JP2004056872A - ホールセンサ付きリニアモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】可動子のストローク方向の長さを短くして、有効ストロークを犠牲にすることがない、かつ電機子コイルの熱でホールセンサが熱損傷することのないホールセンサ付きリニアモータを提供する。
【解決手段】交互に極性が異なるように隣り合わせに並べて配置された複数のマグネット22と、マグネット22を配置した界磁ヨーク21とを有する固定子20と、マグネット22と磁気的空隙を介して対向配置された電機子コイル13と、電機子コイル13を片側にのみ取り付ける基板12と、可動子ベース11とを有する可動子10と、から構成されるリニアモータにおいて、基板12の電機子コイル13の取り付け側とは反対側面にホールセンサHを取り付け、しかも基板12の上に配置したホールセンサHが突出する部分に対向するマグネット22の部分22aを切り欠いた。
【選択図】 図2
【解決手段】交互に極性が異なるように隣り合わせに並べて配置された複数のマグネット22と、マグネット22を配置した界磁ヨーク21とを有する固定子20と、マグネット22と磁気的空隙を介して対向配置された電機子コイル13と、電機子コイル13を片側にのみ取り付ける基板12と、可動子ベース11とを有する可動子10と、から構成されるリニアモータにおいて、基板12の電機子コイル13の取り付け側とは反対側面にホールセンサHを取り付け、しかも基板12の上に配置したホールセンサHが突出する部分に対向するマグネット22の部分22aを切り欠いた。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コアレス形の電機子コイルを有する電機子を可動子とし、界磁を固定子とした可動コイル型コアレスリニアモータに関し、特にホールセンサ付きリニアモータの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の可動コイル型コアレスリニアモータはその可動子のストローク端面にホールセンサユニットを磁気コイルと並ぶようにして取り付けて磁極検出を行なっていた。図4はその可動コイル型コアレスリニアモータを示す図で、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A線に沿う正断面図である。図4において、10は可動子、20は固定子である。可動子10は可動子ベース11と、この可動子ベース11に下方へ向けて立設された基板12と、この基板12に固定された電機子コイル13と、これらを囲む図示しない樹脂モールドとから構成されている。
一方、固定子20は、界磁ヨーク21と、この界磁ヨーク21に固定されたマグネット22とから構成されている。
このような構成の可動コイル型コアレスリニアモータにおいて、固定子側のマグネット22の磁極位置を可動子側が検知するために、従来よりホールセンサが可動子10に取り付けられている。図4において、Hがホールセンサで、このホールセンサHはホールセンサユニット15の中に収納され、このホールセンサユニット15を可動子ベース11の進行方向の端面に設置していた。
しかしながら、可動子10のストローク端面にホールセンサユニット15を電機子コイル13と並ぶようにして取り付けるのでは、可動子10のストローク方向にホールセンサユニット15が突き出す構造となるため、可動子全体としてのストローク方向長さが長くなり、ホールセンサが突き出した分有効ストロークが犠牲になってしまう、という問題があった。
すなわち、図4において、L1が固定子20の長さで、L2が可動子10の長さ、L3がホールセンサ15の長さとすると、可動子10が動ける範囲(ストローク)L4は、式(1)で表される。
L4=L1−(L2+L3) ・・・(1)
したがって、ホールセンサ15を設置したことにより、ホールセンサの長さL3の分だけストロークが短くなってしまった。
【0003】
また、ホールセンサユニットを可動子の有効ストローク方向に設置しない公知例としては、実開平7−11890号公報記載の可動子がある。これは電機子コイル内にホールセンサを配置し、磁極検出を行なっているものである。
ところが、この可動子によればホールセンサを電機子コイルと同一面に配置しているため、ホールセンサの熱損傷を防ぐための放熱対策が必要であり、その分モータ性能を十分生かされないこととなった。
