JP2004056253A - 平衡出力回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ΔΣブロック101から同相の1ビット信号B1,B2を出力する。1ビット信号B1から得た逆相の出力EXOR1と同相の出力EXOR2とを、それぞれ出力トランジスタ501,502のゲートに与える。また、1ビット信号B2から得た同相の出力EXOR3と逆相の出力EXOR4とを、それぞれ出力トランジスタ503,504のゲートに与える。マイクロコンピュータ202から“H”のミューティング制御信号MUTEをEX−ORゲート402に入力し、“L”の1ビット信号B2をEX−ORゲート401,402に入力すると、出力EXOR3,4が“H”となる。これにより、出力トランジスタ503,504がオンし、コイル505,506のトランジスタ側が“L”(ミューティング状態)となる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、PDM(pulse Density Modulation)信号またはPWM(pulse Width Modulation)信号を用いて音響信号の高効率電力増幅を行うD級増幅器、特に電源オン時またはオフ時の衝撃音の発生を防止するミューティング機能を有する平衡出力回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記のような高効率電力増幅器としては、正相および逆相の出力を用いた平衡出力回路を備えた構成が実用化されている。この平衡出力回路について、以下に説明する。
【0003】
単相出力で負荷を駆動する増幅器では、負荷の駆動出力は、グランドレベルを基準としてある一定のDCレベルを中心に変化する。一方、ヘッドホン、スピーカ等の負荷は、電圧が印加されていない状態を基準にして振動するように設計されている。このため、ある一定のDCレベルを中心に変化する信号をコンデンサに通過させることにより、その信号からAC成分だけが取り出されて負荷に与えられる。このとき、コンデンサと負荷(ヘッドホン等)またはコイルとによってローパスフィルタが形成されるので、そのローパスフィルタのカットオフ周波数を充分低く設定して低音信号が減衰されないようにするためには、コンデンサの容量を数千から数万μFにしなければならない。これは、装置のコストアップを招くだけでなく、ポータブル機器においてはコンデンサを配置するためのスペースを確保することが不可能になる。また、コンデンサの性能が悪いと、たとえ容量が充分でもオーディオ性能の劣化を招く場合もある。
【0004】
このため、正相および逆相の出力を得て負荷を駆動すると、負荷に対しては、グランドレベルを基準としてある一定のDCレベルを中心に変化することは変わらないが、負荷が正相出力および逆相出力に接続されているだけでグランドレベルとは接続されていないので、負荷から見て0Vを中心に変化する信号が入力されていることになる。このため、単相出力で負荷を駆動した場合に必要とされるコンデンサが不要になり、コストダウン、音質劣化等を回避することができる。
【0005】
上記のような平衡出力回路を含む従来の高効率電力増幅器は、例えば、トランジスタ技術2001年3月号,p232に開示されたオーディオパワーアンプのように実用化されている。以下に、このような高効率電力増幅器について説明する。図4および図5は、ミューティング機能を有する従来の高効率電力増幅器の構成例を示している。
【0006】
図4に示す高効率電力増幅器では、ΔΣブロック101の1ビット出力端子102,103からそれぞれ2系統の1ビット信号B1,B2として例えばPWM信号が出力される。1ビット信号B1,B2は同じ正相出力である。
【0007】
1ビット信号B1は、コンデンサ301および抵抗302,303からなるレベルシフタを介してEX(Exclusive)−ORゲート304,305にそれぞれ入力される。EX−ORゲート304,305は、電源端子306から電源電圧V1が与えられ、EX−OR304は、他方の入力信号として上記の電源電圧V1が入力され、EX−OR305は、他方の入力がグランドに接続されている。
【0008】
一方、1ビット信号B2は、EX(Exclusive)−ORゲート401,402にそれぞれ入力される。EX−ORゲート401,402は、電源端子403から電源電圧V2が与えられるとともに、他方の入力信号として電源電圧V2が入力されている。
