JP2004058386A - レンズアレイ用型製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械加工によらずに凹部パターンが形成された安価なマイクロレンズアレイ用型を製造することができるレンズアレイ用型製造方法を提供する。
【解決手段】レンズアレイと同形状のメッキ母材を形成する母材形成工程と、このメッキ母材の表面に電界メッキを施して金属メッキ層5を形成するメッキ工程と、金属メッキ層5から上記メッキ母材を除去して金属メッキ層5からなるレンズアレイ用型を得る母材除去工程とを実施し、且つ、上記母材形成工程で、凸部支持体1の表面に流動物からなる複数の液滴2を付着させる液滴付着工程と、これら液滴2を硬化せしめて凸部支持体1上に上記レンズアレイの凸レンズと同形状の複数の凸部3を形成する液滴硬化工程とを実施するようにした。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成型法や押出成形法などによってレンズアレイを製造する際に用いるレンズアレイ用型を製造するレンズアレイ用型製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、マイクロレンズアレイの製造方法として、個々の凸レンズ部に対応する微小な凹部パターンが形成された金型を用いた射出成形法や押出成形法を実施してマイクロレンズアレイを成型するものが知られている。しかしながら、この方法では、マイクロレンズアレイの各凸レンズ部に対応して湾曲する微少凹部パターンを機械加工するのが非常に困難であることに起因して、非常に高価な金型を使用しなければならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、機械加工によらずに凹部パターンが形成された安価なマイクロレンズアレイ用型を製造することができるレンズアレイ用型製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、レンズアレイを成型するためのレンズアレイ用型を製造するレンズアレイ用型製造方法において、上記レンズアレイと同形状のメッキ母材を形成する母材形成工程と、該メッキ母材の表面に電界メッキを施して金属メッキ層を形成するメッキ工程と、該金属メッキ層から該メッキ母材を除去して該金属メッキ層からなるレンズアレイ用型を得る母材除去工程とを実施し、且つ、該母材形成工程で、凸部支持体の表面に流動物からなる複数の液滴を付着させる液滴付着工程と、該液滴を硬化せしめて該凸部支持体上に上記レンズアレイの凸レンズと同形状の複数の凸部を形成する液滴硬化工程とを実施することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のレンズアレイ用型製造方法において、上記母材形成工程にて、上記液滴付着工程を実施するのに先立ち、上記流動物の付着性について上記凸部支持体の面方向における特定領域を他の領域よりも良好にする処理を施して該付着性の違いによるパターンを形成するパターン形成工程を実施し、上記液滴付着工程で上記液滴を該特定領域に選択的に付着させることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2のレンズアレイ用型製造方法であって、上記凸部支持体は、ガラス製の下層と、これよりも上記付着性に劣る材料からなる表面層とを有し、且つ、上記パターン形成工程は、該表面層のうち、上記特定領域の部分だけを紫外レーザー光の照射によって除去することで、該凸部支持体の上記特定領域における上記付着性を他の領域よりも良好にする工程であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3のレンズアレイ用型製造方法であって、上記表面層が、ペルフルオロ(4−ビニルオキシ−1−ブデン)重合物を主成分とする材料からなることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項3又は4のレンズアレイ用型製造方法であって、上記液滴付着工程は、孔版を用いる孔版印刷によって上記液滴を上記特定領域上に選択的に印刷する印刷工程であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5のレンズアレイ用型製造方法であって、上記印刷工程にて、上記孔版を上記凸部支持体に密着させながら、該孔版の各孔に上記流動物を充填した後、該孔版と該凸部支持体とを離間させて各孔内の流動物を該凸部支持体上に液滴として転移させる際に、各孔内の上記流動物を押圧によって該凸部支持体に向けて押圧することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5又は6のレンズアレイ用型製造方法であって、上記凸部支持体の一方の面ともう一方の面とで、それぞれ複数の上記凸部を面方向にずらして形成することを特徴とするものである。
【0005】
