JP2004058400A - 真空印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】真空雰囲気下でプリント配線基板Pに樹脂供給機構41により樹脂を供給し、スキージ42により擦りつけると、余剰樹脂は樹脂排出装置50の樹脂回収テーブル51上に集められる。また、スキージ42に付着した樹脂は、スキージ付着樹脂除去機構52により擦り取られる。このようにして回収された真空印刷室11内の余剰樹脂は、昇降装置61により樹脂排出室13内に移動され、真空印刷室11を密閉状態として扉が開放されることにより、取り除かれる。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばプリント配線基板等の表面において孔や隙間を有するワークに印刷を施すための真空印刷装置に係わり、特に溶剤型樹脂や光硬化型樹脂を真空雰囲気下において連続的に印刷可能としたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば表面に孔部を有するプリント配線基板にインクを印刷して穴埋めして表面を平滑化する技術が提供されている。このものでは、例えば特許第3198273号公報に記載されているように、貫通孔や非貫通孔等の孔部への樹脂の未充填部を残存させないようにする目的で、印刷を真空雰囲気下で行った後、真空度を低下させて、その差圧により樹脂を孔部の奥部まで充填を行うことがある。このようにプリント配線基板に真空雰囲気下で印刷を行う場合には、例えば、密閉構造のチャンバー内で、所要位置に開口が形成された孔版上に数回〜数十回分の印刷用の樹脂を供給し、この孔版をプリント配線基板に重ね合わせるとともに樹脂をスキージにより擦りつけて印刷を行うという作業が繰り返しなされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようにプリント配線基板に真空雰囲気下で印刷を行う場合に使用する穴埋め用樹脂としては、これまで、溶剤等の揮発性物質等が含有されているものや、光硬化性を有するもの等は避けられてきた。これは、真空雰囲気下でそのような樹脂を使用すると、例えば溶剤型樹脂の場合では、揮発性物質等が圧力の低下によりガスとなって真空雰囲気中に放出され、樹脂の粘度が上昇して連続的な印刷が不可能になったり、チャンバー内の真空度の低下を招いて排気装置に負担を生じさせたり、また真空チャンバー内の揮発性物質等の濃度が高まった場合には、搬入されたプリント配線基板や塗布された印刷物等に影響をおよぼすという問題があるためである。また、光硬化性樹脂の場合では、硬化抑制剤の酸素欠乏による硬化が起こるため、同じく連続的な印刷が不可能となるという問題がある。
【0004】
そこで、そのような樹脂を使用する場合に、樹脂を1回の印刷に必要な量だけ供給するとともに、印刷を行う度に真空チャンバーを開放して印刷機等に残存している余剰樹脂を早急に除去することにより、上記問題の解決を図ることも考えられる。しかしながら、プリント配線基板の印刷機は、例えば孔版を介して基板上に樹脂を供給するための樹脂供給ユニットや、供給された樹脂を孔版上から擦って基板に孔埋め印刷するためのスキージ走行ユニット等を備ており大型であるため、そのような大型の印刷装置を内部に納めるための真空チャンバーは、その容積を相当に大きくせざるをえない。このようにチャンバーの容積が大型であると、余剰樹脂を除去するためにチャンバーを開放し、その後再び密閉状態として真空雰囲気にするための排気に要する時間が長くなり、生産性が悪くなるという問題がある。
【0005】
このような事情があるため、従来は印刷用の樹脂として溶剤型樹脂や光硬化性樹脂は使用することができず、樹脂の選択に制約が生じていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、例えば溶剤等の揮発性物質を含有する樹脂や光硬化性樹脂でも真空雰囲気下で印刷が可能であり、かつ生産性にも優れる真空印刷装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、真空雰囲気下でワーク表面に存する開口や隙間に樹脂を充填するための真空印刷装置であって、前記ワーク表面に前記樹脂の印刷を行うための樹脂供給機構およびスキージを備えた印刷機と、この印刷機を内部に収容し、前記ワークを出し入れ可能な開口部を有するとともに排気装置にて排気される真空印刷室と、この