JP2004059572A - フリーデルクラフツ反応による芳香族化合物の製造方法 - Google Patents

フリーデルクラフツ反応による芳香族化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】塩化アルミニウムに代表されるフリーデルクラフツ反応を伴う製造において、廃棄物の削減、分離工程の簡素化、高級な耐酸性材質の反応器を必要としない新規製造を提供すること。
【解決手段】芳香族化合物とエステル化合物をヘテロポリ酸含有固体酸触媒の存在下で反応させることによりフリーデルクラフツ反応による芳香族化合物、特にテトラロン類、インダノン類を一段の反応で製造する。触媒は固液分離により容易に回収、再使用が可能である。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香族化合物とエステル化合物とをヘテロポリ酸含有固体酸触媒存在下で、フリーデルクラフツ反応させ、芳香族ケトン類、芳香族カルボン酸類、芳香族アルコール類、アルキル化又はアルケニル化された芳香族類等を製造する方法に関する。フリーデルクラフツ反応生成物による芳香族化合物である芳香族ケトン類、芳香族カルボン酸類、芳香族アルコール類、アルキル化又はアルケニル化された芳香族類は産業上有用な化合物であり、医薬品原料、農薬原料、電子材料、機能性樹脂原料などに広く利用される。
【0002】
【従来の技術】
フリーデルクラフツ反応生成物の製造方法及び当該触媒は多くの著書に記載されている。例えば、Hendrickson, Cram, Hammond ”ORGANIC CHEMISTRY” (thirdedition) pages 668−683 (1970)によれば、芳香族化合物をアルキル化やアシル化することはフリーデルクラフツ反応(Friedel−Crafts reaction)であると記載されている(非特許文献1を参照のこと)。ハロゲン化アルキル、オレフィン、アルコール、p−トルエンスルフォニル化されたアルカンを塩化アルミニウム、濃硫酸の存在下でアルキル化する例がある。また、酸ハライド、酸無水物をアシル化剤として用い、芳香族化合物のアシル化反応を、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、フッ化水素、リン酸、硫酸などの存在下で行なうことが記載されている。また、反応機構上、フリーデルクラフツ反応類似の例として、フリース転移(Fries rearrangement)が塩化アルミニウムで、ヘッシュ反応(Hoesch reaction)が塩化亜鉛で進行するなどが記載されている。
【0003】
医薬品原料として有用なインダノンを合成する方法としては、ベンズアルデヒドからパーキン反応で桂皮酸を合成し、これを水素還元してフェニルプロピオン酸に、さらに分子内アシル化反応でインダノンへ導く方法、以下の反応スキーム1に示すように、アクリル酸を塩化チオニルと反応させて酸クロライドに誘導した後、大量の塩化アルミを用いてベンゼンと反応させてインダノンを合成する方法などがある。
【0004】
【化1】
Figure 2004059572
【0005】
一方、以下の反応スキーム2に示すように、テトラロンも同様にして、例えば、ベンゼンを塩化アルミニウム試薬により無水コハク酸と反応させ、フェニルケト酪酸にして、これを水素還元してフェニル酪酸を得、塩化アルミニウム試薬により分子内アシル化することにより得られる。
【0006】
【化2】
Figure 2004059572
【0007】
いずれの反応スキームにおいても複数の反応工程を必要とし煩雑である。また、塩化アルミニウム、塩化チオニル、酸クロライドなどの発煙性、腐食性、毒性等を有し、取扱に注意を要する物質を使用しなければならないという問題点もある。
【0008】
C. De Castro et al., J. Molecular Catal., 134, (1998) 215−222は、クロトン酸とm−キシレンとを原料に、60%リンタングステン担持触媒でインダノン誘導体を生成させることを報告している(非特許文献2を参照のこと)。しかしながら、TON(触媒活性点数当たりの生成物の数)は、3.5と極めて低く、さらに合成の観点からは改善の余地がある。
【0009】
同様にトリメチルベンゼンを有するアルキルカルボン酸を合成する方法としては、トリメチルベンゼンのアルデヒドをパーキン反応でケトカルボン酸にし水素還元して合成する方法などが想定される。
【0010】
E. F. Kozhevnikova et al., Chem. Comm., 2002 (11) 1178−1179は、類似の反応であるフリース転移(Fries rearrangement)をリンタングステン担持触媒を用いて行うことを報告している(非特許文献3を参照のこと)。
【0011】
【非特許文献1】