これらのレンズアレイ用型製造方法においては、レンズアレイと同形状のメッキ母材からなる雄型を形成した後、これに対する電界メッキによって得た金属メッキ層から該メッキ母材を除去して、該金属メッキ層からなる雌型を得る。この雌型がレンズアレイの複数の凸レンズに対応する複数の凸レンズ成型用凹部を有するレンズアレイ用型となる。また、上記メッキ母材を形成する母材形成工程では、凸部支持体の表面に複数の液滴を付着・硬化させて、該凸部支持体上にレンズアレイの凸レンズと同形状の複数の凸部を突設せしめたメッキ母材を形成する。かかるレンズアレイ用型製造方法では、上記母材形成工程や、これによって得られた上記メッキ母材を用いてレンズアレイ用型を形成する工程で、凸レンズに対応する凸部や凹部を機械加工する必要が一切無い。よって、機械加工によらずに凹部パターンが形成された安価なマイクロレンズアレイ用型を製造することができる。
特に、請求項2、3、4、5、6又は7のレンズアレイ用型製造方法においては、上記母材形成工程にて、上記凸部支持体に対して上記流動物の付着性の違いによるパターンを形成する。そして、上記付着性のより良好な特定領域に流動物からなる液滴を選択的に付着させる。そうすると、この特定領域に付着させた液滴を、該特定領域よりも上記付着性に劣る領域で囲んで、該液滴の後者の領域への液ダレを抑える。そして、このことにより、液ダレに起因するメッキ母材の各凸部の大きさや形状のバラツキを抑え、ひいては、レンズアレイ用型の複数の凸レンズ成型用凹部における大きさや曲率のバラツキを抑えることができる。
また特に、請求項3、4、5、6又は7のレンズアレイ製造方法においては、メッキ母材の形成に用いる上記凸部支持体の凸部パターンを次のようにして形成する。即ち、凸部支持体として、ガラス製の下層と、これよりも流動物の付着性に劣る材料からなる表面層とを有するものを用いる。そして、表面層のうち、その面方向における上記特定領域の部分だけを紫外レーザー光の照射によって除去する。表面層が除去された特定領域は、該表面層よりも流動物の付着性に優れた下層を露出させる。そして、このことによって他の領域よりも良好な流動物付着性を発揮するようになることに加えて、ガラス製の上記下層が紫外レーザー光の照射によって親液化する。もともと表面層よりも良好な流動物付着性を発揮する下層が、紫外レーザー光の照射によって更に良好な流動物付着性を発揮するようになるのである。このような凸部パターン形成では、表面層の材料として、光照射による改質性(親水化性)を発揮するものを用いる必要がなく、単に上記下層よりも流動物の付着性に劣るものを用いればよい。よって、改質性を発揮するものを用いている特開2000−2802号公報に記載のマイクロレンズアレイ製造方法とは異なり、凸部支持体の表面層の材料として光照射による改質性を発揮しないものも用いることができる。
また特に、請求項4のレンズアレイ用型製造方法においては、上記凸部支持体として、ペルフルオロ重合物を主成分とする表面層を有するものを用いている。かかる構成では、流動物が付着し難くなるという性質をペルフルオロ重合物によって表面層に確実に発揮させながら、このような性質の該表面層を紫外レーザー光の照射によって容易に除去することができる。
また特に、請求項5、6又は7のレンズアレイ用型製造方法においては、凸部支持体に形成された複数の特定領域に対し、流動物の選択的な付着処理を孔版印刷によって一気に施すことができる。よって、凸部支持体上における複数の特定領域に対してせいぜい数領域といった単位で、マイクロシリンジ等の液滴噴射手段によって液滴を付着させる場合に比べ、メッキ母材の生産性を大幅に向上させることができる。
また特に、請求項6のレンズアレイ用型製造方法においては、上記孔版印刷にて孔版と凸部支持体とを離間させる際に、該孔版の各孔内の流動物を押圧によって押圧することで、各孔内に余すことなくそのほぼ全量を凸部支持体上に転移させることが可能になる。よって、流動物を孔版の各孔内に残留させてしまうことに起因するレンズアレイ用型の各凸レンズ成型用凹部の深さや曲率のバラツキを有効に抑えることができる。
また特に、請求項7のレンズアレイ用型製造方法においては、孔版印刷法によって凸部支持体上に凸部パターンを印刷する方法であるにもかかわらず、各凸部を十分に高密度に並べたメッキ母材を形成することができる。具体的には、金属印刷マスクやプラスチック印刷マスクなどの孔版については、金属やプラスチックなどからなる基材に複数の孔を貫いて印刷パターンを形成する。このような孔版では、各孔の形成密度を高くし過ぎると、孔間の基材部分に十分な強度を発揮させることができなくなるので、孔形成密度の上限が必然的に決まってしまう。そして、このことにより、凸レンズを高密度に並べたマイクロレンズ用型を製造することができなくなるおそれがある。そこて、本法では、凸部支持体の両面に対し、それぞれ複数の凸部を一方の面ともう一方の面とで厚み方向に重ねないように形成する。かかる構成では、メッキ母材の厚み方向において、一方の面における凸部間の空隙を、もう一方の面における凸部で補うことができる。そして、このことにより、孔版印刷法を用いるにもかかわらず、各凸レンズ部を十分に高密度に並べたレンズアレイを成型し得るレンズアレイ用型を製造することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用したレンズアレイ用型製造方法(以下、単に型製造方法という)の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る型製造方法の処理工程を示す工程ブロック図である。この型製造方法では、まず、成型対象となるマイクロレンズアレイと同形状のメッキ母材を形成するための母材形成工程(ステップ1;以下、ステップをSと記す)を実施する。そして、この母材形成工程では、少なくとも、凸部支持体上に流動物からなる複数の液滴を付着させる液滴付着工程(1a)と、付着させた液滴を硬化させる液滴硬化工程(1b)とを実施する。かかる母材形成工程により、マイクロレンズアレイの凸レンズ部と同形状の複数の凸部パターンを凸部支持体上に形成したメッキ母材を得ることができる。母材形成工程の後には、得られたメッキ母材に電界メッキを施して金属メッキ層を得るメッキ工程(S2)と、この金属メッキ層からメッキ母材を除去する母材除去工程(S3)とを実施する。