しかもこの可動子では、電機子コイル内に配置したホールセンサが故障などした場合にホールセンサの交換あるいはリニアモータの修理が非常に困難になるという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の第1の目的は、可動子のストローク方向の長さを短くして有効ストロークが犠牲にならない、しかもメンテナンスが容易なホールセンサ付きリニアモータを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、ホールセンサに熱が直接伝わらないようにしてセンサの損傷を防止したホールセンサ付きリニアモータを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載のホールセンサ付きリニアモータは、交互に極性が異なるように隣り合わせに並べて配置された複数のマグネットと、該マグネットを配置した界磁ヨークとを有する固定子と、前記マグネット列と磁気的空隙を介して対向配置された電機子コイルと、該電機子コイルを両側に取り付ける基板と、可動子ベースとを有する可動子と、から構成されるリニアモータにおいて、ホールセンサを前記固定子幅方向中心近くに配設すると共に前記マグネットの上面と対向する可動子ベースの内側に取り付けたことを特徴とする。
これによって、ホールセンサがストローク方向に電機子コイルと並ぶことがなくなるため、可動子全体としてのストローク方向長さはホールセンサを取り付ける前後で変わることがなく、よって同じ固定子長さに対してホールセンサを取り付けることによりストロークが短くなるということはない。さらに、ホールセンサを固定子幅方向中心近くに取り付けるので、検出精度が向上する。
請求項2記載のホールセンサ付きリニアモータの発明は、交互に極性が異なるように隣り合わせに並べて配置された複数のマグネットと、該マグネットを配置した界磁ヨークとを有する固定子と、前記マグネット列と磁気的空隙を介して対向配置された電機子コイルと、該電機子コイルを両側に取り付ける基板と、可動子ベースとを有する可動子と、から構成されるリニアモータにおいて、前記基板の前記電機子コイル取り付け側とは反対側面にホールセンサを取り付けたことを特徴とする。
これによって、有効ストロークを犠牲にすることなく、しかも熱によるセンサの損傷をきたさずに磁極検出ができるようになる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載のホールセンサ付きリニアモータにおいて、前記基板上に配置した前記ホールセンサの突出する部分に対向する前記マグネット部分を切り欠いたことを特徴とする。
これによって、隙間を確保し、磁気的空隙を犠牲にすることなく使用できるようになる。
請求項4記載の発明は、請求項2記載のホールセンサ付きリニアモータにおいて、前記ホールセンサを前記可動子ベースの内側にもぐり込ませたことを特徴とする。
これによって、マグネットの切り欠きをしなくても使用できるようになる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。
[第1実施例]
図1は本発明の第1実施例を示す可動コイル型コアレスリニアモータであって、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A線に沿う正断面図である。
図1において、10は可動子、20は固定子である。可動子10は可動子ベース11と、この可動子ベース11に下方へ向けて立設された基板122と、この基板12の両側に固定された電機子コイル13と、これらを囲む図示しない樹脂モールドとを備えている。
一方、固定子20は、界磁ヨーク21と、この界磁ヨーク21に固定されたマグネット22とを備えている。
このような構成の可動コイル型コアレスリニアモータにおいて、ホールセンサHは固定子10の幅方向の中心近く、すなわち基板12の立設部近傍に配設すると共にマグネット22の上面と対向する可動子ベース11の内側に設けた凹部11Aにもぐりこませるようにして取り付けたものである。
このようにすることにより、ホールセンサHの長さL3は可動子10の長さL2の中に含まれてしまうので、可動子10が動ける範囲(ストローク)L4は、式(2)で表される。
L4=L1−L2 ・・・(2)
したがって、第1実施例によれば、可動子10の長さL2の範囲の中にホールセンサ15を設置したので、可動子10のストロークが従来のようにホールセンサの長さL3の分だけ短くなるようなことはおきない。
また、第1実施例によれば、ホールセンサHは対向する両マグネット22、22に対して等間隔に位置することができるので、検出精度が良くなる。
また、実開平7−11890号公報記載の可動子のような電機子コイル内にホールセンサを配置していないので、ホールセンサの交換あるいはリニアモータの修理が行い易くなる。
【0007】
[第2実施例]
