JP2004059821A - アクリルゴム組成物およびその架橋物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴム(A)100重量部に対して、(B)トリチオシアヌル酸0.1〜5重量部、(C)ジチオカルバミン酸化合物0.1〜5重量部、(D)チオウレア誘導体0.05〜5重量部、(E)pH2〜10の白色充填剤5〜200重量部および(F)ハロゲン原子または(メタ)アクリロキシ基を有するオルガノシラン化合物0.05〜10重量部を配合してなるアクリルゴム組成物。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴム組成物に関し、詳しくは、貯蔵安定性と迅速な架橋性とを併有し、しかも圧縮永久ひずみの小さい架橋物を与えるアクリルゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
アクリルゴムは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルの意。)および/または(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルを主単量体単位として有するゴムであり、通常は、ハロゲン原子、エポキシ基、カルボキシル基等の架橋点(架橋サイト)を有する単量体が共重合されている。アクリルゴムに、これらの架橋点含有単量体の架橋点に応じた架橋剤、架橋促進剤等を配合して架橋して得られる架橋物は、耐油性、耐熱性、耐候性及び耐オゾン性等に優れ、圧縮永久歪が小さいため、シール材、ホース材、ガスケット材等に好適に使用されている。
特に、架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴムは、架橋速度が速く、その架橋物は圧縮永久歪みが小さく有用であるが、架橋前の貯蔵安定性に欠けるという難点を有している。
【0003】
架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴムに対する架橋剤としては、脂肪酸金属石鹸と硫黄または硫黄供与体とからなる脂肪酸金属石鹸架橋剤系、トリチオシアヌル酸とジチオカルバミン酸化合物とからなるトリチオシアヌル酸架橋剤系等が知られている。これらのうち、脂肪酸金属石鹸架橋剤系によると、架橋速度が遅く、架橋物の圧縮永久歪が大きく耐水性に劣る。一方、トリチオシアヌル酸架橋剤系を用いると、架橋速度が速すぎて、耐スコーチ性及び貯蔵安定性が低い。本出願人は先に、トリチオシアヌル酸架橋剤系を改良するために、更にチオウレア誘導体を含有する組成物を提案した(特公平7−2882号公報)。該組成物は、貯蔵安定性と架橋速度のバランスが大きく改良されたものの、着色可能にしたり電気特性を向上させたりするために白色充填剤を配合する場合においては、貯蔵安定性及び圧縮永久歪みをさらに改良する必要があった。その後、トリチオシアヌル酸架橋剤系の改良法として、架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴムに、イミド誘導体またはアミド誘導体、並びに、エポキシ基やメルカプト基を有するオルガノシラン化合物および/またはアミノ基を有するオルガノシラン化合物をさらに配合したアクリルゴム組成物(特公平7−68425号公報)や、架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴムに、芳香族カルボン酸、白色充填剤、シランカップリング剤並びにハイドロタルサイト化合物および/または有機錫化合物を配合したアクリルゴム組成物(特開平10−53684号公報)が提案された。しかし、これらによっても、迅速架橋性と貯蔵安定性の双方に優れるアクリルゴム組成物はいまだ実現していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、貯蔵安定性に優れ、かつ迅速架橋でき、さらに、圧縮永久歪みが小さい架橋物を与えるアクリルゴム組成物および該組成物を架橋して成る架橋物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を達成するために鋭意研究した結果、架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴムと、該ゴムに対し、ハロゲン原子または(メタ)アクリロキシ基を有するオルガノシラン化合物、トリチオシアヌル酸架橋剤系、チオウレア誘導体及び白色充填剤をそれぞれ特定量ずつ含有してなる組成物により前記目的を達成できることを見出し、この知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明によれば、架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴム(A)100重量部、該アクリルゴム(A)100重量部に対して、トリチオシアヌル酸(B)0.1〜5重量部、ジチオカルバミン酸化合物(C)0.1〜5重量部、チオウレア誘導体(D)0.05〜5重量部、pH2〜10の白色充填剤(E)5〜200重量部およびハロゲン原子または(メタ)アクリロキシ基を有するオルガノシラン化合物(F)0.05〜10重量部を含有してなるアクリルゴム組成物、及び該アクリルゴム組成物を架橋して成る架橋物が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明組成物に使用する架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴム(A)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体を主成分とし、架橋点となるハロゲン原子を有する単量体及び必要に応じてこれらと共重合可能な単量体とを共重合させて得られるゴムである。
