JP2004059389A - セメント強化用ポリプロピレン繊維 - Google Patents

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矢吹 増男
Kazumasa Nakajima
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Abstract

【課題】ポリオレフィン樹脂繊維に対して親水性を付与でき、セメントマトリックスとの接着性に優れ、セメント成形物を強化することができ、セメント成形物の曲げ強度や衝撃強度を向上させるセメント強化用ポリオレフィン樹脂繊維を提供することを目的とする。
【解決手段】ポリプロピレン100重量部に対し、エチレン−酢酸ビニル共重合体のセグメント50〜90重量%と、ビニル系重合体のセグメント50〜10重量%とから構成されている複合構造グラフト共重合体1〜10重量部を含有してなるセメント強化用ポリプロピレン繊維、に存する。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セメントマトリックスとの接着性に優れ、セメント成形物を強化するために用いるセメント強化用ポリプロピレン繊維に関するものである。
【0002】
【従来技術】
セメント成形品の補強材として長年使用されていたアスベストの代わりに、合成樹脂繊維として、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリアミド樹脂等が用いられている。
しかしながら、セメント成形品の養生は寸法安定性向上、養生時間の短縮等の目的でオートクレーブで行うことが近年は増加しており、こうしたオートクレーブ養生を行う場合には、ポリオレフィン系以外の繊維は耐熱アルカリ性の不足から劣化してしまうために補強繊維として用いることができなかった。
これらのことより、ポリオレフィン樹脂繊維は、耐熱アルカリ性があるため多用されているが、ポリオレフィン樹脂は、その分子構造内に親水性基やセメントとの接着性に有効な官能基がほとんど存在しないため、セメントマトリックスとの接着性が極めて悪く、ポリオレフィン樹脂繊維で補強したセメント成形体を破壊すると容易に繊維が引き抜けてしまい、繊維の引き抜き抵抗による衝撃強度や曲げ破壊エネルギーの増大は認められても、曲げ強度を大きく向上させるには至らない欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかるポリオレフィン樹脂繊維のセメントとの親和性を改良するために、各種の無機微粒子やポリ酢酸ビニル等の親水性高分子物質を繊維に添加する方法が提案されているが、樹脂繊維全体に異物を混入させるため、延伸性が損なわれ、十分な樹脂繊維強度が得られない上に、樹脂繊維の表面部分にある改質剤以外は親和性の向上に寄与せず、添加量の割に改質効果が小さいという欠点があった。
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解消するためになされたもので、ポリオレフィン樹脂繊維に対して親水性を付与させ、セメントマトリックスとの接着性に優れ、セメント成形物を強化することができ、セメント成形物の曲げ強度や衝撃強度を向上させるセメント強化用ポリオレフィン樹脂繊維を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリオレフィン樹脂繊維に対して特定の複合構造のグラフト共重合体を表面処理剤として特定量配合することにより、上記目的が達成されることを見出し、本願発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、ポリプロピレン100重量部に対し、エチレン−酢酸ビニル共重合体のセグメント50〜90重量%と、ビニル系重合体のセグメント50〜10重量%とから構成されている複合構造グラフト共重合体1〜10重量部を含有してなるセメント強化用ポリプロピレン繊維、存する。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるポリプロピレンとは、プロピレン単独重合体、エチレンープロピレンブロック共重合体あるいはランダム共重合体などの公知のポリプロピレン共重合体またはそれらの混合物を使用することができるが、これらの内でも高強度、耐熱性を要求されるセメント強化用としてはプロピレン単独重合体が望ましく、特にアイソタクチックペンタッド率0.95以上のものを選択することが望ましい。
ここでアイソタクチックペンタッド分率とは、A.Zambelli 等によって Macromolecules  925(1973) に発表された、13C−NMRを使用して測定されるポリプロピレン分子内のペンタッド単位でのアイソタクチック分率を意味する。
上記ポリプロピレンのメルトフローレート(以下、MFRと略す)は0.1〜50g/10min.、好ましくは1〜40g/10min.、さらに好ましくは5〜30g/10min.の範囲から選択するのがよい。
【0006】
次に、複合構造グラフト共重合体について説明する。
