセテートクロロアセテート、セルロースアセテートジメタミノアセテート、セルロースアセテートジメチルアミノアセテート、セルロースアセテートジメチルスルファメート、セルロースアセテートジパルミテート、セルロースアセテートジプロピルスルファメート、セルロースアセテートエトキシアセテート、セルロースアセテートエチルカルバメート、セルロースアセテートエチルカーボネート、セルロースアセテートエチルオキサレート、セルロースアセテートフロエート、セルロースアセテートヘプタノエート、セルロースアセテートヘプチレート、セルロースアセテートイソブチレート、セルロースアセテートラウレート、セルロースアセテートメタクリレート、セルロースアセテートメトキシアセテート、セルロースアセテートメチルカルバメート、セルロースアセテートメチルスルホネート、セルロースアセテートミリステート、セルロースアセテートオクタノエート、セルロースアセテートパルミテート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネートスルフェート、セルロースアセテートプロピオネートバレレート、セルロースアセテートp−トルエンスルホネート、セルロースアセテートスクシネート、セルロースアセテートスルフェート、セルロースアセテートトリメリテート、セルロースアセテートトリプロピオネート、セルロースアセテートバレレート、セルロースベンゾエート、セルロースブチレートナフチレート、セルロースブチレート、セルロースクロロベンゾエート、セルロースシアノアセテート、セルロースジカプリレート、セルロースジオクタノエート、セルロースジペンタネート、セルロースジペンタンレート、セルロースホルメート、セルロースメタクリレート、セルロースメトキシベンゾエート、セルロースニトレート、セルロースニトロベンゾエート、セルロースホスフェート(ナトリウム塩)、セルロースホスフィネート、セルロースホスファイト、セルロースホスホネート、セルロースプロピオネート、セルロースプロピオネートクロトネート、セルロースプロピオネートイソブチレート、セルロースプロピオネートスクシネート、セルロースステアレート、セルローススルフェート(ナトリウム塩)、セルローストリアセテート、セルローストリカプリレート、セルローストリホルメート、セルローストリヘプタノエート、セルローストリヘプチレート、セルローストリラウレート、セルローストリミリステート、セルローストリニトレート、セルローストリオクタノエート、セルローストリパルミテート、セルローストリプロピオネート、セルローストリスクシネート、セルローストリバレレート、セルロースバレレートパルミテート、およびこれらの組合わせ。セルロースエーテル、例えば2−ヒドロキシブチルメチルセルロース、2−ヒドロキシエチルセルロース、2−ヒドロキシエチルエチルセルロース、2−ヒドロキシエチルメチルセルロース、2−ヒドロキシプロピルセルロース、2−ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ジメトキシエチルセルロースアセテート、エチル2−ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、エチルセルローススルフェート、エチルセルロースジメチルスルファメート、メチルセルロース、メチルセルロースアセテート、メチルシアノエチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチル2−ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース。ポリカーボネート。ポリウレタン。ポリビニルアセテート。ポリビニルアルコール。ポリエステル。ポリシロキサン、例えばポリ(ジメチルシロキサン)およびポリアミノ酸、例えばポリアスパラギン酸。