JP2004058203A - レンズ加工方法及びレンズ加工装置並びにレンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】ファッション性を損なうことなく、ヤゲン面の鏡面加工を短時間で行。
【解決手段】眼鏡用のレンズ1の外周面にヤゲンを仕上げた後、レンズ凹面1B側のヤゲン面1Rとこのヤゲン面1Rに接続される平坦面1Sを研磨する一方、レンズの凸面1A側のヤゲン面1Fは仕上げた状態を維持することにより、レンズ凹面1B側のヤゲン面1R及びこのヤゲン面1Rに接続される平坦面1Sは鏡面で形成される一方、レンズ凸面1A側のヤゲン面を不透明な面で形成された眼鏡用のレンズを仕上げる。
【選択図】  図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼鏡レンズ等のレンズを眼鏡フレームのレンズ枠に枠入れするため、レンズの外周端面にヤゲンを形成するレンズ加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のフレームでは、軽量化及びファッション性の向上等から細いリムで形成したものが普及し、このような細いリムからはみ出したレンズの美観を向上させるため、ヤゲン面を研磨するものが特開2000−108000号公報等に開示されている。
【0003】
これは、レンズ加工装置の研磨用砥石にヤゲン研磨部を設け、レンズの凸面側のヤゲン面と、凹面側のヤゲン面を2工程で研磨して鏡面加工を施すものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の加工方法においては、レンズの凸面側と凹面側のヤゲン面をそれぞれ研磨しているため、鏡面加工に要する時間が増大するという問題がある。単純に加工時間を短縮するのであれば、ヤゲン面の鏡面加工を行わず、仕上げ切削のままで加工完了とすることもできるが、この場合、フレームのリムからはみ出した凹面側の外周がファッション性を損なう場合があった。
【0005】
また、レンズの凸面側のヤゲン面に鏡面加工を施した場合、視野の外部となるレンズ外周から光が入射して、乱反射を招く場合もあった。
【0006】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、ファッション性を損なうことなく、ヤゲン面の鏡面加工を短時間で行うことを目的とし、さらに、レンズの凸面側のヤゲン面からの外乱光の入射を抑制することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、眼鏡用のレンズの外周面にヤゲンを仕上げた後、レンズ凹面側のヤゲン面とこのヤゲン面に接続される外周面を研磨する一方、レンズの凸面側のヤゲン面は仕上げた状態を維持することにより、レンズ凹面側のヤゲン面及びこのヤゲンに接続される外周面は鏡面で形成される一方、前記レンズの凸面側のヤゲン面を不透明な面で形成された眼鏡用のレンズを仕上げることができる。
【0008】
また、研磨用砥石には、レンズ凹面側のヤゲン面を研磨する所定の角度の斜面と、レンズ凹面側のヤゲン面に接続される外周面を研磨するテーパー面と、前記ヤゲンの頂部と当接する円筒面とを形成することで、レンズ凹面側のヤゲン面及びこのヤゲンに接続される外周面に鏡面加工を施す一方、前記レンズの凸面側のヤゲン面を不透明な面で形成された眼鏡用のレンズを仕上げることができる。
【0009】
【発明の効果】
したがって本発明は、レンズ凹面側のヤゲン面及び外周面のみに鏡面加工を施すだけで良いため、短時間で研磨を行うことが可能となって、レンズ加工の生産性を向上できる。そして、加工されたレンズは、凸面側のヤゲン面のみがヤゲン仕上げのままで不透明な面を有し、その他の外周面が鏡面加工で形成され、フレームへ枠入れした場合には、レンズ凹面側の鏡面加工によって眼鏡の美観を得ることができ、レンズの凸面側のヤゲン面は一部がフレームからはみ出るが、不透明な面によって外部からの光の入射を低減して内部での乱反射を防ぎ、見やすい眼鏡を提供することが可能となり、レンズ加工の生産性向上に加えて、ファッション性と眼鏡としての機能を両立させることが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0011】