このグラフト共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体のセグメント(以下、Aセグメントと略記する)50〜90重量%と、ビニル系重合体のセグメント(以下、Bセグメントと略記する)50〜10重量%とから構成されている。Aセグメントは通常グラフト共重合体の主鎖となり、Bセグメントはグラフト共重合体の側鎖となる。
【0007】
上記Aセグメントを構成するエチレン−酢酸ビニル共重合体としては、酢酸ビニル含量が10重量%以上、好ましくは10〜80重量%の範囲であり、さらに好ましくは20〜50重量%の範囲のである。酢酸ビニル含量が10重量%未満では、親水性が不十分であり望ましくない。上記エチレン−酢酸ビニル共重合体の重量平均分子量は、1000〜100万、好ましくは5000〜60万である。重量平均分子量が1000未満の場合には、耐熱性が低下する望ましない。また、重量平均分子量が100万を越えると、成形加工性が低下したりするので望ましくない。
【0008】
次に、グラフト共重合体のBセグメントを形成するビニル系重合体としては、不飽和カルボン酸またはこれらの不飽和カルボン酸エステルの一種又は二種以上を重合して得られるものである。
不飽和カルボン酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸及びその金属塩が挙げられる。
また、不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のα,β−不飽和カルボン酸エステル等を挙げられる。
これらのうち、メタクリル酸及びそのメタクリル酸メチルの組み合わせが好適である。
また、ビニル系重合体の重量平均分子量は1,000〜100万、好ましくは5,000〜50万である。重量平均分子量が1,000未満の場合には、被改質樹脂との相溶性が低下するので望ましくない。また、100万を越える場合にも同様の理由から望ましくない。
【0009】
複合構造グラフト共重合体中に占めるAセグメントの割合は、50〜90重量%、好ましくは60〜80重量%である。従って、複合構造グラフト共重合体中に占めるBセグメントの割合は50〜10重量%、好ましくは40〜20重量%である。Aセグメントの割合が50重量%未満であると、エチレン−酢酸ビニル共重合体の改良効果が不十分となるので、好ましくない。また、Aセグメントが90重量%を越えるとセメントマトリックスとの接着性が低下し、セメント成形物の衝撃強度や曲げ強度を向上させことができないので、好ましくない。
【0010】
分散している重合体の粒子径は0.001〜10μm、好ましくは0.01〜5μmである。分散粒子径が0.001μ未満の場合又は10μmを越える場合には、分散性が低く、例えば得られる成形品の外観の悪化或いは機械的物性が低下する。
【0011】
複合構造グラフト共重合体を製造する際のグラフト化法は、一般に知られている連鎖移動法、電離性放射線照射法等いずれの方法でもよいが、下記に示す方法によるものが好ましい。すなわち、それは、グラフト効率が高く、熱による二次的凝集が起こらないため、性能の発現がより効果的であり、また製造方法が簡便であるためである。
【0012】
次に、複合相構造グラフト共重合体の製造方法を具体的に説明する。まず、エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部を水に懸濁させ、そこへ少なくとも1種のビニル系単量体1〜400重量部に、ラジカル重合性有機過酸化物の1種又は2種以上の混合物を該ビニル系単量体100重量部に対して0.1〜20重量部と、10時間の半減期を得るための分解温度が40〜90℃である重合開始剤をビニル系単量体とラジカル重合性有機過酸化物との合計100重量部に対して0.01〜5重量部とを溶解せしめた混合溶液を加える。
【0013】
次いで、重合開始剤の分解が実質的に起こらない条件で加熱し、ビニル系単量体、ラジカル重合性有機過酸化物及び重合開始剤をエチレン−酢酸ビニル共重合体に含浸せしめ、次いで、この水性懸濁液の温度を上昇せしめる。そして、ビニル系単量体及びラジカル重合性有機過酸化物をエチレン−酢酸ビニル共重合体中で共重合せしめて、グラフト化前駆体を得る。
【0014】
このグラフト化前駆体を溶融下、混練することにより、複合構造グラフト共重合体を得ることができる。このときグラフト化前駆体中に、エチレン−酢酸ビニル共重合体を混合し、溶融下に混練しても複合構造グラフト共重合体を得ることができる。
【0015】