【0007】
該アクリルゴム(A)の主成分である(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体、および、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体が挙げられる。
【0008】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、炭素数1〜8のアルキルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどが挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸エチルおよび(メタ)アクリル酸n−ブチルが、特にアクリル酸エチルおよびアクリル酸n―ブチルが好ましい。
【0009】
(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体としては、炭素数2〜8のアルコキシアルキルアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチルなどが挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸2−エトキシエチルおよび(メタ)アクリル酸2−メトキシエチルが、特に、アクリル酸2−エトキシエチルおよびアクリル酸2−メトキシエチル好ましい。
【0010】
アクリルゴム(A)中の(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の含有量は、50〜99.9重量%、好ましくは60〜95重量%、より好ましくは80〜92重量%である。(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の含有量が少なすぎると、架橋物の耐熱性および耐油性が低下するおそれがある。
【0011】
本発明で使用する架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴム(A)は、さらに、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位が、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位30〜100重量%及び(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル単量体単位70〜0重量%からなるものであることが好ましい。
【0012】
架橋点となるハロゲン原子を有する単量体としては特に限定されないが、例えば、クロロ酢酸ビニル、2−クロロプロピオン酸ビニル、クロロ酢酸アリル等のハロゲン含有飽和カルボン酸の不飽和アルコールエステル類;(メタ)アクリル酸クロロメチルエステル、(メタ)アクリル酸1−クロロエチルエステル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチルエステル、(メタ)アクリル酸1,2−ジクロロエチルエステル、(メタ)アクリル酸2−クロロプロピルエステル、(メタ)アクリル酸3−クロロプロピルエステル、(メタ)アクリル酸2,3−ジクロロプロピルエステル等の(メタ)アクリル酸ハロアルキルエステル類;(メタ)アクリル酸2−(クロロアセトキシ)エチルエステル、(メタ)2−(クロロアセトキシ)プロピルアクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸3−(クロロアセトキシ)プロピルエステル、(メタ)アクリル酸3−(ヒドロキシクロロアセトキシ)プロピルエステル等の(メタ)アクリル酸ハロアシロキシアルキルエステル類;(メタ)アクリル酸2−(クロロアセチルカルバモイルオキシ)エチルエステル、(メタ)アクリル酸3−(クロロアセチルカルバモイルオキシ)プロピルエステル等の(メタ)アクリル酸(ハロアセチルカルバモイルオキシ)アルキルエステル類;クロロメチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、3−クロロプロピルビニルエーテル、2−クロロエチルアリルエーテル、3−クロロプロピルアリルエーテル等のハロゲン含有不飽和エーテル類;
【0013】
2−クロロエチルビニルケトン、3−クロロプロピルビニルケトン、2−クロロエチルアリルケトン等のハロゲン含有不飽和ケトン類;p−クロロメチルスチレン、p−クロロメチル−α−メチルスチレン、p−ビス(クロロメチル)スチレン等のハロメチル基含有芳香族ビニル化合物;N−クロロメチル(メタ)アクリルアミド、N−(クロロアセトアミドメチル)(メタ)アクリルアミド等のハロゲン含有不飽和アミド類;3−(ヒドロキシクロロアセトキシ)プロピルアリルエーテル、p−ビニルベンジルクロロ酢酸エステル等のハロアセチル基含有不飽和単量体類等を挙げることができる。これらのハロゲン含有単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴム(A)中の、架橋点となるハロゲン原子を有する単量体単位の含有量は、通常、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%の範囲である。
【0014】
また、本発明に用いる、架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴム(A)は、架橋点含有単量体単位として、架橋点となるハロゲン原子を有する単量体単位の他にハロゲン原子以外の架橋点、例えばエポキシ基、水酸基、共役二重結合及び非共役二重結合などの架橋点を有する単量体単位を併せて持つことができる。