Hendrickson, Cram, Hammond ”ORGANIC CHEMISTRY” (third edition) pages 668−683 (1970)
【非特許文献2】
C. De Castro et al., J. Molecular Catal., 134, (1998) 215−222
【非特許文献3】
E. F. Kozhevnikova et al., Chem. Comm., 2002 (11) 1178−1179
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
先に記載したように、フリーデルクラフツ反応を促進する試薬として、塩化アルミニウムや塩化亜鉛などが必要であり、それらの塩化物を溶解するためには、一般に、ニトロメタンやニトロベンゼンなどの極性溶媒が使用される。塩化アルミニウム以外では、三フッ化ホウ素、フッ化水素、リン酸、硫酸などの鉱酸やトリフルオロスルホン酸などが用いられてきた。
これらは、反応後の精製分離などの後処理工程において、問題となることが多い。例えば、塩化アルミニウムを用いた場合の分離回収時には、塩化アルミニウムは加水分解して大量の廃棄物になるし、また、生成物を回収する際にも、しばしば塩化アルミニウム加水分解溶液の水層と有機層の分離が容易でなく、困難を伴うことが多い。大量の塩酸ガスが発生するなど、反応器の材質も耐酸性が要求され高級材質を用いる必要もある。
【0013】
したがって、本発明は、上記の多くの問題を解決する方法を提供するものである。芳香族化合物とエステル化合物をヘテロポリ酸含有固体酸触媒の存在下で、フリーデルクラフツ反応させることによりフリーデルクラフツ反応による芳香族化合物を製造する方法を提供することで、上記の反応試薬を触媒に変え、大量の廃棄物を出すことを無くし、触媒の分離回収を容易にし、場合によっては再使用することをも可能にし、さらに高級材質の反応器でなくても済むようにするという、環境に優しく経済性のある新規方法を提供するものである。
【0014】
特に、インダノン、テトラロン、トリメチルフェニル基を有するアルカン等を合成する従来の方法は、先に記載したように反応工程数が多く、設備費、労務費、用役費及び廃棄物処理費を考慮すると、経済性に多くの課題を抱えていた。インダノンの合成方法として、C. De Castroらの方法は画期的ではあるが、触媒性能を示すTONが不十分であり、触媒分離や再使用に関しても十分な情報の記載はない(非特許文献2を参照のこと)。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題又は課題を解決すべく鋭意検討した結果、芳香族化合物とエステル化合物をヘテロポリ酸含有固体酸触媒の存在下で反応させることにより、目的とするフリーデルクラフツ反応による芳香族化合物を高収率で製造しうることを見出し、以下に記載する本発明を完成するに至った。
【0016】
[1]芳香族化合物とエステル化合物とをヘテロポリ酸含有固体酸触媒の存在下で反応させることを特徴とする、フリーデルクラフツ反応による芳香族化合物の製造方法。
[2]前記ヘテロポリ酸含有固体酸触媒が、ヘテロポリ酸が担体に担持された固体酸触媒であることを特徴とする、[1]に記載の方法。
【0017】
[3]前記ヘテロポリ酸の中心原子が、P、Si、B、Ge又はAsのいずれかであり、かつ、配位原子がMo又はWの少なくとも一つであることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]前記ヘテロポリ酸の中心原子が、Si又はGeであり、かつ、配位原子がMo又はWの少なくとも一つであることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の方法。
【0018】
[5]前記ヘテロポリ酸含有固体酸触媒中のヘテロポリ酸の担持量が50質量%以下であることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]前記ヘテロポリ酸含有固体酸触媒中のヘテロポリ酸の担持量が30質量%以下であることを特徴とする、[5]に記載の方法。
【0019】
[7]前記ヘテロポリ酸を担持する担体の比表面積が20m/g以上であることを特徴とする、[2]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8]前記ヘテロポリ酸を担持する担体の純度が98%以上であることを特徴とする、[2]〜[7]のいずれかに記載の方法。
【0020】
[9]エステル化合物がラクトン類であることを特徴とする、[1]〜[8]のいずれかに記載の方法。
[10]前記フリーデルクラフツ反応による芳香族化合物が、芳香族ケトン類、芳香族カルボン酸類、芳香族アルコール類又はアルキル化若しくはアルケニル化された芳香族類のいずれかであることを特徴とする、[1]〜[9]のいずれかに記載の方法。
【0021】