【0007】
図2は、上記母材形成工程で用いる凸部支持体を示す断面図である。図において、凸部支持体1は板状に形成されている。母材形成工程の液滴付着工程では、この板状の凸部支持体1におけるマイクロレンズアレイの各凸レンズ部に対応する位置に対し、図3に示すように流動物2からなる液滴をそれぞれ選択的に付着させる。そして、次の液滴硬化工程にて、これら液滴を硬化させて、図4に示すような、凸部支持体1上に複数のレンズ状の凸部3を突設せしめたメッキ母材4を得る。このような母材形成工程では、機械加工を全く行うことなく、マイクロレンズアレイの凸レンズパターンと同形状の凸部パターンを設けたメッキ母材4を得ることができる。
【0008】
液滴を上記凸部支持体1に選択的に付着させる方法としては、液滴噴射手段によって液滴を凸部支持体1の付着対象領域に向けて選択的に噴射する方法を用いることができる。このような液滴噴射手段としては、マイクロシリンジやインクジェットヘッドなどが挙げられる。また、液滴の元となる流動物を孔版印刷によって凸部支持体1の付着対象領域に選択的に印刷する方法を用いてもよい。
【0009】
上記液滴硬化工程で凸部支持体1上の液滴を硬化させる方法としては、液滴を乾燥させる方法や、化学的に変性させる方法などが挙げられる。但し、できるだけ液滴の径に近い凸部3を得るという観点から、液成分の蒸発を必要としない後者の方法が望ましい。本実施形態では、流動物2として紫外線硬化性樹脂を用いており、凸部支持体1上の液滴を液滴硬化工程で紫外光の照射によって変性させて硬化せしめる。よって、液滴の液成分の蒸発による凸部3の径縮小化を回避することができる。
【0010】
上記メッキ工程では、図5に示すように、上記母材形成工程によって得たメッキ母材4に対し、その少なくとも凸部形成面及び側面に電界メッキを施して、銅やニッケルなどからなる金属メッキ層5を形成する。そして、上記母材除去工程にて、図6に示すように金属メッキ層5からメッキ母材4を剥離する。これにより、マイクロレンズアレイの凸レンズパターンに対応する凹部パターンが形成された金属メッキ層5からなるレンズアレイ用型(以下、単に型という)が得られる。なお、上記メッキ工程において、メッキ母材4に電界メッキを施すのに先立って、メッキ母材の少なくともメッキ対象領域に離型剤を塗布しておけば、後の母材除去工程でメッキ層からの母材剥離を容易に行うことができる。また、凸部支持体1や上記流動物として、ある種の液体に溶解可能なものを用い、メッキ母材4をこの液体に溶解することで金属メッキ層5から除去するようにしてもよい。
【0011】
以上の各工程を実施する型製造方法では、メッキ母材4や、金属メッキ層5からなる型を得るべく、マイクロレンズアレイの凸レンズパターンに対応するパターンを機械加工する必要が一切無い。よって、型を機械加工によらずに安価に製造することができる。
【0012】
次に、より特徴的な構成要素を付加した実施例の型製造方法について説明する。
図7は、本実施例に係る型製造方法に用いる凸部支持体1を示す断面図である。図において、凸部支持体1は、ガラス製の下層1aの上に、表面層1bがコーティングされている。表面層1bは、ペルフルオロ(4−ビニルオキシ−1−ブテン)重合物からなるアモルファスフッ素系樹脂がトリス(パーフルオロブチル)アミンからなる希釈液に溶解された撥液処理剤の塗布・乾燥によって形成されたものである。
【0013】
上記ペルフルオロ(4−ビニルオキシ−1−ブテン)重合物は、次に列記する特性を有するアモルファスフッ素系樹脂(化学式;(C10O)n、化学名;フッ素系樹脂、化審法番号6−2092、Cas番号101182−89−2)である。
・ガラス転移温度;108[℃]
・融点;無し
・密度;2.03[g/cm
・臨海表面張力rc;19[mN/m]
・吸水率;0.01[%]未満
・デュロメーター硬度;HDD78
・線膨張係数7.4×10−5[cm/cm/℃]
【0014】
また、上記希釈液としては、トリス(パーフルオロブチル)アミン(化学式;(CN、化学名;TFPA、化審法番号2−173、Cas番号311−89−7)を用いている。この希釈液に上述のアモルファスフッ素系樹脂を溶解せしめた撥液処理剤は、旭硝子株式会社製造からサイトップ(商品名)として市販されており、水の接触角で110(deg)という優れた撥液性を発揮する。このような撥液処理剤による上記表面層1bの上記下層1aへのコーティングに際しては、予め下層1aにシランカップリング剤処理を施しておき、撥液処理剤の付着性を高めておくことが好ましい。このシランカップリング剤処理としては、例えば次に説明するものを用いることができる。即ち、エタノールや水などを希釈溶剤とする濃度=0.05〜1[%]のシランカップリング剤:HNCSi(OCに上記下層1aを1〜30分浸漬し、キュアを180℃で30分施す。そしてこの後、エタノールでシランカップリング剤を洗浄すればよい。