真空印刷室に連通開口部を通じて連通可能に並設されるとともに大気に解放可能な扉を備える樹脂排出室と、前記真空印刷室内において印刷後に残った余剰樹脂を回収する樹脂回収位置とその余剰樹脂を前記樹脂排出室を通じて外部へ排出させる樹脂排出位置との間を移動可能な樹脂排出装置とを備えるところに特徴を有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の真空印刷装置であって、前記樹脂排出装置は、前記ワークに印刷を行う時にその印刷面と連続する樹脂回収面を形成可能な樹脂回収テーブルと、印刷後に前記スキージに付着した前記樹脂を回収するためのスキージ付着樹脂除去機構とを備えるところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の真空印刷装置であって、前記樹脂排出室は前記真空印刷室の上面壁部に重ねて形成されているとともに前記樹脂排出装置は前記連通開口部の下方において昇降装置により昇降可能であり、前記樹脂排出装置が前記昇降装置により上昇され前記樹脂排出位置に移動した時に前記連通開口部を気密に閉塞するところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の真空印刷装置であって、前記樹脂排出室には前記扉を閉めた状態で内部の排気を行う排気装置が接続され、前記連通開口部が閉塞された状態で前記樹脂排出室内を排気可能に構成されているところに特徴を有する。
【0010】
【発明の作用および効果】
上記請求項1の発明によれば、まず、開口部からワークを真空印刷室に搬入させ、真空印刷室内を排気装置により印刷に好適な真空度とする。その後、樹脂供給機構によりワーク上/或いはワークに重ねられた孔版上に必要な量だけ樹脂を供給し、スキージにより擦りつけて、ワーク表面に開口している孔や隙間に樹脂を埋め込む。この時、樹脂排出装置は、余剰樹脂を回収するための樹脂回収位置に配置しておく。印刷が終了したら、開口部よりワークを真空印刷室から搬出するとともに、樹脂排出装置により真空印刷室内に残存している余剰樹脂を回収し、樹脂排出装置を樹脂回収位置から樹脂排出室内の樹脂排出位置に移動させる。そして、連通開口部を閉塞させて真空印刷室と樹脂排出室とを気密に遮断した状態とし、真空印刷室を真空状態に保ったまま樹脂排出室の扉を開放して、樹脂排出装置の余剰樹脂を取り除く。樹脂が取り除かれたら、樹脂排出室の扉を再び閉塞させるとともに連通開口部を開放させて、樹脂排出装置を樹脂回収位置に戻す。一方、真空印刷室内から搬出されるワークは、その表面に開口している孔に樹脂が印刷されているから、大気中に取り出されると、圧力差によって樹脂は孔の奥まで押し込められ、空隙を残すことなく樹脂が充填されるようになる。
【0011】
このように請求項1の発明では、真空印刷室内の余剰樹脂を樹脂排出装置によって速やかに回収し、真空印刷室を大気に開放させてしまうことなく樹脂排出室を通じて外部へ排出することができる。したがって、ワークに印刷を行う度に真空印刷室内の余剰樹脂を取り除くようにすれば、従来は使用不可能だった溶剤型樹脂や光硬化型樹脂を使用することが可能になり、印刷に使用する樹脂の選択肢が広がるという優れた作用効果を奏する。また、樹脂排出室を設けたことにより樹脂を排出する度に真空印刷室の全体を排気する必要がないため、生産性にも優れる。
【0012】
また、請求項2の発明のように、ワークが印刷される時の印刷面と連続する樹脂回収面を形成可能な樹脂回収テーブルを設けることにより、スキージによって擦られたワーク上の余剰樹脂は、最終的に樹脂回収テーブル上に集められることとなる。また、スキージに付着した樹脂は、スキージ付着樹脂除去機構によって回収される。このように、真空印刷室内の余剰樹脂は確実に回収され、外部へ排出可能となる。
【0013】
また、請求項3の発明によれば、樹脂排出室は真空印刷室の上面壁部に重ねて形成されており、連通開口部は、樹脂排出装置が昇降装置により上昇されて樹脂排出位置に移動した時にこの樹脂排出装置により気密に閉塞される構成であるから、閉塞用の扉を別個に設ける必要がなく、装置の構成が簡略化されるとともに設計上の自由度が高まり、装置全体の製造コストを安価にすることができるという優れた作用効果を奏する。
【0014】