【0009】
EX−OR304からは、1ビット信号B1と逆相の信号が出力され、EX−OR305からは、1ビット信号B1と同相の信号が出力される。NチャネルMOSトランジスタである出力トランジスタ501,502のゲートには、それぞれEX−OR304,305の出力が入力される。また、出力トランジスタ501,502は、ソースに電源端子512から電源電圧V3が与えられている。一方、EX−OR401からは1ビット信号B2と逆相の信号が出力され、EX−OR401からは1ビット信号B2と同相の信号が出力される。NチャネルMOSトランジスタである出力トランジスタ503,504のゲートには、それぞれEX−OR402,401の出力が入力される。
【0010】
これにより、出力トランジスタ501,503が交互にオン,オフを繰り返す一方、その逆のタイミングで出力トランジスタ502,504が交互にオン,オフを繰り返す。
【0011】
出力トランジスタ502,504の接続点から取り出された出力は、ミューティング用トランジスタ601を経て、コイル505およびコンデンサ507からなるローパスフィルタを介して出力端子509から正相出力として出力される。一方、出力トランジスタ501,503の接続点から取り出された出力は、ミューティング用トランジスタ602を経て、コイル506およびコンデンサ508からなるローパスフィルタを介して出力端子510から逆相出力として出力される。
【0012】
そして、負荷抵抗511は、一端に出力端子509からの正相出力が与えられ、他端に出力端子510からの逆相出力が与えられることにより、駆動される。
【0013】
上記の高効率電力増幅器では、電源投入時や電源遮断時、特に、ΔΣブロック101による1ビット出力端子102,103からのPWM信号の出力を同時に開始したり、両PWM信号の出力を同時に停止したりしたときに「ポツ」というような衝撃音が発生する。このような衝撃音の発生を回避するために、次のような方法によるいわゆるミューティング回路が用いられていた。
(1)出力トランジスタと並列にミューティング用トランジスタを設ける方法
(2)出力トランジスタと並列にミューティング用リレーを設ける方法
(2)の方法では、電源投入時または電源遮断時直後から一定時間出力端子を接地する方法が考えられる。
【0014】
図4は、(1)の方法によるミューティング回路の一例を示している。
【0015】
この回路では、マイクロコンピュータ(以降、マイコンと称する)201のミュート出力端子202から出力されるミューティング制御信号MUTEが、ミューティング用トランジスタ601,602のゲートに与えられている。ミューティング用トランジスタ601,602は、“H”(ハイレベル)のミューティング制御信号MUTEが与えられるとオンして、出力トランジスタ502,503からの信号がミューティング用トランジスタ601,602以降に伝達されなくなる。
【0016】
図5は、(2)の方法の一例を示している。この回路では、上記のミューティング用トランジスタ601,602の代わりに、ミューティング用リレー603,604が設けられており、ミュート時にマイコン201のミュート出力端子202を“H”にしている。これにより、ミューティング用リレー603,604のコイルが励磁されて、ミューティング用リレー603,604がオンする。これにより、出力トランジスタ502,503から信号がミューティング用リレー603,604以降に伝達されなくなる。
【0017】
このように、図4および図5の回路では、ミューティング用のトランジスタやリレーを用いることによって、信号の伝達を遮断して、衝撃音の発生を防止している。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、機器の小型化の要求が高まると、(1)および(2)の方法をそれぞれ採用した図4および図5のミューティング回路では、次のような問題が生じる。
【0019】
図4の回路では、機器のポータブル化に伴い、平衡出力回路を実装する基板も小型化されるが、ミューティング用トランジスタ601,602の基板上に占める面積が無視できないほど大きくなると、ミューティング用トランジスタ601,602が歪を増加させる要素の一つとなるだけでなく、コストアップの要因にもなっていた。
【0020】