[11]前記フリーデルクラフツ反応による芳香族化合物が、芳香族ケトン類又は芳香族カルボン酸類であることを特徴とする、[10]に記載の方法。
[12]前記フリーデルクラフツ反応による芳香族化合物が、芳香族ケトン類であることを特徴とする、[11]に記載の方法。
【0022】
[13]前記フリーデルクラフツ反応生成物が環化したケトン類であることを特徴とする、[1]〜[9]のいずれかに記載の方法。
[14]前記ヘテロポリ酸含有固体酸触媒を、分離・回収後、再使用する工程をさらに含む、[1]に記載の方法。
【0023】
[15]前記ヘテロポリ酸含有固体酸触媒を、分離・回収後、再使用する工程において、上記触媒を再生することを特徴とする、[14]に記載の方法。
[16][1]〜[15]のいずれかに記載の方法により製造されたフリーデルクラフツ反応による芳香族化合物。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0025】
原料となる本発明の芳香族化合物(以下、単に、芳香族化合物ともいう。)とは、フリーデルクラフツ反応をする部位が少なくとも1つ以上残っている芳香環又は複素環で、ベンゼン、ナフタレンなどの炭化水素系芳香族化合物や、非ベンゼン系芳香族化合物であるシクロペンタジエン、シクロヘプタトリエン、さらにはピリジン、ピロール、テトラヒドロフランなど複素環式化合物をも包含する拡張された芳香族化合物である。置換基としてアルキル基、水酸基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アセチル基、ハロゲンを有するものなども含まれる。
【0026】
以下、本発明の芳香族化合物を例示する。
本発明のベンゼン、ナンフタレンなどの炭化水素系芳香族化合物とは、典型的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ジフェニルメタン、ビフェニル、ビフェニルエーテル、フルオレンなどを含む。非ベンゼン系芳香族化合物とは、シクロペンタジエン、シクロヘプタトリエン、さらにはそれらに縮合した化合物をも含む。インダンなどが典型的な例である。ピリジン、ピロール、テトラヒドロフラン、チオフェンなどの複素環式化合物をも例示できる。
【0027】
本発明の芳香族化合物骨格に結合する置換基は、アルキル基、水酸基、アミノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アセチル基、ハロゲン、ハロゲン含有基などで、特に制限はない。
【0028】
アルキル置換基を有する芳香族化合物としては、例として、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、クメン、n−ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、t−ブチルベンゼン等のベンゼン環上にアルキル置換基を有する化合物、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、1,2−ジメチルナフタレン、2,3−ジメチルナフタレン、1,3−ジメチルナフタレン、1,4−ジメチルナフタレン、2,6−ジメチルナフタレン、1,2,3−トリメチルナフタレン、1,6,7−トリメチルナフタレン、2,6,7−トリメチルナフタレン、1,4,5−トリメチルナフタレン、1,4,6−トリメチルナフタレンン、2,3,5−トリメチルナフタレン、2,3,6−トリメチルナフタレン、1,4,5,8−テトラメチルナフタレン、2,3,6,7−テトラメチルナフタレン等のナフタレン環上にメチル基を有する化合物、アントラセン環上にアルキル置換基を有する化合物、フェナントレン環上にアルキル置換基を有する化合物、ジフェニルメタンのベンゼン環上にアルキル置換基を有する化合物、ビフェニルのベンゼン環上にアルキル置換基を有する化合物、ビフェニルエーテルのベンゼン環上にアルキル置換基を有する化合物、フルオレン環上にアルキル置換基を有する化合物、インデン環上にアルキル置換基を有する化合物等が挙げられる。
【0029】
置換基を有する芳香族化合物には、芳香族環にハロゲン置換基やアルコキシ置換基、水酸基、アミノ基、ニトロ基、アセチル基を有する化合物も含まれる。例として、クロロベンゼン、クロロトルエン類、クロロキシレン類、ブロモトルエン類、ブロモキシレン類、アニソール、ベラトール、メトキシトルエン類、メトキシキシレン類、フェノール類、アニリン類、ニトロベンゼン類、メチルフェニルケトン類などが挙げられる。
【0030】
非ベンゼン系芳香族化合物とは、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、ジメチルシクロペンタジエン、シクロヘプタトリエン、メチルシクロヘプタトリエン、さらにはそれらに縮合した化合物であるインダン、メチルインダンをも含む。
【0031】