さらに、請求項4の発明のように、樹脂排出室を排気可能にしておけば、連通開口部を開放したときに真空印刷室に空気が流入しなくなるから、真空印刷室のための排気装置の負担を軽くすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態について図1ないし図10を参照して説明する。
本実施形態の真空印刷装置10は、例えばビアホール等の非貫通孔を有するプリント配線基板Pの非貫通孔内に例えば孔版20を介して溶剤型樹脂を充填するためものであり、印刷を行う真空印刷室11と、この真空印刷室11に連通可能でプリント配線基板Pを真空印刷室11内に搬入・搬出するためのワーク供給室12と、同じく真空印刷室11に連通可能で印刷後に残った余剰樹脂を真空印刷室11から外部へ排出するための樹脂排出室13とを備えている。
【0016】
真空印刷室11は、図10に示すように、内部に後述する印刷機40および樹脂排出装置50が収容された箱形空間である印刷機収納室14と、この印刷機収納室14の側面の一部と連通した搬送室15とからなる。搬送室15の上面壁部15Aの一部には、プリント配線基板Pを真空印刷室11内に搬入・搬出するための矩形の開口部16が設けられており、後述する印刷テーブル21によって下方から閉塞可能となっている。また、搬送室15の上方には、開口部16を上方から閉塞させるように、下面が開口した扁平な箱形の蓋17が開放可能に設けられており、この蓋17と上記印刷テーブル20とが開口部16を気密に閉塞した状態とすることにより、ワーク供給室12が形成される構成となっている。
【0017】
一方、図1に示すように、印刷機収納室14の上面壁部14Aの一部には矩形の連通開口部18が形成されており、後述する樹脂排出装置50の樹脂回収テーブル51によって下方から閉塞可能となっている。また、印刷機収納室14の上方には、連通開口部18を上方から閉塞させるように、下面が開口した箱形の扉19が開放可能に設けられており、この扉19と樹脂回収テーブル51とが連通開口部18を気密に閉塞した状態とすることにより、樹脂排出室13が形成される構成となっている。
【0018】
また、真空印刷室11内には、一対のガイドレール24,24が、印刷機収納室14から搬送室15にわたって水平かつ平行に設置されている(図10参照)。
【0019】
上記印刷テーブル21は、矩形で平板状のものであり、その上面の端縁部付近には全周にわたってガスケット22が嵌め込まれている。また、下面の四隅部には上述したガイドレール24,24と連結する凹型の連結片23が設けられている。これにより、印刷テーブル21が図示しない駆動機構によって駆動された場合に、連結片23がガイドレール24に案内されて、印刷テーブル21が搬送室15と印刷機収納室14との間を移動可能となっている。
【0020】
また、搬送室15内の上記開口部16の下方には、印刷テーブル21の昇降装置30が設置されている。この昇降装置30は、図示しない駆動モータの駆動により昇降可能でシリンダ用架台31に設置された昇降シリンダ32と、この昇降シリンダ32を下面に当接させることにより昇降可能とされる支持板33とを備えている。また、シリンダ用架台31および支持板33には垂直方向の同位置にそれぞれ4つの遊挿孔が形成されており、これらの遊挿孔に4本の昇降ロッド34が遊挿されている。また、これらの昇降ロッド34の支持板33の上方側に突出している部分は、圧縮ばね35に嵌挿されているとともに、その上端部は印刷テーブル21を載置するための水平な板状の印刷テーブル用架台36に固定されている。
【0021】
さらに、この昇降装置30は、昇降シリンダ32が最低位置にある場合(図10参照)には、印刷テーブル用架台36が印刷テーブル21の下面と離れる高さとなるように設定されている。これにより、印刷テーブル21の連結片23がガイドレール24と連結され、ガイドレール24に沿って図10中横方向に移動可能となる。また、昇降シリンダ32が最高位置にある場合には、印刷テーブル用架台36上に載置された印刷テーブル21の上面がガスケット22を介して上記開口部16の周縁部下面に密接し、開口部16を下方から閉塞する。
【0022】
印刷機収納室14内に収納されている印刷機40は、プリント配線基板P上に重ねられ所要位置に開口が形成された孔版20上に印刷用の樹脂を供給するための樹脂供給装置41と、供給された樹脂を孔版20上から擦りつけるスキージ42と、このスキージ42を吊り下げ状態に保持するとともに図1中左右および上下方向に移動可能とするスキージ駆動機構(図示せず)とを備えている。図1の状態からスキージ駆動機構が駆動されると、スキージ42が下降して孔版20の上面を擦るようになり、この結果、孔版20の上面に供給された樹脂が、所定位置に形成された孔版20の開口からプリント配線基板P上に押し出されて印刷が行われる。
