JP2004059532A - ビススルホニルイミドモノマーの製造法 - Google Patents

ビススルホニルイミドモノマーの製造法 Download PDF

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植松 信之
Masanori Ikeda
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Abstract

【課題】ビススルホニルイミド基含有モノマーの効率的な製造方法の提供。
【解決手段】下記一般式のスルホニルアミド化合物と特定のスルホニル化剤から製造されることを特徴とするビススルホニルイミド基含有モノマーの製造方法。
【化1】
Figure 2004059532

(nは0〜3の整数、mは1〜5の整数。Mは、水素原子、有機アンモニウム基、アルカリ金属原子およびアルカリ土類金属原子から選ばれる基である。Mは、水素原子、有機アンモニウム基、合計10個以下の炭素原子を有する炭化水素基置換シリル基、および炭素数1〜10個のアルキル基から選ばれる基である。)
【選択図】  選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バッテリー、燃料電池用の電解質膜、燃料電池用の触媒バインダー、電解セル、イオン交換膜、センサー、エレクトロミックウィンドウ、電気化学的キャパシタおよび修飾電極のような電気化学的用途や分離技術用途に有用なフッ素系イオノマーの原料となるビススルホニルイミド基含有モノマーの合成法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビススルホニルイミド基を有するポリマー材料は、バッテリー、燃料電池、キャパシタ、スーパーキャパシタ、およびエレクトロミック装置などの電気化学的装置および電気化学的装置中で電荷を伝導するための電解質として有用であり、特に、リチウムイオン電池への利用が期待されている。近年、エネルギー密度の向上、薄型・軽量化、安全性の向上、低コストの観点から、ビススルホニルイミド基を有するポリマーを電解質としたリチウムイオン電池の研究が盛んに行なわれている。
【0003】
ビススルホニルイミド基を有するポリマーとしては、米国特許5463005号公報にテトラフルオロエチレンとビススルホニルイミドモノマーの共重合体が例示されているが、このポリマーの原料となるビススルホニルイミドモノマーの製造は、下記に示すように、スルホニルフルオリドモノマー(8)のビニル基に一旦ハロゲン原子を付加させたスルホニルフルオリド(9)をCFSON(Na)Si(CHと反応させてビススルホニルイミド(10)に変換した後、脱ハロゲン反応によりビススルホニルイミドモノマー(11)を得ているが、ハロゲン原子によるビニル基への付加・脱離工程が必要であるため多段ステップとならざるをえない。
【0004】
【化4】
Figure 2004059532
【0005】
一方、国際公開特許2001/38300号公報には、上記スルホニルフルオリドモノマー(8)とジメタルスルホニルアミド塩(CFSONNa)を反応させて上記ビススルホニルイミドモノマー(11)を製造する方法、あるいは環状パーフルオロスルホン;
【0006】
【化5】
Figure 2004059532
とジメタルスルホニルアミド塩を反応させて、上記ビススルホニルイミドモノマー(11)を製造する方法が例示されているが、ジメタルスルホニルアミド塩は水分に非常に敏感で、激しく自然分解する不安定な物質のため、その取り扱いを工業的なスケールで行うことは困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解消するものであり、安全で簡単な操作でビススルホニルイミド基含有モノマーを効率良く製造する方法の提供するものである。
さらに詳しくは、本発明は、本発明者等が発明した新規なスルホニルアミド化合物を用いたビススルホニルイミド基含有モノマーの工業的に有用な新規製造法に関するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、本発明者等が発明した新規なスルホニルアミド化合物より安全で簡単な操作により、高収率でビススルホニルイミド基含有モノマーが製造出来ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
即ち本発明は、
1.下記一般式(1);
【化6】
Figure 2004059532