ハロゲン原子以外の架橋点を有する単量体としては、グリシジル(メタ)アクリル酸エステル、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有単量体;
【0015】
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチルエステル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチルエステル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルエステル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、アリルアルコール等の水酸基含有単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、ピペリレンなどの共役ジエン単量体;エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタジエニルエステル、(メタ)アクリル酸2−ジシクロペンタジエニルエチルエステル等の非共役ジエン単量体を挙げることができる。これらのハロゲン原子以外の架橋点を有する単量体は、単独でまたは2種以上を使用することができる。
架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴム(A)中のこれらの単量体単位量は、通常、0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%の範囲である。
また、本発明に用いる架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴム(A)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体、ハロゲン含有単量体及びハロゲン原子以外の架橋点含有単量体以外に、必要に応じてこれらと共重合可能な単量体が共重合されていてもよい。そのような単量体としては、芳香族ビニル単量体、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体、多官能性アクリル単量体、その他のオレフィン系単量体などが挙げられる。これらの中でも、α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体が好ましい。
【0016】
芳香族ビニル単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。α,β−エチレン性不飽和ニトリル単量体としては、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどが例示される。多官能性アクリル単量体としては、エチレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル、プロピレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステルなどが挙げられる。その他のオレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルなどが挙げられる。
【0017】
架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴム(A)中の上記の共重合可能な単量体単位量は、本発明の目的を損なわない範囲であればよく、好ましくは0〜49.9重量%、より好ましくは0〜20重量%である。
【0018】
架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴム(A)の例としては、ハロゲン含有(アクリル酸エステル共重合体)ゴム、ハロゲン含有(エチレン−アクリル酸エステル共重合体)ゴム、ハロゲン含有(エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体)ゴム、ハロゲン含有(アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体)ゴム、ハロゲン含有(アクリル酸エステル−酢酸ビニル−アクリロニトリル共重合体)ゴム、ハロゲン含有(アクリル酸エステル−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体)ゴムなどが挙げられるが、特にこれらのゴムに制限されるものではない。
【0019】
本発明で使用する架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴム(A)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体、ハロゲン含有単量体および必要に応じて用いられるこれらと共重合可能な単量体を含んでなる単量体混合物を重合することにより製造することができる。重合法としては、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法及び溶液重合法のいずれも用いることができるが、重合反応の制御の容易性等から、常圧下での乳化重合法によるのが好ましい。
【0020】
重合開始剤、重合停止剤、乳化剤等はアクリルゴムの重合に一般的に用いられる従来公知のものを使用できる。
【0021】
重合開始剤としては、アゾ化合物、有機過酸化物、無機過酸化物などを用いることができる。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤の使用量は、単量体混合物100重量部に対して、0.01〜1.0重量部であることが好ましい。