ポリアクリル酸誘導体、例えばポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ(アクリル酸)高級アルキルエステル、ポリ(エチルメタクリレート)、ポリ(ヘキサデシルメタクリレート−co−メチルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート−co−スチレン)、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、ポリ(n−ブチルアクリレート)、ポリ(シクロドデシルアクリレート)、ポリ(ベンジルアクリレート)、ポリ(ブチルアクリレート)、ポリ(sec−ブチルアクリレート)、ポリ(ヘキシルアクリレート)、ポリ(オクチルアクリレート)、ポリ(デシルアクリレート)、ポリ(ドデシルアクリレート)、ポリ(2−メチルブチルアクリレート)、ポリ(アダマンチルメタクリレート)、ポリ(ベンジルメタクリレート)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(2−エチルヘキシルメタクリレート)、ポリ(オクチルメタクリレート)、アクリル樹脂。ポリエーテル、例えばポリ(オクチルオキシエチレン)、ポリ(オキシフェニルエチレン)、ポリ(オキシプロピレン)、ポリ(ペンチルオキシエチレン)、ポリ(フェノキシスチレン)、ポリ(sec−ブトロキシエチレン)、ポリ(tert−ブトキシエチレン)、これらのコポリマー、およびこれらのポリマーブレンド。
 典型的な自然発生物質には、次のものが含まれる。すなわち:昆虫および動物ワックス、例えばシナろう(chinese insect wax)、蜜ろう(beeswax)、鯨ろう(spermaceti)、脂肪および羊毛脂(wool wax);植物ろう、例えばささの葉ろう(bamboo leaf wax)、キャンデリラろう(candelilla wax)、カルナウバろう(carnauba wax)、木蝋(Japan wax)、アウアリカリーワックス(ouricury wax)、ホホバワックス(Jojoba wax)、シロヤマモモろう(bayberry wax)、ダグラス−フィルワックス(Douglas−Fir wax)、綿ろう(cotton wax)、クランベリーワックス(cranberrywax)、ケープベリーワックス(cape berry wax)、米ぬかろう(rice−bran wax)、ひましろう(castor wax)、インディアンコーンワックス(indian corn wax)、水素化植物油(例えばひまし油、パーム油、綿実油、大豆油)、サトウモロコシ粒ろう(sorghum grain wax)、サルオガセモドキろう(Spanish moss wax)、サトウキビろう(sugarcane wax)、カランダワックス(caranda wax)、脱色ろう(bleached wax)、エスパルトワックス(Esparto wax)、亜麻ろう(flax wax)、マダガスカルろう(Madagascar wax)、オレンジピールワックス(orange peel wax)、シェラックろう(shellac wax)、サイザル麻ろう(sisal hemp wax)およびライスろう(rice wax);鉱ろう、例えばモンタンろう(Montan wax)、ピートろう(peat wax)、石油ろう(petroleum wax)、石油セレシン(petroleum ceresin)、オゾケライトろう(ozokerite wax)、微晶質ろう(microcrystalline wax)およびパラフィン;ならびに合成ワックス、例えばポリエチレンワックス、フィッシャー−トロプシュワックス(Fischer−Tropsch wax)、ポリエチレングリコール化ワックスおよびセチルエステルワックスを含む化学的変性炭化水素ワックスである。
 1つの実施形態において、イオン強度トリガーは、これらの成分を取囲んでいるイオン強度感受性バリヤー組成物であり、このバリヤーは、比較的高いイオン強度(例えば0.5Mの塩化ナトリウムに当量であるか、これよりも高い)において、水性系へのこれらの活性成分の放出に対して実質的に不浸透性であり、水性系中に不溶なままであり、このバリヤーは、比較的低いイオン強度(例えば0.5M未満の塩化ナトリウムと当量)において水性系中に可溶になり、活性成分の急速な放出を実施する。