【0015】
上記上記撥液処理剤のコーティング方法としては、上記表面層1bの厚みが1[μm]以上、10[μm]以下の場合には、スピンコートやスプレーが適している。また、1[μm]以下の場合には、ディップコート(浸漬引き上げ)が適している。また、10〜20[μm]の場合にはポッティング(滴下)が適している。なお、上記撥液処理剤を刷毛塗りする方法や、静電塗装する方法などを用いても良い。後者の方法では、下層1aに塗布される上記撥液処理剤が、下層1aの表面電荷の極性とは反対極性に帯電せしめられて、下層1aに対して静電的な付着力を発揮する。撥液処理剤を帯電させる方法としては、例えば、所定の電界雰囲気中に霧状化(ミスト化)した撥液処理剤を噴霧する方法を用いることができる。
【0016】
上記下層1aにコーティングした上記撥液処理剤を乾燥する方法としては、次に説明するものを用いることができる。即ち、まず、乾燥時間と乾燥被膜(表面層1b)の厚みとに応じた乾燥温度を選択する。例えば乾燥時間を1時間とした場合、0.5[μm]以下、1[μm]程度、3[μm]程度、5[μm]以上の乾燥被膜を得るには、それぞれ80、120、140、150[℃]以上の乾燥温度が目安となる。なお、上記撥液処理剤を自然乾燥やエアー吹き付け乾燥させてもよい。また、下層1aの材料であるガラスが、上記撥液処理剤の乾燥によって得られたアモルファスフッ素系樹脂からなる表面層1bよりも良好な流動物付着性を発揮することは言うまでもない。
【0017】
本実施例に係る型製造方法では、上記母材形成工程において、パターン形成工程を実施してから上記液滴付着工程と上記液滴硬化工程と実施する。このパターン形成工程では、まず、図7に示した凸部支持体1に対して、紫外レーザー光の照射によって表面層1bを面方向に部分的に除去することで、凸部支持体1に流動物付着性の違いによるパターンを形成する。図8(a)に示すように、凸部支持体1に対して、その表面層1b側から紫外レーザー光Lを照射して表面層1bを面方向に部分的に除去する処理を繰り返し行うことでパターンを形成するのである。紫外レーザー光Lが照射された支持体部分は、図8(b)に示すように表面層1bが除去されることに加えて、ガラス製の下層1aがレーザー照射によって改質して親液化する。レーザー照射領域は、撥液性に優れた表面層1bの除去によって下層1aを露出させることで他の領域よりも良好な流動物付着性を発揮するようになることに加えて、下層1aの親液化によって更に流動物付着性を高めるのである。このようにして凸部支持体1の面方向に流動物付着性の違いによるパターンを形成する上で、表面層1bの材料として、光照射に伴って親液化する性質のものを用いる必要はない。単にガラス製の下層1aよりも良好な撥液性を発揮するもの(下層1aよりも流動物付着性に劣るもの)を用いればよい。よって、表面層1bの材料として光照射によって十分に改質しないものを用いても、凸部支持体1のレーザー照射領域(特定領域)と他の領域とで、流動物付着性の違いを十分につくり出すことができる。しかも、表面層1bの材料としてアモルファスフッ素系樹脂などといった撥液性に極めて優れた材料を用いれば、流動物付着性の違いをより大きくすることができる。なお、以下、凹部支持体1における既レーザー照射領域を親液化領域という。
【0018】
上記凸部支持体1に対する紫外レーザー光Lの照射については、公知の紫外レーザー加工装置を用いることで、レーザー照射位置をサブミクロン単位で調整した照射加工を実現することができる。紫外レーザー光Lとしては、例えば、エキシマレーザー光を用いることができる。紫外域の高強度パルス光を発振するエキシマレーザー装置から発せられた紫外レーザー光Lを、ガラス製の下層1aに照射することで、それを容易に改質させて親液化せしめることが可能である。
【0019】
本実施例に係る型製造方法では、上記液滴付着工程にて、凸部支持体1を上記流動物(2)に浸して取り出すだけでも、流動物(2)からなる液滴を凸部支持体1の上記親液化領域に選択的に付着させることができる。凸部支持体1の表面層1bの材料としてアモルファスフッ素系樹脂という撥液性に極めて優れたものを用いているからである。具体的には、凸部支持体1の上記親液化領域では親液化したガラスからなる下層1aが露出しているので流動物たる流動物が良好に付着する一方で、他の領域ではアモルファスフッ素系樹脂からなる表面層1bが流動物を弾くのである。しかしながら、このような液滴付着では、各液滴の量が大きくばらついてしまうので、最終的に型のレンズ成型用凹部の大きさや曲率にかなりの誤差を生じてしまう。よって、本実施例に係る型製造方法では、凸部支持体1を流動物に浸すのではなく、凸部支持体1の上記親液化領域に対して液滴を選択的に供給する方法で上記液滴付着工程を実施している。上述のような液滴噴射手段を用いる方法や、孔版印刷を用いる方法である。
【0020】
図9は、流動物の液滴Dと、これを付着させている被付着体Aとを示す側面図である。この図では、被付着体Aに対して液滴Dが付着した直後の状態を示している。液滴Dは、被付着体Aに付着すると、図示のように、被付着体Aとの非接触部分を自らの表面張力によって大きく湾曲させた形状になる。ところが、被付着体Aの表面の流動物付着性が比較的良好であると、液滴Dにおいて、その表面張力よりも、上記非接触部分を被付着体Aの未付着領域に付着させようとする力が打ち勝つ。そして、図10に示すように、液滴Dと被付着体Aとの接触領域が徐々に広がっていき、液滴Dの厚みが徐々に薄くなっていく。液滴Dが被付着体A上で液ダレを起こしてしまうのである。