(式中、nは0〜3の整数、mは1〜5の整数である。Mは水素原子、有機アンモニウム基、アルカリ金属原子およびアルカリ土類金属原子から選ばれる基である。Rはフッ素化炭化水素基あるいはその置換体である。)
で表されるビススルホニルイミド基含有モノマーを製造する方法であって、下記一般式(2);
【化7】
Figure 2004059532
(式中、n、mは一般式(1)と同じである。Mは、水素原子、有機アンモニウム基、アルカリ金属原子およびアルカリ土類金属原子から選ばれる基である。Mは、水素原子、有機アンモニウム基、合計10個以下の炭素原子を有する炭化水素基置換シリル基、および炭素数1〜10個のアルキル基から選ばれる基である。)
で表されるスルホニルアミド化合物を、下記一般式(3);
SO―          (3)
(式中、Rは一般式(1)と同じである。)
で表されるスルホニル基を導入するスルホニル化剤と接触させて、次いで場合により酸処理して、ビススルホニルイミド基含有モノマーを得ることを特徴とする方法である。
【0010】
2.RSO―基を導入するスルホニル化剤が、下記一般式(4);
SOX          (4)
(式中、Xはフッ素原子、塩素原子およびOSO基から選ばれる基である。RおよびRは、一般式(1)のRと同じである。なお、RとRは、同じでも異なっていてもよい。)
で表されるスルホニル化合物であることを特徴とする、1.に記載のビススルホニルイミド基含有モノマーを製造する方法である。
【0011】
3.1.あるいは2.に記載のビススルホニルイミド基含有モノマーを製造する方法であって、一般式(2)で表されるスルホニルアミド化合物が、下記一般式(5);
CF=CF(OCFCF(CF))O(CFSOF    (5)
(式中、n、mは一般式(1)と同じである。)
で表されるスルホニルフルオリド化合物と、下記一般式(6);
NR                (6)
(式中、Mはアルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子である。Rは、合計10個以下の炭素原子を有する炭化水素基置換シリル基である。Rは、合計10個以下の炭素原子を有する炭化水素基置換シリル基、および炭素数1から10のアルキル基から選ばれる基である。)
で表される金属アミドと接触させて製造されることを特徴とする、ビススルホニルイミド基含有モノマーの製造方法である。
【0012】
4.1.あるいは2.に記載のビススルホニルイミド基含有モノマーを製造する方法であって、一般式(2)で表されるスルホニルアミド化合物が、下記一般式(7);
【化8】
Figure 2004059532
(式中、m’は2〜3の整数である。)
で表される環状パーフルオロスルホン化合物と、3.に記載の一般式(6)で表される金属アミドを接触させて製造されることを特徴とする、ビススルホニルイミド基含有モノマーの製造方法である。
【0013】
以下、本発明について詳細に説明する。
先記一般式(1)で表されるビススルホニルイミド基含有モノマー(以下、化合物(1)と称する)のMは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、および有機アンモニウム基である。
【0014】
当該Mにおいて、アルカリ土類金属原子とは、2価のアルカリ土類金属原子のうちの1価の結合部を意味する。また、有機アンモニウム基とは、第4級アンモニウム基、あるいは各種の有機アミン化合物とプロトン(水素原子)から形成されるアンモニウム基を表し、その例としては、(CH、(C 、(C、(CHNH、(CNH、(CNH等が挙げられる。以後、本発明の説明において、アルカリ土類金属原子及び有機アンモニウム基とは、上記Mの説明で定義されたものを示す。
【0015】
化合物(1)のRは、フッ素化炭化水素基あるいはその置換体であり、置換基としては、a)塩素原子、臭素原子等のハロゲン基、b)エーテル基、c)炭素―炭素二重結合、d)スルホニルフルオリド基、スルホン酸塩基、ビススルホニルイミド基、スルホン基等のスルホン基含有基、e)カルボン酸エステル基、カルボン酸塩基、ケトン基(−CO―)等のカルボニル基含有基を含んでいてもよい。
【0016】
を構成する炭素原子数としては特に制約はないが、1〜13個が好ましく、1〜9個がより好ましく、1〜7個がさらに好ましい。R中の水素原子の数は0または1個である。
にエーテル結合を含む場合、[エーテル結合の数]/[炭素原子の数]の比は、好ましくは0.5以下であり、より好ましくは0.35以下であり、さらに好ましくは0.25以下である。[エーテル結合の数]/[炭素原子の数]の比が大きすぎると、Rの部分の安定性が低下するので好ましくない。