一方、図5の回路では、平衡出力回路を実装する基板も小型化の小型化に伴い、ミューティング用リレー603,604の小型化も要求されるが、ミューティング用リレー603,604の基板上に占める面積が無視できないほど基板が小型化されると、リレーのメカニカルな信頼性を考慮すれば、より信頼性の高い他の遮断用の部品が求められるようになり、これもコストアップの要因にもなっていた。
【0021】
本発明は、上記従来の問題点を解決するものであって、アンプの性能に影響を及ぼすことなく、電源投入時および電源遮断時における衝撃音の発生を確実に回避することができ、かつ基板の面積増大およびコストアップを伴わない平衡出力回路を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の平衡出力回路は、1系列の2値信号を同相の2系列信号にする2系列化手段と、前記2系列信号と同相の信号を出力する高電位側出力トランジスタ対および前記2系列信号と逆相の信号を出力する低電位側出力トランジスタ対からなるHブリッジ回路を有する出力手段と、前記2系列信号の一方に基づいて前記高電位側出力トランジスタ対を駆動するとともに、前記2系列信号の他方に基づいて前記低電位側出力トランジスタ対を駆動する駆動手段とを備えた平衡出力回路において、前記駆動手段は、与えられた指令に基づいて前記高電位側および低電位側出力トランジスタ対からの信号の出力を停止させることを特徴としている。
【0023】
上記の構成では、指令が駆動手段に与えられると、高電位側および低電位側出力トランジスタ対は、駆動手段によって信号の出力が停止させられる。これにより、電源投入時および電源遮断時に上記の指令を駆動手段に与えると、そのときの衝撃音の発生を回避することができる。また、高電位側および低電位側出力トランジスタ対の出力動作を停止させることで、高電位側および低電位側出力トランジスタ対から出力される信号を後段の回路に伝達しないような遮断用の部品(トランジスタやリレー)が不要になる。
【0024】
上記の平衡出力回路において、前記駆動手段は、前記指令に基づいて低電位側出力トランジスタ対をオフさせることが望ましい。
【0025】
平衡出力回路では、Hブリッジ回路が高電位側出力トランジスタ対(図1の出力トランジスタ501,502)および低電位側出力トランジスタ対(図1の出力トランジスタ503,504)からなる。それゆえ、上記のように低電位側出力トランジスタ対をオフさせることによって、高電位側出力トランジスタ対の出力状態に関わらず、高電位側および低電位側出力トランジスタ対の信号出力を停止させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図3に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において、図4および図5に示した従来の増幅器の構成要素と同等な機能を有する構成要素については、同一の参照符号を付記する。
【0027】
図1は、本実施の形態の平衡出力回路を含む高効率電力増幅器の構成を示す。
【0028】
本平衡出力回路は、例えば、1ビットアンプに搭載されており、ΔΣブロック101、マイコン201、コンデンサ301、抵抗302、303、EX−ORゲート304,305、電源端子306、EX−ORゲート、EX−ORゲート401,402、電源端子403、出力トランジスタ501〜504、Nコイル505,506、コンデンサ507,508、正相出力端子509、逆相出力端子510、負荷抵抗511および電源端子512を含んでいる。電源端子306,403,512には、それぞれ電源電圧V1,V2,V3が与えられる。
【0029】
ΔΣブロック101は、図示しないΔΣ変換回路を備えており、入力された16ビットのデジタル信号から1系列の2値信号としてのPDM信号またはPWM信号を発生する。また、ΔΣブロック101は、発生した2値信号を基に2系列の1ビット信号B1,B2(2系列信号)を生成して、それぞれを1ビット出力端子102,103から出力する。このΔΣブロック101は、1ビット信号B1,B2を生成するために、Dフリップフロップ1011と、ANDゲート1012,1013とを備えている。
【0030】
Dフリップフロップ1011は、入力端子Dに入力される1系列の2値信号を外部からクロック入力端子CKに入力されるクロックでサンプリングすることにより、出力端子Qから1ビット信号を出力する。上記のクロックの周期は、サンプリングのため、2値信号のパルス幅よりも十分短くなるように設定されている。