図2は本発明の第2実施例を示す可動コイル型コアレスリニアモータであって、(a)は可動部の側面図、(b)は(a)のA−A線に沿う可動部を含む固定部の正断面図である。
図2において、10は可動子、20は固定子である。可動子10は可動子ベース11と、この可動子ベース11に下方へ向けて立設された基板12と、この基板12の片側のみに固定された電機子コイル13と、これらを囲む樹脂モールド14とを備えている。
一方、固定子20は、界磁ヨーク21と、この界磁ヨーク21に固定されたマグネット22とを備えている。
第2実施例に係るリニアモータの可動子が第1実施例の構成と基本的に異なるところは、第1実施例に係る可動子10が基板12の両側に電機子コイル13を取り付けているのに対して第2実施例が基板12の片側のみに電機子コイル13を取り付けている点である。
このような構成の可動コイル型コアレスリニアモータにおいて、第2実施例によれば、ホールセンサHを基板12の電機子コイル13の取り付け側とは反対側の面に取り付けるようにし、しかも基板12上に配置したホールセンサHの突出部分に対向するマグネット22の部分22aを切り欠いている。ホールセンサ側のマグネットは図のように切り欠きを入れることで磁気的空隙を犠牲にすることなくホールセンサを配置することができるようになる。
なお、第1実施例では3個のホールセンサHを纏めてホールセンサユニットに納めていたが、ここでは3個のホールセンサHをそれぞれ別々に可動子ベース11の長さの範囲内に配置している。
このように第2実施例によれば、ホールセンサHをすべて可動子ベース11の長さの範囲内に配置しているので、ホールセンサHの長さの分だけストロークが短くなるようなことはおきない。
また、ホールセンサHを基板12の電機子コイル13の取り付け側とは反対側に取り付けているので、電機子コイル13からの熱は基板12により遮断されホールセンサHが熱損傷をきたすことはなくなる。
また、実開平7−11890号公報記載の可動子のような電機子コイル内にホールセンサを配置していないので、ホールセンサの交換あるいはリニアモータの修理が行い易くなる。
【0008】
[第3実施例]
図3は本発明の第3実施例を示す可動コイル型コアレスリニアモータであって、(a)は可動部の側面図、(b)は(a)のA−A線に沿う可動部を含む固定部の正断面図である。
図3において、10は可動子、20は固定子である。可動子10は可動子ベース11と、この可動子ベース11に下方へ向けて立設された基板12と、この基板12の片側のみに固定された電機子コイル13と、これらを囲む樹脂モールド14とを備えている。
一方、固定子20は、界磁ヨーク21と、この界磁ヨーク21に固定されたマグネット22とを備えている。
このような構成の可動コイル型コアレスリニアモータにおいて、本実施例によれば、ホールセンサHを基板12の電機子コイル13の取り付け側とは反対側の面に取り付け、しかも第2実施例と違ってホールセンサHを基板12に突出させた状態で取り付けるのではなく、可動子ベース11の内側に設けた凹部11Bにもぐり込ませて取り付けている。このようにホールセンサHの位置を上にスライドさせ可動子ベース11の中にもぐり込ませることで、マグネット22の切り欠きを無くした。マグネット端部からの漏れ磁束が十分となるように設計すれば、ホールセンサHの位置をさらに上部にし、マグネットの切り欠きなしでも使用できる。
このようにすることによって、第2実施例の有する特長はすべて兼ね備えることとなり、(1)ストロークが短くなるようなことはおきない、(2)ホールセンサHが熱損傷をきたすことはない、(3)ホールセンサの交換等が行い易い。しかも第2実施例の短所であるマグネットの加工の手間と時間とコストが解決できるものとなる。
なお、第3実施例と第1実施例とはホールセンサHを可動子ベース11にもぐり込ませて取り付ける点では一致しているが、(1)電機子コイル13を基板12の片側のみに配置している(前者)のと、基板12を挟んで配置している点(後者)、(2)ホールセンサHを熱対策重視により電機子コイル13から基板12を介して遠ざけて取り付けた点(前者)とホールセンサHを検出精度重視により固定子幅方向中心近くに取り付けた点(後者)で異なっている。
【0009】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば各実施例に共通して次のような効果がある。
(1)ホールセンサを可動子ベースの長さの範囲内に配置するのでホールセンサユニットの突出がなく、したがって有効ストロークを犠牲にすることがない。
(2)ホールセンサを電機子コイル内に配置しないので、ホールセンサの交換あるいはリニアモータの修理が行い易くなる。