【0017】
の構造の具体例としては、
CF
CFCF
CHFCF
CFCFCFCF
CHFCFCFCF
CFCHFOCFCF
CFCHFOCFCFCF
CFCHFO(CFCF(CF))OCFCF
CFCHFO(CFCF(CF))OCFCFCF
CFCHFO(CFCF(CF))OCFCF
CFCHFO(CFCF(CF))OCFCFCF
CFCHFO(CFCF(CF))OCFCF
CFCHFO(CFCF(CF))OCFCFCF

CF(CF
CF(CF
などがあげられる。
【0018】
上記化合物(1)は、先記一般式(2)で表されるスルホニルアミド化合物(以下、化合物(2)と称する)と、先記一般式(3)で表されるスルホニル基を導入するスルホニル化剤(以下、スルホニル化剤(3)と称する)と接触させて、次いで場合により酸処理して製造される。
化合物(2)のMは、水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、および有機アンモニウム基であり、Mは、水素原子、有機アンモニウム基、合計10個以下の炭素原子を有する炭化水素基置換シリル基および炭素数1から10のアルキル基から選ばれる基である。合計10個以下の炭素原子を有する炭化水素基置換シリル基とは、置換基として2個以上の炭化水素基を含むことが好ましく、3個の炭化水素基を含むことが特に好ましい。置換シリル基の好ましい例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等が挙げられる。また、炭素数1〜10個のアルキル基としては、炭素数3から10の2級あるいは3級アルキル基が好ましく、例えば、イソプロピル基、2−ブチル基、t−ブチル基、2,4,4−トリメチル−2−ペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等があげられる。
【0019】
化合物(2)とスルホニル化剤(3)を接触させて、化合物(1)を製造する本発明の方法は、新規なスルホンアミド化合物(2)を原料とする新概念のビススルホニルイミド基含有モノマー合成法を提案するものである。したがって、本発明の方法では、一般式(3)で表されるスルホニル基を導入するスルホニル化剤の種類には、特に制約はなく、幅広い構造のスルホニル化剤が使用可能である。
【0020】
本発明の反応に使用されるスルホニル化剤としては上記の様に幅広い構造のスルホニル基含有化合物が使用されるが、その具体例を例示すると、例えば、一般式(4)の構造において、Xがフッ素原子、塩素原子、OSO基あるいはイミダゾール基のような含窒素共役複素環構造基等が挙げられる。また、フッ素系環状スルホン酸無水物やフッ素系スルトン化合物のような環状化合物であっても良い。一般式(4)におけるのXとしては、各種の脱離基が使用可能であるが、好ましくはフッ素原子、塩素原子およびOSO基から選ばれる基であり、より好ましくはフッ素原子あるいはOSO基であり、特に好ましくはフッ素原子である。一般式(4)において、RおよびRは、一般式(1)のRと同じである。なお、RとRは、同じでも異なっていてもよい。
【0021】
化合物(2)とスルホニル化剤(3)との反応は、通常、溶媒中で行われる。溶媒を用いる場合、反応時に不活性であればよく、各種の非プロトン性極性溶媒が用いられる。本発明で使用される溶媒の例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホランがあげられる。
【0022】
化合物(2)のMあるいはMが水素原子である場合、必要に応じて塩基を使用する場合がある。塩基としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基や、トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5、1,4−ジアザビシクロ(2,2,0)オクタン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基があげられる。塩基が液体の場合には、溶媒として使用してもさしつかえない。塩基の使用量は、化合物(2)に対して当量用いれば良いが、必要により過剰量を用いてもよい。
【0023】