図1はレンズ加工装置の要部を示す正面図で、レンズ加工装置の内部には、回転工具5(加工手段)を備えた主軸50が図示しないモータに連結され、所定の方向に回転する。
【0012】
回転工具5の上方には、レンズ(眼鏡レンズ)1を支持するレンズ保持軸4が回転工具5に対して相対変位可能に配設されている。このレンズ保持軸4は、前記従来例の特開2000−108000号公報等と同様に、主軸50と平行して配設され、レンズ1を回転させながら回転工具5に接離させ、また、回転工具5とレンズ1の当接位置を変更できるよう軸方向に変位可能に構成される。なお、図1において、主軸50及びレンズ保持軸4の軸方向をX軸、図中上下方向をZ軸とする。
【0013】
このためレンズ保持軸4は、図中X軸方向及びZ軸方向へ変位可能な支持ユニット(図示せず)に支持されており、この支持ユニットにはレンズ保持軸4を回転駆動するレンズ支持軸駆動モータ(図示せず)と、レンズ1を選択的に挟持押圧可能なチャック機構(図示せず)を備えている。そして、この支持ユニットは、予め測定したレンズ枠形状データ及びレンズ1のコバ厚に基づいてZ軸方向にレンズ保持軸4を駆動しながら回転させて、レンズ1が回転工具5に当接する位置(回転角度)に応じた切り込み深さを与えてレンズ1の研削を行う。
【0014】
ここで、レンズ保持軸4は、中央部で2分割されて、支持ユニットで軸支される軸4Lと、支持ユニットに設けたチャック機構に支持された押圧軸4Rからなり、図中左側の軸4Lがレンズ支持軸駆動モータに連結されて回転自在に支持され、図中右側の押圧軸4Rはチャック機構により、軸4Lに対して軸方向へ相対変位し、軸4Lに取り付けられたレンズ1を挟持、押圧し、加工圧力や切削抵抗に抗してレンズ1を支持する。なお、押圧軸4Rもレンズ支持軸駆動モータに連結されており、2つの軸4L、押圧軸4Rは同期的に回転する。
【0015】
なお、図1において、軸4Lは、レンズ1の凸面1A側を支持し、押圧軸4Rはレンズ1の凹面側1Bに当接し、押圧する。
【0016】
次に、レンズ1の回転研削を行うためにダイアモンドホイールで構成される回転工具5は、円筒状に形成された荒摺り用の荒砥石51と、荒摺り後のレンズ端面にヤゲンを形成し、または平摺り加工を行うためのヤゲン研削用のヤゲン仕上げ砥石52と、ヤゲン仕上げ後のヤゲン面(ヤゲン山の斜面)及び平摺り後のレンズ端面を鏡面加工するポリッシュ砥石53の3つの砥石が図1の右側から順に同軸上で配置され、内周を貫通した主軸50へ締結したものである。
【0017】
荒砥石51(メッシュ:#50〜150程度)、ヤゲン仕上げ砥石52(メッシュ:#400〜600程度)、ポリッシュ砥石53(メッシュ:#1000〜4000程度)は、荒削り、ヤゲン、平摺り、鏡面研磨の各工程における砥石の回転を実質的に変化させるのではなく、砥石の外径径はほぼ一定で、砥石の粒度を変化させることにより制御している。
【0018】
なお、本実施形態ではヤゲン仕上げ砥石52、およびポリッシュ砥石53は1種類しか示していないが、ヤゲンの種類は複数あるので、これらの砥石もヤゲンの種類に応じて複数あり、適宜主軸50に脱着される。
【0019】
ヤゲン仕上げ砥石52の外周表面にはV字状のヤゲン仕上げ溝52aが形成され、また、ヤゲン仕上げ砥石52のヤゲン仕上げ溝52aの左右に位置する外周表面には逃げ面52bが形成される。
【0020】
この逃げ面52bは、レンズの凸面側となる左側が狭く、凹面側となる右側が広くなっている。レンズの凹面側に位置する逃げ面52bの幅を、眼鏡レンズの凸面側に位置する逃げ面の幅よりも広くすることで、レンズ1の端面の厚いレンズに対応させることができる。