【0031】
ANDゲート1012は、Dフリップフロップ1011の出力端子Qからの出力と、マイコン201からの出力制御信号S1との論理積を出力する。また、ANDゲート1013は、Dフリップフロップ1011の出力端子Qからの出力と、マイコン201からの出力制御信号S2との論理積を出力する。出力制御信号S1を“H”とすることによって、1ビット信号B1がANDゲート1012を介して出力され、出力制御信号S2を“H”とすることによって、1ビット信号B2がANDゲート1013を介して出力される。一方、出力制御信号S1,S2をそれぞれ“L”とすることによって、出力端子Qからの1ビット信号の出力が停止され、出力端子102,103が“L”に固定される。
【0032】
マイコン202は、本平衡出力回路が搭載される1ビットアンプなどの機器の動作を制御するために設けられており、その機器の電源投入時および電源遮断時におけるミューティング動作期間に、平衡出力回路にミューティング動作させるための指令としての“H”のミューティング制御信号MUTEを出力する。また、マイコン202は、平衡出力回路を通常に動作をさせるときに、“L”のミューティング制御信号MUTEを出力する。
【0033】
マイコン202は、1ビット信号B1が出力してから、レベルシフタとして動作するコンデンサ301および抵抗302,303からなる後述の回路によって決まる過渡応答の時間に比べて十分長い時間の経過後に、1ビット信号B2を出力させるために(1ビット信号B2の出力開始を1ビット信号B1の出力開始より遅延させるために)、前述の出力遅延制御信号DLをΔΣブロック101に与える。また、マイコン202は、電源投入時には、初期設定として(後述する第1ステップ)、ΔΣブロック101の1ビット信号B1,B2を“L”に固定するように、ΔΣブロック101を制御する。
【0034】
EX−ORゲート304,305のそれぞれの一方の入力端子には、1ビット出力端子102から出力された1ビット信号B1がコンデンサ301を介してそれぞれ入力される。EX−ORゲート304の他方の入力端子は電源端子306に接続され、EX−ORゲート305の他方の入力端子はグランドに接続されている。電源端子306とグランドとの間には、抵抗302,303が直列に接続されている。これらの抵抗302,303の接続点は、EX−ORゲート304,305の1ビット信号B1が入力される入力端子に接続されている。また、EX−ORゲート304,305は、電源端子306から電源電圧V1が与えられる。
【0035】
Nchトランジスタを縦方向に積んで上側(高電位側)のトランジスタをオンさせるためには、下側(低電位側)のトランジスタをオンさせるための電圧より高い電圧が必要となる。したがって、出力トランジスタ501,502を駆動するためには、電源電圧V2よりも高い電圧が必要である。例えば、電源電圧V3が2Vであり、出力トランジスタ501,502をオンさせるための電圧(ゲート・ソース間電圧VGS)が、1Vであれば、ゲート電圧は3V(=2V+1V)必要である。このため、EX−ORゲート304,305の出力電圧を3V以上にする必要があり、それに応じてEX−ORゲート304,305が入力電圧の“H”か“L”かを判定するための閾値が高く設定される。しかしながら、1ビット信号B1の振幅は電源電圧V3と同じしかない。このため、以下のように、EX−ORゲート304,305が正常に動作しなくなる。
【0036】
図2(a)に示すように、電源電圧V2が2.5Vであるとすると、EX−ORゲート401,402は、2V以上の入力電圧を“H”と判定し、0.5V以下の入力電圧を“L”と判定する。EX−ORゲート401,402への入力電圧となるΔΣブロック101からの出力電圧が0V,2.5Vの2値であるので、EX−ORゲート401,402は、これらの電圧に対して、2Vの閾値で“H”を判定し、0.5Vの閾値で“L”を判定することができる。
【0037】
これに対し、図2(b)に示すように、電源電圧V1が上記の3Vより高い4Vであるとすると、EX−ORゲート304,305は、3V以上の入力電圧を“H”と判定し、0.8V以下の入力電圧を“L”と判定する。しかしながら、EX−ORゲート304,305への入力電圧となるΔΣブロック101からの出力電圧が、上記のように0V,2.5Vの2値であるので、EX−ORゲート304,305は、0Vの入力電圧に対して0.8Vの閾値で“L”を判定することができるものの、2.5Vの入力電圧が3Vの閾値より低いために“H”を判定できない。