【0021】
一方、本実施例に係る型製造方法では、このような液ダレを生ずることがない。具体的には、流動物2の液滴は、図11に示すような状態で上記凸部支持体1の親水化領域R1に付着する。凸部支持体1の親水化領域R1は、表面層1bが無いことから、表面層1bのある周囲の領域よりも一段低くなる凹部形状を有している。流動物2の液滴は、その下側部分がこの凹部内で周囲の壁(表面層1bによる壁)に囲まれるため、物理的に周囲に広がることができない。また、凹部に進入していない上側部分(表面層1bのレベルよりも高くなっている部分)は、壁に囲まれないものの、撥液性に優れた表面層1bの表面に囲まれる。このため、上側部分が周囲に広がろうとする力よりも、その表面張力と表面層1bの撥液力との合力が上回る。これらの結果、凸部支持体1の親水化領域R1上における流動物2の液ダレが有効に抑えられる。このようにして凸部支持体1の親液化領域R1に選択的に付着させた流動物2の液滴を、紫外光の照射によって硬化させれば、図12に示すような凸部3となる。
【0022】
なお、凸部支持体1に円断面状のレーザースポットではなく、六角形などの多角形断面状のレーザースポットを照射して多角平面状の親液化領域R1を形成すれば、多角形の凸部3を形成することも可能である。多角形の凸レンズを複数並べたハニカム配列のマイクロレンズアレイを成型し得る型が得られるのである。この場合、上述の液滴付着工程においても、親液化領域R1に対して選択的に供給したり印刷したりする液滴の断面形状を、予め多角形にしておくことが望ましい。孔版印刷による液滴の印刷を行う場合には、孔版の各貫通孔の断面を円形状でなく多角形状にすればよい。一方、上記液滴噴射手段による液滴の噴射を行う場合には、マイクロシリンジなどのノズルとして、その孔断面が円形状のものでなく、多角形状のものを用いればよい。多角形状の断面を有するノズルを製造する方法としては、本発明者が先に特開平11−323653号公報で提案した方法を用いることが望ましい。かかる方法においては、ノズル孔形状に対応する形状(例えば多角形断面形状)の樹脂線の周囲にメッキ処理を施して金属製のノズル基体を得る。このノズル基体から樹脂線を除去すれば、所望の形状の孔が形成されたノズルを製造することができる。樹脂線については、例えば、予め任意の断面形状に形成した棒状の樹脂体を伸延させるなどの方法により、所定の断面形状を保ったままで、外径が数ミクロンといった所望の極細線などを比較的容易に形成することが可能である。
【0023】
次に、更に特徴的な構成要素を含む具体例の型製造方法について説明する。
上述のように、流動物2を親液化領域R1に対して選択的に付着させる方法としては、流動物2の液滴を液滴供給手段によって供給する方法や、孔版印刷法などを用いることができる。しかしながら、マイクロシリンジやインクジェットヘッド等の液滴噴射手段を用いる方法では、凸部支持体1に対して液滴を多くても数個ずつという単位で噴射することになるので、メッキ母材の生産性が著しく悪くなってしまう。特に、流動物2については、硬化するという特性に起因して粘度のある程度高いものを用いるため、インクジェットヘッドを用いる場合には、ヘッドがすぐに目詰まりするおそれがある。そこで、本具体例の型製造方法では、凸部支持体1の親液化領域パターンに対応する孔パターンを形成した孔版を用いる孔版印刷により、凸部支持体1の各親水化領域R1上にそれぞれ流動物2を印刷する。かかるアレイ製造方法では、各親水化領域R1に対して流動物2を一気に印刷することが可能なので、液滴噴射手段を用いる方法に比べてメッキ母材の生産性を大幅に向上させることができる。
【0024】
図12は、本具体例に用いられる凸部支持体1を示す断面図である。この凸部支持体1は、下層1aの両面に表面層1bが被覆されている。一方の面だけでなく、もう一方の面にも表面層1bを備えているのである。これら表面層1bには、それぞれ親液化領域R1のパターンが形成されているが、互いの面でパターンの形成位置が異なっている。具体的には、それぞれの表面層1bで親液化領域R1が厚み方向に重ならないように、互いに面方向に半ピッチ(1ピッチ=片面におけるR1のピッチ)だけずらして形成されている。各親液化領域R1の径は、製造されるマイクロレンズアレイのレンズ径と同じであるが、各面における親液化領域R1のピッチはそのマイクロレンズアレイの解像度の1/2になっている。例えば、600[dpi]のマイクロレンズアレイであれば、片面における各親液化領域R1の径は600[dpi]のレンズと同じであるが、ピッチは300[dpi]になっている。一方の面における撥液領域(表面層1bが残っている領域)には、もう一方の面における親液化領域R1が位置している。このため、両面合わせて600[dpi]になる。
【0025】