【0021】
そして、ヤゲン仕上げ溝52aの右側には、逃げ面52bの隣りに仕上げ用の平摺り加工を行う平摺り仕上げ面52cが形成される。
【0022】
鏡面加工を行うポリッシュ砥石53の外周表面には、レンズの凹面1B側のヤゲン面のみに鏡面研磨を施すヤゲンポリッシュ面53aが形成され、また、ヤゲンポリッシュ面53aの右側に位置する外周表面には逃げ面52bが形成される一方、ヤゲンポリッシュ面53aの左側にはレンズの凸面1A側のヤゲン面との当接を回避するための逃げ面(円筒面)53dが形成される。なお、ヤゲンポリッシュ面53aに隣接する逃げ面53bは、レンズ凹面1B側のヤゲン面に隣り合う外周面(平坦面)の鏡面加工を行うもので、所定の角度のテーパー面で形成される。
【0023】
この逃げ面53dの外径は逃げ面53bよりも小さく設定され、レンズ1の外周面に形成されたヤゲンの頂部のみと当接可能な円筒面で形成されており、その他はレンズの凸面1A側のヤゲン面との当接を回避する。
【0024】
また、ヤゲンポリッシュ面53aの右側に形成された逃げ面53bは、レンズ1の凹面1B側となる外周面を研磨するように形成されている。そして、ヤゲンポリッシュ面53aの右側で、逃げ面52bの隣りには平摺り加工で鏡面加工を施すための平摺り用ポリッシュ面53cが形成される。
【0025】
ここで、ヤゲン仕上げ砥石52とポリッシュ砥石53の詳細について、図2、図3を参照しながら説明する。
【0026】
まず、ヤゲン仕上げ砥石52は、図1に示す加工前のレンズ1に荒摺り加工を行って取り代を含んだ所定の形状に研削した後、図4で示すように、レンズの凸面1A側のヤゲン面1F、レンズ凹面1B側のヤゲン面1R及び平坦面(外周面)1Sを形成するものである。
【0027】
ヤゲン仕上げ溝52aは1番角と呼ばれる所定の角度2αのV字状の一対の傾斜面で構成され、これら傾斜面は、主軸50の軸線50cと直交する線または面に対してそれぞれ所定の角度αの傾斜面で形成され、図4に示したヤゲン面1F、1Rを研削する。
【0028】
このヤゲン仕上げ溝52aの両隣には、2番角と呼ばれる所定の角度βで構成される逃げ面52b、52b’が構成される。この所定の角度βは、主軸の軸線50cに対してなす角を示している。図中右側の逃げ面52bによって、図4に示したレンズ凹面側のヤゲン面1Rに接続する平坦面1Sが研削される。
【0029】
さらに、図中右側の逃げ面52bの隣りには、2番角よりも小さい所定の角度(3番角)γの傾斜を備えた平摺り仕上げ面52cが形成される。この所定の角度γは主軸の軸線50cに対する角度で示し、ほぼ水平に近い角度に設定されており、例えば、前記2番角を4°とした場合、平摺り仕上げ面52cの角度γは2°等に設定され、2番角βと3番角γとの角度差は僅少に設定される。
【0030】
平摺り加工は、原則として水平面(円筒面)で切削加工するが、傾斜角が緩ければ傾斜面で切削しても支障はない。そこで2番角βよりも小さい3番角γで傾斜した平摺り仕上げ面52cを形成し、逃げ面52bと平摺り仕上げ面52cとの境界Kが生じる。
【0031】
しかし、平摺り仕上げ面52cの3番角γと逃げ面52bの2番角βとの角度差は僅少であり、このような僅少な角度差だと、レンズ1の端面が境界Kからはみ出しても、実質的にレンズの端面に境界の筋が付くことはなく、美観を損なうことがない。
【0032】
ところで、逃げ面52bと平摺り仕上げ面52cとの傾斜の角度差を僅少にして逃げ面と平摺り仕上げ面52cとの境界での傾斜角度を可能な範囲で連続的にして、レンズ1の端面に境界Kの筋が付かないようにしても、境界に角度が存在する以上、完全には筋の発生を回避できない。しかしこの点については、平摺り加工の際にも、レンズ1のX軸方向の位置を制御して、レンズ1の凸面1A側端面の頂点が境界Kを越えないようにすれば、平摺り仕上げ面は傾斜角を付けなくても、従来通り水平面であってもよい。