【0022】
また、過酸化物開始剤は還元剤と組み合わせてレドックス系重合開始剤として使用することができる。還元剤としては、特に限定されないが、金属イオンを含有する化合物、スルホン酸化合物、アミン化合物などが挙げられる。これらの還元剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。還元剤の使用量は、過酸化物1重量部に対して0.03〜10重量部であることが好ましい。
【0023】
重合停止剤としては、例えば、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシアミン硫酸塩、ジエチルヒドロキシアミン、ヒドロキシアミンスルホン酸およびそのアルカリ金属塩、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウムなどが挙げられる。重合停止剤の使用量は、特に限定されないが、通常、全単量体100重量部に対して、0.1〜2重量部である。
【0024】
乳化剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性乳化剤;アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモニウムクロライド、ベンジルアンモニウムクロライド等のカチオン性乳化剤が好適に用いられる。これらの乳化剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。乳化剤の使用量は、単量体混合物100重量部に対して、0.1〜10重量部である。
【0025】
乳化重合における水の使用量は、単量体混合物100重量部に対して、80〜500重量部、好ましくは100〜300重量部である。
【0026】
乳化重合においては、必要に応じて、分子量調整剤、粒径調整剤、キレート化剤、酸素捕捉剤等の重合副資材を使用することができる。
【0027】
分子量調整剤としては、例えば、メルカプタン類、スルフィド類、α−メチルスチレン2量体、四塩化炭素等が挙げられる。
【0028】
乳化重合は、回分式、半回分式、連続式のいずれでもよい。重合温度は通常0〜70℃、好ましくは5〜50℃の温度範囲で行なわれる。
【0029】
本発明組成物で使用する架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴム(A)のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは10〜80、より好ましくは20〜70、特に好ましくは30〜70である。ムーニー粘度が小さすぎると成形加工性や架橋物の機械的強度が劣る場合があり、大きすぎると成形加工性が劣る場合がある。
【0030】
本発明組成物の(B)成分であるトリチオシアヌル酸は、トリチオシアヌル酸及びその誘導体であり、トリチオシアヌル酸のメルカプト基(−SH)の一部を二級または三級アミンに置換した化合物や、メルカプト基の水素を鎖状炭化水素基または環状炭化水素基に置換した化合物なども含むが、本発明では迅速架橋性、架橋物の架橋密度の面から、トリチオシアヌル酸を用いるのが好ましい。トリチオシアヌル酸の配合割合は、架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴム(A)100重量部に対し0.1〜5重量部であり、好ましくは0.2〜2重量部である。該配合割合が過度に小さいと充分な架橋密度が得られず、架橋物の物理強度が低くなるおそれがあり、過度に大きいと過剰のトリチオシアヌル酸が架橋物表面にブリードして金型を汚染する可能性がある。
【0031】
本発明組成物の(C)成分として使用するジチオカルバミン酸化合物は、ジチオカルバミン酸およびその誘導体である。該誘導体は、特に限定されないが、好ましいものとして下記式(I)で示されるジチオカルバミン酸金属塩、同金属塩とアミン類との錯塩もしくは複塩が挙げられる。
【0032】
【化1】
(式中、R1およびR2は相互に同一でも異なってもよく、アルキル基、アラルキル基もしくはシクロアルキル基を表す。アルキル基は炭素数1〜12であるのが好ましい。また、R1とR2とは、相互に結合して複素環を形成してもよい。Mはn価の金属を表し、nは1〜4の整数を表す)
【0033】
Mで表される金属としては、例えば亜鉛、銅、カドミウム、鉛、ビスマス、鉄、コバルト、テルル、セレンなどを挙げることができる。このようなジチオカルバミン酸誘導体の具体例としては、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ヘキシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−オクチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−デシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ドデシルジチオカルバミン酸亜鉛、メチルベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、メチルシクロヘキシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸カドミウム、ジエチルジチオカルバミン酸カドミウム、ジメチルジチオカルバミン酸ビスマス、ジエチルジチオカルバミン酸ビスマス、ジメチルジチオカルバミン酸鉄、ジエチルジチオカルバミン酸鉄、ジメチルジチオカルバミン酸テルル、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸セレン、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛などを挙げることができる。ジチオカルバミン酸化合物は、単独で使用しても2種類以上を混合して使用してもよい。