図14は上述の孔版印刷で用いられる孔版印刷装置(以下、単に印刷装置という)を示す概略構成図である。この印刷装置10において、貫通孔からなる印刷パターンを有する孔版30はプラスチック材からなる版部30aと、これの互いに対向している図中の左右方向の端部に固定された2つの枠体30b,30cとを備えている。これら枠体30b,30cは、それぞれ印刷装置10の枠保持部材11,12に保持されている。枠保持部材11,12は、図示しないボールネジ等で構成された保持駆動機構によって図中上下方向にそれぞれ独立して駆動可能になっている。また、版部30aは、例えばエキシマレーザー装置からの紫外レーザー光を用いたアブレーション加工などによって図示しない複数の貫通孔からなる印刷パターンが形成されている。このような版部30aでは、アブレーション加工による貫通孔の内壁面の平滑性が良好なことに起因して、内部に充填された流動物をスムーズに抜けさせることができる。
【0026】
上記印刷装置10は、この保持駆動機構や2つの枠保持部材11,12の他、スキージ装置16やステージ13を備えている。また、ステッピングモータ14や上下動機構15などからなるステージ上下駆動手段も備えている。被印刷体としての凸部支持体1は、ステージ13上に固定されており、ステージ上下駆動手段によってステージ13とともに基板面方向に直交する上下方向に移動せしめられる。ステージ上下駆動手段は、ステッピングモータ14の駆動によってステージ13を上下移動させることで、凸部支持体1と、2つの枠保持部材11,12によって張架される孔版30との離間距離を調整する。
【0027】
図15は、印刷装置10の上記スキージ装置16を示す破断斜視図である。このスキージ装置16は、先に図14に示したように、2つの枠保持部材11,12によって張架される孔版30の図中上側に配設されており、図15に示すように、剤供給部17と加圧部19とを備えている。剤供給部17は、内部に図示しない流動物を収容しており、底側(図中下側)を全面的に開口させる底なし構造となっている。また、その上壁には、図示しない剤供給ホースから送られてくる流動物を受け入れるための複数の剤受入口18が、スキージング方向(図14や図15の矢印B方向)と直交する矢印C方向に並ぶように形成されている。このように複数の剤受入口18が形成されることで、剤供給部17の内部空間に対して流動物が矢印C方向に均一に補給される。加圧部19は、剤供給部17と一体に形成され、これと同様の底なし構造となっている。また、その上壁には、図示しないコンプレッサーからエアー供給ホースを介して送られてくる圧縮エアーを受け入れるためのエアー受入口20が形成されている。これら剤供給部17と加圧部19とは、例えば、ウレタンゴムやシリコンゴムなどのエラストマ樹脂弾性材料によって一体成型されている。そして、各側壁における底側近傍部分の厚みが他の部分よりも薄くなっており、剤スキージング時における上記版部30aとの摺擦によって撓むようになっている。但し、上記凸部支持体1や版部30aの表面が十分に平滑な場合には、剤供給部17や加圧部19をガラス、金属、セラミックスなどの高剛性のもので成型してもよい。
【0028】
スキージ装置16は、これら剤供給部17や加圧部19の他、図示しない駆動機構を備えている。この駆動機構は、図14に示したように、剤供給部17と加圧部19とを、孔版30の版部30aに向けて押圧しながら、少なくとも版面方向である図中矢印B方向に移動させる。この移動に伴い、孔版30の版部30aは撓んで凸部支持体1の印刷面(図中上側の面)に密着する。そして、図示しない複数の貫通孔に流動物が刷り込まれた後、版部30aから離間して各貫通口内の流動物を凸部支持体1上に転移させる。なお、図15においては図示を省略しているが、剤供給部17、加圧部19はともに、その長手方向(スキージング方向と直交する方向)における両端にも壁を有している。
【0029】
図16は、スキージ装置16によって流動物2のパターンが印刷されている途中の凸部支持体1を版部30aとともに示す拡大断面図である。スキージ装置16の剤供給部17に押圧された版部30a領域は凸部支持体1に向けて撓む。そして、その上面に剤供給部17からの流動物2が供給される。また、貫通孔の形成されていない部分を凸部支持体1の印刷面における上記撥液領域に密着させるとともに、各貫通孔を印刷面の親液化領域R1に対向させる。剤供給部17と加圧部19とが更に矢印B方向に移動すると、両部を仕切っている仕切壁によって版部30a上の流動物2が各貫通孔内に刷り込まれて凸部支持体1の親液化領域R1に接触する。このように、剤供給部17と加圧部17との間の仕切壁は、従来の印刷装置のスキージとして機能している。
【0030】
剤供給部17と加圧部19とが図中矢印B方向に更に移動すると、凸部支持体1に向けて撓んでいた版部30a領域が元の位置に戻ろうとして凸部支持体1から離間し始める。このとき、各貫通孔内の流動物2が親液化領域R1との付着力によってそこに留まろうとするため、各貫通孔内からすり抜け始める。そして、版部30aが凸部支持体1から完全に離間すると、流動物2が凸部支持体1の親液化領域R1に転移して凸部パターンとなる。従来の印刷装置では、各貫通孔内の印刷剤を被印刷体への転移を両者の付着力だけに頼っていた。そして、各貫通孔内に印刷剤の一部を残してしまうことがあった。しなしながら、本具体例で用いている印刷装置(10)では、各貫通孔内の流動物2をエアーによって凸部支持体1に向けて押圧することで、その転移を手助けしている。具体的には、図16において、凸部支持体1から離間し始めた版部30a領域には、加圧部19が密着しており、ここから送られてくるエアーによって各貫通孔内の流動物2が凸部支持体1に向けて押圧される。この押圧により、各貫通孔内の流動物2がほぼ余すことなく凸部支持体1の印刷面の親液化領域R1に転移する。よって、流動物2の印刷不足(貫通孔内からの転移量不足)による凸部3の厚みや曲率のバラツキを有効に抑えることができる。エアーによる押圧については、少なくとも流動物2が貫通孔を抜け始める位置から抜け終える位置までの間だけ加えられ、版部30aが流動物2から離れた後は、エアー圧が加わらないようになっている。なお、凸部支持体1に印刷された直後の流動物2は、版部30aの貫通孔の形状と同じ円柱状になっているが、その後しばらくすると自らの表面張力によって半球状の形状になる。