本発明における複素環式化合物とは、2種以上の原子で形成される環を有する化合物である。例として、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、3−ピロリンピロリジン、ピリジン、ピリミジン、プリン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、インドール、ベンゾフラン等が挙げられる。置換基を有する複素環式化合物とは、上記複素環式化合物の環上にアルキル置換基、ハロゲン置換基、アルコキシ置換基、水酸基、アミノ基、ニトロ基やアセチル基などを有する化合物である。例として、メチルピロール、エチルピロール、ピロピルピロール、メチルフラン、エチルフラン、プロピルフラン、メチルチオフェン、エチルチオフェン、プロピルチオフェン、メチルイミダゾール、エチルイミダゾール、プロピルイミダゾール、メチルオキサゾール、エチルオキサゾール、プロピルオキサゾール、メチルチアゾール、エチルチアゾール、プロピルチアゾール、メチルピラゾール、エチルピラゾール、プロピルピラゾール、メチル−3−ピロリンピロリジン、エチル−3−ピロリンピロリジン、プロピル−3−ピロリンピロリジン、ピコリン、エチルピリジン、プロピルピリジン、メチルピリミジン、エチルピリミジン、プロピルピリミジン、メチルプリン、エチルプリン、プロピルプリン、メチルキノリン、エチルキノリン、プロピルキノリン、メチルイソキノリン、エチルイソキノリン、プロピルイソキノリン、メチルカルバゾール、エチルカルバゾール、プロピルカルバゾール、メチルインドール、エチルインドール、プロピルインドール、メチルベンゾフラン、エチルベンゾフラン、プロピルベンゾフラン、メトキシフラン、塩化フラン、塩化ベンゾフラン、臭化ベンゾチオフェン、アセトアミノピロール、ニトロピロール、ニトロベンゾフラン、アセトキシフラン、アセトキシピロール、ニトロインドール、ジメチルアミノインドール、ジメチルインドール、N−アシルジメチルインドール、塩化メチルベンゾフラン、チオフェノキシフラン、フェノキシピロール等が挙げられる。
【0032】
本発明の芳香族化合物は、好ましくは、ベンゼン、ナフタレンなどの炭化水素系芳香族化合物や非ベンゼン系芳香族化合物である。より好ましくは、アルキル置換基を有するベンゼン、ナフタレンなどの炭化水素系芳香族化合物であり、例としてトルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、メチルナフタレン等が挙げられる。最も好ましくは、アルキルベンゼン系炭化水素系芳香族化合物である。
【0033】
これらの芳香族化合物は、一般工業グレードであれば、そのまま使用することもできる。好ましくは、製品となる規格に合うように精製して用いる方がよい。精製方法は、当業者によく知られた方法である蒸留、再結晶、リンス、溶解濾過、吸着除去などいずれであってもよい。
【0034】
本発明におけるエステル化合物とは、エステル基(−COO−)を有する化合物であり、分子内環化したエステルであるラクトン類、脂肪族や芳香族エステル、炭酸エステル(−OCOO−)などを含む。特にラクトン類が好ましい。β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−カプリロラクトン、γ−ラウロラクトン、クロトラクトン、α−アンゲリカラクトン、β−アンゲリカラクトン、δ−カプロラクトン、テトロン酸、α−ピロン、β−ピロン、フタリド、クマリン、その他大環状ラクトン等が挙げられる。
【0035】
本発明において製造されるフリーデルクラフツ反応による芳香族化合物(以下、フリーデルクラフツ反応生成物ともい。)とは、芳香族ケトン類、芳香族カルボン酸類、芳香族アルコール類、アルキル化又はアルケニル化された芳香族類などである。本発明の方法は、特に、芳香族ケトン類、芳香族カルボン酸類のフリーデルクラフツ反応生成物を製造するために好適である。特に芳香族ケトン類であるフリーデルクラフツ反応生成物を製造するために好適である。芳香族ケトン類の中でも環化したケトン類であるフリーデルクラフツ反応生成物を製造するために好適である。最も好ましくは、インダノン類、テトラロン類の製造のために好適である。
【0036】
本発明の方法によれば、例えば、以下の反応スキーム3に示すように、ベンゼンとγ−ブチロラクトンとのフリーデルクラフツ反応により、テトラロン、3−メチルインダノンなどを一段で製造することも可能となる。
【0037】
【化3】
Figure 2004059572
【0038】
本発明のフリーデルクラフツ反応に使用する溶媒として、特別な高純度品ではない工業グレード品を使用することもできる。フリーデルクラフツ反応の原料である芳香族化合物を溶媒と兼用することもできる。フリーデルクラフツ反応の原料である芳香族化合物と溶媒を別個に用いる場合には、溶媒として、芳香族化合物よりも反応性の低い芳香族化合物を使用する必要がある。
