JP2004057255A - 内視鏡の先端部 - Google Patents

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Abstract

【課題】照明窓の表面と観察窓の表面とが同じ透明カバーで被覆された内視鏡の先端部において、照明窓と観察窓との間の距離を徒に離すことなくフレアーやゴーストのない良好な観察像を得ることができるようにすること。
【解決手段】照明光を射出する照明窓4と光像をとり入れる観察窓3とが挿入部の先端2に並んで配置され、照明窓4の表面と観察窓3の表面とが同じ透明カバー11で被覆された内視鏡の先端部において、透明カバー11の照明窓4と観察窓3との間の位置に、表面が滑らかな曲面状で根部が窄まった形状の突起13を透明カバー11との一体成形により形成した。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は内視鏡の先端部に関し、特に、挿入部の先端に設けられた照明窓と観察窓とが同じ透明カバーによって被覆された内視鏡の先端部に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、内視鏡を介しての患者から患者への感染を未然に確実に防止する必要性が高まっている。
【0003】
その方策として、内視鏡の挿入部に対して被脱自在な水密性のシースを設けて、内視鏡にシースを被覆した状態で使用し、使用後にそのシースを新しいものと交換するのが一つの有力な手段である。そのようにする場合、照明窓と観察窓の表面にあたるシース部分は透明に形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
照明窓101と観察窓103の表面を連続的な一枚の透明カバーで被覆すると、例えば図5に示されるように、照明窓101から射出された照明光が透明カバー102の厚みの中で反射を繰り返して観察窓103内に入射し、観察視野にフレアーやゴーストが発生してしまう場合がある。
【0005】
ただし、透明カバー102中での反射回数が多くなるにしたがって反射光の強度が弱くなるので、照明窓101と観察窓103との間の距離を一定以上離せば透明カバー102中を伝わって観察窓103内に入射する光がフレアーやゴーストとして認識されなくなる。
【0006】
しかし、そのように構成すると照明窓101と観察窓103との間が徒に離れることになって内視鏡の挿入部先端が太くなり、内視鏡検査を受ける患者に与える苦痛が大きくなってしまう。
【0007】
そこで本発明は、照明窓の表面と観察窓の表面とが同じ透明カバーで被覆された内視鏡の先端部において、照明窓と観察窓との間の距離を徒に離すことなくフレアーやゴーストのない良好な観察像を得ることができるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡の先端部は、照明光を射出する照明窓と光像をとり入れる観察窓とが挿入部の先端に並んで配置され、照明窓の表面と観察窓の表面とが同じ透明カバーで被覆された内視鏡の先端部において、透明カバーの照明窓と観察窓との間の位置に、表面が滑らかな曲面状で根部が窄まった形状の突起を透明カバーとの一体成形により形成したものである。
【0009】
なお、突起の断面形状が略円形であってもよい。また、突起が透明カバーの外面に突出形成されていてもよく、或いは、透明カバーの内面に突出形成されていてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1において、1は、内視鏡の挿入部可撓管の先端部分であり、その先端に連結された先端部本体2の先端面に、光像をとり入れる観察窓3と照明光を射出する照明窓4とが並んで配置されている。照明窓4には凹レンズが嵌め込まれている。
【0011】
観察窓3の内側には対物光学系5が配置され、その対物光学系5による被写体の投影位置にイメージガイドファイババンドル6の像入射面(又は固体撮像素子の撮像面)が配置されている。照明窓4の内側には、ライトガイドファイババンドル7の射出端が配置されている。
【0012】
10は、挿入部可撓管1に着脱自在に被覆される被覆シースであり、その先端部分には先端部本体2の先端面を被覆する例えばポリプロピレン又はポリエチレン等のような透明なプラスチックからなる透明カバー11が取り付けられており、観察窓3と照明窓4とが同じ透明カバー11により各々密着被覆された状態になっている。
【0013】
そのような透明カバー11は、全体として一定の厚みに形成されているが、透明カバー11の照明窓4と観察窓3との間に位置する部分の外表面に、表面が滑らかな曲面状で根部が窄まった形状の突起13が、透明カバー11に対して継ぎ目などがないように、透明カバー11との同材料による一体成形で形成されている。