(3)ホールセンサと可動子を一体化するので、別ユニットでホールセンサを作る必要がない。
また、第1実施例によれば、
(4)ホールセンサが対向する両マグネットに対して等間隔に位置することができるので、検出精度が良くなる。
また、第2実施例によれば、
(5)ホールセンサ部のマグネットに切り欠きをつけることで磁気的空隙を犠牲にすることなくホールセンサをつけることができる。
(6)マグネット端部からの漏れ磁束が十分となるように設計すれば、ホールセンサの位置をさらに上部にし、マグネットの切り欠きなしでも使用できる。
(7)ホールセンサを基板のコイル裏側に配置することでコイルの熱が直接伝わらず、ホールセンサの熱損傷が防げる。
また、第3実施例によれば、
(8)ホールセンサ部のマグネットに切り欠きをつける手間、時間、コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す可動コイル型コアレスリニアモータであって、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A線に沿う正断面図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す可動コイル型コアレスリニアモータであって、(a)は可動部の側面図、(b)は(a)のA−A線に沿う可動部を含む固定部の正断面図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す可動コイル型コアレスリニアモータであって、(a)は可動部の側面図、(b)は(a)のA−A線に沿う可動部を含む固定部の正断面図である。
【図4】従来例を示す可動コイル型コアレスリニアモータであって、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A線に沿う正断面図である。
【符号の説明】
10 可動子
11 可動子ベース
12 基板
13 電機子コイル
14 樹脂モールド
15 ホールセンサ
20 固定子
21 界磁ヨーク
22 マグネット
H ホールセンサ
L1 固定子の長さ
L2 可動子の長さ
L3 ホールセンサの長さ
L4 可動子が動ける範囲(ストローク)
【発明の属する技術分野】
本発明は、コアレス形の電機子コイルを有する電機子を可動子とし、界磁を固定子とした可動コイル型コアレスリニアモータに関し、特にホールセンサ付きリニアモータの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の可動コイル型コアレスリニアモータはその可動子のストローク端面にホールセンサユニットを磁気コイルと並ぶようにして取り付けて磁極検出を行なっていた。図4はその可動コイル型コアレスリニアモータを示す図で、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A線に沿う正断面図である。図4において、10は可動子、20は固定子である。可動子10は可動子ベース11と、この可動子ベース11に下方へ向けて立設された基板12と、この基板12に固定された電機子コイル13と、これらを囲む図示しない樹脂モールドとから構成されている。
一方、固定子20は、界磁ヨーク21と、この界磁ヨーク21に固定されたマグネット22とから構成されている。
このような構成の可動コイル型コアレスリニアモータにおいて、固定子側のマグネット22の磁極位置を可動子側が検知するために、従来よりホールセンサが可動子10に取り付けられている。図4において、Hがホールセンサで、このホールセンサHはホールセンサユニット15の中に収納され、このホールセンサユニット15を可動子ベース11の進行方向の端面に設置していた。
しかしながら、可動子10のストローク端面にホールセンサユニット15を電機子コイル13と並ぶようにして取り付けるのでは、可動子10のストローク方向にホールセンサユニット15が突き出す構造となるため、可動子全体としてのストローク方向長さが長くなり、ホールセンサが突き出した分有効ストロークが犠牲になってしまう、という問題があった。
すなわち、図4において、L1が固定子20の長さで、L2が可動子10の長さ、L3がホールセンサ15の長さとすると、可動子10が動ける範囲(ストローク)L4は、式(1)で表される。
L4=L1−(L2+L3) ・・・(1)
したがって、ホールセンサ15を設置したことにより、ホールセンサの長さL3の分だけストロークが短くなってしまった。
【0003】
また、ホールセンサユニットを可動子の有効ストローク方向に設置しない公知例としては、実開平7−11890号公報記載の可動子がある。これは電機子コイル内にホールセンサを配置し、磁極検出を行なっているものである。