【0039】
以下、本発明に使用する触媒について説明する。
【0040】
本発明に使用する触媒は、ヘテロポリ酸含有固体酸触媒である。ヘテロポリ酸とは2種以上の無機酸素酸が縮合して生成した酸の総称と定義される(化学総説“触媒設計”NO.34 116−141(1982)学会出版センター)。ヘテロポリ酸含有固体酸触媒とは、ヘテロポリ酸そのものからなる触媒、ヘテロポリ酸を含む触媒であって、ヘテロポリ酸との混合物、ヘテロポリ酸を担体に担持したもの、内部へ閉じ込めたものなどが挙げられる。好ましいのは、担体に担持した触媒である。
【0041】
本発明におけるヘテロポリ酸は、その中心原子が、P、Si、B、Ge又はAsのいずれかであり、かつ、配位原子はMo又はWあるいはその混合であることが好ましい。
【0042】
具体的には、[PMo12403− 、[SiMo12404− 、[GeMo12404− 、[AsMo12403− 、[PMo11397−、[AsMo11397− 、[SiMo11398− 、[GeMo11398− 、[PMo18626−、[AsMo18626−、[PW12403− 、[SiW12404− 、[GeW12404− 、[AsW12403−、[PW11397−、[AsW11397− 、[SiW11398− 、[GeW11398−、[P18626−、[As18626−が挙げられる。また、配位原子であるMoとWの混合の例として、[SiWMo11404− 、[SiWMo10404− 、[SiWMo404− 、[SiWMo404− 、[SiW11Mo404−が挙げられる。
【0043】
より好ましいヘテロポリ酸は、中心原子が、Si又はGeであり、かつ、配位原子はMo又はWあるいはその混合体であるものである。
【0044】
また、対カチオンとしてはプロトン、アンモニウム塩、アルカリ金属塩などが好ましい。
【0045】
本発明におけるヘテロポリ酸は、本分野においてよく知られた方法で合成されうる。具体的には、モリブデン酸又はタングステン酸の塩とヘテロ原子の単純酸素酸あるいはその塩を含む酸性水溶液(pH1〜2程度)を加熱することによって得られる。試薬で市販されているものをそのまま使用してもよい。
【0046】
本発明において使用する担体としては、シリカ、活性炭、珪藻土(「主としてケイソウの殻が堆積してできた土壌で、純粋なケイ酸殻はSiO 94%、HO6%」、岩波理化学辞典第5版405頁(1998))などが挙げられる。シリカ、活性炭が好ましく、高純度のシリカが特に好ましい。
【0047】
担体の純度は高い方が好ましい。担体純度として96%以上が好ましいが、98%以上の方がさらに好ましい。ヘテロポリ酸を分解する成分を含有すると十分な性能が発揮できない。アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、アルミナ、酸化ガリウム、酸化インジウムなどは好ましくない不純物である。担体の純度の計算においては、シリカや珪藻土では主たる成分であるSiO、活性炭の場合は、C以外の成分を不純物とする。
【0048】
担体の粒径が細かい方が触媒性能を発揮しやすい。但し、触媒性能と沈降又は濾過などにおける反応溶液と触媒の分離性とのバランスを考慮して粒径を定めることが必要である。担体は一般に一次粒子のままではなく、凝結体やフロックを形成している場合が多いが、その粒子サイズは凝結体を含めて10μm以上の重量平均粒径を有していることが好ましく、50μm以上がより好ましい。さらに好ましくは200μm以上である。
粒径分布は、触媒調製上、ある程度狭い方が好ましい。攪拌により粉化する可能性があるので、機械的な強度もあったほうがよい。
【0049】
担体としては、1nm以上の径の細孔を持つ多孔質の担体が好ましい。その多孔分布は狭い方が、担持した後の触媒性能を発現しやすい。細孔容積は0.1ml/g以上が好ましい。より好ましくは0.2ml/g以上である。
【0050】
担体の比表面積は、10m/g以上が好ましく、より好ましくは20m/g以上である。シリカや珪藻土では20m/g以上が好ましく、活性炭は500m2/g以上が好ましい。比表面積は、窒素ガスによるBET法での測定値であり、その測定方法は、例えば触媒講座3「固体触媒のキャラクタリゼーション」204−5頁(1985年)講談社サイエンティフィック出版に記載されている。
【0051】
担体を前処理することが好ましい。不純物が多い場合は、酸洗浄することが望ましい。また、担体を焼成して用いることもできる。シリカを用いる場合は、400℃以上800℃以下で焼成することが望ましい。
【0052】
ヘテロポリ酸の担体への担持方法は、一般には、含浸法(ヘテロポリ酸溶液を担体の容積に合わせて全てを含浸させる)が用いられる。浸漬法(担体を過剰量のヘテロポリ酸溶液に浸して液を切り、吸い込んだ分だけ担持する)によることもできる。
【0053】
ヘテロポリ酸担持量(率)は、以下の式により計算される。