 1つの別個の実施形態において、このイオン強度トリガーは、これらの成分を取囲んでいる塩基強度感受性バリヤー組成物であり、このバリヤーは、比較的高い塩基強度(例えば2.5Mの水酸化ナトリウム当量であるか、これよりも高い)において、水性系へのこれらの活性成分の放出に対して実質的に不浸透性であり、水性系中に不溶なままであり、このバリヤーは、比較的低い塩基強度(例えば1.0M未満の水酸化ナトリウムと当量)において水性系中に可溶になり、活性成分の急速な放出を実施する。
 他の別個の実施形態において、このイオン強度トリガーは、これらの成分を取囲んでいる塩基強度希釈感受性バリヤー組成物であり、このバリヤーは、比較的高いイオン濃度(例えば2.5Mの水酸化ナトリウムに等しいか、これよりも高い)において、水性系へのこれらの活性成分の放出に対して実質的に不浸透性であり、水性系中に不溶なままであり、このバリヤーは、例えば無視しうる量のイオンを含むか、まったく含まない水(脱イオン水)を用いた20:1(vol:vol)希釈において水性系中に可溶になり、活性成分の急速な放出を実施する。
 任意には、これらのトリガー応答性バリヤー物質は、複数のトリガー応答ポリマーブレンドを含むか、またはこれらは不活性非溶解性物質とブレンドされる。不活性とは、トリガー範囲内にあるイオン強度および/またはpHの変化によって実質的に影響されない物質を意味する。1つまたはそれ以上の不活性非溶解性物質に対する、イオン強度およびpH−応答性物質の割合を改変することによって、トリガーに続き放出前までの時間的ずれを制御することができる。この不活性非溶解性物質は加えられ、使用中(例えばポリマーおよびバリヤーが膨潤した後)または保存中における、バリヤー物質またはデバイスへ機械的強度および安定性をさらに与える。本発明において有効に用いられる典型的な不活性非溶解性物質は、バリヤー物質またはデバイスへの添加剤として記載されている列挙された物質である。好ましくはこの不活性物質は、前記添加剤のリストから選ばれる。
 有益な作用物質という用語は、使用環境中へのデリバリーをトリガーすることが望ましい、および/または有利である物質のことである。有益な作用物質には、気体、固体、または液体状態の形態のこれらの作用物質が含まれる。
 有益な作用物質という用語は、使用環境へのデリバリーを制御することが望ましい、および/または有利である物質のことである。このような物質の例には、下記のものが含まれる。すなわち、洗剤添加剤および洗浄添加剤であり、これらには、例えば次のものが含まれる。すなわち、布柔軟剤、布柔軟剤配合物、カチオン性およびアニオン性界面活性剤、スケール制御剤、緩衝剤、両性添加剤、ビルダー、ブリーチ、有機添加剤、無機添加剤、漂白剤、染料、染み抜き剤、水硬度剤(water hardness agent)、還元剤、酸化剤、蛍光増白剤、UV保護剤、しわ減少剤、グレー阻害剤、消泡剤、土壌忌避剤、油吸収性ポリマー、防水ポリマー、活性保持ポリマー、再付着剤、再付着防止剤、土壌および油性物質の形成を阻害するポリマー、洗剤添加剤配合物、殺菌組成物および配合物、抗菌組成物および配合物、活性化剤、安定化剤、特別な洗剤特性を有するポリマー(例えばコビルダーおよび再付着防止剤)、pH制御剤、酵素、酵素阻害剤、消毒薬、パーソナルケア剤、水軟化剤、吸収剤、フレーバー、および香料である。
 有益な作用物質を充分にデリバリーする、前記成分のあらゆる混合物が用いられてもよいが、一般的にはトリガー応答バリヤー物質は、デバイスの0.01重量%〜30重量%であり、トリガー手段を含むバリヤーは一般的に、このデバイスの1%〜30%である。
 通常の方法で、これらのトリガー応答ポリマーは、所望の形状に成形され、焼結されるか、浸漬被覆(ハードゼラチンカプセルが製造される方法と同様な方法で)されてもよい。好ましくはこれらは通常のコーティング技術によって行われる。この技術には例えば、スプレーコーティング、ヴルスターコーティング(Wurster coating)、コアセルベーション、吹き付け乾燥、界面析出技術、液体中乾燥プロセス、非溶媒添加、小滴押出し、再構成、湿潤微粉砕、集塊化、流動床スプレー、流動床グラニュール化、粒子噴霧、エーロゾル付着、ミクロ小滴押出し、ナノ小滴押出し、およびパンコーティングが含まれる。あるいはまた、ハードゼラチンカプセルは、バリヤーコーティングでコートされてもよい。これは、通常の方法および装置を用いて実施されてもよい。