上記ラジカル重合性有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルペルオキシアクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、t−アミルペルオキシアクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、t−ヘキシルペルオキシアクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシアクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、クミルペルオキシアクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、p−イソプロピルクミルペルオキシアクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、t−ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、t−アミルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト、t−ヘキシルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ−ボネ−ト 、t−ブチルペルオキシアリルカ−ボネ−ト、t−ブチルペルオキシメタリルカ−ボネ−ト等が好適に用いられる。
【0016】
上記複合構造グラフト共重合体のMFR(190℃、2160g荷重、JISK6922−1)としては、0.1〜20g/10分の範囲であり、好ましくは0.5〜10g/10分に範囲である。
【0017】
本発明のセメント強化用ポリプロピレ繊維は、ポリプロピレン100重量部に対し、複合構造グラフト共重合体1〜10重量部、好ましくは、1〜5重量部の範囲である。複合構造グラフト共重合体の配合割合が1重量部未満では、ポリオレフィン樹脂繊維に対して親水性を付与させる効果が低下し、しかもセメントマトリックスとの接着性の改良効果が低下するので、好ましくない。一方、10重量部を越える場合、ポリオレフィン樹脂繊維に対する機械的強度が低下するので、望ましくない。
【0018】
上記ポリプロピレン組成物には、その使用目的により本発明の主旨を逸脱しない範囲において、酸化防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、無機充填材、有機充填材、架橋剤、発泡剤、核剤等の添加剤を配合してもよい。
【0019】
ポリプロピレン繊維の製造方法としては、公知の溶融紡糸方法を採用できるが、高倍率の延伸処理の可能な連糸形状ダイスを用いて紡糸を行なうポリプロピレン繊維がより好ましい。
この方法はポリプロピレンを連糸形状ダイスから溶融押出し、次に押出された連糸形状テープのまま延伸処理を施し繊維を形成する。
連糸形状ダイスは少なくとも2個のノズルをシリーズに連結した形状を有しているが、通常5〜20個、好ましくは10〜15個のノズルを連結した形状である。
【0020】
ポリプロピレン繊維の延伸処理はポリプロピレンの融点以下、軟化点以上の温度下に行われるが、加熱方式としては、熱ロール式、熱板式、赤外線式、熱風式等いずれの方式も採用でき、これらの内では内部から電熱加熱されたコンベックス状熱板上で加熱される熱板式が高速生産性、安定性の上で好ましい。
加熱されたポリプロピレン繊維は、前後ロールの周速度差により延伸を行う。延伸倍率は通常3〜20倍、好ましくは5〜15倍、さらに好ましくは8〜12倍の範囲である。
延伸された繊維の引張強度は5g/dt以上、好ましくは7g/dt以上である。引張強度が5g/dt未満では、補強効果が不十分となる。
【0021】
形成されるポリプロピレン繊維の単糸繊度は5〜100デシテクス(dtと略す)の範囲であり、好ましくは10〜60dtの範囲である。上記単糸繊度が5dt未満では、繊維が細すぎて分散が不均一になり、また、100dtを越えると、セメントとの接触面積が減少し補強効果が劣る。
【0022】
上記で得られたポリプロピレン繊維は、所定長さにカットされる。カットされる繊維長は3〜30mmの範囲であり、好ましくは5〜15mmの範囲である。
繊維長が3mm未満では、セメントからの抜けが生じ、30mmを越えると分散性が不良となり、好ましくない。
【0023】
本発明のポリプロピレン繊維を混合し得るセメントとしては、ポルトランドセメント、白色ッポルトランドセメント、アルミナセメント等の水硬性セメントまたは石膏、石灰等の気硬性セメント等のセメント類を挙げることができる。
上記ポリプロピレン繊維の配合量は、セメントに対して0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。配合量が0.1重量%未満では補強効果が劣り、10重量%以上では均一な分散が困難である上に、曲げ強度が低下するので、好ましくない。
【0024】
本発明のポリプロピレン繊維をセメントに混合する方法としては、セメント粉体にポリプロピレン繊維を分散する方法、セメントスラリー中にポリプロピレン繊維を分散するプレミックス法、セメントとポリプロピレン繊維および水を同時に吹き付けるスプレーアップ法などの公知の方法を用いることができる。
これらの方法によって得られたセメントスラリーを、用途により抄造成形法、押出成形法、注入成形法等公知の成形法にしたがって成形し、常温で数十日間大気中または水中に放置する自然養生法または2〜3日常温で放置後100〜200℃の温度で処理されるオートクレーブ養生法により養生硬化しセメント成形品とすることができる。