【0054】
担持量=[(ヘテロポリ酸重量)/((ヘテロポリ酸重量)+担体重量)]x100
【0055】
ヘテロポリ酸担持量は、50質量%以下が好ましく、さらに好ましくは30質量%以下が好ましい。担持量が多いとヘテロポリ酸の機能を十分発揮できないことになるし、経済的にも不利である。また、少なすぎても触媒性能が発揮できない。
【0056】
ヘテロポリ酸担持後の乾燥方法においては、ヘテロポリ酸が分解しない温度による乾燥を行なう。その温度は、300℃以下が好ましく、280℃以下がさらに好ましい。乾燥時間は数時間、特に4時間以上が好ましい。清浄な空気を流すほうがよい。
【0057】
乾燥したヘテロポリ酸担持触媒は、乾燥状態で保管することが望ましい。乾燥後はすばやく乾燥器から取り出し、できるだけ水分を吸収しないように密栓した容器に保存し、周囲を乾燥剤で覆うなどの保管方法が好ましい。
【0058】
本発明のヘテロポリ酸担持触媒は、フリーデルクラフツ反応に使用する前に、触媒を活性化することが好ましい。その方法は、再度、乾燥温度と同じ温度時間で処理すればよい。保管の仕方によるが、保管中に水分などの再吸着で触媒の性能が変化する可能性がある。上記活性化により、本発明の目的する反応に、適した状態に戻るのであろう。
【0059】
次に、芳香族化合物とエステル化合物とを、上記の方法により調製した固体酸触媒の存在下で、反応させることによりフリーデルクラフツ反応生成物を製造する方法について説明する。
【0060】
芳香族化合物に対するエステル化合物のモル比は、1〜400が好ましく、3〜300がより好ましく、そして5〜200がさらに好ましい。
【0061】
エステル化合物とヘテロポリ酸担持固体酸触媒のモル比は、5:1以下が好ましく、そして10:1以下がより好ましい。
【0062】
芳香族化合物、エステル基含有化合物、触媒、溶媒などの仕込み順番は、反応成績に大きな影響を与えない。しかし、所定の反応温度まで上昇する前に十分に混合しておき、反応させる方が好ましい。できれば、室温で十分に混合しておくことが好ましい。
【0063】
本発明のフリーデルクラフツ反応の反応温度と圧力は、芳香族化合物とエステル化合物の種類により影響されるので、一概には言えないが、150℃以上250℃以下が好ましい。圧力は、常圧、加圧、減圧いずれの状態でも行ないうるが、望ましくは常圧〜500kPa(ゲージ圧)の範囲内で行なうのがよい。
【0064】
反応時の昇温速度は重要である。エステル化合物の種類によっては、本来のフリーデルクラフツ反応が行なわれず、代わりにエステル化合物の重合が起こる場合がある。この重合は、本来のフリーデルクラフツ反応を起こす温度よりも低温で起こる場合が多い。そのため、できるだけ昇温速度を大きくし、所定の反応温度へ速く到達させることが好ましい。
【0065】
反応時間は、芳香族化合物とエステル化合物のモル比や反応条件を考慮して最適化する必要がある。例えば、あまり長時間反応させると、折角生成した目的物が分解する場合がある。したがって、反応条件を最適化して、生成物が分解しないように合成することが重要である。
【0066】
反応の雰囲気は、できるだけ酸素や水分を除いてあることが好ましい。オートクレーブで反応を行う場合には、十分にイナートガス(窒素、アルゴン、ヘリウムなど)で置換した後、反応を開始するのがよい。
【0067】
以下、ヘテロポリ酸含有固体酸触媒の分離・回収・再使用に関して説明する。
【0068】
反応終了後、静置することで触媒が沈降する場合には、上澄み液を抜き出し生成物を精製する工程へと進む。分離・回収した触媒は、そのまま再使用することもできる。勿論、沈降分離できない触媒の場合には、当業者が実施可能な分離方法(遠心分離、濾過など)を用いてもよい。
【0069】
以下、ヘテロポリ酸含有固体酸触媒を分離・回収・再使用する工程において、触媒の再生を含むフリーデルクラフツ反応生成物を製造する方法を説明する。
【0070】
触媒の再生方法としては、有機溶媒による洗浄がある。この場合、加熱洗浄が好ましい。洗浄溶媒は、炭化水素系のヘキサン、へプタンなどや塩化メチレンなどの溶媒が好ましい。濾過後、触媒を100℃程度で十分乾燥する。その後は、再度、触媒として使用可能である。
【0071】
反応形式としては、通常、回分式反応器を用いるが、液相流通系や液相流通系の触媒固定床も使用しうる。
【0072】
反応器の材質としては、原料の種類や反応条件によるが、一般に、ステンレス鋼や炭素鋼などが使用される。
【0073】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、これらは本発明の範囲を何ら制限するものではない。
【0074】
実施例1: 10%珪タングステン酸シリカ担持触媒、 p− キシレン