 1つまたはそれ以上のASEポリマーまたはASRから調製されたバリヤー組成物は、1つまたはそれ以上の活性成分を取囲むかまたはカプセル化する不浸透性バリヤーを形成し、十分な構造支持を与える一方で、このデバイスのバリヤーのトリガー溶解または分散の前には、有益な作用物質の放出を阻害することが企図される。水性系は、主要液体成分として水を含む溶液のことを言うが、これに限定されるわけではない(例えば有機または無機物質の溶液、特に水中の物質と電解質および界面活性剤の混合物)。一般的にこのバリヤー組成物は、有益な作用物質/活性成分を完全に取囲むか、またはこのバリヤー組成物と有益な作用物質/活性成分の不浸透性マトリックスを形成する。この不浸透性バリヤー膜物質は、厚さと機械的強度との組合わせを有し、したがって予め決定された系(これには強力液体(heavy duty liquid「HDL」)配合物または布洗濯洗浄サイクルが含まれるがこれらに限定されるわけではない)において十分に安定であり、ひとたび所望のトリガー放出環境が発生したら、急速に崩壊し、有益な成分を放出する。好ましくはこの不浸透性バリヤー膜は、家庭用およびパーソナルケア用途、例えば布の手入れの洗濯用途には、厚さが5μm〜300μmである。この不浸透性バリヤー膜は、高密度フィルムであってもよく、構造が非対称な複合膜等であってもよい。バリヤー組成物および有益な作用物質/活性成分の不浸透性マトリックスビーズの好ましい粒子サイズは、2〜5000μmである。一般的にこのバリヤー組成物物質および有益な成分のデバイスは、エマルジョンポリマーと、パーソナルケアおよび家庭用の手入れ用活性物質とから構成されている。これらには布の手入れ用活性物質が含まれるがこれらに限定されるわけではない。
 選択された、任意の構造形態にあるポリマーの群は、所望の条件の溶液によってトリガーされるまでこのデバイスの完全性を維持する、イオン強度、pH、塩基濃度レベル、希釈、温度、機械的な力、およびこれらの組合わせトリガー手段として、用いられることができると企図される。このトリガーデバイスは、例えば不浸透性高密度コーティング膜または不浸透性マトリックスであってもよい。好ましくはこのトリガーデバイスは、十分な構造的支持を与え、水に対して不浸透性であり、このことは、トリガーされるまで、コアが水性系と接触して有益な作用物質を放出するのを阻害する。一般的にはこのトリガーデバイスは、これらの成分を取囲んでいるポリマーバリヤー組成物の群から選ばれ、このバリヤーは、予め決定されている条件において、活性成分の水性系への放出に対して実質的に不浸透性であり、この水性系中に不溶なままであり、このバリヤーは、イオン強度、pH、塩基強度、希釈、温度、水性系の界面活性剤濃度レベル、機械的な力、およびこれらの組合わせが変わった時に、水性系中に可溶性または分散性になり、または崩壊し、活性成分の急速な放出を実施する。
 一般的にこれらのバリヤー物質は、水性系(布洗濯洗浄サイクルを含むがこれらに限定されない)に不溶な固体であり、ついでこれらは、イオン強度、pH、界面活性剤濃度レベル、温度、機械的な力、およびこれらの組合わせがこの系中において変わった時に溶解(または分解および溶解)する。
 前記所望の特徴を有するこの発明のデバイスは、下記のプロセスおよびその他の通常の技術および方法を用いて、前記物質を用いて製造することができる。デリバリーデバイスの通常の調製技術には、例えば米国特許第5,358,502号に開示されているものが含まれる。
 本発明は、本明細書において示され、かつ記載されている特定の実施形態に限定されず、様々な変更および修正は、添付の特許請求の範囲によって規定されているその精神および範囲から逸脱することなく行なうことができると理解すべきである。本発明は、下記実施例においてさらに詳しく例証され、詳細に記載される。