【0023】
また、同じく印刷機収容室14内に収容されている樹脂排出装置50は、樹脂回収テーブル51とスキージ付着樹脂除去装置52とを備えている。樹脂回収テーブル51は、図1に示すように、平板状の基台53の上面の一部に、上記孔版20の上面と同じ高さの樹脂回収面54Aを有するテーブル54が凸状に設けられたものであり、このテーブル54と印刷位置に配置された孔版20との間の空隙部に、孔版20とテーブル54の樹脂回収面54Aとを連続的な平面とするための断面L字状のサブテーブル55が設けられている。また、基台53の上面の端縁部付近には全周にわたってガスケット56が嵌め込まれている。
【0024】
一方、スキージ付着樹脂除去装置52は、上面が開口した細長い箱型の回収箱57と、この回収箱57の長手方向の対向する面の上端部付近に設けられた一対の細長いへら58,58とを有する。これら一対のへら58,58は図示しない駆動機構により互いの間の距離を調整可能とされており、常時はスキージ42の厚みよりも若干広い距離となるように設定されている。なおこのスキージ付着樹脂除去装置52は、図1に示すように、上記樹脂回収テーブル51の基台53の上面に固定されている。
【0025】
さらに、樹脂回収テーブル51の下面側には、樹脂回収テーブル51を図1中左右方向に移動可能とする移動装置60と、同じく樹脂回収テーブル51を昇降可能とする昇降装置61とが備えられている。この昇降装置61は、図示しない駆動モータにより駆動する昇降シリンダ62を備えており、この昇降シリンダ62を下面に当接させた支持板63が昇降シリンダ62によって昇降されることにより、支持板63の上面に固定された移動装置60および移動装置60の上方に固定された樹脂回収テーブル51が昇降可能とされている。なお、支持板63の下面側の四隅部には昇降ロッド64が固定されてれており、昇降シリンダ62の動作に伴って昇降する。
【0026】
また、上記真空印刷室11、ワーク供給室12、および樹脂排出室13にはそれぞれ真空ポンプ、切換弁、排気ホース等からなる排気装置(図示せず)が接続されており、切換弁を切り換えることによって真空印刷室11、ワーク供給室12、または樹脂排出室13を選択的に排気することができ、さらに、給気弁を開放することによりワーク供給室12あるいは樹脂排出室13に空気を導入することができるようになっている。
【0027】
さて、本実施形態は以上の構成であり、次にその作用について説明する。
図1は、例えば印刷位置に配置されたプリント配線基板Pに対して孔版20を介して印刷を開始する状態を示している。真空印刷室11は、開口部16を蓋17によって閉塞するとともに連通開口部18を扉19によって閉塞することにより密閉状態とされ、真空に保たれた状態となっている。また、樹脂排出装置50は、樹脂回収テーブル51が孔版20の上面と連続する樹脂回収面54Aを形成する樹脂回収位置に配置されている。
【0028】
(i)溶剤型樹脂の供給および印刷
まず、樹脂供給装置41から溶剤型樹脂を孔版20上に塗布する(図1参照)。そして、スキージ駆動機構を駆動させることによりスキージ42を孔版20上を擦るように移動させ(図2参照)、プリント配線基板Pの孔内に樹脂を印刷する。なお、このような印刷工程を実行しても、プリント配線基板Pのビアホールは微細であるから、樹脂はビアホールの最奥までは完全に充填されないことが一般的である。
【0029】
(ii)余剰樹脂回収
孔版20の端までスキージ42を移動させてプリント配線基板Pに印刷を行ったら、さらにスキージ42をサブテーブル55から樹脂回収テーブル51の樹脂回収面54Aまで移動させる(図3参照)。これにより、印刷後に残った孔版20上の余剰樹脂が、テーブル54の樹脂回収面54A上に集められる。また、スキージ駆動機構によりをスキージ42を一旦上昇させるとともに図3中左側に移動させ、その後下降させることにより、回収箱57の一対のへら58,58の間に挿入させる。スキージ42が所定位置まで挿入されたら、一対のへら58,58を図示しない駆動機構により互いに近づけて、スキージ42に当接させる。その後、スキージ42をゆっくりと上昇させる(図4参照)と、スキージ42に付着していた余剰樹脂がへら58,58によって刮ぎ落とされる。余剰樹脂が刮ぎ落とされたスキージ42は、スキージ駆動機構により印刷開始前の位置まで戻す。