【0038】
そこで、コンデンサ301および抵抗302,303をレベルシフタとして動作させることによって、抵抗302の抵抗値と抵抗303の抵抗値とを同じ値に設定しておくことで中間電位(2V)を設定し、コンデンサ301を介して2.5Vの振幅の交流成分のみを上記の中間電位に加えると、図2(b)に示すように、1ビット信号B1の振幅は変えずに1ビット信号B1をレベルシフトすることができる。
【0039】
これにより、EX−ORゲート304,305への入力電圧が、V1/2(2V)を中心に高電位側で3.25V(=2+2.5/2)、低電位側で0.75V(=2−2.5/2)にレベルシフトされる。それゆえ、EX−ORゲート304,305は、3Vの閾値以上の入力電圧に対して“H”と判定し、0.8Vの閾値以下の入力電圧に対して“L”を判定することができ、正しく動作する。
【0040】
EX−ORゲート401,402のそれぞれの一方の入力端子には、1ビット出力端子103から出力された1ビット信号B2がそれぞれ入力される。EX−ORゲート401,402の他方の入力端子は電源端子403に接続されている。また、EX−ORゲート401,402は、電源端子403から電源電圧V2が与えられる。
【0041】
EX−ORゲート304,305およびEX−ORゲート401,402は、後述する出力トランジスタ501〜504を駆動する駆動手段としての駆動部300を構成している。
【0042】
NチャネルMOSトランジスタである出力トランジスタ501,502のソースは、電源端子512に接続されている。出力トランジスタ501のゲートはEX−ORゲート304の出力端子に接続され、出力トランジスタ502のゲートはEX−ORゲート305の出力端子に接続されている。また、出力トランジスタ501,502は、高電位側出力トランジスタ対を構成する。
【0043】
NチャネルMOSトランジスタである出力トランジスタ503,504のソースはそれぞれ出力トランジスタ503,504のドレインに接続され、出力トランジスタ503,504のドレインはグランドに接続されている。また、出力トランジスタ503,504は、低電位側出力トランジスタ対を構成する。
【0044】
上記のように出力トランジスタ501〜504が接続される構成は、Hブリッジ回路である。また、このHブリッジ回路と電源端子512とを含む部分は、出力手段としての出力部500を構成している。
【0045】
出力トランジスタ502,504の接続点には、コイル505の+側端が接続され、このコイル505の−側端は正相出力端子509に接続されている。一方、出力トランジスタ501,503の接続点には、コイル506の−側端が接続され、このコイル506の+側端は逆相出力端子510に接続されている。また、コイル505の−側端とグランドとの間にはコンデンサ507が接続され、コイル506の+側端とグランドとの間にはコンデンサ508が接続されている。
【0046】
コイル505およびコンデンサ507はローパスフィルタを構成しており、同様に、コイル506およびコンデンサ508もローパスフィルタを構成している。
【0047】
さらに、正相出力端子509および逆相出力端子510の間には、負荷抵抗511が接続されている。負荷抵抗511は、一般的にスピーカやヘッドホンのような電気音響変換器によって構成されている。
【0048】
上記のように構成されるミューティング回路の動作について、図3のタイミングチャートを参照して説明する。なお、後述の第3ないし第6ステップは同時に進行する。
【0049】
▲1▼第1ステップ
まず、マイコン201は、初期設定により、ミュート出力端子202から“H”のミューティング制御信号MUTEを出力する。また、ΔΣブロック101は、マイコン201の初期設定により、“L”の出力制御信号S1,S2がANDゲート1012,1013に与えられると、1ビット出力端子102,103から、それぞれ“L”の1ビット信号B1,B2を出力する。このため、EX−ORゲート401,402のそれぞれの出力EXOR3,4は“H”となる。それゆえ、出力トランジスタ503,504のゲートが“H”になり、それぞれの出力トランジスタ503,504はオンする。よって、EX−ORゲート304,305の出力EXOR1,2の状態に関わらず、コイル505,506のトランジスタ側は“L”となり、その出力に接続された負荷抵抗511の両端には電位差が発生しない。