当該反応温度は、通常、−40〜220℃、好ましくは−20〜200℃、さらに好ましくは0〜180℃であり、反応時間は、通常、0.01〜96時間、好ましくは0.1〜72時間、さらにこの好ましくは0.2〜48時間である。本発明で使用される化合物(2)は、各種の方法で製造出来ることが本発明者等により見出されている。その例としては、例えば、先記一般式(5)で表されるスルホニルフルオリド(以下、化合物(5)と称する)と、先記一般式(6)で表される金属アミド(以下、化合物(6)と称する)を接触させて化合物(2)を製造する方法が挙げられる。
【0024】
その具体的反応例を以下に示す。
【化9】
Figure 2004059532
【0025】
化合物(5)は、下記一般式(12);
CFCF(COF)(OCFCF(CF))O(CFSOF(12)
(式中、n、mは一般式(1)と同じである。)
で表されるカルボニルフルオリドから、公知の方法により容易に得られる。
化合物(5)をアミド化することを目的として、ナトリウムアミド、ナトリウムジエチルアミドなどの金属アミド類と接触させると、ビニル基と反応してしまい、目的の化合物(2)はほとんど得られない。
【0026】
しかし、本発明者等が検討した結果、化合物(6)で表される特定の構造の金属アミドで処理をすると、高収率で目的の化合物(2)が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明で使用される化合物(6)のMは、アルカリ金属、アルカリ土類金属であり、好ましくはアルカリ金属が使用され、リチウム、ナトリウム、カリウムが使用される。
【0027】
化合物(6)において、Rは合計10個以下の炭素原子を有する炭化水素置換シリル基であり、Rは合計10個以下の炭素原子を有する炭化水素置換シリル基、および炭素数1から10のアルキル基から選ばれる基である。
は合計10個以下の炭素原子を有する炭化水素置換シリル基としては、置換基として2個以上の炭化水素基を含むことが好ましく、3個の炭化水素基を含むことが特に好ましい。置換シリル基の好ましい例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基等が挙げられる。また、炭素数1〜10個のアルキル基としては、炭素数3から10の2級あるいは3級アルキル基が好ましく、例えば、イソプロピル基、2−ブチル基、t−ブチル基、2,4,4−トリメチル−2−ペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等があげられる。
【0028】
化合物(6)の例としては、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等の金属アミドが挙げられる。
化合物(5)と化合物(6)の反応は溶媒を使用して行なわれる。本発明に使用される溶媒は、反応時に不活性であればよく、各種の非プロトン性極性溶媒が用いられる。例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等の各種のエーテル系溶媒が挙げられる。
【0029】
化合物(6)の使用量は、化合物(5)に対して当量用いれば良いが、必要に応じて過剰量を用いてもよい。
当該反応温度は通常−100〜150℃、好ましくは−80〜120℃、さらに好ましくは−60〜100℃であり、反応時間は、通常、0.01〜48時間、好ましくは0.1〜24時間、さらにこの好ましくは0.2〜12時間である。
【0030】
化合物(2)を製造する別の方法としては、先記一般式(7)で表される環状パーフルオロスルホン(以下、化合物(7)と称する)と化合物(6)を接触させて製造する方法が挙げられる。
その具体的反応例を以下に示す。
【化10】
Figure 2004059532
【0031】
本発明で使用される化合物(7)は公知の化合物であり、例えば、CFCF(COF)O(CFm’SOF(m’は2〜3)から誘導されるアルカリ金属カルボン酸塩の熱分解(特公昭47−2083号公報等)により、容易に合成される。
化合物(7)とナトリウムアミド、ナトリウムジエチルアミドなどの金属アミド類と接触させても、目的の化合物(2)はほとんど得られない。
【0032】
しかし、本発明者等が検討した結果、化合物(6)で表される特定の構造の金属アミドで処理をすると、高収率で目的の化合物(2)が得られることを見出し、本発明を完成させた。
化合物(7)と化合物(6)の反応は溶媒を使用して行なわれる。本発明に使用される溶媒は、反応時に不活性であればよく、各種の非プロトン性極性溶媒が用いられる。例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等の各種のエーテル系溶媒が挙げられる。
【0033】