【0031】
図17は、一方の面だけに複数の凸レンズ部3からなるレンズパターンが形成された凸部支持体1を示す側面図である。本具体例に係る型製造方法では、凸部支持体1の一方の面に印刷した流動物2のパターンを紫外光の照射によって硬化させて図示のような凸部パターンを得る。そして、図18に示すように、凸部支持体1を反転させてそのもう一方の面にもパターンを印刷する。更に、印刷したパターンを紫外光の照射によって硬化させて凸部支持体1のもう一方の面にも凸部パターンを得る。そうすると、面方向に隣り合う凸部3間に殆ど隙間のない高密度の凸部アレイを製造することができる。よって、高密度のマイクロレンズアレイを成型し得る型を製造することができる。
【0032】
凸部支持体1のもう一方の面にレンズパターンを形成した後、もう一方の面にパターンを印刷する際には、図18に示したように、凸部支持体1を反転させて複数の凸レンズ部3からなるレンズパターンの側から支持しなければならない。そこで、図示の例では、上記ステージ(13)の表面に弾性部材からなる弾性層13aを設けている。凸部支持体1を反転させてこの弾性層13aに載置すれば、形成済みの凸部パターンを傷付けることがない。より望ましくは、図19に示すように、凸部3が形成されていない凸部間を支持するスペーサーパターンが形成されたスペーサー部材13bによって支持させるとよい。更に望ましくは、図20に示すように、凸部支持体1の凸部パターンに対応する凹部パターンを設けた支持部材13cによって支持させるとよい。
【0033】
先に図17に示したように、凸部支持体1のもう一方の面にもパターンを印刷する際には、凸部支持体1と版部30aの各貫通孔との相対位置関係を、先の印刷のときよりも面方向に半ピッチだけずらす必要がある。このようにずらす方法としては、先に図14に示した印刷装置10において、ステージ13を水平方向にずらす方法、ステージ13に固定される凸部支持体1を水平方向にずらす方法などが挙げられる。また、孔版30の張架位置を水平方向にずらす方法や、図示しない貫通孔の形成位置を半ピッチずらした孔版30に変える方法などを用いても良い。
【0034】
なお、図15を用いて、加圧部19を1つだけ設けたスキージ装置16について説明したが、複数設けてエアー圧を段階的に低くしてもよい。この場合には、過剰なエアー圧によって流動物2を上記版部30aの貫通孔から吹き飛ばすといった事態を抑えることができる。また、エアーによって貫通孔内に残存する流動物2を乾燥させたり、過剰なエアー圧によって版部30aへのダメージやストレスによる寸法精度を悪化させたりするといった事態も抑えることができる。
【0035】
また、図21に示すように、剤供給部17を挟むようにその両側に加圧部19を設けても良い。この場合は、スキージングの度にスキージ装置16を所定の印刷開始位置に戻す手間がなくなるので、効率よく印刷を行うことができる。
【0036】
【発明の効果】
請求項1、2、3、4、5、6又は7の発明によれば、機械加工によらずに凹部パターンが形成された安価なマイクロレンズアレイ用型を製造することができるという優れた効果がある。
特に、請求項2、3、4、5、6又は7の発明によれば、レンズアレイ用型の複数の凸レンズ成型用凹部における大きさや曲率のバラツキを抑えることができるという優れた効果がある。
また特に、請求項3、4、5、6又は7の発明によれば、凸部支持体の表面層の材料として、光照射による改質性を発揮しないものも用いることができるという優れた効果がある。
また特に、請求項4の発明によれば、流動物が付着し難くなるという性質をペルフルオロ重合物によって表面層に確実に発揮させながら、このような性質の該表面層を紫外レーザー光の照射によって容易に除去することができるという優れた効果がある。
また特に、請求項5、6又は7の発明によれば、マイクロシリンジ等の液滴噴射手段によって液滴を凸部支持体に選択的に付着させる場合に比べ、メッキ母材の生産性を大幅に向上させることができるという優れた効果がある。
また特に、請求項6の発明によれば、流動物を孔版の各孔内に残留させてしまうことに起因するレンズアレイ用型の各凸レンズ成型用凹部の深さや曲率のバラツキを有効に抑えることができるという優れた効果がある。
また特に、請求項7の発明によれば、孔版印刷法を用いるにもかかわらず、各凸レンズ部を十分に高密度に並べたレンズアレイを成型し得るレンズアレイ用型を製造することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る型製造方法の処理工程を示す工程ブロック図。
【図2】同型製造方法の母材形成工程で用いる凸部支持体を示す断面図。