【0050】
▲2▼第2ステップ
次に、“H”の出力制御信号S1がANDゲート1012に与えられると、1ビット出力端子102から1ビット信号B1として例えばPWM信号が出力される。PWM信号の出力開始時には、レベルシフタとして動作するコンデンサ301および抵抗302,303からなる回路によって決まる過渡応答で、EX−ORゲート304,305からの出力EXOR1,2が正しい正相信号,逆相信号とならない。
【0051】
しかし、この間も引き続きミュート出力端子202には“H”のミューティング制御信号MUTEが出力されるとともに、出力制御信号S2が“L”に維持されているために1ビット出力端子103からも“L”の1ビット信号B2が出力される。これにより、出力トランジスタ503,504は、ゲートが“H”になることによってオンする。したがって、コイル505,506のトランジスタ側は“L”が維持されるので、正相出力端子509と逆相出力端子510との間の負荷抵抗511の両端には電位差が発生しない。
【0052】
▲3▼第3ステップ
次に、1ビット出力端子102からのPWM信号の出力開始時から所定の時間(第2ステップ(▲2▼)での過渡応答の時間に比べて十分長い時間)後に、出力制御信号S2が“H”となることによって、1ビット出力端子103から1ビット信号B2としてPWM信号が出力される。これと同時にミュート出力端子202から“L”のミューティング制御信号MUTEが出力される。これにより、EX−ORゲート401からの出力EXOR3は、1ビット出力端子102からの1ビット信号B2と逆相の信号となる。
【0053】
▲4▼第4ステップ
EX−ORゲート402の出力EXOR4は、1ビット出力端子103からのPWM信号と“L”のミューティング制御信号MUTEとにより、1ビット出力端子102からの1ビット信号B1と同相の正相信号となる。
【0054】
▲5▼第5ステップ
EX−ORゲート304の出力EXOR1は、1ビット出力端子102からのPWM信号と“H”の電源電圧とによって、1ビット出力端子102からのPWM信号と逆相の信号となる。このとき、第2ステップ(▲2▼)での過渡応答の時間に比べて十分長い時間経過しているため、正しい逆相の信号が出力される。
【0055】
▲6▼第6ステップ
EX−ORゲート305からの出力EXOR2は、1ビット出力端子102からのPWM信号と“L”のグランド電位とによって、1ビット出力端子102からのPWM信号と同相の正相の信号となる。このとき、第2ステップでの過渡応答の時間に比べて十分長い時間経過しているため、正しい正相の信号が出力される。
【0056】
以上のEX−ORゲート304,305,401,402からの出力EXOR1〜4から出力トランジスタ501〜504に対して、出力トランジスタ501,503が交互にオン,オフを繰り返す一方、その逆のタイミングで出力トランジスタ502,504が交互にオン,オフを繰り返す。それぞれの出力トランジスタ502,504の接続点から出力される信号は、コイル505およびコンデンサ507をからなるローパスフィルタを通過する。一方、出力トランジスタ501,503の接続点から出力される信号は、コイル506およびコンデンサ508からなるローパスフィルタを通過する。そして、それぞれのローパスフィルタを経た信号は、正相出力端子509と逆相出力端子510とを介して負荷抵抗511に与えられる。この結果、オーディオ信号が負荷抵抗511によって音声として出力される。
【0057】
また、逆の順序で動作させることにより、電源遮断時の衝撃音を回避することも可能となる。
【0058】
具体的には、1ビット信号B2が“L”に固定されると同時に、ミューティング制御信号MUTEが“H”に変化すると、第2ステップと同様、出力トランジスタ503,504は、ゲートが“H”になることによってオンする。したがって、コイル505,506のトランジスタ側は“L”が維持されるので、正相出力端子509と逆相出力端子510との間の負荷抵抗511の両端には電位差が発生しない。また、第2ステップでの過渡応答の時間に比べて十分長い時間後に、1ビット信号B1が“L”に固定されると同時に、ミューティング制御信号MUTEが“H”を維持すると、出力トランジスタ503,504もオンしたままとなり、コイル505,506のトランジスタ側は“L”すなわちミューティング状態が維持される(ここでは第1ステップに対応)。