【0033】
以上のように、ヤゲン仕上げ砥石52は、V字状のヤゲン仕上げ溝52aから遠ざかるにつれて2番角β、3番角γにより徐々に外径が増大する。
【0034】
次に、鏡面加工を行うポリッシュ砥石53は図3に示すように、図中左側の端部から逃げ面53d、ヤゲンポリッシュ面53a、逃げ面53b、平摺り用ポリッシュ面53cの順に形成され、また、逃げ面53dから平摺り用ポリッシュ面53cに向けて順次外径が大きくなる。
【0035】
まず、レンズの凹面側1Bのヤゲン面に鏡面加工を施すヤゲンポリッシュ面53aは、上記ヤゲン仕上げ砥石52の1番角と同様であり、主軸の軸線50cと直交する線または面に対して所定の角度αの傾斜面で形成され、図4に示したヤゲン面のうち、レンズ凹面側のヤゲン面1Rのみを研磨して鏡面加工を施す。
【0036】
このヤゲンポリッシュ面53aの右側には、上記2番角と同様の所定の角度βで構成される逃げ面53bが構成され、図4に示したレンズ凹面1B側の平坦面1Sを研磨して鏡面加工を施す。
【0037】
さらに、逃げ面53bの隣りには、2番角よりも小さい所定の角度(3番角)γの傾斜を備えた平摺りポリッシュ面53cが形成される。この3番角の角度γは上記ヤゲン仕上げ砥石52の平摺り仕上げ面52cと同様に、ほぼ水平に近い角度に設定されており、例えば、前記2番角を4°とした場合、3番角の角度γは2°等に設定され、2番角βと3番角γとの角度差は僅少に設定される。また、2番角βと3番角γの差による境界Kもヤゲン仕上げ砥石52と同様に設定される。
【0038】
ヤゲンポリッシュ面53aの図中左側(レンズの凸面1A側)には、主軸の軸線50cと平行する外周面で構成された水平な逃げ面53dが形成される。この逃げ面53dは、加工中にヤゲンの頂部(図4の頂部1T)に当接、研磨しながら加工中のレンズ1の逃げを抑制するものである。
【0039】
レンズ凹面側のヤゲン面1Rのみを研磨するには、ヤゲンポリッシュ面53aのみで行えばよいが、実際にはレンズの材質が樹脂等の弾性に富んだ素材の場合、レンズ1の外周は研磨の際の圧力によって図中左側へ逃げようとする。そこで、仕上げ工程で形成されたヤゲンの頂部1Tを研磨しながら当接することで、レンズ1が外周に逃げるのを防いで、鏡面加工を正確に行うことが可能となる。
【0040】
このように、ポリッシュ砥石53は、一端から平坦な逃げ面53d、ヤゲンポリッシュ面53a、逃げ面53b、平摺りポリッシュ面53cが形成されて、順次工具の外径が大きくなるように設定される。
【0041】
なお、ヤゲンの頂部1Tに当接する逃げ面53dは平坦でなくともよく、レンズの凸面側のヤゲン面1Fに接触しない範囲で傾斜させてもよい。この場合、レンズ1の外周の逃げを逃げ面53dの傾斜によって確実に防ぎ、鏡面加工をより正確かつ短時間で行うことができる。
【0042】
以上のような回転工具5によって、眼鏡用のレンズにヤゲン加工を行う手順について図5を参照しながら説明する。
【0043】
図5は、レンズ1をレンズ保持軸4にセットした後に行われる加工の手順を示すもので、図示しない測定装置からレンズ枠形状データを読み込んで、切削位置の演算を行ってから、ステップS1では、レンズ保持軸4の押圧軸4Rを挟持位置へ変位させ、材質などに応じた挟持圧力でレンズ1を挟持する。
【0044】
そして、図示しないコバ厚測定手段により、前記従来例の特開2000−108000号公報等と同様に、レンズ枠形状データに基づいてレンズ保持軸4を昇降させながら回転駆動してコバ厚の測定を行う(ステップS2)。
【0045】
測定が終わると、ステップS3で荒摺り加工を行う。レンズ1が荒砥石51と対向するようにX軸方向の位置決めを行ってから、主軸50を所定の回転速度で駆動し、レンズ枠形状データに基づいてレンズ1の回転角度に応じた切り込み深さで外周の荒削りを行う。なお、レンズ1を荒砥石51に押圧する荷重は、レンズ1の材質などに応じて予め設定したものである。
【0046】