化合物(6)の使用量は、化合物(7)に対して当量用いれば良いが、必要に応じて過剰量を用いてもよい。
当該反応温度は通常−100〜150℃、好ましくは−80〜120℃、さらに好ましくは−60〜100℃であり、反応時間は、通常、0.01〜48時間、好ましくは0.1〜24時間、さらにこの好ましくは0.2〜12時間である。
【0034】
上記の方法で製造されたビススルホニルイミド基含有モノマーは、テトラフルオロエチレン(米国特許5463005号公報)、フッ化ビニリデン(国際公開特許99/45048号公報)など他のラジカル重合性のモノマーとの共重合体の製造に用いることができる。そして、当該共重合体は、容易に各種形態のイオノマーに変換する事が出来る。
以上のように、本発明は、バッテリー、燃料電池用の触媒バインダー、電解セル、イオン交換膜、センサー、エレクトロミックウィンドウ、電気化学的キャパシタおよび修飾電極のような電気化学的用途や分離技術用途に有用なイオノマーの原料となるビススルホニルイミドモノマーを効率よく製造する技術を提供するものであり、極めて有用である。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0036】
【実施例1】
CF=CFOCFCF(CF)O(CFSON(Li)SOCFの合成
窒素気流下、0℃に冷却した50mlのリチウムビストリメチルシリルアミドの1Mテトラヒドロフラン溶液に22.3gのCF=CFOCFCF(CF)O(CFSOFを滴下し、0℃で1時間攪拌し、CF=CFOCFCF(CF)O(CFSON(Li)Si(CHを調製した。当該反応溶液と7.7gのCFSOFを内容積200mlの圧力容器に充填した後、80℃で4時間攪拌した。反応終了後、溶媒を留去すると24.8gの残留物が得られた。この残留物は19F―NMRから、CF=CFOCFCF(CF)O(CFSON(Li)SOCFであることが確認された(収率86%)。
19F−NMR:δ(ppm、CFCl基準)−146.6(1F)、−138.5(1F)、−124.6(1F)、−118.2(2F)、−117.0(1F)、−86.8(2F)、−82.2(3F)、−80.4(2F)、―80.3(3F)
なお、上記の方法で合成されたCF=CFOCFCF(CF)O(CFSON(Li)SOCFは、室温で硫酸水溶液で処理する事により、ほぼ定量的にCF=CFOCFCF(CF)O(CFSONHSOCFに転換した。
【0037】
【実施例2】
CF=CFOCFCFSON(Li)SOCFの合成
窒素気流下、0℃に冷却した100mlのリチウムビストリメチルシリルアミドの1Mテトラヒドロフラン溶液に、環状パーフルオロスルホン;
【化11】
Figure 2004059532
28gを滴下した。滴下終了後、当該反応溶液を0℃で1時間攪拌した後、19F−NMRで反応液を分析したところ、CF=CFOCFCFSON(Li)Si(CHであることが確認された。
19F−NMR:δ(ppm、CFCl基準)−135.0(1F)、−124.7(1F)、−117.7(2F)、−117.1(1F)、−84.0(2F)
【0038】
当該反応溶液と15.3gのCFSOFを内容積300mlの圧力容器に充填した後、80℃で4時間攪拌した。反応終了後、溶媒を留去すると35.0gの残留物が得られた。この残留物は、19F―NMRから、CF=CFOCFCFSON(Li)SOCFであることが確認された(収率85%)。
19F−NMR:δ(ppm、CFCl基準)−135.6(1F)、−123.6(1F)、−117.5(2F)、−116.2(1F)、−84.0(2F)、―80.0(3F)
なお、上記の方法で合成されたCF=CFOCFCFSON(Li)SOCFは、室温で硫酸水溶液で処理する事により、ほぼ定量的にCF=CFOCFCFSONHSOCFに転換した。
【0039】
【実施例3】
CF=CFOCFCFSONHSOCFの合成
窒素気流下、0℃に冷却した110mlのリチウムビストリメチルシリルアミドの1Mテトラヒドロフラン溶液に、15.0gのCFCFHOCFCFSOFを滴下した。滴下終了後、当該反応溶液を0℃で1時間攪拌した後、少量の水を加えて、次いで溶媒を留去した。残留物に希塩酸を加えて、酸性にし、HFC43−10meeで抽出した。有機層を乾燥後、溶媒を留去してから減圧蒸留(沸点91〜92℃/0.4kPa)して、12.0gの無色液体が得られた。この液体は、19F−NMRよりCF=CFOCFCFSONHであることが確認された(収率87%)。
19F−NMR:δ(ppm、CFCl基準)−137.0(1F)、−124.0(1F)、−118.6(2F)、−116.0(1F)、−84.8(2F)