【0059】
このように、本実施の形態に係る平衡出力回路は、ミューティング制御信号MUTEをEX−ORゲート402に直接入力することによって、電源投入時の衝撃音を回避することが可能となる。また、出力トランジスタ501〜504とコイル505,506との間にミューティング用のトランジスタやリレーのような部品を介在させる必要がなくなるので、本平衡出力回路のコストアップを回避するとともに、本平衡出力回路を実装する基板の面積をそのような部品の実装のために増大させることを回避することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、本発明の平衡出力回路は、1系列の2値信号を同相の2系列信号にする2系列化手段と、前記2系列信号と同相の信号を出力する高電位側出力トランジスタ対および前記2系列信号と逆相の信号を出力する低電位側出力トランジスタ対からなるHブリッジ回路を有する出力手段と、前記2系列信号の一方に基づいて前記高電位側出力トランジスタ対を駆動するとともに、前記2系列信号の他方に基づいて前記低電位側出力トランジスタ対を駆動する駆動手段とを備え、前記駆動手段は、与えられた指令に基づいて前記高電位側および低電位側出力トランジスタ対からの信号の出力を停止させる構成である。
【0061】
これにより、2値信号で表されるオーディオ信号の伝達経路に影響を与えることなく電源投入時および電源遮断時の衝撃音を回避することができる。また、高電位側および低電位側出力トランジスタ対の出力動作を停止させることで、高電位側および低電位側出力トランジスタ対から出力される信号を後段の回路に伝達しないような遮断回路(トランジスタやリレー)が不要になる。したがって、そのような遮断回路用の部品やその部品を基板に実装するための面積を確保する必要がなくなり、平衡出力回路の小型化および低コスト化を容易に図ることができるという効果を奏する。また、リレーのようなメカニカルな部品が不要となるので、動作上の信頼性を向上させることができる。
【0062】
上記の平衡出力回路において、前記駆動手段は、前記指令に基づいて低電位側出力トランジスタ対をオフさせることにより、高電位側出力トランジスタ対の出力状態に関わらず、高電位側および低電位側出力トランジスタ対の信号出力を停止させることができる。したがって、より容易に衝撃音の発生を回避させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る平衡出力回路の構成を示す回路図である。
【図2】(a)および(b)は上記平衡出力回路におけるEX−ORゲートの動作を示すタイミングチャートである。
【図3】上記平衡出力回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図4】従来の平衡出力回路の構成を示す回路図である。
【図5】従来の他の平衡出力回路の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
101 ΔΣブロック(2系列化手段)
202 マイクロコンピュータ
300 駆動部(駆動手段)
500 出力部(出力手段)
501,502 出力トランジスタ(高電位側出力トランジスタ対)
503,504 出力トランジスタ(低電位側出力トランジスタ対)
MUTE ミューティング制御信号(指令)
Claims (2)
- 1系列の2値信号を同相の2系列信号にする2系列化手段と、前記2系列信号と同相の信号を出力する高電位側出力トランジスタ対および前記2系列信号と逆相の信号を出力する低電位側出力トランジスタ対からなるHブリッジ回路を有する出力手段と、前記2系列信号の一方に基づいて前記高電位側出力トランジスタ対を駆動するとともに、前記2系列信号の他方に基づいて前記低電位側出力トランジスタ対を駆動する駆動手段とを備えた平衡出力回路において、
前記駆動手段は、与えられた指令に基づいて前記高電位側および低電位側出力トランジスタ対からの信号の出力を停止させることを特徴とする平衡出力回路。 - 前記駆動手段は、前記指令に基づいて前記低電位側出力トランジスタ対をオフさせることを特徴とする請求項1に記載の平衡出力回路。
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