ところが、この可動子によればホールセンサを電機子コイルと同一面に配置しているため、ホールセンサの熱損傷を防ぐための放熱対策が必要であり、その分モータ性能を十分生かされないこととなった。
しかもこの可動子では、電機子コイル内に配置したホールセンサが故障などした場合にホールセンサの交換あるいはリニアモータの修理が非常に困難になるという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の第1の目的は、可動子のストローク方向の長さを短くして有効ストロークが犠牲にならない、しかもメンテナンスが容易なホールセンサ付きリニアモータを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、ホールセンサに熱が直接伝わらないようにしてセンサの損傷を防止したホールセンサ付きリニアモータを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載のホールセンサ付きリニアモータは、交互に極性が異なるように隣り合わせに並べて配置された複数のマグネットと、該マグネットを配置した界磁ヨークとを有する固定子と、前記マグネット列と磁気的空隙を介して対向配置された電機子コイルと、該電機子コイルを両側に取り付ける基板と、可動子ベースとを有する可動子と、から構成されるリニアモータにおいて、ホールセンサを前記固定子幅方向中心近くに配設すると共に前記マグネットの上面と対向する可動子ベースの内側に取り付けたことを特徴とする。
これによって、ホールセンサがストローク方向に電機子コイルと並ぶことがなくなるため、可動子全体としてのストローク方向長さはホールセンサを取り付ける前後で変わることがなく、よって同じ固定子長さに対してホールセンサを取り付けることによりストロークが短くなるということはない。さらに、ホールセンサを固定子幅方向中心近くに取り付けるので、検出精度が向上する。
請求項2記載のホールセンサ付きリニアモータの発明は、交互に極性が異なるように隣り合わせに並べて配置された複数のマグネットと、該マグネットを配置した界磁ヨークとを有する固定子と、前記マグネット列と磁気的空隙を介して対向配置された電機子コイルと、該電機子コイルを両側に取り付ける基板と、可動子ベースとを有する可動子と、から構成されるリニアモータにおいて、前記基板の前記電機子コイル取り付け側とは反対側面にホールセンサを取り付けたことを特徴とする。
これによって、有効ストロークを犠牲にすることなく、しかも熱によるセンサの損傷をきたさずに磁極検出ができるようになる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載のホールセンサ付きリニアモータにおいて、前記基板上に配置した前記ホールセンサの突出する部分に対向する前記マグネット部分を切り欠いたことを特徴とする。
これによって、隙間を確保し、磁気的空隙を犠牲にすることなく使用できるようになる。
請求項4記載の発明は、請求項2記載のホールセンサ付きリニアモータにおいて、前記ホールセンサを前記可動子ベースの内側にもぐり込ませたことを特徴とする。
これによって、マグネットの切り欠きをしなくても使用できるようになる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。
[第1実施例]
図1は本発明の第1実施例を示す可動コイル型コアレスリニアモータであって、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A線に沿う正断面図である。
図1において、10は可動子、20は固定子である。可動子10は可動子ベース11と、この可動子ベース11に下方へ向けて立設された基板122と、この基板12の両側に固定された電機子コイル13と、これらを囲む図示しない樹脂モールドとを備えている。
一方、固定子20は、界磁ヨーク21と、この界磁ヨーク21に固定されたマグネット22とを備えている。
このような構成の可動コイル型コアレスリニアモータにおいて、ホールセンサHは固定子10の幅方向の中心近く、すなわち基板12の立設部近傍に配設すると共にマグネット22の上面と対向する可動子ベース11の内側に設けた凹部11Aにもぐりこませるようにして取り付けたものである。
このようにすることにより、ホールセンサHの長さL3は可動子10の長さL2の中に含まれてしまうので、可動子10が動ける範囲(ストローク)L4は、式(2)で表される。
L4=L1−L2 ・・・(2)