【0030】
(iii)余剰樹脂排出
次に、樹脂排出装置50の移動装置60を駆動させて樹脂排出装置50を図5中左側に移動させ、さらに昇降装置61を駆動させて上昇させる(図5参照)。樹脂排出装置50が最上位置まで上昇されると(図6参照)、樹脂回収テーブル53の上面が連通開口部18の周縁に圧接され、ガスケット56により気密に閉塞される(本発明の樹脂排出位置)。その後、樹脂排出室13の給気弁を開放して内部を大気圧と等しくし、扉19を開放させて樹脂排出室13を大気に解放させる(図7参照)。このように扉19を開放しても、真空印刷室11と樹脂排出室13とを連通させる連通開口部18は樹脂排出装置50の樹脂回収テーブル51によって閉塞されているから、真空印刷室11が大気に解放されることはない。そして、樹脂回収テーブル51上の樹脂およびへら58,58に付着している樹脂を取り除く。
【0031】
このように、回収された余剰樹脂が樹脂排出室13から取り除かれたら、再び扉19を閉じて樹脂排出室13を気密に閉塞させ、排気装置により真空印刷室11と同程度の真空度とする。その後、樹脂排出装置50を下降させる(図9参照)とともに横方向に移動させて、真空印刷室11内の樹脂回収位置へもどす。
【0032】
(iv)プリント配線基板の搬出および搬入
上記(ii)〜(iii)の工程が進んでいる最中に、印刷が終了したプリント配線基板Pを、印刷テーブル21をガイドレール24に沿って移動させることにより搬送室15内に移動させる。そして、印刷テーブル21を開口部16の下方の所定位置で停止させて、昇降装置30を上昇させることにより、搬送室15の上面壁部15Aの下面に圧接させる。これにより、真空印刷室11とワーク供給室12との間は気密に閉塞された状態となる。
【0033】
次に、ワーク供給室12の給気弁を開放して内部を大気圧と等しくし、蓋17を開放して、印刷後のプリント配線基板Pを取り出す。プリント配線基板Pが大気圧下に晒されると、ビアホール内の途中まで樹脂が充填されていて奥部に未充填部が残されていたとしても、大気圧と未充填部との圧力差により未充填部にも樹脂が押し込まれるようになる。
【0034】
そして、印刷テーブル21上に新たなプリント配線基板Pとこれに重ねた孔版20を載置して蓋17を閉じ、ワーク供給室内12を排気装置により真空印刷室11内と同程度の真空度として、真空印刷室11内に次のプリント配線基板Pを供給する。
【0035】
このように、本実施形態の真空印刷装置10によれば、真空印刷室11内の余剰な樹脂を樹脂排出装置50によって速やかに回収し、真空印刷室11を大気に開放させてしまうことなく樹脂排出室13を通じて外部へ排出することができる。したがって、印刷を行う度に余剰樹脂を排出するようにすれば、従来は使用できなかった溶剤型樹脂や光硬化型樹脂を使用することが可能となり、用途に応じて様々な特徴を有する樹脂を選択可能となるという優れた作用効果を奏する。また、特に本実施形態では、樹脂排出装置50を移動させて連通開口部18を開放するに先立ち、樹脂排出室13内を排気する構成としているから、樹脂排出室13から真空印刷室11内に空気が流入することがなく、真空印刷室11内を高真空状態に維持することができる。この結果、プリント配線基板Pの印刷の都度、大容量の真空印刷室11を排気しなくても済み、排気するとしても小容量の樹脂排出室13だけを排気すれば常に高真空状態に維持でき、排気に要する時間が短縮されるて生産性に優れる。
【0036】
しかも、本発明では、真空印刷室11と樹脂排出室13との間の連通開口部18を、本来は樹脂を排出するための樹脂排出装置50にて開閉する構成としているから、従来のようにわざわざ仕切扉や開閉扉を設ける必要がなく、装置の簡略化および設計の自由度が高まって装置の製造コストを安価にすることができる。
【0037】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0038】
(1)上記実施形態では、プリント配線基板Pのビアホール内に溶剤型樹脂を充填する例を挙げたが、これに限らず、例えばプリント配線基板に実装した電子部品を樹脂封止するために樹脂を印刷する場合に適用することもできる。この場合でも、表面においてプリント配線基板と電子部品との間、或いは電子部品相互間に存する開口や隙間に樹脂を効果的に充填することができる。また、充填する樹脂としては、電気的、物理的にどのような物性の樹脂であっても良く、例えば光硬化型樹脂を充填する場合に適用することもできる。