  (トリガー応答組成物の調製)
 ポリマーエマルジョンを、ポリマー固形分20重量%まで希釈し、この水性エマルジョンのpHを、水酸化ナトリウムの水溶液(2%)で、pH10まで上昇させて完全に中和する。このエマルジョンに、FC−120湿潤補助剤100ppmを添加し、必要であれば、ポリマー固体上の造膜助剤10〜20%を添加する。一般的に用いられている造膜助剤は、Dowanol(登録商標)DE(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)である。このエマルジョンのいくらかを、ガラスプレート上にキャストし、乾燥させる。この乾燥フィルムを、テストストリップにカットする。このテストの間に3次元膨潤度(cubic swell ratios)を調べるため、これらのストリップを長さ2cmにカットする。
 フィルムストリップを、少なくとも30分間60℃に維持された水浴中で、バイアルビン中で、1.2%Bold(登録商標)洗剤溶液および0.6%Tide(登録商標)洗剤溶液におけるイオン強度および塩基強度濃度変化へのトリガー応答についてテストする。フィルムがその時間の後でも無傷なままであるならば、バイアルビン中の洗剤溶液の95%を除去し、水道水と取り替え、このフィルムが中性pHおよび比較的低いイオン強度の水中でどのように応答するかを評価する。3次元膨潤度がテスト後に測定され、該3次元膨潤度は、キャストされたままのもとのフィルム長さに対する、イオンおよび塩基に暴露されたフィルム長さの立方比[最終長さ/もとの長さ]に等しい。
  (実施例1)
 組成物は、52.5重量%のメチルメタクリレート(MMA)、29.5重量%のブチルアクリレート(BA)、18重量%のメタクリル酸(MAA)、および1.5重量%の3−メルカプトプロピオン酸(3−MPA)からなる高分子電解質である。この高分子電解質は、2.5Mまたはそれ以上のNaOHの水溶液に安定であり、NaOHの濃度を1.0Mまたはそれ以下まで低下させることによってトリガーされ膨潤/溶解/分散する。
  (実施例2)
 他の好ましい実施形態において、組成物は、33重量%のスチレン(Sty)、35重量%のブチルアクリレート(BA)、7重量%のメチルメタクリレート(MMA)、および25重量%のメタクリル酸(MAA)からなる高分子電解質である。この高分子電解質は1.0Mまたはそれ以上のNaOHの水溶液に安定であり、NaOHの濃度を0.1Mまたはそれ以下まで低下させることによってトリガーされ膨潤/溶解/分散する。
  (実施例3)
 組成物60BA/21MMA/10 2−エチルヘキシルアクリレート(HEMA)/9MAA(亜鉛イオンで1%のバックボーンが架橋)の水溶液を、2%NaOH水溶液を用いてpH10.5に調節した。フィルムは、60℃、1.2%Bold中において4分後にバラバラになり(fell apart)、8分後に崩壊(disintegrated)した。フィルムは、60℃、0.6%Tide中、30分後に分解寸前であった。20:1希釈(vol:vol)でバラバラであったが、溶解も崩壊もしなかった。フィルムは、60℃、0.6%Bold中において20分後にバラバラになり、30分後に崩壊した。
  (実施例4)
 組成物60BA/21MMA/10HEMA/9MAA(カルシウムイオンで1%のバックボーンが架橋)の水溶液を、2%NaOH水溶液を用いてpH11.0に調節した。フィルムは、60℃、1.2%Bold中において20分後壊れやすく/脆くなり、30分後に崩壊した。フィルムは、60℃、0.6%Tide中において35分後壊れやすく/脆くなった。20:1希釈(vol:vol)でバラバラであったが、溶解も崩壊もしなかった。
  (実施例5)
 組成物60BA/21MMA/10HEMA/9MAA(マグネシウムイオンで1%のバックボーンが架橋)の水溶液を、2%NaOH水溶液を用いてpH10.5に調節した。フィルムは、60℃、1.2%Bold中において30分後に崩壊した。フィルムは、60℃、0.6%Tide中において35分後膨潤したが、依然として無傷であった。20:1希釈(vol:vol)でバラバラであった。