ヘテロポリ酸として珪タングステン酸(試薬特級グレード、純正化学製SiO・12WO・26HO)を精製せずにそのまま使用した。シリカ(富士シリシヤ製Q−10 表面積270m/g、多(細)孔径約10nm、多(細)孔容積0.82cc/g、不純物Na=240ppm, Al=65ppm, Ca=130ppm, Ti=100ppm、その他も合わせ、不純物合計=594ppm、よってシリカ純度は99.9%以上である。)を、マッフル炉にて500℃5時間焼成した後に使用した。
【0075】
以下、触媒調製の方法を示す。6.67gの珪タングステン酸を78mlの純水に溶解させ、焼成後のシリカ60gを含浸させた。風乾の後、150℃の熱風乾燥機で10時間乾燥した。これを10wt%HSiW/SiOと表示する。
【0076】
攪拌機の付いた300mlステンレス製オートクレーブに、100mlのp−キシレン(799mmol)と1mlγ−ブチロラクトン(14.8mmol)を仕込み、3.20gの10wt%HSiW/SiO触媒(0.097mmol−HSiW)を投入し、蓋を閉めた。高純度窒素ガスで蓄圧してガスをパージし、これを10回繰り返した。圧力低下が無いことを確認してからガスを抜いた。昇温を速めるため、予め加熱した油浴に漬け、反応を開始した。200℃で5時間反応させた。反応終了後、上澄み液を取り、GC(FID、Heキャリアガス、30mDB−1カラム)にて内標法により分析した。反応5時間後、γ−ブチロラクトンの転化率は64.3%で、γ−ブチロラクトン基準の5,8−ジメチルテトラロン収率は39.9%(TON=15)、トリメチルインダノン収率は2.6%であった。
【0077】
実施例2: 触媒の再使用
実施例1で調製した触媒の10wt%HSiW/SiO触媒(0.097mmol−HSiW) 3.20gと100mlのp−キシレン(799mmol)、1mlのγ−ブチロラクトン(14.8mmol)を、実施例1と同じ反応器を用いて196℃で3時間反応させ、γ−ブチロラクトン基準で30.4%の5,8−ジメチルテトラロン収率を得た。上澄み液をろ過し、再び原料である100mlのp−キシレン(799mmol)、1mlのγ−ブチロラクトン(14.8mmol)を仕込み、196℃で3時間反応させた。γ−ブチロラクトン基準で23.2%の5,8−ジメチルテトラロン収率を得た。触媒の再使用は可能であった。
【0078】
実施例3: 触媒の再使用、及び再生
実施例1で1回目の反応終了後、上澄み液を除去し、残った触媒を室温で100mlヘキサンを用いて攪拌・洗浄した。ヘキサン上澄み液を除去し、50℃で減圧乾燥した。再び原料である100mlのp−キシレン(799mmol)、1mlのγ−ブチロラクトン(14.8mmol)を仕込み、196℃で3時間反応させた。γ−ブチロラクトン基準で28.7%の5,8−ジメチルテトラロン収率を得た。触媒再生の効果を確認した。
【0079】
実施例4: 珪タングステン酸を担持しない触媒、 p− キシレン
実施例1で使用した3.20gの10wt%HSiW/SiO触媒(0.097mmol−HSiW)の代わりに、同じ量の珪タングステン酸(0.320g)を触媒に用いた以外は、実施例1と同様に反応させ分析した。反応5時間後、γ−ブチロラクトンの転化率は9.0%で、γ−ブチロラクトン基準の5,8−ジメチルテトラロン収率は2.5%であった。珪タングステン酸を担持しない触媒でも反応をさせることはできるが、担持した方が著しい効果があることを確認した。
【0080】
実施例5: 10%リンタングステン酸シリカ担持触媒、 p− キシレン
実施例1で使用した3.20gの10wt%HSiW/SiO触媒(0.097mmol−HSiW)の代わりに、2.90gのリンタングステン酸シリカ担持触媒(和光純薬工業製特級)を用いた以外は、実施例1と同様に反応させ分析した。反応5時間後、γ−ブチロラクトンの転化率は31.7%で、γ−ブチロラクトン基準の5,8−ジメチルテトラロン収率は14.1%であった。リンタングステン酸担持触媒でも反応することを確認した。
【0081】
実施例6: 50%珪タングステン酸シリカ担持触媒、 p− キシレン
実施例1で使用した3.20gの10wt%HSiW/SiO触媒(0.097mmol−HSiW)の代わりに、3.2gの50%珪タングステン酸シリカ担持触媒を用いた以外は、実施例1と同様に反応させ分析した。反応5時間後、γ−ブチロラクトンの転化率は100%で、γ−ブチロラクトン基準の5,8−ジメチルテトラロン収率は7.4%であった。50%珪タングステン担持触媒でも、収量は低下するものの反応することを確認した。
【0082】
実施例7: 25%珪タングステン酸シリカ担持触媒、 p− キシレン
実施例1で使用した3.20gの10wt%HSiW/SiO触媒(0.097mmol−HSiW)の代わりに、1.6gの25%珪タングステン酸シリカ担持触媒、及び半分の量のγ−ブチロラクトンを用いて、反応温度を210℃で反応させた以外は、実施例1と同様に反応させ分析した。反応2時間後、γ−ブチロラクトンの転化率は80.8%で、γ−ブチロラクトン基準の5,8−ジメチルテトラロン収率は67.9%であった。25%珪タングステン担持触媒では収量が高いことを確認した。