【0039】
(2)上記実施形態では、樹脂排出室13に排気装置を接続したが、その容積が真空印刷室11に比べて十分に小さい場合には排気を省略することもできる。また、樹脂排出室13に排気装置を接続する場合でも、真空印刷室11の排気のための真空ポンプと共用して切換弁によって切り換えるようにしてもよく、或いは、真空印刷室11と樹脂排出室13とをそれぞれ専用の真空ポンプによって排気するようにしてもよい。
【0040】
(3)上記実施形態では、プリント配線基板Pを、真空雰囲気下で印刷を行った後にワーク供給室12から搬出して大気圧下に晒すことにより、大気圧と未充填部との圧力差を利用して、未充填部に樹脂を押し込む構成としたが、これに限らず、真空印刷室内の真空度を変化させることによって圧力差を生じさせ、樹脂を充填させる構成としてもよい。例えば、真空印刷室11に給排気装置を接続しておき、ワークに印刷を行った後に真空印刷室11の給気弁を開放して内部の真空度を一旦低下させて、その圧力差により樹脂の押し込み充填を行う。この場合、再び真空度を高くすれば、押し込み充填により嵩減りした分だけ再び樹脂を印刷することができる。また、一旦低下させる真空度は大気圧にはおよばないため、再び真空度を高くする場合の排気時間もさほど要さない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる真空印刷装置の側面側の縦断面概略図(印刷開始状態)
【図2】同じく真空印刷装置の側面側の概略断面図(印刷途中状態)
【図3】同じく真空印刷装置の側面側の概略断面図(印刷終了状態)
【図4】同じく真空印刷装置の側面側の概略断面図(樹脂回収状態)
【図5】同じく真空印刷装置の側面側の概略断面図(樹脂排出装置移動状態)
【図6】同じく真空印刷装置の側面側の概略断面図(樹脂排出装置が樹脂排出位置にある状態)
【図7】同じく真空印刷装置の側面側の概略断面図(扉開放状態)
【図8】同じく真空印刷装置の側面側の概略断面図(余剰樹脂を取り除いた状態)
【図9】同じく真空印刷装置の側面側の概略断面図(樹脂排出装置移動状態)
【図10】同じく真空印刷装置の正面側の縦断面概略図
【符号の説明】
10…真空印刷装置
11…真空印刷室
13…樹脂排出室
14A…上面壁部
16…開口部
18…連通開口部
19…扉
20…孔版
21…印刷テーブル
40…印刷機
41…樹脂供給機構
42…スキージ
50…樹脂排出装置
51…樹脂回収テーブル
52…スキージ付着樹脂除去装置
54A…樹脂回収面
61…昇降装置
Claims (4)
- 真空雰囲気下でワーク表面に存する開口や隙間に樹脂を充填するための真空印刷装置であって、
前記ワーク表面に前記樹脂の印刷を行うための樹脂供給機構およびスキージを備えた印刷機と、
この印刷機を内部に収容し、前記ワークを出し入れ可能な開口部を有するとともに排気装置にて排気される真空印刷室と、
この真空印刷室に連通開口部を通じて連通可能に並設されるとともに大気に解放可能な扉を備える樹脂排出室と、
前記真空印刷室内において印刷後に残った余剰樹脂を回収する樹脂回収位置とその余剰樹脂を前記樹脂排出室を通じて外部へ排出させる樹脂排出位置との間を移動可能な樹脂排出装置とを備えることを特徴とする真空印刷装置。 - 前記樹脂排出装置は、前記ワークに印刷を行う時にその印刷面と連続する樹脂回収面を形成可能な樹脂回収テーブルと、印刷後に前記スキージに付着した前記樹脂を回収するためのスキージ付着樹脂除去機構とを備えることを特徴とする請求項1に記載の真空印刷装置。
- 前記樹脂排出室は前記真空印刷室の上面壁部に重ねて形成されているとともに前記樹脂排出装置は前記連通開口部の下方において昇降装置により昇降可能であり、前記樹脂排出装置が前記昇降装置により上昇され前記樹脂排出位置に移動した時に前記連通開口部を気密に閉塞することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空印刷装置。
- 前記樹脂排出室には前記扉を閉めた状態で内部の排気を行う排気装置が接続され、前記連通開口部が閉塞された状態で前記樹脂排出室内を排気可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の真空印刷装置。
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