  (実施例6)
 65重量%の60BA/21MMA/10HEMA/9MAAと35重量%の80Sty/10MMA/10AAとを含む組成物(亜鉛イオンで1%のバックボーンが架橋)の水溶液を、2%NaOH水溶液を用いてpH10.5に調節した。フィルムは、60℃、1.2%Bold中において20分後バラバラになり、35分後に崩壊した。フィルムは、60℃、0.6%Tide中において35分後膨潤したが、依然として無傷であった。20:1希釈(vol:vol)時に引起こされた穏やかな攪拌によって、フィルムは壊れて20個の断片になった。溶解も崩壊もない。
  (実施例7)
 65重量%の60BA/21MMA/10HEMA/9MAAと35重量%の80Sty/10MMA/10AAとを含む組成物(カルシウムイオンで1%のバックボーンが架橋)の水溶液を、2%NaOH水溶液を用いてpH11.0に調節した。フィルムは20:1希釈(vol:vol)時に膨潤したが、一体性を保持した。0.6%Tide洗浄液における3次元膨潤度(CSR)、CSR=4.91。Tide濯ぎ洗い水中CSR=6.86。1.2%Bold洗浄液中のCSR=3.38。Bold濯ぎ洗い水中CSR=5.36。
  (実施例8)
 65重量%の60BA/21MMA/10HEMA/9MAAと35重量%の80Sty/10MMA/10AAとを含む組成物(マグネシウムイオンで1%のバックボーンが架橋)の水溶液を、2%NaOH水溶液を用いてpH10.5に調節した。フィルムは20:1希釈(vol:vol)時に膨潤したが、一体性を保持した。0.6%Tide洗浄液における3次元膨潤度(CSR)、CSR=6.86。Tide濯ぎ洗い水中CSR=27.0。1.2%Bold洗浄液中のCSR=4.33。Bold濯ぎ洗い水中CSR=9.94。
  (実施例9)
 50重量%の35BA/33Sty/7MMA/25MAAと50重量%の60BA/21MMA/10HEMA/10AAとを含む組成物(亜鉛イオンで1%のバックボーンが架橋)の水溶液を、2%NaOH水溶液を用いてpH10.5に調節した。JLE−1983組成物(カルシウムイオンで1%のバックボーンが架橋)の水溶液を、2%NaOH水溶液を用いてpH11.0に調節した。組成物JLE−1980の水溶液(マグネシウムイオンで1%のバックボーンが架橋)を、2%NaOH水溶液を用いてpH10.5に調節した。この亜鉛架橋フィルムは、60℃、1.2%Bold中において20分後に崩壊した。このマグネシウム架橋フィルムは、60℃、1.2%Bold中において35分後崩壊した。このカルシウム架橋フィルムは、60℃、1.2%Bold中において35分後一体性を保持していた。すべてのフィルムは、60℃、0.6%Tide中において35分後良好な一体性を有し、依然として無傷であった。20:1希釈(vol:vol)時に濯ぎ洗い水中においてはるかに多く膨潤した4つの非崩壊性フィルムはすべて、一体性を保持し、依然として無傷であった。
 選択されたイオン強度および塩基に応答する高分子電解質組成物について、表1に3次元膨潤度を示す。
Figure 2004059928
Figure 2004059928
 n−DDMは、n−ドデシルメルカプタンであり、LOFAは、亜麻仁油(linseed oil)脂肪酸である。
 Rhoplex(登録商標)B−1604は、ローム・アンド・ハース社(Rohm and Haas Company)の製品である。

Claims (8)

  1.  0.5Mの塩化ナトリウムに当量であるかもしくはそれ以上の比較的高いイオン強度、または1.0M〜2.5Mもしくはそれ以上の塩基濃度において、水性系に安定かつ不溶であり、
     かつ分散、崩壊、溶解、不安定化、膨潤、またはこれらの組合わせを行なう、
    水性系と接触している1つまたはそれ以上の高分子電解質
    を含むトリガー応答組成物であって、
     この組成物の化学的/物理的応答が、この水性系に対する1つまたはそれ以上の、イオン強度または塩基強度の変化の時にトリガーされ;