次に、ステップS4では、ヤゲン仕上加工を行う。
【0047】
予め測定したコバ厚等から割り出したヤゲンの山の頂点位置(図4の頂部1T)と予め設定したヤゲンカーブの情報を与えながら仕上げ加工が行われる。ヤゲン仕上げ加工では、レンズ端面におけるヤゲンの山の頂点位置が、端面幅(レンズ厚)方向に関して表面縁、裏面縁のそれぞれとヤゲンの山の頂点との距離の比が予め選択・設定された一定値に保持された状態でヤゲン仕上げ加工が行われる。レンズ1の端面にヤゲンを形成するためには、ヤゲンカーブを決定する必要があるが、ここではヤゲンカーブの求め方については詳述しない。
【0048】
ヤゲン仕上げ加工では、加工後のヤゲン山の頂点位置と砥石52のヤゲン仕上げ溝52aの最深部が一致するように、予め図示しない制御手段で演算したヤゲン加工用データに基づきレンズ保持軸4のX軸位置を制御する必要がある。
【0049】
すなわち、レンズ保持軸4をX軸方向に駆動して、ヤゲン仕上げ砥石52に対向する所定位置までレンズ1を移動させる。その後、レンズ保持軸4を回転させながらレンズ1をヤゲン仕上げ砥石52に圧接させるとともに、主軸50を回転させ、且つレンズ保持軸4をレンズ枠形状データに基づいて昇降させる。
【0050】
ステップS5では、ヤゲン仕上げ加工を終了した後、白く不透明なヤゲン面のうち、凹面側のヤゲン面1Rと平坦面1Sのみを透明にするためにヤゲン仕上げレンズを鏡面研磨する。
【0051】
レンズ保持軸4をヤゲン仕上げ砥石52から上昇させた後、レンズ1がポリッシュ砥石53に対向するようレンズ保持軸4をX軸方向に駆動する。そして、図6に示すように、レンズ保持軸4を下降させ、レンズ1に所定の荷重を加えて研磨を行う。この研磨においても上記ヤゲン仕上げと同様に、レンズ枠形状データに基づいてレンズ保持軸4を昇降させながら回転させて、ヤゲン仕上げ後に残された所定の取り代を研磨する。
【0052】
すなわち、図6において、レンズ保持軸4のX軸方向位置は、レンズ凹面側のヤゲン面1Rがヤゲンポリッシュ面53aに対向する位置に設定され、この位置で研磨を行うと、ヤゲン仕上げされたレンズ1の凹面側のヤゲン面1Rと平坦面1Sがヤゲンポリッシュ面53と逃げ面53bにより鏡面加工される一方、凸面側のヤゲン面1Fは、外径の小さい逃げ面53dと対向するだけで研磨されることはなく、白く不透明なヤゲン面1Fのままとなるが、鏡面加工に要する工程は、凹面側のヤゲン面1R及び平坦面1Sのみを研磨するだけで良く、前記従来例のように凸面側と凹面側をそれぞれ鏡面加工する場合に比して、加工時間を大幅に短縮することが可能となる。
【0053】
こうして、荒削り加工、ヤゲン仕上げ加工、鏡面加工を終えたレンズ1は、図4で示すように、レンズ凹面側のヤゲン面1Rと平坦面1Sは鏡面加工が施されて透明な端面に仕上げられる一方、レンズ凸面1A側のヤゲン面1Fは仕上げ加工のままで、白く不透明なヤゲン面となる。
【0054】
このような鏡面加工を施されたレンズ1をフレーム2に枠入れすると、図7のようになる。図7は、枠入れした眼鏡の側面図で、正面に次いで眼鏡の美観を強く訴えることのできる部分である。
【0055】
鏡面加工を施したレンズ凹面側のヤゲン面1Rの一部と、平坦面1Sはフレーム2から露出し、レンズ1の美観を高めることができる。一方、鏡面加工を行っていない白濁した凸面側のヤゲン面1Fは、そのほとんどがフレーム2に覆われてしまい、眼鏡全体の美観を損なうことはない。
【0056】
ここで、鏡面加工を行っていないヤゲン面1Fは、凸面1A側から見た場合、図8のようになり、所定の傾斜を備えた周縁が白濁した面となって、外乱光の入射を防止することになる。
【0057】
図7のような眼鏡を装着した場合、レンズ凹面1B側の正面には顔があり、上方には髪や眉が、また、下方には頭部の陰などが生じやすいため、これらレンズ凹面側からのレンズ1に入射する光は極めて少なく、したがって、これらレンズ凹面側に鏡面加工を施してもレンズ1内で乱反射を招く恐れは極めて少ない。