したがって、第1実施例によれば、可動子10の長さL2の範囲の中にホールセンサ15を設置したので、可動子10のストロークが従来のようにホールセンサの長さL3の分だけ短くなるようなことはおきない。
また、第1実施例によれば、ホールセンサHは対向する両マグネット22、22に対して等間隔に位置することができるので、検出精度が良くなる。
また、実開平7−11890号公報記載の可動子のような電機子コイル内にホールセンサを配置していないので、ホールセンサの交換あるいはリニアモータの修理が行い易くなる。
【0007】
[第2実施例]
図2は本発明の第2実施例を示す可動コイル型コアレスリニアモータであって、(a)は可動部の側面図、(b)は(a)のA−A線に沿う可動部を含む固定部の正断面図である。
図2において、10は可動子、20は固定子である。可動子10は可動子ベース11と、この可動子ベース11に下方へ向けて立設された基板12と、この基板12の片側のみに固定された電機子コイル13と、これらを囲む樹脂モールド14とを備えている。
一方、固定子20は、界磁ヨーク21と、この界磁ヨーク21に固定されたマグネット22とを備えている。
第2実施例に係るリニアモータの可動子が第1実施例の構成と基本的に異なるところは、第1実施例に係る可動子10が基板12の両側に電機子コイル13を取り付けているのに対して第2実施例が基板12の片側のみに電機子コイル13を取り付けている点である。
このような構成の可動コイル型コアレスリニアモータにおいて、第2実施例によれば、ホールセンサHを基板12の電機子コイル13の取り付け側とは反対側の面に取り付けるようにし、しかも基板12上に配置したホールセンサHの突出部分に対向するマグネット22の部分22aを切り欠いている。ホールセンサ側のマグネットは図のように切り欠きを入れることで磁気的空隙を犠牲にすることなくホールセンサを配置することができるようになる。
なお、第1実施例では3個のホールセンサHを纏めてホールセンサユニットに納めていたが、ここでは3個のホールセンサHをそれぞれ別々に可動子ベース11の長さの範囲内に配置している。
このように第2実施例によれば、ホールセンサHをすべて可動子ベース11の長さの範囲内に配置しているので、ホールセンサHの長さの分だけストロークが短くなるようなことはおきない。
また、ホールセンサHを基板12の電機子コイル13の取り付け側とは反対側に取り付けているので、電機子コイル13からの熱は基板12により遮断されホールセンサHが熱損傷をきたすことはなくなる。
また、実開平7−11890号公報記載の可動子のような電機子コイル内にホールセンサを配置していないので、ホールセンサの交換あるいはリニアモータの修理が行い易くなる。
【0008】
[第3実施例]
図3は本発明の第3実施例を示す可動コイル型コアレスリニアモータであって、(a)は可動部の側面図、(b)は(a)のA−A線に沿う可動部を含む固定部の正断面図である。
図3において、10は可動子、20は固定子である。可動子10は可動子ベース11と、この可動子ベース11に下方へ向けて立設された基板12と、この基板12の片側のみに固定された電機子コイル13と、これらを囲む樹脂モールド14とを備えている。
一方、固定子20は、界磁ヨーク21と、この界磁ヨーク21に固定されたマグネット22とを備えている。
このような構成の可動コイル型コアレスリニアモータにおいて、本実施例によれば、ホールセンサHを基板12の電機子コイル13の取り付け側とは反対側の面に取り付け、しかも第2実施例と違ってホールセンサHを基板12に突出させた状態で取り付けるのではなく、可動子ベース11の内側に設けた凹部11Bにもぐり込ませて取り付けている。このようにホールセンサHの位置を上にスライドさせ可動子ベース11の中にもぐり込ませることで、マグネット22の切り欠きを無くした。マグネット端部からの漏れ磁束が十分となるように設計すれば、ホールセンサHの位置をさらに上部にし、マグネットの切り欠きなしでも使用できる。
このようにすることによって、第2実施例の有する特長はすべて兼ね備えることとなり、(1)ストロークが短くなるようなことはおきない、(2)ホールセンサHが熱損傷をきたすことはない、(3)ホールセンサの交換等が行い易い。しかも第2実施例の短所であるマグネットの加工の手間と時間とコストが解決できるものとなる。
なお、第3実施例と第1実施例とはホールセンサHを可動子ベース11にもぐり込ませて取り付ける点では一致しているが、(1)電機子コイル13を基板12の片側のみに配置している(前者)のと、基板12を挟んで配置している点(後者)、(2)ホールセンサHを熱対策重視により電機子コイル13から基板12を介して遠ざけて取り付けた点(前者)とホールセンサHを検出精度重視により固定子幅方向中心近くに取り付けた点(後者)で異なっている。