【0025】
本発明のポリプロピレン繊維を用いて製造されるセメント成形品の用途としては、あらゆるセメント製品にわたるものであるが、例えば建造物の壁材、床材コンクリート、仕上げモルタル、防水コンクリート、スレート屋根材等、あるいは土木関係部材としては道路、滑走路等の舗装、道路標識、側溝等の道路部材、下水管、ケーブルダクト等のパイプ類、漁礁、護岸ブロック、テトラポット等、その他各種構築物として枕木、ベンチ、フラワーポット等に使用できる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例により、さらに詳細に説明する。
実施例1:
複合構造グラフト共重合体として、エチレンー酢酸ビニル共重合体とメタクリル酸エステルーメタクリル酸とのグラフト共重合体(エチレンー酢酸ビニル共重合体/メタクリル酸エステル/メタクリル酸=80/10/10の組成割合)であって、MFR(190℃、21.18N荷重、JIS K6922−1)が2.0g/10分のものを使用した。但し、エチレンー酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル含有量は28重量%であった。
ポリプロピレン(MFR=1.0g/10min.)100重量部に対し、上記複合構造グラフト共重合体4重量部を配合したものを押出機に供給し、樹脂温度230℃で、2mmφ×10孔の連糸形状ノズルから押出し、熱板接触式延伸法で延伸温度130℃、アニーリング温度135℃、延伸倍率12倍に延伸した。得られた延伸糸の単糸繊度は50dtであった。
上記延伸糸を10mm長になるようにカットし、短繊維を得た。
セメント成形品の成形はJISR5201に準拠して行った。すなわちポルトランドセメント100重量部と標準砂200重量部とを十分混合し、上記配合物を5重量部添加し、水65重量部を加えて全体が均一になるように混練した後、40mm×40mm×160mmの型枠に流し込み、大気中、常温で48時間放置した後、オートクレーブ中で165℃、20時間養生を行った。
得られた成形物の曲げ強度は23.0MPa、シャルピ衝撃強度は8.5KJ/m、分散性は良好であった。
【0027】
なお、上記評価は、下記の試験方法により行った。
(1)MFR:JISK6922−1準拠
(2)曲げ強度:JISA1408準拠
(3)シャルピー衝撃強度:JISB7722準拠
(4)分散性評価:ポリプロピレン繊維とセメントを混練しセメントスラリーを作成し、表面の状態を目視により評価した。
【0028】
実施例2:
複合構造グラフト共重合体として、エチレンー酢酸ビニル共重合体とメタクリル酸エステルーメタクリル酸とのグラフト共重合体(エチレンー酢酸ビニル共重合体/メタクリル酸エステル/メタクリル酸=70/20/10の組成割合)をを用い、ポリプロピレン100重量%に対して2重量%を配合して用いたこと以外は、実施例と同様にして行った。
得られた成形物の曲げ強度は25.0MPa、シャルピ衝撃強度は8.8KJ/m、分散性は不良であった。
【0029】
比較例1:
ポリプロピレンに複合構造グラフト共重合体を全く配合せずに行ったこと以外は実施例1と同様に行った。
得られた成形物の曲げ強度は16.5MPa、シャルピ衝撃強度は2.8KJ/m、分散性は不良であった。
【0030】
比較例2:
複合構造グラフト共重合体として、エチレンー酢酸ビニル共重合体とアクリロニトリルースチレン共重合体とのグラフト共重合体(エチレンー酢酸ビニル共重合体/アクリロニトリルースチレン共重合体=70/30の組成割合)を用い、ポリプロピレン100重量%に対して4重量%を配合して用いたこと以外は、実施例1と同様にして行った。
得られた成形物の曲げ強度は17.0MPa、シャルピ衝撃強度は3.5KJ/m、分散性は不良であった。
【0031】
【発明の効果】
本発明のセメント強化用ポリプロピレン繊維は、ポリプロピレンに対して、特定の複合構造グラフト共重合体を配合したものであって、ポリプロピレン繊維とセメントとの界面におけるすぐれた親和性を付与でき、セメントマトリックスとの接着性に優れ、セメント成形物を強化することができ、セメント成形物の曲げ強度、衝撃強度にすぐれたセメント成形物の製造が可能となるポリプロピレン繊維を得ることができる。

Claims (3)

  1. ポリプロピレン100重量部に対し、エチレン−酢酸ビニル共重合体のセグメント50〜90重量%と、ビニル系重合体のセグメント50〜10重量%とから構成されている複合構造グラフト共重合体1〜10重量部を含有してなるセメント強化用ポリプロピレン繊維。
  2. ビニル系重合体が不飽和カルボン酸またはその不飽和カルボン酸エステルの一種又は二種以上を重合して得られる重合体である請求項1に記載のセメント強化用ポリプロピレン繊維。
  3. ビニル系重合体がメタクリル酸及びそのメタクリル酸メチルを重合して得られる重合体である請求項1に記載のセメント強化用ポリプロピレン繊維。
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