【0034】
本発明組成物におけるジチオカルバミン酸化合物(C)の配合量は、架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴム(A)100重量部に対して、0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部である。ジチオカルバミン酸化合物(C)の配合量が過度に少ないと架橋における架橋反応速度が不十分となるおそれがあり、逆に過度に多いと架橋物の表面にブルームが生ずる可能性がある。
【0035】
本発明組成物の(D)成分として使用するチオウレア誘導体は、下記式(II)で表わされる化合物である。
【0036】
【化2】
(式中、R3およびR4はそれぞれ独立に、アルキル基、アラルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表す。R3とR4とは、相互に結合して複素環を形成してもよい。アルキル基は炭素数が1〜12であるのが好ましい。)
【0037】
チオウレア誘導体(D)の例としては、N,N’−ジメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、N,N’−ジブチルチオ尿素、N,N’−ジフェニルチオ尿素、N,N’−ジトリルチオ尿素などが挙げられ、1種でまたは2種以上併せて使用される。チオウレア誘導体(D)の配合量は、(A)成分の架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴム(A)100重量部に対して、0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部である。チオウレア誘導体(D)の配合量が過度に少ないとアクリルゴム組成物の架橋前の貯蔵安定性が不十分になるおそれがあり、逆に過度に多いと架橋時の架橋速度が遅くなる可能性がある。
【0038】
本発明組成物の(E)成分として使用する白色充填剤は、pHが2〜10、好ましくは3〜9の無機充填剤である。白色充填剤(E)のpHは、JIS K 5101に規定される、顔料のpH測定法に準じて、白色充填剤の水性懸濁液のpHを測定することにより求めることができる。pH測定は、通常は該水性懸濁液を煮沸してから行うが、煮沸によりpHが大きく変化する場合には常温で行う。
【0039】
pHが過度に低いと架橋速度が遅くなるおそれがあり、逆に過度に高いと架橋前の貯蔵安定性が低下する可能性がある。このような白色充填剤としては、例えば、シリカ(ホワイトカーボン)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、メタけい酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、クレー、タルク、セライト等を挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上併せて使用することができる。また、これらをカップリグ剤等にて表面改質したものまたは焼成処理したものを用いることもできる。これらのうち、シリカが、架橋物の機械的特性を向上させるので好ましい。
【0040】
本発明において、白色充填剤(E)は、主に、組成物加工性を改善させ、架橋物の耐熱性及び機械的特性を向上させために配合するが、上記のpHの他に、平均粒径、粒子表面のゴムに対する親和性、等も考慮に入れて選択するのが好ましい。白色充填剤(E)の平均粒径は、通常、1〜1,000nm、好ましくは5〜800nmである。白色充填剤(E)の平均粒径が過度に小さいと圧縮永久歪が大きくなるおそれがあり、逆に過度に大きいと架橋物の機械的強度が低下する可能性がある。
【0041】
白色充填剤(E)は、架橋物に色相や色彩を自由に選定できる利点を与える充填剤であるが、カーボンブラックに比して架橋物の機械的強度の増強効果が小さいので、白色充填剤とアクリルゴムの双方に対して反応し得る基を有するシランカップリング剤を配合して補強効果の増強を図ることが有効である。また、白色充填剤の表面は、一般的に親水性であるため、(A)成分のアクリルゴムに対する分散性が低下するので、有機アミン、有機酸などで表面を疎水化処理して、ゴムに対する親和性を高めて使用することが好ましい。
【0042】
本発明組成物における白色充填剤(E)の配合量は、架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴム(A)100重量部に対して、5〜200重量部、好ましくは20〜150重量部である。白色充填剤(E)の配合量が過度に少ないと架橋物の機械的強度が低下するおそれがあり、逆に過度に多いとエラストマー組成物の粘度が高くなって加工性が低下する可能性がある。
【0043】
本発明組成物には、架橋物の圧縮永久歪を小さくするために、(F)成分として、ハロゲン原子または(メタ)アクリロキシ基を有するオルガノシラン化合物を配合する。
ハロゲン原子を有するオルガノシラン化合物の例としては、ビニルトリクロロシラン、γ−アクリロキシプロピルトリクロロシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジクロロシラン、γ−ブロモプロピルトリメトキシシラン、γ−ブロモプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。(メタ)アクリロキシ基を有するオルガノシラン化合物の例としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリクロロシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリス(β−メトキシエトキシ)シランなどが挙げられる。