【0009】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば各実施例に共通して次のような効果がある。
(1)ホールセンサを可動子ベースの長さの範囲内に配置するのでホールセンサユニットの突出がなく、したがって有効ストロークを犠牲にすることがない。
(2)ホールセンサを電機子コイル内に配置しないので、ホールセンサの交換あるいはリニアモータの修理が行い易くなる。
(3)ホールセンサと可動子を一体化するので、別ユニットでホールセンサを作る必要がない。
また、第1実施例によれば、
(4)ホールセンサが対向する両マグネットに対して等間隔に位置することができるので、検出精度が良くなる。
また、第2実施例によれば、
(5)ホールセンサ部のマグネットに切り欠きをつけることで磁気的空隙を犠牲にすることなくホールセンサをつけることができる。
(6)マグネット端部からの漏れ磁束が十分となるように設計すれば、ホールセンサの位置をさらに上部にし、マグネットの切り欠きなしでも使用できる。
(7)ホールセンサを基板のコイル裏側に配置することでコイルの熱が直接伝わらず、ホールセンサの熱損傷が防げる。
また、第3実施例によれば、
(8)ホールセンサ部のマグネットに切り欠きをつける手間、時間、コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す可動コイル型コアレスリニアモータであって、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A線に沿う正断面図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す可動コイル型コアレスリニアモータであって、(a)は可動部の側面図、(b)は(a)のA−A線に沿う可動部を含む固定部の正断面図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す可動コイル型コアレスリニアモータであって、(a)は可動部の側面図、(b)は(a)のA−A線に沿う可動部を含む固定部の正断面図である。
【図4】従来例を示す可動コイル型コアレスリニアモータであって、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A線に沿う正断面図である。
【符号の説明】
10 可動子
11 可動子ベース
12 基板
13 電機子コイル
14 樹脂モールド
15 ホールセンサ
20 固定子
21 界磁ヨーク
22 マグネット
H ホールセンサ
L1 固定子の長さ
L2 可動子の長さ
L3 ホールセンサの長さ
L4 可動子が動ける範囲(ストローク)
Claims (4)
- 交互に極性が異なるように隣り合わせに並べて配置された複数のマグネットと、該マグネットを配置した界磁ヨークとを有する固定子と、
前記マグネット列と磁気的空隙を介して対向配置された電機子コイルと、該電機子コイルを両側に取り付ける基板と、可動子ベースとを有する可動子と、
から構成されるリニアモータにおいて、
ホールセンサを前記固定子幅方向中心近くに配設すると共に前記マグネットの上面と対向する可動子ベースの内側に取り付けたことを特徴とするホールセンサ付きリニアモータ。 - 交互に極性が異なるように隣り合わせに並べて配置された複数のマグネットと、該マグネットを配置した界磁ヨークとを有する固定子と、
前記マグネット列と磁気的空隙を介して対向配置された電機子コイルと、該電機子コイルを両側に取り付ける基板と、可動子ベースとを有する可動子と、
から構成されるリニアモータにおいて、
前記基板の前記電機子コイル取り付け側とは反対側面にホールセンサを取り付けたことを特徴とするホールセンサ付きリニアモータ。 - 前記基板上に配置した前記ホールセンサの突出する部分に対向する前記マグネット部分を切り欠いたことを特徴とする請求項2記載のホールセンサ付きリニアモータ。
- 前記ホールセンサを前記可動子ベースの内側にもぐり込ませたことを特徴とする請求項2記載のホールセンサ付きリニアモータ。
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-
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- 2002-07-17 JP JP2002208577A patent/JP2004056872A/ja not_active Abandoned
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