【0058】
これに対して、レンズの凸面側のヤゲン面1Fには、太陽光や照明などが照射され、極めて外乱光が入射しやすい環境にさらされているため、凸面側のヤゲン面1Fに鏡面加工を行わず、仕上げ加工のままの白濁した面としておくことで、不要な光の入射を防いでレンズ1内の乱反射を防ぐことができるのである。
【0059】
したがって、凹面側のヤゲン面1R及び平坦面1Sに鏡面加工を行い、凸面側のヤゲン面1Fを仕上げ加工の状態とすることで、眼鏡としたときのファッション性を向上させながらも、外乱光の入射を防止した見やすい眼鏡を提供できるのである。
【0060】
なお、上記実施形態では、レンズの凸面1A側に平坦面を形成しない場合を示したが、平坦面を形成しても上記と同様の作用効果を得ることができる。この場合、平坦面はできる限り小さくなるようヤゲンカーブやヤゲンを立てる位置を設定するのが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形を示し、レンズ加工装置のレンズ保持軸と主軸の関係を示す概略正面図である。
【図2】ヤゲン仕上げ砥石の側面図である。
【図3】ポリッシュ砥石の側面図である。
【図4】加工を完了したレンズの側面図である。
【図5】加工の手順を示す流れ図である。
【図6】鏡面加工の様子を示し、レンズ保持軸と主軸の概略正面図である。
【図7】フレームに枠入れしたレンズの側面図である。
【図8】加工後のレンズの正面図である。
【符号の説明】
1 レンズ
1F、1R ヤゲン面
1S 平坦面
2 フレーム
4 レンズ保持軸
52 ヤゲン仕上げ砥石
52a ヤゲン仕上げ溝
53 ポリッシュ砥石
53a ポリッシュ面
53b 逃げ面
53c 平摺りポリッシュ面
53d 逃げ面

Claims (6)

  1. 眼鏡用のレンズの外周面にヤゲンを仕上げた後、研磨を行うレンズ加工方法において、
    前記レンズ外周面に形成されたヤゲンのうち、レンズ凹面側のヤゲン面とこのヤゲン面に接続される外周面を研磨する一方、レンズの凸面側のヤゲン面は仕上げた状態を維持することを特徴とするレンズ加工方法。
  2. 前記レンズ凹面側のヤゲン面及びこのヤゲン面に接続される外周面の研磨は、レンズ凹面側のヤゲン面に対応した斜面及びレンズ凹面側の外周面に対応する研磨面を備えた研磨用の砥石に、前記レンズ凹面側のヤゲン面及びこのヤゲン面に接続される外周面を当接させて研磨を行うことを特徴とする請求項1に記載のレンズ加工方法。
  3. レンズ保持軸に支持された眼鏡用のレンズを、荒削り砥石とヤゲン仕上げ砥石及び研磨用砥石に順次押圧してレンズ外周面の加工を行うレンズ加工装置において、
    前記ヤゲン仕上げ砥石は、レンズ外周面に形成するヤゲンに対応する所定の角度で形成されたV字状の溝部と、この溝部の両側に前記ヤゲンに隣り合う平坦面を研削するテーパー面とを備え、
    前記研磨用砥石は、レンズ凹面側のヤゲン面を研磨する所定の角度の斜面と、レンズ凹面側のヤゲン面に接続される外周面を研磨するテーパー面と、前記ヤゲンの頂部と当接する円筒面とを備えたことを特徴とするレンズ加工装置。
  4. 前記研磨用砥石は、前記斜面の外周側でテーパー面と接続する一方、前記斜面の内周側で前記円筒面に接続することを特徴とする請求項3に記載のレンズ加工装置。
  5. 前記研磨用砥石は、前記テーパー面の隣りに平摺り用の研磨面を形成したことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のレンズ加工装置。
  6. 外周面にヤゲンを形成した眼鏡用のレンズにおいて、
    前記レンズ凹面側のヤゲン面及びこのヤゲンに接続される外周面を鏡面で形成する一方、前記レンズの凸面側のヤゲン面を不透明な面で形成したことを特徴とするレンズ。
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