【0014】
図2は、照明窓4と観察窓3を正面から見た内視鏡挿入部先端の正面図であり、照明窓4の中心と観察窓3の中心とを通るI−Iは、図1に図示されている断面部分を示している。
【0015】
突起13は、I−I断面においては図1に示されるように円形を少し押しつぶした形状に形成されており、幅方向には、図2に示されるように照明窓4と観察窓3をの間を遮る程度の幅を有し、概ね根部が窄まった蒲鉾状に形成されている。
【0016】
このように構成された実施例の内視鏡の先端部においては、照明窓4から射出された照明光のうち大半の光は透明カバー11を透過して被写体に照射されるが、一部の光は透明カバー11の表面(例えば、図1に示されるA点)で反射されて透明カバー11の厚み内に戻される。
【0017】
しかし、そのような光が透明カバー11に形成された突起13に差しかかって突起13内に進入すると、図1に示されるように、突起13内から透明カバー11の厚み内に戻るまでに突起13内で何回も反射を繰り返して、その強度が減衰する。
【0018】
その結果、突起13内から透明カバー11の厚み内へ戻って観察窓3に達する光があっても、その強度は透明カバー11の厚み内だけで反射を繰り返して観察窓3に達する場合より著しく小さくて、実質的にフレアーやゴーストとして認識されない。
【0019】
したがって、透明カバー11の照明窓4と観察窓3との間の部分に突起13を設けるだけで、照明窓4と観察窓3との間の距離を大きくすることなく、観察窓3を通してコントラストのよい良好な観察像を得ることができる。
【0020】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば図3に示される第2の実施例のように、突起13を透明カバー11の内面側に突出形成してもよい。このようにすれば、透明カバー11の外表面を平らに形成することができて、フレアーやゴーストに関しては突起13を外面側に突出形成した第1の実施例と同様の効果が得られる。
【0021】
なお、この第2の実施例においては、図3に示されるように、突起13の断面形状を正円形にしてあるが、第1の実施例と同様の潰れた円形状であっても差し支えなく、第1の実施例の突起13を第2の実施例と同様の正円形の断面形状に形成しても差し支えない。
【0022】
また、図4に示される第3の実施例のように、突起13の観察窓3に面する側の面に連続して、透明カバー11内に侵入するスリット14を形成すれば、突起13に差しかかった後に観察窓3側に達する光を一段と少なくすることができる。
【0023】
また、突起13の表面を光吸収性のよい黒色にしたり、光を散乱させる微細な凹凸面にすること等によっても、突起13に差しかかった後に観察窓3に達する光の強度を一段と弱めることができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、透明カバーの照明窓と観察窓との間の位置に、表面が滑らかな曲面状で根部が窄まった形状の突起を透明カバーとの一体成形により形成したことにより、照明窓を出てから透明カバーの厚み内を通って観察窓側に向かう光の強度が、突起内で反射を繰り返すことによって減衰するので、照明窓と観察窓との間の距離を徒に離すことなくフレアーやゴーストのない良好な観察像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の内視鏡の先端部の側面断面図(図2におけるI−I断面図)である。
【図2】本発明の第1の実施例の内視鏡の先端部の正面図である。
【図3】本発明の第2の実施例の内視鏡の先端部の側面断面図である。
【図4】本発明の第3の実施例の内視鏡の先端部の側面断面図である。
【図5】従来の内視鏡の先端部の側面断面図である。
【符号の説明】
1 挿入部可撓管
2 先端部本体
3 観察窓
4 照明窓
5 対物光学系
10 被覆シース
11 透明カバー
13 突起

Claims (4)

  1. 照明光を射出する照明窓と光像をとり入れる観察窓とが挿入部の先端に並んで配置され、上記照明窓の表面と上記観察窓の表面とが同じ透明カバーで被覆された内視鏡の先端部において、
    上記透明カバーの上記照明窓と上記観察窓との間の位置に、表面が滑らかな曲面状で根部が窄まった形状の突起を上記透明カバーとの一体成形により形成したことを特徴とする内視鏡の先端部。
  2. 上記突起の断面形状が略円形である請求項1記載の内視鏡の先端部。
  3. 上記突起が上記透明カバーの外面に突出形成されている請求項1又は2記載の内視鏡の先端部。
  4. 上記突起が上記透明カバーの内面に突出形成されている請求項1又は2記載の内視鏡の先端部。
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