【0044】
本発明組成物におけるハロゲン原子または(メタ)アクリロキシ基を有するオルガノシラン化合物(F)の配合量は、架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴム(A)100重量部に対して、0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。該オルガノシラン化合物の配合量が過度に少ないと、架橋物の圧縮永久歪が大きくなるおそれがあり、逆に過度に多いと架橋物の機械的特性が低下する可能性がある。また、(F)成分に代えて、ハロゲン原子または(メタ)アクリロキシ基を有さないオルガノシラン化合物を用いると未架橋物の貯蔵安定性が悪化したり、架橋物の圧縮永久歪が大きくなるおそれがある。
【0045】
本発明のアクリルゴム組成物には、必要に応じて、カーボンブラック、架橋遅延剤、老化防止剤、光安定剤、軟化剤、滑剤、粘着剤、潤滑剤、難燃剤、防黴剤、帯電防止剤、着色剤などの添加剤を配合してもよい。
【0046】
架橋遅延剤としては、安息香酸、サリチル酸等の芳香族モノカルボン酸;N−(シクロヘキシルチオ)フタルイミド等のイミド誘導体;N−イソプロピルチオ―N―シクロヘキシル―ベンゾチアジル―2−スルホンアミド、N−シクロヘキシル―N―トリクロロメチルチオ―ベンジル―2−スルホンアミドなどのアミド誘導体;オルトフタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸(酸無水物)等を挙げることができる。
【0047】
老化防止剤としては、フェニル−α−ナフチルアミン、オクチレイテッド・ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルフォニルアミド)ジフェニルアミン、p−イソプロポキシ・ジフェニルアミン、ビス(フェニル・イソプロピリデン)−4,4−ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル・エチレンジアミン、N,N’−ジフェニル・プロピレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニルジアミン,N−シクロへキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N,N’―ビス(1−メチルへプチル)―p−フェニレンジアミン、N,N−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、4−(α−フェニルエチル)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α−フェニルエチル)ジフェニルアミン等の芳香族第二級アミン化合物;ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等のジアルキルジチオカルバミン酸ニッケル等が挙げられる。
【0048】
また、上記アクリルゴム組成物には、必要に応じて、架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴム(A)以外のゴム、樹脂などをさらに配合してもよい。例えば、天然ゴム、ハロゲンを含有しないアクリルゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムなどのゴム;オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリシロキサン系エラストマーなどのエラストマー;ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド樹脂などの樹脂;などを配合することができる。
【0049】
上記アクリルゴム組成物の調製にあたっては、ロール混合、バンバリー混合、スクリュー混合、溶液混合などの適宜の混合方法が採用できる。配合手順は特に限定されないが、先ず、熱による反応や分解を起こしにくい成分を充分に混ぜ合わせた後、熱による反応や分解を起こしやすい成分、例えば架橋剤などを、反応や分解を起こさない温度で短時間に混合する手順を採ると好ましい。
【0050】
本発明組成物の架橋条件としては、温度は、通常、120℃以上、好ましくは150〜220℃であり、時間は、通常、1〜60分間、好ましくは2〜30分間である。加熱方法としては、プレス、水蒸気、電気炉、熱風等の適宜の方法を採用することができるが、通常、本発明組成物を所定形状の金型に充填、プレス加熱して架橋させたのち、蒸気、電気炉、熱風等の加熱により後架橋する。後架橋を行う場合は約150℃〜200℃の温度で1〜24時間程度行なわれる。
【0051】
本発明のアクリルゴム組成物は、貯蔵安定性に優れ、かつ迅速架橋できるので生産性が極めて高い。また、本発明組成物による架橋物は、圧縮永久歪みが小さいので、例えば、自動車等の輸送機械、一般機器、電気機器等の幅広い分野において、O−リング、ガスケット、オイルシール、ベアリングシール等のシール材;緩衝材、防振材;電線被覆材;工業用ベルト類;チューブ・ホース類;シート類;等として有用である。
【0052】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。これらの例中の(部)及び(%)は、特記しない限り重量基準である。ただし本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0053】
(1)ムーニー粘度
JIS K6300に従って、100℃で測定した。