【図3】付着対象領域に液滴を選択的に付着させた同凸部支持体を示す断面図。
【図4】同型製造方法の母材形成工程によって形成されたメッキ母材を示す断面図。
【図5】同メッキ母材と、これの表面に形成された金属メッキ層とを示す断面図。
【図6】同金属メッキ層からなる型を示す断面図。
【図7】実施例に係る型製造方法の母材形成工程に用いる凸部支持体を示す断面図。
【図8】(a)は、紫外レーザー光が照射される同凸部支持体を示す断面図。(b)は、この照射によって表面層が部分的に除去された同凸部支持体を示す断面図。
【図9】流動物の液滴と、これを付着させている被付着体とを示す側面図。
【図10】同被付着体上における液ダレを示す側面図。
【図11】同凸部支持体上に付着した流動物の液滴を示す断面図。
【図12】同型製造方法によって得られたメッキ母材を示す側面図。
【図13】具体例に係る型製造方法の母材形成工程に用いられる凸部支持体を示す断面図。
【図14】同母材形成工程の液滴付着工程に用いられる印刷装置を示す概略構成図。
【図15】同印刷装置のスキージ装置を示す破断斜視図。
【図16】同スキージ装置によって流動物のパターンが印刷されている途中の同凸部支持体を孔版の版部とともに示す拡大断面図。
【図17】一方の面だけに複数の凸部からなる凸部パターンが形成された同凸部支持体を示す断面図。
【図18】もう一方の面にパターンが印刷されている最中の同凸部支持体を孔版の版部とともに示す断面図。
【図19】同型製造方法に用いられるスペーサー部材を示す断面図。
【図20】同型製造方法に用いられる支持部材を示す断面図。
【図21】同スキージ装置の変形例を示す断面図。
【符号の説明】
1        凸レンズ支持体
1a      下層
1b      表面層
2        流動物
3        凸部
4        メッキ母材
5        金属メッキ層(レンズアレイ用型)
10       印刷装置
11,12    枠保持部材
13       ステージ
13a     弾性層
13b     スペーサー部材
13c     支持部材
14       ステッピングモータ
15       上下動機構
16       スキージ装置
17       剤供給部
18       剤受入口
19       加圧部
20       エアー受入口
30       孔版
30a     版部
30b,c   枠体
R1       親液化領域(特定領域)

Claims (7)

  1. レンズアレイを成型するためのレンズアレイ用型を製造するレンズアレイ用型製造方法において、
    上記レンズアレイと同形状のメッキ母材を形成する母材形成工程と、該メッキ母材の表面に電界メッキを施して金属メッキ層を形成するメッキ工程と、該金属メッキ層から該メッキ母材を除去して該金属メッキ層からなるレンズアレイ用型を得る母材除去工程とを実施し、且つ、該母材形成工程で、凸部支持体の表面に流動物からなる複数の液滴を付着させる液滴付着工程と、該液滴を硬化せしめて該凸部支持体上に上記レンズアレイの凸レンズと同形状の複数の凸部を形成する液滴硬化工程とを実施することを特徴とするレンズアレイ用型製造方法。
  2. 請求項1のレンズアレイ用型製造方法において、
    上記母材形成工程にて、上記液滴付着工程を実施するのに先立ち、上記流動物の付着性について上記凸部支持体の面方向における特定領域を他の領域よりも良好にする処理を施して該付着性の違いによるパターンを形成するパターン形成工程を実施し、上記液滴付着工程で上記液滴を該特定領域に選択的に付着させることを特徴とするレンズアレイ用型製造方法。
  3. 請求項2のレンズアレイ用型製造方法であって、
    上記凸部支持体は、ガラス製の下層と、これよりも上記付着性に劣る材料からなる表面層とを有し、且つ、上記パターン形成工程は、該表面層のうち、上記特定領域の部分だけを紫外レーザー光の照射によって除去することで、該凸部支持体の上記特定領域における上記付着性を他の領域よりも良好にする工程であることを特徴とするレンズアレイ用型製造方法。
  4. 請求項3のレンズアレイ用型製造方法であって、
    上記表面層が、ペルフルオロ(4−ビニルオキシ−1−ブデン)重合物を主成分とする材料からなることを特徴とするレンズアレイ用型製造方法。
  5. 請求項3又は4のレンズアレイ用型製造方法であって、
    上記液滴付着工程は、孔版を用いる孔版印刷によって上記液滴を上記特定領域上に選択的に印刷する印刷工程であることを特徴とするレンズアレイ用型製造方法。
  6. 請求項5のレンズアレイ用型製造方法であって、
    上記印刷工程にて、上記孔版を上記凸部支持体に密着させながら、該孔版の各孔に上記流動物を充填した後、該孔版と該凸部支持体とを離間させて各孔内の流動物を該凸部支持体上に液滴として転移させる際に、各孔内の上記流動物を押圧によって該凸部支持体に向けて押圧することを特徴とするレンズアレイ用型製造方法。
  7. 請求項5又は6のレンズアレイ用型製造方法であって、
    上記凸部支持体の一方の面ともう一方の面とで、それぞれ複数の上記凸部を面方向にずらして形成することを特徴とするレンズアレイ用型製造方法。
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