【0083】
実施例8: 1質量% Al を含むシリカ担体で調製した触媒
実施例1で使用したシリカ担体に1質量%Alを含むように、硝酸アルミニウムを含浸させ、風乾し、500℃で5時間焼成して調製し、これを用いて実施例1同様に10wt%HSiW/SiO触媒を調製した。
この調製した触媒を、実施例1と同様に評価したところ、γ−ブチロラクトンの転化率は5.3%で、γ−ブチロラクトン基準の5,8−ジメチルテトラロン収率は2.4%であった。1質量%Alを含むシリカ担体の担体純度は98.9%以上であり、著しい阻害効果があるものの、生成物は得られた。
【0084】
実施例9: メシチレン
実施例1と同じ100mlオートクレーブに、珪タングステン酸1.5g、メシチレン40ml、γ−ブチロラクトン2.55mlを仕込み、180℃で6時間反応させ分析した。γ−ブチロラクトンの転化率は85.1%で、γ−ブチロラクトン基準の2,4,6−トリメチルフェニルブチル酸の収率は33.5%であった。
【0085】
【発明の効果】
本発明の製造法を用いることにより、一段の反応でテトラロン類、インダノン類を合成でき、しかも触媒の回収が容易であり、再使用が可能となる。本発明は、廃棄物の削減、分離工程の簡素化、高級な耐酸性材質の反応器を必要としないという、従来技術の方法に比較して顕著かつ有利な効果を有する。

Claims (16)

  1. 芳香族化合物とエステル化合物とをヘテロポリ酸含有固体酸触媒の存在下で反応させることを特徴とする、フリーデルクラフツ反応による芳香族化合物の製造方法。
  2. 前記ヘテロポリ酸含有固体酸触媒が、ヘテロポリ酸が担体に担持された固体酸触媒であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ヘテロポリ酸の中心原子が、P、Si、B、Ge又はAsのいずれかであり、かつ、配位原子がMo又はWの少なくとも一つであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記ヘテロポリ酸の中心原子が、Si又はGeであり、かつ、配位原子がMo又はWの少なくとも一つであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 前記ヘテロポリ酸含有固体酸触媒中のヘテロポリ酸の担持量が50質量%以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記ヘテロポリ酸含有固体酸触媒中のヘテロポリ酸の担持量が30質量%以下であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 前記ヘテロポリ酸を担持する担体の比表面積が20m/g以上であることを特徴とする、請求項2〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記ヘテロポリ酸を担持する担体の純度が98%以上であることを特徴とする、請求項2〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. エステル化合物がラクトン類であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記フリーデルクラフツ反応による芳香族化合物が、芳香族ケトン類、芳香族カルボン酸類、芳香族アルコール類又はアルキル化若しくはアルケニル化された芳香族類のいずれかであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記フリーデルクラフツ反応による芳香族化合物が、芳香族ケトン類又は芳香族カルボン酸類であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 前記フリーデルクラフツ反応による芳香族化合物が、芳香族ケトン類であることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 前記フリーデルクラフツ反応生成物が環化したケトン類であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記ヘテロポリ酸含有固体酸触媒を、分離・回収後、再使用する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  15. 前記ヘテロポリ酸含有固体酸触媒を、分離・回収後、再使用する工程において、上記触媒を再生することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法により製造されたフリーデルクラフツ反応による芳香族化合物。
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