(2)ムーニースコーチ時間(t5)
アクリルゴム組成物のムーニースコーチ時間(t5)は、組成物調製直後、及び、該組成物を温度40℃、相対湿度80%の恒温恒湿器内に7日間貯蔵後に、JIS K6300に従って125℃で測定した。ムーニースコーチ時間t5の値が大きいほど、スコーチ安定性に優れる。
【0054】
(3)機械的強度
アクリルゴム組成物を170℃、10分間のプレスによって成形、架橋し、15cm×15cm×2mmの架橋シートを得、さらに後架橋のために170℃のオーブン内に4時間放置して作成した架橋シートを所定の形状に打ち抜いた試験片を用い、JIS K6251の引張試験に従って引張強度及び破断伸び(伸び)を、又、JIS K6253の硬さ試験に従って硬さをそれぞれ測定した。
【0055】
(4)圧縮永久歪み率
アクリルゴム組成物を170℃、15分間のプレスによって成形、架橋し、直径29mm、厚さ12.5mmの円柱型試験片を作製し、さらに後架橋のために170℃に4時間放置した。JIS K 6262に従い、上記試験片を25%圧縮させたまま、150℃の環境下で70時間置いた後、圧縮を解放して圧縮永久ひずみ率を測定した。
【0056】
実施例1
温度計、攪拌装置、窒素導入管及び減圧装置を備えた重合反応器に、水200部、ラウリル硫酸ナトリウム3部、アクリル酸エチル48.2部、アクリル酸ブチル30部、アクリル酸メトキシメチル20部およびクロロ酢酸ビニル1.8部を仕込み、減圧による脱気および窒素置換をくり返して酸素を十分除去した後、クメンハイドロパーオキシド0.005部およびナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.002部を加えて常圧、常温下で乳化重合反応を開始させ、重合転化率が95%に達するまで反応させた。得られた乳化重合液を塩化カルシウム水溶液で凝固させ、水洗、乾燥してアクリルゴムを得た。
【0057】
上記反応で得られたアクリルゴム100部、シリカ(ニップシールVN3、日本シリカ社製、湿式シリカ、pH5.5〜6.5、BET比表面積180〜230m2/g、平均粒径18nm)20部、焼成クレー(SATINTONE No.5、土屋カオリン工業社製、pH5〜6、平均粒径800nm)60部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1部、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(ノクラックCD、大内新興社製、老化防止剤)2部、ステアリン酸(軟化剤)2部および4,4’−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(サントガードPV1、三菱モンサント社製、架橋遅延剤)2部を50℃にてバンバリーで混練し、その後、トリチオシアヌル酸(ZISNET−F、三共化成社製)0.5部、ジチオカルバミン酸亜鉛(ノクセラーBZ、大内新興社製)1.5部およびN,N−ジエチルチオウレア(ノクセラーEUR、大内新興社製)0.5部を加えて40℃にてオープンロールで混練してアクリルゴム組成物を調製した。
【0058】
このアクリルゴム組成物を用いて、該組成物の調製直後および7日貯蔵後のムーニースコーチ時間(t5)、該組成物の架橋物の機械的強度(引張強度、伸び、硬さ)並びに圧縮永久歪み率を測定した。結果を表1に示す。
【0059】
実施例2、比較例1〜4
表1に示す成分および部数の配合内容で、実施例1と同様にしてアクリルゴム組成物を調製し、実施例1と同様にして各試験を行った。結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
表1が示すように、本発明のアクリルゴム組成物は、組成物調製直後も、また7日間高温多湿下で貯蔵した後も、ムーニースコーチ時間(t5)が25分以上でスコーチ安定性が良く、また、架橋物は短時間の架橋で十分な機械的強度を発現し、圧縮永久歪みが小さかった(実施例1、2)。
一方、本発明組成物の(F)成分を用いないで、代わりにメルカプト基含有オルガノシラン化合物を配合したアクリルゴム組成物は貯蔵中にスコーチし(比較例1)、さらに、(F)成分を配合せず、代わりオルガノシランも用いないと、架橋物の圧縮永久歪み率が極めて大きくなった(比較例2)。(D)成分のチオウレア誘導体を配合しないアクリルゴム組成物は貯蔵安定性が低く(比較例3)、(B)成分のトリチオシアヌル酸を配合しないアクリルゴム組成物は架橋反応を起こさなかった(比較例4)。
【0062】
【発明の効果】
本発明のアクリル酸エステル系組成物は、貯蔵安定性に優れ、かつ、極めて迅速に架橋する。また、それを成形した架橋物は圧縮永久歪みが小さいので、シール材、防振材、ホース材などに好適に使用できる。
Claims (4)
- 架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴム(A)100重量部、トリチオシアヌル酸(B)0.1〜5重量部、ジチオカルバミン酸化合物(C)0.1〜5重量部、チオウレア誘導体(D)0.05〜5重量部、pH2〜10の白色充填剤(E)5〜200重量部およびハロゲン原子または(メタ)アクリロキシ基を有するオルガノシラン化合物(F)0.05〜10重量部を含有してなるアクリルゴム組成物。
- 架橋点となるハロゲン原子を有するアクリルゴム(A)中の、架橋点となるハロゲン原子を有する単量体単位量が0.1〜10重量%である請求項1記載の組成物。
- 白色充填剤(E)の平均粒径が1〜1,000nmである請求項1または2記載のアクリルゴム組成物。
- 請求項1〜3記載のアクリルゴム組成物を架橋してなる架橋物。
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