【0040】
次に、CF=CFOCFCFSONH11gにトリエチルアミン(EtN)40mlを加え、0℃に冷却した後、11.3gの(CFSOOを滴下し、滴下終了後、反応液を50℃で4時間撹拌した。この反応溶液に硫酸を加えて酸性にし、HFC43−10meeで抽出した。有機層を乾燥後、溶媒を留去してから蒸留操作により13.8gが得られた。19F―NMRから、CF=CFOCFCFSONHSOCFであることが確認された(収率85%)。
19F−NMR:δ(ppm、CFCl基準)−135.2(1F)、−123.7(1F)、−117.3(2F)、−116.2(1F)、−84.0(2F)、―80.0(3F)
【0041】
【発明の効果】
本発明は電気化学的用途に有用なフッ素系イオノマーの原料となるビススルホニルイミド基含有モノマーを効率よく製造する方法を提供するものであり工業的に有用である。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1);
    Figure 2004059532
    (式中、nは0〜3の整数、mは1〜5の整数である。Mは水素原子、有機アンモニウム基、アルカリ金属原子およびアルカリ土類金属原子から選ばれる基である。Rはフッ素化炭化水素基あるいはその置換体である。)
    で表されるビススルホニルイミド基含有モノマーを製造する方法であって、下記一般式(2);
    Figure 2004059532
    (式中、n、mは一般式(1)と同じである。Mは、水素原子、有機アンモニウム基、アルカリ金属原子およびアルカリ土類金属原子から選ばれる基である。Mは、水素原子、有機アンモニウム基、合計10個以下の炭素原子を有する炭化水素基置換シリル基、および炭素数1〜10個のアルキル基から選ばれる基である。)
    で表されるスルホニルアミド化合物を、下記一般式(3);
    SO―          (3)
    (式中、Rは一般式(1)と同じである。)
    で表されるスルホニル基を導入するスルホニル化剤と接触させて、次いで場合により酸処理して、ビススルホニルイミド基含有モノマーを得ることを特徴とする方法。
  2. SO―基を導入するスルホニル化剤が、下記一般式(4);
    SOX          (4)
    (式中、Xはフッ素原子、塩素原子およびOSO基から選ばれる基である。RおよびRは、一般式(1)のRと同じである。なお、RとRは、同じでも異なっていてもよい。)
    で表されるスルホニル化合物であることを特徴とする、請求項1に記載のビススルホニルイミド基含有モノマーを製造する方法。
  3. 請求項1あるいは請求項2に記載のビススルホニルイミド基含有モノマーを製造する方法であって、一般式(2)で表されるスルホニルアミド化合物が、下記一般式(5);
    CF=CF(OCFCF(CF))O(CFSOF    (5)
    (式中、n、mは一般式(1)と同じである。)
    で表されるスルホニルフルオリド化合物と、下記一般式(6);
    NR                (6)
    (式中、Mはアルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子である。Rは、合計10個以下の炭素原子を有する炭化水素基置換シリル基である。Rは、合計10個以下の炭素原子を有する炭化水素基置換シリル基および炭素数1から10のアルキル基から選ばれる基である。)
    で表される金属アミドと接触させて製造されることを特徴とする、ビススルホニルイミド基含有モノマーの製造方法。
  4. 請求項1あるいは請求項2に記載のビススルホニルイミド基含有モノマーを製造する方法であって、一般式(2)で表されるスルホニルアミド化合物が、下記一般式(7);
    Figure 2004059532
    (式中、m’は2〜3の整数である。)
    で表される環状パーフルオロスルホン化合物と、請求項3記載の一般式(6)で表される金属アミドを接触させて製造されることを特徴とする、ビススルホニルイミド基含有モノマーの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104447435A (zh) * 2013-09-18 2015-03-25 中国科学院上海有机化学研究所 全氟烯烃磺酰亚胺类化合物及其制备方法

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