     この高分子電解質が、(a)メタクリル酸、2−メチルプロピオン酸、またはアクリル酸から選ばれる酸性モノマー5〜70重量%、(b)ブチルアクリレート、スチレン、およびメチルメタクリレートから選ばれる1つまたはそれ以上の非イオン性ビニルモノマー30〜95重量%、および任意に(c)1つまたはそれ以上の金属架橋剤0.01〜5重量%、
    を含む1つまたはそれ以上のアルカリ溶解性ポリマーである
    前記トリガー応答組成物。
  2.  組成物が、比較的高いイオン強度または塩基強度において水性系に安定かつ不溶であり、組成物が、比較的低いイオン強度、塩基強度、水性系の希釈において、あるいは該組成物と接触している水性系のイオン強度が低下した時に、分散、溶解、膨潤、あるいは崩壊する、請求項1に記載のトリガー応答組成物。
  3.  水性系と接触している1つまたはそれ以上の高分子電解質を含むトリガー応答バリヤー組成物であって、
     該高分子電解質が、(a)メタクリル酸、2−メチルプロピオン酸、またはアクリル酸から選ばれる酸性モノマー5〜70重量%、(b)ブチルアクリレート、スチレン、およびメチルメタクリレートから選ばれる1つまたはそれ以上の非イオン性ビニルモノマー30〜95重量%、および任意に(c)1つまたはそれ以上の金属架橋剤0.1〜5重量%を含む1つまたはそれ以上のアルカリ溶解性ポリマーであり、
     該バリヤー組成物が1つまたはそれ以上の活性成分を取囲んでおり、
     該バリヤー組成物が、比較的高いイオン強度または塩基強度において水性系中に安定かつ不溶であり、
     該バリヤーが、分散、崩壊、溶解、不安定化、膨潤、軟化、流動、およびこれらの組合わせから選ばれる1つまたはそれ以上の化学的/物理的応答を示し、この組成物の化学的/物理的応答が、水性系への1つまたはそれ以上のイオン強度または塩基強度の変化の時にトリガーされ、さらに
     該バリヤー組成物が、このトリガー応答の結果として水性系へ活性成分を放出することができる
    前記トリガー応答バリヤー組成物。
  4.  バリヤー組成物が、5nm〜3,000μmの粒径を有するフィルムの形態にある、請求項3に記載のトリガー応答バリヤー組成物。
  5.  重量平均分子量1,000〜20,000、粒径5nm〜300μmを有する少なくとも1つのMorez(登録商標)ポリマーから調製される、請求項4に記載のトリガー応答バリヤー組成物。
  6.  下記の工程を含む、水性系への1つまたはそれ以上の活性成分の放出をトリガーする方法:
     (a)イオン強度または塩基強度応答性バリヤー組成物で、1つまたはそれ以上の活性成分を取囲む工程であって、
     該組成物が、(a)メタクリル酸、2−メチルプロピオン酸、またはアクリル酸から選ばれる酸性モノマー5〜70重量%、(b)ブチルアクリレート、スチレン、およびメチルメタクリレートから選ばれる1つまたはそれ以上の非イオン性ビニルモノマー30〜95重量%、および任意に(c)1つまたはそれ以上の金属架橋剤0.1〜5重量%、
    を含む1つまたはそれ以上のアルカリ溶解性ポリマーを含んでおり
     該バリヤーが、水性系への活性成分の放出に対して実質的に不浸透性であり、この水性系中に不溶のままである工程、および
     (b)該水性系のイオン強度または塩基強度を変更する工程であって、
     該バリヤー組成物が、分散、崩壊、溶解、または膨潤し、実質的に浸透性になり、これによって、水性系中への活性成分の放出をトリガーする工程。
  7.  バリヤー組成物が、重量平均分子量20,000〜10,000,000、および粒径5nm〜3,000μmを有する少なくとも1つのASEエマルジョンポリマーから調製されたスプレードライされたフィルムの形態にある、請求項5に記載の方法。
  8.  バリヤー組成物が、フィルムの形態にあり、該組成物が、重量平均分子量1,000〜20,000、および粒径5nm〜300μmを有するMorezポリマーを含んでいる、請求項5に記載の方法。
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